JP3888069B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化するプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、感光体およびトナーの疲労・経時変化や、装置周辺における温湿度の変化などに起因して、画像濃度が変化することがある。そこで、従来よりトナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子、例えば帯電バイアス、現像バイアス、露光量などを適宜制御して画像濃度を安定化させる技術が数多く提案されている。具体的には、濃度調整因子を変えながら、パッチ画像を感光体上に形成し、各パッチの画像濃度を検出した後、これらの検出値に基づき目標濃度を得るために必要な濃度調整因子の最適値を決定している。そして、濃度調整因子をその最適値に設定した上で、一連の画像形成を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カラー画像を形成する画像形成装置では、複数色のトナー像、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ形成し、これらのトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成している。したがって、これらのトナー像の画像濃度をそれぞれ調整するために、従来より、各トナー色ごとに一連のパッチ処理(パッチ画像の形成、パッチ画像濃度の検出および濃度調整因子の最適化)を行っている。つまり、n色(n≧2)のトナー像に基づきカラー画像を形成するカラー画像形成装置では、画像品質を保証するために、パッチ処理を必ずn回実行していた。その結果、濃度調整因子の最適化のために比較的長い時間を要することとなり、しかも全トナー色についてパッチ処理を行うために、全トナー色についてトナーが消費され、このことがランニングコストの増大要因のひとつとなっていた。
【0004】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、トナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子の最適値を短時間で、しかも低ランニングコストで算出することができる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、光ビームを感光体の表面に露光走査して静電潜像を形成する露光手段と、互いに異なる色のトナーで前記感光体上の静電潜像を現像するn個(n≧2)の切替現像器を有し、前記n個の切替現像器のうち一の切替現像器を選択的に前記感光体と対向する第1現像位置に位置決めし、当該切替現像器により前記静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成する現像手段と、前記n個の切替現像器とは別に、さらに前記第1現像位置とは異なる第2現像位置で前記感光体と対向配置されて前記感光体上の静電潜像を(n+1)番目のトナー色で現像してトナー像を形成する独立現像器と、各トナー色ごとに、トナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子として現像バイアスを最適化することによって前記感光体上に形成されるトナー像の画像濃度を制御する制御手段と、前記現像手段または前記独立現像器によって前記感光体上に形成されたトナー像、あるいは当該トナー像が転写媒体に転写されてなるトナー像をパッチ画像として、その画像濃度を検出する濃度検出手段とを備え、前記n個の切替現像器は前記第1現像位置における姿勢が略同一で、かつ略同一の構成部材で構成されており、前記制御手段は、前記n個の切替現像器については、前記濃度調整因子を所定の第1可変域内で多段階に変更設定しながら前記n個の切替現像器のうち1個を用いて前記感光体上に複数のトナー像をパッチ画像として形成するとともに、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記n色の全てについて前記濃度調整因子を最適化する一方、前記独立現像器については、前記濃度調整因子を前記第1可変域よりも広い第2可変域内で多段階に変更設定しながら前記独立現像器を用いて前記感光体上にトナー像をパッチ画像として形成し、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記(n+1)番目のトナー色について前記濃度調整因子を最適化している。
【0006】
また、この発明にかかる画像形成方法は、光ビームを感光体の表面に露光走査して静電潜像を形成する露光手段と、略同一の構成部材で構成され、互いに異なる色のトナーで感光体上の静電潜像を現像するn個(n≧2)の切替現像器を有し、前記n個の切替現像器のうち一の切替現像器を選択的に前記感光体と対向する第1現像位置に位置決めし、当該切替現像器により前記静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成する現像手段と、前記n個の切替現像器とは別に、さらに前記第1現像位置とは異なる第2現像位置で前記感光体と対向配置されて前記感光体上の静電潜像を(n+1)番目のトナー色で現像してトナー像を形成する独立現像器とを備える画像形成装置を使用して、各トナー色ごとにトナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子として現像バイアスを最適化することによって前記感光体上に形成されるトナー像の画像濃度を制御する画像形成方法であって、上記目的を達成するため、前記濃度調整因子を所定の第1可変域内で多段階に変更設定しながら前記n個の切替現像器のうち1個を用いて前記感光体上に複数のトナー像をパッチ画像として形成するとともに、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記n色の全てについて前記濃度調整因子を最適化する一方、前記濃度調整因子を前記第1可変域よりも広い第2可変域内で多段階に変更設定しながら前記独立現像器を用いて前記感光体上にトナー像をパッチ画像として形成し、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記(n+1)番目のトナー色について前記濃度調整因子を最適化している。
【0007】
トナー像の画像濃度に対して影響を与える主要因のひとつとして、現像処理を行う際の静電潜像の表面電位、つまり明部電位がある。この明部電位には、例えば図1に示すように時間依存性が存在しており、各トナー色で現像位置が相違している場合、明部電位が相互に異なることがあり、その結果、同一条件で画像を形成したとしても明部電位の相違によって画像濃度が異なってしまうことがある。このような場合には、各トナー色ごとに、パッチ画像を形成して濃度調整因子を最適化する必要がある。
【0008】
これに対し、この発明では、n個の切替現像器は選択的に現像位置に位置決めされた後、感光体上の静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成するため、いずれのトナー色においても、感光体に光ビームを照射して静電潜像を形成してから該静電潜像が現像位置に移動してくるまでの時間は一定となり、明部電位は同一値を有することとなる。そこで、代表的に1個の切替現像器によって感光体上にパッチ画像を形成し、各パッチ画像の画像濃度に基づきn色の全てについて濃度調整因子としての現像バイアスを最適化している。こうすることで、少なくとも1色以上のトナー色についてパッチ画像の形成、濃度検出などを行う必要がなくなり、濃度調整因子の最適化に要する時間の短縮化、およびトナー消費の抑制によるランニングコストの低減を図ることができる。また、各切替現像器の第1現像位置における姿勢が略同一で、かつ、略同一の構成部材で構成されているので、各色の現像γ特性を略同一にすることができる。従って、各トナー色について設定される最適値が従来技術の如くパッチ処理によって求められる最適値とほぼ同一となり、より好適である。
【0009】
また、トナー消費の進行に伴って該トナー色の現像器内で劣化トナーが増大し、画像品質の低下を招く。この劣化トナーの存在が許容範囲であれば、濃度調整因子の最適化によって画像品質を保証することも可能であるが、許容範囲を超えた場合、パッチ処理によっても濃度調整因子の最適値を求めることができなくなる。そこで、トナー消費が最も大きな切替現像器についてパッチ画像を形成するようにすれば、劣化トナーの問題が最も重要視されるトナー色について常にパッチ処理が実行され、劣化トナーの影響を検出して現像器交換やトナーカートリッジの交換などの必要性を確実に検出することができる。
【0010】
ここで、最も効率的に濃度調整因子の最適化を図るためには、n個の切替現像器のうち一の切替現像器を用いてパッチ画像を形成するようにすればよい。すなわち、n個のトナー色のうち一を基準トナー色とし、この基準トナー色については、濃度調整因子を多段階に変更設定しながら基準トナー色に対応する切替現像器によって複数のパッチ画像を形成し、各パッチ画像の画像濃度に基づき基準トナー色に対する濃度調整因子の最適値を求める一方、基準トナー色を除く(n−1)個のトナー色については、各トナー色に対する濃度調整因子をそれぞれ上記最適値に設定すればよい。
【0011】
また、上記したn個の切替現像器とは別に、さらに異なる現像位置で感光体と対向配置されて感光体上の静電潜像を(n+1)番目のトナー色で現像してトナー像を形成する独立現像器を設けているが、(n+1)番目のトナー色については以下のようにして濃度調整因子を最適化すればよい。すなわち、独立現像器を用いて感光体上にトナー像をパッチ画像として形成するとともに、濃度検出手段の検出結果に基づき(n+1)番目のトナー色について濃度調整因子を最適化する。こうすることによって、(n+1)番目の色についてトナー像の画像濃度を制御することができる。
【0012】
上記のように現像位置が相互に異なる現像器では、現像位置に応じて明部電位が相違していることがある。さらに、現像位置における現像器の姿勢(特に重力方向に対する姿勢)や、現像器の構成が異なり、現像γ特性が異なることがある。従って、最終的に求められる濃度調整因子の最適値も現像位置に応じて相違していることがある。そこで、現像位置を考慮してパッチ処理を実行するのが望ましい。例えば、露光手段により露光される露光位置から第1および第2現像位置までの距離に応じて第1および第2可変域をそれぞれ設定しておき、前記n個のトナー色については濃度調整因子を第1可変域の間で変更しながら切替現像器によって複数のパッチ画像を形成する一方、(n+1)番目のトナー色については濃度調整因子を第2可変域の間で変更しながら独立現像器によって複数のパッチ画像を形成するのが望ましい。こうすることで、切替および独立現像器についての最適値がそれぞれ第1および第2可変域に含まれる確率が高くなり、濃度調整因子の最適化を確実に行うことができる。特に、独立現像器では内部でのトナーの攪拌・循環の程度が少なく現像γ特性の耐久変動が大きいため、独立現像器についての濃度調整因子の振り幅を大きくした方がよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
A.発明の原理
この種の画像形成装置では、均一に帯電された感光体表面に光ビームを走査露光し、感光体の表面電位を部分的に変化させて静電潜像を形成している。そして、現像器に対して現像バイアスを与えながら、その静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成している。ここで、静電潜像の表面電位、つまり明部電位をVonとし、現像バイアスをVbとすれば、感光体に付着するトナー量と密接に関係するコントラスト電位Vconは、
Vcon=│(現像バイアスVb)−(感光体の明部電位Von)│
となる。
【0014】
ところで、感光体は、従来より周知のように、ドラム状のアルミニウムなどの導電性基材上に下引層、電荷発生層および電荷輸送層がこの順序で積層形成されている。そして、光ビームが所定の表面電位に帯電された感光体に照射されると、照射部分に対応して表面電荷が消失されて静電潜像が形成される。負帯電型OPCを例に取れば、光ビームの照射により電荷発生層で発生したホールとエレクトロンとは電界に応じて移動する。つまり、ホールは、感光体表面の負電荷に引き寄せられる様に、感光体表面に向けて電荷輸送層を移動し、表面の負電荷を打ち消す。これによって静電潜像が形成される。
【0015】
このようにして形成された静電潜像部分での表面電位、つまり明部電位には、時間依存性が存在する。例えば図1に示すように、表面電位Vs0に負帯電された負帯電型OPCに光ビームを照射すると、電荷発生層で発生したホール群が発生する。このホール群は電荷輸送層を移動し、表面の負電荷を打ち消す。このホール群の先頭が表面に到着するまでの時間をおいてから感光体の表面電位の絶対値は急峻に低下するが、電位の絶対値が低下するに従って、ホールを移動させるための電界が小さくなるため、徐々にその低下度合いは小さくなる。そして、所定時間Tsだけ経過時点でホールを移動させるために充分な電界が形成できなくなり、明部電位は一定の電位Vonに落ち着き、それ以降の時間T2における明部電位Von2は明部電位Vonとなる。一方、時間Tsより短い時間、例えば時間T1における明部電位Von1は電位Vonまで落ちきらず、表面電位Vs0、時間T1での明部電位Von1および時間Ts以降での明部電位Vonとの関係は、
|Vs0|>|Von1|>|Von|
となる。
【0016】
ここで、図2に示すように、露光位置から各トナー色(Y,C,M,K)のトナー像を形成する現像位置(現像器)までの距離をそれぞれ距離Ly,Lc,Lm,Lkとし、また感光体の周速を速度Vとしたとき、露光から各現像器によってトナー現像が開始されるまでの時間Ty,Tc,Tm,Tkは次式、
Ty=Ly/V
Tc=Lc/V
Tm=Lm/V
Tk=Lk/V
となる。したがって、例えば複数の現像器を感光体の回転方向に沿って順番に配列した画像形成装置では、各トナー色の現像位置が相互に異なり、各トナー色ごとに明部電位が相違してしまうため、従来技術と同様に、各トナー色ごとにパッチ処理を実行して濃度調整因子の最適化を図る必要がある。
【0017】
これに対し、各トナー色の現像位置が一致するように現像器を構成すると、各距離Ly,Lc,Lm,Lkが同一となり、各トナー色についての明部電位Vonは一定となる。さらに、現像位置が一致するような切替現像器として構成すると、その構成は、1)各色の現像器を軸中心に回転自在に設ける(=ロータリー状に循環移動可能に設ける)、もしくは、2)各色の現像器を一列に配置し、現像器をその配列方向に移動する、となる。このような構成においては、各色の現像器の現像位置における姿勢を略同一にでき、かつ、略同一の構成部材により構成することができる。極論すれば、トナーのみが相違していると考えることができる。
【0018】
ここで、「現像位置における姿勢が略同一である」とは、現像位置における感光体と現像ローラとの相対位置関係が略同じであることを言う。また、現像ローラに向かうトナーの流れが略同一となるよう現像ローラの周辺部材の現像ローラに対する相対位置関係を同一にするとさらに望ましい。さらに、「略同一の構成部材により構成する」とは、現像ローラをはじめその周辺部材、例えば供給ローラ、規制ブレードの材質や外観を略同一にすることである。部品を共通化することで、組み立て性の向上、コストダウンの効果も発現する。また、トナーに関しては、色は異なるが、粒径、帯電量、流動性を揃えるように内添、外添剤を調整するとさらに好ましい。
【0019】
このように現像γ特性に寄与する因子(姿勢差、構成)を現像器毎で略同一にできるので、各色の現像γ特性を略同一にできる。もしくは、異なった特性であっても、寄与する因子の大部分を合わせているので、パッチ処理により一つの現像器の現像γ特性を把握することによって、他の色の現像γ特性を容易に類推することができる。その結果、例えば4色のうち一のトナー色についてパッチ処理を実行して濃度調整因子の最適値を求めるとともに、その最適値をそのままもしくは、その値から類推できる値を他のトナー色に対する濃度調整因子の最適値として設定することが可能となる。そこで、以下に詳述する実施形態では、かかる「発明の原理」を利用することによって、パッチ処理の回数を減らし、濃度調整因子の最適値を短時間で、しかも低ランニングコストで算出することを可能としている。
【0020】
B.第1実施形態
図3は、この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図4は図3の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニット1のメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ12がエンジン部EGの各部を制御してシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0021】
このエンジン部EGでは、感光体2が同図の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電手段としての帯電ユニット3、現像手段としてのロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電バイアス発生部121から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を均一に帯電させる。
【0022】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、図4に示すように、画像信号切換部122と電気的に接続されており、この画像信号切換部122を介して与えられる画像信号に応じて露光パワー制御部123が露光ユニット6を制御し、光ビームLを感光体2上に走査露光して感光体2上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。例えば、エンジンコントローラ12のCPU124からの指令に基づき、画像信号切換部122がパッチ作成モジュール125と導通している際には、パッチ作成モジュール125から出力されるパッチ画像信号が露光パワー制御部123に与えられてパッチ潜像が形成される。一方、画像信号切換部122がメインコントローラ11のCPU111と導通している際には、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像信号に応じて光ビームLが感光体2上に走査露光されて画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
【0023】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では現像ユニット4として、ブラック用の現像器4K、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびイエロー用の現像器4Yが軸中心に回転自在に設けられている。そして、これらの現像器4K,4C,4M,4Yは回転位置決めされるとともに、感光体2に対して選択的に当接、もしくは離間位置で位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0024】
また、このように構成された現像ユニット4では、各トナー色の現像位置が相互に一致する。つまり、図5に示すように、露光位置から各トナー色(Y,C,M,K)のトナー像を形成する現像位置(現像器4Y,4C,4M,4K)までの距離Ly,Lc,Lm,Lkが同一値L1となり、露光から各現像器によってトナー現像が開始されるまでの時間Ty,Tc,Tm,Tkは一定値T1となる。その結果、明部電位の時間依存性が存在するにもかかわらず、各トナー色についての明部電位は一定となる。このように、この第1実施形態では、露光位置から距離L1だけ離れた位置が本発明の「第1現像位置」に相当し、この第1現像位置で各現像器4Y,4C,4M,4Kが本発明の「切替現像器」として機能している。
【0025】
さらに、各色の現像器4Y,4C,4M,4Kの第1現像位置における姿勢を略同一にでき、かつ、略同一の構成部材により構成することができる。このように現像γ特性に寄与する因子(姿勢差、構成)を現像器毎で略同一にできるので、各色(Y,C,M,K)の現像γ特性を略同一にできる。もしくは、異なった特性であっても、寄与する因子の大部分を合わせているので、パッチ処理により一つの現像器の現像γ特性を把握することによって、他の色の現像γ特性を容易に類推することができる。
【0026】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、この一次転写領域TR1の近傍位置では、中間転写ベルト71の表面に対向してパッチセンサPSが本発明の「濃度測定手段」として配置されており、後述するようにして中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。さらに、この一次転写領域TR1から周方向(図3の回転方向D1)に進んだ位置には、クリーニング部5が配置されており、一次転写後に感光体2の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。また、必要に応じて、不図示の除電部により、感光体2の電荷がリセットされる。
【0027】
転写ユニット7は、複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト71と、中間転写ベルト71を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、所定の二次転写領域TR2において、カセット8から取り出されたシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0028】
なお、二次転写後、中間転写ベルト71は不図示のクリーニング部により、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーが除去される。
【0029】
なお、図4において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号127はCPU124で行う演算プログラム、CPU124における演算結果、ならびにエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのメモリ(記憶手段)である。
【0030】
次に、上記のように構成された画像形成装置において実行される濃度調整因子の最適化処理について図6を参照しつつ説明する。
【0031】
図6は、第1実施形態にかかる画像形成装置での最適化処理を示すフローチャートである。この画像形成装置では、まず、パッチ画像を作成する色を基準トナー色、例えばビジネス文書などで多用されることを考慮してブラックに設定する(ステップS11)。そして、複数のパッチ作成条件を設定する(ステップS12)。ここで、この種の画像形成装置においてトナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子として例えば帯電バイアス、現像バイアスや光ビームLの露光エネルギーなどを挙げることができるため、これらの一あるいは複数を適当な可変域で変化させ、これらをパッチ作成条件とすればよい。
【0032】
このようなパッチ作成条件でパッチ画像を感光体2上に順次形成しながら、各パッチ画像を中間転写ベルト71の外周面に一次転写する(ステップS13)。そして、次のステップS14では、各パッチ画像の光学濃度をパッチセンサPSで測定する。なお、この実施形態では、各パッチ画像を形成する毎にパッチ画像の光学濃度を順次測定するようにしている。
【0033】
これに続いて、ステップS15で目標濃度と一致するパッチ作成条件を抽出し、このパッチ作成条件に相当する値を該ブラックトナー像に対する濃度調整因子の最適値として設定するとともに、他のトナー色、つまりイエロー、シアン、マゼンタについても各トナー像に対する濃度調整因子の最適値として設定する。これによって、濃度調整因子が最適化されてトナー像の画像濃度が目標濃度に制御されて高品質な画像を形成することができる。
【0034】
例えば、各色の現像γ特性が略同一であって、各色の目標濃度を得るコントラスト電位も略同一である場合は、ブラックトナー像に対する濃度調整因子の最適値を各色の最適値とすれば良い。また、例えば、各色の現像γ特性が略同一であるが、各色の目標濃度を得るコントラスト電位が異なる場合は、そのコントラスト電位の差分だけ、ブラックトナー像に対する濃度調整因子の最適値を変更し、それをその色の濃度調整因子の最適値とすれば良い。さらにまた、例えば、現像γ特性が異なる場合は、予め既知なその特性差を考慮して、その差分だけブラックトナー像に対する濃度調整因子の最適値を変更し、それをその色の濃度調整因子の最適値とすれば良い。
【0035】
以上のように、この実施形態では、基準トナー色たるブラックトナー色についてのみパッチ画像の形成、および画像濃度の検出を実行し、そのパッチ処理で得られた情報に基づき全トナー色について濃度調整因子を最適化するように構成しているので、他の3つのトナー色についてパッチ画像の形成、濃度検出などを省略し、濃度調整因子の最適化に要する時間を短縮することができる。また、パッチ画像に形成に伴うトナー消費を抑制することができ、ランニングコストの低減を効果的に図ることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、ビジネス文書などではブラック文字の再現性がより重要視されることを考慮してブラックを基準トナー色としているが、もちろん基準トナー色がこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。特に、ピクトリアル(自然画)を主として印字する画像形成装置では、カラーの階調再現が重要視されるため、ブラック以外のトナー色を基準トナー色として設定するのが望ましい。また、印字対象に応じて基準トナー色を自動的、あるいはマニュアル操作で変更設定するように構成してもよい。
【0037】
また、トナー消費の大小に基づき基準トナー色を選定してもよい。例えば、トナー消費の進行に伴って該トナー色の現像器内で劣化トナーが増大し、画像品質の低下を招くことがある。この劣化トナーの存在が許容範囲であれば、濃度調整因子の最適化によって画像品質を保証することも可能であるが、許容範囲を超えた場合、パッチ処理によっても濃度調整因子の最適値を求めることができなくなる。そこで、トナー消費が大きく、劣化トナーの問題が最も重要視されるトナー色を基準トナー色とすれば、常にパッチ処理が実行され、劣化トナーの影響を検出して現像器交換やトナーカートリッジの交換などの必要性を確実に検出することができる。
【0038】
また、上記実施形態では、基準トナー色を固定しているが、濃度調整因子の最適化処理を行うたびに、基準トナー色を変更設定するようにしてもよい。例えば、最適化処理のたびに、ブラック→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラック→…の如く基準トナー色を循環的に変更設定するようにしてもよい。こうすることで、パッチ処理によってトナー消費されるトナー色が片寄るのを防止することができる。
【0039】
C.第2実施形態
ところで、上記第1実施形態では、現像ユニット4がロータリー現像器4Y,4C,4M,4Kで構成されている画像形成装置に本発明を適用する場合について説明したが、例えば図7に示すように現像ユニット4がロータリー現像部41と独立現像部42とで構成されている画像形成装置にも本発明を適用することができる。以下、第2実施形態について詳述する。
【0040】
図7は、この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。この画像形成装置が第1実施形態と大きく相違する点は、現像ユニット4の構成のみであり、その他の構成は同一である。したがって、ここでは、相違する構成を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
この実施形態では、同図に示すように、現像ユニット4が2つの現像部41,42で構成されている。一方の現像部41は、いわゆるロータリー現像部であり、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびイエロー用の現像器4Yを軸中心に回転自在となっている。そして、これらの現像器4C,4M,4Yは、第1実施形態と同様に、本発明の「切替現像器」として機能している。つまり、各現像器4C,4M,4Yは回転位置決めされるとともに、感光体2に対して選択的に当接、もしくは離間位置で位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。このように、3つのトナー色(Y,C,M)については、各トナー色の現像位置が所定の現像位置(第1現像位置)で一致しており、図8に示すように、露光位置から各トナー色(Y,C,M)のトナー像を形成する第1現像位置(現像器4Y,4C,4M)までの距離Ly,Lc,Lmが同一値L1となり、露光から各現像器によってトナー現像が開始されるまでの時間Ty,Tc,Tmは一定値T1となる。その結果、明部電位の時間依存性が存在するにもかかわらず、各トナー色についての明部電位は一定となる。
【0042】
さらに、各色の現像器4Y,4C,4Mの第1現像位置における姿勢を略同一にでき、かつ、略同一の構成部材により構成することができる。このように現像γ特性に寄与する因子(姿勢差、構成)を現像器毎で略同一にできるので、各色(Y,C,M)の現像γ特性を略同一にできる。もしくは、異なった特性であっても、寄与する因子の大部分を合わせているので、パッチ処理により一つの現像器の現像γ特性を把握することによって、他の色の現像γ特性を容易に類推することができる。
【0043】
もう一方の現像部42はブラック用現像器4Kで構成されており、第1現像位置とは異なる第2現像位置で感光体2と対向配置され、感光体2に対して当接、もしくは離間位置で位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されてブラックトナーを感光体2の表面に付与する。この実施形態では、第2現像位置は露光位置から第1現像位置よりも離れた位置となっており、露光位置から第2現像位置(現像器4K)までの距離Lkは第1現像位置のそれよりも長い値L2となり、露光から現像器4Kによってトナー現像が開始されるまでの時間Tkは他のトナー色のそれより長い値T2となっている。その結果、明部電位の時間依存性によって、例えば図1に示すようにブラックトナー色の明部電位の絶対値|Von2|は他のトナー色の明部電位の絶対値|Von1|よりも小さくなっている。
【0044】
なお、この現像器4Kは他の現像位置(第1現像位置)にある現像器4Y,4C,4Mと現像位置が異なるため、現像器4Y,4C,4Mと姿勢が相違する。図7から判るように現像器4Kは下向き方向に現像位置があり、他の現像器は上向き方向に現像位置がある。現像位置に対しトナーを上方に移動させる場合は重力に逆らってトナーを搬送供給させる必要がある。また、現像位置に対しトナーを下方に移動させる場合は、重力によりトナーが下方位置でパッキングしないように搬送供給を規制する必要がある。このようにトナーの搬送供給の思想が異なるため、現像γ特性は異なる可能性が高い。さらに、現像器の配置上の制約もあり、現像ローラ周りの周辺部材のレイアウトも異なる。これによってもトナーの搬送供給の状況が異なり、現像γ特性を異ならせる可能性がある。さらにまた、トナー攪拌・循環にも差がある。現像器4Kは固定式の現像器であるが、他の現像器4Y,4C,4Mはロータリー状に循環移動可能な構造である。画像形成中に現像器4Y,4C,4Mは循環回転を行っているため、その回転により現像器4Y,4C,4M内のトナーはよく攪拌・循環される。これにより、現像器内のトナーは高流動な状態にある。一方、固定式の現像器である現像器4Kでは現像器内のトナーの攪拌はアジテータにより行われるものの、他の色の現像器に比べるとその状況は悪い。従ってトナーの流動性は異なる。これによっても現像γ特性が異なる可能性がある。
【0045】
以上により両者の現像γ特性は大きく異なる可能性がある。また、環境耐久を含めて考えると、両者の現像γ特性を合わせることは難しい。
【0046】
そこで、この第2実施形態では、第1現像位置で現像される3つのトナー色(Y,C,M)については第1実施形態と同様にして各トナー色について濃度調整因子の最適化を図る一方、第2現像位置で現像されるブラックについては別個パッチ処理を行って濃度調整因子の最適化を行っている。以下、図9および図10を参照しつつ詳述する。
【0047】
図9は、第2実施形態にかかる画像形成装置での最適化処理を示すフローチャートである。この画像形成装置では、まず、ステップS20〜S24を実行することによって3つのトナー色(Y,C,M)について濃度調整因子の最適化を図った後、ステップS25〜S29を実行することによってブラックについて濃度調整因子の最適化を図っている。
【0048】
ステップS20では、3つのトナー色(Y,C,M)の一のトナー色をロータリー現像部41側の基準トナー色として設定する。そして、複数のパッチ作成条件を第1可変域の間で設定した(ステップS21)後、各パッチ作成条件でパッチ画像を感光体2上に順次形成しながら、各パッチ画像を中間転写ベルト71の外周面に一次転写する(ステップS22)。それに続いて、各パッチ画像の光学濃度をパッチセンサPSで測定した(ステップS23)後、目標濃度と一致するパッチ作成条件を抽出し、このパッチ作成条件に相当する値を3色のトナー像に対する濃度調整因子の最適値として設定する。
【0049】
続くステップS25では、パッチ作成色を独立現像部42のトナー色、つまりブラックに設定する。そして、複数のパッチ作成条件を第2可変域の間で設定した(ステップS26)後、各パッチ作成条件でパッチ画像を感光体2上に順次形成しながら、各パッチ画像を中間転写ベルト71の外周面に一次転写する(ステップS27)。それに続いて、各パッチ画像の光学濃度をパッチセンサPSで測定した(ステップS28)後、目標濃度と一致するパッチ作成条件を抽出し、このパッチ作成条件に相当する値をブラックトナー像に対する濃度調整因子の最適値として設定する。
【0050】
このように全トナー色について濃度調整因子が最適化されてトナー像の画像濃度が目標濃度に制御されて高品質な画像を形成することができる。
【0051】
以上のように、この実施形態においても、ロータリー現像部41側では3つのトナー色の任意の1色を基準トナー色とし、この基準トナー色についてのみパッチ画像の形成、および画像濃度の検出を実行し、そのパッチ処理で得られた情報に基づきこれら3色について濃度調整因子を最適化するように構成しているので、他の2つのトナー色についてパッチ画像の形成、濃度検出などを省略し、濃度調整因子の最適化に要する時間を短縮することができる。また、パッチ画像に形成に伴うトナー消費を抑制することができ、ランニングコストの低減を効果的に図ることができる。
【0052】
また、この第2実施形態にかかる画像形成装置では、パッチ作成条件の振り幅(可変域)を現像位置ごとに相違させる方が良い。その理由は、第1現像位置と第2現像位置の相違に起因して明部電位が相互に相違しているためと、第1現像位置の現像器4Y,4C,4Mと第2現像位置の現像器4Kの現像γ特性が異なるためである。
【0053】
ここで、第1現像位置の現像器は現像器4Y,4C,4Mが回転移動する。そのため、その回転移動により、現像器4Y,4C,4M内のトナーが攪拌・循環する。従って、現像γ特性の環境、耐久変動が少ない。一方、第2現像位置の現像器4Kは位置固定の現像器であり、第1現像位置のそれと異なりトナーの攪拌・循環の程度が少ない。従って、特に現像γ特性の耐久変動が大きい。そのため、現像バイアスを濃度調整因子として用いる場合、第1現像位置の現像器4Y,4C,4Mでのパッチ処理の振り幅より第2現像位置の現像器4Kでのパッチ処理の振り幅を大きくした方が良い。
【0054】
また、露光パワーを濃度調整因子として用いる場合は、第1現像位置と第2現像位置とで露光位置からの距離が異なるので、上記実施形態のように、|Von2|が|Von1|より小さくなることを考慮して、パッチ処理での振り幅を決定する方が良い。
【0055】
なお、上記第2実施形態では、第1現像位置側でパッチ画像を形成した後、各パッチ画像の光学濃度を検出しているが、パッチ画像を形成するたびにパッチ画像の光学濃度を順次測定したり、第1および第2現像位置側でパッチ画像を形成した後、一括して全パッチ画像の光学濃度を検出したり、パッチ画像をいくつかのブロックに分割し、各ブロック毎光学濃度を測定するようにしてもよい。
【0056】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、3つまたは4つの切替現像器をロータリー状に循環移動可能に構成することによって複数の切替現像器のうち一の切替現像器を選択的に第1現像位置に位置決めしているが、例えば特開平7−298078号公報に記載された画像形成装置と同様に、複数の切替現像器を一列に配列し、切替現像器を一体的にその配列方向に移動させることによって一の切替現像器を感光体に対して選択的に位置決めするように構成してもよい。
【0057】
また、切替現像器の個数についても、3または4個に限定されるものではなく、n個(n≧2)の切替現像器を選択的に感光体に対して位置決めする画像形成装置に対しても本発明を適用することができることが言うまでもない。
【0058】
また、n個の切替現像器のうち一の切替現像器を用いて基準トナー色についてパッチ処理を行い、これによって該基準トナー色での濃度調整因子の最適値を求め、この最適値を他のトナー色の最適値として設定しているが、パッチ処理を行うべき基準トナー色は1色に限定されるものではない。すなわち、n個の切替現像器のうち(n−1)個の切替現像器を用いて(n−1)色についてパッチ処理を行うことによって各トナー色での濃度調整因子の最適値を求める一方、これらの最適値に基づき残りでのトナー色の濃度調整因子を最適化するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態にかかる画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに形成するプリンタであるが、本発明は複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置全般に適用することができる。
【0060】
さらに、上記実施形態では、感光体2上のトナー像を中間転写ベルト71に転写し、このトナー像をパッチ画像として、その光学濃度を検出するとともに、その検出結果に基づき濃度調整因子の最適値を求めているが、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ドラム、転写ベルト、転写シート、中間転写ドラム、中間転写シート、反射型記録シートあるいは透過性記憶シートなど)にトナー像を転写してパッチ画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。また、パッチセンサPSとは異なる濃度読取り用のセンサを感光体2の外周面に沿って配置して該センサにより感光体2上に形成されたパッチ画像の光学濃度を測定するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、互いに異なる色のトナーで感光体上の静電潜像を現像するためにn個の切替現像器を有しているが、これらの切替現像器を選択的に現像位置に位置決めした後、感光体上の静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成するように構成しているので、いずれのトナー色においても、感光体に光ビームを照射して静電潜像を形成してから該静電潜像が現像位置に移動してくるまでの時間を一定にし、明部電位を同一値にすることができる。そこで、n個の切替現像器のうち1個の切替現像器によって、濃度調整因子としての現像バイアスを第1可変域で変更しながら感光体上にパッチ画像を形成し、各パッチ画像の画像濃度に基づきn色の全てについて濃度調整因子としての現像バイアスを最適化している。また、切替現像器とは別に設けた独立現像器については、第1可変域よりも広い第2可変域で現像バイアスを変更しながらパッチ画像を形成し濃度調整因子を最適化している。こうすることで、少なくとも1色以上のトナー色についてパッチ画像の形成、濃度検出などを省略し、濃度調整因子の最適化に要する時間を短縮することができるとともに、トナー消費量を抑制し、ランニングコストを低減することができる。特に、独立現像器では内部でのトナーの攪拌・循環の程度が少なく現像γ特性の耐久変動が大きいため、独立現像器についての濃度調整因子の振り幅(第2可変域)を大きくした方がよい。こうすることで、全トナー色について濃度調整因子が最適化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】明部電位の時間依存性を示すグラフである。
【図2】複数の現像器を備える画像形成装置での露光位置から各現像器までの距離を示す模式図である。
【図3】この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【図4】図3の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態にかかる画像形成装置での露光位置から各現像器までの距離を示す模式図である。
【図6】第1実施形態にかかる画像形成装置での最適化処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
【図8】第2実施形態にかかる画像形成装置での露光位置から各現像器までの距離を示す模式図である。
【図9】第2実施形態にかかる画像形成装置での最適化処理を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態にかかる画像形成装置でのパッチ作成条件の設定方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…制御ユニット(制御手段)
2…感光体
4…現像ユニット(現像手段)
4K,4C,4M,4Y…現像器
6…露光ユニット
41…ロータリー現像部
42…独立現像部
71…中間転写ベルト(転写媒体)
124…CPU(制御手段)
L1…(露光位置から第1現像位置までの)距離
L2…(露光位置から第2現像位置までの)距離
L…光ビーム
PS…パッチセンサ(濃度検出手段)
Claims (2)
- 光ビームを感光体の表面に露光走査して静電潜像を形成する露光手段と、
互いに異なる色のトナーで前記感光体上の静電潜像を現像するn個(n≧2)の切替現像器を有し、前記n個の切替現像器のうち一の切替現像器を選択的に前記感光体と対向する第1現像位置に位置決めし、当該切替現像器により前記静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成する現像手段と、
前記n個の切替現像器とは別に、さらに前記第1現像位置とは異なる第2現像位置で前記感光体と対向配置されて前記感光体上の静電潜像を(n+1)番目のトナー色で現像してトナー像を形成する独立現像器と、
各トナー色ごとに、トナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子として現像バイアスを最適化することによって前記感光体上に形成されるトナー像の画像濃度を制御する制御手段と、
前記現像手段または前記独立現像器によって前記感光体上に形成されたトナー像、あるいは当該トナー像が転写媒体に転写されてなるトナー像をパッチ画像として、その画像濃度を検出する濃度検出手段と
を備え、
前記n個の切替現像器は前記第1現像位置における姿勢が略同一で、かつ略同一の構成部材で構成されており、
前記制御手段は、
前記n個の切替現像器については、前記濃度調整因子を所定の第1可変域内で多段階に変更設定しながら前記n個の切替現像器のうち1個を用いて前記感光体上に複数のトナー像をパッチ画像として形成するとともに、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記n色の全てについて前記濃度調整因子を最適化する一方、
前記独立現像器については、前記濃度調整因子を前記第1可変域よりも広い第2可変域内で多段階に変更設定しながら前記独立現像器を用いて前記感光体上にトナー像をパッチ画像として形成し、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記(n+1)番目のトナー色について前記濃度調整因子を最適化する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 光ビームを感光体の表面に露光走査して静電潜像を形成する露光手段と、略同一の構成部材で構成され、互いに異なる色のトナーで感光体上の静電潜像を現像するn個(n≧2)の切替現像器を有し、前記n個の切替現像器のうち一の切替現像器を選択的に前記感光体と対向する第1現像位置に位置決めし、当該切替現像器により前記静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成する現像手段と、前記n個の切替現像器とは別に、さらに前記第1現像位置とは異なる第2現像位置で前記感光体と対向配置されて前記感光体上の静電潜像を(n+1)番目のトナー色で現像してトナー像を形成する独立現像器とを備える画像形成装置を使用して、各トナー色ごとにトナー像の画像濃度に影響を与える濃度調整因子として現像バイアスを最適化することによって前記感光体上に形成されるトナー像の画像濃度を制御する画像形成方法において、
前記濃度調整因子を所定の第1可変域内で多段階に変更設定しながら前記n個の切替現像器のうち1個を用いて前記感光体上に複数のトナー像をパッチ画像として形成するとともに、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記n色の全てについて前記濃度調整因子を最適化する一方、
前記濃度調整因子を前記第1可変域よりも広い第2可変域内で多段階に変更設定しながら前記独立現像器を用いて前記感光体上にトナー像をパッチ画像として形成し、該パッチ画像についての前記濃度検出手段の検出結果に基づき前記(n+1)番目のトナー色について前記濃度調整因子を最適化する
ことを特徴とする画像形成方法。
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