JP3890696B2 - 自動ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強制的に車両の制動を行なう自動ブレーキ装置に係り、詳しくは、運転者のブレーキ操作に基づいた制動を生かしつつ強制的な車両の制動を行なう自動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載したカメラ(CCDカメラ等)により車両前方を監視し、衝突の危険がある障害物を検知した場合に、強制的に車両の制動を行なうようにした自動ブレーキ装置が提案されている(特開平6−1229)。このような従来の自動ブレーキ装置では、ブレーキ油圧系においてブレーキペダルに連結するマスタシリンダからホイールシリンダに至る経路を遮断すると共に、アキュムレータにて昇圧された油圧をホイールシリンダに導入するようにして強制的な車両の制動を行なうようにしている。
【0003】
このような自動ブレーキ装置によれば、運転者のブレーキ操作の適、不適にかかわらず、車両の障害物への衝突を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、強制的な車両の制動がなされる際に、ブレーキペダルに連結されたマスタシリンダからホイールシリンダに至る経路が遮断されるので、マスタシリンダからの油圧がホイールシリンダに伝わらず、ブレーキペダルを踏んでもそれ以上動かない。そのため、強制的な車両の制動がなされている間に運転者がブレーキペダルを操作した場合には、そのブレーキ操作感が良くないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は強制的な車両の制動がなされている間に運転者がブレーキペダルを操作した場合のブレーキ操作感を良好にした自動ブレーキ装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る自動ブレーキ装置は、請求項1に記載されるように、ポンプによって昇圧された油圧を高圧に保つアキュムレータを備えた自動ブレーキ装置において、運転者のブレーキ操作に基づいて車両の制動を行なう第一の制動系と、ブレーキ操作にかかわらずアキュムレータの油圧によって車両の制動を行なう第二の制動系と、上記第一の制動系による制動と第二の制動系による制動とを切り換える制動切り換え手段と、上記第二の制動系による制動が行われている間にブレーキ操作がなされたときに、第一の制動系による制動と第二の制動系による制動とが交互に繰り返し行なわれるように制動切り換え手段の動作制御を行なう制御手段とを有するように構成される。
【0007】
このような自動ブレーキ装置では、運転者によるブレーキ操作(ブレーキペダルを踏む等)がなされたときに、そのブレーキ操作に基づいた車両の制動と、他の制動力発生源からの制動力による車両の制動とが交互に繰り返し行なわれる。即ち、ブレーキ操作に基づいた車両の制動が完全には停止されない状態で、制動力発生源からの制動力による車両の制動が行なわれる。従って、ブレーキ操作を行なう運転者のブレーキ操作感は完全にはなくならない。
【0008】
第一の制動系による制動と第二の制動系による制動との切り換えによる運転者に対する違和感を低減させる観点から、第一の制動系による制動と第二の制動系による制動との繰り返しの周期はできるだけ短くすることが好ましい。
制動の必要性の度合いに応じてより適正な車両の制動が可能という観点から、本発明は、請求項2に記載されるように、上記自動ブレーキ装置において、更に、制動の必要性の度合いを判定する判定手段を有すると共に、上記制御手段は、該判定手段での判定結果に基づいて、交互に行なわれる第一の制動系による制動と第二の制動系による制動のそれぞれの時間を決定する時間決定手段を有し、その決定された時間に基づいて制動切り換え手段の動作制御を行なうように構成することができる。
【0009】
このような自動ブレーキ装置では、制動の必要性の度合いに応じて決定された各時間にて第一の制動系による制動と第二の制動系による制動とが交互に繰り返し切り換えられる。
制動の必要性の度合いは、制動を行なわなければならない度合いであって、緊急的に制動を行なう必要がある場合はその度合いが高くなる。例えば、このように制動の必要性の度合いが高くなるほど、第二の制動系による制動の時間を長くする。この場合、ブレーキ操作感ができるだけ保持されつつ強制的に(ブレーキ操作にかかわらず)行なわれる制動の割合が大きくなる。
【0010】
第一の制動系による制動時間と第二の制動系による制動時間との比率を精度良く制御できるという観点から、本発明では、請求項3に記載されるように、上記時間決定手段は、一定時間において交互に行なわれる第一の制動系による制動と第二の制動系による制動の各時間の割合を決定する手段を有するように構成することができる。
【0011】
この一定時間と第一の制動系による制動の時間または第二の制動系による制動の時間の比は、所謂、デューティー比に対応する。
上述した制動の必要性の度合いを車両外部の状態から判断するという観点から、本発明では、請求項4に記載されるように、上記判定手段は、車両の走行に影響を与える環境状態と当該車両の走行状態に基づいて制動の必要性の度合いを判定する手段を有するように構成することができる。
【0012】
上記車両の走行に影響を与える環境状態は、車両前方に障害物が存在する状態を含む。この環境状態は、例えば、カメラ、レーダ等の手段にて検出される。
車両の走行状態は、車両の速度、加速度等を含む。
また、上述した制動の必要性の度合いを特に外部の状態(障害物の有無等)を認識しなくても判定できるという観点から、本発明では、請求項5に記載されるように、上記判定手段は、ブレーキ操作の状態に基づいて制動の必要性の度合いを判定する手段を有するように構成することができる。
【0013】
この場合、急激なブレーキ操作が行なわれたときには、制動の必要性の度合いが高いと判定される。
ブレーキ操作の状態は、ブレーキペダルの踏み込み速度、ペダルストローク等を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る自動ブレーキ装置の基本的な構成を示す。
図1において、制動油圧系100は、マスタシリンダ101、自動ブレーキユニット110及びABSユニット120を有している。自動ブレーキユニット110は、運転者のブレーキペダル操作によって動作するマスタシリンダ101にて発生した油圧をホイールシリンダ130に伝えるための油圧経路と、マスタシリンダ101の操作にかかわらず油圧を発生する油圧発生源からの当該油圧をホイールシリンダ130に伝えるための油圧経路とを有している。ABSユニット120は、ABS制御信号に基づいて自動ブレーキユニット110からホイールシリンダ130に伝えられる油圧を更に制御する(ABS制御)。
【0015】
なお、図1に示す制動油圧系100は1つの車輪の制動を行なうようになっているが、実際には、自動ブレーキユニット110及びABSユニット120は車両の全ての車輪(4輪)の制動を行なうように構成される。
自動ブレーキユニット110は、演算ユニット10からの制御信号に基づいて制御される(詳細は後述する)。演算ユニット10には、車輪速を検出するための車速センサ11、マスタシリンダ101の出力油圧を検出するためのブレーキマスタ圧センサ12及び、車両前方の障害物等を検出するための前方監視センサ13(CCDカメラ、レーザレーダ、ミリ波レーダ等)が接続されている。演算ユニット10は、これら車速センサ11、ブレーキマスタ圧センサ12及び前方監視センサ13からの各検出情報に基づいて上記自動ブレーキユニット110に対する制御信号を生成する。
【0016】
制動油圧系100の詳細な構成が、例えば、図2に模式的に示される。図2において、マスタシリンダ101にはオイルリザーバ102から常時ブレーキオイルが供給されている。マスタシリンダ101は2系統の出力口を有しており、一方の出力口が第一の経路切り換えソレノイド114及び遮断/導通ソレノイド121を介してホイールシリンダ130に接続されている。また、マスタシリンダ101の他方の出力口は第二の経路切り換えソレノイド115を経由して上記第一の切り換えソレノイド114及び遮断/導通ソレノイド121を介してホイルシリンダ130に接続されている。尚、図2に示す例では、マスタシリンダ101は、ブレーキブースタと一体のユニットとして構成されている。従って、図2に示す例では、マスタシリンダ101の他方の出力口がブレーキブースタに接続されているように図面上誤解されうるが、実際には、マスタシリンダ101の出力口である。これは、図3及び図4についても同様である。
【0017】
また、オイルリザーバ102内のブレーキオイルはポンプ111によって昇圧され、その昇圧されたブレーキオイルがチェック弁112を介して第二の経路切り換えソレノイド115に供給されている。ポンプ111によって昇圧されたチェック弁112と第二の切り換えソレノイド115間の経路内油圧がアキュムレータ113によって比較的高圧に保持される。
【0018】
マスタシリンダ101の一方の出力口と第一の経路切り換えソレノイド114との間の経路にブレーキマスタ圧センサ12が設けられている。このブレーキマスタ圧センサ12によって、ブレーキペダル操作時のマスタシリンダ101の出力油圧が検出される。
なお、ホイールシリンダ130の下流に遮断/導通ソレノイド122が設けられている。この遮断/導通ソレノイド122が導通状態となるときに、ホイールシリンダ130内のブレーキオイルがオイルリザーバ102に回収されて、ホイルシリンダ130内の油圧が低減されるようになっている。
【0019】
第一の経路切り換えソレノイド114、第二の経路切り換えソレノイド115、遮断/導通ソレノイド121及び122が全て定常位置(オフ状態)にある場合、制動油圧系100は図2に示す状態(状態I)となる。この状態(状態I)では、ブレーキペダル操作によって発生したマスタシリンダ101の油圧が一方の出力口から第一の経路切り換えソレノイド114及び導通状態となる遮断/導通ソレノイド121を介してホイールシリンダ130に伝達される。このとき、マスタシリンダ101の他方の出力口から油圧が第二の経路切り換えソレノイド115を介して第一の経路切り換えソレノイド114に伝達されるが、この第一の経路切り換えソレノイド114によって遮断されてホイールシリンダ130までは伝達されない。また、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧も第二の経路切り換えソレノイド115によって遮断されてホイールシリンダ130までは伝達されない。
【0020】
即ち、この状態I(図2参照)では、通常の運転者のブレーキペダル操作に基づいた車両の制動が行なわれる。
第一の経路切り換えソレノイド114及び第二の経路切り換えソレノイド115が作動位置に切り換えられると(オン作動)、当該制動油圧系100は図3に示す状態(状態II)となる。この状態(状態II)では、マスタシリンダ101の双方の出力口からの油圧はそれぞれ第一の経路切り換えソレノイド114及び第二の経路切り換えソレノイド115によって遮断される。そして、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧が第二の経路切り換えソレノイド115、第一の経路切り換えソレノイド114及び遮断/導通ソレノイド121を介してホイールシリンダ130に伝達される。
【0021】
即ち、この状態II(図3参照)では、ブレーキペダル操作にかかわらず、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧によって強制的な制動が行なわれる。
上記状態IIから更に、第二の経路切り換えソレノイド115だけが定常位置に復帰されると(オフ状態)、当該制動油圧系100は図4に示す状態(状態III)となる。この状態(状態III)では、マスタシリンダ101の他の出力口からの油圧が第二の経路切り換えソレノイド115、第一の経路切り換えソレノイド114及び遮断/導通ソレノイド121を介してホイールシリンダ130に伝達される。このとき、マスタシリンダ101の一方の出力口からの油圧は第一の経路切り換えソレノイド114に遮断され、また、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧は第二の経路切り換えソレノイド115に遮断されてそれぞれホイールシリンダ130に伝達されない。
【0022】
即ち、この状態III(図4参照)では、状態Iと同様に、運転者のブレーキペダル操作に基づいた車両の制動が行なわれる。
なお、一般的なABS制御手法に従って生成される制御信号によってホイールシリンダ130の上流及び下流に位置する遮断/導通ソレノイド121(通常、導通状態)及び遮断/導通ソレノイド122(通常、遮断状態)が制御される(ABS制御)。
【0023】
車両の走行中に演算ユニット10は、例えば、図5及び図6に示す手順に従って自動ブレーキユニット110における第一の経路切り換えソレノイド114及び第二の経路切り換えソレノイド115を制御する。
図5において、まず、初期化処理が実行される(S1)。この初期化処理では、ソレノイド制御タイマがゼロに(timer =0)にセットされ、デューティー制御周期TDtotal が所定値(例えば、100ミリ秒)にセットされる。このような初期化処理が終了すると、演算ユニット10は、車速センサ11からの車速情報spd及びブレーキマスタ圧センサ12からのマスタシリンダ101の出力油圧情報Pm を取得する(S2)。
【0024】
その取得した情報のうち出力油圧情報Pm に基づいてマスタシリンダ101の出力油圧の変化量dPm
dPm ={Pm (n)−Pm (n−1)}/Δt1
に従って演算される(微分演算)(S3)。なお、Δt1 は出力油圧情報Pm のサンプリング周期である。マスタシリンダ101の出力油圧Pm の変化量dPm が演算されると、その値を用いて緊急度bが演算される(S4)。
【0025】
この緊急度bは、制動の必要性の度合いであって、ブレーキペダルの踏み込みが急激であればあるほどその緊急度bが大きい。即ち、マスタシリンダ101の出力油圧Pm が大きくかつその変化量dPm が大きいほど大きくなるように緊急度bが定義される。例えば、緊急度bは、
b=K・Pm +(1−K)・dPm (0≦k≦1) ・・・(1)
のように定義される。
【0026】
このように緊急度bが演算されると、更に、この緊急度bが所定閾値C1 より大きいか否か、マスタシリンダ101の出力油圧Pm が所定閾値C2 より大きいか否か、その出力油圧の変化量dPm が所定閾値C3 より大きいか否か、更に、上記のようにサンプリングされた車速spdが所定閾値C4 より大きいか否かが判定される(S5)。ここで、緊急度b、出力油圧Pm 、出力油圧の変化量dPm 、車速spdの各値が対応する所定閾値より大きい場合(強制的な制動を行なうべきと判定された場合)、第二の経路切り換えソレノイド115のオン時間のデューティー比Don
on=b/bmax (0≦Don≦1) ・・・(2)
に従って演算される(S6)。上記式でbmax は、現時点までに得られた緊急度bの最大値を表す。
【0027】
従って、緊急度bが大きくなるほど第二の経路切り換えソレノイド115のオン時間のデューティー比Donが大きくなる。なお、デューティー比は1を超えることはないことから、実際には、デューティー比Donは上記のように演算された値(b/bmax )と「1」のうちの小さい方の値に設定される(Don= min(1、b/bmax ))。
【0028】
一方、緊急度b、出力油圧Pm 、出力油圧の変化量dPm 、車速spdの何れかが対応する所定閾値より小さい場合(強制的な制動を行なうべきでないと判定された場合)、第二の経路切り換えソレノイド115のオン時間のデューティー比Donはゼロ(Don=0)に設定される(S7)。これは、第二の経路切り換えソレノイド115が定常位置(図2参照)に保持されることを意味する。
【0029】
上記のようにして第二の経路切り換えソレノイド115のオン時間のデューティー比Donが設定されると、ソレノイド駆動処理P100 が実行される。このソレノイド駆動処理P100 は、例えば、図6に示す手順に従って行なわれる。
即ち、ソレノイド制御タイマのタイマ値がデューティー制御周期TDtotal に達しない状態において(timer < TDtotal )(S101、NO)、ソレノイド制御タイマのタイマ値が上記デューティー比Donに対応したオン時間TDtotal ×Donを超えたか(timer > TDtotal ×Don)否かが判定される(S102)。そのタイマ値が当該オン時間TDtota×Donを超えていない場合、オン状態のの制御信号(ソレノイドオン)が出力される(S103)。そして、ソレノイド制御タイマがインクリメントされ(S104)、上記処理(S102、S103、S104)が繰り返し実行される。その間、出力される制御信号のオン状態が維持される。
【0030】
上記処理の過程で、ソレノイド制御タイマのタイマ値がオン時間TDtotal ×Donを超えると(S102、YES)、制御信号がオフ状態(ソレノイドオフ)に切り換えられる(S105)。そして、ソレノイド制御タイマがインクリメントされ(S104)、上記処理(S102、S105、S104)が繰り返し実行される。その間、出力される制御信号のオフ状態が維持される。
【0031】
更に、ソレノイド制御タイマのタイマ値がデューティー制御周期TDtotal に達すると、ソレノイド制御タイマがリセットされ(timer =0)(S106)、処理は、図5に示すステップS2に戻る。以後、上述したのと同様の処理(図5及び図6参照)が繰り返される。その結果、運転者が急激にブレーキペダルを操作している間(図5のステップS5での条件が満足される間)演算ユニット10からは、図7に示すような、デューティー制御周期がTDtotal (例えば、100ミリ秒)でオン時間が(TDtota×Don)となる第二の経路切り換えソレノイド115に対するパルス状の制御信号が出力される(デューティー比Don)。
【0032】
なお、図6に示す手順に従ったソレノイド駆動処理P100 の実行周期Δt2 は、例えば、5ミリ秒(msec. )程度であり(Δt2 =5msec. )、図5に示す手順に従った処理の実行周期Δt1 は、例えば、20ミリ秒程度(Δt1 =20msec. )である。
また、演算ユニット10は、第二の経路切り換えソレノイド115に対する制御信号と同時に立ち上がり、上記デューティー比Donがゼロ(非制御)に設定される(図5におけるS7)までその状態を維持する制御信号を第一の経路切り換えソレノイド115に供給する。
【0033】
上述した処理の結果、高速運転中に運転者が急激にブレーキペダルを踏み込む操作を行なう場合等、制動の緊急性が高いと判断された場合に、演算ユニット10からの上記制御信号が自動ブレーキユニット110(図1参照)の第一の経路切り換えソレノイド114及び第二の経路切り換えソレノイド115に供給される(図2乃至図4参照)。その結果、第一の経路切り換えソレノイド114は、動作位置(ソレノイド・オン)に切り換えられると共に、第二の経路切り換えソレノイド115は、動作位置(ソレノイド・オン)と定常位置(ソレノイド・オフ)が交互に切り換えれられる。即ち、制動油圧系100は、状態II(図3参照)と状態III(図4参照)を交互に繰り返す。そして、その繰り返し周期TDtotal (例えば、100ミリ秒)に対する状態IIとなる時間のデューティー比がDonとなる。
【0034】
従って、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧がホイールシリンダ130に伝達される状態(状態II)での制動とマスタシリンダ101の他の出力口からの油圧がホイールシリンダ130に伝達される状態(状態III)での制動が交互に繰り返される。そして、制動の緊急度bが大きくなると、そのデューティー比Donの値(b/bmax )が大きくなり、比較的高圧に保持された油圧による強制的な制動の割合が大きくなる。
【0035】
上述したような装置では、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧による強制的な制動とブレーキペダルの踏み込み操作に基づいたマスタシリンダ101からの油圧による制動が交互に短い周期で行なわれるので、従来のように、ブレーキペダルがそれ以上踏み込めなくなる現象が防止される。その結果、強制的な制動が行なわれている間のブレーキペダルの踏み込み感覚が改善される。
【0036】
また、緊急度bが高くなるほど、ブレーキペダルの踏み込み操作により発生したマスタシリンダ101からの油圧による制動に対する比較的高圧に保持された油圧による強制的な制動の割合が大きくなるので、車両の制動がより確実なものとなる。上記例では、第二の経路切り換えソレノイド115の切り換え周期TDtotalに対するオン時間のデューティー比Don図5に示す手順に従って設定されたが、例えば、図8または図9に示す手順に従って設定することも可能である。なお、図8及び図9において、図5に示すのと同様のステップには、同じステップ番号が付与されている。但し、図8に示す手順は、強制的な制動が行なわれている間に運転者によるブレーキ操作がなされることを想定している。
【0037】
図8に示す手順の場合、制動の緊急度aが車両外の環境と当該車両の走行状態に基づいて算出される。即ち、車速センサ11からの車速情報spd、前方監視センサ13にて検出された障害物との距離x及び障害物に対する接近速度Δvが取得され(S21)、それらの情報に基づいて緊急度aが次のようにして演算される(S41)。
【0038】
a=Δv2 /2x ・・・(3)
これは、障害物に衝突せずに停止するために必要な減速度である。この減速度で緊急度aを表す。即ち、障害物に衝突せずに停止するために必要な減速度が大きいほど、制動の緊急度aが大きくなる。
この緊急度aが所定の閾値C5 より大きく(a>C5 )、かつ、車速spdが所定閾値C4 より大きい(spd>C4 )場合(S51、YES)、第二の経路切り換えソレノイド115の切り換え周期TDtotal に対するソレノイドのオン時間のデューティー比Donが、
on=a/amax (0≦Don≦1) ・・・(4)
に従って演算される(S61)。ここで、amax は、現在までに演算された緊急度aの最大値である。
【0039】
運転者のブレーキ操作によって既にある減速度a* が発生している場合、上記のように演算された減速度a(Δv2 /2x)とこの減速度a* との差Δa(=a−a* )に基づいて第二の切り換えソレノイド115の切り換え周期TDtotal に対するソレノイドのオン時間のデューティー比Don
on=Δa/Δamax ・・・(5)
に従って演算することもできる。
【0040】
また、図9に示す例の場合、運転者の操作に基づいて演算される緊急度bと、車両外の環境(障害物)及び車両の走行状態に基づいて演算される緊急度aとに基づいて第二の経路切り換えソレノイド115の切り換え周期TDtotal に対するソレノイドのオン時間のデューティー比Donが演算される。
即ち、各センサから検出信号に基づいて車速spd、マスタシリンダ101の出力油圧Pm 、障害物までの距離x、障害物に対する接近速度Δvが取得される(S22)。そして、前述した例と同様にマスタシリンダ101の出力油圧Pm の変化量dPm が演算され(S3)、その出力油圧Pm とその変化量dPm から緊急度b(=K・Pm +(1−K)・dPm )が演算され、更に、上記障害物までの距離xと障害物に対する接近速度Δvに基づいて緊急度a(=Δv2 /2x)が演算される(S42)。
【0041】
そして、緊急度b、マスタシリンダ101の出力油圧Pm 、出力油圧の変化量dPm 、車速spd及び緊急度aが対応する閾値を超えている場合(S52、YES)、第二の経路切り換えソレノイド115の切り換え周期TDtotal に対するソレノイドのオン時間のデューティー比Don
on=K・a/amax +(1−K)・b/bmax
(0≦K≦1、0≦Don≦1) ・・・(6)
に従って演算される(S62)。また、上述したのと同様、aに代えてΔa(=a−a* )を用いて、
on=K・Δa/Δamax +(1−K)・b/bmax
(0≦K≦1、0≦Don≦1) ・・・(7)
に従って当該ディユーティー比Donを演算することも可能である。
【0042】
図8または図9に示す手順に従って当該デューティー比Donが得られると、図5に示した手順の場合と同様に、このデューティー比Donを用いて図6に示す手順に従ったソレノイド駆動処理P100 が実行される。
上記例において、マスタシリンダ101からホイールシリンダ130に油圧を伝達させる経路が第一の制動系に対応し、ポンプ111で昇圧され、アキュムレータ113によって比較的高圧に保持された油圧をホイールシリンダ130に伝達させる経路が第二の制動系に対応し、第一の経路切り換えソレノイド114及び第二の切り換えソレノイド115が制動切り換え手段に対応する。また、図5(図8または図9)及び図6に示す手順にて処理を行なう演算ユニット10が制御手段に対応する。
【0043】
また、図5に示すステップS2、S3及びS4での処理が制動の必要性の度合いを判定するための判定手段に対応し、図5に示すステップS6での処理が時間決定手段に対応する。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、請求項に記載された本発明によれば、ブレーキ操作に基づいた車両の制動が完全には停止されない状態で制動力発生源からの制動力による車両の制動が行なわれることにより、強制的な制動が行なわれる間ブレーキ操作を行なう運転者のブレーキ操作感は完全にはなくならない。従って、運転者のブレーキ操作感の低下を防止しつつ、強制的な制動を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る自動ブレーキ装置の基本的な構成例を示すブロック図である。
【図2】制動油圧系の構成例を模式的に示した図(その1)である。
【図3】制動油圧系の構成例を模式的に示した図(その2)である。
【図4】制動油圧系の構成例を模式的に示した図(その3)である。
【図5】演算ユニットでの処理の手順(その1)を示すフローチャートである。
【図6】図5に示すソレノイド駆動処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図7】図5及び図6の手順に従って生成される制御信号の波形を示す信号波形図である。
【図8】演算ユニットでの処理の手順(その2)を示すフローチャートである。
【図9】演算ユニットでの処理の手順(その3)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 演算ユニット
11 車速センサ
12 ブレーキマスタ圧センサ
13 前方監視センサ
100 制動油圧系
101 マスタシリンダ
102 オイルリザーバ
110 自動ブレーキユニット
111 ポンプ
112 チェック弁
113 アキュムレータ
114 第一の経路切り換えソレノイド
115 第二の経路切り換えソレノイド
120 ABSユニット
121 遮断/導通ソレノイド
122 遮断/導通ソレノイド
130 ホイールシリンダ

Claims (5)

  1. ポンプによって昇圧された油圧を高圧に保つアキュムレータを備えた自動ブレーキ装置において、
    運転者のブレーキ操作に基づいて車両の制動を行なう第一の制動系と、
    ブレーキ操作にかかわらずアキュムレータの油圧によって車両の制動を行なう第二の制動系と、
    第一の制動系による制動と第二の制動系による制動とを切り換える制動切り換え手段と、
    上記第二の制動系による制動が行われている間に前記ブレーキ操作がなされたときに、第一の制動系による制動と第二の制動系による制動とが交互に繰り返し行なわれるように制動切り換え手段の動作制御を行なう制御手段とを有する自動ブレーキ装置。
  2. 請求項1記載の自動ブレーキ装置において、
    更に、制動の必要性の度合いを判定する判定手段を有すると共に、
    上記制御手段は、該判定手段での判定結果に基づいて、交互に行なわれる第一の制動系による制動と第二の制動系による制動のそれぞれの時間を決定する時間決定手段を有し、その決定された時間に基づいて制動切り換え手段の動作制御を行なうようにした自動ブレーキ装置。
  3. 請求項2記載の自動ブレーキ装置において、
    上記時間決定手段は、一定時間において交互に行なわれる第一の制動系による制動と第二の制動系による制動の各時間の割合を決定する手段を有する自動ブレーキ装置。
  4. 請求項2または3記載の自動ブレーキ装置において、
    上記判定手段は、車両の走行に影響を与える環境状態と当該車両の走行状態に基づいて制動の必要性の度合いを判定する手段を有する自動ブレーキ装置。
  5. 請求項2または3記載の自動ブレーキ装置において、
    上記判定手段は、ブレーキ操作の状態に基づいて制動の必要性の度合いを判定する手段を有する自動ブレーキ装置。
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