JP3897727B2 - 有害物質捕集材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害物質を含有した粘性土、ヘドロ、軟弱地盤等の高含水土を短期間に硬化させ、有害物質の溶出を抑えたり、有害物質を含む汚水を浄化する有害物質捕集材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】
有害物質を含有する産業廃棄物や産業排水の処理に関連する問題は、我々の生活と密着している。たとえば、メッキ工場やステンレス製鋼業等の廃棄物としてのクロム化合物、Ni-Cd電池におけるカドミウム等が挙げられる。
【0003】
これらの有害物質を含有する産業廃棄物の処理問題は、この分野に携わる技術者のみならず、一般の人々までも高い関心を持つようになってきた。
【0004】
本発明でいう有害物質とは、6価クロム、鉛、カドミウム、ニッケル、ヒ素、セレン、モリブデン、及び水銀、ダイオキシン、トリクロロエチレン等の揮発性有機化合物等であり、これらの有害物質は環境基本法を基に、たとえば、環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準)、水質汚濁防止法、廃棄物処理法、生活環境保全条例等の環境基準が制定されており、あらゆる環境中の有害物質量は厳しく規制されている。これらの環境基準を遵守するために、有害物質を分解、吸着、除去、あるいは捕集する方法が求められてきた。
【0005】
特に6価クロムは、メッキ工場をはじめとする各種化学工場の廃液や、生コンクリート工場の廃水中等に含まれているが、生体系に与える影響が大きく、環境保全上無害になるよう対策を講じる必要がある。
【0006】
そこで、水溶性の第一鉄塩を土壤等に添加し、6価クロムを還元して無害化する方法が提案されている(特許文献1〜3等参照)。
【0007】
しかしながら、水溶性の第一鉄塩は、6価クロムを3価に還元して不溶化する効果があるが、非常に高価であり、また、初期の無害化には優れるものの、空気中の酸素と容易に反応して酸化し還元作用が失われるため、長期的な効果は期待できないという課題があった。
【0008】
有害物質をセメント等により固定化する方法も提案されている(特許文献4等参照)。しかしながら、セメントは、その硬化に伴って6価クロム等の有害物質を固定化するため、硬化するまでの若材齢においての効果はほとんど期待できない。
【0009】
また、カルシウムアルミネートにより有害物質を固定化する方法も提案されている(特許文献5等参照)。しかしながら、カルシウムアルミネートは水和反応活性が極めて高く、単独で用いた場合はダマになりやすいため、改良土や汚水中に均一に分散させることが難しい。また、土壌や汚水が酸性条件下では固定能が大幅に低下するという課題があった。
【0010】
一方、地盤改良といってもその範囲は広く、低含水比から高含水比まで多岐に渡る。従来、地盤改良材として用いられている石灰系固化材は、石灰の消化反応により、短期間で脱水効果が得られるが、有害物質捕集効果はなく、セメント系固化材と比べると初期強度が不足するため、固化材として十分な強度になるまでに時間がかかるという問題があった。
【0011】
また、高炉水砕スラグを用いた6価クロム固定剤も知られている(特許文献6〜8等参照)。高炉水砕スラグは、たしかに安価な6価クロム還元剤となり得るが、関東ローム土のような粘土質の土壤では還元効率が低く、実用的とはいえない場合があった。
【0012】
そこで本発明者らは上記課題を鑑み種々検討した結果、高炉徐冷スラグが6価クロム還元剤として卓越した効果を有することを見出し(特許文献9等参照)、カルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグを含有してなる有害物質捕集材が、6価クロムだけでなく、鉛、カドミウム、セレン、ヒ素をはじめとする各種有害物質を捕集し、固定化して固化体からの溶出を抑え、かつ強度発現性に優れ、また汚水の浄化能力に優れ、さらに、土壌や汚水のpHに左右されることなく性能を発揮することを見出し本発明を完成させるに至った。
【特許文献1】
特開昭47-031894号公報
【特許文献2】
特開昭48-083114号公報
【特許文献3】
特開昭49-016714号公報
【特許文献4】
特開昭56-095399号公報
【特許文献5】
特開2002-153836号公報
【特許文献6】
特開平11-343162号公報
【特許文献7】
特開2001-170596号公報
【特許文献8】
特開2000-86322号公報
【特許文献9】
特願2001-339069号明細書
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、CaO/Al 2 O 3 のモル比が 1.0 3.0 であるブレーン比表面積 2,000cm 2 /g 以上のカルシウムアルミネートと非硫酸態イオウ量が 0.5% 以上でガラス化率が 5% 以下であるブレーン比表面積 2,000cm 2 /g 以上の高炉徐冷スラグを含有してなる有害物質捕集材であり、カルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグの合計 100 部中、カルシウムアルミネートが 1 90 部である該有害物質捕集材であり、高炉徐冷スラグから溶出する非硫酸態イオウのイオン濃度が100mg/リットル以上であることを特徴とする該有害物質捕集材であり、該有害物質捕集材を用いてなる土壌中の有害物質捕集方法であり、該有害物質捕集材を用いてなる汚水中の有害物質捕集方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明で使用するカルシウムアルミネートとは、CaOを含む原料とAl2O3を含む原料を混合して、キルンや電気炉で熱処理をして得られる水和活性を有する物質の総称であって、CaO及びAl2O3の一部がアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等で置換固溶された物質でも良い。また、カルシウムアルミネートの鉱物形態は結晶質、非晶質のいずれであっても良い。
【0016】
カルシウムアルミネートの粒度は特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積で2,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。2,000cm2/g未満では有害物質の固定性能や初期強度発現性が低下する場合がある。
【0017】
本発明で使用する高炉徐冷スラグは、徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。高炉徐冷スラグの成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO2、CaO、Al2O3、及びMgO等を主要な化学成分とし、その他の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3等が挙げられる。また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2等のカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2等のカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeS等の硫化物等を含む場合がある。
【0018】
また、本発明で用いる高炉徐冷スラグ中の非硫酸態イオウの含有量は、0.5%以上が好ましい。この範囲外では、所定の有害物質捕集効果が得られない場合がある。
【0019】
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、及び硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野の方法により定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法により定量することによっても求めることができる(「高炉スラグ中硫黄の状態分析」、山口直治、小野昭紘:製鉄研究、第301号、p.37-40、1980参照)。高炉徐冷スラグは、非硫酸態イオウを含有することにより、有害物質を捕集あるいは無害化する効果を発揮するものであるが、単に、非硫酸態イオウを含まないスラグに、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、及び亜硫酸塩等の非硫酸態イオウを添加したのでは、硫酸態イオウ化合物が容易に流出するため、長期的な有害物の捕集効果が得られない。
【0020】
また高炉徐冷スラグから溶出する非硫酸態イオウイオン濃度(溶解性イオウ濃度)は100mg/リットル以上が好ましい。本発明でいう溶解性イオウとは、イオウイオン(S2-)、多硫化物イオン(Sn 2-,n≧2)、チオ硫酸イオン(S2O3 2-)、亜硫酸イオン(SO3 2-)である。溶解性イオウ濃度は、本スラグ粉20gを20℃の水100ml中に入れ、30分間攪拌した後、固液分離した液相中に含まれる非硫酸態イオウイオンの濃度をいう。これらイオウ濃度はICP発光分析法やイオンクロマトグラフィ−によって定量することができる。
【0021】
高炉徐冷スラグ粉のガラス化率は、30%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。ガラス化率がこの範囲外では所定の有害物質捕集が得られない場合がある。ガラス化率が高い場合、ほぼ同量の非硫酸態イオウを含有していても、結晶質である高炉徐冷スラグに比しチオ硫酸イオウ等の溶出が極めて少なく、有害物質捕集効果が期待できない。
【0022】
本発明でいうガラス化率は、下記の式で求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる高炉徐冷スラグ粉中の主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶)のメインピークの面積であり、S0は高炉徐冷スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
ガラス化率 X(%)=(1−S/S0)×100
【0023】
高炉徐冷スラグの粒度は特に限定されるものではなく、砂状のものも利用可能であるが、ブレーン比表面積値で2,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜10,000cm2/gがより好ましい。高炉徐冷スラグの粒度が2,000cm2/g未満では有害物質捕集効果が低下する恐れがある。また、ブレーン比表面積値で10,000cm2/gでは過剰な粉砕動力が必要となることがある。
【0024】
カルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグの配合割合は特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグの合計100部中、カルシウムアルミネートは1〜90部が好ましく、10〜80部がより好ましく、20〜70部が最も好ましい。カルシウムアルミネートが1部未満では初期の有害物質の捕集効果や強度発現性が十分でない場合があり、90部を超えるとコストが高く、またカルシウムアルミネートの活性が強いため土壌中への混合度が低下したり、長期的な有害物質の捕集効果が得られなかったり、酸性雰囲気下での効果が損なわれる場合があるため好ましくない。
【0025】
本発明の有害物質捕集材には、本発明の目的を損ねない範囲で、公知の固化材等に使用されている成分を併用しても良い。具体的にはポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメント、及びジェットセメント等のセメント類、水砕スラグ等のスラグ類、二水セッコウや半水セッコウや無水セッコウ等の石膏類、消石灰等の石灰類、カオリンやマイカやベントナイト等の粘土化合物類、ゼオライトやアパタイト等の金属イオン交換体類、並びに、キレート化合物等を併用することも可能である。
【0026】
本発明の効果を損なわない範囲で還元剤を併用することは、有害物質の固定効果を高める観点から好ましい。還元剤としては、硫酸鉄(II)等の2価の鉄塩や、硫酸チタン(III)等のチタン塩等の硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化カルシウム、及び硫化アンモニウム等の硫化物、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、二酸化イオウやイオウ、並びに泥炭や亜炭等があり、これらのうち少量使用で有害物質の固定化率が高い硫酸鉄(II)、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウムの使用が好ましい。
【0027】
また、散布対象となる土壤や汚水は特に限定されないが、本発明の有害物質捕集材は、従来の固化材では顕著な効果が得られなかった関東ローム土や粘性土やヘドロや軟弱地盤等の土壤、工場排水や生活排水等の汚水の中の有害物質の捕集用途に使用可能である。
【0028】
本発明の有害物質捕集材の使用方法としては、(1)土壤や汚水に混合又は散布する、(2)多量の水に分散させて土壤や汚水に注入する、(3)セメントコンクリートと混合し、固化材として使用する、等の方法が考えられるが、(1)の土壤や汚水に混合又は散布する方法が最も好ましい。
【0029】
【実施例】
実験例1
カルシウムアルミネート50部と高炉徐冷スラグを50部を配合した有害物質捕集材を調製し、表1に示すように高炉徐冷スラグの種類を変化させた有害物質捕集材を調製した。一方、汚染土壌として6価クロム標準溶液を用いて6価クロム含有量50mg/kg(ドライベース)とした関東ローム土(自然含水比250%)を人工的に調製した。この汚染土壌に対し、表1に示す固化材を100kg/m3の割合で添加、混合し、材齢1日及び3日の一軸圧縮強度と、固化体から溶出する6価クロム濃度を測定した。結果を表1に示す。なお使用したカルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグの粉末度はいずれもブレーン表面積値6,000cm2/gとした。
【0030】
<使用材料>
カルシウムアルミネートA:C12A7組成の結晶質、ブレーン表面積値6,000cm2/g
スラグa:高炉徐冷スラグ、ガラス化率5%、非硫酸態イオウ0.9%、溶解性イオウ濃度418mg/リットル、密度3.00g/cm3、ブレーン表面積値6,000cm2/g
スラグb:高炉徐冷スラグ、ガラス化率5%、非硫酸態イオウ0.5%、溶解性イオウ濃度229mg/リットル、密度3.00g/cm3、ブレーン表面積値6,000cm2/g
スラグc:高炉徐冷スラグ、ガラス化率5%、非硫酸態イオウ0.3%、溶解性イオウ濃度138mg/リットル、密度3.00g/cm3、ブレーン表面積値6,000cm2/g
スラグd:高炉徐冷スラグ、ガラス化率30%、非硫酸態イオウ0.9%、溶解性イオウ濃度291mg/リットル、密度3.00g/cm3、ブレーン表面積値6,000cm2/g
スラグe:高炉水砕スラグ、ガラス化率95%、非硫酸態イオウ0.9%、溶解性イオウ濃度10mg/リットル、密度2.90g/cm3、ブレーン表面積値6,000cm2/g
6価クロム標準溶液:関東化学製、Cr標準溶液、1,000mg/リットル
【0031】
<試験方法>
一軸圧縮強度 :社団法人地盤工学協会編、「土質試験の方法と解説」P320-328に記載されている「土の一軸圧縮試験方法(JSF T 511)」に準拠して行った。
6価クロム濃度:環境庁告示第46号法に準じて測定した。
混合度:目視調査(○:充分混合、△:やや不均一、×:不均一)
【0032】
【表1】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であること
を示す。
【0033】
実験例2
スラグの種類をスラグaに固定し、カルシウムアルミネートの種類を表2に示すように変化させたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0034】
<使用材料>
カルシウムアルミネートB:C3A組成の結晶質、ブレーン表面積値6,000cm2/g
カルシウムアルミネートC:CA組成の結晶質、ブレーン表面積値6,000cm2/g
カルシウムアルミネートD:C12A7組成のガラス、ブレーン表面積値6,000cm2/g
【0035】
【表2】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であることを示す。
【0036】
実験例3
カルシウムアルミネートAとスラグaの配合割合を表3に示すように変化させたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であることを示す。
【0038】
実験例4
カルシウムアルミネートAとスラグaの粒度を表4に示すように変化さえたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であること
を示す。
【0040】
実験例5
カルシウムアルミネートA50部とスラグa50部からなる有害物質捕集材αを調製し、汚染土壌を硫酸又は水酸化ナトリウムを用いて酸性又はアルカリ性土壌としたこと以外は実施例1と同様に行った。
【0041】
<使用材料>
硫酸:関東化学製、試薬1級
水酸化ナトリウム:関東化学製、試薬1級
【0042】
【表5】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であることを示す。
【0043】
実験例6
カルシウムアルミネートAとスラグaを用い、人工的に汚染する有害物質の種類を表6に示すように変化させたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0044】
<使用材料>
6価クロム標準溶液:関東化学製、Cr標準溶液、1,000mg/リットル
セレン標準溶液 :関東化学製、Se標準溶液、1,000mg/リットル
ヒ素標準溶液 :関東化学製、As標準溶液、1,000mg/リットル
カドミウム標準溶液:関東化学製、Cd標準溶液、1,000mg/リットル
鉛標準溶液 :関東化学製、Pb標準溶液、1,000mg/リットル
【0045】
【表6】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であることを示す。
【0046】
実験例7
カルシウムアルミネートA50部とスラグa50部からなる有害物質捕集材αを調製した。この有害物質捕集材10gを用い、表7に示すような有害物質を含有する溶液50mlに入れ、7日又は28日間振とうさせた後固液分離した。その後、液相中に残存する有害物質の濃度を測定した。その結果を表7に示す。
【0047】
<使用材料>
トリクロロエチレン:市販品
【0048】
【表7】
Figure 0003897727
注:表中の「N.D.」は検出下限以下(約0.001mg/リットル以下)であることを示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明の有害物質捕集材を用いることにより、6価クロムをはじめとする各種有害物質を捕集し、固定して固化体からの溶出を抑え、かつ強度発現性に優れ、またこれら優れた性能が土壌や汚水のpHに影響されにくいという特徴を有する。本発明の有害物質捕集材は、メッキ工場やステンレス製鋼業等の廃棄物としてのクロム化合物、Ni-Cd電池におけるカドミウム等の有害物質を含む土壤に対し、(1)土壤や汚水に混合又は散布する、(2)多量の水に分散させて土壤や汚水に注入する、(3)セメントコンクリートと混合して固化材として使用する、等の方法で有害物質を含有した粘性土、ヘドロ、軟弱地盤等の高含水土壤を短期間に硬化させ、有害物質の溶出を抑えたり、有害物質で汚染された汚水を浄化する用途に適する。

Claims (5)

  1. CaO/Al2O3のモル比が1.0〜3.0であるブレーン比表面積2,000cm2/g以上のカルシウムアルミネートと非硫酸態イオウ量が0.5%以上でガラス化率が5%以下であるブレーン比表面積2,000cm2/g以上の高炉徐冷スラグを含有してなる有害物質捕集材。
  2. カルシウムアルミネートと高炉徐冷スラグの合計100部中、カルシウムアルミネートが1〜90部である請求項1に記載の有害物質捕集材。
  3. 高炉徐冷スラグから溶出する非硫酸態イオウのイオン濃度が100mg/リットル以上であることを特徴とする請求項又は2記載の有害物質捕集材。
  4. 請求項1〜3のうちの1項に記載の有害物質捕集材を用いてなる土壌中の有害物質捕集方法。
  5. 請求項1〜3のうちの1項に記載の有害物質捕集材を用いてなる汚水中の有害物質捕集方法。
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