JP3889689B2 - 電鋳管の製造方法及び電鋳管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気鋳造(本明細書では「電鋳」という)管の製造方法及び電鋳管、電鋳管を製造するための細線材に係り、更に詳しくは、微細な内径を有する電鋳管の製造方法及び電鋳管に関する。また、微細な内径を有する電鋳管を製造するための細線材に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
従来からLSI等の集積回路を製造する際には、半導体パターンが設計通りに出来上がっており、電気的導通が良好であるかどうかの検査が行われている。この検査は、多数のコンタクトプローブを備えた装置(本明細書では「プローブ装置」という)を用い、コンタクトプローブのピンを形成した各電極に接触させて行われる。コンタクトプローブは、所要長さを有する極細の管の内部にバネが設けてあり、ピンを管内に進退可能に設けた構造を有している。
【0003】
ところで近年の半導体製造技術の進化は目覚ましいものがあり、集積度はますます高密度化する傾向にある。これに伴い電極の電気的導通を検査するプローブ装置においても最新の集積回路に対応できるように、コンタクトプローブの数を増やし(多ピン化)、線径も細くし(細線化)、コンタクトプローブ間の間隔もより狭く(狭ピッチ化)することが求められている。現在のコンタクトプローブ用の管は、外径が110μm、内径が88μmのものが世界最小とされている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記したように半導体製造技術はますます進化しているため、コンタクトプローブも更に小型化することが必要とされている。
【0004】
また、微細な内径を有する管の必要性は、半導体産業以外の例えばバイオテクノロジーや医療の分野においても高まっている。
つまり、このような微細な内径を有する管の開発は産業界全体から強く要請されている。
【0005】
本発明者は、電鋳に関する研究を行っており、以前に電鋳によって径小な管を製造することに成功している。このときの電鋳管は、中空部が断面円形状であり、内径が126μmのものである(例えば、特許文献1参照)。従って、本発明者は電鋳技術を使えば、コンタクトプローブ用の微細な内径(中空部)を有する管もつくれるのではないかとの着想を得た。
【0006】
そして更に研究を重ねたところ、直径が10μmから85μmまでの細線材を用い、この細線材の外面に最小5μmの金属の膜を付着させることに成功した。そうして、この金属から上記細線材が除去できれば、微細な内径(中空部)を有する管がつくれることを知見した。
しかし、電着(析出)させた金属から細線材を除去することは、電着した金属が細線材の外面に密着しているので、容易なことではなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−48947号公報
【非特許文献1】
日経メカニカルON LINE、2001年4月号、日経BP社、インターネット<URL:http://dm.nikkeibp.co.jp/free/nmc/kiji/h559/t559g.html>
【0008】
(本発明の目的)
本発明の目的は、
▲1▼微細な内径を有する電鋳管の製造方法及び電鋳管、この電鋳管を製造するための細線材を提供することにある。
▲2▼細線材を電着物または囲繞物から除去する際に、治具や工具等が電着物または囲繞物に引っ掛けたりできるようにして、細線材を除去し易くする電鋳管の製造方法を提供することにある。
▲3▼内面に金メッキ等の導電層を設けて、電気伝導率が電着物または囲繞物だけのときより良いようにする電鋳管の製造方法及び電鋳管、この電鋳管を製造するための細線材を提供することにある。
▲4▼内面に材質の異なる導電層を少なくとも二層以上設け、導電層相互及び電着物または囲繞物の密着性が良いようにする電鋳管の製造方法及び電鋳管、この電鋳管を製造するための細線材を提供することにある。
▲5▼中空部を複数備えた電鋳管の製造方法及び電鋳管を提供することにある。
▲6▼中空部を複数備えており、各中空部の周りを形成する部分ごとに独立して電気伝導が可能な電鋳管の製造方法及び電鋳管を提供することにある。
▲7▼細線材を除去する際において、内面に設けた導電層に引張力がかかり難くして、導電層と基線材とを分離し易くし、導電層と電着物または囲繞物との密着性が損なわれ難いようにする電鋳管の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
外周面に電着物または囲繞物とは異なる材質の金属の導電層を設けたステンレス製の細線材の周りに電鋳により電着物または囲繞物を形成し、前記電着物または前記囲繞物の内面に前記導電層を残したまま細線材を除去して電鋳管を製造する方法であって、
前記導電層は、電解メッキで形成されたものであり、前記電着物または前記囲繞物より電気伝導率が高いものとし、
前記細線材は、一方または両方から引っ張って断面積が小さくなるように変形させ、前記変形させた細線材と前記導電層の間に隙間を形成して、前記変形させた細線材を掴んで引っ張って除去することを特徴とする、
電鋳管の製造方法である。
【0012】
第2の発明にあっては、
導電層は、異なる金属によって二層にしたことを特徴とする、
第1の発明に係る電鋳管の製造方法である。
【0013】
第3の発明にあっては、
細線材を外方に引っ張って伸ばしたときの横ひずみの変形量が断面積の5%以上であることを特徴とする、
第1又は2の発明に係る電鋳管の製造方法である。
【0017】
の発明にあっては、
細線材を電着物または囲繞物から除去して形成される中空部の内形状が、断面円形状または断面多角形状を有することを特徴とする、
第1,2,又は3の発明に係る電鋳管の製造方法である。
【0018】
第5の発明にあっては、
着物または囲繞物はニッケルとし、導電層は金としたことを特徴とする、
第1の発明に係る電鋳管の製造方法。
【0027】
第6の発明にあっては、
外周面に電着物または囲繞物とは異なる材質の金属の導電層を設けた細線材の周りに電鋳により電着物または囲繞物を形成し、前記細線材の一方又は両方を引っ張って断面積を小さくなるよう変形させ、前記変形させた細線材と前記導電層の間に隙間を形成して前記変形させた細線材を引き抜いて、前記電着物または前記囲繞物の内側に前記導電層を残したまま細線材を除去して製造される電鋳管であって、
前記導電層は、前記電着物または前記囲繞物より電気伝導率が高いものとし、
前記細線材を除去して形成される中空部の内形状が断面円形状又は断面多角形状であって前記電着物または前記囲繞物の肉厚が5μm以上50μm以下であることを特徴とする、
電鋳管である。
第7の発明にあっては、
細線材を除去して形成される中空部の内形状が断面円形状を有するものは、中空部の内径が10μm以上85μm以下であり、中空部の内形状が断面多角形状を有するものは、中空部の内接円の直径が10μm以上85μm以下であることを特徴とする、
第6の発明に係る電鋳管である。
第8の発明にあっては、
導電層は、異なる金属によって二層にしたことを特徴とする、
第6又は7の発明に係る電鋳管である。
第9の発明にあっては、
着物または囲繞物はニッケルとし、導電層は金としたことを特徴とする、
第6又は7の発明に係る電鋳管である。
【0033】
細線材は、例えば、金属線材等のように全体が導電性材料で形成されたものを使用することもできるし、前記導電性材料の周りに導電層(例えば、メッキ等の金属やカーボン等)を設けたものを使用することもできる。また、合成樹脂線材等の絶縁性材料の細線材を用い、この周りに導電層(例えば、無電解メッキ等の金属やカーボン等)を設けて形成したもの等を使用することもできる。
更に、細線材の近傍に別体の導体を設けて、この導体に金属が電着(析出)するようにした場合では、上記した細線材の他に、更に合成樹脂線材等のように全体が絶縁性材料で形成されたもの(導電性の材料が設けられていないもの)を使用することもできる。
【0034】
電鋳によって金属が電着する箇所の材質は、導電性を有していれば特に材質は限定するものではないが、金属を電着させ易くするために電気伝導率が良好なものを使用することが好ましい。例えば、鉄、ステンレス、銅、金、銀、真鍮、ニッケル、アルミニウム、カーボン等が使用できる。
【0035】
また、細線材や、隔壁体の絶縁体を構成する絶縁性材料は、電気が極めて流れにくい不導体(絶縁体)や、温度等によって導体にも不導体にもなる半導体を用いることができる。絶縁性材料は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エンジニアプラスチック、化学繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維)よりなるもの等を使用することができる。例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、モダクリル、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、アセテート、トリアセテート、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、全芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンズウイミダゾール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、アラミド、ポリウレタン、スパンデックス、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、ベンゾエート、ポリフルオロエチレン、プロミックス、レーヨン、キュプラ、ガラス繊維等を挙げることができる。
更に、絶縁性材料は、撚り合わせたり紡いだりしていない、いわゆるフィラメント糸を使用することもできるし、紡績糸を使用することもできる。
【0036】
電鋳管の内形状や細線材の外形状で示す「断面円形状」という用語は、厳密に断面形状が円形状であるものを意味するものではなく、実質的に円形状のものや、楕円形状のものを含む概念として使用している。
【0037】
電鋳管の内形状や細線材の外形状で示す「断面多角形状」という用語は、厳密に断面形状が多角形状であるものを意味するものではなく、例えば、角部に丸みが付けてあるようなものも含む、実質的に多角形状のものを含む概念として使用している。また、特に限定するものではないが、具体的に多角形状とは、略三角形状、略四角形状(長方形状、正方形状、菱形状、平行四辺形状を含む)、略五角形状、略六角形状等を挙げることができる。
【0038】
細線材を溶かして除去する溶剤としては、例えば、アルカリ性溶液や酸性溶液等を挙げることができる。
【0039】
電鋳管の用途としては、特に限定するものではないが、例えば、コンタクトプローブ用の管(バネを収容するケーシング)を挙げることができる。
【0040】
「中空部の周りを形成する部分」とは、電鋳による電着物または囲繞物の場合もあるし、電着物または囲繞物とは異なる材質を有し、中空部の内面に設けられた導電層(隔壁体の導電層を含む)の場合もある。
【0041】
(作 用)
本発明によれば、電鋳によって形成された電着物または囲繞物から細線材が除去できる。細線材は、▲1▼電着物または囲繞物を加熱して熱膨張させ、または細線材を冷却して収縮させることにより、電着物または囲繞物と細線材の間に隙間を形成したり、▲2▼液中に浸してまたは液をかけることにより、細線材と電着物または囲繞物が接触している箇所を滑り易くしたり、▲3▼一方または両方から引っ張って断面積が小さくなるように変形させて、細線材と電着物または囲繞物の間に隙間を形成したりして、掴んで引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去される。また、▲4▼熱または溶剤で溶かしても除去できる。
【0042】
細線材の除去に際して、このような方法を用いれば、例えば、直径が10μmから85μmまでの細線材を用いて、この細線材の外面に5μm以上50μm以下の肉厚を有するように形成した電着物または囲繞物からでも、細線材を除去することができる。従って、この細線材の除去方法を用いることにより、例えば、コンタクトプローブ用の管等として使用可能な微細な内径を有する電鋳管が製造できる。
【0043】
細線材に形成される端部側の電着物または囲繞物の量を多くして電鋳管を製造する方法によれば、例えば、細線材を電着物または囲繞物から引き抜いたり押し遣ったりして除去する際に、治具や工具等を電着物または囲繞物の量を多くした部分の端面等に引っ掛けたりすることができる。従って、この場合では、電着物または囲繞物を固定した状態にして細線材が除去できるようになるので、細線材が除去し易い。
【0044】
細線材を外方に引っ張って伸ばしたときの横ひずみの変形量が断面積の5%以上あるようにした電鋳管の製造方法によれば、細線材と電着物または囲繞物の間に、細線材を除去するのに十分な隙間が形成できるので、細線材が電着物または囲繞物から支障なく除去できる可能性が高い。仮に横ひずみの変形量が断面積の5%未満しかなかった場合では、隙間が十分でないので、除去に際して支障が生じる場合がある。
【0045】
外面に導電層が設けられた細線材を用い、導電層が電鋳管の内面に残るように細線材を除去する電鋳管の製造方法によれば、内面に金メッキ等を設けた電鋳管が製造できる。このような電鋳管は、例えば、内面に設ける導電層の材質によって電気伝導率が電着物または囲繞物だけのときより良好にできるので、この場合では電気を伝導するのに適した部品として使用できる。
なお、内面に電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてある電鋳管や、外面に、電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてある細線材についても、同様に電気伝導率が電着物または囲繞物だけのときより良い電鋳管が形成できる。
【0046】
外面側に材質の異なる導電層が少なくとも二層以上形成してある細線材を用いた電鋳管の製造方法によれば、例えば、外側の導電層を銅で構成し、銅と接する内側の導電層を金で構成して、電鋳によりニッケルが電着物または囲繞物として形成されるようにできる。この場合では、ニッケルは金よりも銅と密着性が良く、銅は金とも密着性が良いので、密着性の良好な電鋳管が形成できる。
なお、内面に電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてあり、更に、電着物または囲繞物と上記導電層との間には、当該導電層とは異なる材質の導電層が設けてある電鋳管や、外面に、電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてあり、更に、細線材基部材と上記導電層との間には、当該導電層とは異なる材質の導電層が設けてある細線材についても、同様に電着物または囲繞物と導電層との密着性の良好な電鋳管が形成できる。
【0047】
細線材を除去して形成される中空部を複数個備えたものは、例えば、中空部が一つしか設けられていない管を複数並べて製造されていた部品と置き換えて使用することができる。この電鋳管によれば、個々の管を並べて設置する手間を無くすことができる。また、中空部の間の間隔も電着物または囲繞物で固定されているのでずれない。
【0048】
中空部の間に、絶縁体の外面に導電層を設けて形成してある隔壁体を介在させて、各中空部の周りを形成する部分ごとに独立して電気伝導ができるようにしてあるものは、各中空部ごとに独立して電気伝導が可能である。
【0049】
両端側に導電層が設けられていない部分がある細線材は、この導電層が設けられていない部分を外方に引っ張るようにすることにより、引張力が導電層に直接かかり難くなり、導電層と基線材とが分離し易く、また、導電層と電着物または囲繞物との密着性も損なわれ難い。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る電鋳管を製造するための電鋳装置の一例を示す断面説明図である。
まず、電鋳管を製造する電鋳装置について説明する。
【0051】
電鋳装置100は、電鋳槽10と、この電鋳槽10を内側に収容する外槽11を備えている。電鋳槽10及び外槽11は上部が開口しており、電鋳槽10内には運転時において常時電解液(電鋳液)20が供給されている。こうして電解液20が電鋳槽10の上部からあふれ出して、外槽11内に流れ込むようになっている。本実施の形態で電解液20としては、例えば、スルファミン酸ニッケル液に光沢剤やビット防止剤を加えたものを使用している。
【0052】
電鋳槽10からあふれ出て外槽11内に流れ込んだ電解液20は、濾過装置(図示省略)によって濾過され、再び電鋳槽10内に供給されている。つまり電解液20は、運転時において電鋳槽10と外槽11の間を絶えず循環している。なお、電鋳槽10に電解液20を供給する供給手段は、公知手段が使用できる(図示省略)。
【0053】
本実施の形態において電鋳槽10の上部からあふれ出している部分の電解液20は、便宜的にオーバーフロー部12と称す。電鋳装置100では、このオーバーフロー部12において電鋳が行われる。電鋳手順については後述する。
【0054】
電鋳槽10の下部には、水平アジャスター装置13が設けられている。この水平アジャスター装置13は、電鋳槽10を略水平に維持し、これにより電鋳槽10の上部全域に略水平なオーバーフロー部12が形成され、オーバーフロー部12内の各所に電解液20が均一に分布するようにできる。
【0055】
符号4は、電鋳用の型部材(母材)となる細線材30を保持する保持治具を示している。保持治具4は、所要長さを有する水平部材40と、この水平部材40の両端側に垂下させてある一対の垂設部材41,41を備えている。保持治具4は、垂設部材41,41が電鋳槽10の側方に位置するように設けられている。
【0056】
垂設部材41,41には、所要の長さを有する棒状の線材固定部材42,43が、それぞれ略水平方向に延びて設けられている。線材固定部材42,43は、垂設部材41,41に回転可能に設けられている。一方の線材固定部材42の電鋳槽10側の端部には、電極44が設けられている。また、他方の線材固定部材43の電鋳槽10側の端部には、細線材30を引っ張るテンション装置45と、電極44が設けられている。線材固定部材42,43には、細線材30の一端と他端がそれぞれ固定されて、テンション装置45によって緊張した状態で設けられる。
【0057】
垂設部材41,41の間には、回転軸46が回転可能に架設されている。符号47は回転軸46を駆動させる駆動モータを示している。回転軸46は垂設部材41,41を貫通しており、両端側には歯車480,481が固着されている。
【0058】
上記した線材固定部材42,43は、垂設部材41,41を貫通して設けてある。垂設部材41を貫通した線材固定部材42には、歯車482が固着されている。同様に垂設部材41を貫通した線材固定部材43には、歯車483が固着されている。こうして歯車480と歯車482、歯車481と歯車483とが噛み合わせてある。従って、駆動モータ47を作動させて、回転軸46と共に歯車480,481を回転させることにより、歯車482,483と線材固定部材42,43が回転し、ひいては細線材30が回転するようにできる。細線材30の回転速度は、特に限定するものではない。例えば、15r.p.m.以下に制御される。
【0059】
線材固定部材42,43の外側の端部には、それぞれ導電性を有する電極接触部材49,49が設けられている。電極接触部材49.49は、保持治具4が電鋳槽10の上方に配置されたときに、電鋳槽10と外槽11との間に設けられた電極部14,14と接触する。電極部14,14は電源のマイナス極と接続されている。従って、電極接触部材49,49は、電極部14,14と接触した状態で、電源のマイナス極と電気的に接続された状態となる。
【0060】
符号15は電源のプラス極と電気的に接続された電極部を示している。電極部15は、電鋳槽10の底部に設けられている。電極部15は、例えば、チタン鋼からなるメッシュ状または穴あきのケース内に電鋳用の金属ペレット(例えば、ニッケルペレット)を収納して構成されたもの等が使用できる。
【0061】
電鋳装置100を使用した電鋳管の製造方法について説明する。
まず、線材固定部材42,43に細線材30の一端部と他端部をそれぞれ固定させて、線材固定部材42,43の間で細線材30を緊張した状態にする。このとき電解液20は電鋳槽10に供給されており、電鋳槽10の上部からあふれ出して(オーバーフロー部12を形成して)、外槽11内に流れ込むようになっている。また、オーバーフロー部12は、水平アジャスター装置13によって電鋳槽10を略水平にし、各所に電解液20が均一に分布するように調整されている。
【0062】
本実施の形態で細線材30は、直径50μmの断面略円形状を有するステンレス製で、外方に引っ張る略1500N/mmの引張力をかけたときに横ひずみの変形量が断面積の10%になるものを使用した。
【0063】
次に、駆動モータ47を作動させて、回転軸46と共に歯車480,481を回転させる。これにより歯車482,483と線材固定部材42,43が回転し、細線材30が回転する。
【0064】
電極接触部材49,49を電極部14,14と接触させて、垂設部材41,41を電鋳槽10の側方に位置させ、細線材30のみをオーバーフロー部12中に浸ける。電極接触部材49,49が電極部14,14と接触することにより、電極部15が電源のプラス極と電気的に接続されているので、細線材30が電源のマイナス極と電気的に接続された状態となって電鋳が始まる。こうして細線材30の周りに金属(本実施の形態で示す電解液20によればニッケル)が電着(析出)される。細線材30の周りに電着する金属は電着物(または囲繞物)である。
【0065】
細線材30を所要時間オーバーフロー部12内に浸け、電着した金属の外径が全長にわたり略70μmになるまで電鋳する。目標外径に到達したら、細線材30をオーバーフロー部12より取り出して電鋳を止める。金属の電着量(析出量)、つまり細線材に電着する金属の肉厚は、電流や電圧、電鋳時間等によって予め制御可能である。
【0066】
電鋳装置100では、各所にて電解液20が均一に分布するようにオーバーフロー部12が調整されており、しかも、細線材30は回転させているので、仮に電解液20内の電流密度に不均一な箇所が発生した場合であっても、細線材30における金属の電着状態(析出状態)にはばらつきが生じ難い。従って、細線材30の周囲には、全長にわたって略均等な肉厚を有するように金属が電着する。これにより電鋳管は、細線材30を除去するだけで高精度のものが製造できる。
【0067】
また、電鋳装置100は、オーバーフロー部12で電鋳しており、あふれ出た電解液20は再び電鋳槽10に戻って循環している。つまり、電鋳にあたってはオーバーフロー部12が形成できれば良く、このため少量の電解液20でも電鋳を行うことが可能である。
【0068】
電鋳装置100では、細線材30を固定する線材固定部材42,43が、オーバーフロー部12の外側に配置されるので、線材固定部材42,43は電解液20に浸からない。従って、線材固定部材42,43等が電解液20と反応して不純物を発生させるようなことがない。また、電解液20が線材固定部材42,43等に付着して持ち出されてしまうこともなく、電鋳槽10から電解液20が無駄に減ることもない。
【0069】
そして、周りに金属が電着した細線材30を線材固定部材42,43から取り外し、最後に形成された電着物(囲繞物)から細線材30を除去する。
【0070】
細線材30は、外面に電着物が密着しているので、単に、細線材30を掴んで引っ張ったり、吸引したり、物理的に押し遣ったり、気体または液体を噴出して押し遣ったりするだけでは除去が困難である。従って、細線材30は、以下に示す(1) 〜(4) のいずれかの方法を用いて除去される。
【0071】
(1) 電着物を加熱して熱膨張させ、または細線材30を冷却して収縮させて、電着物と細線材30の間に隙間を形成し、細線材30を掴んで引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去する。
【0072】
(2) 洗浄剤を溶解させた液体中に浸したり、この液体をかけたりして、細線材30と電着物とが接触している箇所を滑り易くする。そして、細線材30を掴んで引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去する。
【0073】
(3) 細線材30を一方または両方から引っ張って断面積が小さくなるように変形させる。そして、電着物と細線材30の間に隙間を形成し、細線材30を掴んで引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去する。
【0074】
(4) 細線材30を熱によって溶かしたり、またはアルカリ性溶液や酸性溶液等の溶剤によって溶かしたりして除去する。
【0075】
こうして細線材30を除去することにより、残った電着物によって微細な内径(中空部)を有する電鋳管がつくられる。この電鋳管は、コンタクトプローブ用の管等として使用可能である。
【0076】
本実施の形態では、全長にわたって略均等な肉厚を有する電着物から細線材を除去するようにしたが、これは限定するものではない。例えば、図2に示すように、電着物50の一端側に外径の大きな径大部500を形成して、細線材30を引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去することもできる。このように径大部500を形成することで、引き抜いたり押し遣ったりする際において、治具や工具が径大部500の端面に引っ掛けることができる。従って、この場合では、電着物を固定した状態にして細線材30が除去できるようになるので、細線材が除去し易くなる。なお、このように一部分の電着量を多くする作業は、他の電鋳装置に移し替えられて行われることもある。
【0077】
また、上記実施の形態にて細線材30は、直径50μmの断面略円形状を有するものを使用した。しかし、細線材の太さや断面形状はこれに限定するものではない。例えば、図3に示すように断面形状が四角形等の多角形状の細線材31(角部に丸みが付けてある実質的に多角形状のものも含む)を使用することもできる。符号51は電着物である。
【0078】
上記した細線材は、断面形状が略円形状を有するものでは、外径が10μm以上85μm以下であれば、また、外形状が断面多角形状を有するものでは、内接円の直径が10μm以上85μm以下であれば、微細な内径を有する電鋳管の製造において使用できることが、本発明者の実験によりわかっている。
【0079】
また、本実施の形態で示す細線材30は、外方に引っ張る略1500N/mmの引張力をかけたときに横ひずみの変形量が断面積の10%になるものを使用した。しかし、細線材の横ひずみの変形量は特に限定するものではない。本発明者が実験したところによれば、少なくとも断面積の5%以上の変形量があれば良いようである。
【0080】
本実施の形態では直径50μmの断面略円形状を有する細線材30の周りに、略10μmの肉厚で金属を電着させて、全体として略70μmの外径となるように形成したが、電着させる金属の肉厚は特に限定するものではない。本発明者が実験したところによれば、少なくとも略5μmの肉厚を有するように細線材30の周りに電着させることができれば、細線材30を除去した後でも電鋳管が形成できることがわかっている。
【0081】
本実施の形態で細線材30はステンレス製のものを使用し、この細線材30の周りに金属を直接電着させるようにした。しかし、電鋳装置100で使用可能な細線材は、導電性を有するようにしてあれば特に限定するものではなく、例えば、芯部を金属や合成樹脂等でつくり、その外面に導電層(メッキ(金属層(膜))やカーボン等)を設けたもの等を使用することもできる。このような細線材を使用することにより、例えば、図4に示すように、外周面に金メッキ321を設けた細線材32に電着物52を形成した場合では、金メッキ321を電着物52の内周面に残して、基線材320のみを除去することも可能である。この場合では、内周面に金メッキ321が施された電鋳管が形成できる。
【0082】
内周面に金メッキ321が施された電鋳管は、金メッキ321を設けないときよりも電気伝導率を良くすることができるので、例えば、コンタクトプローブ用の管等の電気を伝導するのに適した部品として使用できる。
【0083】
更に例えば、細線材は、上記したメッキ等による導電層の外周側に、更にこれとは材質の異なる他の導電層を設けたものを使用することもできる。例えば、電鋳により電着する金属がニッケルであり、金メッキ331の外周側に銅メッキ332が設けられた細線材33の周りに電着物53を形成した場合(図5参照)では、ニッケルは金よりも銅と密着性が良く、銅は金とも密着性が良いので、基線材330のみを除去して、ニッケルと銅と金が密着性の良好な状態で接着された電鋳管が形成できる。この電鋳管の内周面には金メッキ331が露出している。
【0084】
このように外周部に導電層(例えば、金メッキ)が設けられた細線材を、断面積が小さくなるように変形させて析出した金属から除去する場合では、図6に示すように細線材34の両端側に導電層(例えば、金メッキ340)を設けない部分(マスキング部341,341)を形成し、この導電層を設けていない部分を引っ張るようにすることが好ましい。このようにすることで引張力が導電層に直接かかり難くなり、導電層と基線材とが分離し易く、また、導電層と電着物54との密着性も損なわれ難い。
【0085】
図7は本発明に係る電鋳管を製造するための電鋳装置の他の例を示す断面説明図、
図8は図7で示す電鋳装置で使用する製造用治具を示す分解斜視説明図、
図9は図8で示す製造用治具を使用して製造される電鋳管を示す拡大断面説明図である。
電鋳装置101は、細線材を縦方向(図7において垂直方向)に緊張した状態で設けるタイプのものである。
【0086】
電鋳装置101は、電鋳槽60を備えている。電鋳槽60は、内部に槽部61を有し、上方が開口した箱状に形成してある。電鋳槽60の上縁部には、外方に拡がる蓋載置部62が全周にわたり設けてあり、蓋載置部62には蓋体64が電鋳槽60の開口部を塞ぐように被せられている。
【0087】
槽部61の上方には掛止部63が設けてある。掛止部63には、電源のプラス極と電気的に接続された陽極部66が取り付けてある。陽極部66には収容体660が取り付けられており、収容体660には多数のニッケル球が詰められている。符号65は、電源のマイナス極と電気的に接続された陰極部を示している。陰極部65には、後述する製造用治具8と接続するための陰極線650が下方に垂らして設けてある。
【0088】
本実施の形態では収容体660にニッケル球を詰めるようにしたが、収容体660に詰めるものはこれに限定するものではなく、析出させる金属の種類に応じて選択される。例えば、ニッケル、鉄、銅、コバルトなどを使用することができる。また、形状や構造も特に限定するものではない。
【0089】
槽部61の内部には治具固定用枠体7が収容してある。治具固定用枠体7には製造用治具8が五段に積み重ねて設けてある。
【0090】
電鋳槽60の槽部61には電解液21が充填してある。電解液21は、陽極部66及び治具固定用枠体7が完全に浸かるように入れてある。本実施の形態で電解液21は、スルファミン酸ニッケルを主成分とするものを使用している。
【0091】
図8を参照する。製造用治具8は複数本の細線材35が張設可能であり、複数の中空部を有する電鋳管を製造するためのものである。なお、本実施の形態で示す細線材35は、電鋳装置100で使用したものと同じものを使用したので、説明は省略する。
【0092】
製造用治具8は所要長さを有する板状の治具本体80を備えている。治具本体80の略中央部には、貫通した開口部81が形成されている。図8において上下端側となる治具本体80の両端側(短辺側)には、細線材35を固定する固定部材82,83が、幅方向に所要間隔をもって複数個(具体的には8箇所ずつ)設けられている。本実施の形態で固定部材82,83はビス状のものを使用したが、これは特に限定するものではない。
【0093】
また、固定部材82,83より更に内側の部分には、固定部材82,83が設けられた間隔よりも更に間隔を幅狭にして、それぞれ案内ピン84が複数個(具体的には8箇所ずつ)設けられている。
【0094】
更に、案内ピン84より内側の部分となる開口部81の近傍には、細線材35の張設位置を決めるための位置決め部材85,85が設けられている。位置決め部材85,85は、治具本体80の幅と略同じ長さを有する帯状の板状体であり、略中央部分には細線材35を嵌め入れるためのV字状の溝(図では外れ防止部材850(後述)で覆われており見えない)が形成されている。この溝は、位置決め部材85の全幅(図8において上下方向)にわたって、また長さ方向(図8において左右方向)に複数個(具体的には8箇所に)連設して形成されている。
【0095】
各位置決め部材85の上面側には、この位置決め部材85と略同じ幅を有するが、長さの短い板状体で形成された外れ防止部材850を設けて、嵌めた細線材35が溝から外れないようにしてある。本実施の形態で位置決め部材85の溝は、隣り合う細線材35との間に10μmの隙間が設けられるように形成したが、これは限定するものではなく、細線材35の間隔は適宜設定可能である。
【0096】
製造用治具8には、複数本(具体的には8本)の細線材35が取り付けられる。各細線材35は次のようにして取り付けられる。
まず、細線材35の他端(図8において下側)に引張バネ86を取り付ける。そして、細線材35の一端(図8において上側)を固定部材82で止める。固定部材82で止めた細線材35は、隣接する案内ピン84,84の間を通して、各位置決め部材85に形成してある溝に嵌めて、位置決め部材85,85間に架け渡す。
【0097】
溝に嵌めた細線材35の他端側は、上端側と同様に隣接する案内ピン84,84の間を通して、引張バネ86を固定部材83で止める。細線材35は、引張バネ86の引張力によって、細線材35の開口部81と対応した部分が緊張した状態となって取り付けられる。
【0098】
なお、製造用治具8において細線材35は、隣り合うものとの間に10μmの隙間を有して取り付けられているが、図8で上記間隔は理解を容易にするために誇張して表している。
【0099】
符号87は隔壁部材88を取り付けるための保持部材を示している。保持部材87は、開口部81の開口形状と略同じ大きさを有する長方形状の板状体で形成してある。
【0100】
隔壁部材88は、保持部材87の図8における上下方向の長さと略同じ長さを有しており、厚みの薄い帯状形状を有している。詳しくは隔壁部材88は、略8μmの厚みを有する絶縁基部材880を備え、絶縁基部材880の表裏面に略2〜3μmの厚みを有するメッキ等による導電層(膜)881が設けられた構造を有している。導電層881を形成する材質は、導電性を有していれば良く、特に限定するものではない。しかし、電鋳による電着物と密着性(接着性)が良好な性質を有するものが好ましい。
【0101】
隔壁部材88は、導電層881が対向するように所要間隔を設けて複数個(具体的には7個)並べて、保持部材87の表面の略中央部に、図8の上下方向の全長に延びて着脱可能に取り付けてある。本実施の形態で隔壁部材88は、上記した細線材35が略10μmの隙間を形成して治具本体80に取り付けられるようにしたので、これと対応するように同じく略10μmの間隔で取り付けてある。
【0102】
隔壁部材88が設けられた保持部材87は、開口部81を縦断して張設してある細線材35間に、隔壁部材88を側方(矢印方向)から差し込んで入れ、細線材35の張力によって隔壁部材88が狭持されることで治具本体80に取り付けられる。つまり、細線材35と隔壁部材88(詳しくは導電層881)は接触している。
【0103】
製造用治具8は、保持部材87を上記したようにして治具本体80に取り付け、電気が細線材35に流れるように陰極線650を接続(図8では図示省略)した後に、槽部61の治具固定用枠体7内に収容して、電解液21中に浸けて電鋳する。なお、具体的な説明は省略するが、製造用治具8のうち開口部81以外の箇所には、電解液21が浸からないようにマスキング処理が施される。
【0104】
電鋳装置101によれば、通電することにより細線材35の周りと導電層881の表面に電着物が形成される。そして、電着物55により細線材35と隔壁部材88が、所要の程度囲繞されたところで電鋳を止める。電着物55の電着量(析出量)は、電流や電圧、電鋳時間等によって予め制御可能である。
【0105】
電鋳を止めた製造用治具8は電解液21から取り出され、再び、治具本体80と保持部材87に分解される。このとき隔壁部材88は、析出した電着物55によって細線材35の間にて固定されているので、保持部材87から分離される。その後、電着物55により一体にされた細線材35と隔壁部材88を治具本体80より取り外す。
【0106】
そして、電着物55と隔壁部材88に機械加工を施して形状を整えて(図9参照)、電着物55から細線材35を除去する。なお、細線材35の除去は、上記電鋳装置100で製造されたものと同様の方法で行うので、説明は省略する。
こうして中空部が複数個(具体的には8個)ある電鋳管がつくられる。
【0107】
この電鋳管は、細線材35を除去して形成された中空部の間に、仕切るように隔壁部材88が介在させてあるので、各中空部の周りを形成する部分ごとに独立して電気伝導が可能である。
【0108】
なお、電鋳装置101でも、芯部を金属や合成樹脂等でつくり、その外面に導電層(メッキ(金属層(膜))やカーボン等)が設けられた細線材を使用することができる。更に、細線材の断面形状等も、電鋳装置101で示した細線材と同様に特に限定するものではない。
【0109】
本実施の形態では細線材35の間に隔壁部材88を設けて電鋳したが、これは限定するものではなく、例えば、隔壁部材を設けず、細線材のみの状態で電鋳することも可能である。
【0110】
電鋳管は、上記実施の形態で示す電鋳装置100,101以外の他の形態の電鋳装置を使用して製造することもできる。また、電鋳装置で使用する製造用治具の種類も特に限定するものではない。
【0111】
本実施の形態で示す具体的な寸法(大きさ、長さ)を表す数値は、理解を容易にするために記載したものであって、特に寸法を限定する意図はない。例えば、細線材の径、電着物の肉厚、細線材の変形量や引張力、導電層(膜)(メッキ等)の厚み、隔壁部材の厚み等がある。これらの寸法は、範囲を設定したものについてはその範囲内において、任意に設定可能である。
【0112】
本実施の形態では、細線材の外面に電鋳による金属を電着させて細線材を覆うようにしたものを示したが、これは限定するものではなく、例えば、細線材の近傍に通電可能な導体(金属等)を設けて、この導体に電鋳による金属を電着させることで、細線材も電着する金属によって覆われるようにして電鋳管をつくることもできる。
【0113】
上記実施の形態において電解液は、スルファミン酸ニッケルを主成分とするものを使用したが、電解液はこれに限定するものではなく、析出させる金属の種類に応じて選択される。電着(析出)する金属としては、例えばニッケル又はその合金、鉄又はその合金、銅又はその合金、コバルト又はその合金、タングステン合金、微粒子分散金属等の金属をあげることができる。また、上記金属を析出させる電解液としては、例えば塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン酸第一鉄、ホウフッ化第一鉄、ピロリン酸銅、硫酸銅、ホウフッ化銅、ケイフッ化銅、チタンフッ化銅、アルカノールスルフォン酸銅、硫酸コバルト、タングステン酸ナトリウムなどの水溶液を主成分とする液、または、これらの液に炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、チッ化ケイ素、アルミナ、ダイヤモンドなどの微粉末を分散させた液が使用される。
【0114】
また、電鋳槽内には電解液を攪拌するための攪拌手段を設けることもできる。攪拌手段としては、例えば、空気の噴き出しによるもの、電解液を吸い込み、再び電解槽内に吐き出すもの、回転可能な攪拌羽根(プロペラ)、超音波、振動等を使用することができる。しかし、攪拌手段はこれらに限定するものではない。
【0115】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0116】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によれば、電鋳によって形成された電着物または囲繞物から細線材が除去できる。細線材は、▲1▼電着物または囲繞物を加熱して熱膨張させ、または細線材を冷却して収縮させることにより、電着物または囲繞物と細線材の間に隙間を形成したり、▲2▼液中に浸してまたは液をかけることにより、細線材と電着物または囲繞物が接触している箇所を滑り易くしたり、▲3▼一方または両方から引っ張って断面積が小さくなるように変形させて、細線材と電着物または囲繞物の間に隙間を形成したりして、掴んで引っ張るか、吸引するか、物理的に押し遣るか、気体または液体を噴出して押し遣るかのいずれかの方法を用いて除去される。また、▲4▼熱または溶剤で溶かしても除去できる。
細線材の除去に際して、このような方法を用いれば、例えば、直径が10μmから85μmまでの細線材を用いて、この細線材の外面に5μm以上50μm以下の肉厚を有するように形成した電着物または囲繞物からでも、細線材を除去することができる。従って、この細線材の除去方法を用いることにより、例えば、コンタクトプローブ用の管等として使用可能な微細な内径を有する電鋳管が製造できる。
【0117】
(b)細線材に形成される端部側の電着物または囲繞物の量を多くして電鋳管を製造する方法によれば、例えば、細線材を電着物または囲繞物から引き抜いたり押し遣ったりして除去する際に、治具や工具等を電着物または囲繞物の量を多くした部分の端面等に引っ掛けたりすることができる。従って、この場合では、電着物または囲繞物を固定した状態にして細線材が除去できるようになるので、細線材が除去し易い。
【0118】
(c)細線材を外方に引っ張って伸ばしたときの横ひずみの変形量が断面積の5%以上あるようにした電鋳管の製造方法によれば、細線材と電着物または囲繞物の間に、細線材を除去するのに十分な隙間が形成できるので、細線材が電着物または囲繞物から支障なく除去できる可能性が高い。仮に横ひずみの変形量が断面積の5%未満しかなかった場合では、隙間が十分でないので、除去に際して支障が生じる場合がある。
【0119】
(d)外面に導電層が設けられた細線材を用い、導電層が電鋳管の内面に残るように細線材を除去する電鋳管の製造方法によれば、内面に金メッキ等を設けた電鋳管が製造できる。このような電鋳管は、例えば、内面に設ける導電層の材質によって電気伝導率が電着物または囲繞物だけのときより良好にできるので、この場合では電気を伝導するのに適した部品として使用できる。
なお、内面に電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてある電鋳管や、外面に、電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてある細線材についても、同様に電気伝導率が電着物または囲繞物だけのときより良い電鋳管が形成できる。
【0120】
(e)外面側に材質の異なる導電層が少なくとも二層以上形成してある細線材を用いた電鋳管の製造方法によれば、例えば、外側の導電層を銅で構成し、銅と接する内側の導電層を金で構成して、電鋳によりニッケルが電着物または囲繞物として形成されるようにできる。この場合では、ニッケルは金よりも銅と密着性が良く、銅は金とも密着性が良いので、密着性の良好な電鋳管が形成できる。
なお、内面に電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてあり、更に、電着物または囲繞物と上記導電層との間には、当該導電層とは異なる材質の導電層が設けてある電鋳管や、外面に、電着物または囲繞物とは異なる材質の導電層が設けてあり、更に、細線材基部材と上記導電層との間には、当該導電層とは異なる材質の導電層が設けてある細線材についても、同様に電着物または囲繞物と導電層との密着性の良好な電鋳管が形成できる。
【0121】
(f)細線材を除去して形成される中空部を複数個備えたものは、例えば、中空部が一つしか設けられていない管を複数並べて製造されていた部品と置き換えて使用することができる。この電鋳管によれば、個々の管を並べて設置する手間を無くすことができる。また、中空部の間の間隔も電着物または囲繞物で固定されているのでずれない。
【0122】
(g)中空部の間に、絶縁体の外面に導電層を設けて形成してある隔壁体を介在させて、各中空部の周りを形成する部分ごとに独立して電気伝導ができるようにしてあるものは、各中空部ごとに独立して電気伝導が可能である。
【0123】
(h)両端側に導電層が設けられていない部分がある細線材は、この導電層が設けられていない部分を外方に引っ張るようにすることにより、引張力が導電層に直接かかり難くなり、導電層と基線材とが分離し易く、また、導電層と電着物または囲繞物との密着性も損なわれ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電鋳管を製造するための電鋳装置の一例を示す断面説明図。
【図2】電着物の一端側に径大部を形成した状態を示す説明図。
【図3】断面略四角形状を有する細線材の周りに電着物を形成した状態を示す断面説明図。
【図4】外周面に導電層を設けた細線材の周りに電着物を形成した状態を示す断面説明図。
【図5】外周面に材質の異なる導電層を二層設けた細線材の周りに電着物を形成した状態を示す断面説明図。
【図6】両端側に導電層を設けない部分を形成した細線材の周りに電着物を形成した状態を示す説明図。
【図7】本発明に係る電鋳管を製造するための電鋳装置の他の例を示す断面説明図。
【図8】図7で示す電鋳装置で使用する製造用治具を示す分解斜視説明図。
【図9】図8で示す製造用治具を使用して製造される電鋳管を示す拡大断面説明図。
【符号の説明】
100,101 電鋳装置
10 電鋳槽
11 外槽
12 オーバーフロー部
13 水平アジャスター装置
14 電極部
15 電極部
20 電解液
21 電解液
30,31,32,33,34,35 細線材
320 基線材
321 金メッキ
330 基線材
331 金メッキ
332 銅メッキ
340 金メッキ
341 マスキング部
4 保持治具
40 水平部材
41 垂設部材
42 線材固定部材
43 線材固定部材
44 電極
45 テンション装置
46 回転軸
47 駆動モータ
480,481 歯車
482,483 歯車
49 電極接触部材
50,51,52,53,54,55 電着物
500 径大部
60 電鋳槽
61 槽部
62 蓋載置部
63 掛止部
64 蓋体
65 陰極部
650 陰極線
66 陽極部
660 収容体
7 治具固定用枠体
8 製造用治具
80 治具本体
81 開口部
82 固定部材
83 固定部材
84 案内ピン
85 位置決め部材
850 外れ防止部材
86 引張バネ
87 保持部材
88 隔壁部材
880 絶縁基部材
881 導電層

Claims (9)

  1. 外周面に電着物または囲繞物とは異なる材質の金属の導電層を設けたステンレス製の細線材の周りに電鋳により電着物または囲繞物を形成し、前記電着物または前記囲繞物の内面に前記導電層を残したまま細線材を除去して電鋳管を製造する方法であって、
    前記導電層は、電解メッキで形成されたものであり、前記電着物または前記囲繞物より電気伝導率が高いものとし、
    前記細線材は、一方または両方から引っ張って断面積が小さくなるように変形させ、前記変形させた細線材と前記導電層の間に隙間を形成して、前記変形させた細線材を掴んで引っ張って除去することを特徴とする、
    電鋳管の製造方法。
  2. 導電層は、異なる金属によって二層にしたことを特徴とする、
    請求項1記載の電鋳管の製造方法。
  3. 細線材を外方に引っ張って伸ばしたときの横ひずみの変形量が断面積の5%以上であることを特徴とする、
    請求項1又は2記載の電鋳管の製造方法。
  4. 細線材を電着物または囲繞物から除去して形成される中空部の内形状が、断面円形状または断面多角形状を有することを特徴とする、
    請求項1,2,又は3記載の電鋳管の製造方法。
  5. 着物または囲繞物はニッケルとし、導電層は金としたことを特徴とする、
    請求項1記載の電鋳管の製造方法。
  6. 外周面に電着物または囲繞物とは異なる材質の金属の導電層を設けた細線材の周りに電鋳により電着物または囲繞物を形成し、前記細線材の一方又は両方を引っ張って断面積を小さくなるよう変形させ、前記変形させた細線材と前記導電層の間に隙間を形成して前記変形させた細線材を引き抜いて、前記電着物または前記囲繞物の内側に前記導電層を残したまま細線材を除去して製造される電鋳管であって、
    前記導電層は、前記電着物または前記囲繞物より電気伝導率が高いものとし、
    前記細線材を除去して形成される中空部の内形状が断面円形状又は断面多角形状であって前記電着物または前記囲繞物の肉厚が5μm以上50μm以下であることを特徴とする、
    電鋳管。
  7. 細線材を除去して形成される中空部の内形状が断面円形状を有するものは、中空部の内径が10μm以上85μm以下であり、中空部の内形状が断面多角形状を有するものは、中空部の内接円の直径が10μm以上85μm以下であることを特徴とする、
    請求項6記載の電鋳管。
  8. 導電層は、異なる金属によって二層にしたことを特徴とする、
    請求項6又は7記載の電鋳管。
  9. 着物または囲繞物はニッケルとし、導電層は金としたことを特徴とする、
    請求項6又は7記載の電鋳管。
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