JP3891247B2 - 放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物及び光ファイバー - Google Patents

放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物及び光ファイバー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物に関し、特に光、電子線等によって硬化し、光ファイバー上にファイバーのプライマリーコートを形成する場合に有効な樹脂組成物及びこの組成物によるプライマリーコート層を有する光ファイバーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、パソコンなどの情報用機器の発展と共に情報伝達量が増加し、通信回線の高速化、大容量化及び低コスト化の要求が増加している。そのためこれらの要求にマッチした光ファイバー通信網の構築がなされている。この通信網に使われる光ファイバーは、その特性から主に石英光ファイバーが用いられている。しかし、石英光ファイバーは、引っ張り強度は強いものの曲げに対しては弱いため、ファイバーに線引きされた直後、ファイバーに柔軟性、曲げ強度を与えるため、表面にコーティングがなされる。
【0003】
従来、コート材としては、熱硬化型シリコーン樹脂や、末端にウレタン結合を介して二重結合を有するポリエーテルのジアクリルポリマー、コポリマーを主成分として、これを光重合することによって得られるものが用いられている。しかし、シリコーン樹脂は、光ファイバーコート材として優れた特性を持つものの、価格が高く、熱硬化なので線引き速度が遅いという欠点がある。
【0004】
一方、末端にウレタン結合を介して二重結合を有するポリマーを骨格とするコート材は、内側に柔らかく柔軟なポリマーによるプライマリーコート材を形成し、その上に比較的硬いセカンダリーコート材を塗布し、紫外線硬化等によって硬化させる手段が用いられるため、高速線引きに対応が可能であるが、ウレタン結合に起因する水素結合のため、得られたポリマーの低温特性が悪いという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、伸び特性、低温特性に優れた硬化皮膜を与える放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物及びこの硬化皮膜(プライマリーコート層)を有する光ファイバーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体の両末端の水酸基を直接(メタ)アクリル酸によりエステル化し、二重結合を導入した平均分子量が一定値以上のジ(メタ)アクリルオリゴマーと、(B)(メタ)アクリル酸のモノエステルを有するオリゴマー及び/又は(メタ)アクリル酸のモノエステルモノマーとを特定割合で併用することにより、伸び特性、低温特性に優れた硬化皮膜を与えるコート材が得られることを知見した。即ち、光ファイバーのコート材、特に石英製の光ファイバーのプライマリーコート材は、石英ファイバーに直接接するため、石英ファイバーに対する接着性、柔軟性、伸び、高屈折率が要求され、長期間の使用に耐えるため化学的な安定性、耐溶剤性などが要求される。こういった特性要求に対し、ポリエーテル類は、その構造から石英ファイバーに対して優れた接着特性を示す。この場合、エーテル骨格がエチレングリコールからなるものは耐水性が悪い。このため、工業的にはプロピレングリコール、テトラメチレングリコールを骨格としたものが上記用途には好ましい。一方、屈折率は高い方が望ましく、この場合はテトラメチレングリコール骨格の方が好ましい。しかし、テトラメチレングリコール骨格からなるポリエーテルは、結晶性が高いためプライマリーコート材としては欠点となる。
【0007】
以上のことから、本発明者らは検討を進めた結果、特定の数平均分子量を持つプロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体を骨格とし、その両末端水酸基を(メタ)アクリルエステル化したオリゴマーが優れた性能を有することを知見したものである。
【0008】
また、上記(A)成分を得る際に、(メタ)アクリル酸によるエステル化後、ジイソシアネートを加えて、上記コポリマー(共重合体)の未反応末端水酸基をブロックすることにより、耐溶剤性を優れたものにし得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
従って、本発明は、
[I](A)数平均分子量が3,000以上のポリエーテル骨格を有するオリゴマーであって、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体に直接アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させることによって得られた前記共重合体の両末端水酸基がアクリルエステル化あるいはメタアクリルエステル化されたジ(メタ)アクリルオリゴマー、及び
(B)アクリル酸あるいはメタアクリル酸のモノエステルを有するオリゴマー及び/又はアクリル酸あるいはメタアクリル酸のモノエステルモノマーを主成分としてなり、(A)成分と(B)成分との割合が重量比として30:70〜80:20であることを特徴とする放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物
[II]上記(A)成分が、アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させた後、ジイソシアネートを反応させて、上記共重合体の未反応末端水酸基をブロックしたオリゴマーである[I]記載の組成物、
[III](A)成分における共重合体にアクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させることによって得られた前記共重合体の両末端水酸基がアクリルエステル化あるいはメタアクリルエステル化されたジ(メタ)アクリルオリゴマーにおいて、前記反応率が80〜92%であり、残存する未反応末端水酸基をジイソシアネートと反応させてブロック化したオリゴマーを(A)成分として使用する[II]記載の組成物、
[IV]上記[I]、[II]又は[III]記載の組成物によるプライマリーコート層を有する光ファイバー
を提供する。
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物の(A)成分は、数平均分子量が3,000以上、好ましくは3,000〜20,000、更に好ましくは4,000〜10,000のポリエーテル骨格を有するオリゴマーであって、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させることにより、このポリエーテル骨格を形成する共重合体の両末端水酸基が(メタ)アクリル酸によってエステル化したものである。
【0011】
ここで、本組成物の硬化皮膜の伸びは、上記オリゴマーの分子量に関係し、オリゴマー中のポリエーテル骨格部の数平均分子量が3,000より少ないと、十分な伸びが得られず、このため特にプライマリーコート材としては、オリゴマー中のポリエーテル骨格部の数平均分子量が3,000以上であることが必要である。
【0012】
また、ポリエーテル骨格を形成するプロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体において、テトラヒドロフラン含有量は、伸び特性、屈折率等の点から、20〜80重量%、特に30〜70重量%であることが好ましい。
【0013】
上記プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体の(メタ)アクリル酸による末端水酸基の(メタ)アクリルエステル化は、公知の方法によって行うことができ、通常、このプロピレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体の両末端の水酸基の(メタ)アクリルエステル化の反応は、製造コストから工業的には触媒の存在下、上記共重合体と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応がなされる。この場合、(メタ)アクリル酸の二重結合が熱重合を開始するため反応温度を下げざるを得ず、このため、反応を工業的に得られる条件で完結させることができずに水酸基の一部が未反応で残ってしまう場合がある。このように上記共重合体の未反応もしくは片側だけが(メタ)アクリル化されて残存する水酸基末端が存在すると、これが硬化皮膜中から一部溶剤で溶出され、耐溶剤性を低下させるおそれがある。このため、アクリルエステル反応後、ジイソシアネートを加え、上記共重合体の未反応乃至は残存水酸基末端をジイソシアネートでブロックすることが推奨され、この反応未完結のオリゴマーの水酸基同士をジイソシアネートを用いて結合することで、オリゴマーの耐溶剤性が改良されるものである。
【0014】
なお、この場合に用いられるジイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族等の有機ジイソシアネートが挙げられ、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示される。
【0015】
本発明組成物の(B)成分は、(メタ)アクリル酸のモノエステルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸のモノエステルを有するオリゴマーであり、これは上記(A)成分のオリゴマーとの粘度調整のために用いられる。
【0016】
ここで、(メタ)アクリル酸のモノエステルのモノマーとしては、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドフォスフェート、トリクロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
一方、(メタ)アクリル酸のモノエステルを有するオリゴマーとしては、ヒドロキシポリアルキレンポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレンポリエーテル(メタ)アクリレート、アリーロキシポリアルキレンポリエーテル(メタ)アクリレート、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。上記ポリアルキレンポリエーテルの骨格は、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体としてもよい。このポリアルキレンポリエーテル鎖は、オキシアルキレン単位の繰り返し数が2以上のものであればよいが、数平均分子量が5,000より大きいとゲル分率が低下する場合があるので、数平均分子量は5,000以下とすることが好ましい。更に、ポリアルキレンポリエーテルジオール、アルコキシポリアルキレンポリエーテルモノオール又はアリーロキシポリアルキレンポリエーテルモノオールの片末端の水酸基と、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)の水酸基をそれぞれジイソシアネート(例えば、2,4−トルエンジイソシアネート)の2つのイソシアネート基に付加した化合物、即ちヒドロキシポリアルキレンポリエーテルウレタンモノ(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレンポリエーテルウレタンモノ(メタ)アクリレート又はアリーロキシポリアルキレンポリエーテルウレタンモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。また、ポリアルキレンポリエーテル鎖の代わりに、ポリアルキレンポリエステル鎖(例えば、ポリε−カプロラクトン)を用いることもできる。
【0018】
上記(A)成分と(B)成分とは、重量比として(A):(B)=30:70〜80:20の割合、好ましくは40:60〜70:30の割合で使用する。(A)成分が少なすぎると、硬化皮膜の伸び量が小さくなる。また、(A)成分が多すぎると、組成物の粘度が(A)成分のオリゴマーによって殆ど決定され、ファイバー線引き条件に応じて行う粘度調整のマージンが少なくなり、得策でない。
【0019】
本発明の組成物には、放射線による硬化性を向上するため、公知の光重合開始剤を使用することができる。具体的な光重合開始剤として、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、フェニルアセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンゾフェノン及び3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾイル及びベンゾインブチルメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン誘導体、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、フルオレン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド誘導体が挙げられる。
【0020】
光重合開始剤量は、開始剤種と光照射量に関係するが、皮膜の十分な硬化が得られればよく、例えばダロキュア1173(商品名:チバガイギ社製)を用い、500mJ/cm2の紫外線照射量の場合、開始剤量は0.3重量部以上で使用可能な硬化を示す。一方、5重量部を超えて用いると開始剤分解物が皮膜中に存在するため、溶剤抽出すると溶出され、耐溶剤性が悪くなるおそれがある。かかる点から、光重合開始剤の配合量は、(A),(B)成分の合計量100重量部に対して0.3〜5重量部とすることが好ましい。
【0021】
本発明の組成物には、更に必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、有機溶剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤、着色顔料、有機又は無機粒子等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0022】
本発明の放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物は、上記した所要の成分を配合撹拌混合し、調製することができ、その粘度は、作業性の点で光ファイバー心線の通常の製造条件との適合性から、通常500〜10,000cp(25℃)、特に高速の製造条件では500〜4,000cp(25℃)の範囲が望ましい。
【0023】
本発明の放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物は、一次被覆材(プライマリー材)として使用される場合は、光ガラスファイバーに直接被覆され、硬化皮膜を形成するが、外部力及び温度変化によるマイクロベンドから心線を保護するために0.1kgf/mm2以下のヤング率を有することが望ましい。
【0024】
本発明の組成物を硬化する放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線があり、特に紫外線、電子線が好ましい。その照射条件等は、公知の方法を採用することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0026】
[オリゴマーの合成]
プロピレンオキサイド(PPO)とテトラヒドロフラン(THF)を加圧下で重合反応させ、数平均分子量が2,000、3,000、4,000、10,000の両末端に水酸基を持つ共重合ポリエーテルジオールを得た。屈折率から求めた共重合比はPPO分30重量%、THF分70重量%であった。これらポリエーテルジオールをトルエンに溶解させ、アクリル酸を過剰に加え、硫酸を触媒とし、ハイドロキノンを重合禁止剤として加え、65℃でエステル化反応を行った。水分の溜出が止まった後、更に8時間加熱し、その後、アルカリ洗浄と水洗浄を行い、溶媒除去してジアクリレートオリゴマーA〜Dを得た。水酸基を滴定によって測定し、残存水酸基を確認した。結果は表1の通りであった。また、比較のため、上記数平均分子量3,000の共重合ポリエーテルジオールの両末端水酸基とヒドロキシエチルアクリレートの水酸基を2,4−トルエンジイソシアネートのイソシアネート基に付加し、ウレタンジアクリレートオリゴマーを合成した。
【0027】
【表1】
Figure 0003891247
【0028】
[実施例1]
オリゴマーB60重量部、反応性希釈剤アロニックスM−113(商品名:東亜合成社製)40重量部、光重合開始剤ダロキュア1173(商品名:チバガイギ社製)3重量部を十分混合し、コート材1を得た。
【0029】
[比較例1]
前記ウレタンオリゴマー60重量部、アロニックスM−113 40重量部、ダロキュア1173 3重量部を十分混合し、コート材2を得た。
【0030】
[比較例2]
オリゴマーA60重量部、アロニックスM−113 40重量部、ダロキュア1173 3重量部を十分混合し、コート材3を得た。
【0031】
[実施例2]
オリゴマーBに、このオリゴマーの水酸基当量の1/2の2,4−トルエンジイソシアネートを加え、撹拌下60℃で8時間反応させた。反応後のオリゴマー60重量部、アロニックスM−113 40重量部、ダロキュア1173 3重量部を十分混合し、コート材4を得た。
【0032】
[実施例3]
オリゴマーCに、このオリゴマーの水酸基当量の1/2の2,4−トルエンジイソシアネートを加え、撹拌下60℃で8時間反応させた。反応後のオリゴマー60重量部、ポリエーテル鎖の数平均分子量が3,000のブトキシポリプロピレングリコールウレタンモノアクリレート20重量部、アロニックスM−11320重量部、ダロキュア1173 3重量部を十分混合し、コート材5を得た。
【0033】
[実施例4]
オリゴマーDに、このオリゴマーの水酸基当量の1/2の2,4−トルエンジイソシアネートを加え、撹拌下60℃で8時間反応させた。反応後のオリゴマー50重量部、アロニックスM−113 20重量部、ダロキュア1173 3重量部を十分混合し、コート材6を得た。
【0034】
次に、上記コート材について、破断伸び、耐溶剤性、低温特性を下記方法で調べた。結果を表2に示す。
破断伸びの測定:
コート材をガラス板上にバーコーターで厚さ200μmに塗布し、窒素雰囲気下で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、硬化皮膜をガラス板より剥離後、ダンベル形状に打ち抜き、オートグラフAGS−500G(商品名:島津製作所製)で破断伸びを測定した。
耐溶剤性の測定:
コート材をガラス板上にバーコーターで厚さ200μmに塗布し、窒素雰囲気下で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、硬化皮膜をガラス板より剥離後、ソックスレー抽出器を用いてアセトンで抽出し、抽出残分量を耐溶剤性の指標とした。
低温特性の測定:
コート材をガラス板上にバーコーターで厚さ200μmに塗布し、窒素雰囲気下で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、硬化皮膜をガラス板より剥離後、帯状に打ち抜き、ソリッドアナライザRSA−II(商品名:レオメトリックサイエンス社製)で−40℃と25℃でのヤング率E’を測定し、その比を指標とした。
【0035】
【表2】
Figure 0003891247
【0036】
【発明の効果】
本発明の放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物は、伸び特性、低温特性に優れた硬化皮膜を与える。

Claims (4)

  1. (A)数平均分子量が3,000以上のポリエーテル骨格を有するオリゴマーであって、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体に直接アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させることによって得られた前記共重合体の両末端水酸基がアクリルエステル化あるいはメタアクリルエステル化されたジ(メタ)アクリルオリゴマー、及び
    (B)アクリル酸あるいはメタアクリル酸のモノエステルを有するオリゴマー及び/又はアクリル酸あるいはメタアクリル酸のモノエステルモノマーを主成分としてなり、(A)成分と(B)成分との割合が重量比として30:70〜80:20であることを特徴とする放射線硬化型光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  2. 上記(A)成分が、アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させた後、ジイソシアネートを反応させて、上記共重合体の未反応末端水酸基をブロックしたオリゴマーである請求項1記載の組成物。
  3. (A)成分における共重合体にアクリル酸及び/又はメタアクリル酸を反応させることによって得られた前記共重合体の両末端水酸基がアクリルエステル化あるいはメタアクリルエステル化されたジ(メタ)アクリルオリゴマーにおいて、前記反応率が80〜92%であり、残存する未反応末端水酸基をジイソシアネートと反応させてブロック化したオリゴマーを(A)成分として使用する請求項2記載の組成物。
  4. 請求項1、2又は記載の組成物によるプライマリーコート層を有する光ファイバー。
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