JP3897231B2 - 光分岐器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に使用される光分岐器に関し、より特定的には、マルチモード干渉(Multi−Mode Interference:以下、MMIと略称する)を利用したMMI型光分岐器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光分岐器の性能はますます向上し、特に、MMI型Y分岐光導波路は、過剰損失のより少ない数多くの形態が開発されている。このMMI型Y分岐光導波路の原理について簡単に説明する。MMI型Y分岐光導波路は、マルチモード導波路部を有しており、基本モード光がマルチモード導波路部に入射すると、マルチモード導波路部において基本モード光と高次モード光が発生する。この両モード光の位相差に基づく干渉の結果、伝播する光の波形が変形する。そして、両モード光の位相がちょうどπだけ異なる箇所で、伝播する光は2つのピークをもつ強度分布を有するになる。この部分に対して2つの出力導波路を配置すれば、分岐比1:1の対称なY分岐を実現することができる。
【0003】
また、特開2000−121857号公報には、マルチモード干渉で現れる光強度分布の2つのピークについて、それらの高さに差を生じさせて、分岐比が非対称となるようなMMI型Y分岐光導波路が開示されている。
【0004】
このようにMMI型光分岐器は、光強度分布がピークに達する位置にあわせて出力導波路を設け、過剰損失を低減している。したがって、その形状や大きさは精密に規定されることになる。典型的には、光分岐器の分岐幅は20〜30μm程度である。また、その結果として、典型的には250μm程度の直径を有する光ファイバと光結合させるために、別個に結合用素子を用意したり、出力導波路を光ファイバの大きさに合わせて加工したりする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のように、別個に素子を用意したり、出力導波路に特別な加工を施すことには、さらにコストがかかることになる。また、光ファイバとの光軸合わせを容易に行えるように特別な構成としない限り、従来のMMI型光分岐器では、光ファイバと容易に光結合させる構成とすることが困難である。さらに、従来のMMI型光分岐器のように、その形状や大きさが精密に規定された導波路を作製することは必ずしも容易ではない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、光ファイバと容易に光結合させることができる構造を有し、かつ低コストで容易に作製することができるMMI型光分岐器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、光結合する外部の入力側光ファイバからの入射光を分岐して、光結合する外部の互いに平行な複数の出力側光ファイバへそれぞれ出射する光分岐器であって、入力側光ファイバの出射側端面と接し、複数の出力側光ファイバの入射端面と接する直方体の分岐部と、分岐部は、入力側光ファイバの出射側端面と接し、かつ、入力側光ファイバの直径を一辺とする正方形の形状を有する第1平面と、複数の出力側光ファイバの入射端面と接し、第1平面に平行で、第1平面と同一の正方形形状を有する第2平面と、第1平面と垂直であり、分岐部の側部にお互い平行に位置する第3及び第4平面と、分岐部の上部に位置する第5平面と、分岐部の下部に位置する第6平面とを有し、分岐部の第3平面と接し、第3平面に対して入力側光ファイバと平行する方向において分岐部より長い直方体の第1ガイドと、分岐部の第4平面と接し、第4平面に対して入力側光ファイバと平行する方向において分岐部より長い直方体の第2ガイドと、分岐部の第5平面と接し、第5平面に対して入力側光ファイバと平行する方向において分岐部より長く、かつ、分岐部に光を閉じ込めることができる所定の屈折率を有するクラッド材料から成る第1カバーと、分岐部の第6平面と接し、第6平面に対して入力側光ファイバと平行する方向において分岐部より長く、かつ、所定の屈折率を有するクラッド材料から成る第2カバーとで構成され、入力側光ファイバは、第1及び第2ガイドと第1及び第2カバーとに接することで固定されており、複数の出力側光ファイバは、第1及び第2ガイドに接することで固定されていることを特徴とする。
【0008】
上記のように、第1の発明によれば、入力側光ファイバと出力側光ファイバとを容易に光結合させることができる構造を有し、かつ低コストで容易に作製することができる光分岐器を提供することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、分岐部は、少なくとも第1平面と第2平面とに露出面を有し、マルチモード干渉を利用した光の内部伝播によって入射光を第2面上の複数の出力側光ファイバの各光軸と一致する位置に分岐できる屈折率の材料から成るスラブ部と、スラブ部よりも屈折率が小さい材料から成る基板とを含む。
【0010】
上記のように、第2の発明によれば、低コストで容易に作製することができるマルチモード干渉(MMI)型光分岐器を提供することができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、分岐部は、少なくとも第1平面に露出面を有し、マルチモード干渉を利用した光の内部伝播によって入射光を分岐できる屈折率の材料から成るスラブ部と、スラブ部が分岐した光を第2平面上の複数の出力側光ファイバの各光軸と一致する位置までそれぞれ伝播する複数の導波路コアと、スラブ部及び複数の導波路コアよりも屈折率が小さい材料から成る基板とを含む。
【0012】
上記のように、第3の発明によれば、低コストで容易に作製することができるマルチモード干渉(MMI)型光分岐器を提供することができる。
【0013】
第4の発明は、第2及び第3の発明に従属する発明であって、スラブ部のスラブ長は、入力側光ファイバの光軸と複数の出力側光ファイバの光軸との距離と、スラブ部の屈折率と、基板の屈折率と、第1のカバーの屈折率と、第2のカバーの屈折率とに基づいて、最適な値が選ばれることを特徴とする。
【0014】
上記のように、第4の発明によれば、上記の距離や屈折率等をパラメータとする所定の関数によって、最適なスラブ長を容易に決定することができる。
【0015】
第5の発明は、第3の発明に従属する発明であって、所定の使用環境温度の範囲内における前記複数の導波路コアの屈折率および前記基板の屈折率は、前記複数の出力側光ファイバとの光結合ロスを許容することができる最低屈折率差以上の屈折率差を生じるように選ばれることを特徴とする。
【0016】
上記のように、第5の発明によれば、光閉じ込め条件を満たす屈折率差以上になるようにコア材料とクラッド材料の温度特性を考慮して選択することにより、使用温度範囲において常に光を閉じ込めることができる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、屈折率差は、前記複数の導波路コアの各垂直断面の高さ及び幅に関連して選ばれることを特徴とする。
【0018】
上記のように、第6の発明によれば、さらにコア断面の高さと幅とを考慮することにより、使用温度範囲において常に光を閉じ込めることができる。
【0019】
第7の発明は、第5の発明に従属する発明であって、屈折率差は、複数の導波路コアの各垂直断面の高さ及び幅の平均値に関連して選ばれることを特徴とする。
【0020】
上記のように、第7の発明によれば、さらにコア断面の高さと幅との平均値を考慮することにより、使用温度範囲において常に光を閉じ込めることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。図1に示すように、本光分岐器は、入射側光ファイバ61と、第1および第2の出射側光ファイバ62および63とに接続しており、第1および第2のカバー69および70と、第1および第2のガイド71および72と、分岐部73とを備える。また、分岐部73は、スラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68と、基板74とを含む。
【0040】
なお、以下の全ての実施形態に係る説明において、本光分岐器の上下方向は、図の上下方向に対応し、その前方向は、図の左方向に対応し、その後方向は、図の右方向に対応し、その左方向は、図の手前方向に対応し、その右方向は、図の奥方向に対応するものとする。
【0041】
まず、入射側光ファイバ61は、スラブ66の前面の所定部分に対して前方から光を入射するように、本光分岐器に接続される。第1および第2の出射側光ファイバ62および63は、相互に平行に配置されており、対応する第1および第2の導波路コア67および68の後面から射出した光を後方へ伝播するように、本光分岐器に接続される。このように、第1および第2の導波路コア67および68を設けることによって、光軸の位置決めを容易に行うことができる。なお、光ファイバと本光分岐器の対応部分との光軸を容易に合わせるための構造については後述する。
【0042】
次に、本光分岐器の分岐部73において、スラブ66は、基板74の左右方向中央部付近に形成された左右方向に薄く、前後方向に所定の長さ(以下、スラブ長と称する)を有する板状の光導波路であり、前と上下とに露出面を有する。また、第1の導波路コア67は、スラブ66と一体として基板74の上部に形成された前後方向に長い棒状の光導波路であり、後ろと上とに露出面を有する。同様に、第2の導波路コア68は、基板74の下部に形成された長い棒状の光導波路であり、後ろと下とに露出面を有する。また、スラブ66および第1の導波路コア67の左右側面および上面は面一であり、スラブ66および第2の導波路コア68の左右側面および下面は面一である。さらに、スラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68の光軸は同一平面上に含まれ、かつ、第1および第2の導波路コア67および68の光軸は、スラブ66の光軸に対して、平行であって対称な位置にある。
【0043】
このような分岐部73は、例えば、以下のような製法を用いて容易に作製することができる。まず、基板74は、左右方向の中央において2つに分割される第1および第2の基板から構成されているものとする。これら第1および第2の基板の向かい合う面には、エッチングや金型成形などの手法を用いて溝を形成する。そして、これらの溝に対して所定の屈折率を有する材料を流し込んで貼り合わせば、スラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68とを容易に作製することができる。また、基板74が、上下方向の中央において2つに分割される第1および第2の基板で構成されていても、これらの基板の溝を上下対称な形に形成すれば、同様な方法により容易に作製することができる。さらに、基板74の前面から後ろ方向へ金型を押し込むことによっても、同様に作製することができる。なお、基板74を構成する材料の屈折率は、スラブ66と第1および第2の導波路コア67および68とを構成する材料(以下、コア材料と称する)の屈折率よりも小さいものとする。
【0044】
次に、本光分岐器において、第1のカバー69は、外挿された入射側光ファイバ61の上部と接し、かつスラブ66および第1の導波路コア67が露出する基板74の上面と接する。また、第2のカバー70は、外挿された入射側光ファイバ61の下部と接し、かつスラブ66および第2の導波路コア68が露出する基板74の下面と接する。なお、第1および第2のカバー69および70が、入射側光ファイバ61を上下方向を挟むように接しているのは、光軸合わせのためである。詳しくは後述する。
【0045】
また、これら第1および第2のカバー69および70を構成する材料は、コア材料の屈折率よりも小さい。したがって、これらはクラッドとして機能する。このように構成すれば、基板74と、第1および第2のカバー69および70とによって、スラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68との中を伝播する光を伝搬経路から漏れ出さないように閉じ込めることができる。
【0046】
なお、コア材料が、基板74と第1および第2のカバー69および70とを構成する材料(以下、クラッド材料と称する)よりも低い屈折率を有するか、または高い屈折率であってもその屈折率差が所定値を下回る場合には、光を伝搬経路中に閉じ込めることができない。この光を閉じ込めるための条件を光閉じ込め条件と称する。
【0047】
ここで、一般的にコア材料として樹脂を使用し、クラッド材料として無機材料(ガラスなど)を使用すると、それぞれの材料の温度特性が相違していることにより、光閉じ込め条件を満足させることができない温度範囲を生じることがある。図2は、例として、コア材料としての樹脂と、クラッド材料としてのガラスとの屈折率差および温度変化の関係を示したグラフである。なお、光閉じ込め条件を満たす限界の屈折率差は、点線で示されている。また、図2においては、異なるコア材料の屈折率を有する11の例が示されている。
【0048】
図2を参照すれば、温度を徐々に上げると上記屈折率差は小さくなり、やがて光閉じ込め条件の限界屈折率差を下回って、光閉じ込め条件を満たさなくなる。図2において、使用温度範囲内(−20℃〜80℃)で光閉じ込め条件を満たすのは、上から3例のみである。したがって、使用温度範囲内で光閉じ込め条件を満たすためには、屈折率差を十分大きくすれば良いことになるが、屈折率差にも上限値はある。具体的には、コアの屈折率をクラッドの屈折率よりも0.2〜0.5%高めるの好適例である。
【0049】
また、図3は、断面が正方形状である四角コア(図1における第1および第2の導波路コア67および68)の寸法と、コア材料およびクラッド材料の屈折率差と、光ファイバおよび光分岐器の結合ロス相対変化(dB)との関係を示したグラフである。ただし、結合ロス相対変化は、最適結合ロスから結合ロスがどれだけ変化したかを示すためのものであって、結合ロスの絶対値はそれぞれのコア寸法に応じて異なり、グラフ上では各寸法毎に見やすい位置に配置している。また、コア寸法は、小さいものから大きいものの例として、a1(=2μm)からa7(=8μm)まで1μ毎に変化させた7つを示している。
【0050】
図3を参照すれば、それぞれのコア寸法を有するコア材料とクラッド材料との屈折率差が所定の差以下になると、結合ロスは急激に悪化する。図中の点線は、この急激に悪化する直前の屈折率差をコア寸法毎に結んだ直線であって、結合ロスを許容し得る最低の屈折率差を示している。したがって、コア寸法が大きいほど屈折率差が小さくても光を閉じ込めやすいと言える。ただ、コアの大きさにも上限はある。具体的には、コアの高さと幅の平均を2〜5μmにするのが好適例である。
【0051】
以上より、使用温度範囲において常に光を閉じ込めるためには、コア断面の高さと幅または高さと幅の平均とを考慮し、さらに光閉じ込め条件を満たす屈折率差以上になるようにコア材料とクラッド材料の温度特性を考慮して選択する必要がある。
【0052】
また、スラブ66のスラブ長は、第1または第2の導波路コア67または68の光軸とスラブ66の光軸との距離と、スラブ66の屈折率と、基板74の屈折率と、第1のカバー69の屈折率と、第2のカバー70の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができる。例えば、最適なスラブ長は、これらをパラメータとする所定の関数によって決定することができる。なお、第1または第2の導波路コア67の長さを調整すれば、光分岐器の大きさを変更することなく、最適なスラブ長に設定することができることは言うまでもない。
【0053】
図4は、入射側光ファイバ61から第1および第2の出射側光ファイバ62および63までの結合ロスとスラブ長との関係を示したグラフである。図4では、結合ロス(dB)を縦軸に、スラブ長を横軸にとっている。図4を参照すると、スラブ長によって、結合ロスが変化し、第1および第2の導波路コア67および68からの出射光位置における光量が変化する様子がみられる。このように光量が変化するのは、入射側光ファイバ61からスラブ66へ入射する光がシングルモードであっても、スラブ66内において波面が互いに干渉し合うことによってマルチモード化し、光量分布がスラブ形状によって変化することになるからである。そして、結合ロスの極大点は、スラブ長に沿って複数個現れ、図7においては、第1ないし第3の最適スラブ長に対応する。ここで、本光分岐器を小型化するためには、スラブ形状が最も小さくなるのが好ましいことから、スラブ66のスラブ長には、図7に示されるように、第1の最適スラブ長を選ぶのが好適である。
【0054】
次に、本光分岐器において、第1のガイド71は、外挿された入射側光ファイバ61と、第1および第2の出射側光ファイバ62および63との右側部分に接し、かつ基板74と、第1および第2のカバー69および70との右側面に接する。第2のガイド72は、外挿された入射側光ファイバ61と、第1および第2の出射側光ファイバ62および63との左側部分に接し、かつ基板74と、第1および第2のカバー69および70との左側面に接する。
【0055】
このように、第1および第2のガイド71および72は、左右から上記光ファイバを挟み込むことにより、光軸合わせを容易に行うことができる。すなわち、基板74の左右方向の厚みを光ファイバの直径とほぼ同一にすれば、第1および第2のガイド71および72に挟まれた光ファイバのコア中心は、ちょうど基板中央に設けられたスラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68との左右方向の中心に位置決めされる。
【0056】
さらに、前述のように、第1および第2のカバー69および70は、入射側光ファイバ61を上下方向に挟み込んでいるので、基板74の上下方向の厚みを光ファイバの直径とほぼ同一にすれば、入射側光ファイバ61のコア中心は、スラブ66と、第1および第2の導波路コア67および68との上下方向の中心に位置決めされる。
【0057】
また、第1および第2の出射側光ファイバ62および63を上下方向に挟むように、例えば図示していない第3および第4のガイドを設ければ、上下方向の位置決めも容易に行うことができる。さらに別例として、上下方向の位置を調整して最適な射出光位置に光ファイバの光軸をセットすることができるオフセット調整部を設けてもよい。
【0058】
なお、以上のようにして位置決めされた光ファイバは、典型的には接着剤等で固定される。また、第1および第2のガイド71および72は、光を閉じ込める機能を有していないことから、クラッド材料である必要はないが、第1および第2のカバー69および70や基板74と同一の材料によって、これらと一体的に形成されてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。図5に示すように、本光分岐器は、入射側光ファイバ61と、第1および第2の出射側光ファイバ62および63とに接続しており、第1および第2のカバー81および82と、第1および第2のガイド71および72と、分岐部85とを備える。また、分岐部85は、スラブ86と、第1および第2の基板83および84とを含む。なお、図1に示した第1の実施形態に係る光分岐器と同一の構成部には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図5を参照すると、本光分岐器は、図1の光分岐器に備えられる第1および第2の導波路コア67および68が省略されており、第1および第2の出射側光ファイバ62および63のコアがスラブ86と直接接触している点が、図1の光分岐器と大きく異なる。このことから、本光分岐器は、前後方向の長さをより短くすることによって小型化することができる。
【0061】
また、第1および第2の導波路コアを作製する必要がないことから、分岐部85を容易に作製することができる。例えば、分岐部85は、中央のスラブ86を左右方向からそれぞれ第1および第2の基板83および84によって挟み込むようにして作製される。したがって、エッチングや金型成形などの手法を用いて基板に溝を形成する必要がなく、容易に作製することができる。
【0062】
その他、図5の第1および第2のカバー81および82と、基板84と、スラブ86とは、図1のそれらとは長さが異なる他は、同一の機能を有する。なお、第1および第2のガイド71および72は、図1と同一であるが、もちろん必要に応じて前後方向の長さを短くしてもよい。
【0063】
また、スラブ86のスラブ長は、第1または第2の出射側光ファイバ62または63の光軸とスラブ86の光軸との距離と、スラブ86の屈折率と、基板84の屈折率と、第1のカバー81の屈折率と、第2のカバー82の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができることは、図4において前述したと同様である。
【0064】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。図6に示すように、本光分岐器は、入射側光ファイバ61と、第1ないし第4の出射側光ファイバ110〜113とに接続しており、第1ないし第4のカバー97〜100と、分岐部102とを備える。また、分岐部102は、第1および第2のスラブ91および92と、第1ないし第4の導波路コア93〜96と、基板101とを含む。
【0065】
図6を参照すると、本光分岐器は、図1の光分岐器に備えられる第1および第2のガイドに替えて、第3および第4のカバー99および100が備えられており、さらに、分岐部102において、第2のスラブ92と、第3および第4の導波路コア95および96と、基板101とを新たに含む点が、図1の光分岐器と大きく異なる。なお、本光分岐器におけるその他の部材は、図1のそれとほぼ同様であるので、説明は省略する。以下、図1の光分岐器と異なる点について詳述する。
【0066】
本光分岐器において、第3および第4のカバー99および100は、入射側光ファイバ61を左右方向から挟み込むように設けられてその位置決めを行う、という機能は、図1における第1および第2のガイド71および72において前述したと同様である。しかし、図6から明らかなように、本光分岐器の後面は、凹凸のない平面であって、第1ないし第4の出射側光ファイバ110〜113の位置決めを行う部材は、特に設けられていない。
【0067】
また、第3および第4のカバー99および100は、第1および第2のカバー97および98と同一の屈折率を有するクラッド材料で構成されており、第3および第4の導波路コア95および96の中に光を閉じ込めて伝播させるためのクラッドとして機能する。この点で、クラッドとして機能しない図1における第1および第2のガイド71および72とは異なる。
【0068】
なお、図6において、第3および第4のカバー99および100は、第1および第2のカバー97および98を左右方向から挟み込むように構成されている。しかし、第3および第4のカバー99および100の上下方向の長さを短くして、第1および第2のカバー97および98によって上下方向から挟み込まれるように構成されてもよいし、これらを含む構成部全てが一体的に形成されていてもよい。
【0069】
次に、本光分岐器の分岐部102において、第1のスラブ91や第1および第2の導波路コア93および94は、図1のスラブ66などと同様である。また、これらを入射側光ファイバ61の光軸(すなわち、第1のスラブ91の光軸)を中心軸として90度回転させると、第2のスラブ92や第3および第4の導波路コア95および96の構造に合致する。すなわち、第2のスラブ92および第3の導波路コア95の上下面および左側面は面一であり、第2のスラブ92および第4の導波路コア96の上下面および右側面は面一である。さらに、第2のスラブ92と、第3および第4の導波路コア95および96の光軸は同一平面上に含まれ、かつ、第3および第4の導波路コア95および96の光軸は、第2のスラブ92の光軸に対して、平行であって対称な位置にある。
【0070】
このような分岐部102は、図1の分岐部73と同様に、例えば、左右方向または上下方向の中央において2つに分割される第1および第2の基板に溝を形成し、これらの溝に対して所定の屈折率を有する材料を流し込んで貼り合わせることにより、容易に作製することができる。
【0071】
また、第1のスラブ91のスラブ長は、第1または第2の出射側光ファイバ110または111の光軸と第1のスラブ91の光軸との距離と、第1のスラブ91の屈折率と、基板101の屈折率と、第1および第2のカバー97および98の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができるし、さらに、第2のスラブ92のスラブ長も、第3または第4の出射側光ファイバ112または113の光軸と第2のスラブ92の光軸との距離と、第2のスラブ92の屈折率と、基板101の屈折率と、第3および第4のカバー99および100の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができることは、前述と同様である。
【0072】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。図7に示すように、本光分岐器は、入射側光ファイバ61と、第1ないし第4の出射側光ファイバ110〜113とに接続しており、第1ないし第4のカバー106〜109と、分岐部114とを備える。また、分岐部114は、第1および第2のスラブ91および92と、第1ないし第4の基板115〜118とを含む。なお、図6に示した第3の実施形態に係る光分岐器と同一の構成部には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
図7を参照すると、本光分岐器は、図6の光分岐器に備えられる第1ないし第4の導波路コア93および96が省略されており、第1ないし第4の出射側光ファイバ110〜113のコアが対応する第1および第2のスラブ91および92と直接接触している点が、図6の光分岐器と大きく異なる。このことから、本光分岐器は、前後方向の長さをより短くすることによって小型化することができる。
【0074】
また、第1および第2の導波路コアを作製する必要がないことから、分岐部114を容易に作製することができる。例えば、分岐部114は、第1および第2のスラブ91および92を上下左右方向からそれぞれ対応する第1ないし第4の基板115〜118によって挟み込むようにして作製される。したがって、エッチングや金型成形などの手法を用いて基板に溝を形成する必要がなく、容易に作製することができる。これらの特徴は、図5に示す第2の実施形態に係る光分岐器と同様である。
【0075】
また、第1のスラブ91のスラブ長は、第1または第2の出射側光ファイバ110または111の光軸と第1のスラブ91の光軸との距離と、第1のスラブ91の屈折率と、第1ないし第4の基板115〜118の屈折率と、第1および第2のカバー106および107の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができるし、さらに、第2のスラブ92のスラブ長も、第3または第4の出射側光ファイバ112または113の光軸と第2のスラブ92の光軸との距離と、第2のスラブ92の屈折率と、第1ないし第4の基板115〜118の屈折率と、第3および第4のカバー108および109の屈折率とに基づいて、最適な値を決定することができることは、図4において前述したと同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。
【図2】コア材料とクラッド材料との屈折率差および温度変化の関係を示したグラフである。
【図3】四角コアの寸法と、コア材料およびクラッド材料の屈折率差と、光ファイバおよび光分岐器の結合ロス相対変化(dB)との関係を示したグラフである。
【図4】入射側光ファイバ61から第1および第2の出射側光ファイバ62および63までの結合ロスとスラブ長との関係を示したグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る光分岐器の構造を示した模式図である。
【符号の説明】
61 入射側光ファイバ
62 第1の出射側光ファイバ
63 第2の出射側光ファイバ
66 スラブ
67 第1の光導波路
68 第2の光導波路
69 第1のカバー
70 第2のカバー
71 第1のガイド
72 第2のガイド
73 分岐部
74 基板
81 第1のカバー
82 第2のカバー
83 第1の基板
84 第2の基板
85 分岐部
86 スラブ
91 第1のスラブ
92 第2のスラブ
93 第1の導波路コア
94 第2の導波路コア
95 第3の導波路コア
96 第4の導波路コア
97 第1のカバー
98 第2のカバー
99 第3のカバー
100 第4のカバー
101 基板
106 第1のカバー
107 第2のカバー
108 第3のカバー
109 第4のカバー
110 第1の出射側光ファイバ
111 第2の出射側光ファイバ
112 第3の出射側光ファイバ
113 第4の出射側光ファイバ
115 第1の基板
116 第2の基板
117 第3の基板
118 第4の基板

Claims (7)

  1. 光結合する外部の入力側光ファイバからの入射光を分岐して、光結合する外部の互いに平行な複数の出力側光ファイバへそれぞれ出射する光分岐器であって、
    前記入力側光ファイバの出射側端面と接し、前記複数の出力側光ファイバの入射端面と接する直方体の分岐部と、
    前記分岐部は、
    前記入力側光ファイバの出射側端面と接し、かつ、前記入力側光ファイバの直径を一辺とする正方形の形状を有する第1平面と、
    前記複数の出力側光ファイバの入射端面と接し、前記第1平面に平行で、前記第1平面と同一の正方形形状を有する第2平面と、
    前記第1平面と垂直であり、前記分岐部の側部にお互い平行に位置する第3及び第4平面と、
    前記分岐部の上部に位置する第5平面と、
    前記分岐部の下部に位置する第6平面とを有し、
    前記分岐部の前記第3平面と接し、前記第3平面に対して前記入力側光ファイバと平行する方向において前記分岐部より長い直方体の第1ガイドと、
    前記分岐部の前記第4平面と接し、前記第4平面に対して前記入力側光ファイバと平行する方向において前記分岐部より長い直方体の第2ガイドと、
    前記分岐部の前記第5平面と接し、前記第5平面に対して前記入力側光ファイバと平行する方向において前記分岐部より長く、かつ、前記分岐部に光を閉じ込めることができる所定の屈折率を有するクラッド材料から成る第1カバーと、
    前記分岐部の前記第6平面と接し、前記第6平面に対して前記入力側光ファイバと平行する方向において前記分岐部より長く、かつ、前記所定の屈折率を有するクラッド材料から成る第2カバーとで構成され、
    前記入力側光ファイバは、前記第1及び第2ガイドと第1及び第2カバーとに接することで固定されており、
    前記複数の出力側光ファイバは、前記第1及び第2ガイドに接することで固定されていることを特徴とする、光分岐器。
  2. 前記分岐部は、
    少なくとも前記第1平面と前記第2平面とに露出面を有し、マルチモード干渉を利用した光の内部伝播によって前記入射光を前記第2面上の前記複数の出力側光ファイバの各光軸と一致する位置に分岐できる屈折率の材料から成るスラブ部と、
    前記スラブ部よりも屈折率が小さい材料から成る基板とを含む、請求項1に記載の光分岐器。
  3. 前記分岐部は、
    少なくとも前記第1平面に露出面を有し、マルチモード干渉を利用した光の内部伝播によって前記入射光を分岐できる屈折率の材料から成るスラブ部と、
    前記スラブ部が分岐した光を前記第2平面上の前記複数の出力側光ファイバの各光軸と一致する位置までそれぞれ伝播する複数の導波路コアと、
    前記スラブ部及び前記複数の導波路コアよりも屈折率が小さい材料から成る基板とを含む、請求項1に記載の光分岐器。
  4. 前記スラブ部のスラブ長は、前記入力側光ファイバの光軸と前記複数の出力側光ファイバの光軸との距離と、前記スラブ部の屈折率と、前記基板の屈折率と、前記第1のカバーの屈折率と、前記第2のカバーの屈折率とに基づいて、最適な値が選ばれることを特徴とする、請求項2又は3に記載の光分岐器。
  5. 所定の使用環境温度の範囲内における前記複数の導波路コアの屈折率および前記基板の屈折率は、前記複数の出力側光ファイバとの光結合ロスを許容することができる最低屈折率差以上の屈折率差を生じるように選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の光分岐器
  6. 前記屈折率差は、前記複数の導波路コアの各垂直断面の高さ及び幅に関連して選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の光分岐器
  7. 前記屈折率差は、前記複数の導波路コアの各垂直断面の高さ及び幅の平均値に関連して選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の光分岐器
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