JP3891628B2 - 照明光学系及びこれを備えた内視鏡システム - Google Patents

照明光学系及びこれを備えた内視鏡システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源を使用する照明光学系及びこれを備えた内視鏡システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、内視鏡や顕微鏡などの光学機器においては、光源として、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプなどが広く用いられている。これらの光源は、可視光の他に紫外光や赤外光も発することから、例えば、観察対象物が赤外光を吸収するものである場合には、一般に、赤外カットフィルタ、すなわち赤外吸収フィルタや赤外反射フィルタを光路中に挿入して、観察対象物の赤外光による発熱を抑えるようにしている。
【0003】
このような光学機器として、例えば、実開平3−51411号公報には、キセノンランプから射出した白色光を、赤外反射フィルタおよび赤外吸収フィルタに順次入射させて、白色光に含まれている赤外域の成分を反射および吸収して照明光から赤外光を除去し、これら赤外反射フィルタおよび赤外吸収フィルタを順次透過した光束を集光レンズで集光して、その集光した光束をライトガイドを経て物点まで伝送するようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した赤外吸収フィルタは、入射した光のうち赤外域の光を吸収し、それより短波長域の光は吸収せずに透過させることによって、赤外光をカットするものである。したがって、このフィルタに赤外光を含む光を入射させれば、赤外光のみ除去されるので、その透過光を試料に照射するようにすれば、試料の発熱を抑えることができる。しかし、フィルタ自身が赤外光を吸収するため発熱し、入射光の強度が強い場合や長時間光を照射し続けた場合には、発熱量が多くなって、ひびが入ったり、溶けてしまったりするという問題がある。
【0005】
一方、赤外反射フィルタは、一般に多層膜より成る干渉フィルタとして作製されるため、高価であるという問題がある。また、赤外光を反射して除去するため、吸収フィルタに比べて吸収する光のエネルギーは小さいが、少しではあっても吸収、発熱し、やはり長時間たつうちにはフィルタが劣化してしまうという問題がある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、赤外カットフィルタを用いなくても、赤外光を効果的に除去できるよう適切に構成した照明光学系及びこれを備えた内視鏡システムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る照明光学系の発明は、少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源と、前記白色光の光束を回折するレリーフ型回折光学素子とを有し、
前記レリーフ型回折光学素子のレリーフパターンは、断面形状が矩形で等間隔の格子であって、
前記格子は、幅及び深さがいずれも同じである凸部と、幅及び深さが何れも同じである凹部で構成され、
前記凸部及び前記凹部は、前記可視域の成分を主に0次光として直進させ、前記赤外域の成分を主に±1次光として回折させる幅と深さを有するものであり、
前記レリーフ型回折光学素子から射出した回折光のうち前記可視域の0次光を照明光として使用することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の照明光学系において、前記0次光の光束を物点まで伝送するためのライトガイドを有することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の照明光学系において、前記レリーフパターンの各凸部の前記幅と、隣接する凸部のピッチとの比βが、0.34≦β≦0.66で、前記溝の深さdが、0.85d0 ≦d≦1.09d0であることを特徴とするものである。 ただし、d0 は、波長0.4μmおよび0.7μmにおいて0次光の回折効率が等しくなる溝深さである。
【0009】
請求項4に係る内視鏡システムの発明は、請求項1に記載の照明光学系を有することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明においては、光源から射出した白色光を、レリーフ型回折光学素子に入射させる。ここで、レリーフ型回折光学素子とは、図1(a)〜(d)に示すように、表面に形成された深さ方向に構造を持つパターンによって光を回折するものであるが、この発明においては、図1(a)に示すように、断面形状が矩形で格子間隔が等間隔のものを用いる。かかる回折光学素子は、+m次光の回折効率と−m次光の回折効率とが等しくなるという性質がある。また、回折効率は入射光の波長によって異なり、最も回折効率が高くなる回折次数も入射光の波長によって異なる。また、±1次光の回折効率の最大値は、40.5%となり、図1(b)や(c)のような形状のものよりも高くなる。
【0011】
図2は、図1(a)に示すレリーフ型回折光学素子の0次光および±1次光の回折効率の波長依存性の一例を示すものである。なお、ここでは薄型の回折光学素子とし、その表面反射は除外している。また、溝深さdは、波長1.0μmにおいて±1次光の回折効率が最大となるような深さであり、凸部と凹部の幅の比は、1:1としてある。図2から明らかなように、0次光は可視域で回折効率が高くなり、波長0.5μmで100%となっている。これに対し、±1次光は可視域で回折効率が低く、赤外域で回折効率が高くなっている。つまり、+1次光と−1次光との回折効率は等しいので、波長1.0μmでは入射光の約80%が+1次光、あるいは−1次光として回折し、0次光は発生しない。したがって、0次光には、主として可視域の成分が多く含まれ、±1次光には、主として赤外域の成分が多く含まれ、可視域の成分は少なくなる。
【0012】
この発明おいては、光源から射出した白色光を上記のレリーフ型回折光学素子に入射させることにより、白色光のうち、可視域の成分を主に0次光として直進させ、赤外域の成分は主に±1次光として回折させて、0次光を照明光として使用し得るようにする。このように構成すれば、既に説明したように、0次光は可視域の成分を多く含み、赤外域の成分はあまり含まないので、照明光は概ね可視光のみとなって、物点にある観察対象物を照明することになる。これに対し、赤外域の成分が多く含まれる±1次光や、±1次光より大きな角度で回折するより高次の回折光は、光路から外れて、観察対象物には照射されない。
【0013】
このように、レリーフ型回折光学素子で、光源からの光のうち比較的短波長の可視光と比較的長波長の赤外光を異なる回折次数光として異なる方向に曲げ、可視域の成分が多く含まれ、赤外域の成分が少ない0次光を照明光として使用するようにすれば、赤外域の成分が多く含まれる±1次光を光路から外して、照明光から除去することができる。したがって、従来の赤外カットフィルタを用いなくても、光路上から赤外光を除去することができる。また、赤外カットフィルタを用いる場合でも、回折光学素子で赤外光を光路から外した後に、赤外カットフィルタを位置させるようにすれば、赤外カットフィルタを通る赤外光は大幅に減るので、赤外カットフィルタでの発熱量も減少し、したがって劣化や破損を有効に抑えることが可能となる。
【0014】
この発明の一実施形態においては、上記のレリーフ型回折光学素子の0次光の光束を物点まで伝送するためのライトガイドを設ける。
【0015】
ここで、ライトガイドは、光ファイバを多数本束ねて構成され、可撓性を有する。したがって、ライトガイドからの出射光の光軸を、該ライトガイドへの入射光の光軸とは異なる方向へ曲げることができるので、ライトガイドに入射した光を、入射前の進行方向とは異なる方向へ射出することが可能となる。また、0次光と他の回折次数光との光束が完全に分離され、その0次光のみが入射するような位置にライトガイドの入射端を配置すれば、0次光のみを物点まで伝搬することが可能となる。
【0016】
このように、レリーフ型回折光学素子で回折した光のうち、0次光のみライトガイドに入射させるようにすれば、可視域の成分を多く含む0次光のみを物点まで伝搬することができるので、物点上の観察対象物をほぼ可視光のみで照明することが可能となる。また、ライトガイドは、可撓性を有するので、回折光学素子から射出される0次光の光軸から外れたところに観察対象物があったり、回折光学素子と観察対象物との間に遮光物があっても、ライトガイドを曲げることによって観察対象物を有効に照明することが可能となる。
【0017】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記のレリーフ型回折光学素子のレリーフパターンの各凸部の幅と、隣接する凸部のピッチとの比βを、
0.34≦β≦0.66
とし、溝深さdを、
0.85d0 ≦d≦1.09d0
とする。ただし、d0 は、波長0.4μmおよび0.7μmにおいて、0次光の回折効率が等しくなる溝深さである。
【0018】
ここで、各凸部の幅と、隣接する凸部のピッチとの比βとは、図3に示すように、凸部の幅をa、ピッチをbとするとき、
β=a/b
で定義される。
【0019】
図4は、上記のレリーフ型回折光学素子において、±1次光の回折効率が最大となるような波長での±1次光、および0次光の回折効率のβ依存性の一例を示すものである。ここで、上記のβの範囲は図の斜線部分Aであり、この範囲では±1次光の回折効率が高く、0次光の回折効率は10%以下であるが、±1次光は光路から外れて除去されるので、図2に示したように、赤外域で±1次光の回折効率が高い場合でも、その赤外域の成分のほとんどは±1次光として回折、除去されることになる。これに対し、0次光としてライトガイドに入射して物点まで達し、観察対象物を照明する赤外域、特に波長1.0μm近辺の成分は少なくなる。
【0020】
また、波長0.4μmおよび0.7μmにおける0次光の回折効率が等しくなるときの溝深さをd0 として、回折光学素子の溝深さdを上記の範囲に設定すれば、可視域での0次光の効率を高くすることが可能となる。図5は、溝深さが0.85d0 、d0 および1.09d0 のときの0次光の回折効率の波長依存性を示すものである。ここで、回折光学素子は石英製で、d0 は1.095μmである。また、図中の曲線▲1▼、▲2▼および▲3▼は、それぞれ溝深さが0.85d0 、d0 および1.09d0 のときのグラフである。ただし、回折光学素子は薄型とし、表面反射は除外している。図5から明らかなように、溝深さdが上記の範囲内にあれば、0次光の回折効率は、波長0.4μm〜0.7μmの範囲内で少なくとも10%以上となる。
【0021】
以上のように、回折光学素子の凸部の幅とピッチとの比βを、0.34≦β≦0.66とすれば、±1次光の回折効率が高い波長領域で、0次光の回折効率が10%以下となる。したがって、赤外域で±1次光の回折効率が高くなるようにして赤外光を除去する場合、0次光としてライトガイドを経て観察対象物に照射される赤外光をわずかにでき、実用上充分な赤外光除去効果を得ることができるので、赤外光をさらに除去した照明光を得ることが可能となる。その結果、光学素子などで赤外光が吸収されて発生する熱もより少なくでき、素子の劣化、破損をより効果的に抑えることが可能となる。また、溝深さを、0.85d0 ≦d≦1.09d0 としたので、0.4μm〜0.7μmの可視域での0次光の回折効率を高くでき、0次光を使用して明るい照明光を得ることが可能となる。
【0022】
さらに、この発明の一実施形態では、上記の比βを、
0.45≦β≦0.55
とし、溝深さdを、
0.96d0 ≦d≦1.02d0
とする。
【0023】
この場合のβの範囲は、図4において、斜線部分Bとなる。この範囲では、±1次光の回折効率が特に高く、0次光の回折効率は1%以下と特に低い。したがって、図2に示したように、赤外域で±1次光の回折効率が高くなる場合には、赤外域の成分のさらに多くが±1次光として回折、除去されることになる。これに対し、0次光としてライトガイドに入射して物点まで達し、観察対象物を照明する赤外域、特に波長1.0μm近辺の成分はさらに少なくなる。
【0024】
また、回折光学素子の溝深さdを上記の範囲に設定すれば、可視域での0次光の効率をより高くすることが可能となる。図6は、溝深さが0.96d0 、d0 および1.02d0 のときの0次光の回折効率の波長依存性を示すものである。ここで、回折光学素子は石英製で、d0 は1.095μmである。また、図中の▲1▼、▲2▼および▲3▼は、それぞれ溝深さが0.96d0 、d0 および1.02d0 のときのグラフである。ただし、回折光学素子は薄型とし、表面反射は除外している。図6から明らかなように、溝深さdが上記の範囲内にあれば、0次光の回折効率は、波長0.4μm〜0.7μmの範囲内で少なくとも30%以上となる。したがって、照明光として使用する波長域0.4μm〜0.7μm程度の可視域において、照明光として使用する0次光は、可視域の成分を特に多く含むことになる。
【0025】
このように、回折光学素子の凸部の幅とピッチとの比βを、0.45≦β≦0.55とすれば、±1次光の回折効率が高い波長領域で、0次光の回折効率が1%以下と特に低くなる。したがって、赤外域で±1次光の回折効率が高くなるようにして赤外光を除去する場合、0次光としてライトガイドを経て観察対象物に照射される赤外光を特に少なくでき、実用上さらに充分な赤外光除去効果を得ることができるので、赤外光をさらに効果的に除去した照明光を得ることが可能となる。その結果、光学素子などで赤外光が吸収されて発生する熱もより効果的に少なくでき、素子の劣化、破損をより効果的に抑えることが可能となる。また、溝深さを、0.96d0 ≦d≦1.02d0 としたので、0.4μm〜0.7μmの可視域での0次光の回折効率を特に高くでき、0次光を使用してより明るい照明光を得ることが可能となる。
【0026】
この発明とともに開発した照明光学系の参考例においては、光源から射出した白色光を、レリーフ型の回折型レンズで回折させる。ここで、レリーフ型の回折型レンズとは、レリーフ型回折光学素子の一種で、例えば、「光学」22,1993,第635〜642頁および第730〜737頁において、後藤顕也:「回折を利用した光学素子」に述べられているように、同心円状のパターンを有し、レンズ作用を有する回折光学素子である。図7(a)および(b)は、かかるレリーフ型の回折型レンズの一例を示す平面図および断面図である。この回折型レンズは、表面に形成された深さ方向に構造を持つ同心円状のパターンによって光を回折するもので、レンズ作用を有する。また、レリーフ型であるため、入射光の波長によって、回折効率が最も高くなる回折次数が異なる。
【0027】
上記のように、回折型レンズはレンズ作用を有するので、0次光以外の回折次数光は、集光、あるいは発散する。ここで、集光する方向に曲がる光を正の次数光とすると、+1次光の焦点距離が一番長く、+2次光、+3次光と次数が高くなるにつれて焦点距離が短くなる。また、負の次数光はすべて発散し、0次光は光束径が変わらない。このため、+m次光(m=1,2,3,--- )の結像面上では、+m次光は結像しているが、他の次数光は結像せず拡がることになる。したがって、+m次光の結像面上に、+m次光の光束がちょうど透過するような大きさの絞りを置けば、+m次光は全て絞りを透過するが、他の回折次数光は絞りで遮られ、一部しか透過しなくなる。
【0028】
ここで、この参考例においては、回折型レンズの断面形状を、図1(d)に示すように、ブレーズ形状とする。このようなブレーズ形状の回折光学素子には、ある波長において、ある回折次数光の回折効率が100%になる性質がある。すなわち、ブレーズ形状の回折光学素子の回折効率は、ブレーズ形状の山と谷の位相差が2πの整数倍となるとき、すなわち、溝深さdが、
【数1】
Figure 0003891628
となるとき、波長λでの+m次光の回折効率が100%となる。なお、mは整数で、回折次数である。また、n(λ)は、回折光学素子の回折パターンを形成した媒質の波長λに対する屈折率であり、n0 (λ)は、回折面と接する媒質の波長λに対する屈折率である。通常、回折光学素子は空気中に置かれるため、以後は回折面と接する媒質を空気として、n0 (λ)≒1とする。したがって、回折効率が100%となる溝深さdは、次のようになる。
【数2】
Figure 0003891628
【0029】
上記(2)式から、例えば、回折型レンズを石英製とし、波長0.5μmで+1次光の回折効率を100%とすると、その溝深さdは、d=1.08μmとなる。図8は、この場合の0次光と+1次光との回折効率の波長依存性を示すものである。ただし、回折光学素子は薄型とし、表面反射は除外している。図8から明らかなように、+1次光は可視域で回折効率が高く、0次光は赤外域で回折効率が高い。すなわち、+1次光は可視域の成分を多く含み、0次光は赤外域の成分を多く含むことになる。したがって、絞りで+1次光のみ透過させ、0次光や他の回折次数光を遮断するようにすれば、ほぼ可視域の成分からなる照明光を得ることが可能となる。
【0030】
ところで、参考例においては、回折型レンズより像点側の光軸上に絞りを有する。この絞りの光軸方向の位置は、照明光として使用する回折次数光の上記の範囲の波長λおよびλの光束径がほぼ等しくなる位置であって、絞りの径はその光束径にほぼ等しくなっている。ここで、回折型レンズでの回折光は、長波長の光ほど大きく曲がるので、白色光を回折型レンズに入射させると、回折型レンズから結像点までの距離は長波長ほど短くなる。
【0031】
したがって、図9に示すように、回折型レンズ1による+m次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に、この光束径とほぼ等しい絞り径の絞り2を置くと、波長λ1 からλ2 の可視光は、絞り2で蹴られることなく、すべて通り抜ける。これに対し、波長λ1 より短波長域、およびλ2 より長波長域においては、光束は絞り2の面上で絞り径より広がり、その一部しか絞り2を通り抜けられなくなる。したがって、回折型レンズ1が、図8に示した回折効率の波長依存性を有する場合には、+1次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に絞り2を置けば、必要範囲外の波長成分をほとんど含まない照明光を得ることが可能となる。
【0032】
ここで、絞り径rは、+1次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径を、それぞれr0 とするとき、例えば、
0.9r0 ≦r≦1.1r0
の範囲内とする。すなわち、絞り径rと光束径r0 とは厳密に等しくする必要はなく、上記の範囲程度の違いがあってもよい。なお、絞り径rが光束径r0 よりも上記の範囲内で大きいときは、絞り2を通り抜ける光の波長範囲がλ1 〜λ2 より若干広くなり、逆に、絞り径rが光束径r0 よりも上記の範囲内で小さいときは、絞り2を通り抜ける光の波長範囲がλ1 〜λ2 より若干狭くなるが、それらはわずかな変化であるので、実用上は問題ない。
【0033】
このように、光源からの白色光をレリーフ型の回折型レンズで回折し、必要な波長範囲λ1 からλ2 の成分を多く含む回折次数光のみ絞りを透過させるようにすることにより、不必要な赤外光を絞りで有効に除去することが可能になると共に、紫外光もその大半を除去することが可能となる。したがって、赤外カットフィルタを用いなくても、効率よく赤外光を除去することができると共に、赤外光を吸収することによって発生する熱による光学素子などの劣化や破損も有効に防止することが可能となる。
【0034】
また、回折型レンズの断面形状がブレーズ形状で、回折効率の最大値を100%とすることができるので、照明光として必要な波長域の適当な波長で、回折効率を100%になるようにすれば、明るい照明光を得ることが可能となる。さらに、赤外カットフィルタを使用する場合でも、絞りより物点側にフィルタを置けば、赤外カットフィルタに入射する照明光は、赤外光をほとんど含まないので、赤外カットフィルタで発生する熱も大幅に減り、フィルタの破損や劣化も有効に防止することが可能となる。
【0035】
この参考例では、上記の波長λおよびλを、それぞれ、
0.38μm≦λ≦0.42μm
0.68μm≦λ≦0.72μm
の範囲として、波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の可視域の光のみ絞りを透過させるようにする。
【0036】
図9から明らかなように、λ1 〜λ2 の波長範囲が広いほど、絞り径を大きくする必要がある。しかし、この波長域外の光、例えば赤外光であっても、絞り面上で光軸付近を通るものは絞りを透過することになる。したがって、λ1 〜λ2 の波長範囲を広げれば広げるほど絞り径が大きくなり、絞りを透過する赤外光の光量が増えることになる。これに対し、λ1 〜λ2 の波長範囲を狭くすると、絞り径を小さくすることができる。この場合、絞りを透過する赤外光の光量は減るが、可視域のうち短波長域および長波長域の光も一部が絞りで遮光されるため、透過光量が減ることになる。
【0037】
しかし、比視感度は、明所視の場合、およそ0.7μm以上で値が非常に小さく、暗所視の場合、およそ0.4μm以下で値が非常に小さいので、波長0.4μm以下および0.7μm以上では光量が減っても、目視による観察においては見えには大した影響はない。したがって、およそ0.4μmからおよそ0.7μmの波長範囲の光が、絞りを透過するようにすれば、絞りを透過する赤外光は少なく、また、可視域の成分の減少は実用上問題とならなくなる。
【0038】
このように、波長が0.4μm近傍から0.7μm近傍の光を、絞りでけられることなく透過させるようにすれば、目視による観察には実用上問題ない照明光を得ることが可能となる。また、絞りを透過する赤外光も少なく、赤外光を吸収することによる光学素子での発熱も少なくなるので、光学素子の熱による劣化や破損を有効に防止することが可能となる。
【0039】
別の参考例においては、光源から射出した白色光を、レリーフ型の回折型レンズで回折させる。既に説明したように、レリーフ型の回折型レンズに白色光を入射させると、0次光以外の回折次数光は、集光、あるいは発散する。そのとき、回折次数によって回折角が異なるので、+m次光(m=1,2,3,・・・)の結像面上において、+m次光は結像するが、他の次数光は結像せず広がることになる。したがって、+m次光の結像面の位置に、ライトガイドの入射側端面を配置すれば、+m次光はすべてライトガイドに入射するが、他の次数光は一部しか入射せず、大部分が光路外へ外れることになる。
【0040】
また、この別の参考例においては、回折型レンズの断面形状を、図1(d)に示したようなブレーズ形状としている。このようなブレーズ形状の回折光学素子には、既に説明したように、ある波長においてある回折次数光の回折効率が100%になるという性質がある。例えば、石英製の回折型レンズの場合には、そのブレーズ形状の溝深さdを、d=1.08μmとすると、波長0.5μmで+1次光の回折効率が100%になる。この場合の0次光と+1次光との回折効率の波長依存性は、図8に示したようになる。
【0041】
図8から明らかなように、+1次光は可視域で回折効率が高く、0次光は赤外域で回折効率が高い。すなわち、+1次光は可視域の成分を多く含み、0次光は赤外域の成分を多く含む。したがって、+1次光の結像面の位置にライトガイドの入射側端面を配置すれば、+1次光はすべてライトガイドに入射して、物点まで伝搬するが、他の次数光は一部しか入射せず、大部分は光路外へ外れることになる。
【0042】
このように、可視域の回折効率が高くなる回折次数光の結像位置にライトガイドの入射側端面を配置すれば、光源からの照明光のうち可視光のみライトガイドを通して観察対象物に照射することができ、赤外光はライトガイドに入射せずに光路から外すことができる。したがって、不要な赤外光を赤外カットフィルタを使用することなく除去することが可能となる。また、回折パターンの断面形状をブレーズ形状としているので、回折効率の最大値を100%とすることができ、したがって照明光として必要な波長域の適当な波長で、回折効率が100%になるようにすることにより、明るい照明光を得ることが可能となる。さらに、赤外カットフィルタを使用する場合でも、赤外カットフィルタを回折型レンズとライトガイドの間に配置すれば、赤外カットフィルタを通る赤外光が大幅に減少するので、赤外カットフィルタで発生する熱量も減少し、フィルタの劣化や破損を有効に抑えることが可能となる。
【0043】
この別の参考例では、上記のレリーフ型の回折型レンズで発生する回折次数光のうち、ある回折次数光の波長λにおける開口数が、ライトガイドの開口数とほぼ等しくなるように構成する。ただし、波長λは、
0.68μm≦λ≦0.72μm
の範囲とする。
【0044】
ここで、光ファイバの開口数(NA)は、
【数3】
Figure 0003891628
で表される。なお、上式において、Aは、図10に示すように、光ファイバ3を構成するコア4とクラッド5との境界面で全反射の臨界となるときの、光ファイバ3の入射側端面への入射角である。また、n1 はコア4の屈折率で、n2 はクラッド5の屈折率である。
【0045】
図10において、光ファイバ3の入射側端面に角度Aで入射した光線aは、コア4とクラッド5との境界面で全反射を繰り返して光ファイバ3内を伝搬する。また、角度Aより大きな入射角で入射側端面に入射した光線bは、コア4とクラッド5との境界面で全反射せずに、クラッド5を屈折透過して、光ファイバ3を通り抜けることができない。
【0046】
この別の参考例において、回折型レンズで光が回折したとき、回折角は長波長の光ほど大きくなる。したがって、長波長の光ほど開口数は大きくなるので、例えば、+1次光の波長0.7μm近傍で、回折型レンズの開口数が光ファイバの開口数とほぼ等しくなるようにすると、それより短波長の光では回折型レンズの開口数が光ファイバの開口数より小さくなるので、光ファイバの入射側端面に入射した+1次光は全て光ファイバを通り抜けることになる。
【0047】
これに対し、0.7μm近傍より長波長の光については、回折型レンズの開口数が光ファイバの開口数より大きくなるので、光ファイバの入射側端面に入射した+1次光のうち、中心付近の入射角が小さい光しか光ファイバを通り抜けることができず、しかも、波長が長くなればなるほど開口数が大きくなるので、より中心の一部の光しか光ファイバを通り抜けられなくなる。すなわち、照明光として必要な可視光は効率よく光ファイバを通り抜け、除去したい赤外光は光ファイバをほとんど通り抜けられないことになる。なお、ライトガイドは、光ファイバを多数本束ねたものであるので、ライトガイド全体で考えたときにも、開口数は光ファイバと同じであり、角度Aより大きな入射角で入射した光は、ライトガイドを通り抜けられないことになる。
【0048】
このように、可視域での回折効率が高く、赤外域での回折効率が低くなる回折型レンズの回折次数光を照明光として利用し、その回折次数光の波長0.7μm近傍での回折型レンズの開口数がライトガイドの開口数とほぼ等しくなるようにすれば、その回折次数光に含まれる赤外域の成分は、その一部しかライトガイドを通り抜けないので、さらに効率よく赤外光を除去することが可能となる。したがって、光学素子で発生する熱がさらに減り、光学素子の劣化や破損をさらに効果的に防止することが可能となる。
【0049】
さらに、この別の参考例では、上記のレリーフ型の回折型レンズとライトガイドの入射側端面との間の光軸上で、照明光として使用する回折次数光の波長λと波長λとの光束径がほぼ等しくなる位置に、該光束径とほぼ等しい絞り径を有する絞りを配置する。ただし、波長λおよびλは、それぞれ、
0.35μm≦λ≦0.45μm
0.65μm≦λ≦0.8μm
の範囲内とする。
【0050】
既に説明したように、回折型レンズでの回折光は、長波長の光ほど大きく曲がるので、白色光を回折型レンズに入射させると、回折型レンズから結像点の距離は長波長ほど短くなる。そこで、図9に示したように、+1m次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に、この光束径とほぼ等しい絞り径を有する絞り2を配置すれば、必要な波長範囲λ1 からλ2 の光は絞り2で蹴られることなくすべて通り抜け、波長λ1 より短波長域、および波長λ2 より長波長域の光束は、絞り面上で絞り径より広がるため、その一部しか絞り2を通り抜けられなくなる。
【0051】
したがって、回折型レンズが、例えば、図8に示したような回折効率の波長依存性を有する場合には、+1次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に絞りを配置すれば、ライトガイドに入射する+1次光のうち波長λ1 〜λ2 の成分のみ絞りを透過してライトガイドに入射し、+1次光に含まれる赤外域の成分は絞りで除去されることになる。
【0052】
このように、絞りを用いて必要な波長範囲λ1 〜λ2 の成分のみ透過させ、照明光として使用する回折次数光に含まれる赤外光をさらに除去することにより、ほぼ可視域の成分のみからなる照明光を得ることが可能となる。これにより、さらに効率よく赤外光を除去することが可能になると共に、赤外光を吸収することによって発生する熱による光学素子などの劣化や破損をより効果的に防止することが可能となる。
【0053】
さらに、この別の参考例では、上記の波長λおよび波長λを、それぞれ、
0.38μm≦λ≦0.42μm
0.68μm≦λ≦0.72μm
の範囲として、波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の可視域の光のみ絞りを透過させるようにする。
【0054】
既に、図9を用いて説明したように、λ1 〜λ2 の波長範囲を広くすると、絞り径を大きくしなければならなくなって、絞りを透過する赤外光の光量が増えることになる。これに対し、λ1 〜λ2 の波長範囲を狭くすると、絞り径を小さくでき、絞りを透過する赤外光の光量をより減らすことができるが、可視域のうち短波長域および長波長域の光の一部が絞りで遮光され、光量が減少することになる。しかし、比視感度は、明所視の場合、およそ0.7μm以上では値が非常に小さく、暗所視の場合、およそ0.4μm以下では値が非常に小さいので、波長0.4μm以下および0.7μm以上では光量が減っても、目視による観察の場合には見えには大した影響はない。これらのことから、波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の範囲の光が絞りを透過するようにすれば、絞りを透過する赤外光は少なく、また、可視域の成分の減少は実用上問題とならなくなる。
【0055】
このように、波長がおよそ0.4μmからおよそ0.7μmの光を絞りでけられることなく透過させて、ライトガイドに入射させることにより、目視による観察には実用上問題ない照明光を得ることが可能となる。また、この場合、絞りを透過する赤外光も少なくなるので、赤外光を吸収することによって生じる光学素子での発熱を少なくでき、したがって光学素子の熱による劣化や破損を有効に防止することが可能となる。
【0056】
さらに、上記2つの参考例では、レリーフ型の回折型レンズのレリーフパターンの溝深さdを、
0.74d0≦d≦1.43d0
とする。ただし、d0 は、波長0.4μmと0.7μmとにおける+1次光の回折効率が等しくなるときの溝深さである。
【0057】
既に説明したように、上記(2)式が成り立つとき、+m次光の回折効率は100%となる。ここで、(2)式が成り立つmと波長との組み合わせは複数あるが、m=+1とするのが好ましい。その理由は、mが大きくなると溝深さdが深くなって、回折型レンズの製造が困難になる場合があるからである。また、照明光として使用する波長域は、0.4μm〜0.7μm程度であるので、+1次光の回折効率が波長0.4μmと0.7μmとで等しければ、すなわちd=d0 であれば、+1次光の回折効率は上記の波長域全域で高くなる。
【0058】
ブレーズ形状の場合も、矩形状のレリーフパターンの場合と同様に、溝深さが変わると回折効率が変わる。図11は、d=0.74d0 、d0 および1.43d0 のときの+1次光および0次光の回折効率の波長依存性を示すものである。ただし、回折光学素子は、石英製で薄型とし、表面反射は除外している。図11において、符号▲1▼、▲2▼および▲3▼で示す曲線は、それぞれ溝深さが0.74d0 、d0 および1.43d0 のときの+1次光のグラフで、符号▲1▼′、▲2▼′および▲3▼′で示す曲線は、それぞれ溝深さが0.74d0 、d0 および1.43d0 のときの0次光のグラフである。
【0059】
図11から明らかなように、溝深さdが0.74d0 以上であれば、上記の波長域で+1次光の回折効率は、除去したい0次光の回折効率よりも高い。また、溝深さdが1.43d0 以下であれば、上記の波長域で+1次光の回折効率は10%以上であり、0次光の回折効率よりも高い。したがって、溝深さdが0.74d0 ≦d≦1.43d0 であれば、+1次光は照明光として使用する可視域において除去したい0次光より常に強く、回折効率は10%以上となる。
【0060】
このように、溝深さdを、0.74d0 ≦d≦1.43d0 、とすることにより、波長0.4μm〜0.7μmの可視域において、照明光として使用する+1次光の回折効率を、除去したい0次光の回折効率よりも高くすることができる。したがって、可視光を効率よく+1次光として回折して、観察対象物を照明することが可能になると共に、より明るい照明光を得ることが可能になる。
【0061】
さらに、請求項1に係る発明の一実施形態や2つの参考例では、上記の回折光学素子や回折型レンズを石英製とする。
【0062】
すなわち、石英は、約0.2μmから約4μmの波長範囲の光に対して透過率が高い。したがって、波長4μm以下の赤外光を入射してもほとんど吸収せず、透過することになる。また、光源として広く用いられているハロゲンランプやキセノンランプ、メタルハライドランプなどは、波長3μm程度より短波長で強度が強く、それより長波長域ではあまり強くはない。したがって、回折光学素子や回折型レンズが石英製であれば、光源から発生する赤外光はほとんど吸収せず、それ自体が熱を発生することはほとんどないので、熱による劣化や破損を有効に防止することが可能となる。
【0063】
さらに、この発明の一実施形態では、請求項1に係る照明光学系を用いて内視鏡システムを構成する。
【0064】
このように内視鏡システムを構成すれば、上述したように、照明光学系から射出される照明光には、赤外光がほとんど含まれないので、内視鏡の挿入部先端から射出される照明光にも赤外光がほとんど含まれないことになる。したがって、観察対象物を熱することなく照明して観察することが可能になると共に、照明光学系から観察対象物までの間にある各種の光学素子を熱することもないので、光学素子の熱による破損や劣化を有効に防止でき、耐久耐久性の高い内視鏡システムを得ることが可能となる。
【0065】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図12は、この発明に係る照明光学系の第1実施形態を示すものである。この実施形態では、反射鏡11aおよびランプ11bを有する光源11からの、少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を、レリーフ型回折光学素子12に入射して複数の回折次数の光に回折させ、その直進する0次光13により観察対象物14を照明するようにする。ここで、ランプ11bは、可視光で観察する場合には、可視域に強い放射を有するキセノンランプやハロゲンランプ、メタルハライドランプなどを用いる。また、回折光学素子12は、そのレリーフパターンを、断面形状が矩形で格子間隔が等間隔となるように形成する。
【0066】
この実施形態において、回折光学素子12で回折されたm次光、例えば+1次光15や−1次光16などは、0次光13とは異なる方向へ進む。これらm次光の光束は、回折光学素子12から離れるほど、0次光13の光束から離れる。したがって、0次光13と±1次光15,16とが完全に分離する位置よりも、回折光学素子12から離れる方に観察対象物14を置くと、高次の回折光ほど大きな角度で回折するため、0次光13以外の光は光路から外れて、観察対象物14に入射しないようになる。
【0067】
レリーフ型回折光学素子12の回折効率は、既に説明したように、入射光の波長によって異なる。また、波長によって最も回折効率が高くなる回折次数も異なる。この実施形態において、回折光学素子12は、図1(a)に示したように断面形状が矩形で格子間隔が等間隔であり、±1次光15,16の回折効率は最大40.5%で、0次光13の回折効率は最大100%である。
【0068】
図2から明らかなように、波長1.0μm付近の赤外域で±1次光15,16の回折効率が最大になるとき、0次光13は赤外域では回折効率が低くなる。また、波長0.5μm付近の可視域では0次光13の回折効率が高くなり、±1次光15,16の回折効率は低くなる。すなわち、0次光13は可視域の成分を多く含み、±1次光15,16は赤外域の成分を多く含むことになる。したがって、0次光13を照明光として使用し、±1次光15,16は光路から外せば、光源11からの光から赤外光を除去することができるので、従来の赤外カットフィルタを用いなくても光路上から赤外光を除去することができる。また、赤外カットフィルタを用いる場合でも、回折光学素子12で赤外光を光路から外した後に赤外カットフィルタを配置するようにすれば、赤外カットフィルタを通る赤外光は大幅に減り、赤外カットフィルタでの発熱量も減って、劣化を抑えることができる。
【0069】
さらに、回折光学素子12による回折角は波長に依存し、一般に短波長ほど回折角が小さく、長波長ほど回折角が大きい。したがって、±m次光は回折後、分散するが、0次光13は波長による分散がなく、全ての波長の光が同じ方向に進む。この実施形態においては、この0次光13を照明光として使用しているので、色分散のない照明光を得ることができる。
【0070】
ところで、回折光学素子12は、図13(a)に示すようなレリーフパターンが直線状のもの、あるいは図13(b)に示すようなレリーフパターンが同心円状のものであることが望ましい。すなわち、図13(a)の場合には、光は直線状のレリーフパターンの方向と直交する方向へのみ回折作用を受け、各回折次数光は、図14(a)に示すように、直線パターンと直交する方向に分離し、回折光学素子12から離れれば離れるほど大きく分かれる。したがって、回折光学素子12からある程度離れれば、0次光13と±1次光15,16とが完全に分離するので、観察対象物14を回折光学素子12から離れて配置すれば、赤外域の成分を多く含む±1次光15,16を効率よく除去し、可視域の成分を多く含む0次光13のみを照明光として取り出すことができ、より赤外光の強度が弱く、可視光の強度が強い照明光で観察対象物14を照明することができる。
【0071】
また、図13(b)の場合には、光は同心円状のレリーフパターンの半径方向へのみ回折作用を受け、アキシコンのように作用する。したがって、各回折次数光は、図14(b)に示すように分離し、直線状のレリーフパターンの場合と同様に回折光学素子12から離れれば離れるほど大きく分かれる。したがって、回折光学素子12からある程度離れれば、0次光13と±1次光15,16とが完全に分離するので、同様に、観察対象物14を回折光学素子12から離れて配置すれば、赤外域の成分を多く含む±1次光15,16を効率よく除去し、可視域の成分を多く含む0次光13のみを照明光として取り出すことができ、より赤外光の強度が弱く、可視光の強度が強い照明光で観察対象物14を照明することができる。
【0072】
ここで、回折光学素子12と観察対象物14とが離れ過ぎていたり、それら間に遮光物があって観察対象物14を直接照明できない場合には、ライトガイドを使用することができる。この場合には、図15に示すように、回折光学素子12で回折を受け、±1次光15,16と完全に分離された0次光13を、集光レンズ17で集光してライトガイド18の入射側端面19に入射させて、該ライトガイド18内を伝播させ、その反対側の出射側端面から出射される照明光によって物点上の観察対象物14を照明するようにする。
【0073】
このように、集光レンズ17を±1次光15,16と0次光13とが完全に分離した後に配置すれば、±1次光15,16を光路から外して、0次光13のみを集光することができるので、赤外域の成分を多く含む±1次光15,16を除去し、可視域の成分を多く含む0次光13のみを照明光として、ライトガイド18を経て観察対象物14に導くことができる。したがって、より赤外光の強度が弱く、可視光の強度が強い照明光を得ることができる。
【0074】
なお、回折光学素子12のレリーフパターンにおいて、その凸部の幅とピッチとの比βは、必ずしも0.5である必要はなく、
0.34≦β≦0.66
であれば、実用上充分な効果を得ることができる。すなわち、図4に示したように、比βが変わると±1次光15,16および0次光13の回折効率は変わる。ここで、上記のβの範囲は図4の斜線部分Aであり、この範囲では±1次光15,16の回折効率が高く、0次光13の回折効率は10%以下である。
【0075】
しかし、この実施形態では、±1次光15,16は光路から外れて除去されるので、±1次光15,16の回折効率が、図2に示したように赤外域で最も高くなる場合には、赤外域の成分はほとんど±1次光として回折されて除去される。これに対し、照明光として観察対象物14を照明する0次光13に含まれる赤外光はわずかである。したがって、比βが上記の範囲内にあれば、より効率よく赤外光を除去することができると共に、光学素子などで赤外光を吸収して発生する熱もより少なくなり、素子の劣化、破損をより効果的に抑えることができる。また、許容されるβの値に幅があるので、回折光学素子12を製造する上でも有利である。
【0076】
上記の凸部の幅とピッチとの比βは、より好ましくは、
0.45≦β≦0.55
とする。このβの範囲は図4の斜線部分Bであり、この範囲では±1次光15,16の回折効率が特に高く、0次光13の回折効率は1%以下である。したがって、±1次光15,16の回折効率が、図2に示したように赤外域で最も高くなる場合には、赤外域の成分はさらに多くが±1次光として回折されて除去され、照明光として観察対象物14を照明する0次光13に含まれる赤外光はさらに少なくなるので、さらに効率よく赤外光を除去することができると共に、光学素子などで赤外光を吸収して発生する熱もさらに少なくでき、素子の劣化、破損をより効果的に抑えることができる。
【0077】
また、回折光学素子12のレリーフパターンの溝深さdは、波長0.4μmおよび0.7μmにおける0次光13の回折効率が等しくなるような溝深さをd0 とするとき、好ましくは、
d=d0
とする。すなわち、溝深さd0 の場合の0次光の回折効率の波長依存性は、図5に符号▲2▼で示すようになる。ここで、回折光学素子12は石英製で、d0 は1.095μmである。回折照明光として使用する波長域は、0.4μm〜0.7μm程度の可視域であり、この波長域では照明光として使用する0次光13の回折効率が高いほうがよい。図5から明らかなように、d=d0 のとき、0次光13の回折効率は最も低いとき、すなわち波長0.4μmおよび0.7μmにおいても35%以上と高く、特に明るい照明光を得ることができる。また、波長0.4μmから0.7μmにおいて、光量の波長依存性が小さくなって、より分光特性が平坦な照明光を得ることができる。
【0078】
なお、上記の溝深さdは、必ずしもd0 である必要はなく、
0.85d0 ≦d≦1.09d0
の範囲とすることもでき、これにより実用上充分な効果を得ることができる。すなわち、d=0.85d0 およびd=1.09d0 のそれぞれの場合の0次光の回折効率の波長依存性は、図5に符号▲1▼および▲3▼で示すようになる。図5から明らかなように、溝深さdが上記の範囲にあれば、0次光13の回折効率は少なくとも10%以上あるので、必要な波長域全域で実用上充分明るい照明光を得ることができる。
【0079】
また、上記の溝深さdは、
0.96d0 ≦d≦1.02d0
の範囲とすれば、より充分な効果を得ることができる。すなわち、d=0.96d0 およびd=1.02d0 のそれぞれの場合の0次光の回折効率の波長依存性は、図6に符号▲1▼および▲3▼で示すようになる。図6からわかるように、溝深さdが上記の範囲にあれば、0次光13の回折効率は少なくとも30%以上と特に高いので、必要な波長域全域で実用上特に明るい照明光を得ることができる。
【0080】
この実施形態において、回折光学素子12で回折され、光路から外れる±m次光、特に±1次光15,16には、赤外光を多く含む。このため、これらの回折次数光が入射する、例えば鏡筒部分では、熱が発生することになるので、その部分に熱が発散し易くする放熱手段を設けるのが好ましい。その放熱手段の一例として、例えば、図16に示すように、±1次光が入射する鏡筒20の部分の形状をフィン状にして表面積を増やし、熱の発散を促すようにする。また、鏡筒20を空冷、あるいは水冷する。このようにすれば、鏡筒20の発熱を防止でき、鏡筒自体の劣化や破損、さらには、鏡筒20から伝わった熱による光学素子や他の部品の劣化や破損を有効に防止することができる。
【0081】
以上は、光路中に赤外カットフィルタを配置しない場合について説明したが、赤外カットフィルタを光路中に配置することもできる。すなわち、図2から明らかなように、0次光13は可視域で強度が強く、この0次光13からは波長1.0μm付近の赤外域の成分は除去されているが、それより長波長の赤外域の成分は若干残ってしまう。これら残った赤外域の成分を赤外カットフィルタで除去するようにする。この赤外カットフィルタは、図12に示す構成の場合には、図17(a)に示すように、回折光学素子12と観察対象物14との間であって、0次光13と±1次光15,16とが完全に分離する位置よりも、観察対象物14寄りに赤外カットフィルタ21を配置するのが好ましい。また、図15に示す構成の場合には、図17(b)に示すように、回折光学素子12と集光レンズ17との間であって、0次光13と±1次光15,16とが完全に分離する位置よりも集光レンズ17寄りに赤外カットフィルタ21を配置するのが好ましい。
【0082】
このように構成すれば、赤外カットフィルタ21には0次光13のみ入射し、赤外域の成分を多く含む±1次光15,16は入射しないので、赤外カットフィルタ21での発熱量を少なくでき、その劣化を有効に防止することができる。また、図17(b)に示すように、ライトガイド18を使用する場合には、照明光は赤外カットフィルタ21を通して集光レンズ17に入射することになるので、集光レンズ17およびライトガイド18に入射する赤外光の光量がさらに減り、したがって発熱による光学素子の破損や劣化をより効果的に防止することができる。
【0083】
また、この実施形態において、回折光学素子12は石英製であることが望ましい。すなわち、石英は、約0.2μmから約4μmの波長範囲の光に対して透過率が高いので、波長約4μm以下の赤外光を入射してもほとんど吸収せず、透過することになる。また、光源11としてよく用いられるハロゲンランプやキセノンランプ、メタルハライドランプなどは、波長3μm程度より短波長で強度が強く、それより長波長域ではあまり強くはない。したがって、回折光学素子12が石英製であれば、光源11から発生する赤外光はほとんど吸収されずに回折光学素子12を透過して、回折により光路から外れることになるので、回折光学素子12の発熱、およびそれによる回折光学素子12の劣化や破損を有効に防止することができる。
【0084】
図18は、この発明とともに開発した照明光学系の第1参考例を示すものである。この参考例では、反射鏡11aおよびランプ11bを有する光源11からの、少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を、レリーフ型の回折型レンズ25に入射して複数の回折次数の光に回折させ、その+1次光26を絞り27を経て取り出して、観察対象物14を照明するようにする。ここで、ランプ11bは、可視光で観察する場合には、第1実施形態の場合と同様に、可視域に強い放射を有するキセノンランプやハロゲンランプ、メタルハライドランプなどを用いる。また、レリーフ型の回折型レンズ25は、既に説明したように、レリーフ型回折光学素子の一種で、図7に示したように、表面に形成された深さ方向に構造を持つ同心円状のパターンによって光を回折するもので、レンズ作用を有する。この実施形態では、このレリーフパターンの断面形状をブレーズ形状とする。
【0085】
図18において、回折型レンズ25に入射した光は、回折されて複数の回折次数光に分かれ、そのうち0次光28は直進し、±m次光は回折して集光、あるいは発散する。ここで、回折次数光の符号を、集光する方向に曲がる場合を正、発散する方向に曲がる場合を負とすると、+1次光26の焦点距離が一番長く、+2次光、+3次光と次数が高くなるにつれて焦点距離が短くなる。このため、+m次光(m=1,2,3,・・・)の結像面上において、+m次光は結像しているが、他の次数光は結像せず広がることになる。したがって、+m次光の結像面の位置に、+m次光の光束がちょうど透過するような大きさの絞りを置けば、+m次光はすべて絞りを透過して広がり、観察対象物14を照明することになるが、他の次数光は一部しか透過せず、大部分は光路外へ外れたり、絞りで遮られることになる。そこで、この参考例では、+1次光26の結像面の位置に絞り27を配置して+1次光26のみを透過させ、これにより観察対象物14を照明するようにして、0次光28や+2次光29などの光の大部分を光路外へ外したり、絞り27で遮断するようにする。
【0086】
図18に示す回折型レンズ25について、さらに詳しく説明する。回折型レンズ25のレリーフパターンの断面形状は、図1(d)に示したようなブレーズ形状である。ブレーズ形状の回折光学素子には、ある波長において、ある回折次数光の回折効率が100%になるという性質がある。既に説明したように、ブレーズ形状の回折光学素子の回折効率は、ブレーズ形状の山と谷の位相差が2πの整数倍となるとき、すなわち、溝深さdが、上記の(1)式を満足するとき、波長λでの+m次光の回折効率が100%となる。なお、この参考例では、回折型レンズ25は、空気中に置かれているので、上記(1)式において、n0 (λ)≒1となる。したがって、回折効率が100%となる溝深さdは、上記の(2)で表すことができる。
【0087】
ここで、溝深さが一定のとき、(2)式が成り立つ波長λと回折次数mとの組合わせは複数あり、mが大きくなるほど波長は短くなる。例えば、溝深さdが、d=1.08μmのとき、+1次光26の回折効率は、波長0.5μmで100%になり、+2次光29の回折効率は、波長0.27μmで100%になる。この場合、+1次光26のみを取り出すようにすれば、波長0.5μmを中心とした可視光を得ることができる。このように、回折次数によって回折効率が100%になる波長が異なるので、回折次数を選ぶことによって波長域を選ぶことができる。
【0088】
既に説明したように、溝深さdが、d=1.08μmの場合の0次光と+1次光との回折効率の波長依存性は、図8に示したようになる。図8から明らかなように、+1次光は可視域で回折効率が高く、0次光は赤外域で回折効率が高くなる。すなわち、+1次光は可視域の成分を多く含み、0次光は赤外域の成分を多く含むことになる。したがって、この参考例におけるように、絞り27で+1次光26のみ透過させ、0次光28や他の回折次数光を遮断すれば、ほぼ可視域の成分からなる照明光を得ることができる。
【0089】
なお、上述したように、(2)式が成り立つ回折次数mと波長との組み合わせは複数あるが、mが大きくなるほど溝深さdが深くなって、回折型レンズの製造が困難になることから、m=+1とするのが好ましい。
【0090】
この参考例では、回折型レンズ25の溝深さdを、図8に示したように、可視域で+1次光26の回折効率が高くなるような深さにし、その結像面に絞り27を配置して、+1次光26のみを透過させるようにしている。したがって、可視域の成分を多く含む+1次光26は、絞り27を通過するので、これにより観察対象物14を照明でき、また、赤外域の成分は、主に他の回折次数光として回折して光路から外れるか、あるいは絞り27で遮られて、照明光から除去されるので、不要な赤外光を赤外カットフィルタを用いることなく有効に除去することができる。
【0091】
また、回折型レンズ25のレリーフパターンは、断面形状がブレーズ形状で、ある波長に対し回折効率がほぼ100%となるので、図8に示したように、可視域のある波長で回折効率が+1次光26に対して100%になるようにすることにより、他の形状の回折型レンズを用いる場合よりも明るい照明光を得ることができる。しかも、0次光などの+1次光以外の回折光は、可視域での回折効率が低いので、光源11から放射された可視域のエネルギーは、+1次光26に集中し、効率的に使われることになる。
【0092】
ところで、絞り27は、可視域での光強度が強い+1次光26のみ通過させ、赤外域での光強度が強い他の次数、特に0次光28を遮断するように、+1次光26の焦点位置近傍に配置するが、その位置は、+1次光26の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置とするのが好ましい。ただし、波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、
0.35μm≦λ1 ≦0.45μm
0.65μm≦λ2 ≦0.8μm
の波長範囲とする。また、絞り27の絞り径をr、+1次光26の波長λ1 と波長λ2 との光束径をr0 とするとき、絞り径rは、
0.9r0 ≦r≦1.1r0
の範囲とするのが好ましい。
【0093】
上述したように、回折型レンズで光を回折させると、長波長の光ほど大きく曲がるので、長波長ほど回折型レンズから結像点までの距離が短くなる。したがって、図9に示したように、+m次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に、この光束径とほぼ等しい絞り径を有する絞りを配置すれば、必要な波長範囲λ1 からλ2 の光は、絞りでけられることなくすべて通り抜け、波長λ1 より短波長域および波長λ2 より長波長域の光束は、絞り面上で絞り径より広がり、一部しか絞りを通り抜けられなくなる。
【0094】
したがって、図18において、回折型レンズ25が、図8に示したような回折効率の波長依存性を有する場合には、絞り27を、+1次光26の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に配置すれば、+1次光26のみ透過するだけでなく、その中に含まれる必要な波長範囲λ1 〜λ2 の成分のみ透過することになるので、照明光として使用する+1次光26に含まれる赤外光もさらに有効に除去することができ、必要範囲外の波長成分をほとんど含まない照明光を得ることができると共に、赤外光を吸収することによって発生する熱による光学素子などの劣化や破損をさらに効果的に防止することができる。
【0095】
さらに好ましくは、上記の波長λ1 およびλ2 を、
0.38μm≦λ1 ≦0.42μm
0.68μm≦λ2 ≦0.72μm
の波長範囲とする。このようにすれば、波長がおよそ0.4μmからおよそ0.7μmの可視域の光のみ絞り27を通過させることができる。ここで、絞り27の絞り径は、図9から明らかなように、λ1 〜λ2 の波長範囲が広いほど大きくしなければならないが、この波長域外の光、例えば赤外光であっても、絞り面上で光軸付近を通る光は絞り27を透過することになる。このため、λ1 〜λ2 の波長範囲を広げれば広げるほど、絞り径が大きくなり、絞り27を透過する赤外光の光量が増えることになる。
【0096】
これに対し、λ1 〜λ2 の波長範囲を狭くすれば、絞り径を小さくでき、絞り27を透過する赤外光の光量もより減少できるが、可視域のうち短波長域および長波長域の光の一部も絞り27で遮光されるため、光量が減ることになる。しかし、比視感度は明所視の場合およそ0.7μm以上で値が非常に小さく、暗所視の場合およそ0.4μm以下で値が非常に小さいので、波長0.4μm以下および0.7μm以上では光量が減っても、目視観察にはほとんど影響がない。したがって、上記のように波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の範囲の光が絞り27を透過するようにすれば、絞り27を透過する赤外光が少なく、かつ、可視域の成分の減少が実用上問題のない、よりよい照明光を得ることができる。
【0097】
ところで、回折型レンズ25のレリーフパターンの溝深さdは、+1次光26の回折効率が可視域で高くなるような深さであることが望ましいが、波長0.4μmおよび0.7μmにおける+1次光26の回折効率が等しくなるような溝深さをd0 とするとき、
d=d0
とするのがより好ましい。この場合、回折型レンズ25を石英製とすると、d0 =1.095μmとなり、その+1次回折光26および0次光28の回折効率の波長依存性は、図11の符号▲2▼および▲2▼′にそれぞれ示すようになる。
【0098】
すなわち、照明光として使用する波長域は、0.4μm〜0.7μm程度の可視域であるので、この波長域では照明光として使用する+1次光26の回折効率が高いほうがよい。ここで、上記のように、d=d0 とすれば、図11から明らかなように、+1次光26の回折効率は、最も低いとき、すなわち波長0.4μmおよび0.7μmにおいても75%以上と高いので、特に明るい照明光を得ることができる。また、波長0.4μmから0.7μmの範囲では、光量の波長依存性が小さいので、より分光特性が平坦な照明光を得ることができる。
【0099】
なお、回折型レンズ25のレリーフパターンの溝深さdは、必ずしも上記のように、d=d0 とする必要はなく、
0.74d0 ≦d≦1.43d0
の範囲であれば、実用上十分な効果を得ることができる。すなわち、d=0.74d0 のときの+1次光26および0次光28の回折効率は、図11の符号▲1▼および▲1▼′でそれぞれ示すようになり、d=1.43d0 のときの+1次光26および0次光28の回折効率は、同様に、図11の符号▲3▼および▲3▼′でそれぞれ示すようになる。
【0100】
図11から明らかなように、溝深さdを0.74d0 以上とすれば、上記の波長域で+1次光26の回折効率が、除去したい0次光28の回折効率よりも高くなる。また、溝深さdを1.43d0 以下とすれば、上記の波長域で+1次光26の回折効率が10%以上で、0次光28の回折効率よりも高くなる。したがって、溝深さdを、0.74d0 ≦d≦1.43d0 とすれば、+1次光26は照明光として使用する可視域において常に除去したい0次光28よりも強く、回折効率は10%以上となるので、+1次光26を用いて、必要な波長域全域で実用上十分に明るい照明光を得ることができる。
【0101】
なお、この参考例においても、回折型レンズ25で回折されて光路から外れたり、あるいは絞り27で遮られた回折次数光、特に0次光28には、赤外域の成分を多く含むため、これらの回折次数光が入射する鏡筒部分などや絞り27で熱が発生するおそれがある。そこで、この参考例においても、第1実施形態と同様に、それらの部分に熱が発散し易くする放熱手段を設けるのが好ましい。その放熱手段の一例として、第1実施形態で説明したようなものの他、絞り27に放熱板を取り付けて、絞り27で発生する熱の発散を促すようにする。このようにすれば、鏡筒や絞り27の発熱を有効に防止できるので、それらの劣化や破損、および鏡筒や絞り27から伝わった熱による光学素子や他の部品の劣化や破損を有効に防止することができる。
【0102】
以上、光路中に赤外カットフィルタを配置しない場合について説明したが、光路中に赤外カットフィルタを配置することもできる。この場合には、図19に示すように、絞り27と観察対象物14との間に赤外カットフィルタ21を配置するのが好ましい。このようにすれば、わずかではあるが、絞り27を透過する赤外域の成分を赤外カットフィルタ21で除去できるので、照明光からさらに効率よく赤外光を除去でき、各光学素子の熱による劣化や破損をさらに効果的に防ぐことができるようになる。
【0103】
なお、この参考例においても、回折型レンズ25は、第1実施形態と同様に石英製であることが望ましい。すなわち、第1実施形態で説明したように、回折型レンズ25を石英製とすれば、波長約4μm以下の赤外光が入射しても、そのほとんどが吸収せずに透過するので、回折型レンズ25自体の発熱がほとんどなく、したがって回折型レンズ25の熱による劣化や破損を効果的に防ぐことができる。
【0104】
図20は、この発明とともに開発した照明光学系の第2参考例を示すものである。この参考例では、反射鏡11aおよびランプ11bを有する光源11からの、少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を、レリーフ型の回折型レンズ25に入射して複数の回折次数の光に回折させ、その+1次光26をライトガイド18の入射側端面19に入射させて、該ライトガイド18内を伝播させ、その反対側の出射側端面から出射される照明光によって物点上の観察対象物を照明するようにする。ここで、ランプ11bは、可視光で観察する場合には、第1実施形態や第1参考例の場合と同様に、可視域に強い放射を有するキセノンランプやハロゲンランプ、メタルハライドランプなどを用いる。また、レリーフ型の回折型レンズ25は、第1参考例と同様に、そのレリーフパターンの断面形状をブレーズ形状とする。
【0105】
この参考例において、回折型レンズ25に入射した光は、第1参考例で説明したように回折されて複数の回折次数光に分かれ、そのうち0次光28は直進し、±m次光は回折して集光、あるいは発散する。ここで、回折角は回折次数毎に異なり、焦点距離も異なる。このため、+m次光(m=1,2,3,・・・)の結像面上において、+m次光は結像しているが、他の次数光は結像せず広がることになる。したがって、+m次光の結像面の位置にライトガイド18の入射側端面19を配置すれば、+m次光はすべてライトガイド18に入射し、該ライトガイド18を経て観察対象物を照明するが、他の次数光は一部しか入射せず、大部分は光路外へ外れることになる。
【0106】
既に説明したように、回折型レンズ25のレリーフパターンのある溝深さdに対して、回折次数mが大きくなるほど波長λは短くなる。したがって、回折次数mによって回折効率が100%となる波長が異なるので、回折次数を選ぶことによって、波長域を選ぶことができる。この場合、可視域での回折効率が高ければ、+m次光は何次光でもよいが、第1参考例で説明したように、+1次光を照明光として使用するのが好ましい。さらに、図8に示したように、+1次光26の回折効率が可視域で高く、0次光28の回折効率が赤外域で高くなるように溝深さdを決める。
【0107】
このようにして、回折型レンズ25で回折された+1次光26の結像面の位置にライトガイド18の入射側端面19を配置すれば、可視域の成分を多く含む+1次光26はライトガイド18を通り抜けて観察対象物を照明し、赤外域の成分は主に他の回折次数光、特に0次光28として回折して、ライトガイド18にほとんど入射せず、照明光から除去される。したがって、不要な赤外光を赤外カットフィルタを用いることなく有効に除去することができる。
【0108】
なお、回折型レンズ25のレリーフパターンは、断面形状がブレーズ形状であるため、既に説明したように、ある波長に対し回折効率はほぼ100%となる。したがって、図8に示したように、可視域のある波長で回折効率が+1次光に対し100%となるようにすれば、他の形状の回折型レンズを用いるよりも明るい照明光を得ることができる。しかも、0次光などの+1次光以外の回折光は、可視域での回折効率が低いので、光源11から放射される可視域のエネルギーは1次光26に集中し、効率的に使うことができる。
【0109】
ここで、回折型レンズ25は、発生する回折次数光のうち、照明光として使用する回折次数光、ここでは+1次光26、の波長0.7μm近傍における開口数が、ライトガイド18の開口数にほぼ等しいようなものであることが望ましい。すなわち、ライトガイド18の開口数(NA)は、上記(3)式で表される。また、回折型レンズ25で光が回折するとき、その回折角は長波長の光ほど大きくなるので、長波長の光ほど開口数は大きくなる。
【0110】
したがって、照明光として使用する+1次光26の波長0.7μm近傍における回折型レンズ25の開口数を、ライトガイド18の開口数とほぼ等しくなるようにすれば、それより短波長の光では回折型レンズ25の開口数がライトガイド18の開口数より小さいので、ライトガイド18の入射側端面19に入射した+1次光26は全てライトガイド18を通り抜けることになる。これに対して、0.7μm近傍より長波長の光では、回折型レンズ25の開口数がライトガイド18の開口数より大きくなるため、ライトガイド18の入射側端面19に入射した+1次光26のうち、中心付近の入射角が上記(3)式の入射角Aより小さい光しか通り抜けることができず、ライトガイド18を透過する光量が減る。この回折型レンズ25の開口数は、波長が長くなればなるほど大きくなるので、より中心の一部の光しか通り抜けられなくなる。すなわち、照明光として必要な可視光は、効率よくライトガイド18を通り抜け、除去したい赤外光はライトガイド18をほとんど通り抜けられないことになる。
【0111】
照明光に使用する+1次光26は、回折型レンズ25で赤外域の成分を既に大部分除去してあるが、図8から明らかなように、特定の波長以外は+1次光26の回折効率が0でないため、赤外域の成分も若干含まれる。しかし、上述したような開口数の回折型レンズ25を用いれば、0.7μm近傍より長波長の光は一部しかライトガイド18を透過できず、若干残った赤外域の成分をさらに除去することができるので、より赤外域の成分の少ない照明光を得ることができる。したがって、観察対象物に照射される赤外光をさらに減少することができる。
【0112】
ところで、回折型レンズ25のレリーフパターンの溝深さdは、+1次光26の回折効率が可視域で高くなるような深さであることが望ましいが、第1参考例と同様に、d=d0であることが特に望ましい。ただし、d0 は、波長0.4μmと0.7μmにおける+1次光26の回折効率が等しくなるような溝深さである。このようにすれば、図11の曲線2および2′から明らかなように、+1次光26の回折効率は、最も低いとき、すなわち波長0.4μmおよび0.7μmにおいても75%以上と高く、特に明るい照明光を得ることができる。また、波長0.4μmから0.7μmにおいて、光量の波長依存性が小さくなって、より分光特性が平坦な照明光を得ることができる。
【0113】
また、レリーフパターンの溝深さdは、必ずしもd0 である必要はなく、0.74d0 ≦d≦1.43d0であれば、実用上充分な効果を得ることができる。すなわち、第1参考例で説明したように、溝深さdが上記の範囲内であれば、+1次光は照明光として使用する可視域において常に除去したい0次光より強く、回折効率は10%以上である。したがって、+1次光26を用いて、必要な波長域全域で実用上充分に明るい照明光を得ることができる。
【0114】
この参考例においても、回折型レンズ25で回折され、光路から外れた回折次数光、特に0次光28は赤外域の成分を多く含むため、これらの回折次数光が照射される、例えば鏡筒部分では熱が発生する。そこで、第1実施形態や第1参考例と同様に、その部分に熱が発散し易くする放熱手段を設けるとよい。その放熱手段としては、例えば、第1実施形態で説明したようなものの他、ライトガイド18の入射側端面19の光が入射しない外周部分に放熱板を付け、ライトガイド18の端面で発生する熱の発散を促するようにしてもよい。このようにすれば、鏡筒等が熱を持つのを防ぎ、それ自体の劣化や破損、鏡筒等から伝わった熱による光学素子や他の部品の劣化や破損を有効に防止することができる。
【0115】
以上は、光路中に赤外カットフィルタを置かない場合について説明したが、赤外カットフィルタを光路中に配置することもできる。この場合は、図21に示すように、回折型レンズ25とライトガイド18との間であって、+2次以上の高次の回折次数光が大きく広がるように、できるだけライトガイド18の入射側端面19に近い位置に赤外カットフィルタ21を配置するのが望ましい。このように、できるだけ+1次光以外の光が入射しないように、+1次光のみ入射するような大きさの赤外カットフィルタ21を配置すれば、図9で説明した入射角Aより小さな角度で入射した0.7μmより長波長の赤外域の成分を除去することができるので、照明光に含まれる赤外域の成分をさらに除去することができる。
【0116】
また、回折型レンズ25は、第1実施形態と同様に石英製であることが望ましい。このように、回折型レンズ25を石英製とすれば、第1実施形態や第1参考例で説明したように、波長約4μm以下の赤外光を入射してもほとんど吸収せずに透過するので、回折型レンズ25の中で熱はほとんど発生せず、回折型レンズ25の熱による劣化や破損を効果的に防ぐことができる。
【0117】
図22は、第3参考例を示すものである。この参考例は、第2参考例において、回折型レンズ25とライトガイド18との間の光路中に絞り27を配置したものである。光源11からの光は、まずレリーフ型の回折型レンズ25に入射する。ここで、可視光で観察する場合には、上述した実施形態や参考例と同様に、光源11のランプ11bとして可視域に強いスペクトルを有するキセノンランプやハロゲンランプ、メタルハライドランプなどが適している。また、レリーフ型の回折型レンズ25は、第1、第2参考例と同様に、レリーフパターンの断面形状をブレーズ形状とする。
【0118】
回折型レンズ25に入射した光は回折され、複数の回折次数光に分かれ、0次光28は直進し、±m次光は回折して集光、あるいは発散する。この場合の回折角は、次数毎に異なり、焦点距離も異なる。したがって、+m次光の焦点位置に絞り27を配置すれば、+m次光のみ取り出し、他の回折次数光を除去できる。この場合、可視域での回折効率が高ければ+m次光は何次光でもよいが、第1参考例で説明したように、+1次光を照明光として使用するのが好ましいので、ここでは、+1次光を照明光として使用する場合について説明する。
【0119】
絞り27は、可視域での光強度が強い+1次光26のみ通過し、赤外域での光強度が強い他の次数、特に0次光28を遮断するように、+1次光26の焦点位置で、+1次光26の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に配置するのが望ましい。ただし、波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、
0.35μm≦λ1 ≦0.45μm
0.65μm≦λ2 ≦0.8μm
の範囲である。ここで、回折型レンズ25で光が回折するとき、長波長の光ほど大きく曲がる。したがって、白色光を回折型レンズ25に入射すれば、回折型レンズ25から結像点の距離は長波長ほど短くなるので、図9に示したように、+m次光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に、この光束径とほぼ等しい絞り径を有する絞り27を配置すれば、必要な波長範囲λ1 からλ2 の光は絞り27で蹴られることなくすべて通り抜けることになる。これに対し、波長λ1 より短波長域、およびλ2 より長波長域においては、光束は絞り面上で絞り径より広がり、一部しか絞り27を通り抜けられなくなる。
【0120】
したがって、図8ち示した回折効率の波長依存性を有する回折型レンズ25を用いた場合には、絞り27を+1次光26の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に配置すれば、+1次光26のみ透過するだけでなく、その中に含まれる必要な波長範囲λ1 〜λ2 の成分のみ透過することになるので、照明光として使用する+1次光26に含まれる赤外光もさらに除去でき、必要範囲外の波長成分をほとんど含まない照明光を得ることができると共に、赤外光を吸収することによって発生する熱による光学素子などの劣化や破損をさらに効率よく防ぐことができる。
【0121】
ここで、波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、0.38μm≦λ1 ≦0.42μm0.68μm≦λ2 ≦0.72μmであるとさらに望ましい。このようにすれば、波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の可視域の光のみ絞り27を通過することになる。ここで、絞り27の絞り径は、第1参考例で説明したように、λ1 〜λ2 の波長範囲が広いほど大きくしなければならないが、この波長域外の光、例えば赤外光であっても、絞り面上で光軸付近を通る光は絞り27を透過することになる。このため、λ1 〜λ2の波長範囲を広げれば広げるほど、絞り径が大きくなり、絞り27を透過する赤外光の光量が増えることになる。
【0122】
これに対し、λ1 〜λ2 の波長範囲を狭くすれば、絞り径を小さくでき、絞り27を透過する赤外光の光量もより減少できるが、可視域のうち短波長域および長波長域の光の一部も絞り27で遮光されるため、光量が減ることになる。しかし、比視感度は明所視の場合およそ0.7μm以上で値が非常に小さく、暗所視の場合およそ0.4μm以下で値が非常に小さいので、波長0.4μm以下および0.7μm以上では光量が減っても、目視観察にはほとんど影響がない。したがって、上記のように波長0.4μm近傍から0.7μm近傍の範囲の光が絞り27を透過するようにすれば、絞り27を透過する赤外光が少なく、かつ、可視域の成分の減少が実用上問題のない、よりよい照明光を得ることができる。
【0123】
なお、この参考例においては、絞り27で赤外光を遮断して除去するため、絞り27で熱が発生するおそれがある。このため、絞り27に図16で示したような放熱板を付けるのが好ましい。また、鏡筒等でも熱が発生するため、第1実施形態や第1,第2参考例で説明したように、放熱板を付けたような形状の鏡筒にしたり、鏡筒を直接空冷や水冷するとよい。このようにすれば、鏡筒や絞り27が熱を持つのを防ぎ、鏡筒や絞り27自体の劣化や破損、鏡筒や絞り27から伝わった熱による光学素子や他の部品の劣化や破損を有効に防止することができる。
【0124】
さらに、この参考例においても、光路中に赤外カットフィルタを配置することもできる。この場合には、図23に示すように、絞り27とライトガイド18との間に赤外カットフィルタ21を配置するのが望ましい。このように構成すれば、わずかではあるが、絞り27を透過する赤外域の成分を赤外カットフィルタ21で除去することができるので、照明光からさらに効率よく赤外光を除去することができ、各光学素子の熱による劣化や破損をさらに効果的に防止することができる。
【0125】
さらにまた、回折型レンズ25は、第1実施形態や第1,第2参考例と同様に石英製であることが望ましい。このように、回折型レンズ25を石英製とすれば、第1実施形態や第1,第2参考例で説明したように、波長約4μm以下の赤外光を入射してもほとんど吸収せずに透過するので、回折型レンズ25の中で熱はほとんど発生せず、回折型レンズ25の熱による劣化や破損を効果的に防ぐことができる。
【0126】
図24は、この発明に係る照明光学系を適用する内視鏡システムの一例の構成を示すものである。この内視鏡システムは、上述したこの発明に係る照明光学系を有する光源部31からの照明光を、内視鏡32の操作部33、挿入部34および湾曲部35に亘って延在して配置されたライトガイド18に入射させ、操作部33により湾曲部35を湾曲操作することにより、例えば体腔内の所望の観察対象物14を照明するようにしたものである。なお、内視鏡32には、ライトガイド18の他に、イメージガイドや送吸気用チューブなども、操作部33、挿入部34および湾曲部35に亘って延在して配置されている。また、観察対象物14で反射された光は、イメージガイドを経て内視鏡32の接眼部36に伝搬して、目視観察したり、あるいは接眼部36にCCD等の撮像素子を設けて結像させてモニタ画面で観察するようにする。
【0127】
図24に示す内視鏡システムにおいて、光源部31内の照明光学系は、既に説明したように、ランプからの光を回折光学素子で回折して赤外域の成分を光路から外し、可視域の成分のみをライトガイド18に入射して、主として可視域の成分からなる照明光を得ることができるものである。したがって、赤外吸収フィルタや赤外反射フィルタ等の赤外カットフィルタを用いなくても、赤外光を有効に除去することができ、また、赤外カットフィルタを用いる場合でも、フィルタでの発熱を有効に防止でき、フィルタの劣化を有効に防止できるので、光源部31を安価にできると共に、その耐久性も高くできる。また、ライトガイド18やその他の光学素子に赤外光が入射しないので、それらが熱を発生することがなく、熱による劣化や破損を効果的に抑えることができる。したがって、全体として安価で耐久性に優れた内視鏡システムを実現することができる。
【0128】
付記項
1.少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源と、前記白色光の光束を回折するレリーフ型回折光学素子とを有し、
前記レリーフ型回折光学素子は、断面形状が矩形で等間隔の格子を有し、
該レリーフ型回折光学素子から射出した回折光のうち0次光を照明光として使用し得るよう構成したことを特徴とする照明光学系。
2.付記項1記載の照明光学系において、
前記0次光の光束を物点まで伝送するためのライトガイドを有することを特徴とする照明光学系。
3.付記項1または2記載の照明光学系において、
前記レリーフ型回折光学素子のレリーフパターンは、該レリーフパターンの各凸部の幅と、隣接する凸部のピッチとの比βが、
0.34≦β≦0.66
で、溝深さdが、
0.85d0 ≦d≦1.09d0
てあることを特徴とする照明光学系。
ただし、d0 は、波長0.4μmおよび0.7μmにおいて0次光の回折効率が等しくなるような溝深さである。
4.付記項3記載の照明光学系において、
前記比βが、
0.45≦β≦0.55
で、前記溝深さdが、
0.96d0 ≦d≦1.02d0
であることを特徴とする照明光学系。
5.少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源と、前記白色光の光束を回折するレリーフ型の回折型レンズと、この回折型レンズより像点側に配置した絞りとを有し、
前記回折型レンズは、ブレーズ形状の断面形状を有し、
前記絞りは、照明光として使用する前記回折型レンズの回折次数光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる光軸方向の位置に配置され、前記光束径とほぼ等しい絞りの径を有することを特徴とする照明光学系。
ただし、波長λ1 および波長λ2 は、それぞれ以下の範囲内の波長である。
0.35μm≦λ1 ≦0.45μm
0.65μm≦λ2 ≦0.8μm
6.付記項5記載の照明光学系において、
前記波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、
0.38μm≦λ1 ≦0.42μm
0.68μm≦λ2 ≦0.72μm
の範囲であることを特徴とする照明光学系。
7.少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源と、前記白色光の光束を物点まで伝送するためのライトガイドとを有する照明光学系において、
前記光源と前記ライトガイドの入射側端面との間の光路中に配置した、断面形状がブレーズ形状のレリーフ型の回折型レンズを有することを特徴とする照明光学系。
8.付記項7記載の照明光学系において、
前記レリーフ型の回折型レンズで発生する回折次数光のうち、ある回折次数光の波長λ3 における開口数が、前記ライトガイドの開口数にほぼ等しいことを特徴とする照明光学系。
ただし、波長λ3 は、
0.68μm≦λ3 ≦0.72μm
の範囲である。
9.付記項7記載の照明光学系において、
前記レリーフ型の回折型レンズと前記ライトガイドの入射側端面との間の光軸上で、照明光として使用する回折次数光の波長λ1 と波長λ2 との光束径がほぼ等しくなる位置に、該光束径とほぼ等しい絞り径を有する絞りを配置したことを特徴とする照明光学系。
ただし、波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、
0.35μm≦λ1 ≦0.45μm
0.65μm≦λ2 ≦0.8μm
の範囲である。
10.付記項9記載の照明光学系において、
前記波長λ1 およびλ2 は、それぞれ、
0.38μm≦λ1 ≦0.42μm
0.68μm≦λ2 ≦0.72μm
の範囲であることを特徴とする照明光学系。
11.付記項5〜10のいずれか記載の照明光学系において、
前記レリーフ型の回折型レンズのレリーフパターンの溝深さdが、
0.74d0 ≦d≦1.43d0
であることを特徴とする照明光学系。
ただし、d0 は、波長0.4μmと0.7μmとにおける+1次光の回折効率が等しくなるときの溝深さである。
12.付記項1〜11のいずれか記載の照明光学系において、
前記回折光学素子または前記回折型レンズが石英製であることを特徴とする照明光学系。
13.付記項1〜4のいずれか、または付記項7〜12のいずれか記載の照明光学系を有する内視鏡システム。
【0129】
【発明の効果】
この発明によれば、レリーフ型回折光学素子で、光源からの光のうち比較的短波長の可視光と比較的長波長の赤外光を異なる回折次数光として異なる方向に曲げ、赤外域の成分が多く含まれる±1次光を光路から外して照明光から除去し、可視域の成分が多く含まれ、赤外域の成分が少ない0次光を照明光として使用することができるので、赤外カットフィルタを用いなくても、赤外光を除去した照明光を得ることができる。また、赤外カットフィルタを用いる場合でも、回折光学素子で赤外光を光路から外した後に、赤外カットフィルタを位置させることにより、該赤外カットフィルタを通る赤外光を大幅に減少できるので、その発熱量も減少でき、したがって赤外カットフィルタの劣化や破損を有効に抑えることができる。
【0131】
また、光源からの照明光のうち可視光のみライトガイドを通して観察対象物に照射することができ、赤外光はライトガイドに入射せずに光路から外すことができるので、不要な赤外光を赤外カットフィルタを使用することなく除去することができると共に、赤外カットフィルタを使用する場合でも、それを回折型レンズとライトガイドとの間に配置することにより、該赤外カットフィルタで発生する熱量を減少でき、その劣化や破損を有効に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レリーフ型回折光学素子の四つの例を示す断面図である。
【図2】図1(a)に示す断面構造のレリーフ型回折光学素子における0次光および±1次光の回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図3】この発明で用いるレリーフ型回折光学素子のレリーフパターンの凸部の幅と、ピッチとの比βを説明するための図である。
【図4】図1(a)に示す断面構造のレリーフ型回折光学素子において、±1次光の回折効率が最大となるような波長での±1次光および0次光の回折効率のβ依存性の一例を示す図である。
【図5】図1(a)に示す断面構造のレリーフ型回折光学素子において、溝深さが0.85d0 、d0 および1.09d0 のときの0次光の回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図6】同じく、溝深さが0.96d0 、d0 および1.02d0 のときの0次光の回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図7】レリーフ型の回折型レンズの一例を示す平面図および断面図である。
【図8】図7に示すレリーフ型の回折型レンズにおける0次光と+1次光との回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図9】この発明の一実施形態を説明するための図である。
【図10】同じく、この発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図11】図7に示すブレーズ形状の断面構造のレリーフ型の回折型レンズにおいて、溝深さがd=0.74d0 、d0 および1.43d0 のときの+1次光および0次光の回折効率の波長依存性の一例を示す図である。
【図12】この発明に係る照明光学系の第1実施形態を示す図である。
【図13】図12に示す回折光学素子の二つの例を示す図である。
【図14】図13に示す回折光学素子における回折作用を説明するための図である。
【図15】図12に示す第1実施形態の変形例を示す図である。
【図16】放熱手段を説明するための図である。
【図17】図12および図15において、それぞれ赤外カットフィルタを設けた場合の構成を示す図である。
【図18】この発明とともに開発した照明光学系の第1参考例を示す図である。
【図19】図18において、赤外カットフィルタを設けた場合の構成を示す図である。
【図20】この発明とともに開発した照明光学系の第2参考例を示す図である。
【図21】図20において、赤外カットフィルタを設けた場合の構成を示す図である。
【図22】この発明とともに開発した照明光学系の第3参考例を示す図である。
【図23】図22において、赤外カットフィルタを設けた場合の構成を示す図である。
【図24】この発明に係る照明光学系を適用する内視鏡システムの一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 回折型レンズ
2 絞り
3 光ファイバ
4 コア
5 クラッド
11 光源
11a 反射鏡
11b ランプ
12 レリーフ型回折光学素子
13 0次光
14 観察対象物
15,16 ±1次光
17 集光レンズ
18 ライトガイド
19 入射側端面
20 鏡筒
21 赤外カットフィルタ
25 回折型レンズ
26 +1次光
27 絞り
28 0次光
29 +2次光
31 光源部
32 内視鏡
33 操作部
34 挿入部
35 湾曲部
36 接眼部

Claims (4)

  1. 少なくとも可視および赤外域の成分を含む白色光を射出する光源と、前記白色光の光束を回折するレリーフ型回折光学素子とを有し、
    前記レリーフ型回折光学素子のレリーフパターンは、断面形状が矩形で等間隔の格子であって、
    前記格子は、幅及び深さがいずれも同じである凸部と、幅及び深さが何れも同じである凹部で構成され、
    前記凸部及び前記凹部は、前記可視域の成分を主に0次光として直進させ、前記赤外域の成分を主に±1次光として回折させる幅と深さを有するものであり、
    前記レリーフ型回折光学素子から射出した回折光のうち前記可視域の0次光を照明光として使用することを特徴とする照明光学系。
  2. 請求項1記載の照明光学系において、前記0次光の光束を物点まで伝送するためのライトガイドを有することを特徴とする照明光学系。
  3. 請求項1記載の照明光学系において、前記レリーフパターンの各凸部の前記幅と、隣接する凸部のピッチとの比βが、
    0.34≦β≦0.66
    で、前記溝の深さdが、
    0.85d0 ≦d≦1.09d0
    であることを特徴とする照明光学系。
    ただし、d0 は、波長0.4μmおよび0.7μmにおいて0次光の回折効率が等しくなる溝深さである。
  4. 請求項1に記載の照明光学系を有する内視鏡システム。
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