JP3895118B2 - シングルイベントアップセット補償回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置内で発生するシングルイベントアップセット(SEU:Single Event Upset)に対する補償回路に係り、特に人工衛星に搭載する半導体装置内においてフリップフロップを組み合せて構成されたレジスタ、カウンタ等に適用するのが好適なシングルイベントアップセット補償回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば人工衛星に搭載される半導体装置のように宇宙放射線の影響を受ける環境下にある半導体装置内においては、放射線によりフリップフロップやメモリの記憶素子などに記憶された論理値が反転するシングルイベントアップセット現象(ソフトエラーとも呼ばれるビット反転現象)が発生する。このシングルイベントアップセットに係る対策の一つとして、半導体装置内の回路素子に放射線に対する耐性を備えさせることが挙げられる。この方策は半導体製造プロセス技術を用いて可能ではあるが、コストがかかるとともに個々の回路素子に要求される耐性を必ずしも実現することができない等の問題がある。したがって、シングルイベントアップセットが発生することを前提とした回路設計技術によりシングルイベントアップセットに係る問題を解決することが望まれている。すなわち、シングルイベントアップセットが発生してエラーが生じても当該エラーを補償することができるような機能を有する補償回路の開発が要望されている。
【0003】
例えば特開平5−243916号公報に記載された補償回路では、遅延回路と排他的論理和をとるイクスクルーシブ・オアゲート(以下、EX−ORゲートと称する)とを組み合せて構成された補償回路をフリップフロップの出力部に接続して、フリップフロップに自己復元機能を備えさせている。上記補償回路は、フリップフロップが保持する論理値反転に係るエラーを検出して、正しい論理値を保持するようにフリップフロップを元の状態に復帰させる。但し、この方策においては、フリップフロップを有して構成される回路について所望の動作を得るためには、遅延素子に対して要求される遅延特性が、個々の回路毎に異なる。また、遅延素子の遅延特性は半導体製造プロセスに応じて大きく変化するので、所望の遅延特性を実現するためには、半導体製造プロセス毎に遅延素子に係る設計を最適化する必要がある。
【0004】
また、例えば特開平7−73114号公報に記載されたメモリ制御回路では、メモリに誤り訂正回路または誤り検出回路を付加して、メモリからデータを読み出す毎に誤り訂正されたデータをメモリに再書き込みするように構成されているので、シングルイベントアップセットが複数回生じてメモリにエラーが蓄積するのを防止することができる。このような方策は、バイトまたはワード単位でデータの書き込みまたは読み出しを行うメモリ等に適用するのに好適である。
【0005】
また、図6は、冗長構成を採用した従来のシングルイベントアップセット補償回路の例を示す回路図である。図6において、101,102,103はそれぞれ並列に接続されたフリップフロップ(以下、適宜FFと称する)、104はFF101、FF102およびFF103の出力データを入力して入力された3つのデータについて多いほうのデータ(データ“0”またはデータ“1”)を出力する多数決回路、105は入力部、106は出力部である。
【0006】
次に、図6に示されたシングルイベントアップセット補償回路の動作について説明する。FF101、FF102およびFF103は、入力されるクロック信号の立ち上がりまたは立ち下がりをトリガとして入力部105に与えられたデータをラッチして保持する。多数決回路104は、FF101、FF102およびFF103に保持されたデータを入力して、多いほうのデータを出力部106へ出力する。
【0007】
FF101、FF102およびFF103がデータをラッチした後に、放射線等の影響によりいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生して論理値の反転が生じても、他の2つのフリップフロップは正しいデータを保持しているので、多数決回路104は正しいデータを出力部106へ出力するから、シングルイベントアップセットの発生を補償することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシングルイベントアップセット補償回路は以上のように構成されている。特開平5−243916号公報に記載された補償回路については、形成される各回路毎に遅延素子に対して要求される遅延特性が異なるために、半導体製造プロセス毎に遅延素子に係る設計の最適化が必要となり、設計パラメータが増加することで回路設計の効率性において劣るという課題があった。
【0009】
また、特開平7−73114号公報に記載されたメモリ制御回路については、上述したように、当該制御回路は、バイトまたはワード単位でデータの書き込みまたは読み出しを行う記憶手段に適用するのが好適なものである。半導体装置内において複数のフリップフロップから成るレジスタ、カウンタ等の一般的なデータ処理部は、必ずしもバイトやワード単位でデータを記憶するものではないので、上記メモリ制御回路に係る回路構成をこのようなデータ処理部に係るシングルイベントアップセット補償回路に適用するのは困難であるという課題があった。
【0010】
さらに、図6に示された従来のシングルイベントアップセット補償回路については、多数決回路を設ける構成としたことで、補償回路の冗長性が3重以上となるために、半導体装置上における補償回路の占有面積が大きくなるという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、遅延素子を用いることなく、フリップフロップを組み合せて構成されるレジスタ、カウンタ等の回路に汎用的に適用可能で、占有面積の小さなシングルイベントアップセット補償回路を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るシングルイベントアップセット補償回路は、複数のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップの入力データに対して所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する入力データ用検査ビット生成手段と、当該入力データ用検査ビットを入力データとしてフリップフロップと共通のトリガに基づいて入力データ用検査ビットをラッチして保持する検査ビット保持手段と、それぞれのフリップフロップの出力データに対して入力データに適用したのと同じ所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する出力データ用検査ビット生成手段と、検査ビット保持手段の出力データと出力データ用検査ビット生成手段の出力データとを比較して異なる場合にアクティブとなるエラー検出信号を出力するエラー検出手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、第1のデータ処理部から出力されるエラー検出信号および第2のデータ処理部から出力されるエラー検出信号を入力してエラーの生じていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、第1のデータ処理部から出力されるデータおよび第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して選択信号に基づいてエラーの生じていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えるようにしたものである。
【0013】
この発明に係るシングルイベントアップセット補償回路は、検査ビット保持手段が、それぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されるようにしたものである。
【0014】
この発明に係るシングルイベントアップセット補償回路は、複数のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップの入力部に接続されてフリップフロップの入力データを対象とする1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部、検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をフリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部、およびそれぞれのフリップフロップの出力部およびそれぞれのフリップフロップからの出力データが出力されるべき回路素子に接続されて検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいてフリップフロップの出力データに係るエラーを訂正し訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき回路素子に出力する誤り訂正・検出部から成るエラー訂正手段とを備えるようにしたものである。
【0015】
この発明に係るシングルイベントアップセット補償回路は、出力部に接続される回路素子が、それぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されるようにしたものである。
【0016】
この発明に係るシングルイベントアップセット補償回路は、複数のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップの入力部に接続されてフリップフロップの入力データについて1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部、検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をフリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部、およびそれぞれのフリップフロップの出力部およびそれぞれのフリップフロップからの出力データが出力されるべき回路素子に接続されて検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいてフリップフロップの出力データに係るエラーを訂正し訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき回路素子に出力するとともに、エラーが2ビット以上である場合にアクティブとなる2ビット誤り検出信号を出力する誤り訂正・検出部から成るエラー訂正手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、第1のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号および第2のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号を入力してエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、第1のデータ処理部から出力されるデータおよび第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して選択信号に基づいてエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えるようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。図1において、1は入力部、2は出力部、3,4,5,6,7,8,9,10はフリップフロップ(以下、適宜FFと称する)、11,12,13,14,15,16,17,18,19,20は2入力のEX−ORゲート、21,22は検査ビット保持用のフリップフロップ(検査ビット保持手段)、23は4ビットのシフトレジスタを構成するフリップフロップ3,4,5,6とパリティビット生成用のEX−ORゲート11,12,13,14,15と検査ビット保持用フリップフロップ21とを有して構成されデータ並びにエラー検出信号を出力する第1のデータ処理部、24は4ビットのシフトレジスタを構成するフリップフロップ7,8,9,10とパリティビット生成用のEX−ORゲート16,17,18,19,20と検査ビット保持用フリップフロップ22とを有して構成されデータ並びにエラー検出信号を出力する第2のデータ処理部、25は第1のデータ処理部23のEX−ORゲート(エラー検出手段)14および第2のデータ処理部24のEX−ORゲート(エラー検出手段)19に接続されてそれぞれのエラー検出信号を入力するとともに第1のデータ処理部23または第2のデータ処理部24のいずれから出力されるデータを出力部2へ出力するかを指示する選択信号を出力する選択回路(選択手段)、26は第1のデータ処理部23のデータ出力部であるFF6、第2のデータ処理部24のデータ出力部であるFF10および選択回路25の出力部に接続されて選択回路25から出力される選択信号に応じて第1のデータ処理部23または第2のデータ処理部24のいずれか一方から出力されるデータを出力部2へ出力する切り換え回路(切り換え手段)である。
【0018】
EX−ORゲート11とEX−ORゲート12とEX−ORゲート15とから、FF3の入力データとFF4の入力データとFF5の入力データとFF6の入力データとについての排他的論理和をとる入力データ用検査ビット生成手段が構成される。同様に、EX−ORゲート16とEX−ORゲート17とEX−ORゲート20とから、FF7の入力データとFF8の入力データとFF9の入力データとFF10の入力データとについての排他的論理和をとる入力データ用検査ビット生成手段が構成される。また、EX−ORゲート11とEX−ORゲート12とEX−ORゲート13とから、FF3の出力データとFF4の出力データとFF5の出力データとFF6の出力データとについての排他的論理和をとる出力データ用検査ビット生成手段が構成される。同様に、EX−ORゲート16とEX−ORゲート17とEX−ORゲート18とから、FF7の出力データとFF8の出力データとFF9の出力データとFF10の出力データとについての排他的論理和をとる出力データ用検査ビット生成手段が構成される。なお、EX−ORゲート11,12,13,14,15,16,17,18,19,20については、入力部と出力部とを識別するために、その出力部を黒丸で示している。また、フリップフロップ3,4,5,6,7,8,9,10,21,22には、共通のクロック信号が与えられるものとする。
【0019】
次に動作について説明する。
検査ビット保持用FF21は、FF3の入力データとFF4の入力データとFF5の入力データとFF6の入力データとについての排他的論理和として与えられる入力データ用検査ビットを入力する。これら論理演算対象の入力データのなかで“1”の数が奇数であれば入力データ用検査ビットとしてデータ“1”がFF21に入力され、“1”の数が偶数であれば入力データ用検査ビットとしてデータ“0”がFF21に入力される。また、EX−ORゲート14の一方の入力部はFF3の出力データとFF4の出力データとFF5の出力データとFF6の出力データとについての排他的論理和として与えられる出力データ用検査ビットを入力し、EX−ORゲート14の他方の入力部はFF21の出力データを入力する。
【0020】
ここで、任意の時刻におけるFF3の入力データをA(“0”または“1”)、FF4の入力データをB、FF5の入力データをC、FF6の入力データをDとする。この際、検査ビット保持用FF21の入力データはAとBとCとDとについての排他的論理和となる。次に、各フリップフロップに共通に入力されるクロック信号に立ち上がりまたは立ち下がりが生じると、これをトリガとして各フリップフロップが入力データをラッチする。FF3はデータAをラッチし、FF4はデータBをラッチし、FF5はデータCをラッチし、FF6はデータDをラッチし、FF21はAとBとCとDとについての排他的論理和をラッチする。これにより、EX−ORゲート14の一方の入力部はAとBとCとDとについての排他的論理和を入力し、また他方の入力部もAとBとCとDとについての排他的論理和を入力するから、EX−ORゲート14の出力部は“0”を出力する。なお、EX−ORゲート14から出力されるエラー検出信号は“1”の際にアクティブとなるものとする。
【0021】
ところで、上記トリガが発生した後にFF3,FF4,FF5,FF6のなかのいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが生じると、EX−ORゲートの一方の入力部に入力されるデータすなわち出力データ用検査ビットの論理値が反転し、EX−OR回路14の出力部は“1”を出力して、エラー検出信号はアクティブとなる。このように、シフトレジスタを構成するFF3,FF4,FF5,FF6にシングルイベントアップセットが生じない場合にはEX−ORゲート14は“0”を出力し、シングルイベントアップセットが生じた場合にはEX−ORゲート14は“1”を出力するから、EX−ORゲート14は4つのフリップフロップから成るシフトレジスタのエラー検出手段として機能する。なお、第2のデータ処理部24を構成する要素も第1のデータ処理部23内の対応する要素と同様に動作し、EX−ORゲート19はFF7、FF8、FF9、FF10の4つのフリップフロップから成るシフトレジスタのエラー検出手段として機能する。
【0022】
選択回路25は、EX−ORゲート14から出力されるエラー検出信号およびEX−ORゲート19から出力されるエラー検出信号を入力して、第1のデータ処理部23または第2のデータ処理部24のいずれかにシングルイベントアップセットに起因するエラーが生じている場合には、エラーの生じていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する。切り換え回路26は、当該選択信号を入力して、エラーの生じていないデータ処理部から出力されるデータを出力部2へ伝達する。
【0023】
以上のように、この実施の形態1によれば、EX−ORゲート11,12,15(16,17,20)から構成されフリップフロップFF3,FF4,FF5,FF6(FF7,FF8,FF9,FF10)の入力データについての排他的論理和をとる入力データ用検査ビット生成手段と、入力データ用検査ビットを入力データとする検査ビット保持用FF21(FF22)と、EX−ORゲート11,12,13(16,17,18)から構成されフリップフロップFF3,FF4,FF5,FF6(FF7,FF8,FF9,FF10)の出力データについての排他的論理和をとる出力データ用検査ビット生成手段と、検査ビット保持用FF21(FF22)の出力データと出力データ用検査ビット生成手段の出力部に該当するEX−ORゲート13(EX−ORゲート18)の出力データとを比較して異なる場合にはエラーの発生を示すデータ“1”を出力するEX−ORゲート14(EX−ORゲート19)と、EX−ORゲート14からのエラー検出信号およびEX−ORゲート19からのエラー検出信号を入力して選択信号を出力する選択回路25と、選択信号に基づいてエラーの生じていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え回路26とを備えるように構成したので、フリップフロップのいずれか1つにシングルイベントアップセットが発生すると、当該シングルイベントアップセットの発生したフリップフロップが含まれるデータ処理部から出力されるエラー検出信号がアクティブとなって、エラーの生じていないデータ処理部からの出力データが出力部2へ出力されるから、シングルイベントアップセットの発生を補償できるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、データ処理等を実施するデータ処理部を2つ設けているのみで、冗長性のレベルを3重から2重へと下げることで、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、データ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフリップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与するという効果を奏する。
【0024】
なお、この発明の実施の形態1では4ビットのシフトレジスタに係るシングルイベントアップセット補償回路を例にして発明を開示しているが、データ処理部内におけるフリップフロップの組み合せはこのような形態に限定されるものではなく、所望のデータ処理を実現する任意の回路構成を実現するフリップフロップの種々の接続形態に対して本願発明を適用することが可能であり、以降の実施の形態においても同様であることに留意されたい。
【0025】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。図2において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。31,32,33,34,35,36は検査ビット保持用のフリップフロップ、37はFF31、FF32およびFF33から出力されるデータを入力して多いほうのデータ(“0”または“1”)を出力する多数決回路、38はFF34、FF35およびFF36から出力されるデータを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路である。
【0026】
次に動作について説明する。なお、FF3、FF4、FF5、FF6、FF7、FF8、FF9、FF10のなかのいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生した場合の基本的な補償動作については、既に実施の形態1において説明済みであるので、その説明を省略する。
【0027】
FF31、FF32およびFF33は、入力されるクロック信号の立ち上がりまたは立ち下がりをトリガとして、FF3、FF4、FF5およびFF6の入力データについての排他的論理和として与えられる入力データ用検査ビットをラッチして保持する。多数決回路37は、FF31、FF32およびFF33の出力データをそれぞれ入力して、多いほうのデータを出力する。
【0028】
FF31、FF32およびFF33が入力データ用検査ビットをラッチした後に、放射線等の影響によりFF31、FF32およびFF33のなかのいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生して論理値の反転が生じても、他の2つのフリップフロップは正しいデータを保持しているので、多数決回路37は正しいデータを出力するから、検査ビット保持用フリップフロップに発生するシングルイベントアップセットを補償することができる。なお、第2のデータ処理部24に設けられたFF34、FF35、FF36および多数決回路38も上記と同様に動作する。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、入力データ用検査ビットをラッチして保持するための検査ビット保持手段を3つのフリップフロップFF31、FF32およびFF33(FF34、FF35およびFF36)と多数決回路37(多数決回路38)とを有して構成するようにしたので、検査ビット保持用フリップフロップにシングルイベントアップセットが発生しても当該シングルイベントアップセットを補償することができるから、回路の信頼性をより向上することができるという効果を奏する。
【0030】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。図3において、41は入力部、42は出力部、43,44,45,46は共通のクロック信号に基づいて入力データをラッチして出力するフリップフロップ、47は1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するエラー訂正回路(エラー訂正手段)、48は2ビット誤り検出信号出力部である。FF43、FF44、FF45およびFF46は4ビットのシフトレジスタを構成するように配置されている。また、エラー訂正回路47は、メモリ制御回路内のECC回路と類似の構成を有しており、各フリップフロップの入力部に接続されFF43の入力データ、FF44の入力データ、FF45の入力データおよびFF46の入力データから例えば拡大ハミングコードのような1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部と、当該検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をFF43等と共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部と、各フリップフロップの出力部、および回路構成上当該出力部からの出力データが出力されるべき回路素子(次段のフリップフロップの入力部または出力部42)に接続され、検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいてFF43の出力データ、FF44の出力データ、FF45の出力データおよびFF46の出力データについて1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施して、それぞれFF44の入力データ、FF45の入力データ、FF46の入力データ、出力部42への出力データとして出力するとともに、エラーが2ビット以上の場合には2ビット誤り検出信号出力部48から出力される2ビット誤り検出信号をアクティブにする誤り訂正・検出部とを有して構成されている。
【0031】
次に動作について説明する。
任意の時刻におけるFF43の入力データをA(“0”または“1”)、FF44の入力データをB、FF45の入力データをC、FF46の入力データをDとする。この際、エラー訂正回路47の検査ビット列生成部は、データA,B,C,Dについて1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する。次に、各フリップフロップに共通に入力されるクロック信号に立ち上がりまたは立ち下がりが生じると、これをトリガとして、FF43はデータAをラッチし、FF44はデータBをラッチし、FF45はデータCをラッチし、FF46はデータDをラッチするとともに、エラー訂正回路47の検査ビット列保持部は上記検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をラッチして保持する。エラー訂正回路47の誤り訂正・検出部は、FF43の出力データ、FF44の出力データ、FF45の出力データおよびFF46の出力データを入力して、データA,B,C,Dについて生成された検査ビット列を基にして1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施し、それぞれFF44の入力データ、FF45の入力データ、FF46の入力データおよび出力部42への出力データとして出力する。エラー訂正回路47の上記のような動作により、FF43、FF44、FF45およびFF46は4ビットのシフトレジスタとして機能する。
【0032】
上記トリガが発生した後に、FF43、FF44、FF45、FF46のなかのいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、シングルイベントアップセットが生じたフリップフロップの出力データの論理値は反転するが、エラー訂正回路47の誤り訂正・検出部が検査ビット列に基づいて当該フリップフロップの出力データに係るエラーを訂正して、即座に訂正された正しいデータを当該出力データが出力されるべき次段のフリップフロップの入力部または出力部42へ出力するので、シングルイベントアップセットの発生を補償することができる。なお、時間的に隣接する任意の2つのトリガ(クロック信号の立ち上がりまたは立ち下がり)間において、2つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、エラー訂正不能となり、2ビット誤り検出信号がアクティブとなる。
【0033】
以上のように、この実施の形態3によれば、FF43、FF44、FF45、FF46の入力部に接続されてこれらのフリップフロップの入力データに係る1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部と、検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をFF43等と共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部と、FF43、FF44、FF45、FF46の出力部およびこれらフリップフロップからの出力データが出力されるべきそれぞれの回路素子に接続されて、検査ビット列に基づいてフリップフロップの出力データに係るエラーを訂正して正しいデータを対応する回路素子に出力する誤り訂正・検出部とを有して構成されるエラー訂正回路47を備えるように構成したので、フリップフロップのいずれか1つにシングルイベントアップセットが発生しても、誤り訂正・検出部が検査ビット列に基づいてシングルイベントアップセットが発生したフリップフロップの出力データを即座に訂正して正しいデータを当該出力データが出力されるべき回路素子へ出力するので、シングルイベントアップセットの発生を補償できるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、同一のデータ処理機能を実現するデータ処理部を2つ以上設けるような冗長的構成を採用してはいないので、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、所定のデータ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフロップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与するという効果を奏する。
【0034】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。図4において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。51,52,53はそれぞれ並列に接続されたフリップフロップ、54はFF51、FF52およびFF53の出力データを入力して入力された3つのデータについて多いほうのデータ(データ“0”またはデータ“1”)を出力する多数決回路である。
【0035】
次に、この実施の形態4によるシングルイベントアップセット補償回路の特徴を明確にするために、実施の形態3によるシングルイベントアップセット補償回路との差異について説明する。図3に示されるシングルイベントアップセット補償回路において、出力データを出力部42へ出力すべきFF46にシングルイベントアップセットが発生すると、エラー訂正回路47によりエラー訂正が実施されて正しいデータが出力部42へ出力される。然るに、エラー訂正に係る遅延時間に起因して、出力部42に与えられるデータにパルス状のノイズが生じる現象すなわちデータハザードが発生する。出力部42が半導体装置の外部端子に相当するような場合には、通常このようなデータハザードを許容することはできない。したがって、このようなデータハザードを防止するために、この実施の形態4では出力部に接続されるフリップフロップについて3重の冗長化がなされている。
【0036】
次に動作について説明する。なお、FF43、FF44、FF45およびエラー訂正回路47などに係る動作は実施の形態3で説明済みであるので、ここでは実施の形態4によるシングルイベントアップセット補償回路に特有の動作について説明する。FF51、FF52およびFF53がデータをラッチして保持した後に、放射線等の影響によりいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生して論理値の反転が生じても、他の2つのフリップフロップは正しいデータを保持しているので、多数決回路54は正しいデータを常時出力部42へ出力するから、シングルイベントアップセットの発生を補償できるとともに、出力部42におけるデータハザードの発生を防止できる。
【0037】
以上のように、この実施の形態4によれば、出力部42に接続されるデータ保持手段をそれぞれ並列に接続される3つのフリップフロップFF51、FF52およびFF53と多数決回路54とを有して構成されるようにしたので、FF51、FF52およびFF53のなかのいずれか1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生しても当該シングルイベントアップセットを補償できるとともに、多数決回路54は正しいデータを常時出力部42へ出力するから、出力部42におけるデータハザードを防止することができるという効果を奏する。
【0038】
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。図5において、61は入力部、62は出力部、63は第1のデータ処理部、64は第2のデータ処理部である。第1のデータ処理部63はFF43a、FF44a、FF45a、FF46a、エラー訂正回路(エラー訂正手段)47aおよび2ビット誤り検出信号出力部48aを有して構成され、第2のデータ処理部64はFF43b、FF44b、FF45b、FF46b、エラー訂正回路(エラー訂正手段)47bおよび2ビット誤り検出信号出力部48bを有して構成されている。第1のデータ処理部63および第2のデータ処理部64は共に図3に示された回路と同一の回路構成および機能を有するものであり、第1のデータ処理部63に係る構成要素および第2のデータ処理部64に係る構成要素も図3に示される回路内の対応する構成要素と同一または相当するものとして与えられるものである。また、65は第1のデータ処理部63からの2ビット誤り検出信号および第2のデータ処理部64からの2ビット誤り検出信号を入力して第1のデータ処理部63または第2のデータ処理部64のいずれから出力されるデータを出力部62へ出力するかを指示する選択信号を出力する選択回路(選択手段)、66は選択回路65から出力される選択信号に応じて第1のデータ処理部63または第2のデータ処理部64のいずれか一方から出力されるデータを出力部62へ出力する切り換え回路(切り換え手段)である。
【0039】
次に動作について説明する。なお、第1のデータ処理部63および第2のデータ処理部64に係る動作は実施の形態3で説明済みであるので、ここでは実施の形態5によるシングルイベントアップセット補償回路に特有の動作について説明する。
【0040】
時間的に隣接する任意の2つのトリガ間において、FF43a、FF44a、FF45a、FF46aのなかで2つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、エラー訂正回路47aによるエラー訂正が不能となって2ビット誤り検出信号出力部48aから出力される2ビット誤り検出信号がアクティブとなる。また、時間的に隣接する任意の2つのトリガ間において、FF43b、FF44b、FF45b、FF46bのなかで2つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、エラー訂正回路47bによるエラー訂正が不能となって2ビット誤り検出信号出力部48bから出力される2ビット誤り検出信号がアクティブとなる。選択回路65は、2ビット誤り検出信号出力部48aから出力される2ビット誤り検出信号および2ビット誤り検出信号出力部48bから出力される2ビット誤り検出信号を入力して、第1のデータ処理部63または第2のデータ処理部64のいずれかにシングルイベントアップセットに起因して訂正不能なエラーが生じている場合には、エラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する。切り換え回路66は、当該選択信号を入力して、エラー訂正不能となっていないデータ処理部から出力されるデータを出力部62へ伝達する。
【0041】
以上のように、この実施の形態5によれば、FF43a、FF44a、FF45a、FF46a、エラー訂正回路47aおよび2ビット誤り検出信号出力部48aを有して構成される第1のデータ処理部63と、FF43b、FF44b、FF45b、FF46b、エラー訂正回路47bおよび2ビット誤り検出信号出力部48bを有して構成される第2のデータ処理部64と、第1のデータ処理部63からの2ビット誤り検出信号および第2のデータ処理部64からの2ビット誤り検出信号を入力して選択信号を出力する選択回路65と、選択信号に基づいてエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え回路66とを備えるように構成したので、データ処理部63またはデータ処理部64において同時に2つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、これによりエラー訂正不能となったデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号がアクティブとなって、エラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データが出力部62へ出力されるから、同時に2つのフリップフロップに発生するシングルイベントアップセットを補償することができて、シングルイベントアップセットに対する耐性をより向上することができるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、データ処理等を実施するデータ処理部を2つ設けているのみで、冗長性のレベルを3重から2重へと下げることで、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、所定のデータ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフロップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与するという効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップの入力データに対して所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する入力データ用検査ビット生成手段と、当該入力データ用検査ビットを入力データとして上記フリップフロップと共通のトリガに基づいて入力データ用検査ビットをラッチして保持する検査ビット保持手段と、それぞれのフリップフロップの出力データに対して入力データに適用したのと同じ所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する出力データ用検査ビット生成手段と、検査ビット保持手段の出力データと出力データ用検査ビット生成手段の出力データとを比較して異なる場合にアクティブとなるエラー検出信号を出力するエラー検出手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、第1のデータ処理部から出力されるエラー検出信号および第2のデータ処理部から出力されるエラー検出信号を入力してエラーの生じていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、第1のデータ処理部から出力されるデータおよび第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して選択信号に基づいてエラーの生じていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えるように構成したので、エラー検出手段において検査ビット保持手段の出力データと出力データ用検査ビットとを比較することでデータ処理部内のいずれか1つのフリップフロップに発生したシングルイベントアップセットを検出することができ、選択手段および切り換え手段を用いてエラーの生じていないデータ処理部からの出力データを出力することができるから、シングルイベントアップセットの発生を補償することができるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、データ処理等を実施するデータ処理部を2つ設けているのみであるから、冗長性のレベルを3重から2重へと下げることで、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、データ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフロップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与することができるという効果を奏する。
【0043】
この発明によれば、検査ビット保持手段がそれぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されるようにしたので、検査ビット保持手段を構成する少なくとも1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生して論理値の反転が生じても、他のより多数のフリップフロップは正しいデータを保持しているので、多数決回路からは正しいデータが出力されてシングルイベントアップセットを補償することができるから、回路の信頼性をより向上することができるという効果を奏する。
【0044】
この発明によれば、それぞれのフリップフロップの入力部に接続されてフリップフロップの入力データを対象とする1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部と、検査ビット列生成部により生成された検査ビット列をフリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部と、それぞれのフリップフロップの出力部およびそれぞれのフリップフロップからの出力データが出力されるべき回路素子に接続されて、検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいてフリップフロップの出力データに係るエラーを訂正して訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき回路素子に出力する誤り訂正・検出部とを有して構成されるエラー訂正手段を備えるように構成したので、フリップフロップのいずれか1つにシングルイベントアップセットが発生しても、誤り訂正・検出部が検査ビット列に基づいてシングルイベントアップセットが発生したフリップフロップの出力データを即座に訂正して正しいデータを当該出力データが出力されるべき回路素子へ出力するので、シングルイベントアップセットの発生を補償することができるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、同一のデータ処理機能を有するデータ処理部を2つ以上設けるような冗長的構成を採用してはいないので、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、データ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフロップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与することができるという効果を奏する。
【0045】
この発明によれば、出力部に接続される回路素子が、それぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されているので、少なくとも1つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生して論理値の反転が生じても、他のより多数のフリップフロップは正しいデータを保持しているので、多数決回路からは常時正しいデータが出力されるから、シングルイベントアップセットの発生を補償できるとともに出力部におけるデータハザードの発生を防止できるという効果を奏する。
【0046】
この発明によれば、複数のフリップフロップと、フリップフロップの入力データについて1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部、検査ビット列をフリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部、検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいてフリップフロップの出力データに係るエラーを訂正して訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき回路素子に出力するとともにエラーが2ビット以上である場合にアクティブとなる2ビット誤り検出信号を出力する誤り訂正・検出部から成るエラー訂正手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、第1のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号および第2のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号を入力してエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、第1のデータ処理部から出力されるデータおよび第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して選択信号に基づいてエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えるように構成したので、第1のデータ処理部または第2のデータ処理部において同時に2つのフリップフロップにシングルイベントアップセットが発生すると、これによりエラー訂正不能となったデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号がアクティブとなって、エラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データが選択的に出力されるから、同時に2つのフリップフロップに発生するシングルイベントアップセットを補償することができて、シングルイベントアップセットに対する耐性をより向上することができるという効果を奏する。また、シングルイベントアップセットを補償するために、データ処理等を実施するデータ処理部を2つ設けているのみであるから、冗長性のレベルを3重から2重へと下げることで、シングルイベントアップセット補償回路の半導体装置上における占有面積を低減することができるという効果を奏する。さらに、上記シングルイベントアップセット補償回路については、データ処理を実施するデータ処理部内に設けられるフリップフロップに係る接続形態について何ら制約がないので、種々の回路に汎用的に適用することができて、設計の効率化に寄与することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態2によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態3によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態4によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態5によるシングルイベントアップセット補償回路の構成を示す回路図である。
【図6】 冗長構成を採用した従来のシングルイベントアップセット補償回路の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1,41,61 入力部、2,42,62 出力部、3,4,5,6,7,8,9,10,31,32,33,34,35,36,43,43a,43b,44,44a,44b,45,45a,45b,46,46a,46b,51,52,53 フリップフロップ、11,12,13,15,16,17,18,20 EX−ORゲート、14,19 EX−ORゲート(エラー検出手段)、21,22 フリップフロップ(検査ビット保持手段)、23,63 第1のデータ処理部、24,64 第2のデータ処理部、25,65 選択回路(選択手段)、26,66 切り換え回路(切り換え手段)、37,38,54 多数決回路、47,47a,47b エラー訂正回路(エラー訂正手段)、48,48a,48b 2ビット誤り検出信号出力部。
Claims (5)
- 複数のフリップフロップと、それぞれのフリップフロップの入力データに対して所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する入力データ用検査ビット生成手段と、当該入力データ用検査ビットを入力データとして前記フリップフロップと共通のトリガに基づいて入力データ用検査ビットをラッチして保持する検査ビット保持手段と、それぞれのフリップフロップの出力データに対して入力データに適用したのと同じ所定の論理演算を適用して検査ビットを生成する出力データ用検査ビット生成手段と、前記検査ビット保持手段の出力データと前記出力データ用検査ビット生成手段の出力データとを比較して異なる場合にアクティブとなるエラー検出信号を出力するエラー検出手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、前記第1のデータ処理部から出力されるエラー検出信号および前記第2のデータ処理部から出力されるエラー検出信号を入力してエラーの生じていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、前記第1のデータ処理部から出力されるデータおよび前記第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して前記選択信号に基づいてエラーの生じていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えることを特徴とするシングルイベントアップセット補償回路。
- 検査ビット保持手段が、それぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれの前記フリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されることを特徴とする請求項1記載のシングルイベントアップセット補償回路。
- 複数のフリップフロップと、それぞれの前記フリップフロップの入力部に接続されて前記フリップフロップの入力データを対象とする1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部、該検査ビット列生成部により生成された検査ビット列を前記フリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部、およびそれぞれの前記フリップフロップの出力部およびそれぞれの前記フリップフロップからの出力データが出力されるべき回路素子に接続されて前記検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいて前記フリップフロップの出力データに係るエラーを訂正し訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき前記回路素子に出力する誤り訂正・検出部から成るエラー訂正手段とを備えることを特徴とするシングルイベントアップセット補償回路。
- 出力部に接続される回路素子が、それぞれ並列に接続される3以上の奇数個のフリップフロップと、それぞれの前記フリップフロップからの出力データを入力して多いほうのデータを出力する多数決回路とを有して構成されることを特徴とする請求項3記載のシングルイベントアップセット補償回路。
- 複数のフリップフロップと、それぞれの前記フリップフロップの入力部に接続されて前記フリップフロップの入力データについて1ビット誤り訂正・2ビット誤り検出を実施するための検査ビット列を生成する検査ビット列生成部、該検査ビット列生成部により生成された検査ビット列を前記フリップフロップと共通のトリガに基づいてラッチして保持する検査ビット列保持部、およびそれぞれの前記フリップフロップの出力部およびそれぞれの前記フリップフロップからの出力データが出力されるべき回路素子に接続されて前記検査ビット列保持部に保持された検査ビット列に基づいて前記フリップフロップの出力データに係るエラーを訂正し訂正されたデータを当該出力データが出力されるべき前記回路素子に出力するとともに、エラーが2ビット以上である場合にアクティブとなる2ビット誤り検出信号を出力する誤り訂正・検出部から成るエラー訂正手段とを有してそれぞれ構成される第1のデータ処理部および第2のデータ処理部と、前記第1のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号および前記第2のデータ処理部から出力される2ビット誤り検出信号を入力してエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データの取得を指示する選択信号を出力する選択手段と、前記第1のデータ処理部から出力されるデータおよび前記第2のデータ処理部から出力されるデータを入力して前記選択信号に基づいてエラー訂正不能となっていないデータ処理部からの出力データを出力する切り換え手段とを備えることを特徴とするシングルイベントアップセット補償回路。
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