JP3896906B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生室で加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧力発生室で加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射装置は、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置をあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置を例にとって、図9〜図12にしたがって説明する。
【0003】
この記録ヘッドは、ノズル開口2を有する流路ユニット1と、この流路ユニット1が貼着されるヘッドケース9とから構成されている。
【0004】
上記流路ユニット1は、ノズル形成面3Aにノズル開口2が列設されたノズルプレート3と、各ノズル開口2に連通する圧力発生室4が列設された流路基板5と、各圧力発生室4の下部開口を塞ぐ振動板6とが積層されて構成されている。流路基板5には、各圧力発生室4とインク流路7を介して連通し、各圧力発生室4に導入されるインクを貯留するインク貯留室8が形成されている。なお、記録ヘッド全体は符号Hで示されている。
【0005】
上記記録ヘッドHの基部材をなすヘッドケース9は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が射出成形されてなり、上下に貫通する収容空間10に圧力発生素子11が収容されるようになっている。圧力発生素子11は、後端側がヘッドケース9に取り付けられた固定基板12に固着されるとともに、先端面が振動板6下面の島部6Aに固着されている。
【0006】
上記各圧力発生室4,圧力発生素子11,ノズル開口2は、図10における紙面に垂直な方向に多数配列されている。すなわち、この例では2列のノズル列が形成され、各ノズル列を1単位として同種のインクを吐出するようになっている。
【0007】
上記圧力発生素子11の各々には、入力用の導通線13が接続され、各導通線13はヘッド基板14の通孔14Aに挿通されてからヘッド基板14上のプリント配線15に接続されている。このプリント配線15が集約されてコネクター16を介してフレキシブルフラットケーブル17に接続されている。このフレキシブルフラットケーブル17は図示していない駆動回路に接続され、この駆動回路からの駆動信号が圧力発生素子11に入力されると、圧力発生素子11が長手方向に伸縮させられ、圧力発生室4内の圧力を変動させることにより、圧力発生室4内のインクをノズル開口2からインク滴として吐出させる。
【0008】
図9および図10において、18は振動板6を介して吐出時のインク貯留室8内の圧力変動を逃がすダンパ用凹部であり、19は上記ダンパ用凹部18を大気に連通させてダンパ用凹部18内の圧力低下を防止する外部連通路である。
【0009】
上記のような記録ヘッドHでは、印刷動作を行わない状態で記録ヘッドHを休止状態でおいておくと、ノズル開口2付近のインクが乾燥して目詰まりが生じてしまう。このため、印刷動作を行わない間は、記録ヘッドHのノズル開口2を、キャッピング装置38で封止することが行われる。ところが、上記キャッピング装置38によりノズル開口2を封止していたとしても放置期間が長くなると、ノズル開口2近傍のインクの溶媒(水分)がすこしづつ揮散して粘度が上昇し、すぐには印刷できなかったり、印刷品質が低下する等のトラブルが発生しやすくなる。そこで、図11に示すように、キャッピング装置38の内部空間に保湿材40を設け、この保湿材40の保湿効果により、ノズル開口2近傍のインクの乾燥を低減させることが行われている。
【0010】
上記保湿材40への保湿は、印刷とは無関係に各ノズル開口2から強制的にインク滴を吐出させることにより、ノズル開口2の目詰まりを解消し、インク滴吐出能力を回復させる「フラッシング動作」や、各ノズル開口2に吸引ポンプで負圧を与えることにより、圧力発生室4内等の増粘したインクをあらかじめ強制的に吸引する「クリーニング動作」に伴うインクの含浸によって行われることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11の符号41は、キャッピング装置38の略中央部に形成した吸引口であり、吸引ポンプ39の吸引力で吸引された廃インクをこの吸引口41から廃インク貯留部(図示していない)に流出させる。この吸引口41は、図示の配管や吸引ポンプ39を経て大気に連通しているので、キャッピング装置38内の保湿材40に含浸されているインクの水分も、長期にわたるインクジェット式記録装置の使用休止においては徐々に蒸発し、ノズル開口2およびその近傍に対する保湿効果が低下してくる。
【0012】
このような保湿効果の低下を補うために、上記のフラッシング動作やクリーニング動作が利用されているが、フラッシング動作やクリーニング動作が終了した直後から記録ヘッドHがキャッピング装置38から離れて印刷動作を実行するので、キャッピング装置38は開放状態となり、そのあいだにインク中の水分が蒸発する。このようにインク中の水分の蒸発が進行した状態のキャッピング装置38で、記録ヘッドHを封止しても、封止した時点ではインク中の水分が相当量蒸発してしまっているので、結果的には、本来の保湿作用を果たすべきキャッピング機能に不足を来すこととなる。上述のような現象は、フラッシング動作やクリーニング動作によるインク補給の時期が、保湿材40へのインク補給にとって相応しくない時期であることに起因している。
【0013】
一方、保湿材40へのインクの補給量についても、上記フラッシング動作やクリーニング動作が、本来、ノズル開口2近傍のインク粘度を正常化することが目的とされて実行されているので、これらのフラッシング動作やクリーニング動作の際にノズル開口2から流出するインクの量は、ノズル開口2近傍の回復に必要な量とされている。したがって、フラッシング動作やクリーニング動作を機会にして保湿材40に補給されたインクの量は、満足な保湿効果をもたせるためのインクの量としては、不十分になる可能性が高くなる。また、上記の印刷動作中における開放されたキャッピング装置38からの水分蒸発の現象から見ても、フラッシング動作やクリーニング動作の機会に適正なインクの補給量を確保することは困難である。
【0014】
図12は、インクジェット式記録装置を休止させてキャッピング装置38がノズル開口2を封止している「キャッピング放置時間」と、ノズル開口2からインク中の水分が蒸発する「ノズル蒸発量」との関係を示す線図である。同図の時間L1は、保湿材40の保湿量が十分に確保されている時間であり、したがって、このあいだのノズル蒸発量はごくわずかであり、ノズル開口2近傍のインク粘度上昇も低くとどめられる。時間L1を経過すると、上記保湿量が減少するので、ノズル蒸発量が急上昇しノズル開口2近傍のインク粘度上昇が急激に高くなる。このようにノズル蒸発量が急上昇した場合でも、比較的少ない回数のクリーニング動作で印字可能となる程度すなわち時間L2とすることが望まれる。したがって、保湿量をより増量かつ適正化して時間L1を長期化することが重要となる。
【0015】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、保湿材に含浸されている液体の保湿成分を適正に補給することができる液体噴射装置の提供をその目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、圧力発生室内の保湿成分を含有している液体が加圧されることにより噴射される多数のノズル開口を有するノズル列を複数備えるとともに、ノズル開口が保湿材を有するキャッピング装置で封止される液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記液体噴射装置の使用の終了後、上記ヘッドを移動させながら上記ノズル開口から上記液体を上記保湿材の端で、且つ上記キャッピング装置の中央部に配置された吸引口から離隔した所定の含浸領域に補給する際に、複数のノズル列が上記所定と同一の含浸領域のみに上記液体を吐出するように構成したことを要旨とする。
【0017】
すなわち、本発明の液体噴射装置は、上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記液体噴射装置の使用の終了後、上記ノズル開口から上記液体を上記保湿材に補給するように構成されている。このため、上記液体を保湿材に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、液体の補給時期が上記液体噴射装置の使用の終了後であるから、液体補給から保湿機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、液体中の保湿成分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長く確保することができ、液体噴射装置の使用再開時の液体変質度合いを少なくとどめることができる。また、ノズル開口から液体を補給するので、ノズル開口近傍の変質液体を除去することと兼ねて保湿材への液体補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【0018】
本発明の液体噴射装置において、上記保湿量の低下が、上記キャッピング装置が開放状態とされているときに進行する保湿量の低下に基づいて把握される場合には、上記キャッピング装置が開放状態とされているときに進行する保湿量の低下が、キャッピング装置が開放状態になっているときの保湿成分の蒸発量に直接的に関連しているので、上記のような保湿量の低下の把握は、保湿量を改めて設定することにとって最適である。
【0019】
本発明の液体噴射装置において、上記保湿量の低下が、上記キャッピング装置が設置されている場所の環境条件やキャッピング装置の開放時間に基づいて把握される場合には、上記キャッピング装置が設置されている場所の例えば気温のような環境条件や、キャッピング装置が開放されて保湿成分の蒸発が進行している時間等に基づいて保湿量の低下が把握されるので、保湿量を改めて設定することにとって最適である。
【0020】
本発明の液体噴射装置において、上記液体を保湿材に補給する量が、上記保湿量の低下に基づいて設定される場合には、上述のような実際の保湿量の低下量,上記環境条件,キャッピング装置の上記開放時間等が根拠とされた保湿量の低下に基づいて上記液体の補給量が設定されるので、保湿量の低下の実態に即した適正な液体補給がなされる。
【0021】
本発明の液体噴射装置において、上記保湿材の保湿量の回復のための液体補給の量が、上記ノズル開口近傍の液体の変質による噴射特性の低下が所定範囲内となるよう設定されている場合には、上記液体補給の量の設定により、キャッピング装置内における保湿成分の湿潤雰囲気状態が、ノズル開口の噴射特性の低下レベルを所定の許容範囲内に維持するので、ノズル開口の噴射特性を確保しつつ保湿量の回復を図ることができる。
【0022】
本発明の液体噴射装置において、上記環境条件に、キャッピング装置が設置されている場所の気温が含まれる場合には、液体の保湿成分の蒸発に最も影響する気温が環境条件に含まれているので、保湿量の低下の把握や液体補給量の設定が正確になされ、適正な保湿量の回復を図ることができる。
【0023】
本発明の液体噴射装置において、上記液体噴射ヘッドが複数種類の液体を噴射するものであり、上記保湿材に補給する液体として、保湿成分の含有量の比率が高い液体を選択する場合には、上記複数種類の液体のうち保湿成分の含有量の比率の高い液体が、保湿成分の補給のために主たる役割を果たすこととなり、保湿量の回復が効率的に行える。また、このように保湿成分の含有量の比率の高い液体が補給液体として選択されることにより、キャッピング装置内の湿潤雰囲気状態が湿潤度の高い状態に維持されることから、保湿成分の含有量の比率が低い液体の変質状態を可及的に抑制するのに効果的である。そして、上記の保湿成分の少ない液体は、一般に変質進行速度が速いので、上記のような十分な湿潤雰囲気により、変質進行速度を緩慢にして当該液体を噴射するノズル開口近傍の液体変質度合いを少なくすることができる。
【0024】
本発明の液体噴射装置において、上記液体噴射ヘッドが複数種類の液体を噴射するものであり、上記保湿材に補給する液体として、液体の変質進行速度の速い液体を選択する場合には、液体の変質進行速度が速いことによって生成された変質度合いの高い液体が保湿材への補給液体としてノズル開口から流出されるので、ノズル開口近傍の変質状態を回復させることが優先的に行われ、併せて保湿材の保湿量の回復に役立たせることができる。
【0025】
本発明の液体噴射装置において、上記ノズル開口から保湿材への液体補給が、上記圧力発生室での液体加圧による液体噴射によって実行される場合には、液体噴射量を噴射回数や噴射時間等の組合わせで正確に設定することができるので、所定量の液体補給を正確に行うことができる。同時に、噴射回数が複数化されることにより、ノズル開口近傍で、例えば、液体の粘度が高まるような変質状態があっても、衝撃的な液体流動で変質液体の除去が円滑に推進される。
【0026】
本発明の液体噴射装置において、上記保湿材への液体補給が、上記キャッピング装置に設けられた吸引口から離隔した位置に対する液体噴射によって行われる場合には、上記吸引口はいわゆる「蒸発流出口」であり、このような性質の吸引口から離れた箇所の保湿材に補給液体を含浸させることから、保湿材に含浸された液体は吸引口から揮散しにくい位置となり、保湿効果のある時間を可及的に長くすることができる。
【0027】
本発明の液体噴射装置において、上記吸引口から離隔した位置のノズル開口から液体を補給する場合には、多数のノズル開口のうち上記吸引口から離隔した位置のノズル開口から液体が補給されるので、吸引口から離れた箇所の保湿材に補給液体を含浸させ、保湿材に含浸された液体は吸引口から揮散しにくい位置となり、保湿効果のある時間を可及的に長くすることができる。
【0028】
本発明の液体噴射装置において、上記保湿材への液体補給が、使用中の液体噴射量が少なかったノズル開口からの液体噴射によって行われる場合には、使用中の液体噴射が少なかったノズル開口近傍は、液体の変質度合い、例えば、液体粘度の上昇等がそれ以外のノズル開口よりも進行しているので、このような変質度合いの高い箇所のノズル開口から優先的に液体噴射を行うことにより、適正なノズル開口の回復に併せて保湿材への液体補給がなされ、多機能化された液体補給が実現する。
【0029】
本発明の液体噴射装置において、上記ノズル開口から保湿材への液体補給が、上記キャッピング装置からノズル開口に負圧を作用させてなされる液体吸引によって実行される場合には、作用させた負圧により強制的に液体吸引がなされるので、吸引時には液体が大量に流れる。したがって、保湿材の保湿量が著しく低下したようなときには、大量の液体補給ができて保湿材の機能回復に適した量の液体が確保でき、同時に、補給時間短縮にとって有効である。
【0030】
本発明の液体噴射装置において、上記ノズル開口からの液体吸引後に余剰の液体を除去して保湿材の保湿量を適正化する場合には、積極的に負圧が作用する液体吸引であることから、保湿材に必要以上の液体が補給されることがあり、このようなときに余剰の液体を除去することによって、適正な液体量に基づく正常な保湿機能がえられる。
【0031】
本発明の液体噴射装置において、上記液体噴射装置の使用の終了が、同装置の電源を切るときである場合には、液体噴射装置の使用終了時に必ず操作される電源オフをトリガーにしていることから、保湿材への液体補給が確実になされる。
【0032】
本発明の液体噴射装置において、上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記記録ヘッドの使用の終了後、上記ノズル開口から上記インク液体を上記保湿材に補給するように構成されている。このため、上記インクを保湿材に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、インクの補給時期が上記記録ヘッドの使用の終了後であるから、インク補給からキャッピング機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、インク中の保湿成分である水分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長くすることができ、記録ヘッドの使用再開時のインク変質度合いを少なくとどめることができる。また、ノズル開口からインクを補給するので、ノズル開口近傍の高粘度化インクを除去することと兼ねて保湿材へのインク補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0034】
各図は、本発明の液体噴射装置の一実施の形態を示し、図1〜図7は第1の実施の形態を示す。
【0035】
本発明の液体噴射装置は、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、本液体噴射装置をインクジェット式記録装置に適用した例を示している。
【0036】
図1は、本発明が適用されるインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。また、図2は、図9,図10に基づいて説明した記録ヘッドHと同様の記録ヘッド36を示す断面図であり、図9,図10と同様の機能を果たす部材には、図2に同じ符号が記載してある。
【0037】
上記インクジェット式記録装置は、上部に6個のインクカートリッジ37が搭載され、下面に記録ヘッド36が取り付けられたキャリッジ31と、上記記録ヘッド36を封止等するキャッピング装置38とを備えている。上記インクカートリッジ37は、インクの色によって、シアン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),ライトマゼンタ(LM),イエロー(Y),ブラック(BK)の6種類のものが搭載されている。
【0038】
上記キャリッジ31は、タイミングベルト32を介してステッピングモータ33に接続され、ガイドバー34に案内されて記録用紙35の紙幅方向に往復移動するようになっている。また、上記キャリッジ31には、記録用紙35と対向する面(この例では下面)に、記録ヘッド36が取り付けられている。そして、この記録ヘッド36に各インクカートリッジ37からインクが供給され、キャリッジ31を移動させながら記録用紙35上面にインク滴を吐出させて記録用紙35に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。
【0039】
上記キャッピング装置38は、キャリッジ31の移動範囲内の非印刷領域に設けられ、印刷休止中に記録ヘッド36のノズル開口2を封止することによりノズル開口2の乾燥をできるだけ防ぐようになっている。また、このキャッピング装置38は、フラッシング動作によって記録ヘッド36から吐出されたインク滴を受ける容器としても作用する。さらに、上記キャッピング装置38は、吸引ポンプ39に接続され、クリーニング動作時には記録ヘッド36のノズル開口2に負圧を与えてノズル開口2からインクを吸引するようになっている。
【0040】
図2は、上記記録ヘッド36の一例を示す図である。この記録ヘッド36は、図10に基づいて説明した記録ヘッドHと同様のものであり、図10と同様の機能を果たす部材には、図2に同じ符号が記載してある。なお、同図には、キャッピング装置38や吸引ポンプ39が2点鎖線で図示してある。
【0041】
上記キャッピング装置38は浅い深さの略箱型の形状をなしており、例えば、半硬質の合成ゴム材料でつくられている。そして、図2に示したように、キャッピング装置38の上縁がノズル形成面3Aに密着できるようになっている。キャッピング装置38の底部には、平たい形状の保湿材40が敷き詰められたような状態で配置され、同底部の略中央部には吸引口41があけられている。この保湿材40は、インクの含浸性にすぐれた部材であればよく、たとえば、スポンジのような発泡材やフェルトのような不織布を使用するのが適当である。上記吸引口41は配管42を介して廃インク貯留部(図示していない)に接続され、この配管42の途中に吸引ポンプ39が挿入されている。
【0042】
図3は、インクジェット式記録装置のシステム構成を示すブロック図である。図において、45はホスト(図示せず)からの印刷データを受信する受信バッファであり、46は上記印刷データをビットマップデータに変換するビットマップ生成手段、47は上記ビットマップデータを一時格納する印刷バッファである。
【0043】
49はヘッド駆動手段であり、上記印刷バッファ47からの印刷信号に対応して、圧力発生素子11に駆動電圧を印加して記録ヘッド36からインク滴を吐出させる印刷動作を実行する。また、フラッシングのタイミングが到来した時点で、圧力発生素子11に印刷信号とは無関係の駆動電圧を印加し、記録ヘッド36の各ノズル開口2からインク滴を吐出させるフラッシング動作を実行する。
【0044】
50はポンプ駆動手段であり、吸引ポンプ39によりキャッピング装置38に封止された状態の記録ヘッド36に負圧を与え、全ノズル開口2からインクを強制的に吸引するクリーニング動作を実行する。クリーニング制御手段59は、上記ポンプ駆動手段50を制御して、ノズル開口2からのインクの吸引時間や吸引量,負圧等を制御する。
【0045】
48はキャリッジ制御手段であり、印刷時にステッピングモータ33によりキャリッジ31を移動させて記録ヘッド36を走査させるとともに、フラッシング動作時や印刷終了時に、キャッピング装置38と記録ヘッド36が対向する位置にキャリッジ31を移動させるように制御する。
【0046】
51はキャッピング装置開放時間計測手段として機能する印刷タイマであり、ヘッド駆動手段49ならびにキャリッジ制御手段48からの信号等により印刷開始を検知して起動され、記録ヘッド36がキャッピング装置38から開放されてから再びキャッピング装置38に封止されるまでの間の印刷時間を計測する。このように記録ヘッド36が印刷動作をしているときには、キャッピング装置38が開放されているので、この開放時間を計測することにより、キャッピング装置38に配置された保湿材40からの水分の蒸発量すなわち保湿材40の保湿量の低下を把握することができる。なお、この印刷タイマ51は、インクジェット式記録装置の電源をオンにしてからオフにするまでのあいだに、キャッピング装置38の開放と封止が複数回なされても、電源をオフにするまでは複数の開放時間を累積するようになっている。
【0047】
他方、図示していないが、インクジェット式記録装置に電源をオフにして、同装置の使用を休止している時間を計測する手段(「放置タイマ」)が上記印刷タイマ51に併設されている。この放置タイマは、キャリッジ制御手段48からの信号等により、記録ヘッド36がキャッピング装置38に封止されたことを検知して起動され、記録ヘッド36がキャッピング装置38に封止された状態で放置されたキャッピング放置時間を計測する。
【0048】
上記印刷タイマ51で計測された印刷累積時間(キャッピング装置38の開放累積時間)と、上記放置タイマで計測された放置累積時間との相関で、印刷ジョブの開始時にノズル開口2の回復動作をフラッシング動作またはクリーニング動作のいずれで行うかが選択される。この選択は、モード選択の機能を有するモード選択手段(図示していない)により、フラッシング動作モードまたはクリーニング動作モードが選択されるようになっている。上記モード選択手段には、印刷タイマ51からの印刷累積時間を示す信号と、放置タイマからの放置累積時間を示す信号が入力されるようになっている。上記モード選択手段から出ている送信手段57と58が、それぞれフラッシング制御手段56とクリーニング制御手段59に信号を入力するようになっていて、モード選択手段で選択されたフラッシング動作モードまたはクリーニング動作モードにしたがって、選択された側の動作モードの方へ送信手段57または58を介して動作信号が送られる。
【0049】
上記印刷タイマ51で計測されたキャッピング装置38の開放時間を示す信号が、インク補給量設定手段52に入力される。また、環境条件検知手段53によりインクジェット式記録装置が設置された場所の気温が計測され、それを示す信号が上記インク補給量設定手段52に入力される。上記開放時間と上記気温との各信号がインク補給量設定手段52に入力されると、同手段52において保湿量回復のためのインク補給量が設定される。このインク補給量設定手段52において補給量を設定する具体的な方法としては、例えば、上記開放時間と気温との相関でインク補給量が設定できるテーブルを用いるのが適当である。
【0050】
54はインクジェット式記録装置の電源スイッチであり、これをオフにしたときに動作するインク補給開始指令手段55が上記電源スイッチ54に接続されている。電源スイッチ54のオフをトリガーにして上記インク補給開始指令手段55からの動作信号がインク補給量設定手段52に送られると、同手段52から動作指令信号が後述するフラッシング制御手段56に補給インク量を示す信号とともに入力される。
【0051】
フラッシング制御手段56は、インク補給量設定手段52から信号を受け、ヘッド駆動手段49により圧力発生素子11に駆動電圧を印加して圧力発生素子11を繰り返し膨張・収縮させ振動させ、設定された補給量のインクがインク滴として保湿材40に向かって吐出される。この吐出によって保湿量の低下が回復されると、フラッシング制御手段56からのフラッシング終了信号によりフラッシング動作が停止され、それに引き続いてインクジェット式記録装置は使用休止の状態となる。その後は、保湿材40に補給された含浸インクによる湿潤雰囲気の状態の下で、ノズル開口2近傍の乾燥が抑制される。この状態において図12に示したノズル開口2からの蒸発量の少ない時間L1が長期化される。
【0052】
図4は、キャッピング装置38の開放期間(印字時間)と保湿材40の保湿量と環境条件すなわち気温との関連性を示す線図である。例えば、インクジェット式記録装置が室温状態の場所に置かれているときには、上記環境条件検知手段53からの室温の検知信号と、印刷タイマ51からの開放時間を示す信号が、インク補給量設定手段52に入力されて、同手段52において保湿量の低下量W1が判定され、それと同時に低下量W1に見合った補給インクの量が設定される。この設定された補給インクが、フラッシング制御手段56やヘッド駆動手段49の動作を経てフラッシングされることにより、目標値TW1のレベルまで保湿量が回復する。
【0053】
また、インクジェット式記録装置が気温摂氏40度の環境に置かれているときには、上記の低下量W1の判定と同様にして、低下量W2が判定されて、目標値TW1のレベルまで保湿量が回復される。
【0054】
なお、図4においては、保湿量の低下を、キャッピング装置38の開放時間と気温とを複合させて把握しているが、これをキャッピング装置38の開放時間だけに関連させて把握することができる。この場合は、気温変化の少ない環境にインクジェット式記録装置が設置されている。さらに、図4において、保湿量の回復目標値をTW2まで高めることにより、保湿材40の保湿量が増量されるので、図12に示した保湿効果の高い時間L1をより長くすることができる。このような補給インクの増量は、インク補給量設定手段52に増量のための信号を投入することにより簡単に実施することができ、インクジェット式記録装置の使用休止期間が著しく長期化するときの対応策として有用である。
【0055】
図5は、インクジェット式記録装置が設置されている場所の気温と湿度とインク中の水分の蒸発量との関係を示す線図である。同図に示したように低温多湿であれば単位時間あたりの蒸発量は少なく、例えば、1g/sec.である。また、高温低湿であれば単位時間あたりの蒸発量は多く、例えば、3g/sec.である。このような蒸発量を検知するために、環境条件検知手段53に上記気温の計測に加えて湿度の計測ができるようにしておき、気温と湿度の各々を示す信号をインク補給量設定手段52へ送ることにより、そのときの気温と湿度との関係から単位時間あたりの水分蒸発量を設定することができる。この水分蒸発量にキャッピング装置38の開放時間(印字時間)を乗じることにより、保湿量の低下状況を把握することができる。このようにして把握された低下保湿量に相当する量のインクをフラッシング動作によって補給する。
【0056】
上記保湿材40の保湿量が把握され、それに基づいて設定された保湿量回復のためのインクの補給量は、上記ノズル開口2近傍のインク粘度上昇によるインク滴吐出特性の低下が所定範囲内となるよう設定されている。すなわち、上記の上昇したインク粘度によるインク吐出の不良レベルが、適正な印字が可能となるレベルに改善されるように、インクの補給量が設定されている。
【0057】
上記インクカートリッジ37は、インクの色によって、シアン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),ライトマゼンタ(LM),イエロー(Y),ブラック(BK)の6種類のものが搭載されていて、上記記録ヘッド36から複数種類のインクを吐出するように構成されている。これらのインクのなかから、水分の含有量の比率が高いインク、例えば、ライトシアン(LC)を補給インクとしてフラッシングすることができる。このように選択されたインクを吐出するときには、対象のインクを加圧する上記圧力発生素子11を動作制御することにより、容易に実施することができる。こうすることにより、保湿量の回復が効率的に行える等の効果がある。
【0058】
また、上記の場合とは逆に、上記複数のインクのなかから、水分の蒸発速度の速いインク、例えば、ブラック(BK)を補給インクとしてフラッシングすることができる。このような水分の蒸発速度の速いインクを吐出するノズル開口2においては、その近傍のインク粘度が短時間で高粘度化しやすいのであるが、早期の内にフラッシングをして、ノズル開口2近傍の回復を早い時期に実施すること等ができる。
【0059】
上記保湿材40に補給インクを含浸させるときには、その含浸させる位置が上記吸引口41から離隔していることが好ましい。すなわち、吸引口41から離隔させておくことにより、インク中の水分が吸引口41に到達しにくくなって、水分の揮散が抑制され、保湿効果の持続時間が長期化される。
【0060】
図6は、上記の補給インクの含浸位置の事例を示す平面図である。同図(B)は、キャッピング装置38の中央部に配置された吸引口41から左右に離隔した箇所に、細長く縦に含浸部分を配置した場合である。(B)においてハッチングを施した部分が補給インクの含浸している部分である。このような含浸領域を形成するために、同図(A)に示されたノズル列N1〜N6のうち、N1とN6からフラッシングをする。なお、図2の記録ヘッド36はノズル列が2列のものであり、6列の記録ヘッドでは図2のようなユニットを3組有するものである。
【0061】
図6(C)に示したように、保湿材40の四隅に補給インクを含浸させるときには、ノズル列N1とN6との中央部を除いたノズル開口2からフラッシングをする。また、同図(D)に示したような補給インク含浸領域とする場合には、(B)の吐出に加えて、ノズル列N2とN5との中央部を除いたノズル開口2からフラッシングをする。
【0062】
図7は、上記図6の(B)と同様な補給インクの含浸領域を形成するものであり、図7の左方から右方へ記録ヘッド36を移動させながらインク補給を行っている。すなわち、ノズル列N6が保湿材40の左端にさしかかると、ノズルN6だけから補給インクが吐出される。それが過ぎて、今度はノズル列N5が保湿材40の左端にさしかかると、ノズルN6からの吐出は停止され、ノズル列N5だけから補給インクが吐出される。同様な吐出がN4からも行われる。
【0063】
上記ノズル列N6〜N4による吐出は、保湿材40の左端に含浸領域を形成する場合であるが、保湿材40の右端に含浸領域を形成するときには、記録ヘッド36が保湿材40の右方に移動してから、上記の場合と同様に、ノズル列N3,N2,N1の順で補給インクを吐出する。以上のように全ノズル列から補給インクを吐出させることにより、全てのノズル開口2近傍の高粘度下インクを除去することができる。なお、上記のように全てのノズル列から補給インクを吐出させないで、水分の含有率の比率が高いインクを吐出するノズル列だけから吐出させて、短時間で大量の水分を補給するようにしてもよい。あるいは、インクの増粘速度の速いインクを吐出するノズル列から吐出させて、ノズル開口2近傍の増粘状態を早期のうちに回復させるようにしてもよい。さらには、上記の水分含有率の高いインクの吐出と、インクの増粘速度の速いインクの吐出を複合させてもよい。
【0064】
つぎに、あるノズル列、例えば、図6(A)のノズル列N3の吐出状態を観察すると、その中央付近のノズル開口2からのインク吐出量は多いが、その列の端部側のノズル開口2からのインク吐出量は少ない場合がある。このような状態に注目して、吐出量の少なかったノズル開口2から補給インクを吐出させることができる。こうすることにより、吐出量の少なかったノズル開口2近傍のインク粘度は他のノズル開口2よりも上昇しているので、このような高いインク粘度の箇所のノズル開口2から優先的にインク吐出を行うことにより、適正なノズル開口の回復に役立つ等の効果がある。また、上記の場合は、単一のノズル列における吐出であるが、複数のノズル列において、吐出量の少なかったノズル開口2を選択して、上記と同様な吐出を行わせてもよい。
【0065】
以上に説明した実施の形態は、フラッシング動作によって補給インクが保湿材40に吐出される場合であるが、以下に説明する第2の実施の形態は、図8に示したように、クリーニング動作で保湿材40に補給インクが供給される場合である。
【0066】
すなわち、インク補給量設定手段52からの補給信号がクリーニング制御手段59へ送られて、直ちにクリーニング動作が開始される。
【0067】
あるいは、インク補給量設定手段52において補給インク量が設定され、しかも、保湿材40の乾燥が著しく進行していたりすると、インク補給量は大量に設定される。このようなときには、インク補給量設定手段52においてクリーニング制御手段59が選定され、ノズル開口2に負圧を作用させた強くて流量の多いインク補給流が形成されて、短時間で大量の補給インクが供給される。この事例は、インク補給量設定手段52にクリーニング動作またはフラッシング動作のいずれかを選択する機能をもたせた場合である。
【0068】
上記のクリーニング動作で補給インクを供給する場合には、インク補給流が高速流であったりするので、キャッピング装置38への補給インク量が過剰になるおそれがある。このようなときには、キャッピング装置38の開放通路43に配置した開閉弁44を開いてから吸引ポンプ39を動作させると、過剰インクが配管42から廃インク貯留部に排出されて、保湿作用に適したインク含浸量となる。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、作用効果においても、それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0069】
上記各実施の形態によれば、上記保湿材40の保湿量の低下に相関させて、上記インクジェット式記録装置の使用の終了後、上記ノズル開口2から上記インクを上記保湿材40に補給するように構成されている。このため、上記インクを保湿材40に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、インクの補給時期が上記インクジェット式記録装置の使用の終了後であるから、インク補給から保湿機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、インク中の保湿成分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長く確保することができ、インクジェット式記録装置の使用再開時の高粘度インクを少なくとどめることができる。また、ノズル開口からインクを補給するので、ノズル開口近傍の高粘度インクを除去することと兼ねて保湿材40へのインク補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【0070】
上記保湿量の低下が、上記キャッピング装置38が開放状態とされているときに進行する保湿量の低下に基づいて把握される場合には、上記キャッピング装置38が開放状態とされているときに進行する保湿量の低下が、キャッピング装置38が開放状態になっているときのインク中の水分の蒸発量に直接的に関連しているので、上記のような保湿量の低下の把握は、保湿量を改めて設定することにとって最適である。
【0071】
上記保湿量の低下が、上記キャッピング装置38が設置されている場所の気温等の環境条件やキャッピング装置38の開放時間に基づいて把握される場合には、上記キャッピング装置38が設置されている場所の例えば気温のような環境条件や、キャッピング装置38が開放されてインク中の水分の蒸発が進行している時間等に基づいて保湿量の低下が把握されるので、保湿量を改めて設定することにとって最適である。
【0072】
上記インクを保湿材40に補給する量が、上記保湿量の低下に基づいて設定される場合には、上述のような実際の保湿量の低下量,上記環境条件,キャッピング装置38の上記開放時間等が根拠とされた保湿量の低下に基づいて上記インクの補給量が設定されるので、保湿量の低下の実態に即した適正な液体補給がなされる。
【0073】
上記保湿材40の保湿量の回復のためのインク補給の量が、上記ノズル開口2近傍のインクの変質による噴射特性の低下が所定範囲内となるよう設定されている場合には、上記インク補給の量の設定により、キャッピング装置38内におけるインク中の水分の湿潤雰囲気状態が、ノズル開口2の噴射特性の低下レベルを所定の許容範囲内に維持するので、ノズル開口2の噴射特性を確保しつつ保湿量の回復を図ることができる。
【0074】
上記環境条件に、キャッピング装置38が設置されている場所の気温が含まれる場合には、インクの水分の蒸発に最も影響する気温が環境条件に含まれているので、保湿量の低下の把握やインク補給量の設定が正確になされ、適正な保湿量の回復を図ることができる。
【0075】
上記記録ヘッド36が複数種類のインクを噴射するものであり、上記保湿材40に補給するインクとして、水分の含有量の比率が高いインクを選択する場合には、上記複数種類のインクのうち水分の含有量の比率の高いインクが、水分の補給のために主たる役割を果たすこととなり、保湿量の回復が効率的に行える。また、このように水分の含有量の比率の高いインクが補給インクとして選択されることにより、キャッピング装置38内の湿潤雰囲気状態が湿潤度の高い状態に維持されることから、水分の含有量の比率が低いインクの変質状態を可及的に抑制するのに効果的である。そして、上記の水分の少ないインクは、一般に高粘度化進行速度が速いので、上記のような十分な湿潤雰囲気により、高粘度化進行速度を緩慢にして当該インクを噴射するノズル開口2近傍のインク変質度合いを少なくすることができる。
【0076】
上記記録ヘッド36が複数種類のインクを噴射するものであり、上記保湿材40に補給するインクとして、インクの高粘度化進行速度の速いインクを選択する場合には、インクの高粘度化進行速度が速いことによって生成された粘度の高いインクが保湿材40への補給インクとしてノズル開口2から流出されるので、ノズル開口2近傍の高粘度化状態を回復させることが優先的に行われ、併せて保湿材40の保湿量の回復に役立たせることができる。
【0077】
上記ノズル開口2から保湿材40へのインク補給が、上記圧力発生室4でのインク加圧によるインク噴射によって実行される場合には、インク噴射量を噴射回数や噴射時間等の組合わせで正確に設定することができるので、所定量のインク補給を正確に行うことができる。同時に、噴射回数が複数化されることにより、ノズル開口2近傍で、例えば、インクの粘度が高まるような変質状態があっても、衝撃的なインク流動で変質液体の除去が円滑に推進される。
【0078】
上記保湿材40へのインク補給が、上記キャッピング装置38に設けられた吸引口41から離隔した位置に対するインク噴射によって行われる場合には、上記吸引口41はいわゆる「蒸発流出口」であり、このような性質の吸引口41から離れた箇所の保湿材40に補給インクを含浸させることから、保湿材40に含浸されたインクは吸引口41から揮散しにくい位置となり、保湿効果のある時間を可及的に長くすることができる。
【0079】
上記吸引口41から離隔した位置のノズル開口2からインクを補給する場合には、多数のノズル開口2のうち上記吸引口41から離隔した位置のノズル開口2からインクが補給されるので、吸引口41から離れた箇所の保湿材40に補給インクを含浸させ、保湿材40に含浸されたインクは吸引口41から揮散しにくい位置となり、保湿効果のある時間を可及的に長くすることができる。
【0080】
上記保湿材40へのインク補給が、使用中のインク噴射量が少なかったノズル開口2からのインク噴射によって行われる場合には、使用中のインク噴射が少なかったノズル開口2近傍は、インクの変質度合い、例えば、液体粘度の上昇等がそれ以外のノズル開口2よりも進行しているので、このような変質度合いの高い箇所のノズル開口2から優先的にインク噴射を行うことにより、適正なノズル開口2の回復に併せて保湿材40へのインク補給がなされ、多機能化されたインク補給が実現する。
【0081】
上記ノズル開口2から保湿材40へのインク補給が、上記キャッピング装置38からノズル開口2に負圧を作用させてなされるインク吸引によって実行される場合には、作用させた負圧により強制的にインク吸引がなされるので、吸引時にはインクが大量に流れる。したがって、保湿材40の保湿量が著しく低下したようなときには、大量のインク補給ができて保湿材40の機能回復に適した量のインクが確保でき、同時に、補給時間短縮にとって有効である。
【0082】
上記ノズル開口2からのインク吸引後に余剰のインクを除去して保湿材40の保湿量を適正化する場合には、積極的に負圧が作用するインク吸引であることから、保湿材40に必要以上のインクが補給されることがあり、このようなときに余剰のインクを除去することによって、適正なインク量に基づく正常な保湿機能がえられる。
【0083】
上記インクジェット式記録装置の使用の終了が、同装置の電源を切るときである場合には、インクジェット式記録装置の使用終了時に必ず操作される電源オフをトリガーにしていることから、保湿材40へのインク補給が確実になされる。
【0084】
上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記保湿材40の保湿量の低下に相関させて、上記記録ヘッド36の使用の終了後、上記ノズル開口2から上記インク液体を上記保湿材40に補給するように構成されている。このため、上記インクを保湿材40に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、インクの補給時期が上記記録ヘッド36の使用の終了後であるから、インク補給からキャッピング機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、インク中の保湿成分である水分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長くすることができ、記録ヘッド36の使用再開時のインク変質度合いを少なくとどめることができる。また、ノズル開口2からインクを補給するので、ノズル開口2近傍の高粘度化インクを除去することと兼ねて保湿材40へのインク補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【0085】
上述の実施の形態は、インクジェット式記録装置に使用される記録ヘッドであるが、本発明による液体噴射ヘッドは、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液体噴射装置によれば、上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記液体噴射装置の使用の終了後、上記ノズル開口から上記液体を上記保湿材に補給するように構成されている。このため、上記液体を保湿材に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、液体の補給時期が上記液体噴射装置の使用の終了後であるから、液体補給から保湿機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、液体中の保湿成分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長く確保することができ、液体噴射装置の使用再開時の液体変質度合いを少なくとどめることができる。また、ノズル開口から液体を補給するので、ノズル開口近傍の変質液体を除去することと兼ねて保湿材への液体補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【0087】
上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる場合には、上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記記録ヘッドの使用の終了後、上記ノズル開口から上記インク液体を上記保湿材に補給するように構成されている。このため、上記インクを保湿材に補給する量は、上記保湿量の低下に適応した量となり、不足のない補給量が確保できて適正な保湿量を維持することができる。さらに、インクの補給時期が上記記録ヘッドの使用の終了後であるから、インク補給からキャッピング機能を開始するまでの時間を可及的に短縮することができて、インク中の保湿成分である水分が無駄に蒸発することがなく、保湿効果のある時間をより一層長くすることができ、記録ヘッドの使用再開時のインク変質度合いを少なくとどめることができる。また、ノズル開口からインクを補給するので、ノズル開口近傍の高粘度化インクを除去することと兼ねて保湿材へのインク補給を行うことも可能で、動作効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の一例を示す斜視図である。
【図2】インクジェット式記録装置の記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図3】本発明が適用されるインクジェット式記録装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】保湿量とキャッピング装置開放時間と気温との関係を示す線図である。
【図5】湿度と気温と水分の蒸発量の関係を示す線図である。
【図6】キャッピング装置の保湿材に対する補給インクの含浸領域を示す図であり、(A)はノズル列の平面図、(B)(C)(D)は異なった含浸領域を示す平面図である。
【図7】記録ヘッドの移動と補給インクの含浸領域を示す図である。
【図8】本発明の液体噴射装置の第2の実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図9】従来のインクジェット式記録装置を示す分解斜視図である。
【図10】従来の記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図11】キャッピング装置の部分を拡大した断面図である。
【図12】ノズル蒸発量とキャッピング放置時間との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 流路ユニット
2 ノズル開口
3 ノズルプレート
3A ノズル形成面
4 圧力発生室
5 流路基板
6 振動板
6A 島部
7 インク流路
8 インク貯留室
9 ヘッドケース
10 収容空間
11 圧力発生素子
12 固定基板
13 導通線
14 ヘッド基板
14A 通孔
15 プリント配線
16 コネクター
17 フレキシブルフラットケーブル
18 ダンパ用凹部
19 外部連通路
31 キャリッジ
32 タイミングベルト
33 ステッピングモータ
34 ガイドバー
35 記録用紙
36 記録ヘッド
37 インクカートリッジ
38 キャッピング装置
39 吸引ポンプ
40 保湿材
41 吸引口
42 配管
43 開放通路
44 開閉弁
45 受信バッファ
46 ビットマップ生成手段
47 印刷バッファ
48 キャリッジ制御手段
49 ヘッド駆動手段
50 ポンプ駆動手段
51 印刷タイマ,キャッピング装置開放時間計測手段
52 インク補給量設定手段
53 環境条件検知手段
54 電源スイッチ
55 インク補給開始指令手段
56 フラッシング制御手段
57 送信手段
58 送信手段
59 クリーニング制御手段
L1 保湿効果の高い時間
L2 印字可能範囲の時間
W1 低下量
W2 低下量
TW1 目標値
TW2 目標値
N1〜N6 ノズル列

Claims (16)

  1. 圧力発生室内の保湿成分を含有している液体が加圧されることにより噴射される多数のノズル開口を有するノズル列を複数備えるとともに、ノズル開口が保湿材を有するキャッピング装置で封止される液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
    上記保湿材の保湿量の低下に相関させて、上記液体噴射装置の使用の終了後、上記ヘッドを移動させながら上記ノズル開口から上記液体を上記保湿材の端で、且つ上記キャッピング装置の中央部に配置された吸引口から離隔した所定の含浸領域に補給する際に、複数のノズル列が上記所定と同一の含浸領域のみに上記液体を吐出するように構成したことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 上記保湿量の低下は、上記キャッピング装置が開放状態とされているときに進行する保湿量の低下に基づいて把握される請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 上記保湿量の低下は、上記キャッピング装置が設置されている場所の環境条件やキャッピング装置の開放時間に基づいて把握される請求項1または2記載の液体噴射装置。
  4. 上記液体を保湿材に補給する量は、上記保湿量の低下に基づいて設定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 上記保湿材の保湿量の回復のための液体補給の量は、上記ノズル開口近傍の液体の変質による噴射特性の低下が所定範囲内となるように設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 上記環境条件は、キャッピング装置が設置されている場所の気温を含む請求項3〜5のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 上記液体噴射ヘッドが複数種類の液体を噴射するものであり、上記保湿材に補給する液体として、保湿成分の含有量の比率が高い液体を選択する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 上記液体噴射ヘッドが複数種類の液体を噴射するものであり、上記保湿材に補給する液体として、液体の変質進行速度の速い液体を選択する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 上記ノズル開口から保湿材への液体補給は、上記圧力発生室での液体加圧による液体噴射によって実行される請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  10. 上記保湿材への液体補給は、上記キャッピング装置に設けられた吸引口から離隔した位置に対する液体噴射によって行われる請求項9記載の液体噴射装置。
  11. 上記吸引口から離隔した位置のノズル開口から液体を補給する請求項10記載の液体噴射装置。
  12. 上記保湿材への液体補給は、使用中の液体噴射量が少なかったノズル開口からの液体噴射によって行われる請求項9記載の液体噴射装置。
  13. 上記ノズル開口から保湿材への液体補給は、上記キャッピング装置からノズル開口に負圧を作用させてなされる液体吸引によって実行される請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  14. 上記ノズル開口からの液体吸引後に余剰の液体を除去して保湿材の保湿量を適正化する請求項13記載の液体噴射装置。
  15. 上記液体噴射装置の使用の終了は、同装置の電源を切るときである請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  16. 上記液体が印字用インクであり、インクジェット式記録装置として用いられる請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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