JP3893090B2 - サッシ窓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外障子および内障子を備えた引違いのサッシ窓に関する。
【0002】
【背景技術】
従来の引違いのサッシ窓において、閉鎖状態ある室内外の障子のち、外障子の室内側に入り込んだ雨水等は、下枠の室内外のレール間に設けられた排水口からその下部側の中空部に落とされた後、この中空部から排出孔を通って外部に排出される。
また、外部に開口したそのような排出孔は、外部からの風圧力を受け、雨水等が逆に排出孔からサッシ内に浸入するため、これを防止する必要がある。
このために従来では、下枠に溜まった雨水等の水頭圧によって水密性能を確保している。すなわち、排出孔が設けられた前記中空部分や、これと排水口を介して連通した室内外のレール間に雨水等を滞留させておき、この際の水頭圧を排出孔に作用させて風圧力に対抗させ、外部からの雨水の浸入を防いでいる。
以上の技術は、以下の特許文献1に記載された内容である。
【0003】
【特許文献1】
実開昭54−32039号公報(第1〜第5図)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、激しい降雨時に何らかの理由で障子を開けた場合のように、大量の雨水が下枠に即座に滞留するような場合には、レール間から中空部を通っての排出がおぼつかず、室内側にあふれ出して水密性能が阻害される可能性がある。
また、レール間に滞留した雨水が室内側からそのまま内観視されると、水密性能に不安を覚える場合があり、使用者側からの問い合わせや苦情の原因となる。そして、このような不安感は、雨水をレール間に意図的に滞留させ、その際の水頭圧で水密性能を確保する場合でも、同様に生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、水密性能を良好に確保できるとともに、使用者側の不安も取り除くことができるサッシ窓を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のサッシ窓は、上枠、下枠、および左右の縦枠で構成された窓枠と、この窓枠内に摺動自在に建て込まれた室内側の内障子および室外側の外障子とを備えたサッシ窓であって、前記下枠の室内側レールと室外側レールとの間には、当該下枠の底面を前記室内側レールから前記外障子の室内側面の下方近傍に対応した位置にわたって覆うカバー材と、前記室外側レールから前記カバー材側に向かう面状部とが設けられ、この面状部と前記カバー材との間には、当該カバー材および面状部の各上面側と前記下枠の底面側とを連通させる排水口が設けられているとともに、前記領域の長手方向の略全域が前記排水口になっており、前記面状部は、前記下枠の室内側レールと室外側レールとの間の前記外障子が閉鎖状態とされた位置に対応した領域にのみ設けられていることを特徴とする。
【0007】
このようなサッシ窓では、室内外のレール間に配置されたカバー材と面状部との間を排水口とするので、この排水口が外障子に対応した領域の長手方向の略全域にわたって設けられるようになり、その分排水口が従来よりも大きく開口することになる。
従って、カバー材や面状部の上面側から底面側に向けては、大きな排水口によって雨水がスムーズに流れ落ち、排水性が格段に向上するため、風圧力が作用しない場合では、レール間に雨水等が滞留しにくくなって室内側にあふれ出す心配がなく、水密性能が良好に確保されるうえ、雨水等が内観視されず、不安を覚える心配もない。加えて、流れ落ちた雨水をカバー材や面状部の下部側に滞留させることで、滞留した雨水が内観視されたり、あふれる心配がない。
以上により、本発明の目的が達成される。
【0008】
本発明のサッシ窓では、前記面状部は、前記カバー材の室外側に配置された当該カバー材とは別のカバー材で形成されていることが望ましい。
このようなサッシ窓によれば、各カバー材を取り外すことでメンテナンスが容易に行われるようになり、排出口に入り込んだ塵や埃等の排除も簡単になる。
【0009】
これに対して本発明のサッシ窓では、前記面状部は、前記カバー材の室外側に一体に形成されていてもよく、また、前記下枠に一体に形成されていてもよく、このような場合には、部材点数が低減する。
【0010】
一方、本発明のサッシ窓では、前記下枠の室内側レールを挟んで室内側には前記カバー材が設けられ、室外側には当該下枠の底面を覆うさらに別のカバー材が設けられ、室内側のカバー材と室外側のカバー材の少なくとも前記外障子の室内側面よりも室内側の部分とは、それぞれの上面が略同じ高さレベルとされ、これら室内外側のカバー材の下部側には、適切な水頭圧を確保するための水溜空間が設けられていることが望ましい。
【0011】
このような本発明において、レール間に雨水等を意図的に滞留させ、その際の水頭圧によって水密性能を得る場合には、そのような雨水等をカバー材の下部側の水溜空間に十分に滞留させ、適切な水頭圧を作用させるので、水頭圧を利用した良好な水密性能が確実に得られる。また、滞留した雨水等は、そのカバー材によって覆われるから、室内側から内観視されず、使用者の不安感をあおる心配もない。これにより、やはり本発明の目的が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔全体構造〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図では、サッシ窓1の断面が示されているのであるが、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略してある。
【0013】
図1〜図4において、サッシ窓1は、引違い窓を構成するものであって、建物の開口部に取り付けられた窓枠10と、この窓枠10内に摺動可能に建て付けられた室内側の内障子20(20A)および室外側の外障子20(20B)とを備え、外障子20Bの室外側には網戸30が建て付けられるようになっている。
【0014】
窓枠10は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みして構成されている。各枠11〜13はそれぞれ、アルミ押出形材製の室内部材111,121,131と、同様にアルミ押出形材製の室外部材112,122,132と、これらを連結する合成樹脂製の断熱部材113,123,133とを含んだ断熱形材で構成されている。この構成により、外気に触れる室外部材112,122,132の冷熱が室内部材111,121,131まで達しにくくなり、これら室内部材111,121,131での結露の発生が抑制される。
【0015】
ここで、断熱部材113,123,133は、溶融した合成樹脂を室内外部材111,121,131,112,122,132間の対向するポケット部分に注入、硬化させることで形成されている。ただし、予めリジットな合成樹脂製の板状部材で断熱部材を形成してもよく、このような板状部材は、室内側部材間にかしめ等によって取り付けられる(図1に示す内障子20Aの後述する上框21参照)。
【0016】
上枠11の室内部材111および室外部材112にはそれぞれ、下方に垂下した室内側レール114および室外側レール115が設けられている。室内側レール114では、内障子20Aの上部側が遊嵌してガイドされ、室外側レール115では、外障子20Bの上部側が遊嵌してガイドされる。
【0017】
下枠12の室内部材121および室外部材122にもそれぞれ、上方に突設した室内側レール124および室外側レール125が設けられている。室内側レール124では、内障子20Aの下部側の戸車が転動してガイドされ、室外側レール125では、外障子20Bの下部側の戸車が転動してガイドされる。下枠12の室内端に設けられた水平な取付片126には、合成樹脂製の化粧部材127が嵌め込まれており、取付片126固定用のビスを隠すとともに、取付片126に結露が生じた場合でも、結露水が隠れて露出しないようになっている。
【0018】
縦枠13の断熱部材133は、室内外部材131,132に跨って取り付けられた合成樹脂製のカバー材134で覆われており、断熱部材133の紫外線による劣化を防止したり、断熱部材133が露出することで見た目が阻害されるのを防いでいる。
【0019】
一方、障子20は、上框21、下框22、および左右の竪框23を四周枠組みした中に複層ガラス24を嵌め込んだ構成であり、内外の障子20A,20Bの召合せ部分に位置する竪框23は、召合せ框23A,23Bになっている。障子20の各框21〜23(23A)も基本的に、アルミ押出形材製の室内部材211,221,231と、同じくアルミ押出形材製の室外部材212,222,232と、これらを連結する合成樹脂製の断熱部材213,223,233とを含んだ断熱形材で構成されているが、外障子20Bの召合せ框23Bは、全体がアルミ押出形材製であり、断熱部材を有していない。これは、障子20の閉鎖状態において、召合せ框23Bの略全体が外気に触れるからである。
【0020】
〔下枠構造〕
以下には、本実施形態での最も特徴的な構成を有する窓枠10の下枠12について、図1ないし図4の他、図5および図6をも参照して詳説する。なお、図5は、下枠12を示す斜視図、図6は、図3の断面での水頭圧Hを説明するための縦断面図である。
【0021】
下枠12の室内側レール124および室外側レール125の間には、下枠12の長手方向に沿った立上片14が設けられている。この立上片14は、下枠12の押出成型時(室内外部材121,122が一体とされた状態での押出成形時)に一体に形成される。立上片14の長手方向の略中央は所定幅で切り欠かれており、この切り欠き部分には、各レール124,125間に位置するように、箱状の風止め部材40(図1、図2、図5)が嵌め込まれている。風止め部材40の配置位置は、閉鎖状態の各障子20A,20Bの丁度召合せ框23A,23Bにの直下に対応しており、各レール124,125間においては、当該間風止め部材40から図5に示す右側の領域Aが、本発明に係る「外障子が閉鎖状態とされた位置に対応した領域」に相当する。
【0022】
この領域Aにおいて、室内外レール124,125間の室内側には合成樹脂製の第1カバー材15が配置され、室外側にはアルミ押出形材製の第2カバー材16が配置されている。また、室内側レール124を挟んで、第1カバー材15の室内側にも、アルミ押出形材製の第3カバー材17が配置されている。
【0023】
第1カバー材15は、室内端縁が室内側レール124の上下方向の中間位置に、室外端縁が前記立上片14の上端に、それぞれ係脱自在に係止されている。これにより、下枠12の底面18は、室内側レール124から外障子20Bの室内側面25の下方近傍に対応した位置にわたり、底面18から離間した高さの高い位置で覆われることになる。
【0024】
また、立上片14、底面18、および室内側レール124で仕切られた大きな空間は、上方が当該第1カバー材15で覆われた水溜空間Bになっている。このような第1カバー材15は、風止め部材40を挟んで反対側、すなわち内障子20Aの閉鎖状態とされた位置側にも配置されているうえ、室内外部材121,122間に跨ることで、下枠12の断熱部材123をもほぼ全長にわたって覆っている。
【0025】
第2カバー材16は、室外側レール125の上下方向の途中から第1カバー材15側に向けて下り勾配を有した面状部161を備え、面状部161の室内外の両側に設けられた一対の脚部162により、室外側レール125および立上片14の下端側に係脱自在に係止されている。この第2カバー材16は、領域Aにのみ配置されており、風止め部材40を挟んで反対側には配置されていない。
【0026】
そして、第2カバー材16に設けられた面状部161の室内側端縁と第1カバー材15の室外側端縁との間の隙間は、長手方向に沿って連続した排水口51になっている。従って、この排水口51は、領域Aの長手方向に連続した大きな開口面積を有することになり、第1カバー材15の上面や第2カバー材16(の面状部161)の上面に落ちた雨水や結露水等が、よりスムーズに下枠12の底面18に流れ落ちるようになっている。
【0027】
ここで、図5に示すように、領域Aでの室外側レール125の端部には、上端から第2カバー材16の当接位置まで切り欠かれた切欠部128が設けられている。この切欠部128は、下枠12上の塵や埃を領域A側から掃き出すためであり、切欠部128の下側には、室外側レール125の一部が残っている。この残った部分は、図3に示す外障子20Bの下側のシール材26が接触するようになっており、切欠部128から雨水等が浸入しにくくなっている。
【0028】
第3カバー材17は、第1カバー材15の上面と略同じ高さレベルに位置した面状部171を備え、面状部171の室内外の両側に設けられた一対の脚部172により、室内側レール124および室内側の立上壁129の下端側に係脱自在に係止されている。このような第3カバー材17は、下枠12の長手方向の全長にわたって連続して設けられている。
【0029】
そして、第3カバー材17の室外側端縁と室内側レール124との間の隙間は、それぞれの長手方向に沿って連続した室内側の排水口52になっており、第3カバー材17の上面に落ちた雨水や結露水が排水口52から下枠12の底面18に向かって落ちる。また、下枠12の底面18、室内側レール124、および立上壁129で仕切られた空間は、上方が当該第3カバー材17で覆われた別の水溜空間Cになっている。
【0030】
〔配水経路〕
次に、図3ないし図5に基づき、雨水や結露水(以下では、これらを代表して雨水等と称する場合がある)の排水経路について説明する。
閉鎖状態とされた外障子20B側では、図3および図5に示すように、外障子20Bの複層ガラス24と框組みとの間に浸み入った雨水等は、下方に流れ落ちて第1、第2カバー材15,16の上面に達すると、排水口51に入り込んで当該上面と連通した下枠12の底面18に落下する。この後に雨水等は、第2カバー材16の脚部162に設けられた水抜き孔(符号略)を通り、底面18の所定位置に穿設された水抜き孔53から下方の中空部54に入り込む。次いで、雨水等は中空部54内に所定量溜まった時点で、当該中空部54の室内側に設けられた逆止弁55を開き、この逆止弁55から外部に排水される。
【0031】
また、外障子20B側では、第3カバー材17上に導かれた雨水等は、排水口52に入り込んで水溜空間Cに落下した後、室内側レール124に設けられた水抜き孔56から水溜空間Bに入り込み、下枠12の底面18を伝って立上片14の水抜き孔(符号略)を通過し、同様に底面18の水抜き孔53から中空部54に入り込んで逆止弁55から排出される。
【0032】
一方、図4および図5に示すように、閉鎖状態とされた内障子20A側では、その室内側において、内障子20Aから第3カバー材17上に達した雨水等は、排水口52に入り込んで水溜空間Cに落下した後、この水溜空間Cを外障子20B側、すなわち図5中の右側に流れ、室内側レール124の水抜き孔56から水溜空間Bに入り込む。この後は前述の通りである。このように、室内側レール124の水抜き孔56は、風止め部材40よりも領域A側にのみ設けられており、第3カバー材17上の雨水等は全て、流域A内に形成された水溜空間Bに入り込む。
【0033】
さらに、内障子20Aの室外側では、第1カバー材15(第2カバー材16は存在しない)上に降り注いだ雨水は、そのまま下枠12の底面18を伝い、室外側レール125に設けられた水抜き孔56や、室外側レール125の端部を廻って室外側に流れ、外部に流れ落ちる。
【0034】
ところで、本実施形態では、内外の障子20A、20Bの召合せ框23A,23Bの直下に、風止め部材40(図5)が設けられており、召合せ框23A,23B間に入り込んだ雨水は、これらを伝って下方の風止め部材40に流れ落ちる。このために風止め部材40では、雨水が集約される部分に開口部41が設けられ、この開口部41に対応した下枠12の底面18にも水抜き孔53が設けられ、風止め部材40に落ちた雨水がそのまま、水抜き孔53から下枠12の中空部54に入り込み、逆止弁55から排出される。
【0035】
〔水頭圧による止水〕
以上は、サッシ窓1に風圧力が殆ど作用しない場合であったが、激しい降雨と共に強風によってサッシ窓1に大きな風圧力が作用する場合には、例えば下枠12とその両側の縦枠13との接合部分の僅かな隙間にも風圧力が作用し、その隙間から雨水がサッシ窓1の内部に浸入するおそれがある。そこで、本実施形態のサッシ窓1では、図6に示すように、そのような隙間および逆止弁55に作用する風圧力Pに対抗できるよう、適切な水頭圧Hが生じるように構成されている。
【0036】
具体的には、風圧力Pで逆止弁が開放しないことで、下枠12の中空部54が雨水等で満たされるとともに、領域A内においては、水溜空間Bを略満たす水位まで雨水等で満たされる。そして、水溜空間Bと水抜き孔56で連通している水溜空間Cにも、同じ水位で雨水等が溜まるようになっている。
【0037】
この際、下枠12の底面18上に溜まった雨水等は、室内側レール124の前後(室内外)では、第1、第3カバー材15,17で隠され、内観視されない。また、室外側レール125の直ぐ室内側では、第2カバー材16の面状部161の一部が沈むほどの高い水位となるが、この部分は外障子20Bを構成する下框22の室内側面25によって遮られ、やはり内観視されることはない。
【0038】
このような状態で、下枠12に雨水等がさらに溜まろうとすると、水頭圧が大きくなり、逆止弁55や前述の隙間に作用する風圧力Pに打ち勝つため、逆止弁55が開いたり、隙間から浸み出す等して余分な雨水等が排出され、水位が確保されて適切な水頭圧Hが維持される。なお、風が弱まって風圧力Pがなくなると、逆止弁55が開き、雨水等の殆どが逆止弁55から外部に排出される。
【0039】
なお、図7には、下枠12と縦枠13との接合部分が図4と同じ断面視で示されている。この図に示すように、下枠12と縦枠13との間には、ゴム製でシート状のシール材58が介装されている。このシール材58により、下枠12および縦枠13間の実際の隙間は極僅かであり、水密性能の向上が図られている。
【0040】
さらに、このようなシール材58の上端面59には、縦枠13の室内外部材131,132間に跨って配置されたカバー材134(図2も参照)の下端面が当接されている。このため、カバー材134が係止される引寄片138や係止片139は、シール材58との干渉を避けるために切り欠かれている。すなわち、各枠12,13の接合部分では、水密性能の向上と縦枠13での断熱部材133の遮蔽との両方を満足させる納まりが可能になっている。
【0041】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) すなわち、サッシ窓1の窓枠10では、下枠12の室内側レール124および室外側レール125間の排水口51が、外障子20Bに対応した領域Aの長手方向の略全域にわたって設けられているので、この排水口51を従来よりも大きく開口させることができ、雨水等の排出をよりスムーズにできる。このため、逆止弁55等に風圧力Pがさほど作用しない場合では、各レール124,125間に雨水等が滞留しにくくなって室内側にあふれ出すのを防止でき、良好な水密性能を確保できる。また、雨水等が滞留しないことで内観視されないから、使用者が不安を覚える心配もない。
【0042】
(2) 大きな開口の排水口51は、第1、第2カバー材15,16の隙間によって形成されており、下枠12の底面18に直に穿設されているわけではないので、下枠12の強度を大きく維持しつつ、排水性を向上させることができる。
【0043】
(3) また、排水口51は、領域Aの長手方向に連続した大きな開口面積で設けられているため、より大きな開口を形成できて、排水性をさらに向上させることができるとともに、ペットの毛や、塵、埃等も詰まりにくくでき、排水性を良好に維持できる。
【0044】
(4) 下枠12の底面18に設けられた水抜き孔53は、従来に比してさほど大きなものではないが、各カバー材15〜17上から排水される雨水等が多い場合には、その雨水等を排水口51からの落下後に第1、第3カバー材15,17の下方の水溜空間B,Cや、第2カバー部材の面状部161下方の空間等に一時的に溜めておくことができるため、それらのカバー材15,16,17上から雨水を排水させるあたっては、排水性に何ら影響を及ぼさず、この点でも排水性を良好に維持できる。
【0045】
(5) そして、上述のように下枠12上に一時的に雨水等が溜まったり、あるいは水頭圧Hを得るために、下枠12上に雨水等を意図的に滞留させた場合でも、そのような雨水等を第1、第3カバー材15,17で隠すことができ、前述と同様に使用者に不安感を抱かせるのを防止できる。
【0046】
(6) 特に水頭圧Hが得られる状態に雨水等が滞留した場合には、第2カバー材16の面状部161の一部が沈む程に水位が上がるのであるが、この第2カバー材16側では、外障子20Bの室内側面25で隠されるため、雨水等は同様に内観視されることがなく、やはり不安感を抱かせることがない。
【0047】
(7) この際、第1、第3カバー材15,17の下部側は水溜空間B,Cになっているので、雨水等を十分に溜めることができ、適切な水頭圧Hを確実に得ることができる。
【0048】
(8) 第2カバー材16が設けられていることにより、外障子20Bを開けた場合などに、その下方に現れる底面18の水抜き孔53や、この水抜き孔53に設けられる図示しないフィルタ等を隠すことができ、内観性や外観性が損なわれるのを防止できる。
【0049】
(9) さらに、第2カバー材16の面状部161は、室外側レール125の上下方向の途中から設けられているので、室外側レール125での掃き出し用の切欠部128を、上端から僅かに切り欠くだけで形成できる。従って、そのような切欠部128の下部側には、依然として室外側レール125の一部を残しておくことができ、この部分に外障子20Bのシール材26を当接させることにより、外障子20Bの下部側と室外側レール125との間での水密性能も向上させることができる。
【0050】
(10) そのような面状部161は、下枠12に対して係脱自在な第2カバー材16で形成されているため、第2カバー材16を取り外すことでメンテナンスを容易にでき、排水口51から入り込んで底面18に集まった塵や埃等の排除も簡単にできる。加えて、第1、第3カバー材15,17も下枠12に対して係脱自在であるから、これらのカバー材15,17を外すことでも、メンテナンスを簡単にできる。
【0051】
(11) 第1カバー材15は一対用いられ、下枠12の略全長にわたって設けられているため、滞留した雨水等だけではなく、下枠12の断熱部材123をも良好に隠すことができ、日光による断熱部材123の紫外線劣化等を抑制できる。縦枠13の断熱部材133もまた、カバー材134で覆われているから、この断熱部材133の劣化も確実に防止でき、見た目も良好にできる。そして、これらのカバー材15,134は、合成樹脂製であるから、各枠12,13の室内外部材121,122,131,132間に跨って配置されていても、断熱性能を何ら低下させるおそれがない。
【0052】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、外障子20Bの下方に位置した面状部161が第2カバー材16で形成されていたが、図8に示すように、押出成型される下枠12の中空部分の一部として一体に形成し、これにより本発明の請求項4を構成してもよい。このような場合でも、面状部161の下流側(室内側)に複数の切り欠きによる排水口51を設け、この排水口51を領域Aの長手方向の略全域にわたって設ければ、良好な排水性が得られる。また、面状部161を形成するためのカバー材が不要であるため、部品点数を低減できるという効果もある。
ただし、複数の切り欠きにより排水口51を設ける他、前記実施形態と同様に、面状部161の室内側と第1カバー材15の室外側との間に隙間を設け、この隙間を排水口としてもよい。
【0053】
また、第1カバー材15と第2カバー材16とを一体に設けた一体型カバー材を用い、この一体型カバー材に対して領域Aの長手方向の略全域にわたる排出口を設けることで本発明の請求項3を構成してもよく、この場合でも、部品点数を低減できるという効果がある。
なお、このような構成では、排水口を領域Aの長手方向に沿って連続させることが困難であるため(カバー材が分離し、一体とならない可能性があるから)、複数の切り欠きによって排水口を設けることになる。
つまり、排水口は領域Aの長手方向にわたって設けられていればよく、排水口を切り欠きによって不連続に設けるか、あるいは連続させて設けるかは、第1カバー材および面状部の構造を勘案して任意に決められてよい。
【0054】
さらに、このような一体型のカバー材を第3カバー材17と略同じ高さに設け、これにより本発明の請求項5を構成してもよい。
【0055】
前記実施形態や図8に示す変形例では、面状部161が設けられ、この面状部161は、本発明の請求項1には必須の構成であった。しかし、このような面状部161は、本発明の請求項5では必須の構成ではなく、省略可能である。
逆に、前記実施形態では、第1カバー材15と第3カバー材とは略同じ高さレベルに設けられていたが、図8に示すように、互いに大きく高さ違いに設けられた場合でも、請求項1の発明に含まれる。
【0056】
前記実施形態では、下枠12に逆止弁55が取り付けられ、雨水等がこの逆止弁55を通して外部に排出されていたが、このような逆止弁55が設けられず、単なる排出孔を設けた場合でも、本発明に含まれる。ただし、逆止弁55を設けることで、水頭圧Hを小さく設定できるうえ、下枠12全体の見付け寸法(高さ寸法)を小さくできる。
【0057】
また、本発明に係る窓枠の枠材および障子の框材は、前記実施形態のような断熱形材を用いたものに限定されず、アルミ押出形材のみで構成されていてもよく、アルミ押出形材と合成樹脂との複合材、アルミ押出形材と合成木との複合材、アルミ押出形材と天然木との複合材、あるいは合成樹脂単体などといった任意の形態の材料で構成可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のサッシ窓によれば、水密性能を良好に確保でき、かつ使用者側の不安も取り除くことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサッシ窓を示す縦断面図である。
【図2】サッシ窓の横断面図である。
【図3】サッシ窓の要部を拡大して示す縦断面図(図2のIII-III線断面図)である。
【図4】サッシ窓の要部を拡大して示す縦断面図(図2のIV-IV線断面図)である。
【図5】サッシ窓の下枠を示す斜視図である。
【図6】図3の断面での水頭圧を説明するための縦断面図である。
【図7】下枠と縦枠の接合部分を説明するための縦断面図である。
【図8】本発明の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…サッシ窓、10…窓枠、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、15…請求項1および請求項5に係る室外側のカバー材である第1カバー材、16…請求項2に係る別のカバー材である第2カバー材、17…請求項5に係る室内側のカバー材である第3カバー材、18…底面、20A…内障子、20B…外障子、25…室内側面、51…排水口、124…室内側レール、125…室外側レール、161…面状部、A…領域、H…水頭圧、B、C…水溜空間。

Claims (5)

  1. 上枠、下枠、および左右の縦枠で構成された窓枠と、この窓枠内に摺動自在に建て込まれた室内側の内障子および室外側の外障子とを備えたサッシ窓であって、
    前記下枠の室内側レールと室外側レールとの間には、当該下枠の底面を前記室内側レールから前記外障子の室内側面の下方近傍に対応した位置にわたって覆うカバー材と、前記室外側レールから前記カバー材側に向かう面状部とが設けられ、
    この面状部と前記カバー材との間には、当該カバー材および面状部の各上面側と前記下枠の底面側とを連通させる排水口が設けられているとともに、
    前記領域の長手方向の略全域が前記排水口になっており、
    前記面状部は、前記下枠の室内側レールと室外側レールとの間の前記外障子が閉鎖状態とされた位置に対応した領域にのみ設けられているサッシ窓。
  2. 前記面状部は、前記カバー材の室外側に配置された当該カバー材とは別のカバー材で形成されている請求項1に記載のサッシ窓。
  3. 前記面状部は、前記カバー材の室外側に一体に形成されている請求項1に記載のサッシ窓。
  4. 前記面状部は、前記下枠に一体に形成されている請求項1に記載のサッシ窓。
  5. 前記下枠の室内側レールを挟んで室内側には前記カバー材が設けられ、室外側には当該下枠の底面を覆うさらに別のカバー材が設けられ、
    室内側のカバー材と室外側のカバー材の少なくとも前記外障子の室内側面よりも室内側の部分とは、それぞれの上面が略同じ高さレベルとされ、
    これら室内外側のカバー材の下部側には、適切な水頭圧を確保するための水溜空間が設けられている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のサッシ窓。
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