JP3887529B2 - スポーツシューズ用つま先カバー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はスポーツシューズ用つま先カバーに関する。特に、投球時につま先をグランドにこすりやすい野球のピッチャー用シューズの付属品として最適であるが、その他のスポーツシューズにおいても使用可能である。
【０００２】
【従来の技術】
本出願人の出願に係る実公平７−４８０８４号は、本願添付の図５に示す断面を有する野球靴用つま先カバーを開示している。
【０００３】
この先願においては、つま先カバーは、靴紐通し孔を備えた甲被部６を有する。甲被部６の周縁部には、ウレタン樹脂からなる保護部２が溶着されて一体化している。甲被部１の周縁部は傾斜面が外面になるように切断されて傾斜切断面３を形成している。傾斜切断面３の両端部は貫通孔４を有する。前記保護部２の一部が前記貫通孔４内に充填した状態で前記傾斜切断面に溶着されている。このようにすることにより、靴のつま先表面への密着性を良好とすると共に、つま先カバーの外側面と地面との抵抗を小さくして剥離を防止できる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記考案において、ごくまれではあるが、長期間の使用において甲被部と保護部の溶着部が剥がれる場合があった。本願発明は上記考案をさらに改良したものであり、甲被部と保護部の溶着部の強度を高めることを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第１の観点では、靴の甲被の少なくとも一部前方を覆う甲被部と、靴の最前方に位置する保護部からなるスポーツシューズ用つま先カバーにおいて、前記保護部の側部に薄肉部を設けたことを特徴とする。
【０００６】
第２の観点では、本発明は、靴の甲被の少なくとも一部前方を覆う甲被部と、靴の最前方に位置する保護部からなるスポーツシューズ用つま先カバーにおいて、
（ａ）前記甲被部と前記保護部の接合面が傾斜面となっていること、
（ｂ）前記甲被部は前記接合面において少なくとも１つの貫通孔を有し、前記保護部の樹脂がこの貫通孔を充填すると共に、さらに、保護部の内側に盛り上がってストッパーを形成していること、
（ｃ）前記保護部の側部に薄肉部を設けたこと
を特徴とする。
【０００７】
【発明の実施の態様】
上記第１の観点と第２の観点は相互に矛盾するものではなく、両者ともに設けることが好ましい。貫通孔は甲被部の左右端部に複数個設けるのが強度を増す上で好ましい。
【０００８】
【実施例】
図１は本発明のスポーツシューズ用つま先カバーの使用状態を示した斜視図である。図２は、つま先カバーを裏返した状態の正面図である。
【０００９】
前記従来技術と同様に、本発明のスポーツシューズ用つま先カバー１０も、靴の甲被の一部前方を覆う甲被部１６と、靴の最前方に位置する保護部１２からなる。甲被部１６は天然皮革から形成され、保護部１２は合成樹脂（例えばウレタン樹脂）から形成されている。甲被部１６は片方が靴紐部まで伸びて延長部１６ａを形成しており、この延長部１６ａに靴紐を通すための孔１５が設けられている（図１参照）。
【００１０】
甲被部１６と保護部１２の接合面１３は溶着されている。合成樹脂を天然皮革に溶着させるのであるから、必ずしも高強度の接合が得られるとは限らない。そのため、接合面１３の面積を広くして、接合強度を高めている。即ち、甲被部の周縁部を傾斜して切断し、その傾斜面に保護部１２を溶着している。
【００１１】
接合力を高めるために、甲被部１６の左右両端１７、１８には貫通孔１４が設けられている。貫通孔は、図２では、左端１７に２個、右端１８に３個設けられている。図３はその貫通孔１４の断面状態を示したもので、貫通孔１４を保護部１２の樹脂１２ａが充填している。ここまでは、前記従来例とほぼ同様である（図５参照）。本発明ではさらに保護部１２の樹脂をつま先カバーの内側に盛り上げてストッパー１２ｂを形成し、樹脂１２ａの脱落を防止して接合力が高めている。
【００１２】
本発明では、さらに甲被部１６と保護部１２の接合力を高めるために、甲被部１６に柔軟性を付与している。即ち、甲被部の延長部１６ａが設けられている側の保護部の一端２０に薄肉部２１が形成されている。このようにすることにより、この部分の甲被部１６が柔軟性を有することになり、甲被部１６と保護部１２が外れにくくなる。薄肉部２１は、この実施例では複数のくぼみであり、断面は、図４に示すように、波形となっている。
【００１３】
図示しないが、薄肉部２１は、例えば次のように変形することもできる。
（１）単一の広いくぼみを設ける。
（２）多数の小さな貫通孔を設ける。
（３）波形以外の断面を有する単一又は複数のくぼみを設ける。
（４）くぼみや孔ではなく、全体的に、前方に比べ側部を比較的に薄くする。
（５）薄肉部を甲被部の延長部１６ａが設けられている側だけでなく、その反対側にも設ける。
【００１４】
【発明の効果】
本発明では、甲被部１６と保護部１２の接合力が高められているので、長期間使用しても、両者が剥離するようなことはなくなり、製品の耐久性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のスポーツシューズ用つま先カバーの使用状態を示した斜視図である。
【図２】つま先カバーを裏返した状態の正面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。
【図４】図２のＢ−Ｂ断面図である。
【図５】図２のＡ−Ａ断面図に相当する、従来技術の断面図である。
【符号の説明】
１０ スポーツシューズ用つま先カバー
１２ 保護部
１２ｂ ストッパー
１３ 接合面
１６ 甲被部
２１ 薄肉部

Claims (3)

1. 靴の甲被の少なくとも一部前方を覆う甲被部（１６）と、靴の最前方に位置する保護部（１２）からなるスポーツシューズ用つま先カバーにおいて、
   前記保護部（１２）の側部に薄肉部（２１）を設けたことを特徴とするスポーツシューズ用つま先カバー。
2. 靴の甲被の少なくとも一部前方を覆う甲被部（１６）と、靴の最前方に位置する保護部（１２）からなるスポーツシューズ用つま先カバー（１０）において、
   （ａ）前記甲被部（１６）と前記保護部（１２）の接合面（１３）が傾斜面となっていること、
   （ｂ）前記甲被部（１６）は前記接合面（１３）において少なくとも１つの貫通孔（１４）を有し、前記保護部（１２）の樹脂（１２ａ）がこの貫通孔を充填すると共に、さらに、保護部の内側に盛り上がってストッパー（１２ｂ）を形成していること、
   （ｃ）前記保護部（１２）の側部に薄肉部（２１）を設けたこと
   を特徴とするスポーツシューズ用つま先カバー。
3. 前記貫通孔（１４）が前記甲被部（１６）の左右端部に複数個設けられている請求項２記載のつま先カバー。

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