JP3890073B1 - 骨組接合部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造体の骨組に加わる外力による衝撃を吸収し、構造体の変形能力を上げ、外力のエネルギを吸収する、骨組構造部材相互を接続する骨組接合部品を提供することである。
【解決手段】骨組接合部品10は、接合される双方の骨組構成部材1の表面に固定されて取り付く固定部2と、固定部2相互の間に設けられ、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部3を備える。連結部3は、固定部2より起立し、その連結部3と骨組構成部材1との間の空隙4には、粘弾性材6が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、骨組接合部品に係り、特に、骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品に関する。
空間を覆う構造体は、構造体及びそれに取り付く外皮の自重や、外部から加わる荷重に対して抵抗する。一般的には、構造体は、骨組構成部材からなる骨組を構成し、内部空間が崩壊しないように保護する。例えば、人体においては、骨からなる骨組構成部材が結合され骨格という骨組を構成し、体重を支え、運動や衝突等により人体に加わる荷重に抵抗し、脳、肺、内臓等の人体の内部空間が崩壊しないように保護する。また、例えば、建造物においては、柱や梁からなる骨組構成部材が結合され骨組を構成し、骨組構成部材や仕上材等の建造物の自重を支え、地震、台風、積雪等の外力に抵抗し、建造物の内部空間が崩壊しないように保護する。ここで、建造物とは、建築物、土木構造物、工作物等、人工的に空間を覆う構造体を総称する。
このような骨組構成部材は、一般的に、ある断面形状を有する線材であり、直線状ないしは曲線状の部材から構成される。したがって、骨組構成部材は、このような部材を相互に接合するための骨組接合部品を要する。例えば、人体であれば、骨を接合する関節が相当するが、骨折した骨相互の接合部品や、補強材と骨との接合部品も骨組接合部品に含まれる。また、建造物においては、骨組構成部材には、例えば、柱、梁、ブレース、小梁、間柱等の外力に対して抵抗する部材が総て含まれる。また、骨組接合部品には、柱同士あるいは梁同士の継手の接合部品だけではなく、柱と梁の仕口あるいは柱と梁とブレースの仕口における接合部品、さらには、間柱と梁の接合部品、小梁と梁の接合部品も含まれる。また、接合金物や接合金具と称されるものも骨組接合部品に含まれる。また、建造物の骨組構成部材は、木材、鉄骨、コンクリート等の各種の建築材料から成り、その骨組接合部品も木材、金属、プラスチック等の各種の建築材料から成る。
人体には、その骨組接合部品である関節において、外力に対して変形が生じ、外力により発生する衝撃を吸収するメカニズムを有する。すなわち、肘関節や膝関節などは、いわゆるヒンジ構造であり、一方の骨(関節頭)が他方の骨(関節窩)にはまり込むようになっている。この滑り合う双方の骨の表面には弾力のある関節軟骨と潤滑油のような液体が存在し、これらを介して骨相互が接合され衝撃を和らげている。
建造物においては、日本古来の五重塔に代表されるような、柱や梁が、貫、長押、斗、肘木などとともに用いられる、耐震性の高い構法がある。この構法では、各形状の木材からなる骨組接合部品が複雑に組み合わされ、地震等に対して変形能力の高い構法となっている。また、地震等に対して各骨組接合部品が互いに擦れ合い変形が生じる構法となっている。一方、現在の建造物では、接合部を固定する方法としてボルト接合を用いるのが一般的である。これらのボルトの径に対してボルト孔は、施工誤差を吸収するため、一定のクリアランスをとっている。このため、地震等に対して、ボルトがこのクリアランス内で滑ることで、骨組接合部品において変形が生じる場合もあり得る。
一般に、建造物においては、外力に対して各骨組接合部品間での擦れ合いや滑りなどの変形が生じることは、建造物の変形能力を高め、耐震性の高い建造物となる。すなわち、骨組接合部品が一種のダンパとなり、地震等の振動エネルギを熱エネルギ等に変換して減衰させる、一種の制震構造となるからである。また、変形能力が高いということは、建造物全体の固有周期を長周期化させ、耐震性の高い建造物となる。すなわち、固有周期が長周期化することで、地震等に対して建造物全体がゆっくりと揺れ、地震等の衝撃を和らげる一種の免震構造となるからである。
一方、例えば、特許文献1には、木構造の接合金具が開示され、特許文献2には、超塑性合金による木造住宅用制震ダンパが開示され、特許文献3には、粘弾性材ダンパが取付けられた木造家屋耐震補強構造が開示されている。
特許文献1に開示されている木構造の接合金具の概要を図9に示す。接合部の木部11、12に金具14,15が固定され、それぞれの金具の輪16,17と係合するU字型の板バネ18が設けられている。この板バネは、圧縮コイルバネ20により、自然乾燥により収縮する木造部材相互を引き寄せる方向に付勢される。また、木造部材が離間する方向に外力が作用しても、その負荷は金具16,17に係合する楔係合板19と圧縮コイルバネ20により剛体として受ける。
特許文献2に開示されている制震ダンパには、降伏荷重が小さく変形能力に優れた低降伏点鋼等の超塑性合金が用いられている。これは、地震等に対し、低降伏点鋼を降伏させ、荷重履歴に伴う非線形な挙動により地震等のエネルギを吸収するものである。すなわち、低降伏点鋼等の超塑性合金を用いることは、意図的に接合強度の低い部分を設けることで、外力に対して変形による塑性化で振動エネルギを吸収させる手法である。
特許文献3に開示されている粘弾性ダンパに用いられる粘弾性材とは、流体のような粘性とスプリングのような弾性を合わせもった力学的挙動をする高分子材料をいい、免震ダンパの積層ゴム等にも用いられている。この粘弾性材に応力が加わった場合、その荷重履歴に伴う非線形な挙動により地震等のエネルギを吸収するものである。すなわち、接合部分に粘弾性材を組み込むことは、上記と同様に、意図的に粘性を有する粘弾性材を設けることで、外力に対して変形による塑性化で振動エネルギを吸収させる手法である。
特開2004−143893号公報 特開2005−42403号公報 特開2000−160683号公報
骨組構成部材同士を接合する骨組接合部品は、外力を伝達するため、骨組構成部材の部材強度と同等以上の接合強度が要求される。一般的な骨組接合部品では、外力に対してその一部に大きな変形が生じることは、その部品の一部に過度の応力度が発生していることであり、骨組接合部品の接合強度が部分的に不足していることを意味する。すなわち、一般的には、骨組接合部品の接合強度と変形能力は相反する関係にある。したがって、通常の骨組接合部品では、接合強度を確保しつつ建造物全体の変形能力を上げることは難しい。また、地震等に対するボルト接合部の滑りは、ボルトによる締め付け不良などの原因もあり、その発生については不確実なものである。
また、特許文献1に開示されている木構造の接合金具は、木造部材相互を引寄せるように変形させるものの、地震等の外力が作用した場合には、剛体として機能する。つまり、この開示技術では、接合金物の変形を許容しない構造であり、構造体の骨組に加わる外力による衝撃を吸収し、建造物全体の変形能力を上げることは難しい。
また、特許文献2に開示されている、骨組接合部品に低降伏点鋼等の超塑性合金を用いることは、外力が加わった場合に、接合強度を期待しない部分に限定され、骨組構成部材の部材強度と同等以上の接合強度が要求される骨組接合部品として用いることは難しい。
さらに、特許文献3に開示されている、骨組接合部品に粘弾性材を組み込むことも、同様に、外力が加わった場合に、応力を伝達しない部位に限定され、骨組構成部材の部材強度と同等以上の接合強度が要求される骨組接合部品として用いることは難しい。
本願の目的は、かかる課題を解決し、構造体の骨組に加わる外力による衝撃を吸収し、構造体の変形能力を上げ、外力のエネルギを吸収する、骨組構造部材相互を接続する骨組接合部品を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る骨組接合部品は、骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、双方の骨組構成部材の表面に固定されて取り付く固定部と、固定部と一体の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部とを備え、連結部と、骨組構成部材との間の空隙には、粘弾性材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る骨組接合部品は、骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、双方の骨組構成部材の表面に固定されて取り付く固定部と、固定部とは別の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部とを備え、連結部と、固定部と、骨組構成部材との間の空隙には、粘弾性材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る骨組接合部品は、骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、双方の骨組構成部材の表面に、固定されて取り付く固定部と、固定部と一体の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部とを備え、2枚の骨組接合部品が重ね合わされ、対向する双方の連結部の間の空隙には、粘弾性材が設けられることを特徴とする。また、この固定部は、柱の表面に固定される柱固定部と、梁の表面に固定される梁固定部とから成り、連結部は、柱固定部と梁固定部との間に設けられ、固定部より起立し、柱梁の接合部に発生する曲げモーメントに対して軸方向力により抵抗し、曲げ変形可能であることが好ましい。
また、本発明に係る骨組接合部品は、骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する柱、梁及びブレースを柱梁の接合部で接合する骨組接合部品であって、柱の表面に固定される柱固定部と、梁の表面に固定される梁固定部と、ブレースの端部が取り付くブレース接続部と、柱固定部と、梁固定部と、ブレース接続部との間に設けられ、柱固定部及び梁固定部より起立し、ブレースに生じる引張力に抵抗し、曲げ変形可能な連結部と、を備え、2枚の骨組接合部品が重ね合わされ、対向する双方の連結部の間の空隙には、粘弾性材が設けられることを特徴とする。また、この連結部は、柱固定部と、梁固定部と、ブレース接続部との間にL字型に設けられることが好ましい。
さらに、これらの骨組接合部品は、連結部の断面形状が、略半円であることが好ましい。
上記構成により、骨組接合部品は、相互に接合される骨組構成部材に固定された固定部相互の間に設けられた連結部が、骨組に加わる外力により曲げ変形する。これにより、骨組接合部品において外力による衝撃を吸収するメカニズムが可能となる。また、特に、建造物においては、骨組接合部品が一種のダンパとなり地震等の振動エネルギを減衰させる一種の制震構造となり、耐震性の高い建造物が可能となる。さらに、構造体の各骨組接合部品が変形することで、建造物全体の固有周期が長周期化し、地震等に対して建造物全体がゆっくりと揺れ、地震等の衝撃を和らげる一種の免震構造となり、耐震性の高い建造物が可能となる。
また、骨組接合部品は、固定部と連結部とが一体となった板材であり、かつ連結部は固定部から起立している。これにより、後述するように、骨組に加わる外力により、固定部には板面内に引張又は圧縮応力が生じるが、連結部においては、引張又は圧縮応力に加えて、固定部から起立した距離に引張又は圧縮応力を乗じた曲げモーメントが生じる。すなわち、連結部は、引張又は圧縮応力による変形に加え、この曲げモーメントにより、より大きな変形が生じる。この連結部の変形により、外力による衝撃を吸収するメカニズムが可能となる。また、特に、建造物においては、骨組接合部品が一種のダンパとなり地震等の振動エネルギを減衰させる一種の制震構造となる。さらに、構造体の各骨組接合部品が変形することで、建造物全体の固有周期が長周期化し、地震等に対して建造物全体がゆっくりと揺れ、地震等の衝撃を和らげる一種の免震構造となり、耐震性の高い建造物が可能となる。
また、骨組接合部品は、固定部と連結部とは別の板材であっても、連結部が固定部と接続し、かつ連結部が固定部より起立していることで、上記と同様の効果が発生する。
さらに、連結部と骨組構成部材との間の空隙、あるいは、連結部と固定部と骨組構成部材との間の空隙、一対の連結部の間の空隙、つまり、連結部の変形と一体的に挙動する部分に粘弾性材を設ける。この粘弾性材は、後述するように、構造体に加わる外力により変形し、その荷重履歴に伴う非線形な挙動により地震等のエネルギを吸収する制震ダンパとして機能する。これにより地震等の振動エネルギを熱エネルギ等に変換して減衰させることが可能となる。
また、この粘弾性材による効果は、連結部の変形と同種の効果であり、相乗効果をもたらす。本構成により、骨組構成部材の部材強度と同等以上の接合強度が要求される骨組構成部品に、接合強度が期待できない粘弾性材を用いることが可能となる。
以上のように、本発明による骨組接合部品によれば、構造体の骨組に加わる外力による衝撃を吸収し、構造体の変形能力を上げ、外力のエネルギを吸収することが可能となる。
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
図1に骨組接合部品10の構成を示す。骨組接合部品10は、接合される2つの骨組構成部材1のそれぞれの表面にボルト5により固定されて取り付く固定部2、及び2つの固定部2の間に設けられた連結部3から構成され、固定部2と連結部3とは、一体の板材から成っている。また、連結部3が固定部2より起立していることから、連結部3と骨組構成部材1との間には、空隙4が生じる。
骨組構成部材1は、本実施形態では、木製の角材である。この骨組構成部材1同士は、相互に腰掛鎌継といった木造の在来工法により接合されているか、単に突き合わされているか、あるいは、相互に離間して接合されているか、いずれであっても良い。また、骨組構成部材1は、例えば、人体の骨であっても良く、建造物の場合には、例えば、普通鋼板、亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼、アルミニウムといった材料であっても良い。また、骨組構成部材1の断面形状は、例えば、円形、多角形、I型、H型、その他建造物に用いられる骨組構成部材1であれば総て含まれる。また、中空材であるか中実材であるか、開断面であるか閉断面であるかを問わない。さらには、骨組構成部材1は、直線材であるか、曲線材であるかも問わない。
固定部2は、上記骨組構成部材1の表面に、その形状に合わせて固定される。本実施形態では、図1において、木製の角材に合わせてラグスクリューボルトによる接合例を示す。図1では、骨組接合部品10は、角材の4辺に取付けているが、相対する2辺のみであっても良い。固定部2の材料は、例えば、普通鋼板、亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼、アルミニウムといった通常骨組の接合に使用される材料である。接合方法は、例えば、高力ボルト、普通ボルト、Zボルト、コーチスクリューボルトなどのボルト接合、あるいは、平板に歯形の突起を設けたネイルプレートによる接合など、その骨組構成部材1に通常使用される接合方法の総てが含まれる。また、固定部2の形状は、骨組構成部材1の断面形状に合わせて、平板、曲面板等となる。
連結部3は、本実施形態では、略半円の形状である。図2に連結部3の形状の他の実施形態の例を示す。連結部3は、図に示すように山形であっても、あるいは、楕円形であっても良い。すなわち、一方の固定部2から起立し、また他方の固定部2からも起立していれば、その間の形状は任意である。したがって、連結部3の形状は、固定部2の断面形状に合わせて3次元の曲面板等となる。
図3には、骨組構成部材1に部材力(引張力T及び曲げモーメントM)が加わった場合に、骨組接合部品10の固定部2と連結部3に発生する応力を図示する。骨組構成部材1の両側の固定部2には、接続するボルトを介して、それぞれFt1=T/2+M/d、Ft2=T/2−M/dの応力が発生する。ここに、dは、両側の固定部2の板厚の中心間距離である。連結部3の任意の要素では、このFt1(又はFt2)×Lの付加曲げモーメントが発生する。ここに、Lは固定部2の板厚の中心から連結部3の任意の要素の中心までの距離である。したがって、連結部3の各要素は、引張力Ft(又は圧縮力Fc)による軸方向変形に加えて、この付加曲げモーメントによる変形が生じる。
骨組接合部品10では、設計上、固定部2と連結部3とを同厚の板材とすることが可能である。連結部3は、固定部2に発生する引張力Ft(又は圧縮力Fc)に加えて付加曲げモーメントを受けるため、これらの合力に耐え得る部材断面が要求される。しかし、固定部2は、骨組構成部材1との接合のために、引張力に対してボルト孔の欠損を考慮した部材断面としなければならない。連結部3では、固定部2から起立していることからボルト接合のためこの欠損を考慮する必要がない。したがって、固定部2と連結部3とを、経済性を損なわずに同厚の板材とすることが可能である。
このことから、外力が加わった場合に、連結部3に曲げモーメントによる大きな変形が発生するが、連結部3自体の接合強度は確保されることが明らかである。したがって、本発明に係る骨組接合部品10は、接合強度を確保しつつ建造物全体の変形能力を上げることが可能となる。
図4に、骨組構成部材1に引張力T及び圧縮力Cが加わった場合の、骨組接合部品10の連結部3の変形を模式的に示す。図中、破線は変形前、実線は変形後を表す。引張力Tが加わった場合(図5(a))は、連結部3は、引張力T/2の方向へと伸びるとともに、曲げモーメントMt=T/2×Lにより引張力と直角方向へ落ち込む。一方、圧縮力Cが加わった場合(図5(b))は、連結部3は、圧縮力C/2の方向へと縮むとともに、曲げモーメントMc=T/2×Lにより引張力と直角方向へ膨れ上がる。ここに、Lは固定部2の板厚の中心から連結部3の任意の要素の中心までの距離である。
この連結部3と骨組構成部材1との間の空隙4に粘弾性材6が充填されている場合、連結部3の変形に追従して、粘弾性材6も形状が変化する。骨組接合部品10は、通常、骨組構成部材1と同等以上の強度を有するように設計される。したがって、設計上、地震時であっても弾性範囲内で挙動し塑性化しない。一方、粘弾性材6は、変形能力が高く、その履歴特性は、微小変形から非線形性を示し、連結部3が弾性変形の範囲であっても塑性化する。したがって、荷重履歴に伴う非線形な挙動により地震等のエネルギを吸収する制震ダンパとして機能する。
図5に骨組接合部品10の他の実施形態を示す。骨組接合部品10は、接合される2つの骨組構成部材1のそれぞれの表面にボルト5により固定されて取り付く固定部2、及び2つの固定部2の間に設けられた連結部3から構成されるが、固定部2と連結部3とは、別の板材から成り、連結部3は固定部2に、例えば溶接により接続されている。また、連結部3が固定部2より起立していることから、固定部2と連結部3と骨組構成部材1との間には、空隙4が生じる。
図6に骨組接合部品10の他の実施形態を示す。骨組構成部材1の一辺に2枚の骨組接合部品10を、連結部3が対向するように重ね合わせることにより、相互の連結部3から形成される空隙4が生じる。2枚の骨組接合部品10の固定部2は、重ね合わされて骨組構成部材1にボルト5を介して接合される。
図7は、建造物の柱と梁の仕口に骨組接合部品10を取付けた実施形態の概略図である。この場合、図6に示す継手の骨組構成部材1がI字型に接合するのに対して、骨組構成部材1がT字型に接合する。骨組接合部品10もそのT字型の骨組構成部材1に合わせて折り曲げた形状となる。外力が加わった場合、柱と梁の仕口では、曲げモーメントが支配的な応力となるが、この曲げモーメントに対して、骨組接合部品10は火打ち材として機能し、図中に示すように連結材3に対して引張力又は圧縮力が作用する。この引張力又は圧縮力により、上述したように連結部3に曲げ変形が発生する。この実施例でも、連結部3は、図2に示すような山形であっても、あるいは、楕円形であっても良く、双方の連結部3が、それぞれ一方の固定部2から起立し、また他方の固定部2からも起立していれば、その間の形状は任意である。
図8は、建造物の柱と梁の仕口においてブレース7の端部に骨組接合部品10を取付けた実施形態の概略図である。外力が加わった場合に、ブレース7には、軸力が発生し、柱と梁の仕口にその軸力を伝達する。図8では、ブレース7は端部においてブレース取り付け金物9に取付けられ、このブレース取り付け金物9は、ピン8を介して骨組接合部品10の固定部2に取り付く。また、骨組接合部品10の他方の固定部2は、柱及び梁にボルトを介して取り付く。双方の固定部2は、連結部3がL字型に接続している。
ブレースに引張力又は圧縮力が発生した場合には、上述したように連結部3に曲げ変形が発生する。連結部3は、L字型でなくても骨組接合部品10内でブレースからの軸力が伝達する部位に取付ければ、本実施形態と同様の効果が生じる。この実施態様でも、連結部3は、図2に示すように山形であっても、あるいは、楕円形であっても良く、双方の連結部3が、それぞれ一方の固定部2から起立し、また他方の固定部2からも起立していれば、その間の形状は任意である。
本発明に係る骨組接合部品の、柱継手及び梁継手の一実施例の構成を示す概略図である。 連結部の他の実施形態の構成を示す概略図である。 骨組接合部品に生じる荷重状態を示す説明図である。 連結部の変形を示す模式図である。 柱継手及び梁継手の他の実施例の構成を示す概略図である。 柱継手及び梁継手の他の実施例の構成を示す概略図である。 骨組接合部品を柱と梁の仕口に用いた実施形態の構成を示す概略図である。 骨組接合部品を柱と梁の仕口に取り付くブレースの端部に用いた実施形態の構成を示す概略図である。 従来技術である木構造の接合金具の概略図である。
符号の説明
1 骨組構成部材、2 固定部、3 連結部、4 空隙、5 ボルト、6 粘弾性材、7 ブレース、8 ピン、9 ブレース取付け金物、10 骨組接合部品、11,12 木部、14,15 金具、16,17 金具の輪、18 板バネ、 19 楔係合板、 20 圧縮コイルバネ。

Claims (7)

  1. 骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、
    双方の骨組構成部材の表面に固定されて取り付く固定部と、
    固定部と一体の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部と、
    を備え、
    連結部と、骨組構成部材との間の空隙には、粘弾性材が設けられていることを特徴とする骨組接合部品。
  2. 骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、
    双方の骨組構成部材の表面に固定されて取り付く固定部と、
    固定部とは別の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部と、
    を備え、
    連結部と、固定部と、骨組構成部材との間の空隙には、粘弾性材が設けられていることを特徴とする骨組接合部品。
  3. 骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する骨組構成部材相互を接合する骨組接合部品であって、
    双方の骨組構成部材の表面に、固定されて取り付く固定部と、
    固定部と一体の板材から成り、固定部より起立して、骨組に加わる外力により曲げ変形可能な連結部と、
    を備え、
    2枚の骨組接合部品が重ね合わされ、対向する双方の連結部の間の空隙には、粘弾性材が設けられることを特徴とする骨組接合部品。
  4. 請求項3に記載の骨組接合部品において、
    固定部は、柱の表面に固定される柱固定部と、梁の表面に固定される梁固定部とから成り、
    連結部は、柱固定部と梁固定部との間に設けられ、固定部より起立し、柱梁の接合部に発生する曲げモーメントに対して軸方向力により抵抗し、曲げ変形可能であることを特徴とする骨組接合部品。
  5. 骨組の自重及び骨組に加わる外力を負担する柱、梁及びブレースを柱梁の接合部で接合する骨組接合部品であって、
    柱の表面に固定される柱固定部と、
    梁の表面に固定される梁固定部と、
    ブレースの端部が取り付くブレース接続部と、
    柱固定部と、梁固定部と、ブレース接続部との間に設けられ、柱固定部及び梁固定部より起立し、ブレースに生じる引張力に抵抗し、曲げ変形可能な連結部と、を備え、
    2枚の骨組接合部品が重ね合わされ、対向する双方の連結部の間の空隙には、粘弾性材が設けられることを特徴とする骨組接合部品。
  6. 請求項5に記載の骨組接合部品において、連結部は、柱固定部と、梁固定部と、ブレース接続部との間にL字型に設けられることを特徴とする骨組接合部品。
  7. 請求項1から6のいずれか1に記載の骨組接合部品において、
    連結部の断面形状は、略半円であることを特徴とする骨組接合部品。
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