JP3886179B2 - (テトラヒドロ−3−フラニル)メチル誘導体 - Google Patents

(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体、該誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ニトロメチレン基、ニトロイミノ基、シアノイミノ基を有するアミン化合物は数多く知られている(特開昭64−070468号公報、特開平2−171号公報、特開平4−154741号公報、特開平3−157308号公報等)。これらの公報には、分子中に複素環基を含むアミン化合物群が殺虫活性を示すという記載がある。しかしながら、本発明者らがこれらの化合物を合成し、殺虫活性について検討した結果、複素環基を有するすべてのアミン誘導体が殺虫活性を示すことではないことが判明した。すなわち、これらの公報に記載の化合物の中で見るべき活性を示す化合物は、複素環基としてチアゾリルメチル基またはピリジルメチル基を有するアミン誘導体に限られており、この事実は、J.Pesticide Sci. 18, 41(1993)等に記載されている。さらに、現在商品化が検討されている化合物は、複素環基としてピリジルメチル基を有する誘導体のみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、複素環基として前記のピリジルメチル基、あるいはチアゾリルメチル基を分子中に有せず、優れた殺虫活性を示し、しかも低毒性のニトロメチレン基、ニトロイミノ基あるいはシアノイミノ基を有するアミン誘導体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(1)で表わされる新規な(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体がピリジルメチル基あるいはチアゾリルメチル基を分子構造中に持たないにもかかわらず優れた殺虫活性を有することを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は 式(1)(化2)
【0005】
【化2】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R1 はR11またはR12を表わし、R2 はR21またはR22を表わし、R1 がR11のときR2 はR21またはR22が選ばれ、R1 がR12のときR2 はR21が選ばれる。ここで、R11は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、置換されたアルキルカルボニル基及び置換されたアルケニルカルボニル基を表わし、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキルカルボニル基及び炭素数2〜3のアルケニルカルボニル基を表わし、R21は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、置換されたアルキルカルボニル基、炭素数4以上のアルケニルカルボニル基及び置換されたアルケニルカルボニル基を表わし、R22は水素原子、炭素数1〜6のアルキルカルボニル基及び炭素数2〜3のアルケニルカルボニル基を表わす。R3 は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表わし、Zは=N−NO2 、=CH−NO2 または=N−CNを表わす。)で表わされる(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体及びその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤である。
上記式中のX1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 に関してアルキル基の典型的な例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert.−ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
【0006】
11及びR21に関して炭素数7以上のアルキルカルボニル基の典型的な例としてはヘプチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ノニルカルボニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルカルボニル基、デシルカルボニル基、ウンデシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、トリデシルカルボニル基、テトラデシルカルボニル基、ペンタデシルカルボニル基、ヘキサデシルカルボニル基、ヘプタデシルカルボニル基、オクタデシルカルボニル基、ノナデシルカルボニル基、イコシルカルボニル基等が挙げられる。
【0007】
11及びR21に関して置換されたアルキルカルボニル基の典型的な例としてはフェニルエチルカルボニル基、フェニルプロピルカルボニル基、フェニルブチルカルボニル基、p−メチルフェニルエチルカルボニル基等が挙げられる。
11及びR21に関して置換されたアルケニルカルボニル基の典型的な例としてフェニルビニルカルボニル基、フェニルプロペニルカルボニル基、4−メチルフェニルビニルカルボニル基等が挙げられる。
【0008】
12およびR22に関し炭素数1〜6のアルキルカルボニル基の典型的な例としてはメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、iso−ブチルカルボニル基、sec.−ブチルカルボニル基、tert.−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
12およびR22に関し炭素数2〜3のアルケニルカルボニル基の典型的な例としてはビニルカルボニル基、1−メチル−ビニルカルボニル基等が挙げられる。
3 に関してアルキル基の典型的な例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec.−ブチル基、tert.−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0009】
式(1)の化合物は、その置換基により以下に示す(A)及び(B)のいずれかの方法により製造出来る。
(A)法
式(1)の化合物において、R1 がR11を表わし、R2 がR21を表わし、かつR11とR21が同じ基の場合は、以下に示す反応式(1)(化3)の方法により製造出来る。
【0010】
【化3】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 、R3 及びZは前記基と同じ意味を表わし、R1がR11を表わし、R2がR21を表わし、かつR11とR21は同じ基を表わす)。
【0011】
すなわち、式(2)で表わされるグアニジン類と式(3)で表わされる酸クロリドを塩基の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
使用される酸クロライドの量としては、式(2)で表わされるグアニジン類に対し2〜5倍当量、好ましくは2〜2.5倍当量である。
塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート類、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム酢酸カリウム等の酢酸塩類、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類等を使用することが出来る。
【0012】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
【0013】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
【0014】
反応式(1)で式(3)で表わされる化合物は、公知の酸クロライドの合成法により公知のカルボン酸から製造することが出来る。
反応式(1)で式(2)で表わされる化合物は、反応式(2)(化4)の方法により製造することが出来る。
【0015】
【化4】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 及びR3 は前記と同じ意味を表わし、W1は炭素数1〜4のアルキル基を表わす)。
【0016】
すなわち式(4)で表わされる化合物類と容易に入手可能である式(5)で表わされるアルキルアミン類を必要により塩基あるいは触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
塩基としては過剰のアミンを使用するか、あるいは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類等を使用することが出来る。
触媒としては4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DABCO、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類、イオン交換樹脂、シリカゲル類、ゼオライト等を使用することが出来る。
【0017】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
【0018】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
【0019】
反応式(2)で式(4)で表わされる化合物は反応式(3)(化5)の方法により製造することが出来る。
【0020】
【化5】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 、Z及びW1 は前記と同じ意味を表わし、W2 はイミド基を表わす)。
【0021】
すなわち、式(6)で表わされる[(3−テトラヒドロフリル)メチル]アミン類と式(7)で表わされる化合物を必要により塩基あるいは触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
塩基としては過剰のアミンを使用するか、あるいは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類等を使用することが出来る。
触媒としては4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DABCO、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類、イオン交換樹脂、シリカゲル類、ゼオライト等を使用することが出来る。
【0022】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
【0023】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
反応式(3)で式(7)で表わされる化合物は特開平5−9173号公報等の方法により製造することが出来る。
【0024】
反応式(3)で式(6)で表わされる[(3−テトラヒドロフリル)メチル]アミン類は、反応式(4)(化6)の方法により製造することが出来る。
【0025】
【化6】
Figure 0003886179
(式中、W3 はハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表わし、Mはナトリウム原子、カリウム原子を表わす)。
【0026】
すなわち(3−テトラヒドロフラン)メタノールを塩化チオニル、オキシ塩化リン、三臭化リン、トリフェニルホスフィン/四臭化炭素、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素等のハロゲン化剤によりハロゲン化物あるいはトルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等のスルホナート化剤によりスルホナートに変換し、次にフタルイミドカリウムを用いるガブリエル法等の公知のアミン合成法により製造することが出来る。
【0027】
(B)法
式(1)のにおいて、R1 とR2 が異なる基を表わす場合、式(1)の製造方法を反応式(5)(化7)に示す。
【0028】
【化7】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 、R1 、R2 、R3 及びZは前記と同じ意味を表わす)。
【0029】
すなわち、式(8)で表わされるグアニジン類と式(9)で表わされる酸クロリドを塩基の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート類、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム酢酸カリウム等の酢酸塩類、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DBU、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類等を使用することが出来る。
【0030】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
【0031】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
反応式(5)で式(9)で表わされる化合物は、公知の酸クロライドの合成法により公知のカルボン酸から製造することが出来る。
【0032】
反応式(5)で式(8)で表わされる化合物は、反応式(6)(化8)の方法により製造することが出来る。
【0033】
【化8】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 、R1 及びR3 は前記と同じ意味を表わし、W1 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす)。
【0034】
すなわち式(10)で表わされる化合物類と容易に入手可能である式(11)で表わされるアルキルアミン類を必要により塩基あるいは触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
塩基としては過剰のアミンを使用するか、あるいは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類等を使用することが出来る。
触媒としては4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DABCO、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類、イオン交換樹脂、シリカゲル類、ゼオライト等を使用することが出来る。
【0035】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
【0036】
反応式(6)で式(10)で表わされる化合物は反応式(7)(化9)の方法により製造することが出来る。
【0037】
【化9】
Figure 0003886179
(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 、R1 、Z及びW1 は前記と同じ意味を表わす)。
【0038】
すなわち式(4)で表わされる化合物類と式(12)で表わされる酸クロリド類を反応させることにより容易に製造することが出来る。反応は塩基の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に製造することが出来る。
塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート類、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム酢酸カリウム等の酢酸塩類、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類等を使用することが出来る。
【0039】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることが出来る。
【0040】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることも出来るが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
反応式(7)で式(12)で表わされる化合物は、公知の酸クロライドの合成法により公知のカルボン酸から製造することが出来る。
【0041】
式(1)で表わされる化合物は幾何異性体(cis−およびtrans−異性体)ならびに互変異性体として存在しうる。また、テトラヒドロフラン環の3位に不整炭素が存在し、光学活性異性体、ラセミ体および任意の割合の混合物として存在しうる。この種の全ての異性体及び互変異性体、並びにその混合物も本発明に包含される。
【0042】
本発明にかかわる一般式(1)のニトロメチレン基、ニトロイミノ基、シアノイミノ基を有するアミン誘導体は、(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル基を有することを特徴とする。例えば、一般式(1)において、テトラヒドロフラン環の酸素原子を硫黄原子あるいは窒素原子に置き換えた時、殺虫活性は全く失われる。また、酸素原子の位置も3位にあることが特徴的であり、2位に酸素原子を有するテトラヒドロ−2−フリルメチルアミン誘導体も全く殺虫活性を示さない。すなわち、飽和複素環誘導体において極めて限定された構造である(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体のみが、極めて特徴的に殺虫活性示すのである。
【0043】
本発明の式(1)で表わされる化合物は強力な殺虫作用を持ち、殺虫剤として農業、園芸、畜産、林業、防疫、家屋等の多様な場面において使用することが出来る。また、本発明の式(1)で表わされる誘導体は植物、高等動物、環境等に対して害を与えることなく、有害昆虫に対して的確な防除効果を発揮する。
その様な害虫としては例えば、アワヨトウ、タマナヤガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ、カブラヤガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ、ニカメイガ、コブノメイガ、ハイマダラメイガ、イネツトムシ、ワタアカミムシ、ジャガイモガ、モンシロチョウ、ノシメマダラメイガ、チャノコカクモンハマキ、キンモンホソガ、ミカンハモグリガ、ナシヒメシンクイ、マメシンクイガ、モモシンクイガ、ブドウスカシバ、コナガ、イガ等の鱗翅目害虫;タバココナジラミ、オンシツコナジラミ、ミカントゲコナジラミ、ワタアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、リンゴワタムシ、モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、マメアブラムシ、ミカンクロアブラムシ、ムギミドリアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、チャノミドリヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ、ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシ、イセリアカイガラムシ、ミナミアオカメムシ、ホソヘリカメムシ、ナシグンバイ等の半翅目害虫;イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、コロラドハムシ、ウリハムシ、Diabrotica spp.、コクゾウムシ、ニジュウヤホシテントウ、アズキゾウムシ、マメコガネ、ゴマダラカミキリ、タバコシバンムシ、ヒメマルカツオブシムシ、コクヌストモドキ、ヒラタキクイムシ等の鞘翅目害虫;アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ、イネハモグリバエ、ダイズサヤタマバエ、イネカラバエ、イネミギワバエ、イエバエ、タマネギバエ、ウリミバエ、ミカンコミバエ、マメハモグリバエ等の双翅目害虫;ネギアザミウマ、カキクダアザミウマ、ミナミキロアザミウマ、イネアザミウマ、チャノキイロアザミウマ等のアザミウマ目昆虫;クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、コバネイナゴ、トノサマバッタ等の直翅目害虫;カブラハバチ等の膜翅目害虫;イエダニ、ツツガムシ類、ケナガコナダニ等のダニ目害虫;その他イヌノミ、アタマジラミ、ヤマトシロアリ、ヤケヤスデ、ゲジなどを挙げることが出来る。
【0044】
本発明の式(1)で表わされる化合物を実際に施用する場合には、他の成分を加えずに単味の形でも使用出来るが、防除薬剤として使いやすくするため担体を配合して適用するのが一般的である。
本発明化合物の製剤化に当たっては、何らの特別の条件を必要とせず、一般農薬に準じて当業技術の熟知する方法によって乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、微粒剤、フロアブル剤,マイクロカプセル剤,油剤、エアゾール、薫煙剤,毒餌等の任意の剤型に調整出来、これらをそれぞれの目的に応じた各種用途に供しうる。
ここでいう担体とは、処理すべき部位への有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される液体、固体または気体の合成または天然の無機または有機物質を意味する。
【0045】
適当な固体担体としては例えばモンモリロナイト、カオリナイト、ケイソウ土、白土、タルク、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉、ペクチン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ワセリン、ラノリン、流動パラフィン、ラード、植物油等の有機物質等が挙げられる。
【0046】
適当な液体担体としては例えばトルエン、キシレン、クメン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類、ケロシン、鉱油等のパラフィン系炭化水素類、メチレンクロリド、クロロホルム、4塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
【0047】
さらに本発明の式(1)で表わされる化合物の効力を増強するために、製剤の剤型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独に、または組合わせて以下のような補助剤を使用することも出来る。
乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的で使用する助剤としてはリグニンスルホン酸塩類等の水溶性塩基類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、多価アルコールエステル類等の非イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の安定剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム等が挙げられる。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるものではない。
【0048】
さらにこれら本発明の式(1)で表わされる化合物は2種以上の配合使用によって、より優れた殺虫活性を発現させることも可能であり、また他の生理活性物質、例えばアレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、フェノトリン、フラメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フルシトリネート、フルバリネート、アクリナトリン、テフルトリン、ビフェントリン、エンペントリン、ベータサイフルスリン、ゼータサイパーメスリン等の合成ピレスロイド系殺虫剤およびこれらの各種異性体あるいは除虫菊エキス;DDVP、シアノホス、フェンチオン、フェニトロチオン、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、メチルパラチオン、テメホス、ホキシム、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP,EPN、エチオン、メカルバム、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、ピリミホスメチル、エトリムホス、イソキサチオン、キナルホス、クロルピリホスメチル、クロルピリホス、ホサロン、ホスメット、メチダチオン、オキシデブロホス、バミドチオン、マラチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホレート、テルブホス、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、モノクロトホス、ナレド、ホスチアゼート等の有機リン系殺虫剤、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、XMC、PHC、MPMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、オキサミル、アルジカルブ、等のカーバメート系殺虫剤、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス等のアリールプロピルエーテル系の殺虫剤、シラフルオフェン等のシリルエーテル系化合物。硫酸ニコチン、ポリナクチン複合体、アベルメクチン、ミルベメクチン、BT剤等の殺虫性天然物、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、フルアズロン、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、ピメトロジン、フィプロニル、ブプロフェジン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、キノプレン、エンドスルファン、ジアフェンチウロン、トリアズロン、テブフェノジド、ベンゾエピン等の殺虫剤、ジコホル、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、CPCBS、BPPS、キノメチオネート、アミトラズ、ベンゾメート、ヘキシチアゾックス、酸化フェンブタスズ、シヘキサチン、ジエノクロル、クロフェンテジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、フェナザキン、テブフェンピラド、ピリミジナミン等の殺ダニ剤、その他殺菌剤、肥料、土壌改良剤、植物成長調節剤等の植物保護剤や資材等と混合することによりさらに効力の優れた多目的組成物をつくることも出来、また相乗効果も期待出来る。
【0049】
なお、本発明の式(1)で表わされる化合物は光、熱、酸化等に安定であるが、必要に応じ酸化防止剤あるいは紫外線吸収剤、例えばBHT(2,6− ジ− t− ブチル− 4− メチルフェノール)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)のようなフェノール誘導体、ビスフェノール誘導体、またフェニル− α− ナフチルアミン、フェニル− β− ナフチルアミン、フェネチジンとアセトンの縮合物等のアリールアミン類あるいはベンゾフェノン系化合物類を安定剤として適量加えることによって、より効果の安定した組成物を得ることが出来る。
【0050】
本発明の式(1)で表わされる化合物の殺虫剤は該化合物を0.0000001〜95重量%、好ましくは0.0001〜50重量%含有させる。
本発明殺虫剤を施用するには、一般に有効成分0.001〜5000ppm、好ましくは0.01〜1000ppmの濃度で使用するのが望ましい。また、10aあたりの施用量は、一般に有効成分で1〜300gである。
【0051】
【実施例】
次に、実施例及び参考例により本発明の内容を具体的に説明する。
実施例 1 1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(ペンタデシルカルボニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(化合物No.1)の製造
1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−2−メチル−3−ニトログアニジン1.0g、水素化ナトリウム0.5g、N,N−ジメチルホルムアミド15mlを室温で発泡のなくなるまで攪拌し、ペンタデシルカルボニルクロリド2.8gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解し、氷冷下で滴下しながら加えた。その後室温で30min.攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し水洗、乾燥、濃縮して得た油状物をシリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で分離精製して0.33gの1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(ペンタデシルカルボニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを得た。
δTMS(CDCl3,ppm):1.38-1.55(1H,m),1.86-2.02(1H,m),2.45-2.67(1H,m),
2.67-2.01(9H,m),3.31-3.48,(2H,m),3.58-3.90(4H,m),
7.09-7.31(10H,m)
νmax(neat,cm-1):2936,2868,1705,1559,1455,1373,1285,1091,752,701
【0052】
実施例 2 1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(フェニルプロピオニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(化合物No.2)の製造
1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−2−メチル−3−ニトログアニジン1.0g、水素化ナトリウム0.5g、アセトニトリル15mlを室温で発泡のなくなるまで攪拌し、フェニルプロピオニルクロリド1.7gをアセトニトリル5mlに溶解し、氷冷下で滴下しながら加えた。その後室温で30min.攪拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して得た油状物をシリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で分離精製して1.06gの1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(フェニルプロピオニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを得た。
δTMS(CDCl3,ppm):0.83-0.96(8H,m),1.18-1.43(37H,m),1.52-1.79(13H,m),
2.01-2.13(1H,m),2.28-2.79(6H,m),3.12-3.27(3H,m),
3.43-3.94(6H,m)
νmax(neat,cm-1):2925,2854,1711,1562,1467,1374,1284,1169,1082
【0053】
実施例 3 1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(スチリルカルボニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(化合物No.3)の製造
1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−2−メチル−3−ニトログアニジン1.0g、水素化ナトリウム0.5g、アセトニトリル10mlを室温で発泡のなくなるまで攪拌し、ケイ皮酸クロリド1.7gをアセトニトリル5mlに溶解し、氷冷下で滴下しながら加えた。その後室温で30min.攪拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して得た油状物をシリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で分離精製して1.24gの1−メチル−2−ニトロ−1,3−ビス(スチリルカルボニル)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを得た。
δTMS(CDCl3,ppm):1.62-1.81(1H,m),2.00-2.17(1H,m),2.71-2.81(1H,m),
3.29-3.31(3H,m),3.56-3.64(1H,m),3.74-3.98(5H,m),
6.69-6.88(2H,m),7.33-7.51(10H,m),7.70-7.86(2H,m)
νmax(neat,cm-1):1686,1623,1543,1336,1274,1207,1167,1084,978,903,764
【0054】
参考例 1 1−メチル−2−(ニトロイミノ)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンの製法
S−メチル−N−ニトロ−N’−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]イソチオウレア9.32gのメタノール25ml溶液に室温にてメチルアミン(40%メタノール溶液)3.47gを30分かけて滴下した。反応液を室温にて2時間攪拌したのち減圧濃縮して得られた油状物を再結晶(酢酸エチル−エーテル)して1−メチル−2−(ニトロイミノ)−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン7.90gを無色の結晶として得た。
δTMS(CDCl3,ppm):1.62-1.74(1H,m),2.09-2.22(1H,m),2.59-2.79(1H,m),
2.96(3H,d,J=5.1),3.35(2H,t,J=5.1),3.66-3.80(3H,m),
3.92-4.08(1H,m)
νmax(KBr,cm-1):3339,3280,1618,1316,1231,1169
融点:99.5〜100.7℃
【0055】
参考例 2 S−メチル−N−ニトロ−N’−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]イソチオウレアの製法
塩酸[(3−テトラヒドロフリル)メチル]アミン15.6gおよびS−メチル−N−ニトロ−N’−フタロイルイソチオウレア27.2gのジクロロメタン135ml溶液に氷冷下にてトリエチルアミン12.5gのジクロロメタン20ml溶液を30分かけて滴下した。反応液を氷冷下にて1時間攪拌して生成した不溶物をろ別し、ろ液を1M塩酸60mlおよび飽和食塩水60mlにて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち、減圧濃縮して得られた油状物にエーテルを加えて結晶化させ、S−メチル−N−ニトロ−N’−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]イソチオウレア19.0gを無色の結晶として得た。
δTMS(CDCl3,ppm):1.62-1.74(1H,m),2.10-2.23(1H,m),2.53(3H,s),
2.59-2.69(1H,m),3.41-3.47(2H,m),3.61-3.66(1H,m),
3.73-3.86(2H,m),3.92-4.00(1H,m),10.16(1H,br-s)
νmax(KBr,cm-1):3354,2958,2855,1562,1452
融点:68.7〜70.8℃
【0056】
参考例 3 塩酸[(3−テトラヒドロフリル)メチル]アミンの製法
N−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]フタルイミド33.7gおよびヒドラジン一水和物(98%)8.26gのエタノール170ml溶液を2時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷したのち、濃塩酸13.4mlを加え、室温にて30分攪拌した。不溶物をろ別し、不溶物をエタノール170mlで洗浄し、先のろ液と洗浄液をあわせて減圧濃縮して得られた油状物に水酸化ナトリウム水溶液(25%)84mlを加え、ジクロロメタン100ml×3にて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち常圧濃縮して得られた油状物に酢酸エチル100mlを加え、さらに氷冷下にて4M塩酸酢酸エチル溶液51mlを加え、析出した結晶をろ別することで、塩酸[(3−テトラヒドロフリル)メチル]アミン15.6gを無色の結晶として得た。
δTMS(methanol-d4,ppm):1.63-1.75(1H,m),2.03-2.23(1H,m),2.51-2.61(1H,m),
2.97(2H,d,J=7.3),3.52-3.58(1H,m),3.72-3.80(1H,m),
3.85-3.95(2H,m)
【0057】
参考例6 N−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]フタルイミドの製法
(3−テトラヒドロフラン)メタノール50.0gおよびトリエチルアミン54.5gのテトラヒドロフラン200ml溶液に氷冷下にてメタンスルホニルクロリド61.5gのテトラヒドロフラン50ml溶液を1時間かけて滴下した。反応液を氷冷下にて30分、室温にて2時間攪拌したのち、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮して得られた油状物をN,N−ジメチルホルムアミド500mlに溶解し、これにフタルイミドカリウム90.5gを加え、80℃にて3時間攪拌した。反応液を氷水1000mlに注ぎ、攪拌して得られた結晶をろ別した。ろ別した結晶を水500ml×2、イソプロピルアルコール100ml×2およびエーテル100ml×2にて洗浄して、N−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]フタルイミド86.0gを無色の結晶として得た。
δTMS(CDCl3,ppm):1.66-1.79(1H,m),1.95-2.08(1H,m),2.69-2.78(1H,m),
3.58-3.98(6H,m),7.72-7.74(2H,m),7.85-7.88(2H,m)
【0058】
次に製剤例を挙げて本発明の殺虫組成物を具体的に説明する。
製剤例 1
本発明化合物20部、ソルポール355S(東邦化学製、界面活性剤)10部、キシレン70部、以上を均一に攪拌混合して乳剤を得た。なお部は重量部を表わす。
【0059】
製剤例 2
本発明化合物10部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン5部、ケイソウ土82部、以上を均一に攪拌混合して水和剤100部を得た。
【0060】
製剤例 3
本発明化合物0.3部、ホワイトカーボン0.3部を均一に混合し、クレー99.2部、ドリレスA(三共製)0.2部を加えて均一に粉砕混合し、粉剤100部を得た。
【0061】
製剤例 4
本発明化合物2部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト94部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。
【0062】
製剤例 5
本発明化合物20部およびポリビニルアルコールの20%水溶液5部を充分攪拌混合した後、キサンタンガムの0.8%水溶液75部を加えて再び攪拌混合してフロアブル剤100部を得た。
【0063】
製剤例 6
本発明化合物10部、カルボキシメチルセルロース3部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩1部、水84部を均一に湿式粉砕し、フロアブル剤100部を得た。
【0064】
次に、本発明の式(1)で表わされる化合物が優れた殺虫活性を有することを明確にするために以下の試験例により具体的に説明する。
試験例 1 ヒメトビウンカに対する効果
本発明化合物を所定濃度のアセトン溶液とし、数本に束ねたイネ苗(約3葉期)に3ml散布する。風乾後、処理苗を金網円筒で覆い、内部へヒメトビウンカ雌成虫10頭づつを放って25℃の恒温室に置き、48時間後に死虫率を調査した。結果を第1表(表1)に示した。
【0065】
【表1】
Figure 0003886179
【0066】
試験例 2 抵抗性ツマグロヨコバイに対する効果
本発明化合物を所定濃度のアセトン溶液とし、数本に束ねたイネ苗(約3葉期)に2.5ml散布する。風乾後、処理苗を金網円筒で覆い、内部へ抵抗性ツマグロヨコバイ雌成虫10頭づつを放って25℃の恒温室に置き、48時間後に死虫率を調査した。結果を第2表(表2)に示した。
【0067】
【表2】
Figure 0003886179
【0068】
試験例 3 モモアカアブラムシに対する効果
製剤例1に従って調製した本発明化合物の乳剤を蒸留水で希釈し、さらに展着剤(新グラミン水、三共株式会社製)を0.02%になるように添加して所定濃度に調製する。モモアカアブラムシが寄生している本葉2〜3葉期のナス苗に調整した薬液を散布し、温室内で栽培する。48時間後に生息数を調査して死虫率を求めた。結果を第3表(表3)に示した。
【0069】
【表3】
Figure 0003886179
【0070】
試験例 4 ハスモンヨトウに対する効果
製剤例1に従って調製した本発明化合物の乳剤を蒸留水で希釈し、さらに展着剤(新グラミン水、三共株式会社製)を0.02%になるように添加して所定濃度に調製する。そこへサツマイモ葉を充分に浸漬処理して風乾させた後、直径9cm、深さ4cmのプラスチックカップに移し、ハスモンヨトウ2令幼虫10頭づつに摂食さて25℃下、72時間後に死虫率を調査した。結果を第4表(表4)に示した。
【0071】
【表4】
Figure 0003886179
【0072】
【発明の効果】
本発明の式(1)で表わされる新規な(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体は高い殺虫力と広い殺虫スペクトラムを有する優れた化合物である。また、本発明の式(1)で表わされる新規な(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体を含有する農薬は殺虫剤として優れた特性を具備し有用である。

Claims (5)

  1. 式(1)(化1)
    Figure 0003886179
    (式中、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 は水素原子を表わし、R1 はR11を表わし、R2 はR21を表わす。ここで、R11は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニル基で置換されたアルキルカルボニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わし、R21は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニル基で置換されたアルキルカルボニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わす。R3 は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表わし、Zは=N−NO2 を表わす。)で表わされる(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体。
  2. 式(1)において、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 は水素原子を表わし、R1 はR11を表わし、R2 はR21を表わす。ここで、R11は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニル基で置換されたアルキルカルボニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わし、R21は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニル基で置換されたアルキルカルボニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わす。R3 は、メチル基を表わし、Zは=N−NO2 を表わす。)で表わされる請求項1に記載の(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体。
  3. 式(1)において、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 は水素原子を表わし、R1 はR11を表わし、R2 はR21を表わす。ここで、R11は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニルプロピオニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わし、R21は炭素数7以上のアルキルカルボニル基、フェニルプロピオニル基及びフェニル基で置換されたアルケニルカルボニル基を表わす。R3 は、メチル基を表わし、Zは=N−NO2 を表わす。)で表わされる請求項2に記載の(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体。
  4. 式(1)において、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X7 は水素原子を表わし、R1 はR11を表わし、R2 はR21を表わす。ここで、R11はペンタデシルカルボニル基、フェニルプロピオニル基及びスチリルカルボニル基を表わし、R21はペンタデシルカルボニル基、フェニルプロピオニル基及びスチリルカルボニル基を表わす。R3 は、メチル基を表わし、Zは=N−NO2 を表わす。)で表わされる請求項3に記載の(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルアミン誘導体。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の式(1)で表わされる化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。
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