JP3894548B2 - 液体吐出ヘッドならびに前記液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドならびに前記液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を吐出するための吐出口を有する液体吐出ヘッドならびにこれを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットやデジタルカメラの普及などにより、高階調のカラー印刷に対する需要も高まってきており、これに伴ってインクジェットプリンタの高性能化も進められつつある。高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得る手段として、
▲1▼ 吐出するインクの体積を小さくし、吐出口の配列間隔を狭め、解像度の向上を図る
▲2▼ 特定の色インクに対し、これに含まれる色剤の割合、つまり色剤の濃度が異なる複数(最低2つ)の色インクをそれぞれ吐出する複数の吐出口の配列を用意し、必要に応じて濃インクと淡インクとを選択的に重ね打ちすることにより階調性の向上を図る
などの方法が特に有効であると考えられる。
【0003】
しかしながら、▲1▼の方法を実現するために、吐出されるインク滴の体積をできるだけ小さくし高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得るためには、記録媒体上により多くのインク液滴を精度良く着弾して記録しなければならず、安定したインク滴体積を吐出し記録媒体に精度良く着弾する吐出口とインク吐出ヘッドの高い応答周波数が求められる。
【0004】
また、▲2▼の方法を実現しようとすると、特定の色インクに対して濃インクと淡インクをそれぞれ吐出する吐出口配列が必要となり、プリントヘッドの構造が複雑になってしまう。このような小さなインク滴を吐出口から吐出させる場合、インクの加熱に伴って膜沸騰により成長する気泡を吐出口を介して大気に連通させる方式のものが、例えば特開平4−10940号公報、特開平4−10941号公報、特開平4−10742号公報などで開示され、膜沸騰により成長する気泡を大気に連通させずにインク滴を吐出する旧来のバブルジェット方式のものと区別するため、いわゆるバブルスルー方式と呼称される場合がある。
【0005】
ところで、膜沸騰により成長する気泡を大気に連通させずにインク滴を吐出する旧来のバブルジェット方式によるプリントヘッドにおいては、吐出口から吐出されるインク滴の大きさを小さくするに連れて吐出口に連通するインク流路の通路断面積を小さくしなければならず、吐出効率が低下して吐出口から吐出されるインク滴の吐出速度が低下してしまう不具合が生ずる。インク滴の吐出速度が低下すると、その吐出方向が不安定になる上、プリントヘッドの休止時に水分の蒸発に伴ってインクの増粘化が起こり、吐出状態がさらに不安定となって初期吐出不良などが発生し、信頼性の低下を来すおそれがある。
【0006】
この点、気泡が大気に連通するバブルスルー方式のプリントヘッドは、インク滴の大きさを吐出口の幾何学的形状のみで決定できるため、小インク滴を吐出するのに適しており、温度などの影響を受けにくく、インク滴の吐出量が旧来のバブルジェット方式のプリントヘッドと比較して非常に安定しているという利点があるため、高精細かつ高階調の高品位プリント画像を比較的容易に得ることが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得るには、上述した▲1▼、▲2▼の方法を両方組み合わせたプリントヘッド構成が特に有効であると考えられる。また、高速でプリント画像を得るには、インクの吐出される周期を短くすることや、吐出体積の大きなインクで記録画素を形成し記録密度を抑えることも有効である。そこで、特定の色インクに対して淡インクの吐出体積を濃インクのインク吐出体積よりも大きくし、それらのインク液滴の組合せで記録媒体上に画像を記録するようにすれば、全体のインク吐出回数や周期を抑えることができ、省エネルギでありかつ精度の高いインク液滴の吐出ヘッドが実現できる。そして、高精細かつ高階調の高品位プリント画像を高速で得ることができる。
【0008】
1つの吐出口から極めて少量のインク滴を吐出させてプリントを行う場合、前述したように、インクジェットプリンタにおいては特にバブルスルー方式のものが適していると言える。
【0009】
このようなインクジェット方式のプリントヘッドをキャリッジと共にプリント媒体に沿って高速で走査移動させつつすべての吐出口からインク滴を連続的に吐出させ、いわゆるべたプリントをプリント媒体に対して行う場合、この時のインク滴の吐出状態を図9に示す。プリントヘッド101の走査移動方向は、この図9の紙面に対して垂直な方向であり、図示しない吐出口は図の左右方向に配列した状態となっている。画像データがべたの場合には、各吐出口に対応するすべての吐出エネルギ発生部(図示せず)が高い駆動周波数で駆動される。このため、吐出口からプリント媒体102に向けて吐出するインク滴103の運動に伴い、その周囲に介在する粘性を持った空気もインク滴103の運動に引きずられて移動する。この結果、プリントヘッド101の吐出口が開口する吐出口面104近傍がプリントヘッド101の周囲よりも減圧傾向となり、周囲の空気が減圧領域へ気流となって流れ、その流れの影響によって、特に吐出口の配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴103がその配列方向中央側に引き寄せられ、プリント媒体102に対して所期の位置に吐出されなくなることが判明した。このことから、端部の複数の吐出液滴が中央部へ引き寄せられている。
【0010】
このような現象の下で、べたプリントを複数回のキャリッジの走査移動によって行った場合、この時のプリント媒体に形成されるべたプリントの画像を図10に模式的に示す。キャリッジはプリントヘッドと共に図中、上方から下方に走査移動するが、この際に前回の走査移動によって形成されたべた画像105と次の走査移動によって形成されたべた画像106との間に白筋107が形成されてしまうことが理解されよう。
【0011】
このような不具合は、吐出口の配列間隔を狭く設定し、1回の駆動操作によって10pl以下の少量のインク滴を高周期で吐出できるバブルスルー方式のインクジェットプリンタにおいて特に顕著に現れ、吐出されるインク滴の体積の違いによって程度が異なることが発明者の検討により分かった。表1は吐出口の配列間隔1200dpi(21μm)のときの端ヨレ量(白筋107の1/2の値)のデータである。
【0012】
【表1】
Figure 0003894548
この理由としては、プリントヘッドをキャリッジと共にプリント媒体に沿って高速で走査移動させつつすべての吐出口からインク滴を連続的に吐出させるため、キャリッジの形状や走査速度、吐出口配列の位置、吐出口とプリント媒体との距離、インク液滴の大きさや吐出速度などの要因が複雑にからみあっていると考えられる。これらの要因の中でも、本発明によって解決しようとする課題は、インク液滴の大きさによって端ヨレ量(端部の複数の吐出液滴が中央部へ引き寄せられている不具合)の程度が異なるのを防止することである。また、大きさの異なるインク液滴が混在することによる相互に影響し合う端ヨレ量の最適な補正をすることである。例えば、約4plを吐出する吐出口配列と約2plを吐出する吐出口配列が混在し、両者を同時に吐出させながらキャリッジを高速で走査させた場合、約4plのインク液滴を吐出する吐出口配列の下流側に位置する約2plのインク液滴は、単独で吐出させた時の1.5〜3倍の端ヨレ量を示す。従来は、吐出エネルギ発生部に対する駆動周波数を低く抑えたり、キャリッジが一回走査する間に吐出駆動させる数を少なくすることによって上述した不具合を緩和することも可能であった。しかしながら、吐出エネルギ発生部に対する駆動周波数を低くしたり吐出駆動数を少なく設定した場合にはプリント速度が遅くなってしまい、高速でプリントアウトするというユーザのニーズに応えることができなくなってしまう。
【0013】
そこで、本発明は、インク吐出体積の異なる吐出口配列が混在しており大きさの異なるインク液滴が同時に吐出されるようなインクジェットプリンタであっても、その配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴の偏倚により、べたプリントに際に白筋が発生しないように配慮した液体吐出ヘッドならびにこの液体吐出ヘッドを用いるヘッドカートリッジおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の液体吐出ヘッドは、プリント媒体の搬送方向に対して略平行に配列され吐出口から吐出される液滴の体積が異なる複数の吐出口列と、各吐出口にそれぞれ対向して配置され、各吐出口から液体を吐出させるための複数の吐出エネルギ発生部とを有し、プリント媒体の搬送方向に対して交差する方向に走査移動がなされる液体吐出ヘッドにおいて、各吐出口列が、各吐出口の間隔が第1の間隔に設定されている第1の吐出口群と、各吐出口列の両端部側に配置されており、少なくとも、第1の間隔よりも広い第2の間隔に設定された各吐出口が配列されている第2の吐出口群を含む第3の吐出口群とを有し、吐出される液滴の体積が相対的に大きい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差は、吐出される液滴の体積が相対的に小さい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差より大きいことを特徴とする。
【0015】
上記の通りの本発明の液体吐出ヘッドは、吐出口から吐出される液滴の体積が異なる複数の吐出口列が、第1の吐出口群と、第2の吐出口群を含む第3の吐出口群とを有し、吐出される液滴の体積が相対的に大きい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差は、吐出される液滴の体積が相対的に小さい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差より大きくなるように設定されている。これにより、液体の吐出時に周囲よりも減圧傾向となり、周囲の空気が減圧領域へ気流となって流れ、その流れの影響によって、特に吐出口の配列方向の両端側に位置する吐出口から吐出される液体がその配列方向の中央側に引き寄せられ、プリント媒体に対して所期の位置に吐出されなくなるのを、吐出体積毎に個別に防止することができる。
【0016】
また、この吐出口の間隔は、吐出される液滴の各体積に応じて異なるように構成されている。これにより、同時に吐出される液滴の体積が2種類以上混在していも、それぞれ吐出口間隔が適正量だけ補正することができる。
【0017】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、第3の吐出口群が、吐出口列の末端の吐出口を含む第2の吐出口群のみからなるものであってもよいし、第3の吐出口群が、第1の間隔に設定され、吐出口列の末端の吐出口を含む各吐出口からなる第4の吐出口群を含むものであってもよい。
【0018】
さらに、本発明の液体吐出ヘッドは、吐出される液体が、同色インク、濃インク、淡インクからなる群の中から選択された記録インクおよび/またはプリント媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理液であってもよいし、吐出される液体が、記録インクであり、吐出されるインク滴の体積が大小の2種類で、大小のインク滴の体積比が1.5〜3倍であり、吐出される体積の大きいインクのほうが吐出される体積が小さいインクよりも薄い色であり、吐出される体積が大きいインクが、第2の間隔に設定された各吐出口から吐出されるものであってもよい。あるいは、吐出される液体は同色の記録インクであってもよい。
【0019】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、吐出エネルギ発生部が、液体に膜沸騰を生じさせて吐出口から液体を吐出させるための熱エネルギを発生する電気熱変換体を有するものであってもよい。
【0020】
本発明のヘッドカートリッジは、本発明の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクとを具えていることを特徴としており、液体タンクが、着脱手段を介して液体吐出ヘッドに対して着脱可能であってもよい。
【0021】
本発明の画像形成装置は、本発明の液体吐出ヘッドの取り付け部と、プリント媒体の搬送手段とを具え、前記液体吐出ヘッドの吐出口から吐出される液体によってプリント媒体に画像を形成することを特徴とする。
【0022】
上記の通りの本発明の画像形成装置は、本発明の液体吐出ヘッドによりプリント媒体に画像を形成するため、液体の吐出時に周囲よりも減圧傾向となり、周囲の空気が減圧領域へ気流となって流れ、その流れの影響によって、特に吐出口の配列方向の両端側に位置する吐出口から吐出される液体がその配列方向の中央側に引き寄せられ、プリント媒体に対して所期の位置に吐出されなくなるのを、吐出体積毎に個別に防止することができる。よって、同時に吐出される液滴の体積が2種類以上混在していも、それぞれ吐出口間隔が適正量だけ補正されているのでべたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置は、取り付け部が、プリント媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジを有するものであってもよいし、液体吐出ヘッドが、着脱手段を介してキャリッジに対して着脱自在に搭載されるものであってもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
なお、以下の各実施形態で示される数値は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、各実施形態に限らず、これらをさらに組み合わせるものであってもよく、この明細書の特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるべき他の技術にも応用することができる。
(第1の実施形態)
本発明による画像形成装置をインクジェットプリンタに応用した一実施形態について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
本実施形態におけるインクジェットプリンタの機構部分の外観を図1に示し、このインクジェットプリンタに用いられるヘッドカートリッジの外観を分解状態で図2に示し、そのプリントヘッドの外観を図3に示す。すなわち、本実施形態におけるインクジェットプリンタのシャシー10は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成され、このインクジェットプリンタの骨格をなす。シャシー10には、図示しないシート状のプリント媒体をインクジェットプリンタの内部へと自動的に給送する媒体給送部11と、この媒体給送部11から1枚ずつ給送されるプリント媒体を所望のプリント位置へ導くと共にこのプリント位置から媒体排出部12へとプリント媒体を導く媒体搬送部13と、プリント位置に搬送されたプリント媒体に所定のプリント動作を行うプリント部と、このプリント部に対する回復処理を行うヘッド回復部14とが組み付けられている。
【0027】
プリント部は、キャリッジ軸15に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ16と、このキャリッジ16にヘッドセットレバー17を介して着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジ18とからなる。
【0028】
ヘッドカートリッジ18が搭載されるキャリッジ16には、このヘッドカートリッジ18のプリントヘッド19をキャリッジ16上の所定の装着位置に位置決めするためのキャリッジカバー20と、プリントヘッド19のタンクホルダ21と係合してプリントヘッド19を所定の装着位置に位置決めするように押圧する前述のヘッドセットレバー17とが設けられている。ヘッドセットレバー17は、キャリッジ16の上部に図示しないヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられ、またプリントヘッド19との係合部には、ばね付勢される図示しないヘッドセットプレートが設けられ、このヘッドセットプレートのばね力によってプリントヘッド19を押圧しながらキャリッジ16に装着するようになっている。
【0029】
プリントヘッド19に対するキャリッジ16の別の係合部には、図示しないコンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)22の一端部が連結され、このコンタクトFPC22の一端部に形成された図示しないコンタクト部と、プリントヘッド19に設けられた外部信号入力端子であるコンタクト部23とが電気的に接触し、プリントのための各種情報の授受やプリントヘッド19への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0030】
コンタクトFPC22のコンタクト部とキャリッジ16との間には、図示しないゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットプレートによる押圧力とによって、コンタクトFPC22のコンタクト部とプリントヘッド19のコンタクト部23との確実な接触を可能とするようになっている。コンタクトFPC22の他端部は、キャリッジ16の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続されている。
【0031】
本実施形態におけるヘッドカートリッジ18は、インクを貯留するインクタンク24と、このインクタンク24から供給されるインクをプリント情報に応じてプリントヘッド19の吐出口25(図4参照)から吐出させる前述のプリントヘッド19とを有する。本実施形態のプリントヘッド19は、キャリッジ16に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。
【0032】
また、本実施形態では写真調の高画質なカラープリントを可能とするため、例えば黒色、淡シアン色、淡マゼンタ色、シアン色、マゼンタ色および黄色の各色インクが独立した6個のインクタンク24を使用可能としている。各インクタンク24には、ヘッドカードリッジ18に対して係止し得る弾性変形可能な取り外し用レバー26が設けられ、この取り外し用レバー26を操作することにより、図3に示すように、プリントヘッド19に対してそれぞれ取り外し可能となっている。
【0033】
プリントヘッド19は、後述するプリント素子基板27、前述のタンクホルダ21などから構成されている。本実施形態におけるプリントヘッド19のプリント素子基板27の破断構造を図4に示し、その吐出口の配列形態を図5に示し、そのA−A´断面構造を図6にそれぞれ示す。本実施形態におけるプリント素子基板27は、厚さが0.5mm〜1mmのシリコン基板の上に成膜技術を用いて吐出エネルギ発生部、共通インク室31、インク路33、吐出口25などを形成したものである。すなわち、プリント素子基板27には、これを貫通する長孔状のインク供給口28が形成されている。このインク供給口28の両側には、プリント媒体の搬送方向、つまりインク供給口28の長手方向に沿って所定間隔で2列に並ぶ複数(本実施形態では片側256個)の電気熱変換体29が相互に半ピッチずらした状態で形成されている。そして、それぞれの列の中心間距離は233μmであり、それぞれ吐出エネルギ発生部を構成している。プリント素子基板27には、これら電気熱変換体29の他、電気熱変換体29とプリンタ本体側との電気的接続を行うための電極端子30およびアルミニウムなどで形成される図示しない電気配線などが成膜技術によって形成されている。
【0034】
プリント素子基板27に形成された電極端子30に対して連結される電気配線基板36は、プリント素子基板27にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、プリント素子基板27に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、プリンタ本体からの電気信号を受け取るための前述のコンタクト部23とを有しており、このコンタクト部23はタンクホルダ21の背面側に位置決め固定されている。この電気配線基板36を介して図示しない駆動ICから電気熱変換体29に対する駆動信号が与えられ、同時に駆動電力がこの電気熱変換体29に供給される。
【0035】
なお、インクタンク24を着脱可能に保持するタンクホルダ21には、インクタンク24からプリント素子基板27のインク供給口28に亙るインク流路が形成されている。
【0036】
プリント素子基板27上には、インク供給口28に連通する共通インク室31を介して電気熱変換体29とそれぞれ正対する複数の吐出口25を有する上板部材32が形成される。すなわち、この上板部材32とプリント素子基板27との間には、個々の吐出口25と共通インク室31とに連通するインク路33が形成され、隣接するインク路33の間には仕切り壁34が形成される。これら共通インク室31、インク路33および仕切り壁34などは、吐出口25と同様にフォトリソグラフィ技術により上板部材32と共に形成される。
【0037】
インク供給口28から各インク路33内に供給される液体は、対応するインク路33に臨む電気熱変換体29に駆動信号が与えられることにより、電気熱変換体29の発熱に伴って沸騰し、これにより発生する気泡の圧力によって吐出口25から吐出される。この場合、液室31内で発生する気泡は、その成長に伴って吐出口25から大気連通状態となる。
【0038】
本実施形態では、図5(a)に示す第1の配列状態および図5(b)に示す第2の配列状態の二種類の吐出口配列が混在するようにプリントヘッドを構成した。
【0039】
図5に示すプリンタヘッドは、図5(a)に示す複数の第1の吐出口25aからなる吐出口列と、図5(b)に示す第1の吐出口25aよりも吐出口の直径が小さい複数の第2の吐出口25bからなる吐出口列とを有する。
【0040】
第1の配列状態は、配列間隔d0で配列された複数の第1の吐出口25aからなる第1の吐出口群50と、配列間隔d1で配列された複数の第1の吐出口25aからなる第2の吐出口群51とを有し、吐出口列の両端側に第2の吐出口群51が配置され、その間に第1の吐出口群50が配置されている。
【0041】
すなわち、第1の配列状態では、一方の列の末端吐出口25a´から数えて20個目までが、配列間隔d1が600dpi間隔よりも1μmだけ広い43.3μmに設定された第2の吐出口群51であり、両端部に配置された第2の吐出口群51の間に、配列間隔d0が600dpi(42.3μm)に設定された第1の吐出口群50が配置されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25a´は、すべての吐出口が600dpi間隔で配列している場合よりも、20μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、他方の列は、一方の列に対してこれらの第1の吐出口25aの配列間隔の1/2だけずらして配置されており、従って2列合わせた第1の吐出口25aの配列密度はほぼ1200dpiとなる。
【0042】
また、第2の配列状態は、配列間隔d0で配列された複数の第2の吐出口25bからなる第1の吐出口群50と、配列間隔d2で配列された複数の第2の吐出口25bからなる第2の吐出口群52とを有し、吐出口列の両端部に第2の吐出口群52が配置され、その間に第1の吐出口群50が配置されている。
【0043】
すなわち、第2の配列状態では、一方の列の末端吐出口25b´から数えて20個目までが、配列間隔d2が600dpi間隔よりも0.25μmだけ広い42.55μmに設定された第2の吐出口群52であり、両端部に配置された第2の吐出口群52の間に、第2の吐出口25bの配列間隔d0は600dpi(42.3μm)間隔に設定されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25b´は、すべての吐出口が600dpi間隔で配列している場合よりも、5μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、他方の列は、一方の列に対してこれらの吐出口の配列間隔の1/2だけずらして配置されており、従って2列合わせた吐出口の配列密度はほぼ1200dpiとなる。
【0044】
本実施形態ではこれら2つの吐出口列の間の間隔(左右の列の第2の吐出口25bの中心間距離)を23μmに設定している。第1の配列状態に並ぶ電気熱変換体29は一辺が24μmの正方形で、第1の吐出口25aは直径が14μmの円形であり、約4plのインク滴が吐出される。また、第2の配列状態に並ぶ電気熱変換体29は一辺が22μmの正方形で、第2の吐出口25bは直径が12μmの円形であり、約2plのインク滴がそれぞれの第1および第2の吐出口25a、25bから吐出されるようになっている。また、吐出速度は10〜15m/sであった。
【0045】
なお、第1および第2の吐出口25a、25bの形状として本実施形態のような円形以外に、長方形や星形のような形状に設定しても、特に問題はない。
【0046】
また、インク滴の体積比も、本実施形態では約2倍のものを一例に示したが、1.5〜3倍の範囲内に設定されるものであってもよい。また、インクの色については、吐出されるインク滴の体積に応じて、同色のインク、濃インク、淡インクをどのように組み合わせて用いるものであってもよいが、吐出されるインク滴の体積が大きいほうが吐出されるインク滴の体積が小さいほうよりも薄い色のインクとするのが好適である。また、さらに、吐出する液体としては、インクのみならず、プリント媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理液であってもよい。
【0047】
このようなインクジェット方式のプリントヘッド19をキャリッジ16と共にプリント媒体に沿って高速で走査移動させつつすべての吐出口25からインク滴を連続的に吐出させ、いわゆるべたプリントをプリント媒体に対して行った。
【0048】
写真調の記録を行う際には、複数回のパスで画像を形成する多パス(マルチパス)を用いるが、本実施形態では、4パスで記録を行い、メディアはCANON製PR−101紙を用い、ムラの幅を測定した。また、比較のため、従来のプリントヘッドにおけるムラの幅についても測定した。
【0049】
吐出口の間隔を600dpi間隔ですべて等しく設定した従来のプリントヘッドでは、図10に示すような白筋107の幅が、第1の配列状態において70μm程度にも達することが判明した。また、写真調の記録を行う際には、図11のようにパスのつなぎ部分108がうっすら薄くなりムラに見えた。
【0050】
一方、本実施形態のプリントヘッドの場合、白筋107の幅が、第1の配列状態では約40μm、第2の配列状態では約6μmであった。
【0051】
さらに、第1の配列状態の吐出口配列から約4pl、第2の配列状態の吐出口配列から約2plのインク滴を同時に吐出させた場合、約4plのインク液滴を吐出する吐出口配列の下流側に位置する約2plのインク液滴は、単独で吐出させた時の1.5〜3倍の端ヨレ量(5〜8μm)を示す。表2にデータを示す。100%がノズル幅109のベタ記録に相当し、4パスの最大デューティが25%に相当する。
【0052】
【表2】
Figure 0003894548
このことから、本実施形態では第1の配列状態の吐出口配列から約4pl、第2の配列状態の吐出口配列から約2plのインク滴を同時に吐出させた場合を考慮して、それらの配列方向両端部にそれぞれ位置する合計40個の吐出口が中央側の吐出口の配列間隔に対して、第1の配列状態と第2の配列状態においてそれぞれ1μmと0.25μmずつ余計に間隔が拡がる方向に位置をずらした。このため、写真調プリント記録の際に吐出口の配列方向中央側で発生する減圧雰囲気により、それらの配列方向両端部にそれぞれ位置する吐出口から吐出されるインク滴はそれらの配列方向中央側に引き寄せられ、最終的にそれらの配列方向中央側に位置する吐出口から吐出されてプリント媒体に到達したインク滴の間隔とほぼ同じ間隔に修正される。この結果、従来では1回のキャリッジ16の走査移動毎に発生していた白筋などの発生を未然に防止することができる。
【0053】
このような写真調プリントの実施に際し、プリント媒体とプリントヘッド19の第1および第2の吐出口25a、25bが開口する吐出口面35との間隔を1.6mmに設定し、キャリッジ16の走査移動速度を毎秒422.3mmに設定した。このときの、プリントヘッドのノズルの応答周波数は20kHzである。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、図5(a)及び図5(b)に示すように配列方向両端部に位置する吐出口及び電気熱変換体の間隔を、それ以外の中央側の間隔よりも広くすることを特徴としたが、本実施形態では、図7(a)に示す第3の配列状態および図7(b)に示す第4の配列状態のような吐出体積の異なる二種類の吐出口配列が混在するようにプリントヘッドを構成した。先の実施形態と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。
【0054】
第3の配列状態は、複数の第1の吐出口25aが配列されており、その配列が、配列間隔d0で配列された第1の吐出口群60と、配列間隔d3で配列された第3の吐出口群61aおよび配列間隔d0で配列された第4の吐出口群61bを含む第2の吐出口群61とからなり、吐出口列の両端側に第2の吐出口群61が配置され、その間に第1の吐出口群60が配置されているものである。
【0055】
すなわち、その配列方向の第1の吐出口群60および第4の吐出口群61bに位置する第1の吐出口25aおよび吐出エネルギ発生部の配列間隔d0は相互に等しく設定され、第1の吐出口群60と第4の吐出口群61bとの間に位置する第3の吐出口群61aの第1の吐出口25aおよび吐出エネルギ発生部の配列間隔d3は、配列間隔d0よりも広く設定されており、その間隔の設定は、吐出される液滴の体積によって異なるものとなっている。
【0056】
より詳細には、第3の配列状態では、一方の列の末端吐出口25a´から数えて4個目までである第4の吐出口群61bと第1の吐出口群60との配列間隔d0は、600dpi(42.3μm)に設定されている。また、第3の吐出口群61aに位置する20個の第1の吐出口25aおよび吐出エネルギ発生部の配列間隔d3は、600dpi間隔よりも1μmだけ広い43.3μmに設定されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25a´は、すべての吐出口が600dpi間隔で配列している場合よりも、20μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、他方の列は、一方の列に対してこれらの吐出口の配列間隔の1/2だけずらして配置されており、従って2列合わせた吐出口の配列密度はほぼ1200dpiとなる。
【0057】
第4の配列状態は、複数の第2の吐出口25bが配列されており、その配列が、配列間隔d0で配列された第1の吐出口群60と、配列間隔d4で配列された第3の吐出口群62aおよび配列間隔d0で配列された第4の吐出口群62bを含む第2の吐出口群62とからなり、吐出口列の両端側に第2の吐出口群62が配置され、その間に第1の吐出口群60が配置されているものである。
【0058】
すなわち、その配列方向の第1の吐出口群60および第4の吐出口群62bに位置する第2の吐出口25bおよび吐出エネルギ発生部の配列間隔d0は相互に等しく設定され、第1の吐出口群60と第4の吐出口群62bとの間に位置する第3の吐出口群62aの第2の吐出口25bおよび吐出エネルギ発生部の配列間隔d4は、配列間隔d0よりも広く設定されている。
【0059】
より詳細には、第4の配列状態では、一方の列の末端吐出口25b´から数えて4個目までである第4の吐出口群62bと第1の吐出口群60の配列間隔d0は、600dpi(42.3μm)に設定されている。また、第3の吐出口群62aに位置する20個の吐出口25および吐出エネルギ発生部の配列間隔d4は、600dpi間隔よりも0.25μmだけ広い42.55μmに設定されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25b´は、すべての第2の吐出口25bが600dpi間隔で配列している場合よりも、5μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、他方の列は、一方の列に対してこれらの吐出口の配列間隔の1/2だけずらして配置されており、従って2列合わせた吐出口の配列密度はほぼ1200dpiとなる。
【0060】
なお、本実施形態では、吐出口の配列方向両端から数えて4個目までの吐出口の直径を比較的大きめの15μmに設定した。そのほかの実施の形態は、第1の実施形態と重複のため省略するが、同様な効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態では、インク供給口28に連なる共通インク室31の両側に長手方向に沿って所定間隔で2列に並ぶ複数(第1の実施形態では片側256個、合計512個)の第1および第2の吐出口25a、25bの形状や寸法を、それらから吐出される液滴の体積を同等になるように設計したが、本実施形態では図8に示すように、同色のインクを溜めることのできる共通インク室31の片側に配列する第1の吐出口25aから吐出される液滴の体積ともう片方の側に配列する第2の吐出口25bから吐出される液滴の体積とが異なるように設計されていることを特徴としている。
【0061】
第5の配列状態は、一方の列が、配列間隔d0で配列された複数の第1の吐出口25aからなる第1の吐出口群70と、配列間隔d5で配列された複数の第1の吐出口25aからなる第2の吐出口群71とからなり、吐出口列の両端側に第2の吐出口群71が配置され、その間に第1の吐出口群70が配置されており、また、もう片方の側の列が、配列間隔d0で配列された複数の第2の吐出口25bからなる第1の吐出口群70と、配列間隔d6で配列された複数の第2の吐出口25bからなる第2の吐出口群72とからなり、吐出口列の両端側に第2の吐出口群72が配置され、その間に第1の吐出口群70が配置されている。
【0062】
すなわち、第5の配列状態では、一方の列の末端吐出口25a´から数えて20個目までが、d5の間隔、すなわち600dpi間隔よりも1μmだけ広い43.3μmに設定された第2の吐出口群71であり、両端部に配置された第2の吐出口群71の間に、配列間隔d0が600dpi(42.3μm)間隔に設定された第1の吐出口群70が配置されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25a´は、すべての第1の吐出口25aが600dpi間隔で配列している場合よりも、20μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、もう片方の側の列の末端吐出口25b´から数えて20個目までが、d6の間隔、すなわち600dpi間隔よりも0.25μmだけ広い42.55μmに設定された第2の吐出口群72であり、両端部に配置された第2の吐出口群72の間に、配列間隔d0は600dpi(42.3μm)間隔に設定された第1の吐出口群70が配置されている。従って、その配列方向両端に位置する末端吐出口25b´は、すべての第2の吐出口25bが600dpi間隔で配列している場合よりも、5μmだけ余計に間隔が拡がる方向に位置がずれていることになる。また、他方の第2の吐出口25bの配列は、一方の列に対してこれらの第1の吐出口25aの配列間隔の1/2だけずらして配置されており、従って2列合わせた第1および第2の吐出口25a、25bの配列密度はほぼ1200dpiとなる。
【0063】
本実施形態では、共通インク室31の一方の列の第1の吐出口25aから吐出される液滴の体積は約5plであり、電気熱変換体29は一辺が26μmの正方形で、吐出口25は直径が16μmの円形に設定されている。もう片方の側に配列する第2の吐出口25bから吐出される液滴の体積は約2plであり、電気熱変換体29は一辺が22μmの正方形で、第2の吐出口25bは直径が12μmの円形に設定されている。また、吐出速度はいずれも10〜15m/sであった。
【0064】
なお、吐出口25の形状として本実施形態のような円形以外に、長方形や星形のような形状に設定しても、特に問題はない。
【0065】
このように、大小両方のインク液滴を吐出できるような構成のプリントヘッドを用いれば、大きなインク液滴を使って画素を形成し、記録密度を抑えて高速にプリント画像を得ることもできるし、小さなインク液滴を使って画素を形成し、記録密度を上げて高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることもできる。
【0066】
以上説明した第1から第3の実施形態のいずれのプリントヘッドを用いてべたプリントを行った場合においても、配列方向の両端部にそれぞれ位置する吐出口が中央部の吐出口の配列間隔に対して余計に間隔が拡がる方向に位置がずれており、さらに吐出される液体の体積によってそのずれ量が異なっているので、吐出口の配列方向の中央部側で発生する減圧雰囲気により、それらの配列方向の両端部にそれぞれ位置する吐出口から吐出されるインク滴はそれらの配列方向の中央部側に引き寄せられ、最終的にそれらの中央部側に位置する吐出口から吐出されてプリント媒体に到達したインク滴の間隔とほぼ同じ間隔に修正される。この結果、吐出される液滴の体積が異なる吐出口が混在するヘッドにおいて、従来では1回のキャリッジの走査移動毎に発生していた白筋などの発生を未然に防止することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、吐出口から吐出される液滴の体積が異なる複数の吐出口列が、第1の吐出口群と、第2の吐出口群を含む第3の吐出口群とを有し、吐出される液滴の体積が相対的に大きい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差は、吐出される液滴の体積が相対的に小さい吐出口列の第1の間隔と第2の間隔との差より大きくなるように設定されている。このため、吐出口から吐出される液体がその配列方向の中央側に引き寄せられ、プリント媒体に対して所期の位置に吐出されなくなるのを吐出体積毎に個別に防止することができ、同時に吐出される液滴の体積が2種類以上混在していても、それぞれ吐出口間隔が適正量だけ補正されているのでべたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置をインクジェットプリンタに応用した一実施形態の概略構造を表す斜視図である。
【図2】本発明によるヘッドカートリッジを図1に示すインクジェットプリンタに適用した一実施形態の外観を分解状態で表す斜視図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジにおけるプリントヘッドの部分の斜視図である。
【図4】図3に示したプリントヘッドの主要部の概略構造を表す破断斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるプリントヘッドの吐出口および電気熱変換体の第1の配列状態および第2の配列状態を示す破断平面図である。
【図6】図5中のA−A´断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるプリントヘッドの吐出口および電気熱変換体の第3の配列状態および第4の配列状態を示す破断平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるプリントヘッドの吐出口および電気熱変換体の第5の配列状態および第6の配列状態を示す破断平面図である。
【図9】従来のインクジェットプリンタによるインクの吐出状態を模式的に表す概念図である。
【図10】図9に示されたインクの吐出形態によってプリント媒体に1パスで形成されるべた画像を模式的に表す概念図である。
【図11】図9に示されたインクの吐出形態によってプリント媒体に4パスで形成されるべた画像を模式的に表す概念図である。
【符号の説明】
10 シャシー
11 媒体給送部
12 媒体排出部
13 媒体搬送部
14 ヘッド回復部
15 キャリッジ軸
16 キャリッジ
17 ヘッドセットレバー
18 ヘッドカートリッジ
19 プリントヘッド
20 キャリッジカバー
21 タンクホルダ
22 コンタクトフレキシブルプリントケーブル(コンタクトFPC)
23 コンタクト部
24 インクタンク
25 吐出口
25a 第1の吐出口
25a´、25b´ 末端吐出口
25b 第2の吐出口
26 取り外し用レバー
27 プリント素子基板
28 インク供給口
29 電気熱変換体
30 電極端子
31 共通インク室
32 上板部材
33 インク路
34 仕切り壁
35 吐出口面
25a 第1の吐出口
25b 第2の吐出口
50、60、70 第1の吐出口群
51、52、61、62、71、72 第2の吐出口群
61a 第3の吐出口群
61b 第4の吐出口群
0、d1、d2、d3、d4、d5、d6 配列間隔

Claims (12)

  1. プリント媒体の搬送方向に対して略平行に配列され吐出口から吐出される液滴の体積が異なる複数の吐出口列と、前記各吐出口にそれぞれ対向して配置され、
    前記各吐出口から液体を吐出させるための複数の吐出エネルギ発生部とを有し、前記プリント媒体の搬送方向に対して交差する方向に走査移動がなされる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記各吐出口列が、前記各吐出口の間隔が第1の間隔に設定されている第1の吐出口群と、前記各吐出口列の両端部側に配置されており、少なくとも、前記第1の間隔よりも広い第2の間隔に設定された前記各吐出口が配列されている第2の吐出口群を含む第3の吐出口群とを有し、吐出される液滴の体積が相対的に大きい吐出口列の前記第1の間隔と前記第2の間隔との差は、吐出される液滴の体積が相対的に小さい吐出口列の前記第1の間隔と前記第2の間隔との差より大きいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第3の吐出口群が、前記吐出口列の末端の吐出口を含む前記第2の吐出口群のみからなる、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第3の吐出口群が、前記第1の間隔に設定され、前記吐出口列の末端の吐出口を含む前記各吐出口からなる第4の吐出口群を含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 吐出される液体が、同色インク、濃インク、淡インクからなる群の中から選択された記録インクおよび/またはプリント媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理液である、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 吐出される液体が、記録インクであり、吐出されるインク滴の体積が大小の2種類で、前記大小のインク滴の体積比が1.5〜3倍であり、吐出される体積が大きいインクのほうが吐出される体積が小さいインクよりも薄い色であり、前記吐出される体積が大きいインクが、前記第2の間隔に設定された前記各吐出口から吐出される、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 吐出される液体が、同色の記録インクであり、吐出されるインク滴の体積が大小の2種類で、前記大小のインク滴の体積比が1.5〜3倍であり、吐出される体積が大きいインクが、前記第2の間隔に設定された前記各吐出口から吐出される、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記吐出エネルギ発生部が、液体に膜沸騰を生じさせて前記吐出口から液体を吐出させるための熱エネルギを発生する電気熱変換体を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクとを具えていることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  9. 前記液体タンクが、着脱手段を介して前記液体吐出ヘッドに対して着脱可能である、請求項8に記載のヘッドカートリッジ。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの取り付け部と、プリント媒体の搬送手段とを具え、前記液体吐出ヘッドの吐出口から吐出される液体によってプリント媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記取り付け部が、プリント媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジを有する、請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記液体吐出ヘッドが、着脱手段を介して前記キャリッジに対して着脱自在に搭載される、請求項11に記載の画像形成装置。
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JP2002337318A (ja) 液体吐出ヘッドならびにこれを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置

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