JP3888411B2 - プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、放電セルがマトリクス状に配置されたPDP及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPは視認性に優れ、高速表示が可能であり、しかも比較的大画面化の容易な薄型表示デバイスである。マトリクス表示方式の、なかでも面放電型のPDPは、駆動電圧の印加に際して対となる表示電極を同一の基板上に配列したPDPであり、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0003】
従来、例えばAC駆動方式の3電極面放電型のカラーPDPは、以下のような構成となっている。すなわち、パネルは前面側の基板と背面側の基板とで構成され、前面側の基板の内側面には、面放電(表示用の主放電であるため表示放電と呼ばれたり、アドレス後の維持放電であるためサステイン放電と呼ばれたりする)発生用の多数の主電極対が水平方向にほぼ平行に配置され、背面側の基板の内側面には、アドレス放電発生用の複数のアドレス(信号)電極および該アドレス電極を挟むように放電を物理的に区分するためのストライプ状の多数のリブ(隔壁)が垂直方向(主電極と交差する方向)にほぼ平行に設けられており、リブ間の細長い溝内には蛍光体層が形成されている。
【0004】
このようなPDPのリブの形成方法には、リブ材料層上にフォトリソグラフィの手法でリブのパターンを形成し、その上から切削材を吹き付けてリブを形成するサンドブラスト法や、形成すべきリブの位置が空洞になったパターンを基板上に形成し、その空洞部分にリブ材料を埋め込んだ後パターンを除くことによりリブを形成する埋め込み法、スクリーン印刷等を繰り返してリブを形成する積層印刷法などの方法が知られているが、量産工場では主にサンドブラスト法が用いられてリブが形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、サンドブラスト法を用いた背面側の基板の作製工程では、下地層を形成した基板上にアドレス電極を形成した後、その電極上に誘電体層を形成し、その上にサンドブラスト法でリブを形成するようにしている。
【0006】
この場合、リブをアドレス電極に位置合わせして形成する必要があり、電極の長距離精度、及びリブのアライメントの精度が要求される。特に作製の難しいリブをアドレス電極に正確にアライメントするには、高精度の露光装置を用いる必要があり、それに伴い製造コストも上昇する傾向にあった。
【0007】
このような製造コストの上昇に対処するため、近年では、市販の平面状のガラス基板にサンドブラスト法で先にリブを形成しておき、そのリブを形成した基板に対してアドレス電極を形成する方法が考えられている。この方法では、サンドブラストのような材料を無駄にする工程に比べ、比較的安価に人間の目で許容できる精度のリブを形成することができる。また、リブを形成した基板上に電極膜を形成し、ポジタイプのフォトレジストを用いて、斜め上方から平行光の光源で露光する、いわゆる斜め露光を行うことにより、リブ自身のシャドウイング効果でマスクレスに、かつ電極の両サイドのリブ自身をマスクとすることで、セルフアライメントに電極のマスキングパターンを形成して、電極をパターニングすることができる。
【0008】
しかしながら、この斜め露光の方法で線幅の均一なアドレス電極を形成するには、リブは直線状(ストレートリブ)でなければならず、例えば特開平9−50768号公報に記載されているようなリブが蛇行状であるものについては、均一な線幅のアドレス電極を形成することができない。
【0009】
すなわち、リブが蛇行してリブギャップの幅が連続的に変化するような場合は、斜め露光でアドレス電極を形成すると、アドレス電極の線幅が太くなる部分と細くなる部分が生じる。そのため、リブギャップの狭い部分では電極がリブの側壁にまで形成され、その部分の隣接するアドレス電極間で静電容量が上昇するなどの問題があり、消費電力が多くなってしまう。
【0010】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、リブギャップの幅が連続的に変化する場合でも、斜め露光でほぼ均一な幅のアドレス電極を形成することができるプラズマディスプレイパネル及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プラズマディスプレイパネルとなる一対の基板の一方の内側面上に複数の蛇行状の隔壁とその隔壁間の溝底面に直線状の電極とを形成するに際し、隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深くなるように複数の蛇行状の隔壁を形成した後、電極材料及び感光性材料を基板全面に塗布し、隔壁をフォトマスクとして用いて、隔壁間の溝内の電極形成領域のみが未露光部となるように基板に対して両斜め方向から露光した後、現像を行うことにより、隔壁間の溝底面にほぼ均一な幅の直線状の電極を形成する工程を備えてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0012】
この発明によれば、基板に複数の蛇行状の隔壁を形成するに際し、隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深くなるように、複数の蛇行状の隔壁を形成するので、その後の電極の形成時に、隔壁をフォトマスクとして用いて斜め露光を行う際、ほぼ均一な線幅の未露光部を生じさせることができ、これにより、隔壁間の溝底面にほぼ均一な線幅の直線状の電極を形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明において、一対の基板としては、ガラス、石英、シリコン等の基板や、これらの基板上に、電極、絶縁膜、誘電体層、保護膜等の所望の構成物を形成した基板が含まれる。
【0014】
隔壁は、蛇行状に複数形成されていればよく、この隔壁としては、例えばソーダライムガラスからなる平面状の基板をサンドブラストで切削することにより形成したものや、例えば低融点ガラス粉末と樹脂と溶媒を混合したペースト状の公知の隔壁材料を用い、サンドブラスト法、埋め込み法、積層印刷法、転写法等の公知の方法により形成したものが含まれる。このとき用いる低融点ガラスとしては、例えばPbO−B22−SiO2 系ガラスなどを用いることができる。
【0015】
電極材料としては、ITO、Cr/Cu/Crなどの各種の公知の電極材料を用いることができる。
感光性材料としては、公知のフォトレジストや、感光性のドライフィルム等を用いることができる。
【0016】
この発明においては、隔壁をフォトマスクとして用いて、隔壁間の溝内の電極形成領域のみが未露光部となるように基板に対して両斜め方向から露光を行う。この露光光としては、公知のフォトリソグラフィに用いられる紫外光を適用することができる。
【0017】
この発明においては、サンドブラストで隔壁を形成することが望ましく、これにより、容易に、隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深くなるように複数の蛇行状の隔壁を形成することができる。
【0018】
また、工程の簡素化の観点からは、電極の端子部を電極と同時に形成することが望ましく、これは電極の端子部の位置まで隔壁を形成しておくことにより実現することができる。
【0019】
この発明は、また、対向して配置された一対の基板の一方の内側面上に形成された複数の蛇行状の隔壁を備え、その隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深く形成され、かつその溝底面にほぼ均一な幅の直線状の電極が形成されてなるプラズマディスプレイパネルである。
【0020】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
図1は本発明に係るPDPの要部の分解斜視図である。
図に示すように、本発明のPDP1は、マトリクス状に配列された放電セル毎に、面放電用のサステイン電極X,Yとアドレス電極Aとが対応する3電極構造を持つ、面放電形式のAC型PDPである。
【0021】
PDP1は、ガラスからなる前面側の基板11と背面側の基板21から構成されている。前面側の基板11の内側面上にはサステイン電極X,Y、誘電体層17及び保護膜18が設けられ、背面側の基板21の内側面上にはアドレス電極A、誘電体層(図示しない)、リブ29及び蛍光体層28R,28G,28Bが設けられている。
リブ29は、放電空間30を列毎に区画しており、平面的にみた場合には規則的に蛇行する帯状である。
【0022】
サステイン電極X,Yとアドレス電極Aとは直交する方向に配列されてる。また、サステイン電極Xとサステイン電極Yは、一定の間隔(面放電ギャップ)を隔てて交互に配列されており、それぞれITOからなる透明電極41とCr/Cu/Crからなる金属電極(バス電極)42で構成されている。
【0023】
蛍光体層28は、R(赤)の蛍光体層28R、G(緑)の蛍光体層28G、及びB(青)の蛍光体層28Bが各列毎に1色ずつRGBの順に配置されている。列内の発光色は同一である。列空間の内、幅の狭い部分では面放電が生じず、幅の広い部分が実質的に発光に寄与する。
【0024】
図2は背面側の基板21の一部を平面的に見た状態を示す説明図である。
この図に示すように、PDP1では、各ラインLにおいて1列置きにサブピクセルEUが配置される。そして、隣接する2つのラインLに注目すると、サブピクセルEUの配置される列が1列毎に交互に入れ替わる。つまり、サブピクセルEUは、行方向及び列方向の双方に千鳥状に並ぶ。PDP1では、隣接するRGBの計3つのサブピクセルEUによって1つのピクセル(画素)が構成される。つまり、カラー表示の3色の配列形式は三角(デルタ)配列形式で配列されている。
【0025】
平面的にみた場合、リブ29が蛇行しているため、リブ29とリブ29との間の溝(リブギャップ)は、幅の広い部分と狭い部分とが存在するが、この幅の広い部分と狭い部分とでは溝の深さが異なっている。この点について次に説明する。
【0026】
本実施例においては、アドレス電極Aを斜め露光によって形成する。この斜め露光とは、従来の技術で説明したように、リブと電極との自動位置合わせを実現するために、背面側の基板に先にリブを形成しておき、そのリブを形成した基板に、リブをフォトマスクとして用いてアドレス電極を形成する方法である。
【0027】
この方法では、まず、なんらかの方法で背面側の基板にリブを形成し、そのリブを形成した基板上に、Cr/Cu/Crなどの金属電極膜を全面に形成し、ポジタイプのフォトレジストを用いて、マスクを用いずに、斜め上方から平行光の光源で露光することにより、リブ自身のシャドウイング効果でマスクレスに、かつ電極の両サイドのリブ自身をマスクとすることで、セルフアライメントに電極のマスキングパターンを形成し、電極のパターニングを行う。
【0028】
この場合、リブが蛇行する形状であるので、リブの高さが一定であると、斜め露光により形成した電極は一定の線幅にはならない。つまり、リブギャップの高さが一定であると、リブギャップの広い部分に合わせて斜め露光を行えば、リブギャップの狭い部分ではリブ側壁の途中までしか露光光が当たらないため、底部からその部分までのレジストがパターンとして残り、リブ側壁にまで電極が形成されてしまう。参考のため、リブの高さが一定である場合の例を図5(f)に示した。図5(f)では、アドレス電極Aがリブ29の側壁にまで形成される。
【0029】
これを解決するためには、リブギャップの幅に応じてリブの高さを変化させればよい。しかし、3電極面放電型のPDPでは、リブを形成した背面側の基板と前面側の基板とを張り合わせるので、リブの高さに変化があると、背面側の基板と前面側の基板との間に隙間ができ、放電セル間の放電の分離が困難となる。そのため、リブトップ面を同一面にする必要がある。
【0030】
そこで、このPDPでは、リブトップ面を同一面にして、リブギャップの深さを、リブギャップの幅の広い部分と狭い部分とで変えている。つまり、リブギャップの幅に応じてリブギャップの深さを変化させることにより、アドレス電極の幅をほぼ均一に保つようにしている。
【0031】
図3は図2の領域Jで示した部分の詳細を示す部分拡大図、図4(a)及び図4(b)は図3のリブに沿った断面を示す説明図であり、図4(a)は図3のIV(a)−IV(a)断面を示し、図4(b)は図3のIV(b)−IV(b)断面を示している。図では蛍光体層は省略している。
【0032】
これらの図に示すように、背面側の基板21は、リブギャップの広い部分では溝が深く、リブギャップの狭い部分では溝が浅くなっている。リブギャップの深さを変えるのは、サンドブラストでリブギャップを切削することで実現可能である。
【0033】
図5(a)〜図5(e)は図3のリブを横切る断面を示す説明図であり、図5(a)は図3のV(a)−V(a)断面を示し、図5(b)は図3のV(b)−V(b)断面を示し、図5(c)は図3のV(c)−V(c)断面を示し、図5(d)は図3のV(d)−V(d)断面を示し、図5(e)は図3のV(e)−V(e)断面を示している。図では蛍光体層は省略している。
【0034】
リブ29は、サンドブラストにより形成するが、このサンドブラストでは、研磨材の粒径に依存して、広いギャップでは切削レートが高く、狭いギャップでは切削レートが低くなる。また、ギャップが広い部分から連続的に狭くなる部分では、深い溝から徐々に浅い溝へと底部の高さが変化してくる。この原理を利用して、全面に蛇行したリブ29と端子部に応じたマスキングパターンを形成し、適切な粒径の研磨材を用いてサンドブラストすることで、リブギャップが広い部分には深い溝、リブギャップが狭い部分には浅い溝を形成する。
【0035】
以下、サンドブラストによるリブの形成工程について説明する。
リブ29の形成に際しては、まず、ソーダライムガラスなどの平板状の基板21を用意し、その基板21上に、ドライフィルムなどの耐サンドブラスト性の材料を用いて、フォトリソグラフィの手法により、リブギャップ及び端子に応じたマスキングパターンを形成する。
【0036】
そして、そのマスキングパターン(図示していない)を介して、図中、矢印Fで示す方向から、基板21に対してアルミナやSiCなどの、ガラスに比べて硬い粒子状の研磨材を吹き付けて基板21を切削することにより、リブ29を形成する。
本例においては、研磨材にはアルミナを用い、研磨材の粒径はサブミクロン〜数十μmの粒度分布を持ち、平均粒径約25μmとした。
【0037】
この際のサンドブラスト処理は、研磨材粒子を吐出するノズルを一定速度で往復運動させ、その下を一定の速度で基板21を搬送することにより行う。基板表面の任意の場所は、ほぼ均一な時間だけ研磨材粒子が照射されて切削されてゆく。このとき、広いギャップの部分では研磨材粒子による基板の切削効率が高く、狭いギャップの部分では逆に切削効率が低いため、一定時間の研磨材粒子の照射に対して、広いギャップ部分では深く、狭いギャップ部分では浅く切削され、テーパー状にギャップが広がる部分ではギャップの広がりにつれて徐々に深さが深くなる。リブ29の溝を形成する方法としては、サンドブラスト以外の、例えばガラスモールドなどの方法を用いてもよい。
【0038】
次に、ギャップ幅に応じた溝を形成した基板21に、スパッタリングなどの方法でCr/Cu/Crからなる金属電極膜を形成し、その上にポジタイプのフォトレジストを塗布して、前述した斜め露光法による露光を行う。この斜め露光では、図5(a)〜図5(e)に示すように、方向Gと方向Hとの2方向から斜め露光を行う。これにより、2方向から1回ずつ露光光を照射するだけで、ほぼ均一な線幅の未露光部を生じさせることができる。
【0039】
このように、サンドブラスト法を用いれば、ガラス基板にギャップ幅に応じた深さの溝を形成することができるので、斜め露光の際のリブギャップの底面に投影される未露光部分の幅を一定にすることができ、これにより均一な幅のアドレス電極を形成することができる。
【0040】
その後、現像を行い、未露光部に残ったマスキングパターンを利用して、公知の方法で、金属電極膜をエッチングすることにより電極を形成し、その上にR,G,Bの蛍光体層を形成し、背面側の基板21と前面側の基板11とを貼り合わせてPDPを製作する。
【0041】
図6は製作されたPDPの一部を平面的に見た状態を示す説明図、図7は図6のVII−VII断面を示す説明図である。図では誘電体層及び蛍光体層は省略している。
【0042】
これらの図に示すように、サステイン電極X,YはラインLとラインLとの境界部に配置されている。
PDP1では、図7に示すように、リブギャップの底面にアドレス電極Aを形成するため、前面側の基板11と背面側の基板21とを貼り合わせてパネルを形成した場合、サステイン電極X,Yとアドレス電極Aとの電極間距離は、一定ではなく、リブギャップが狭い場所では近くなる。つまり、リブギャップの狭い部分では、点灯すべき放電セルを選択する際のいわゆるアドレス放電時における、アドレス電極Aとサステイン電極Yとの間の対向放電の電極間距離が短くなる。したがって、この電極間距離の短い部分を利用して、低電圧でアドレス放電を発生させることができ、アドレス放電時の電圧(アドレス電圧)を低く設定することができるので、アドレス放電に要する消費電力量を低減することができる。
【0043】
このアドレス放電に要する電圧は、電極間に存在する誘電体層や蛍光体層の厚み及び材質によって変動する。したがって、アドレス電圧のバラつきを抑制するには、対向放電部分の誘電体層及び蛍光体層を薄くするか、全く設けないようにすることが望ましい。
【0044】
上述の斜め露光プロセスによりパネルを作製した場合、アドレス電極上の誘電体層(サンドブラストの切削をストップするための誘電体層)は形成する必要はなく、誘電体層の厚さに起因した放電のバラつきはない。したがって、アドレス電圧のバラつきを抑制するには、対向放電部分の蛍光体層の厚みだけに着目し、蛍光体層を薄くするか、全く設けないようにすればよい。
【0045】
まず、対向放電部分の蛍光体層を薄くする方法について説明し、次に対向放電部分の蛍光体層を設けないようにする方法について説明する。
【0046】
図8(a)及び図8(b)は対向放電部分の蛍光体層を薄くする方法を示す説明図であり、図6のVII−VII断面を示している。
アドレス放電部分の蛍光体層を薄くするには、蛍光体ペーストの特性を利用して薄くする。すなわち、蛍光体層は、リブギャップの部分に、スクリーン印刷法、あるいはディスペンス法などで、蛍光体粉末、バインダ樹脂及び溶剤からなる蛍光体ペースト27を塗布した後(図8(a)参照)、乾燥させ、焼成することにより形成するのであるが、蛍光体層を薄くするには、蛍光体ペースト27に長い乾燥時間が必要な溶剤(例えばテルピネオールや、BCAなど)を用いる。蛍光体ペースト27の乾燥時間が長いと、図8(b)に矢印Tで示すように、その乾燥の間に蛍光体のフリット(粉末)が、高い部分から低い部分へ移動して沈降するので、これによりリブギャップの浅い部分の蛍光体層28を薄くすることができる。
【0047】
図9(a)及び図9(b)は対向放電部分の蛍光体層を設けない場合のマスクの形状を示す説明図、図10(a)及び図10(b)は対向放電部分の蛍光体層を設けない場合のパネルの断面を示す図8対応図であり、図10(a)は図9(a)のマスクのX(a)−X(a)断面に対応するパネルの断面を示し、図10(b)は図9(b)のマスクのX(b)−X(b)断面に対応するパネルの断面を示している。図中、Sは蛍光体層が形成されない部分を示している。
【0048】
対向放電部分の蛍光体層を設けないようにするには、スクリーン印刷、オフセット印刷、感光性蛍光体を用いたフォトリソグラフィによるパターニングなどを適用する。この場合、蛍光体ペーストを塗布するのであれば、対向放電部分に蛍光体ペーストが塗布されないようなマスクを用いる。あるいは、現像後、対向放電部分に蛍光体層が残らないようなマスクを用いる。このマスクは、例えばスクリーン印刷であればスクリーンマスク、フォトリソグラフィであればフォトマスクのように、蛍光体層の形成方法に応じたマスクを用いる。
【0049】
このように、対向放電部分に蛍光体層が形成されないようなマスクを用いることで、対向放電部分の蛍光体層をなくすことができる。したがって、誘電体層の厚さ、及び蛍光体の色毎の違いに起因したアドレス放電電圧のバラつきを最小限に抑制して、動作電圧マージンの広い、安定した表示を得ることができる。
【0050】
図11は背面側の基板の非表示領域のシール部と端子部を示す平面図である。図中、22は表示領域、23はアドレス電極形成領域、24はシール部、25は斜め端子引出し部、26は端子部である。
斜め端子引出し部25は、表示領域22での電極の間隔と端子部26での電極の間隔とが異なるために電極の斜め引出しを行う部分である。
【0051】
リブ29の形成に際しては、上述の斜め露光の方法を用いる場合、電極の形成領域には必ず露光光を遮るためのリブ29が必要となる。このため、前面側の基板11と背面側の基板21とを封止するシール部24と、アドレス電極Aの端子部26にもリブ29を形成しなければならない。
【0052】
しかし、シール部24にリブを形成すると、リブギャップが深い場合、前面側の基板11と背面側の基板21とを封着したシール部で気密漏れが発生するおそれがある。また、端子部26のリブギャップが深い場合、フレキシブルケーブルとのコンタクトがとりにくい。そのため、以下に説明するように、シール部24と端子部26のリブギャップの深さを浅くしている。
【0053】
図12(a)及び図12(b)は図11の断面形状を示す説明図であり、図12(a)は図11(a)のシール部のXII(a)−XII(a)断面を示し、図12(b)は図11(b)の端子部のXII(b)−XII(b)断面を示している。
【0054】
図12(a)に示すように、シール部24においては、リブ29の幅を太くして、リブギャップの幅を最小の幅(アドレス電極の幅)近くまで狭くすることにより、シール部24におけるリブギャップの深さDを浅くしている。
【0055】
また、図12(b)に示すように、端子部26においても、リブ29の幅を表示領域よりも太くして、リブギャップの幅を最小の幅(アドレス電極の幅)近くまで狭くすることにより、端子部26におけるリブギャップの深さDを浅くしている。
【0056】
このように、シール部24と端子部26のリブギャップの幅を狭くして浅い溝(低いリブ)を形成するようにしているので、シール部24での封着が容易となるとともに、端子部26でのフレキシブルケーブルとのコンタクトがとりやすくなる。
【0057】
図13は図12(b)の部分拡大図であり、サンドブラストで切削した後の端子部の断面状態を示したものである。この図に示すように、リブギャップの幅の狭いマスキングパターンを形成して、背面側の基板21をサンドブラストすることにより、リブギャップの深さを浅く形成し、電極形成の際に、方向Gと方向Hとの2方向から斜め露光を行うことで、浅い位置にアドレス電極を形成することができる。
【0058】
図14は背面側の基板のシール部の詳細を示す説明図である。図中、31はシール材、32は通気孔である。
上述した斜め露光でアドレス電極を形成しないタイプの3電極面放電型のPDPでは、リブはシール部の手前で終端となり、電極だけがシール部の外へ延出され端子部が設けられているため、リブの終端では、放電空間がリブに垂直な方向(横方向)へつながり、全ての放電空間が連続する構造となっている。したがって、この構造を利用して、背面側の基板の表示領域外に一対の通気孔を設けて、前面側の基板と背面側の基板とを封着した後、この通気孔から、不純物ガスの排気や放電ガスの導入を行っている。
【0059】
しかしながら、斜め露光でアドレス電極を形成したPDPでは、図11に示したように、シール部24までリブ29が存在するため、斜め露光でアドレス電極を形成しないタイプのPDPのように、単純に前面側の基板と背面側の基板をと貼り合わせてしまうと、放電空間はリブに沿った方向(縦方向)にのみ連続するだけで、リブに垂直な方向へはつながらないため、各リブギャップの放電空間はそれぞれ独立した空間となり、放電空間内の不純物ガスの排気や放電空間内への放電ガスの導入を行う通気経路が確保できない。
【0060】
このため、本PDPでは、前面側の基板11に通気孔32を設けて、前面側の基板11側で通気経路を確保するようにしている。以下、具体的に2つの例を説明する。
【0061】
図15(a)及び図15(b)は通気経路の確保の第1例及び第2例を示す説明図であり、図14のXV−XV断面を示している。
【0062】
第1例においては、前面側の基板11には、シール部24の近傍に下層の誘電体層17のみを形成し、上層の誘電体層18を形成しない。これにより、シール部24の近傍で、放電空間がリブに垂直な方向へつながり、全ての放電空間が連続するので、通気経路Kを確保できる。
【0063】
第2例においては、前面側の基板11の厚みがシール部24の近傍で薄いものを用いるとともに、前面側の基板11には、シール部24の近傍に下層の誘電体層17と上層の誘電体層18を形成しない。これにより、シール部24の近傍で、放電空間がリブに垂直な方向へつながり、全ての放電空間が連続するので、通気経路Kを確保でき、しかも第1例よりも広い通気経路を確保できる。
【0064】
このように、前面側の基板11側に通気経路を確保した構造とすることにより、全ての放電空間にわたって不純物ガスの排気や放電ガスの導入を一度に行うことができる。
【0065】
このようにして、平面状のガラス基板に、サンドブラストで、リブギャップの深さがリブギャップの幅に応じて変化するリブを形成することにより、蛇行状のリブが形成された基板であっても、斜め露光法を用いて、ほぼ均一な幅のアドレス電極を形成することができる。
【0066】
また、リブギャップの深さをリブギャップの幅に応じて変化させているので、電極間距離の短い部分でアドレス放電を発生させることができ、これによりアドレス放電電圧を低下させて、アドレス放電に要する消費電力量を低減することができる。
【0067】
そして、サンドブラストでリブを形成する際には、シール部と端子部のリブギャップを狭くしているので、リブギャップの深さが浅くなり、これによりシール部の封着や端子部でのコンタクトが取りやすくなる。
【0068】
【発明の効果】
この発明によれば、基板に、隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深くなるように、複数の蛇行状の隔壁を形成するので、その後の電極の形成時に、隔壁をフォトマスクとして用いて斜め露光を行う際、ほぼ均一な線幅の未露光部を生じさせることができ、これにより、隔壁間の溝底面にほぼ均一な線幅の直線状の電極を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDPの要部の分解斜視図である。
【図2】本発明のPDPの背面側の基板の一部を平面的に見た状態を示す説明図である。
【図3】図2の領域Jで示した部分の詳細を示す部分拡大図である。
【図4】図3のリブに沿った断面を示す説明図である。
【図5】図3のリブを横切る断面を示す説明図である。
【図6】本発明により製作されたPDPの一部を平面的に見た状態を示す説明図である。
【図7】図6のVII−VII断面を示す説明図である。
【図8】本発明の対向放電部分の蛍光体層を薄くする方法を示す説明図である。
【図9】本発明の対向放電部分の蛍光体層を設けない場合のマスクの形状を示す説明図である。
【図10】本発明の対向放電部分の蛍光体層を設けない場合のパネルの断面を示す説明図である。
【図11】本発明の背面側の基板の非表示領域のシール部と端子部を示す平面図である。
【図12】図11の断面形状を示す説明図である。
【図13】図12(b)の部分拡大図である。
【図14】本発明の背面側の基板のシール部の詳細を示す説明図である。
【図15】本発明の通気経路の確保の第1例及び第2例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 PDP
11 前面側の基板
17 下層の誘電体層
18 上層の誘電体層
21 背面側の基板
22 表示領域
23 アドレス電極形成領域
24 シール部
25 斜め端子引出し部
26 端子部
27 蛍光体ペースト
28 蛍光体層
28R R(赤)の蛍光体層
28G G(緑)の蛍光体層
28B B(青)の蛍光体層
29 リブ
30 放電空間
31 シール材
32 通気孔
41 透明電極
42 金属電極(バス電極)
A アドレス電極
EU サブピクセル
L ライン
X,Y サステイン電極

Claims (4)

  1. プラズマディスプレイパネルとなる一対の基板の一方の内側面上に複数の蛇行状の隔壁とその隔壁間の溝底面に直線状の電極とを形成するに際し、
    隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深くなるように複数の蛇行状の隔壁を形成した後、電極材料及び感光性材料を基板全面に塗布し、隔壁をフォトマスクとして用いて、隔壁間の溝内の電極形成領域のみが未露光部となるように基板に対して両斜め方向から露光した後、現像を行うことにより、隔壁間の溝底面にほぼ均一な幅の直線状の電極を形成する工程を備えてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 隔壁がサンドブラストにより形成される請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 電極の端子部が電極と同時に形成される請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 対向して配置された一対の基板の一方の内側面上に形成された複数の蛇行状の隔壁を備え、
    その隔壁間の溝の深さが、溝幅の狭いところでは浅く、溝幅の広いところでは深く形成され、かつその溝底面にほぼ均一な幅の直線状の電極が形成されてなるプラズマディスプレイパネル。
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