JP3890993B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送風ユニットを車室外に搭載する車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車室内における空調装置の占める体積を低減して車室内スペースの拡充を図る手段として、送風ユニットを車室外(例えば、エンジンルーム内)に搭載したものがある。このように送風ユニットを車室外に搭載した空調装置では、車室外の送風ユニットと車室内の空調ユニットとを連通させる空気通路を、車室内と車室外とを区画する区画壁(例えば、ファイヤウォール)を貫通させる必要がある。このため、区画壁に空気通路を通すための貫通穴が形成され、この貫通穴部にシール構造を設定する必要が生じる。
【0003】
図3は従来技術による貫通穴部のシール構造を示しており、エンジンルーム12内に搭載される送風ユニットのスクロールケーシング13bの出口通路部13cの壁部13dにフランジ部13eを形成し、このフランジ部13eを区画壁10の貫通穴15の周縁部に多孔質樹脂材(フォーム材)からなる板状のシール材17を介在して圧着することにより、スクロールケーシング13bの出口通路部13cと区画壁10の車室外側の面との間をシールしている。
【0004】
同様に、車室内11に搭載される空調ユニットのケース14aの入口通路部14cの壁部14dにフランジ部14eを形成し、このフランジ部14eを区画壁10の貫通穴15の周縁部に多孔質樹脂材(フォーム材)からなる板状のシール材18を介在して圧着することにより、空調ユニットのケース14aの入口通路部14cと区画壁10の車室内側の面との間をシールしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術によると、車室外側と車室内側でそれぞれ別個のシール材17、18を必要とするので、2個のシール材17、18を所定位置に組み込む作業が必要となり、組付作業性を悪化させる。また、2個のシール材17、18は車室内外で防水性の有無による材質の違いがあり、更に、2個のシール材17、18は車室内の空調ユニットと車室外の送風ユニットの車両搭載位置のバラツキ量の違いにより板厚も異なっているので、2個のシール材17、18を別々の材質で別々の形状に成形する必要があり、その製造コストが高くなる。
【0006】
また、従来技術によると、2個のシール材17、18が単純な板形状であるので、車室内の空調ユニットの上下前後方向への車両搭載位置のバラツキに対する吸収幅がどうしても小さくなる。同様に、車室外の送風ユニットの車両搭載位置のバラツキに対する吸収幅も小さくなる。
【0007】
更に、従来技術によると、車室内の空調ユニットのケース14aの入口通路部14cに形成したフランジ部14eを区画壁10の貫通穴15の周縁部に板状のシール材18を介在して圧着する構成であるので、ケース14aの入口通路部14cの通路面積は必然的に区画壁10の貫通穴15の開口面積と同じになる。従って、区画壁10の貫通穴15の開口面積による制約を受けて、ケース14aの入口通路部14cの通路面積を、貫通穴15の開口面積からジャ流側の熱交換器の通風面積まで急激に拡大する必要が生じる。このため、ケース14aの入口通路部14cの下流側で急拡大による損失が発生して送風性能を低下させる原因となる。また、エンジンルーム12側のフランジ部13eと車室内11側のフランジ部14eとの突き合わせ部に段差が発生して異音を発生しやすいという不具合もある。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、送風ユニットを車室外に搭載する車両において、区画壁の貫通穴部のシール構造を簡素化することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、車室内の空調ユニットおよび車室外の送風ユニットの車両搭載位置のバラツキに対する吸収幅の拡大を図ることを他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、送風ユニットを車室外に搭載する車両において、送風性能の向上を図ることを他の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車室外(12)と車室内(11)とを区画する区画壁(10)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
車室外(12)に搭載され、空気を送風する送風ユニット(13)と、
車室内(11)に搭載されて送風ユニット(13)により送風される空気を温度調整して車室内(11)へ吹き出す空調ユニット(14)と、
区画壁(10)に形成された貫通穴(15)を貫通して、送風ユニット(13)の出口通路部(13c)を空調ユニット(14)の入口通路部(14c)に連通させる連通部材(16)とを備え、
連通部材(16)は、弾性材料により筒状の一体部品として成形され、
連通部材(16)は、筒状の一部に筒状の外方へ湾曲状に広がる弛み部(16d)を形成しており、
さらに、連通部材(16)の筒状の断面積が送風ユニット(13)の出口通路部(13c)側よりも空調ユニット(14)の入口通路部(14c)側で拡大しており、
連通部材(16)は、貫通穴(15)のシール機能および送風ユニット(13)の出口通路部(13c)と空調ユニット(14)の入口通路部(14c)との連通部のシール機能を発揮するようになっていることを特徴とする。
【0012】
これにより、連通部材(16)を形成する単一のシール部品を用いるのみで、貫通穴(15)を密封するシール機能および送風ユニット(13)と空調ユニット(14)間の連通部のシール機能を発揮することができ、送風ユニット(13)を車室外に搭載する車両においても、シール構造を簡素化でき、コスト低減を達成できる。
【0014】
また、請求項1に記載の発明では、連通部材(16)の筒状の一部に筒状の外方へ湾曲状に広がる弛み部(16d)を形成しているから、車室内の空調ユニット(14)の搭載位置が各部の寸法バラツキによりばらついても、連通部材(16)の湾曲状の弛み部(16d)を空調ユニット搭載位置のバラツキに応じて弾性的に伸縮させることにより、空調ユニット搭載位置のバラツキを吸収できる。そのため、空調ユニット(14)の搭載位置のバラツキに対する吸収幅を拡大できる。
さらに、請求項1に記載の発明では、連通部材(16)の筒状の断面積が送風ユニット(13)の出口通路部(13c)側よりも空調ユニット(14)の入口通路部(14c)側で拡大しているとともに、弛み部(16d)が筒状の外方へ広がる湾曲状の形状であるから、送風ユニット(13)の出口通路部(13c)から空調ユニット(14)の入口通路部(14c)へ向かって通路面積を徐変拡大することができる。この結果、空調ユニット(14)の入口通路部(14c)での通路面積の急拡大を抑制して、通路面積の急拡大による損失を抑えて送風性能を向上できる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、車室外(12)と車室内(11)とを区画する区画壁(10)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
車室外(12)に搭載され、空気を送風する送風ユニット(13)と、
車室内(11)に搭載されて送風ユニット(13)により送風される空気を温度調整して車室内(11)へ吹き出す空調ユニット(14)と、
区画壁(10)に形成された貫通穴(15)を貫通して、送風ユニット(13)の出口通路部(13c)を空調ユニット(14)の入口通路部(14c)に連通させる連通部材(16)とを備え、
連通部材(16)は、弾性材料により筒状の一体部品として成形され、貫通穴(15)のシール機能および送風ユニット(13)の出口通路部(13c)と空調ユニット(14)の入口通路部(14c)との連通部のシール機能を発揮するようになっており、
連通部材(16)に、筒状の内側方向へ突出して送風ユニット(13)の出口通路部(13c)の壁部(13d)の外表面上に弾性的に折れ曲がって圧着するリブ(16b)を形成したことを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項1に記載の発明と同様に、連通部材(16)を形成する単一のシール部品を用いるのみで、貫通穴(15)を密封するシール機能および送風ユニット(13)と空調ユニット(14)間の連通部のシール機能を発揮することができ、送風ユニット(13)を車室外に搭載する車両においても、シール構造を簡素化でき、コスト低減を達成できる。
これに加え、請求項3に記載の発明では、車室外の送風ユニット(13)の搭載位置のバラツキが発生しても、リブ(16b)の折れ曲がり部と壁部(13d)との圧着位置が送風ユニット搭載位置のバラツキに応じて変化することにより、送風ユニット搭載位置のバラツキを吸収できる。そのため、送風ユニット(13)の搭載位置のバラツキに対しても吸収幅を拡大できる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の車両用空調装置において、連通部材(16)の筒状の断面積が送風ユニット(13)の出口通路部(13c)側よりも空調ユニット(14)の入口通路部(14c)側で拡大していることを特徴とする。
【0018】
これにより、連通部材(16)の内部通路の形状でもって、送風ユニット(13)の出口通路部(13c)から空調ユニット(14)の入口通路部(14c)へ向かって通路面積を徐変拡大することができる。
【0019】
この結果、空調ユニット(14)の入口通路部(14c)での通路面積の急拡大を抑制して、通路面積の急拡大による損失を抑えて送風性能を向上できる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は本実施形態による車両用空調装置の車両搭載状態を示す要部の概要断面図であり、10は車両の金属製の区画壁で、車室内11と走行用エンジン(図示せず)が収納されたエンジンルーム(車室外)12とを区画するものであり、一般にはファイヤウォールと称されている。なお、区画壁10は、車両幅方向に拡がるように車両ボディに設けられて車両ボディの強度部材の一部を構成するものである。図1中、上下前後の矢印は車両搭載状態での方向を示す。
【0022】
そして、エンジンルーム12内には、車室内へ向かって空気を送風する送風ユニット13が区画壁10に隣接して搭載されている。この送風ユニット13には、遠心式の送風ファン13a、この送風ファン13aを収納する渦巻き状のスクロールケーシング13b、及び送風ファン13aを回転駆動する電動モータ(図示せず)等からなるものある。
【0023】
なお、本実施形態では、スクロールケーシング13bの空気吸入口(図示せず)に内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切り替え導入する内外気切替箱(図示せず)を接続して、送風ファン13aにより内気または外気を吸入してスクロールケーシング13b内を矢印aのように車室内(車両後方側)へ向かって送風するようになっている。
【0024】
また、車室内11には送風ユニット13により送風される空気を温度調整して車室内11へ吹き出す空調ユニット14が区画壁10に隣接して搭載されている。この空調ユニット14は具体的には車室内前部の車両計器盤(図示せず)の内側において車両幅方向の略中央部に配置される。空調ユニット14は樹脂製のケース14aを有し、このケース14aの内部に車両前方側から車両後方側へ向かって空気が流れる空気通路14bを構成する。
【0025】
このケース14a内部の空気通路14bに周知のように送風ユニット13の送風空気を冷却する冷却用熱交換器(図示せず)およびこの送風空気を加熱する加熱用熱交換器(図示せず)を内蔵し、これら熱交換器による冷却、加熱作用により車室内吹出空気の温度を調整する。なお、冷却用熱交換器は具体的には蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器で構成され、加熱用熱交換器は具体的には車両エンジンからの温水を熱源とする温水式ヒータコアで構成される。ケース14a内の空気通路14bにおいて、空気流れ上流側から冷却用熱交換器、加熱用熱交換器の順に熱交換器が配置される。
【0026】
そして、車両ボディの区画壁10において、空調ユニット14の車両前方側の部位に貫通穴15が形成されている。この貫通穴15は、エンジンルーム12内(車室外)の送風ユニット13のスクロールケーシング13bの出口通路部13cを車室内11の空調ユニット14の最前部の入口通路部14cに連通させるために必要なものである。
【0027】
スクロールケーシング13bの出口通路部13cの断面形状は横長の矩形状になっているので、貫通穴15も出口通路部13cの断面形状に沿った横長の矩形状になっている。この貫通穴15の内側にグロメット16を配置してある。このグロメット16は、弾性材料、具体的には、適度の硬度(剛性)を持ったゴムにより筒状の一体部品として成形されている。ここで、グロメット16の筒状形状の断面形状は貫通穴15に沿った横長の矩形状になっている。
【0028】
このグロメット16の筒状形状の一端部(空気流れ上流側端部)はスクロールケーシング13bの出口通路部13cに接続され、他端部(空気流れ下流側端部)は空調ユニット14の最前部の入口通路部14cに接続される。これにより、グロメット16はスクロールケーシング13bの出口通路部13cを空調ユニット14の入口通路部14cに連通させる連通部材としての役割を果たす。
【0029】
また、グロメット16は貫通穴15を密封するシール機能および送風ユニット13の出口通路部13cと空調ユニット14の入口通路部14cとの連通部のシール機能を発揮するシール材としての役割も果たす。
【0030】
次に、グロメット16の具体的形状を図2の要部拡大図に基づいて説明すると、区画壁10には貫通穴15の周縁部の全周に車両前方側(エンジンルーム12側)へ突き出すフランジ部15aが一体に形成され、このフランジ部15aにはまり込む断面U状の第1嵌合部16aがグロメット16に形成されている。この第1嵌合部16aは貫通穴15の周縁部の全周に沿って形成されている。
【0031】
そして、この第1嵌合部16aの内周部の全周に、貫通穴15の中央部に向かって突き出すリブ16bが形成されている。このリブ16bの先端部は、スクロールケーシング13bの出口通路部13cを形成する壁部13dの外表面上に弾性的に折れ曲がって圧着する。
【0032】
また、第1嵌合部16aの内周部から車両後方側へ向かって断面積が拡大する拡大筒状部16cが形成してある。この拡大筒状部16cには、グロメット16内の通路に対して垂直方向の外方へ湾曲状に広がる弛み部16dが形成してある。この弛み部16dも拡大筒状部16cの全周にわたって形成してある。
【0033】
更に、この弛み部16dより車両後方側の先端部に全周にわたって断面U状の第2嵌合部16eが形成してある。この断面U状の第2嵌合部16eは、空調ユニット14の入口通路部14cを形成するケース14aの最前部の壁部14dのの全周にはまり込むものである。ここで、第2嵌合部16eおよび壁部14dの全周形状(全体の断面形状)は横長の矩形状になっている。
【0034】
次に、上記構成において本実施形態の空調装置の車両搭載方法を説明すると、空調ユニット14のケース14aの最前部壁部14dの全周に、グロメット16の拡大筒状部16cの車両後方側の先端部に形成した第2嵌合部16eをはめ込む。ここで、第2嵌合部16eは断面U状の形状を弾性的に拡大するようにして圧入状態で壁部14dの全周にはめ込むので、第2嵌合部16eを壁部14dに確実に嵌合保持できる。これにより、グロメット16を空調ユニット14のケース14a側に予め装着しておくことができる。
【0035】
その後に、車両計器盤内に位置する車両ボディの強度部材(図示せず)に空調ユニット14を吊り下げて、空調ユニット14を車両ボディ側に搭載する。このとき、空調ユニット14のケース14aの最前部壁部14dは区画壁10の貫通穴15に隣接するように空調ユニット14の搭載位置が設定されるので、グロメット16も貫通穴15付近に位置する。
【0036】
次に、グロメット16の車両前方側の先端に位置する第1嵌合部16a部分をエンジンルーム12側から手で持って貫通穴15を通してエンジンルーム12側へ引き出し、断面U状の第1嵌合部16aを貫通穴15の周縁部の全周に形成されているフランジ部15aにはめ込む。この場合も、第1嵌合部16aは断面U状の形状を弾性的に拡大するようにして圧入状態でフランジ部15aの全周にはめ込むので、第1嵌合部16aをフランジ部15aに確実に嵌合保持できる。
【0037】
次に、エンジンルーム12内において送風ユニット13のスクロールケーシング13bの出口通路部13cの先端壁部13dがグロメット16の第1嵌合部16aの内周部に位置するリブ16b内へ突き出すように配置して、送風ユニット13をエンジンルーム12内にて車両ボディの区画壁10に組み付け、固定する。この際に、スクロールケーシング13bの先端壁部13dの外形状はリブ16bの先端部の内側形状より大きくしてあるので、先端壁部13dをリブ16内へ突き出すことにより、リブ16bの先端部が壁部13dの外表面上に弾性的に折れ曲がって圧着する。以上により、空調ユニット14および送風ユニット13の車両搭載を終了できる。
【0038】
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、図1は上述した空調装置の車両搭載作業を終了した後の状態を示しており、この車両搭載状態においては、グロメット16の断面U状の第1嵌合部16aが弾性的に圧入状態で貫通穴15のフランジ部15aの全周にはまり込むとともに、グロメット16のリブ16bの先端部が送風ユニット13のスクロールケーシング13bの出口通路部13cの先端壁部13d上に弾性的に折れ曲がって圧着する。これにより、送風ユニット13のスクロールケーシング13bと区画壁10の貫通穴15との隙間部を確実に密封することができる。
【0039】
そのため、エンジンルーム12側から水、高温空気等が貫通穴15を通過して車室内11へ侵入することを確実に防止できる。しかも、グロメット16の車両後方側の先端部に形成した第2嵌合部16eを空調ユニット14の最前部の壁部14dに、弾性的に圧入状態ではめ込むから、エンジンルーム12内の送風ユニット13の出口通路部13cと、車室内11の空調ユニット14の入口通路部14cとの連通部のシール機能も確実に発揮できる。
【0040】
このように本実施形態によると、区画壁10の貫通穴15周囲の隙間部を密封するシール機能と、送風ユニット13の出口通路部13cと空調ユニット14の入口通路部14cとの連通部のシール機能を1つのグロメット16にて良好に発揮できる。
【0041】
そして、シール材として1つのグロメット16を用いるのみでよいから、従来技術に比較して、シール材の製造コストを低減できるとともに、シール材の組付作業性を向上できる。
【0042】
ところで、車両ボディの強度部材に空調ユニット14を吊り下げて、空調ユニット14を車両ボディ側に搭載する際に、各部の寸法バラツキにより空調ユニット14の入口通路部14cの壁部14dの搭載位置が車両上下前後方向に種々ばらつくという現象が不可避的に発生する。図2において、壁部14dの実線位置は標準的な搭載位置を示し、破線位置▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼は壁部14dの搭載位置のバラツキを示す。
【0043】
このように空調ユニット14の入口通路部14cの壁部14dの搭載位置が車両上下前後方向に種々ばらついても、グロメット16の拡大筒状部16cに外方へ湾曲状に広がる弛み部16dが形成してあるので、この湾曲状の弛み部16dが壁部14dの搭載位置のバラツキに応じて弾性的に伸縮することにより、壁部14dの搭載位置のバラツキを広範囲にわたって吸収できる。つまり、空調ユニット14の搭載位置のバラツキに対する吸収幅が大きいという効果がある。
【0044】
また、送風ユニット13の搭載位置も車両前後方向にバラツキを生じやすいが、上述したようにグロメット16のリブ16bの先端部が送風ユニット13のスクロールケーシング13bの先端壁部13d上に弾性的に折れ曲がって圧着するから、送風ユニット13の搭載位置が車両前後方向にばらついても、リブ16b先端部の折れ曲がり部と壁部13dとの圧着位置が送風ユニット13の搭載位置のバラツキに応じて変化することにより、送風ユニット13の搭載位置のバラツキを広範囲にわたって吸収できる。
【0045】
更に、グロメット16の筒状の断面積を、送風ユニット13の出口通路部13c側よりも空調ユニット14の入口通路部14c側で拡大するようにしているから、グロメット16の内部通路の形状でもって、送風ユニット13の出口通路部13cから空調ユニット14の入口通路部14cへ向かって通路面積を徐変拡大することができる。
【0046】
この結果、空調ユニット14の入口通路部14cでの通路面積の急拡大を抑制して、通路面積の急拡大による損失を抑えて送風性能を向上できる。
【0047】
(他の実施形態)
なお、上述の一実施形態では、区画壁10の貫通穴15の開口形状、送風ユニット13の出口通路部13の断面形状および空調ユニット14の入口通路部14cの断面形状が横長の矩形状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、縦長の矩形状、円形状等の他の形状に変更することも可能である。
【0048】
また、上述の一実施形態では、送風ユニット13を車室内前方のエンジンルーム12に搭載し、空調ユニット14を車室内11の前方部に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、送風ユニット13を例えば、車室内後方のトランクルームに搭載し、空調ユニット14を車室内11の後方部に搭載する場合等に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両用空調装置の要部の車両搭載状態を示す概略断面図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】従来技術の要部の断面図である。
【符号の説明】
10…区画壁、11…車室内、12…エンジンルーム(車室外)、
13…送風ユニット、13c…出口通路部、14…空調ユニット、
15…貫通穴、16…グロメット(連通部材)。
Claims (4)
- 車室外(12)と車室内(11)とを区画する区画壁(10)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
前記車室外(12)に搭載され、空気を送風する送風ユニット(13)と、
前記車室内(11)に搭載されて前記送風ユニット(13)により送風される空気を温度調整して車室内(11)へ吹き出す空調ユニット(14)と、
前記区画壁(10)に形成された貫通穴(15)を貫通して、前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)を前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)に連通させる連通部材(16)とを備え、
前記連通部材(16)は、弾性材料により筒状の一体部品として成形され、
前記連通部材(16)は、前記筒状の一部に前記筒状の外方へ湾曲状に広がる弛み部(16d)を形成しており、
さらに、前記連通部材(16)の筒状の断面積が前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)側よりも前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)側で拡大しており、
前記連通部材(16)は、前記貫通穴(15)のシール機能および前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)と前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)との連通部のシール機能を発揮するようになっていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記連通部材(16)に、前記筒状の内側方向へ突出して前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)の壁部(13d)の外表面上に弾性的に折れ曲がって圧着するリブ(16b)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 車室外(12)と車室内(11)とを区画する区画壁(10)を備える車両に搭載される車両用空調装置であって、
前記車室外(12)に搭載され、空気を送風する送風ユニット(13)と、
前記車室内(11)に搭載されて前記送風ユニット(13)により送風される空気を温度調整して車室内(11)へ吹き出す空調ユニット(14)と、
前記区画壁(10)に形成された貫通穴(15)を貫通して、前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)を前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)に連通させる連通部材(16)とを備え、
前記連通部材(16)は、弾性材料により筒状の一体部品として成形され、前記貫通穴(15)のシール機能および前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)と前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)との連通部のシール機能を発揮するようになっており、
前記連通部材(16)に、前記筒状の内側方向へ突出して前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)の壁部(13d)の外表面上に弾性的に折れ曲がって圧着するリブ(16b)を形成したことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記連通部材(16)の筒状の断面積が前記送風ユニット(13)の出口通路部(13c)側よりも前記空調ユニット(14)の入口通路部(14c)側で拡大していることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
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