JP3892048B2 - ポリマーヒドロゲル組成物を含む水溶液組成物 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、水性媒体に懸濁した新規な大粒ヒドロゲル粒子、及び、この種のヒドロゲル粒子を製造するための連続押出/混合方法に関する。ヒドロゲル粒子は異なる2種類の高分子量ポリマーから成る。一方のポリマーは水性媒体に不溶性であり網状構造を形成しゲルの結着性を維持する。他方のポリマーは水性媒体に可溶性でありゲルを膨潤させゲルの強度を調節する。水不溶性材料はこれらの2種類のポリマーによって形成された網状構造に閉込められてカプセル化され、水性組成物(例えば、ヒドロゲル粒子を含有する液体クレンザー)からより効率的に分配される。調節自在な粒度及び調節自在なゲル強度をもつゲル粒子は、2種類のポリマーと水不溶性材料とを含有する水溶液を先ず(例えば噴射によって)水性媒体に添加して細長い軟質の麺状ポリマーゲルを形成し、次いでゲル粒子を(例えば混合または機械的撹拌によって)所望の粒度に切断/破壊することによって容易に製造できる。
発明の背景
皮膚に何らかの有益な効果を与える皮膚有効物質を分配する液体クレンザーまたは他の組成物は当業界で所望されておりまた公知である。例えば保湿強化という効果を与えるシリコーン油滴の使用が公知である。
皮膚または毛髪に対する有効物質(例えば、シリコーン油及び植物油)の配給を増進させる1つの方法では、Amerchol社製のPolymer JR(登録商標)またはRhone Poulenc社製のJaguar(登録商標)のようなカチオン性の親水性ポリマーを使用する。この方法は例えば、欧州特許EP93,602、国際特許WO94/03152及びWO94/01351に開示されている。これらの参考文献の各々では、付着用ポリマーと通常は小粒のシリコーン粒子との双方を液体クレンザー組成物全体に均一に分布させる(即ち、有効物質の濃縮“ポケット”が存在しない)。
別の参考文献では、種々の有益な効果を与えるために親水性ポリマー自体が液体クレンザーまたは水性溶液に混入される。例えば、米国特許第4,491,539号、第4,556,510号、第4,678,606号及び第4,917,823号では、グアーガム、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びポリマーJR(登録商標)が、増粘剤、起泡改質剤または皮膚感触改良剤として開示されている。いずれの場合にも、請求の範囲に記載された有益な効果を与えるためにポリマーを界面活性組成物全体に均一に混入または分布させる。
しかしながら、クレンザーまたは水性媒体からの水不溶性皮膚有効物質の付着を増進させるため、または、クレンザーの使用特性を親水性ポリマーによって改善させるために、有効物質を濃縮形態で含有または閉込めるための一種の構造として作用する個別のヒドロゲル粒子または分散液を使用することはどの参考文献にも教示されていない。
出願人らは意外にも、有効物質を含有する一体的ヒドロゲル担体(即ち、有効物質を捕捉している不連続水相)の形態で有効物質を液体組成物に混入するならば、典型的な液体または有効物質の付着を補助するポリマー物質(例えば、カチオン性グアーのようなカチオン性付着物質)を含有する液体ゲル組成物に比較して、皮膚または他の基質に対する有効物質の付着レベルが有意に増進されることを知見した。特に小粒の粒子が使用されているときは、付着助剤を存在させずに組成物全体に油滴が分散している組成物よりも高い付着量が得られる。出願人はまた、個別のヒドロゲル粒子は、付着増進以外にも、クレンザーまたは水性組成物を一般的に皮膚に塗布するときに、クレンザーの使用中の官能特性(即ち、滑らかなクリーム状の感触)を改善することを知見した。
当業界では、ある種の有効物質をゲル粒子として分配する提案もいくつか試験されたが、有効物質を組成物中に保持すること及び最終使用(例えば、塗布)中に容易に分配することの双方に成功したことはない。
例えば、Nodaらの米国特許第5,089,269号は、水で膨潤したゼラチンフィルムによって被覆された疎水性成分を内包する改良されたゼラチンカプセル含有の化粧用組成物を開示している。それ以前のゼラチンゲル、または寒天、アルギン酸塩もしくはカラゲナンのような他のヒドロゲルで被覆されたカプセルは、カプセルを破壊して封入された成分を放出するために強い破壊力を必要とした。いくつかの場合には、これらのカプセルは皮膚に塗布したとき皮膚表面を滑るだけであった。該特許は、上記の望ましくない特性を克服する改良されたゼラチンカプセルを提案した。しかしながら、該特許に記載されているように、改良されたカプセルが100μmよりも小さいかまたは1,000μmよりも大きい場合には、同じ問題が生じた。即ち、改良されたゲル被覆カプセルが、破壊できないほど硬質になるかまたは塗布中に指もしくは掌から抜け落ち易くなる。従って、該特許及びその他の技術はいずれも、本発明のヒドロゲル組成物のような、有効物質を保持しかつ所望に応じて効率的に放出するヒドロゲル組成物を教示していない。更に、この参考文献は、このようなヒドロゲル含有水性組成物の形成方法を教示していない。
欧州特許公開第0,355,908 A1号は、食品、皮膚用ローションまたはクレンザーに使用するための100μm未満の粒度をもつ寒天、カラゲナンまたはゲランゲル(gellan gel)粒子のような多糖ゲル粒子の製造方法を開示している。該文献はまた、ヒトの身体手入れ製品に好適な水不溶性物質をゲル粒子に含ませることを教示している。これらの種類のゲル粒子もやはり、あまりにも硬質で破壊され易く、また粒子の粒度が大きい場合には滑らかな擦込み特性を提供できないので、改良の余地を残している。
Takizawaの米国特許第4,777,089号及び第4,908,233号は、簡単なコアセルベーション処理によって製造されるマイクロカプセルを含む含水組成物を開示している。これらの特許では、異なる2種類の水溶性ポリマーを用い、簡単なコアセルベーション処理によってカプセルを製造する。有機または無機の塩を添加すると、第一ポリマーが相分離を生じ、第二ポリマーが相分離を生じない。第二ポリマーが存在しないと、第一ポリマーがカプセルのコア材料を包囲できないかまたは、カプセルが形成されたときにカプセルが凝集し粗粒状の塊を形成する。
従って、どの参考文献においても、異なる2種類の水溶性ポリマーの組合せを用いてヒドロゲル粒子を形成できることは教示されていない。また、この種のヒドロゲル粒子の製造方法も教示されていない。
発明の概要
本発明は、異なる2種類の水溶性ポリマーによって形成される新規なヒドロゲル粒子を含む水性組成物に関する。ヒドロゲル粒子は、これらの2種類のポリマーによって形成される網状構造に水不溶性有効物質を“捕捉”する。有効物質を閉込めたポリマー網状構造は、皮膚のような基質に塗布されると滑らかに崩壊し、組成物に望ましい使用特性(例えば、滑らかで豊潤なクリーム状の感触)を与える。より詳細には、本発明の水性組成物は、
(a)300センチポアズ(cps)、好ましくは1,000cps、より好ましくは3,000cpsを上回る粘度をもち、0%〜60%、好ましくは2%〜40%の界面活性剤を含有し、界面活性剤が存在する場合にはこの界面活性剤がアニオン性、非イオン性、カチオン性、双イオン性、両イオン性の界面活性剤及びその混合物から選択されているような40〜95重量%の水溶液と、
(b)(i)上記水溶液に入れられると理想的には熱ゲル化によって不溶化する少なくとも一種類の水溶性ポリマーから成る0.1〜30重量%好ましくは0.3〜15%のヒドロゲル組成物と、
(ii)上記水溶液に可溶性または分散性の少なくとも1種類の水溶性の第二ポリマーから成る0.2〜30%、好ましくは0.5〜10重量%のヒドロゲル組成物と、
(iii)ポリマー(i)及び(ii)によって形成された網状構造に閉込められた1.0〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の水不溶性有効物質と、
から成る5〜60重量%のヒドロゲル組成物と、
から構成されており、
上記有効物質の粒子が好ましくは約0.2〜200マイクロメーターの粒度を有してりお、
上記ヒドロゲルが好ましくは約25マイクロメーター、好ましくは100マイクロメーター、より好ましくは200マイクロメーターよりも大きくほぼ数センチメーター以下の粒度を有していることを特徴とする。
1つの実施態様によれば、上記ゲル形成ポリマーは、カラゲナンもしくは寒天のようなゲル形成多糖類、ゲル形成タンパク質及び熱ゲル化する合成ポリマーから成るグループから選択されている。
好ましくは、上記ゲル形成ポリマーは、N−アクリルアミド、及び、分枝状または直鎖状の長鎖アルコールのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルが混入されたポリアクリレートまたはメタクリレート含有のホモまたはコポリマーから成るグループから選択された合成ポリマーである。
理想的には、(i)のポリマーは、項(a)の水溶液に接触すると、通常はpH変化によって惹起される沈殿またはコアセルベーションによって不溶化する。このような場合のポリマー(i)は典型的にはポリグルコサミンであろう。あるいは、電解質濃度の変化によって沈殿またはコアセルベーションが惹起される。このような場合のポリマー(i)は、13,000を上回る分子量及び78%〜100%の加水分解度を有するポリビニルアルコールとヒドロキシアルキルセルロースとから成るグループから選択される。
理想的には、(i)のポリマーは、水溶液(a)に存在する架橋剤で架橋されることによって不溶化する。従って、ポリマー(i)がカラゲナンの場合、架橋剤はカリウムイオンである。また、ポリマー(i)がアルギン酸塩の場合、架橋剤はカルシウムイオンである。また、ポリマー(i)がポリビニルアルコールの場合、架橋剤はホウ砂(borax)イオンである。
本発明の別の実施態様では、ポリマー(ii)は、
(a)カルボン酸含有アクリルポリマー、
(b)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性コーンスターチ及びヒドロキシアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルメチルセルロースから成るグループから選択された非イオン性ポリマー、及び、
(c)カチオン性ポリマー、
から成るグループから選択される。
本発明の更に別の実施態様によれば、新規なヒドロゲル粒子を含有する水性組成物は、先ず上記の2種類のポリマーと水不溶性材料とを含むポリマー溶液を上記水性媒体に添加(例えば噴射)して細長い麺状(連続押出ができるので理論的には麺の粒度に制限はない)及び軟質(即ち、有効物質を保持できるように十分に剛性であるが、最初のうちはより小さい粒子に破壊でき、後になって有効物質を皮膚に分配できるように十分に軟質である)のポリマーゲルを形成し、これを所望の粒度のゲル粒子に切断することによって調製される。より特定的には、水性組成物を以下の手順で製造する:
(a)第一及び第二のポリマーを水に溶解させてポリマー溶液を形成し、調製されたポリマー溶液に水不溶性材料を分散させてヒドロゲル前駆体溶液を形成する、
(b)第一ポリマーが化学的または物理的相互作用によって前記水性組成物中で不溶性になり、第二ポリマーが可溶性または分散性になるように水性組成物を配合する、
(c)ヒドロゲル前駆体溶液(a)を水性組成物(b)に噴射して細長い軟質の麺状ヒドロゲルを形成し、低剪断混合装置を用いて細長い軟質の麺状ヒドロゲルをヒドロゲル粒子に破壊する。
ヒドロゲル組成物を形成する1種または複数の第二ポリマー(2)(b)は、(1)ポリマーヒドロゲル中の有効物質の安定化を助けるため、及び、(2)ヒドロゲル組成物全体に適正なゲル強度を与えるため、に必要な特性改質用ポリマーである。
本発明はまた、ヒトの身体洗浄、特に皮膚手入れ用のクリーム及び製品中の上記水性組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ヒドロゲル粒子のゲル強度に対するカラゲナン(水性媒体中で不溶化する網状構造形成ポリマー(2)(a)として使用できる材料の1つ)の濃度の効果を示す。
図2は、アクリルポリマーであるアクリゾール(水及び水性媒体の双方に可溶性の特性改質用ポリマー(2)(b)として使用できる材料の1つ)をカラゲナンと併用したときのゲル強度に対する効果を示す。
発明の詳細な説明
1つの実施態様によれば、本発明は、ヒトの身体洗浄用または皮膚手入れ用に設計された水性組成物に均一に分散し安定に懸濁するヒドロゲル組成物に関する。ヒドロゲル組成物は、水溶液中に、巨視的ドメイン(即ち、25マイクロメーター、好ましくは100マイクロメーターよりも大きくほぼ数センチメーター以下の粒度をもつ)として存在する個別ポリマーゲル相(即ち、水溶液に入れられると少なくとも1つのポリマー網状構造形成ポリマーが不溶化されることによって形成される;水溶液中で可溶性または分散性の1種または複数の特性改質用第二ポリマーも必要である)として存在する。更に、これらのドメインは、ゲル構造の内部、即ち、(1つまたは複数の)網状構造形成ポリマーと(1つまたは複数の)特性改質用ポリマーとによって形成されたウェブまたは網状構造の内部に以後の記載で“有効物質”と呼ぶ水不溶性物質を捕捉し得る。ヒドロゲル組成物は、不連続ドメインの結着性を維持し、水性組成物の加工及び保存中に(1種または複数の)不溶性有効物質を捕捉及び保持するために十分なゲル強度(一般には(1つまたは複数の)網状構造形成用第一ポリマーによって提供される)を有していなければならない。しかしながら、ヒドロゲルはまた、組成物を皮膚のような予定の基質に塗布し擦込むときにヒドロゲル粒子の破壊または成分が原因となる異物感またはざらつき感のような不快な感触を全く伴うことなく滑らかに崩壊できるように十分に軟質でなければならない。ゲル粒子の柔軟性は、ゲル組成物に混入される(1種または複数の)特性改質用ポリマー及び(1種または複数の)網状構造形成ポリマーの量によって操作できる。
本発明の第二の実施態様では、ヒドロゲル分散液またはヒドロゲル構造を調製するために通常は、先ず網状構造形成ポリマーと特性改質用ポリマーとの双方を含むポリマー水溶液に水不溶性有効物質を乳化または分散させることによってエマルジョンまたは分散液を形成する。分散した有効物質を含有するこの水性ポリマーを以後の記載では“ヒドロゲル前駆体溶液”と呼ぶ。分散した有効物質を含有する(及び上記の(2)(a)及び(2)(b)に定義の第一ポリマー及び第二ポリマーの双方を含有する)ヒドロゲル前駆体溶液を次に、ヒドロゲル分散液前駆体が水溶液と接触して不溶性(成分(2)(a)が存在するため)になり上記水溶液中で均一に分散した球状、麺状または幾つかの場合には不規則形状のヒドロゲルドメインを形成するような条件下で、適当な水溶液に添加または噴射して混合する。
ヒドロゲル分散液は、ヒドロゲル前駆体溶液及び水性組成物の混合方法次第でバッチ法で調製されてもよくまたは連続法で調製されてもよい。ヒドロゲル分散液を調製するために、オーバーヘッドミキサーもしくは浮遊機のようなバッチ法または2流体同時押出ノズルもしくはインラインインゼクター、インラインミキサーもしくはインラインスクリーンのような連続法を使用し得る。最終組成物中のヒドロゲル組成物の粒度は、混合速度、混合時間、混合装置及び水溶液の粘度を変化させることによって操作できる。一般に、混合速度を低下させるか、混合時間を短縮するか、水溶液の粘度を低下させるかまたは混合中に低い剪断力を生じさせる混合装置を使用することによって、調製されるヒドロゲル組成物の粒度を拡大し得る。塗布によってヒドロゲルを基質に最適に転移させるためには、ヒドロゲルドメイン(例えば、粒子)の大きさは少なくとも1つの次元(例えば直径)で25μm、好ましくは100μmを上回っていなければならない。数センチメーターという大きい粒径でもよい。ヒドロゲル粒子を形成するためには、噴射/低剪断混合法が好ましい。細長い軟質の麺状ヒドロゲルを形成するためにヒドロゲル前駆体溶液を水溶液と同時に噴射するかまたは同時押出する。押出される麺状ヒドロゲルの大きさには理論的な上限はない。(上述のように、混合後のヒドロゲル粒子は少なくとも25ミクロンでなければならない)。予め硬化した軟質の麺状ヒドロゲルを次に、バッチ法では低速浮遊機もしくは機械的ミキサー、連続法ではインライン静止ミキサーもしくはインラインスクリーンのような低剪断混合装置を用いて不規則形状のヒドロゲル粒子に破壊する。水不溶性有効物質をゲル粒子の内部に捕捉もしくは保持し、ヒドロゲル粒子の粒度を調節する能力に優れたインライン混合法が好ましい。予め硬化した細長い麺状ヒドロゲルは、低剪断混合条件で容易に破壊されるように十分に軟質でなければならない。予め硬化した麺状ヒドロゲルが過度に剛性のとき、麺状ヒドロゲルはインラインミキサーを目詰まりさせたり機械的ミキサーに絡み付いたりして処理中に問題が生じる。予め硬化した麺状ヒドロゲルの剛性は、ヒドロゲル前駆体溶液の組成または水溶液の組成と水溶液中の麺状ヒドロゲルの硬化時間とによって容易に操作できる。一般に、麺状ヒドロゲルの剛性を低下させるためには、ヒドロゲル前駆体溶液中の網状構造形成ポリマー(2(a))の量を減少させるかまたは特性改質用ポリマー(2(b))のレベルを上昇させるか、水溶液中の麺状ヒドロゲルの硬化時間を短縮するか、水溶液中の架橋剤の濃度を低下させるとよい。
水性ヒドロゲル組成物
水性ヒドロゲル組成物は、3つの必須成分、即ち、(i)ヒドロゲル形成ポリマー系(ゲルの網状構造を形成するために適当な水溶液と接触して不溶化する第一ポリマーと、有効物質を安定させ及び/またはゲル強度を改質する特性改質用の第二ポリマーとから成る)と、(ii)水不溶性有効物質(成分(i)及び(ii)と共に水溶液組成物(iii)中で“ヒドロゲル”を形成する)と、(iii)ヒドロゲルを懸濁させ不溶化した第一ポリマーによってヒドロゲルの結着性を維持し得る水溶液組成物とから成る。これらの成分の各々をより詳細に以下に説明する。
上述のように、ヒドロゲル構造またはヒドロゲル組成物は、(i)ヒドロゲル形成ポリマー系(少なくとも2種類のポリマーを含む)と、(ii)水不溶性有効物質とから成る。
(i)ヒドロゲル形成ポリマー系
所望の特性をもつヒドロゲル形成に有用なポリマー系(上記成分(i))自体は、(a)水溶液組成物(上記成分(iii))に入れられると不溶化する水溶性の第一ポリマーと、(b)基質、例えば皮膚に塗布したときにヒドロゲルが滑らかに崩壊しないほど過度に強力でないが加工及び保存中に有効物質を保持するために十分なゲル強度を確実に最終ヒドロゲル組成物に与える特性改質用の第二ポリマーとから成る。
ポリマー(a)と(b)とが一緒に、有効物質を保持するウェブまたは網状構造を形成する。ポリマー(a)及び(b)の各々、及びポリマー(a)が界面活性組成物中で不溶化するメカニズムをより詳細に以下に説明する。
(a)第一ポリマー
第一ポリマーは最も広義に、水溶液組成物(iii)に入れられたときに不溶化する任意の水溶性ポリマーであると定義される。この不溶化は、以下の不溶化メカニズムの1つを用いて達成される。
(1)熱ゲル化
この種のゲル化挙動(即ち、熱ゲル化による不溶化)を示す適当なポリマーは、約40〜50℃よりも高温で水溶性であり、ポリマー溶液を室温に冷却するとゲルを形成するポリマーである。このようなポリマーの例は、(i)カラゲナンまたは寒天のようなゲル形成多糖類である。特に好ましいこの種のポリマーはカラゲナンポリマーである。特に適当なカラゲナンは、FMC社製の商標Gelcarin GP911及びGelcarin 379として販売されている製品である。このようなポリマーの例はまた、(ii)ゲル形成タンパク質である。特に好ましいゲル形成タンパク質はゼラチンである。適当なゼラチンとしては、Sigma Chemicalsによって販売されているゼラチンG9382(商標)及びG2625(商標)がある。このようなポリマーの例はまた、(iii)熱ゲル化する合成ポリマー、例えば、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、モノマー単位の1つとして好ましくは直鎖状の長鎖アルコールのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルを組み込んだポリアクリレートもしくはメタクリレート含有ポリマーのホモまたはコポリマーである。後者のクラスのポリマーは、例えば、Landec Labs Inc.から商品名Intelinersとして販売されている。
(2)沈殿及びコアセルベーション
この種の挙動を示す適当なポリマーは、室温で水溶性であるが例えばpHまたは電解質濃度のような水溶液の化学的または物理的特性を変化させることによって実質的に不溶化するポリマーである。特に好適なpH感受性ポリマーの一例は、キトサン(ポリグルコサミン)または化学的に改質されたその種々の変種である。特に有用なキトサンは、Pronov Biopolymersから商品名Seacure 343及びSeacure 443として販売されている。これらの材料は、10,000〜100,000の範囲の分子量を有している。キトサンは、pH4.5未満の水溶液に溶解して均一なヒドロゲル前駆体溶液を形成できるので、本発明のヒドロゲル組成物に特に有用な網状構造形成ポリマーである。この溶液を、典型的なpH範囲5.0〜7.0をもつ液体クレンザーのような水溶液に混合すると、不溶性ポリマーが容易に形成される。
沈殿/コアセルベーションによって適当なヒドロゲル網状構造を形成する別のクラスのポリマーは電解質感受性ポリマーである。これらのポリマーは、高レベルの塩またはイオン性界面活性剤を含有する液体クレンザーにポリマー溶液を添加することによって沈殿して不溶性網状構造を形成する。このようなポリマーの例としては、13,000ダルトンよりも大きい分子量及び78%〜100%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコール、及び、Aqualon Corp.から商品名Natrosolとして販売されているようなヒドロキシエチルセルロースがある。
水溶液中に存在する他の成分次第では同じポリマーがクラス(2)(a)(即ち、水性界面活性剤溶液と接触して不溶化される水溶性ポリマー)またはクラス(2)(b)(即ち、水及び水性界面活性剤溶液の双方に可溶性)のいずれかとして作用することを理解されたい。従って、電解質濃度感受性ポリマーは、電解質非含有組成物中ではクラス(2)(b)のポリマーであるが、ポリマーを不溶化するために十分な電解質を含有している水性界面活性剤溶液中ではクラス(2)(a)のポリマーであろう。ある種のポリマーがある種の架橋剤の存在下で不溶性になるときも同様の理論が成立する。架橋剤が基本配合成分中に存在しないとき、ポリマーは(2)(b)ポリマーであろうが、存在するときはポリマーは(2)(a)ポリマーになる。
(3)架橋
この種の挙動を示す適当な水溶性ポリマーは、水溶性のモノマー系またはポリマー系架橋剤(例えば塩またはポリアクリレート)と共に水不溶性錯体を形成し得るポリマーである。不溶性ポリマーの網状構造は、ポリマー水溶液を水溶液組成物に添加する前または添加した後にポリマー水溶液と架橋剤とを反応させることによって形成され得る。架橋容易なポリマーの例としては、カリウムイオンと架橋できる6−カラゲナン、カルシウムイオンと架橋できるアルギン酸塩、またはホウ砂イオンと架橋できるポリビニルアルコールがある。
(b)特性改質用第二ポリマー
前述のポリマーは、それなくしてはヒドロゲル組成物が存在できない主鎖の網状構造を提供するのでヒドロゲルを形成するために必須である。しかしながら、これらのポリマー単独では、通常は過度に剛性で滑らかな塗布特性を与えることは難しく、また、ヒドロゲル前駆体溶液中で十分に界面活性でないため本発明で使用される種類の水不溶性有効物質のエマルジョンまたは分散液を効果的に安定させるのが難しい。所望の安定性を有する分散液を形成するためには、より高度に界面活性の第二の水溶性ポリマーが必要であることが判明した。
特性改質用ポリマーの第二の機能は、ゲル強度に対するその効果に関連する。上述のようにヒドロゲル組成物は、ヒドロゲルの分散ドメイン/粒子がその構造の内部に有効物質を効果的に捕捉するようにヒドロゲルの分散ドメイン/粒子を不連続に維持するために十分な強度を有しており、しかも、製品使用中にはヒドロゲルのドメイン/粒子が皮膚に滑らかに塗布できるように十分に軟質(非剛性)であることが望まれる。このバランスは、ヒドロゲルのポリマー組成を最適にすることによって得られる。
幾つかの水溶性ポリマーは、第一ポリマーと共にヒドロゲル前駆体溶液に混入されると、ヒドロゲル組成物のゲル強度を効果的に修正してこのバランスを成立させることが知見された。従ってヒドロゲルの強度及び使用中の皮膚感触特性は、ヒドロゲル前駆体溶液中の網状構造形成ポリマー(第一ポリマー)と特性改質用第二ポリマーとの量を調節することによって容易に操作し得る。
アニオン性、カチオン性、両イオン性及び非イオン性の種々の親水性ポリマーをこれらの目的に使用し得る。これらの第二ポリマーは、水溶液組成物に可溶性であり(対照的に第一ポリマーは可溶性でない)5,000ダルトン、好ましくは10,000ダルトン、最も好ましくは50,000ダルトンを上回る分子量を有している。
特性改質用ポリマーとして有用であることが知見された水溶性ポリマーの例は、(i)Rohm & Haasから商品名アクリゾールまたはAculynで販売されているアルカリ可溶性ポリアクリルラテックスのようなカルボン酸含有アクリルポリマー、及び、B.F.Goodrichから商品名Carbopolで販売されている架橋ポリアクリル酸及びコポリマー、(ii)Air Productsから商品名Airvolで販売されているポリビニルアルコール、ISP Technologies Inc.,から販売されているポリビニルピロリドン、National Starch & Chemicalsから商品名CapsuleまたはPurity Gum Beeで販売されている変性コーンスターチ、Aqualonから商品名Natrosolで販売されているヒドロキシエチルセルロース、Dow Chemicalから商品名Methocelで販売されているヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの非イオン性ポリマー、(iii)Rhone Poulencから商品名Jaguar C13Sで販売されているカチオン性グアーなどの改質多糖類、Amercholから商品名Ucare Polymer JR30またはJR40で販売されているカチオン性改質セルロース、Calgonから商品名Merquat 100、Merquat 550で販売されているポリジメチルジアルキルアンモニウムクロリドホモ−またはコポリマー、及び、GAF Chemicalsから商品名Gafquat 755で販売されているビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーのような合成カチオン性ポリマーなどのカチオン性ポリマーがある。
“ヒドロゲル”組成物の第二の成分は有効物質(上記の成分(ii))である。これをより詳細に以下に記載する。
(ii)有効物質
本文中の有効物質なる用語は、皮膚、毛髪または歯のような洗浄される基質に対して有益でかつしばしば長期持続する効果を与える能力を有している材料を意味する。皮膚の場合、本発明に好適な有効物質は、液体クレンジング組成物のような水性組成物から付着して皮膚の保護、水分維持または状態調節ができる水不溶性材料である。
好ましい有効物質としては、
(a)直鎖状及び環式のポリジメチルシロキサン、アミノ、アルキル、アルキルアリール及びアリールシリコーン油のようなシリコーン油、ガム及びその改良種、
(b)ホホバ油、大豆油、ヒマワリ油、米ヌカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、タデ油、ヒマシ油、ココヤシ油、ミンク油;カカオ脂、牛脂、豚脂のような天然油脂;上記油の水素化によって得られる硬化油;ミリスチン酸グリセリド及び2−エチルヘキサン酸グリセリドのような合成のモノ、ジ及びトリグリセリドなどの油脂類、
(c)カルナバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、ラノリン及びその誘導体などの蝋類、
(d)疎水性植物抽出物、
(e)液体パラフィン、ペトロラタム、微晶質ワックス、セレシン、スクアレン、スクアラン、プリスタン(pristan)及び鉱油のような炭化水素類、
(f)ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸及びポリ不飽和脂肪酸(PUFA)などの高級脂肪酸類、
(g)ラウリル、セチル、スチロール、オレイル、ベヘニル、コレステロール及び2−ヘキサデカノールアルコールなどの高級アルコール類、
(h)オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グルセロール、ジステアリン酸グルセロール、トリステアリン酸グルセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキル及び酒石酸アルキル;スクロースエステル、ソルビトールエステルなどのようなエステル類、
(i)魚油、ハッカ、ジャスミン、ショウノウ、白檀、苦オレンジピール、竜脳、テルペンタイン、肉桂、ベルガモット、温州ミカン、ショウブ、松、ラベンダー、月桂樹、丁子、ヒバ、ユーカリ、レモン、サクラソウ、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニトール、マツヨイグサ、ショウノウ、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン及びテルペノイド油のような精油類、
(j)欧州特許第556,957号に記載されているコレステロール、コレステロールエステルセラマイド、スクロースエステル及びプソイドセラマイドなどの脂質及び脂質様物質、
(k)ビタミンA及びEのようなビタミン類、ビタミンCアルキルエステルのようなビタミンアルキルエステル類、
(l)オクチルメトキシルシンナメート(Parsol MCX)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)のような日光遮断剤、
(m)レシチンのようなリン脂質、
(n)2−ヒドロキシ−4,2′,4′−トリクロロジフェニルエーテル(DP300)及び3,4,4′−トリクロロカルバニリド(TCC)のような抗菌剤、及び、
上記成分のいずれかの混合物がある。
考察される別の有効物質は、上記の油のいずれかに閉込められた水溶性材料(例えば、グリセリン、酵素、−ヒドロキシ酸)である。
有効物質は水性ヒドロゲル前駆体溶液(第一ポリマーと特性改質用第二ポリマーとを含有する溶液)に混入される。このためには、有効物質を水性ヒドロゲル前駆体溶液に混合するか、または、有効物質を水溶液に予め乳化させ次いでヒドロゲル前駆体溶液に混合するだけでよい。直接混合法では、皮膚有効物質の乳化及び安定性を増進するために低レベルの界面活性剤をヒドロゲル前駆体溶液に添加し得る。有効物質は、ヒドロゲル組成物の5〜65重量%、好ましくは10〜40重量%の量で水性ポリマー溶液中に存在する。混合条件、ポリマーの組成(即ち、ヒドロゲルを形成するポリマーの組成)及び濃度次第で、有効物質粒子の粒度を、0.2マイクロメーターから数百マイクロメーターの範囲にする。安定性及び付着効率を改善するためには、有効物質粒子の粒度を好ましくは5〜150マイクロメーターの範囲にする。
上述のように、本発明は、上記に十分に定義したヒドロゲル組成物から成る水溶液組成物を包含する。液体組成物自体をより詳細に以下に説明する。
(iii)水溶液組成物
上述のように、本発明は、有効物質が混入された(即ち、ポリマー(2)(a)及び(2)(b)によって形成されたウェブに有効物質が含まれた)ヒドロゲルが分散している水溶液組成物に関する。用途次第で、水溶液組成物は、人体の手入れまたは洗浄の用途に好適な任意の公知の界面活性剤から選択された約0〜約60重量%、好ましくは2〜40重量%の界面活性剤を含有し得る。一般的なヒトの身体洗浄の用途には、典型的には5〜50重量%の範囲のもっと高いレベルの界面活性剤が使用されている。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性及び双イオン性の界面活性剤並びにその混合物から選択される。界面活性剤は組成物の必須成分ではなく、例えば界面活性剤非含有のスキンローション組成物も考察できることに注目されたい。
水溶液組成物は、水溶性の第一ポリマーが水溶液組成物に接触すると不溶性になるように配合されていなければならない。また、水溶液組成物がヒドロゲルの加工及び安定なヒドロゲル懸濁のために分散ヒドロゲル相を懸濁させる能力をもつことが最も重要である。従って液体組成物は、加工及び保存中の重力作用下のヒドロゲル組成物の沈降(またはクリーム化)を防止するために十分な高い低剪断粘度を有していることが必要である。これは、25℃、10sec-1の剪断速度で少なくとも300cps、好ましくは1,000cps、より好ましくは3,000cpsの粘度を有するように配合された水溶液組成物を使用することによって得られる。この粘度は通常は、本発明の多くのヒドロゲル分散液を明らかな重力的相分離を生じさせずに安定に懸濁させるために十分である。適正な安定性を得るためには、ヒドロゲル分散液粒子の粒度の増加に伴ってより高い粘度をもつ液体が必要になる。
水溶液組成物の粘度の増加は、有機または無機の高分子増粘剤を組成物に混在させるか、または、界面活性剤の慎重な選択及び組合せによって得られる。双方の方法は当業界で公知である。例えば、米国特許第4,917,823号、第4,491,539号、第4,556,510号、第4,678,606号及び第5,002,680号は、液体クレンザーの粘度を増加させる高分子増粘剤の使用を教示しており、米国特許第5,236,619号、第5,132,037号、第5,284,603号、第5,296,158号及び第5,158,699号は、界面活性剤の適正な組合せを用いて安定な粘性液体組成物を配合する方法を開示している。
界面活性剤を使用する場合、界面活性剤はヒトの身体の表面に外的に塗布するために好適な公知の任意の界面活性剤から選択できる。
1つの好ましいアニオン性洗浄剤(界面活性剤)は、式:
RCO2CH2CH2SO3M
〔式中、Rは炭素原子数7〜21のアルキルまたはアルケニル基、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムのような可溶化カチオンを表す〕の脂肪アシルイセチオネートである。好ましくは、RCO基の少なくとも四分の三が、12〜18個の炭素原子を有しており、ココヤシ、ヤシまたはココヤシ/ヤシのブレンドから得られる。
別の好ましいアニオン性洗浄剤(界面活性剤)は、式:
RO(CH2CH2O)nSO3M
〔式中、Rは炭素原子数8〜22のアルキル基、nは0.5〜10、特に1.5〜8の範囲、Mは上記と同様の可溶化カチオンを表す〕のアルキルエーテルスルフェートである。
アニオン性界面活性剤が脂肪酸セッケンも包含することを理解されたい。
脂肪酸セッケンは典型的には、脂肪族アルカンまたはアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカノールアンモニウム塩である。ナトリウム、カリウム、モノ−、ジ及びトリ−エタノールアンモニウムのカチオンまたはその組合せが本発明の目的に好適である。セッケンは、約8〜22個の炭素、好ましくは12〜約18個の炭素を有する天然または合成の脂肪酸(アルカン酸またはアルケン酸)の公知のアルカリ金属塩である。これらは、約12〜22個の炭素を有するアクリル炭化水素のアルカリ金属カルボキシレートであると定義してもよい。
使用され得るセッケンの例は、Caswellらの米国特許第4,695,395号、及び、第4,260,507号(Barrett)に記載されている。双方の特許の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。
可能な別のアニオン性界面活性剤としては、アルキルグリセリルエーテルスルフェート、スルホスクシネート、タウレート、サルコシネート、スルホアセテート、アルキルホスフェート、アルキルホスフェートエステル及びアシルラクテート、アルキルグルタメート及びその混合物がある。
スルホスクシネートは、式:
R5O2CCH2CH(SOM)CO2M;
を有するモノアルキルスルホスクシネートでもよく、式:
R5CONHCH2CH2O2CCH2CH(SO3M)CO2M
を有するアミド−MEAスルホスクシネートでもよく、
式中のR5はC8−C20アルキル、好ましくはC12−C16アルキルを表し、Mは可溶性カチオンを表す。
サルコシネートは一般に、式:
R5CON(CH3)CH2CO2M
〔式中、R5はC8−C20アルキル、好ましくはC12−C16アルキルを表す〕によって示される。
タウレートは一般に、式:
R5CONR6CH2CH2SO3M
〔式中、R5はC8−C20アルキル、好ましくはC12−C15アルキル、R6はC1−C4アルキル、Mは可溶性カチオンを表す〕によって示される。
別の有用な界面活性剤は、以下の式:
R5(OCH2CH2)nCOOM
〔式中、R5はC8−C20のアルキル、好ましくはC12−C16のアルキル、Mは可溶化カチオンを表す〕によって示されるアルキルエトキシカルボキシレートである。
第一アルカンスルホネートまたはアルキルベンゼンスルホネートのような不快な界面活性剤は一般には使用されない。
適当な非イオン性界面活性剤としては、アルキル多糖類、アルドビオンアミド(例えば、参照によって本発明に含まれるAuらの米国特許第981,737号に教示されたラクトビオンアミド)、エチレングリコールエステル、グリセロールモノエーテル、ポリヒドロキシアミド(グルカミド)(例えば、参照によって本発明に含まれるLettonの米国特許第5,312,934号に教示された脂肪酸アミド)、第一及び第二アルコールのエトキシレート、特にアルコール1モルあたり平均1〜20モルのエチレンオキシドによってエトキシル化されたC8-20脂肪族アルコールがある。
界面活性剤は、1〜35重量%、好ましくは3〜30重量%のレベルで存在するのが好ましい。
また、組成物が、皮膚緩和効果を有する界面活性助剤を0.5〜15重量%の量で含有するのが好ましい。適当な界面活性助剤は、7〜18個の炭素原子をもつアルキル基またはアルケニル基を有しており全体構造式:
〔R1は炭素原子7〜18個のアルキルまたはアルケニル、
R2及びR3の各々は独立に、炭素原子1〜3個のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキル、
mは2〜4、
nは0または1、
Xはヒドロキシルで任意に置換された炭素原子1〜3個のアルキレン、及び、
Yは−CO2−または−SO3−である〕
で示される双イオン性洗浄剤(界面活性剤)である。
上記一般式に含まれる双イオン性洗浄剤(界面活性剤)は、式:
の単純ベタイン、及び、式:
〔式中、mは2または3を表す〕
のアミドベタインを包含する。
双方の式中の、R1、R2及びR3は前記と同義である。特にR1は、基R1の少なくとも半分、好ましくは少なくとも四分の三が10〜14個の炭素原子を有するようなココヤシから得られたC12アルキル基とC14アルキル基との混合物でよい。R2及びR3は好ましくはメチルである。
使用可能な別の界面活性剤は、式:
または
〔式中、mは2または3〕
のスルホベタインであるか、または、式中の−(CH2)3SO3 -が
によって置換された変異体であり、これらの式のR1、R2及びR3は前記と同義である。
本発明の組成物は、皮膚または毛髪の洗浄製品、例えば、浴用ジェル、シャワージェル、手洗い組成物、洗顔液、シャンプー、髭剃り前及び後の製品、濯ぎ落とし型、拭き取り型、擦り込み型の皮膚手入れ製品の形態に製造され得る。
本発明の組成物は一般に、注入可能な液体、半液体、例えばペーストであり、好ましくは、Haake回転粘度計RV20で25℃、10s-1の剪断速度で測定した粘度は1,500〜100,000mPasの範囲である。
組成物のその他の典型成分としては、好ましくは0.2〜2.0重量%の乳白剤、好ましくは0.2〜2.0重量%の防腐剤、好ましくは0.5〜2.0重量%の香料がある。
発明の第二の実施態様によれば、本発明は、ヒドロゲル粒子を含む水溶液の調製方法に関する。このヒドロゲル粒子は以下の組成、即ち、
(i)水溶液に入れられると不溶化する少なくとも1種類の水溶性ポリマーから成る0.1〜30重量%のヒドロゲル組成物と、
(ii)水溶液に可溶性または分散性の水溶性ポリマーから成る0.2〜30重量%のヒドロゲル組成物と、
(iii)(i)と(ii)とから形成された網状構造に閉込められた1.0%〜60%の水不溶性有効物質と、から成る組成を有しており、
有効物質(iii)の粒子は0.2〜200マイクロメーターの粒度を有しており、
上記ヒドロゲルは25マイクロメーターよりも大きく、ヒドロゲルの粒度は有効物質の粒度よりも大きい。
方法は以下の段階、即ち、
(a)ポリマー溶液を形成するためにポリマー(i)と(ii)とを水に溶解させる段階と、
(b)ヒドロゲル前駆体溶液を形成するために成分(iii)をポリマー溶液に分散させる段階と、
(c)水溶液中で第一ポリマー(i)が可溶性でなく第二ポリマー(ii)が可溶性または分散性になるように水溶液を配合する段階と、
(d)上記ヒドロゲル前駆体溶液と水溶液とを混合して、ヒドロゲル前駆体が水溶液に接触したときに、有効物質を閉込めるために十分に剛性であるが基質に塗布されたときに容易に破壊するような十分に軟質の細長い軟質の麺状ヒドロゲルを形成させる段階と、
(e)機械的ミキサーまたはインラインミキサーを用いて麺状ヒドロゲルをヒドロゲル粒子に破壊する段階とから成る。
以下の非限定例は本発明をより十分に理解するために示したものである。本発明の請求の範囲がこれらの実施例に限定されると考えてはならないことは理解されよう。
特に注釈がない限り、上記のパーセンテージはすべて重量%を意味する。
実施例
実施例1:直接混合法によるシリコーン油含有ヒドロゲル分散液(即ち、ヒドロゲル組成物)の調製
ヒドロゲルが不連続ドメインを形成するように水を基剤とする界面活性組成物に高分子ヒドロゲルを分散させ得る多くの方法が存在する。我々が有用であると知見した技術のすべては、ある種の水溶性ポリマーの場合に溶液環境、例えばpH、イオン強度、温度、イオンの種類、架橋剤の存在、などが変化したときに生じる急速ゲル化または架橋を利用する。
この実施例は、慣用の機械的撹拌機を用いてヒドロゲル形成用ポリマー溶液(ヒドロゲル前駆体溶液と呼ぶ)と液体クレンザーとを直接混合することによって本発明に有用なヒドロゲル分散液を調製する方法を説明する。この場合、ヒドロゲル前駆体溶液を洗浄用組成物と混合したときに生じるpH変化が相変化(ゲル化)を惹起するようにポリマー系を選択する。ゲル化は十分に急速なので、添加したそれ自体は水連続性のヒドロゲル前駆体溶液((1)水性界面活性剤溶液に添加されたときに不溶化する第一ポリマーと(2)特性改質用第二ポリマーと(3)有効物質との溶液)は、最初から洗浄用組成物に溶解せず不連続な分散水相を形成する。
ヒドロゲル前駆体溶液の調製
オーバーヘッド撹拌機を使用して40部のシリコーン油を、1重量%のキトサン(第一ポリマー)(Protan社製のSea Cure 340(商標))と0.8重量%の酢酸と3重量%のヒドロキシエチルセルロース(第二ポリマー)(Aqualon社製のNatrosol 250 MR(商標))とを含む60部の水性ポリマー溶液に400rpmで30分間混合することによって、シリコーン油(60,000センチストークス、Dow Corning社製)の40%エマルジョンを調製した。このようにして調製したエマルジョンは、ポリマー溶液に分散した約4μm〜50μmの範囲の広い粒度分布を有するシリコーン油滴を含んでいた。
直接混合によるヒドロゲル分散液の調製
上記の乳化シリコーン油を含有する12.5部のヒドロゲル前駆体溶液を、表1に示す組成をもつ87.5部の液体クレンザーに添加した。オーバーヘッド撹拌機(Tekmar社製のモデルRW20DZM)で混合した。等しい化学組成を有しているが分散液形成のために異なる撹拌速度を用いた2つの分散液を調製した。実施例1Aでは、分散液を80RPMで25分間混合したが、実施例1Bでは混合速度を200RPMにした。双方の実施例は、不規則な形状のヒドロゲルドメインを含んでおり、これらのドメイン自体がゲルマトリックスに閉込められた乳化シリコーン油滴を含んでいた。
実施例1A及び1Bの組成をそれらの幾つかの物理的特性と共に表2に示す。
実施例2:直接混合によって調製されたシリコーン油含有ヒドロゲル分散液の別の例
実施例1に記載のヒドロゲル前駆体溶液と同様であるが異なるポリマー組成を有しているヒドロゲル前駆体溶液を以下の手順で調製した。60,000センチポアズを有する40部のシリコーン油を、1重量%のキトサン(第一ポリマー)(Protan社製のSea Cure 340)と0.8重量%の酢酸と3重量%のカチオン性グアーポリマー(第二ポリマー)(Rhone−Poulenc社製のJaguqr C13S)とを含む60部の水性ポリマーゲル溶液中でオーバーヘッド撹拌機を用いて400rpmで30分間乳化した。
乳化シリコーンを含有する12.5部のこのヒドロゲル前駆体溶液を次に、87.5部の表1に記載の液体クレンザーに添加し、80rpmで25分間混合した。この方法で、シリコーン油滴がゲルマトリックスに閉込められた不規則な形状のヒドロゲル粒子を含む分散液が得られた。この分散液の組成及び特性も表2にまとめられている。
実施例3:押出によって調製されたシリコーン油を含有するヒドロゲル分散液
この実施例は本発明の目的に有用なヒドロゲル分散液が同時押出法を使用しても調製できることを示す。特にこの実施例は、ヒドロゲル前駆体溶液(この場合には分散シリコーン油を含有している)と水性液体クレンザー組成物とを2流体ノズルで同時押出することによって調製した組成物を示す。この方法では、液体クレンザー組成物に懸濁した麺状粒子の形態で分散したヒドロゲル組成物が得られる。麺状ヒドロゲル分散液は、液体クレンザーに独特の外観を与える。あるいは、麺状ヒドロゲルを所望の範囲の大きさに細断または細分する任意の数の剪断技術によって更に処理してもよい。方法をシリコーン油含有ヒドロゲル組成物に関して説明するが、この方法は以後の実施例に示すような多様な材料に使用できる。
シリコーン油を分散したヒドロゲル前駆体溶液の調製
pH7〜7.5の範囲の水溶液中でシリコーン油と中和カルボン酸含有アクリルコポリマー(第二ポリマー)(Rohm & Haas社製のAculyn−33(商標))の水溶液とを機械的撹拌によって混合した。この場合には特性改質用ポリマーとしてAculyn−33を使用した。Aculyn−33の濃度及び撹拌速度によって油滴の粒度を直径5〜150μmの範囲に調節した。濃度が高いほど及び撹拌速度が早いほど、油滴の粒度が低下する。6−カラゲナン(Gelcarin GP−911(商標),FMC)溶液と第一ポリマー(網状構造形成ポリマー)とを、45〜50℃で穏やかに撹拌しながら(<100rpm)混合物に添加した。この実施例では、異なる粒度のシリコーン油滴を含む2つのヒドロゲル前駆体分散液を調製した。1つの分散液では、シリコーン油滴の粒度は2〜30μmの範囲であり、第二の分散液では油滴の粒度が40〜100μmの範囲であった。
同時押出によるヒドロゲル分散液の調製
上記の加温(45〜50℃)前駆体溶液を市販のノズル(Bete Fog Nozzle Inc.社製のシリーズNo.1/4 XA SR450 A)の中央オリフィスに高圧シリンジポンプ(Harvard Apparatus社製のシリンジポンプモデル40)を用いて導入した。同時に、低温(室温〜22℃)のシャワージェル配合物(表3に示す組成)をノズルの外側オリフィスに噴射し、“麺状”ヒドロゲル組成物粒子を含む最終製品を形成した。また、洗浄用組成物、この場合にはシャワージェルの輸送にも高圧シリンジポンプを使用した。最終分散液中のヒドロゲル及びシリコーンの含量を、ヒドロゲル前駆体及び界面活性組成物の流量比を調節することによって調節した。この比は、最終製品が確実に5重量%のシリコーン油を含有するように調節した。
実施例3A及び実施例3Bの2つのヒドロゲル分散液の特性値を表4にまとめる。これらの分散液は、表3のシャワージェル組成物に懸濁した直径約1,000μmの麺状粒子から構成されていた。
実施例4:ヒドロゲルの特性に対するポリマー組成の効果
この実施例は、使用特性に影響を与えるヒドロゲルのレオロジー特性を網状構造形成(第一)ポリマーと特性改質用(第二ポリマー)との選択及び濃度によって操作する方法を示す。
網状構造形成ポリマーとしてカラゲナンを用い、架橋剤としてカリウムイオンを用いた架橋法によって一連のモデルヒドロゲル粒子を調製した。モデル洗浄用組成物としてKClの水溶液を用い実施例3に記載の押出方法の改良法で分散液を調製した。ヒドロゲル分散液の違いは、ヒドロゲル前駆体溶液中に使用したカラゲナンの濃度だけであり、濃度は1〜6重量%の範囲であった。形成された全部の粒子が約3000μmの粒径をもつほぼ球形の粒子であった。
Instron(モデル1122)は、上述の種々のゲル組成物の強度を識別する好適な手段であることが知見された。測定手順は以下の通りである。ヒドロゲル粒子をへら(スパチュラ)で分散液から慎重に取り出し、kimwipeに載せて余剰の液体を除去した。ヒドロゲルの直径の近似値をキャリパーで測定した。次に、ヒドロゲルをInstronの金属基台に移し、10ニュートンの荷重をヒドロゲル粒子に接触するまで下降させた。次いでInstronを起動し、チャート記録計で力を距離の関数として測定した。チャート記録計をクロスヘッド速度1mm/分、チャート速度50mm/分に設定した。
これによって2ニュートンの全規模荷重の読取りができる。力を0.50mm、1.00mm及び1.50mmで記録した。力をヒドロゲルの断面積及び歪みによって除算することによってサンプルの弾性率を算出した。測定の進行中に粒子が水和状態に維持されていたことに注目されたい。
上記手順で測定した一連のヒドロゲル粒子のゲル強度を図1に示す。これらの結果は、ゲル強度が、カラゲナン濃度の増加に伴って有意に増加することを示した。ポリマー濃度が2重量%を上回る値であるとき、ゲルは極めて硬質の感触を与え、皮膚に滑らかに塗布できなかった。このような粒子は、有効物質を捕捉でき保存中に安定に維持されるであろうが、有効物質の分配が均一でなく、組成物がざらついた感触を与えるので洗浄という用途には最適でない。これらの結果はまた、ヒドロゲル粒子のゲル強度を低下させることが望ましい場合には、ゲル内のポリマー濃度を低下させるしかないことを示す。これは技術の応用性を大幅に制限する。以下に示すようにこの制限は、ヒドロゲルの特性、例えばそのゲル強度を改質するために第二ポリマーを使用することによって克服され得る。
上記と同じ手順によって別の一連のモデルヒドロゲル粒子を調製した。ヒドロゲル前駆体溶液の各々は、2重量%のカラゲナンと0〜2重量%のアクリルコポリマー即ちアクリゾールASE−60(Rohm & Haas)とを含有していた。これは特性改質用の第二ポリマーである。水和粒子の形状及び粒度はすべての粒子で極めて類似しており、また前述のカラゲナンのみから成るヒドロゲルにも類似していた。K+で架橋させることによって形成したヒドロゲル粒子のゲル強度に対する添加アクリゾールASE−60の効果を図2に示す。この結果は、ポリマーの総濃度が増加した場合であってもアクリゾール濃度の増加に伴ってゲル強度が有意に低下したことを示す。3:1〜2:1の範囲の重量比でカラゲナンとアクリゾールとを含有するヒドロゲル(図2の矢印)は、シリコーン油のような乳化保湿油などの有効物質を効果的に捕捉でき、顕著なざらつきを伴うことなく皮膚に滑らかに塗布できる。
上記実施例の目的は、網状構造形成ポリマーと特性改質用ポリマーとから成るポリマー系の選択によってゲル強度を調節できることを示すことである。上記に引用したゲル強度の正確な値を過度に重視しないように注意すべきである。出願人らは、ヒドロゲル粒子の強度に対するヒドロゲル前駆体溶液中のポリマー組成の定量的効果が、前駆体溶液に分散させる有効物質の種類、粒度及び濃度に有意に依存することを知見した。この傾向は同じであるが正確な値は異なるであろう。複雑であるかもしれないが、当業者は、網状構造形成剤及び特性改質剤の広義の定義に包含されるポリマーの組合せを利用して各状況に応じたゲル強度の適正バランスを見出すことができるであろう。
実施例5:生体外皮膚に対するシリコーン油の付着
洗浄工程でシリコーン油を皮膚に付着させる種々の洗浄用組成物の能力をブタの皮膚に基づく生体外モデルを用いて測定した。
被検組成物の0.5mlのアリコートを、最初に37℃の水道水で湿らせた5.08cm×5.08cm(2″×2″)の方形のブタの皮膚切片に塗布した。組成物を10秒間泡立たせ、次いで流温水で10秒間濯いだ。皮膚を紙タオルで一回拭って余剰の水を除去し、2分間自然乾燥させた。次に、粘着テープ片を10g/cm2の荷重下で皮膚に30秒間押し付けた。使用した粘着テープは、3cm幅のJ−Lar Superclear(商標)テープであった。この試験手順で、皮膚に付着していたシリコーンが幾つかの外側皮膚層と共にテープに転移した。
テープに付着しているシリコーン及び皮膚の量をX線分光蛍光法で測定した。テープの粘着面が計器のビームに向き合うようにテープ片をX線分光蛍光計に配置した。X線ビームで露光されたテープの中央に標準化領域を規定するためにテープをマスクで覆った。測定開始に先立って計器のサンプル室を真空下に配置し、次いで分光計を使用してシリコーン及びイオウの量を測定した。イオウは、テープに転移した皮膚の量を表す。
清潔な粘着テープ片で観察されたシリコーン及びイオウの量を実験測定値から減算した。連続的に試験したテープ片の実験測定値を加算し、シリコーン及びイオウのそれぞれの累積合計を皮膚の単位面積あたりのシリコーン対イオウの比として表した。高いSi/S比は高い付着レベルに対応する。各測定に合計10個のテープ片を使用した。
実施例2及び3に記載の組成物を上述の手順で測定し、ブタの皮膚切片に付着したシリコーンの量を表5に示す。これらの結果から、ヒドロゲル組成物がこれらの試験でシリコーン油を十分に皮膚に付着させたことが明らかである。
実施例6:種々のポリマーによって調製したヒドロゲル分散液
この実施例は、ポリマーが必要なヒドロゲル形成能力とゲル強度とを有している限り、種々のポリマーを用いてヒドロゲル分散液を調製できることを示す。以下に記載の組成物中では、カチオン性ポリマーであるキトサン(第一ポリマー)(Pronova Biopolymer社製のSeacure 343)を網状構造形成ポリマーとして使用し、カチオン性改質グアー(Jaguar C−13S,Calgon)と合成カチオン性ポリマーであるポリジメチルジアルキルアンモニウムクロリド(Merquat 100(商標),Calgon)を特性改質用の第二ポリマーとして使用した。ヒドロゲル前駆体溶液は、60,000cpsをもつ35部のシリコーン油と、1.5重量%のJaguar C13Sと0.75重量%のキトサンと0.10重量%のMerquat 100と0.35%の酢酸と0.05重量%のココアミドプロピルベタインとを含有する65部のポリマー溶液とをオーバーヘッド撹拌機を用いて300rpmで15分間混合することによって調製した。得られたエマルジョンは、ポリマー溶液中に分散した2〜60μmの範囲の粒度をもつシリコーン油滴を含んでいた。
実施例3に記載の押出プロセスを使用して、14.3重量%ヒドロゲル分散液(全組成物を基準として5重量%のシリコーン油含有)を調製した。界面活性剤系は実施例3と同じもの(表3)を使用したが、配合成分のAntil 141を0.97%でなく0.3%にした。ヒドロゲル分散液は、液滴の平均粒度が2〜60μmの範囲である分散シリコーン油を含む麺状粒子分散液であった。
実施例6(本実施例)の組成物からのシリコーン油の付着を表6に示す。実施例5に記載の方法に従って付着試験を実施した。分散液は、同様の粒度のシリコーン液滴を含む他のヒドロゲルと同様の付着を示し、これは、使用されるポリマーの種類よりも分散液の種類及び特性値のほうが付着レベルの決定に重要であることを示唆する。
実施例7:ヒドロゲルによって生じた付着増進の例
本発明のヒドロゲル分散液の使用によって得られる有益な効果の1つは、構造の内部に取り込まれた有効物質の付着が、有効物質を単独で使用した場合に比べて増進されることである。この実施例は、シリコーン油の場合の効果を示す。特に、種々の皮膚洗浄用組成物からのシリコーン油の付着を実施例5に記載の付着試験で比較した。実施例3A、3B及び6のヒドロゲル分散液に含まれている油滴と同じ粒度のシリコーン油滴を得るために60,000cpsのシリコーンを表3の洗浄用組成物に直接乳化することによって一連の組成物を調製した。
ヒドロゲル分散液対シリコーンエマルジョン単独の付着結果を表7にまとめる。分散ヒドロゲルドメインに有効物質を混入することによって実質的な付着増進が得られたことが証明されている。
実施例8:炭化水素油を含有するヒドロゲル分散液の調製
本発明のヒドロゲル分散液に多様な種類の成分を混入し得る。先行の実施例ではシリコーン油を用いるこれらの分散液のいくつかの普遍的特徴を示した。別のクラスの有用な材料は炭化水素油である。このクラスに包含される有効物質材料としてはペトロラタムのような湿潤剤、パルミチン酸イソプロピルのような皮膚緩和薬及びRarsol MCX(商標、2−エチルヘキシル−P−メトキシシンナメート)のような日光遮断剤がある。これらの実施例は、このような炭化水素油を分配するためのヒドロゲルの使用を示す。
ヒドロゲル前駆体溶液の調製
100%ペトロラタム、50%パルミチン酸イソプロピルと50%ペトロラタムとの混合物、50%Parsol MCXと50%ペトロラタムとの混合物のような種々の炭化水素油の40%エマルジョンを調製するために、40部の炭化水素油を、0.5重量%のキトサン(第一ポリマー)(Pronova Biopolymer社製のSeacure 343)と1.9重量%のJaguar C13S(第二ポリマー)と0.4重量%のココアミドプロピルベタインと0.25重量%の酢酸とを含む60部の水性ポリマー溶液にオーバーヘッド撹拌機を用いて300rpmで20分間混合した。100%ペトロラタムのサンプル以外は室温で混合した。100%ペトロラタムのエマルジョンは、60℃でペトロラタムを融解し、これを室温のポリマー溶液に添加し、室温で混合することによって調製した。
同時押出によるヒドロゲル分散液の調製
実施例3に記載の押出法を使用し、それぞれ実施例8A、8B及び8Cの100%ペトロラタム、50%パルミチン酸イソプロピル/50%ペトロラタム、50%Parsol MCX/50%ペトロラタムを含むヒドロゲルの12.5重量%分散液を調製した。界面活性剤系は、配合成分にAntil 141を使用しなかった以外は実施例3と同じもの(表3)を使用した。これらのサンプルはいずれも直径約1,000nmの麺状ヒドロゲル分散液を含んでいた。
実施例9:固体脂肪酸を含むヒドロゲル分散液の調製
先行の実施例は、多様な種類の疎水性油を本発明のヒドロゲル分散液に混入できることを示した。別のクラスの有用な材料は分散疎水性固体またはワックス状粒子である。このクラスの材料に包含される有効物質の例としては、脂肪酸のような湿潤剤、皮膚緩和薬、Pヒドロキシ安息香酸のようないくつかの固体日光遮断剤、トリクロサンのような抗菌剤、サリチル酸のようなにきび防止薬がある。
この実施例では、このような固体状またはワックス状の疎水性固体の分配にヒドロゲルを使用できることを示すために固体脂肪酸の混合物を特定例として用いた。
ヒドロゲル前駆体溶液の調製
22gの変性コーンスターチ(National Starch & Chemical社製のCapsul(商標))と4.4gのカラゲナン(FMC社製のGelcarin GP911(商標))と0.55gのラウリル硫酸ナトリウム(BDH社製)とを83.05gの脱イオン水に80℃で溶解した。50重量%のパルミチン酸と48重量%のステアリン酸とを含有する210gの溶融脂肪酸混合物を上記ポリマー溶液に添加し、60℃で乳化させて脂肪酸エマルジョンを形成した。次に、脂肪酸エマルジョンをHobart Kitchen Aidミキサーに移し、冷却しながら混合して、粘性の混練生地状脂肪酸エマルジョンを形成した。エマルジョンは、直径1〜40μmの範囲の粒度の脂肪酸粒子を含んでいた。
次に、上記組成物を4%のMerquat 100(Calgon社製)と0.5%のキトサン(Protan社製のSea Cure 340)と0.4%の酢酸とを含有する等量のポリマー溶液と混合して、分散脂肪酸を含有するヒドロゲル前駆体溶液を形成した。
押出によるヒドロゲルの調製
次に、実施例3に記載の方法を用い、14部のヒドロゲル前駆体溶液を表3の86部の液体クレンザーと同時押出して、ヒドロゲル分散液を形成した。この分散液は、界面活性組成物中に均一に分布した麺状ゲル粒子から構成されていた。
実施例10:固体脂肪酸を含有するヒドロゲル分散液の別の例
この実施例は、異なるゲル形成ポリマーを使用した以外は実施例9とほぼ同様である。
ヒドロゲル前駆体溶液の調製
22gの変性コーンスターチ(National Starch & Chemical社製のCapsul)と4.4gのカラゲナン(FMC社製のGelcarin GP911)と0.55gのラウリル硫酸ナトリウム(BDH社製)とを83.05gの脱イオン水に80℃で溶解した。50重量%のパルミチン酸と48重量%のステアリン酸とを含有する210gの溶融脂肪酸混合物を上記ポリマー溶液に添加し、60℃で乳化させて脂肪酸エマルジョンを形成した。次に、脂肪酸エマルジョンをHobart Kitchen Aidミキサーに移し、冷却しながら混合して、粘性の混練生地状脂肪酸エマルジョンを形成した。エマルジョンは、直径1〜40μmの範囲の粒度の脂肪酸粒子を含んでいた。
次に、上記組成物を10重量%の完全加水分解ポリビニルアルコール溶液(Air Product社製のAirvol 350(商標))を含有する等量のポリマー溶液と混合した。
押出によるヒドロゲルの調製
次に、実施例3に記載の方法を用い、14部のヒドロゲル前駆体溶液を表3の86部の液体クレンザーと同時押出して、ヒドロゲル分散液を形成した。この分散液は、界面活性組成物中に均一に分布した麺状ゲル粒子から構成されていた。
実施例11:液体クレンザーからの脂肪酸の付着
ブタの皮膚に対する脂肪酸の付着をガスクロマトグラフ法によって測定した。5.08cm×5.08cm(2インチ×2インチ)のブタ皮膚片を先ず約0.35gの液体クレンザーで1分間洗浄した。処理したブタ皮膚を50秒間水洗した。皮膚を紙タオルで一回乾燥し、2分間風乾し、次いで10gのヘプタンで30分間抽出した。ヘプタン溶液のアリコートをGCに噴射して、皮膚に付着した脂肪酸の量を測定した。対照サンプルは7部の水と実施例9及び10の分散液を調製するために使用した7部の脂肪酸エマルジョンと表3に示した86部の界面活性組成物(実施例10と11を調製するためにも使用)とから構成されていた。実施例9及び10から付着した脂肪酸の量を表8の対照に比較した。結果は、これらのヒドロゲル分散液から有意な脂肪酸付着が生じることを示す。更に、シリコーン油の場合と同様に、ヒドロゲルの配合成分に脂肪酸を加えると、付着が有意に増加する(実施例9及び10と対照との比較)。
実施例12:脂質を含有するヒドロゲル分散液の調製
30部のグリセロールと15部のコレステロール(Croda Chemicals LTD社製のコレステロールUSP)と7.5部の糖エステル(Mitsubishi−Kasei Foods Corp.社製のRyoto S270(商標))と7.5部のステアリン酸(Unichema International社製)とを150℃のホットプレートで加熱することによって溶融脂質溶液を調製した。次に、透明な溶融脂質溶液を約98℃に冷却し、10部の中和Aculyn 33(Rohm & Haas,2重量%,pH:7.5−8.0)溶液及び30部のカラゲナンGelcarin GP911(商標)溶液(2重量%)と混合して、コレステロールを含有するヒドロゲル分散前駆体を形成した。
実施例3に記載の押出法を使用して、17重量%のヒドロゲル分散液(全組成物を基準として2.55重量%のコレステロール含有)を調製した。実施例3(表3)と同じ界面活性剤系を調製に使用した。この洗浄用組成物からのコレステロールの付着を実施例13で測定した。比較のために、液体クレンザー中に均一に分散した2.5重量%のコレステロールを含有する比較実施例を調製した。この比較実施例の組成及び調製方法を以下の表9に示す。
調製
グリセロールとスクロースエステルとステアリン酸とコレステロールとを一緒にしてホットプレートで溶融する。界面活性剤と過剰の水とをプレミックスする。界面活性剤を脂質/グリセロール混合物に添加し、次いでJaguarを添加する。系を保存しpHを5.3に調節する。NaClを用いて10s-1/25℃の粘度を5,000mPasに調節する。
実施例13:皮膚に対するコレステロールの付着
洗浄用組成物からブタの皮膚に付着したコレステロールの量を以下の方法によって測定した。水道水で予め湿らせた5×5cm2のブタ皮膚に0.25gのクレンザーを50回擦り込んだ。次に皮膚を脱イオン水で10秒間濯ぎ、紙タオルで叩いて乾燥した。分析用に3mlのエタノールを使用して皮膚からコレステロールを抽出した。
皮膚から抽出したコレステロールの量を分光光度法で測定した。エタノール抽出物を80℃のオーブンで乾燥した。乾燥内容物に100μlのメタノールを添加した。1,000μlのSigma社製の水性コレステロール試薬をサンプルに添加し、抽出コレステロールと5分間反応させた。次いで水性コレステロール溶液を500μlのクロロホルムと混合し、微量遠心管に注入した。管を13,000rpmで5分間遠心することによって水溶液からクロロホルムを分離した。遠心後、最上部の透明な水相をピペットにキュベットに注入し、分光光度計で500nmの吸光度を測定し、標準校正曲線を用いて皮膚から抽出されたコレステロールの量を測定した。
実施例12で処理することによって皮膚から抽出されたコレステロールの量を表10の2つの対照に比較する。データは、2つの対照に比べて実施例12のヒドロゲルサンプルからコレステロールが有意に付着したことを示す。
実施例14
10重量%のシリコーンヒドロゲル(全組成物の5重量%のシリコーン油)とAntil 141を0.97%でなく0.3重量%含有する90重量%の表3の界面活性組成物とから成る液体クレンザー組成物を実施例3に記載の方法を用いて調製した。60,000cpsの50重量%のシリコーン油と0.47重量%のカラゲナンGP911と0.155重量%のAculyn−33と0.31重量%のポリビニルアルコール(Air Product社製のAirvol 540)と24.06重量%の水とを含有するシリコーンヒドロゲル前駆体溶液を表3の記載と同様にして調製した。ヒドロゲル前駆体溶液は、5〜60マイクロメーターの範囲の粒度のシリコーン油滴を含んでいる。
以下に記載のプロトコルを使用し、消費者の使用後の皮膚感触に対するシリコーンヒドロゲル含有クレンザーの効果を、シリコーンヒドロゲル分散液非含有の液体クレンザーとの比較によって評価した。この評価の試験部位は、前腕の掌側表面である。手及び前腕を水道の流水(30℃)下に約15秒間維持して予め湿らせ、手に3.5gのヒドロゲル含有液体クレンザーを分配し、指定された腕を20秒間洗い、流水で10秒間濯いだ。前腕を紙タオルで叩いて乾かした。シリコーンヒドロゲル非含有の同じクレンザーを用いて他方の腕で同様の手順を繰り返した。パネリスト全員に使用後の皮膚感触の判定を依頼した。8人中の7人のパネリストが使用後の皮膚感触の違いを意識し、これらの7人中の5人がシリコーンヒドロゲル含有液体クレンザーで処理した腕の皮膚感触のほうが好ましいと判断した。
実施例15:スキンローションとなるヒドロゲル分散液の調製
この実施例は、皮膚手入れの用途に好適な水溶液組成物を用いてヒドロゲル分散液を調製できることを示す。この実施例では、ヒドロゲル調製のために、0.9重量%のNitrosol 250 HHR(Aqualon社製のヒドロキシエチルセルロース)と0.06重量%のCarbopol C981(BF Goodrich社製)と0.4重量%のNa3PO4と0.05重量%のGLydant Plusとを含有し、界面活性剤非含有の水溶液組成物を調製した。
10部のペトロラタム(Penreco社製のSnow White(商標))と、0.6重量%のキトサン(Protan社製Seacure 343)と0.4重量%の酢酸と1.8重量%のJaguar C13S(Rhone−Poulenc)とを含有する90部の水性ポリマー溶液とを、オーバーヘッド機械的撹拌機を使用して60℃、300rpmで15分間撹拌することによってペトロラタムヒドロゲル前駆体溶液を形成した。このようにして調製したエマルジョンは、1〜30μmの範囲のサイズをもつペトロラタム液滴を含んでいた。25部のペトロラタムヒドロゲル前駆体溶液を、#14ゲージのシリンジ針を用いて75部の水溶液組成物に噴射して細長い麺状ヒドロゲルを形成した。次に、ペトロラタムの麺状ヒドロゲルを含有する水性組成物を、メッシュサイズ200μmを有するスクリーンに通して、ヒドロゲル分散液を形成した。このサンプルは、ペトロラタム液滴が濃縮した軟質の大粒ヒドロゲル粒子を含有し、皮膚手入れの用途に好適であった。
実施例16:ヒドロゲル形成に対する処理条件の影響
この実施例は、ヒドロゲル粒子の形成が、ヒドロゲル前駆体溶液を水溶液組成物に混入するために使用される混合装置に左右されることを示す。好ましい方法である押出/低剪断混合法は、ヒドロゲル粒子の粒度の調節、及び、ヒドロゲル粒子内部の水不溶性有効物質の保持を改善する。
0.4重量%のSeacure 343と0.2重量%の酢酸と2.0重量%のJaguar C13Sとを含有する70部のポリマー溶液と、60,000cpsの30部のシリコーン油とを、オーバーヘッド機械的ミキサーを使用して60rpmで7分間混合することによってシリコーンヒドロゲル前駆体溶液を調製した。このようにして調製したシリコーンエマルジョンは粒度約132μmをもつ30重量%のシリコーン油を含有していた。
ヒドロゲル加工のために異なる粘度をもつ2種類の水性液体クレンザーを調製した。表11に示す組成をもつこれらの2種類の水溶液組成物はいずれも0.4重量%のCarbopol ETD2020と0.4重量%のBentoneとによって増粘した17.5重量%の界面活性剤を含有していた。これらの2つのクレンザーの粘度はそれぞれ15,000cps及び3,500cpsであり、約7.8のpHを有していた。バッチ法及び同時押出/インライン混合法の2つの方法を使用してこれらの2つの液体クレンザー中の大粒ヒドロゲル分散液を製造した。
バッチ法では、15部の上記シリコーンヒドロゲル前駆体溶液を85部の液体クレンザーに添加し、オーバーヘッドミキサーを使用して60rpmで15分間混合した。同時押出/インライン混合法には実施例3に記載の装置を使用した。2つの流体ノズルから15部のシリコーン前駆体溶液と85重量%の液体クレンザーとを同時押出して、細長い軟質の麺状ヒドロゲルを形成した。予め硬化させた麺状ヒドロゲルを次に、低剪断インライン混合装置に20cc/分の流速で連続的に通して麺状ヒドロゲルをヒドロゲル粒子に破壊した。麺状ヒドロゲルを破壊するために異なる2つのインライン混合装置を使用した。一方は直径0.64cm(1/4″)及び長さ15.2cm(6″)の静止インラインミキサーである。他方は、メッシュサイズ約200μmの等しい2つのスクリーンを内蔵するインラインミキサーである。ヒドロゲル粒子の粒度及びヒドロゲルのゲル粒子の内部に保留されたシリコーン油の%の双方を表12に示す。
Claims (12)
- (a)5〜50%の界面活性剤を含有し300センチポアズを上回る粘度を有している40〜95重量%の水溶液と、
(b)(i) (a)の水溶液に入れられると不溶化する、ゲル形成多糖類、ゲル形成タンパク質および熱ゲル化する合成ポリマーから成るグループから選択される少なくとも1種類の水溶性ポリマーから成る0.1〜30重量%のヒドロゲル組成物と、
(ii) (a)の水溶液に可溶性または分散性の水溶性ポリマーから成る0.2〜30重量%のヒドロゲル組成物と、
(iii) (i)と(ii)とによって形成された網状構造に閉込められた1.0〜60重量%の水不溶性有効物質と、から成る5〜60重量%のヒドロゲル組成物とから成り、
有効物質(iii)の粒子が0.2〜200マイクロメーターの粒度を有しており、
ヒドロゲルの粒度が25マイクロメーターよりも大きく、
ヒドロゲル(b)の粒度が有効物質の粒度よりも大きく、
ヒドロゲルを含む組成物が、ヒドロゲル前駆体溶液を水溶液に噴射するかまたはヒドロゲル前駆体溶液を水溶液に同時押出することによって形成されることを特徴とする水性組成物。 - (i)のポリマーは、(a)の水溶液と接触すると、熱ゲル化によって不溶化することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- (i)のポリマーが、N−アクリルアミド、分枝状または直鎖状の長鎖アルコールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを混入したポリアクリレートまたはメタクリレート含有ポリマーのホモポリマーまたはコポリマーから成るグループから選択された合成ポリマーであることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
- (i)のポリマーは(a)の水溶液に接触すると、沈殿またはコアセルベーションによって不溶化することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 沈殿またはコアセルベーションが電解質濃度の変化によって惹起されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- (i)のポリマーが(a)の水溶液中に存在する架橋剤で架橋されることによって不溶化されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 特性改質用ポリマー(ii)が、
(a)カルボン酸含有アクリルポリマーと、
(b)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性コーンスターチ及びヒドロキシアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルメチルセルロースから成るグループから選択された非イオン性ポリマーと、
(c)カチオン性ポリマーとから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 - ヒトの身体洗浄用または皮膚手入れ用のクリームにおけるまたは製品中における請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- (a) 前記水溶液に入れたときに不溶化する、ゲル形成多糖類、ゲル形成タンパク質および熱ゲル化合成ポリマーからなるグループから選択される少なくとも1種類の水溶性ポリマーから成る0.1〜30重量%のヒドロゲル組成物、
(b) 前記水溶液に可溶性または分散性の水溶性ポリマーから成る0.2〜30重量%のヒドロゲル組成物と、
(c) (a)及び(b)によって形成された網状構造に閉込められた1.0〜60重量%の水不溶性有効物質ゲルとから成る組成を有しているヒドロゲル粒子を含み、
前記有効物質(c)の粒子が0.2〜200マイクロメーターの粒度を有しており、
前記ヒドロゲルが25マイクロメーターよりも大きく、
ヒドロゲルの粒度が有効物質の粒度よりも大きい水性組成物の製造方法であって、方法が、
(i)ポリマー溶液を形成するためにポリマー(a)と(b)とを水に溶解させる段階と、
(ii)ヒドロゲル前駆体溶液を形成するために成分(c)をポリマー溶液に分散させる段階と、
(iii)5〜50%の界面活性剤を含有し300センチポアズを上回る粘度を有している40〜95重量%の水溶液を構成するための水溶液を、水溶液中で第一ポリマー(a)が可溶性でなく第二ポリマー(b)が可溶性または分散性となるように配合する段階と、
(iv)ヒドロゲル前駆体溶液を水溶液に噴射するかまたはヒドロゲル前駆体溶液を水溶液に同時押出することによってヒドロゲル前駆体溶液と前記水溶液とを混合し、ヒドロゲル前駆体を前記水溶液に接触させ、有効物質を閉込めるために十分に剛性で基質に塗布されたときに容易に破壊されるように十分に軟質の細長い麺状ヒドロゲルを形成させる段階と、
(v)インラインミキサーの機械的ミキサーによって前記麺状ヒドロゲルを粒子に破壊する段階とから成る方法。 - 第一ポリマー(a)の不溶化が、熱ゲル化、沈殿もしくはコアセルベーション、または、架橋によって惹起されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 沈殿またはコアセルベーションがpH変化によって惹起されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
- (i)のポリマーはpH変化によって惹起される沈殿またはコアセルベーションにより不溶化し、かつ、前記(i)のポリマーがポリグルコサミンであることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
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