JP3886043B2 - 画像読み取り装置及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿からイメージセンサにより読み取った画像を処理し、デジタル画像データとして、このデータを利用する画像処理装置(例えばデジタル複写機)等に出力する画像読み取り装置に関し、より詳細には、読み取った画像データに対し原稿の地肌除去を高性能に行うことが可能な画像読み取り装置及び画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在普及しているデジタル複写機においては、イメージセンサにより読みとった原稿の画像データをA/D変換し、変換したデジタルデータに対して、画像形成部に送り込む画像データが所定の基準レベルを維持するように処理を施す。この処理は、通常、原稿画像が文字、図形等で地肌に雑音濃度がある場合には地肌レベル、また写真等の画像が原稿である場合には白レベルの出力が、目標値(目標白出力)となるように画像データのレベルを調整する。レベル調整され、出力される画像データが、前者については地肌の雑音が除去されたデジタル画像データとして、また、後者については正しい濃度を表すデータとして、画像形成に用いるために作像部に送り込むか、或いは記憶手段に保存され、その後の使用に供される。
地肌除去処理に関する従来の技術として、下記の特許文献1,2を挙げることができる。
特許文献1は、アナログ画像信号をピークホールドアンプによりピークホールドした電圧にゲイン(ユーザー操作によりゲイン調整を可能にした)をかけてA/D変換器へのリファレンスとすることで地肌除去を行うものである。
また、特許文献2は、原稿を読み取ったCCDからのアナログ画像信号をA/D変換し、変換後のデジタルデータに対して シェーディング処理と合わせてデジタル演算により地肌除去処理を実現するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000-36910号公報
【特許文献2】
特開平11-103390号公報
【0004】
特許文献1に示す方式は、アナログのピークホールドアンプを用いて画像データのピークを検出し、それをA/Dコンバーターのリファレンスとして用いる、これまでの画像読取装置における地肌除去処理の一つとして良く知られている方式であるが、この手法によると、画像の地肌レベルにピークレベルが追従する速度はピークホールド回路の時定数に依存し、その特性を変更するためには回路定数の変更を行う必要があり手間がかかってしまう。また、特許文献2に示すデジタル処理による地肌除去の場合では、A/D変換後の読取データを処理することにより地肌除去を行っているので、地肌レベルの濃度が濃い場合には、ダイナミックレンジが狭く、地肌除去処理後の画像データの階調性が低下してしまい画像が劣化してしまう、という問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、これらの問題が生じることのない方式として、光電変換素子(CCD)にて得られたアナログ画像信号をA/D変換器によりデジタルデータへの変換を行うとき、予めリファレンスレベルを地肌を読み取ったときのデータに基づいて調整することにより、地肌除去を行う方式が提案されている。
この方式では、地肌レベルがある中間濃度であるときに地肌除去処理はこの地肌レベルをデジタルデータに変換した際に、目標とするレベル、例えば220/255digit となるようにリファレンスレベルを調整することで、地肌除去を行い、A/D変換器の分解能で定まる階調数で、デジタルデータを得ることが可能となる。しかしながら、これまで考えられているリファレンスレベルの決め方は、原稿の余白といった特定の場所の地肌を読み取ったときのデータに基づいて予め決めるという方法であり、次に決めるまでは一定レベルのままである(後述する[0013]の図6に関する説明、参照)。従って、原稿の地肌レベルが途中からより明るいものへ変化する場合には地肌レベルがA/D変換のリファレンスレベルを越えてしまう場合があり、この場合、得られるデジタルデータが飽和をしてしまい、原稿の地肌レベルを正確に把握できずに地肌除去処理が適切に行えなくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、原稿からイメージセンサにより読み取った画像データに対する地肌除去処理における従来技術の上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、原稿から読み取ったアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段のリファレンス電圧を地肌レベルに応じて変更することにより地肌除去を行う画像読取装置において、原稿の地肌レベルが途中で(例えば、読み取りの主走査ラインの途中)変化する場合にも、地肌除去機能を有効に働かせることを可能にして、処理性能の向上を図るようにした画像読み取り装置及び該画像読み取り装置を備えた画像処理装置(複写機、ファクシミリ、スキャナ等)を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、イメージセンサにより原稿から読み取ったアナログ画像信号を設定が可変なリファレンス電圧に従ってデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段にリファレンス電圧を設定し、その変換動作を制御するA/D変換制御手段とを有する画像読取装置であって、前記A/D変換制御手段は、1画素のアナログ信号に対して1回又は複数回の変換を行うモードによる動作を行うことを可能とし、複数回の変換を行う動作モードにおいては設定するリファレンス電圧を各回毎に変更することを特徴とする画像読み取り装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、A/D変換手段のデジタル出力データから原稿の地肌レベルを検出し、その検出値に基づいてリファレンスレベルを求め、A/D変換手段への設定電圧としてフィードバックすることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードによる変換を行わせ、そのときの各々のリファレンス電圧の設定を、一方に地肌除去を行う場合の設定、他方に地肌除去を行わない場合の設定とし、それぞれの設定で得たA/D変換手段のデジタル出力データを用いて、地肌除去を行う場合のリファレンス電圧の設定値の更新を行うことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、地肌除去を行う場合のリファレンス電圧の設定値の更新の際に、その時の設定によりA/D変換手段の地肌除去出力が飽和するか、否かにより更新値の演算方式を変更することを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、地肌除去を行わない場合には1画素のアナログ信号に対して1回の変換を行う動作モードで、固定のリファレンス電圧の設定による変換動作を行わせ、地肌除去を行う場合には1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードで、地肌除去を行う場合に適用するリファレンス電圧の設定による変換動作を行わせることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載された画像読み取り装置と、該画像読み取り装置から出力される画像データに基づいて画像を生成する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記[発明が解決しようとする課題]の項で述べたように、A/D変換のリファレンス電圧を地肌レベルに応じて変更する先行技術の地肌除去方式におけるA/D変換の動作は、あるリファレンスレベルを用いて 1画素分のデータに対し1回の変換を行うという方式であった。図6は、この動作状態を示すタイムチャートで、同図中の(A)は画素周期信号で、(B)はA/Dクロックで、(C)はリファレンスレベルの変化を示す。
この動作方式でリファレンスレベルを調整して地肌除去を行う場合、地肌レベルがある中間濃度であると、この地肌レベルをデジタルデータに変換した際に、目標とするレベル、例えば220/255digit となるようにリファレンスレベルを調整することにより、地肌が除去された形でA/D変換器の分解能で定まる階調数のデジタルデータを得ることが可能となる。しかしながら、図6に示すような動作方式では、原稿の地肌レベルが途中からより明るいものへ変化する場合に、地肌レベルがA/D変換のリファレンスレベル(一定)を越えてしまうことがあり、この場合、得られるデジタルデータが飽和してしまうので、原稿の地肌レベルを正確に把握できずに地肌除去処理が適切に行えなくなってしまうという問題が生じる。
また、これに対し基準白原稿を読み取った場合でも読み取ったデジタルデータが飽和しないレベルにリファレンスレベルを固定しておき、A/D変換を行い得られたデジタルデータに対して、ゲインを乗じることで、地肌除去を行う方法もあるが、この場合、地肌除去を行うためのゲインが大きくなってくると地肌除去を行った後のデジタルデータが階調性の低いものとなってしまうといった問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明では、1画素のアナログ信号に対して1回又は複数回の変換を行う動作モードによる変換を行わせ、複数回の動作モードにおいては各回に適用するリファレンス電圧の設定を変更可能にする。
下記の実施形態では、2回の変換を行う動作モードとし、同一画素に対して、地肌除去を行う場合でのリファレンスレベル:Ref_AEと地肌除去処理を行わない固定リファレンスレベル:Ref_NAEの両方で画像データをデジタルデータに変換を行い、地肌除去を行う場合はRef_AEを調整することで、階調性を損なうことなく地肌除去を行ったデータを得ることが可能となり、同時に、固定リファレンスレベルであるRef_NAEを用いたA/D変換によりデジタルデータも取得しているので、このデータを利用することにより、前述した様に地肌レベルが途中から明るくなるような原稿を読み取った場合でも、得られたデータが飽和してしまい地肌レベルが認識できなくなるといった問題の解消も図ることを可能にする。
【0014】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の画像読み取り装置の実施形態に係るブロック図で、読み取り画像データの処理に関わる処理回路部の要部を示す。ここには、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ10で読み取ったアナログ画像信号をA/D変換し、変換後のデジタルデータにデジタル補正処理を施すまでの画像処理部分が示されている。
図1に示す画像処理回路部において、イメージセンサ10の画像信号出力は、ゲインアンプ15、A/D変換器20を通して、デジタル信号補正部30に入力される。デジタル信号補正部33では、デジタル信号補正処理として、デジタル変換した画像データの地肌レベル或いは白レベル出力が所定の目標出力となるように画像データのレベルを調整する処理を行う。このために、白板濃度調整部・地肌除去処理部33(後記で図4,5を参照して詳述)、取得データ切替部31、AE/NAE切替リファレンス・A/D CLK 制御部35(後記で詳述)を本発明に特有の手段として備える。D/A変換器28は、白板濃度調整部・地肌除去処理部33から指示された設定値をゲインアンプ15のゲインとし、さらにA/D変換器20のリファレンスとして設定する。なお、リファレンスの設定は、リファレンス切替部24を介して行う。
【0015】
本実施形態では、同一画素データを二種類のリファレンスレベルを用いてA/D変換する。一方のリファレンスレベルを地肌除去処理を行うために調整し、一方は固定レベルとする。このようにすることにより、A/D変換器のダイナミックレンジを有効に活用し階調性の低下といった画像特性が悪くなることを無くす。
さらに、地肌除去を行うためのリファレンスレベル調整を行う際に、固定リファレンスを用いたA/D変換から得られるデータと、地肌除去用のリファレンスを用いたA/D変換から得られるデータの両方を用いてデジタル的に処理することで、その特性を容易に変更できることを可能とするものである。
このように処理される画像データの流れを、図1に示されるブロック図を参照して説明すると、先ず、原稿からCCDイメージセンサ10にて画像信号をアナログ信号として読み取り、得られたアナログ信号をゲインアンプ15により増幅し、増幅したアナログ信号をA/D変換器20によりデジタルデータへの変換を行う。このときのA/D変換の動作は、1画素分のアナログ信号に対して2回のA/D変換を行うようにする。図2は、この動作状態を示すタイムチャートで、同図中の(A)は画素周期信号で、(B)はA/Dクロックで、(C)はリファレンスレベルの変化を示す。図2に示すように 1画素分のアナログ信号に対して2回のA/D変換を行うように動作し、また、それぞれのA/D変換において地肌除去を行う場合のリファレンスレベル:Ref_AEと地肌除去を行わない場合のリファレンスレベル:Ref_NAEを切替えてA/D変換を行う。このA/D変換動作は、AE/NAE切替リファレンス・A/D CLK 制御部35によりA/D変換器20、リファレンス切替部24、取得データ切替部31をそれぞれ制御することにより実行する。
このような動作により、A/D変換器20からは地肌除去を行ったデジタルデータ:Data_AEと地肌除去を行わなかったデジタルデータ:Data_NAEが交互に得られ、得られたデータは、取得データ切替部31において、地肌除去を行う場合、行わない場合とで後段へ出力するデータを切りかえる。後段へ出力されたデータに対して黒レベル補正、シェーディング処理といった処理を黒レベル減算・シェーディング処理部37で施し、さらに後段につながる画像処理部分(図示せず)へ出力する。
また、取得データ切替部31において、地肌除去処理と白板濃度調整を行う白板濃度調整部・地肌除去処理部33へデータを転送する。この部分へのデータはData_AE、Data_NAEの両方を転送する。
【0016】
次に、上記した実施形態の地肌除去処理において用いるリファレンスRef_AEの更新処理について説明をする。
本実施形態でも原稿のCCDイメージセンサ10による読み取りは、従来からスキャナ読み取りにおいて行われていると同様の走査読み取り方式で行う。図3は、この走査読み取り方式を説明する図で、CCDイメージセンサ10の走査ラインを主走査方向にとり、主走査方向に直交する副走査方向にセンサと原稿を相対移動させ原稿全面を走査する方式である。
副走査方向にイメージセンサ10を移動させ原稿を読み取りに行くが、原稿を読み取る前に固定リファレンスであるRef_NAEとアナログ信号を増幅するアンプ15のゲインを調整する。これは、図3に示すように、原稿を置く位置の前に基準白板を用意しておき、また原稿として基準白原稿を用意し、これらを読み取った際のデジタルデータが目標レベルとなるように調整を行うという方法を適用することによる。
この調整値を求める処理は、白板濃度調整部・地肌除去処理部33で行う。
図4は、白板濃度調整部・地肌除去処理部33の内部構成をより詳細に示す図であり、図5は、読み取り画像の画素列に対して図4で行う処理を説明する図を示すものである。
上記の方法により調整値を求めるための処理・操作について、図4,5を参照して、以下にその説明をする。
【0017】
この処理・操作の手順として、まず、基準白板を読み取る際にはRef_NAEをRef_NAE_W(固定値)に設定する。
この設定で基準白板を読み取ったデータ336をラインメモリ337(図5参照)に 1ライン分保存しておき、1ライン分のピークレベル:Data_NAE_wpeakを地肌レベルの検出部338で検出する。
ゲイン設定値計算部339では、前段で検出したピーク値が基準白板目標読取レベル:W_targetとなるようにゲインアンプの設定値を計算し、調整値として出力する。このときのゲインアンプの調整値をGainとするとその更新式は、
Gain(k+1)=Gain(k)+G×(W_target−Data_NAE_wpeak)
G:更新係数, k:更新回数
となり、この更新ステップを繰り返していき、目標レベルに対して許容範囲内 W_target±σ_W となるまで、ゲインを調整する。
次に副走査方向に移動するイメージセンサ10により基準白原稿をよみとり、Ref_NAEの調整を行う。
このとき、ゲインアンプ15のゲインは先の調整で決定した値を設定して読み取り、読み取った基準白原稿のデータ336から、基準白板を読取ったときと同様に1ラインでのピークレベル:Data_NAE_wpeak_Gを地肌レベルの検出部338で検出する。
Ref_NAE計算部340では、前段で検出したピーク値を用いて、Ref_NAEを調整していく。このときの調整値をRef_NAE(k+1)とすると、更新式は、
Ref_NAE(k+1)=Ref_NAE(k)+γ×(W_target−Data_NAE_wpeak_G)
γ:更新係数, k:更新回数
となり、この更新ステップを繰り返していき、目標レベルに対して許容範囲内 W_target±σ_W となるまで、Ref_NAEを調整する。
このように、原稿を読み取るまえに、出力を目標レベル範囲に調整(正規化)するように、予めアンプゲイン及びRef_NAEを設定しておく。
【0018】
次に、地肌除去処理の動作について説明する。ここでは、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードによる変換を行わせ、固定リファレンスにより読み取ったData_NAE_peakを加味して地肌除去に設定するリファレンスを適正値に更新することを可能にする。
手順としては、まず、地肌除去を行う場合のリファレンス:Ref_AEの下限値を設定する。この下限値は、前述の白板濃度調整において得られた地肌除去処理を行わない場合のリファレンスレベル:Ref_NAEに対して所定の割合を乗じたレベルとし、これを地肌除去を行う場合のリファレンスレベル:Ref_AEの下限値、即ち、
Ref_AE_MIN=Ref_NAE×K
K:機種毎に設定される乗数
とする。なお、このレベルは、地肌追従の下限値でもあるが、地肌追従スタートでの初期値も兼ねる。
地肌除去処理開始時には、Ref_AE_MINを初期値として設定し、原稿画像データ1ラインを読取る。このとき、Ref_AEとRef_NAEの両方を用いて、同一画素データに対し2回A/D変換を行うことで地肌除去を行うデジタルデータと行わないデジタルデータを交互に得る。
【0019】
それぞれのリファレンスレベルの設定で原稿を読取ったデジタルデータ331をそれぞれ1ライン分のデータを保持し得るラインメモリ332(図5参照)へ保存しておき、1ライン分のデータに基づいて地肌レベルの検出部333で地肌レベルを検出する。
地肌レベル検出の方法は、ピークレベルを地肌レベルとして検出する方法や、ヒストグラムにより最も頻度の高いレベルを地肌レベルとして検出する方法など様々な方法が考えられているが、本発明では、いずれの方法を用いても構わない。このときに検出したそれぞれの地肌レベルをData_NAE_peak(n)、Data_AE_peak(n)とする。
また、Ref_AEを用いて得られたデータに対しては、図5に示すように、ラインメモリ332へ読み取りデータを保存する際に、予め定められた目標地肌レベル:AE_target との比較を行い、
Data_AE>AE_target
となる画素数:t をカウントする。
また、地肌除去を行う場合のリファレンスレベル:Ref_AEは、開始時点では下限値に設定されているため得られるデジタルデータ:Data_AE_peak(n)は、飽和をしている可能性がある。
このデジタルデータが飽和をしている場合と、飽和をしていない場合とで、得た地肌レベル:Data_NAE_peak(n)を用いて、新たに設定するRef_AEを求めるための更新式を切り替えて適用する。このような処理により、より望ましい更新回数で地肌除去を行うことが可能とする。従って、新たにRef_AEを求めるために適用する更新式を切り替えるために、Data_AE_peak(n)が飽和しているか、否かを検出しておく必要がある。
【0020】
Ref_AEの更新には、Data_AE_peak(n)が飽和しているか、否かにより定めた下記▲1▼〜▲3▼の条件それぞれに対し、下記に示す異なる計算式を適用する。
▲1▼ Data_AE_peak(n)が飽和となっている場合には、
Ref_AE(n+1)=Ref_AE(n)+α_1×(AE_target−Data_NAE_peak(n))
α_1:Ref_AE増加方向の更新係数(>0)
AE_target:地肌除去処理を行う場合の地肌目標レベル
▲2▼ Data_AE_peak(n)>AE_target かつ Data_AE_peak(n)が飽和となっていない場合には、
Ref_AE(n+1)=Ref_AE(n)―α_2×(AE_target−Data_AE_peak(n))
α_2:Ref_AE増加方向の更新係数、α_2=t/τ_up(t:ラインメモリ へのデータ保存時のData_AE>AE_targetのカウント値、τ_up:更新時 定数)
AE_target:地肌除去処理を行う場合の地肌目標レベル
▲3▼ AE_target>Data_AE_peak(n)である場合には、
Ref_AE(n+1)=Ref_AE(n)−β×(AE_target−Data_AE_peak(n))
β:Ref_AE減少方向の更新係数(>0)
このように、2回A/D変換を行い そのうち1回の変換では地肌除去を行わない場合のリファレンスレベル:Ref_NAEを用いることにより、読取ったデジタルレベルを飽和のない状態で得ることができ、地肌除去を行う場合のリファレンスレベル:Ref_AEの更新を適切な更新速度で行うことが可能となる。また、地肌除去を行う場合のリファレンス:Ref_AEで読みとったデジタルデータが飽和しない場合の更新式の切り替えにより、地肌レベルを目的の読取レベルとなるようにRef_AEを更新することが可能となる。
【0021】
次に、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作を必要としない場合に、1画素のアナログ信号に対して1回の変換を行う動作で対応することを可能にした本発明の画像読み取り装置に係わる実施形態を示す。
上記した実施形態では、同一画素に対して、Ref_AEとRef_NAEの2通りのリファレンスレベルで2回A/D変換を行うことで、より適切な地肌除去処理を行うことを可能とするものである。よって、常にこの動作で原稿を読み取るとすると、地肌除去を行わない場合では、Ref_AEでA/D変換をする動作が冗長なものとなってしまう。また、2回の変換を行う動作をさせるために動作クロックが高速になるが、一般的な回路において、動作クロックが高速となるほど消費電力が大きくなってしまい、無駄に電力を消費し、熱も多く発生することにもなる。
そこで、本実施形態では、より最適な動作を目的として、常時、同一画素に対して2回A/D変換を行うのではなく、地肌除去を行わない場合は、Ref_NAEを用いたA/D変換のみを行うように(図6参照)A/Dクロック、リファレンスの制御を行う動作モードを選び、地肌除去を行う場合は、上述のように同一画素に対して2回A/D変換を行うように(図2参照)A/Dクロック、リファレンスの制御を行う動作モードを選ぶことで、消費電力、発熱を押さえることを可能とする。
【0022】
次に本発明の画像処理装置に係わる実施形態を示す。
上記した各実施形態に示した画像読み取り装置は、複写機、ファクシミリ、スキャナ及びこれらの複合機、或いは画像データを蓄積するファイリング装置等の画像処理装置の画像読み取り部として装備することにより該画像処理装置を構成し得る。複写機、ファクシミリ、スキャナ及びこれらの複合機、或いは画像データを蓄積するファイリング装置等の画像処理装置を構成するときには、各画像処理装置の仕様に従い出力側に画像読み取り部からの出力画像データを利用するデータ処理部や画像生成(形成)部を組み合わせる必要があるが、組み合わせる構成部分は、当該画像処理装置を構成するために採用されている既存の技術(構成要素)を適用することが可能であり、こうした既存の技術を適用することにより、実施装置を構成することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
読み取り原稿画像のA/D変換において、1画素のアナログ信号に対して1回又は複数回の変換を行うモードによる動作を行うことを可能とし、複数回の変換を行う動作モードにおいては設定するリファレンス(Ref)を各回毎に変更するようにしたので、必要とするそれぞれの画像データに適応したRef設定により、A/D C(変換器)のダイナミックレンジを有効に活用し、階調性の低下による画像の劣化を無くした2種類のデジタルデータをA/D Cを増やすことなく得ることを可能にする。また、複数回ある中の一つを固定のRefでかつ不飽和出力を得るようにし、その出力を他方の飽和出力に対するRefの調整(更新)に利用するといった方法に適用することにより、読み取りの主走査ラインの途中で対象原稿画像が変化する場合にも、その変化に追従して必要な画像データを得る(例えば、地肌除去(AE)機能等を有効に働かせる)といった目的に用いることが可能になる。
【0024】
(2) 請求項2〜4の発明に対応する効果
A/D Cの出力データから原稿の地肌レベルを検出し、その検出値に基づいてリファレンスレベルを求め、A/D Cへの設定電圧としてフィードバックするようにしたので、請求項1の発明において地肌除去(AE)機能を実現することができる。
また、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードにおいて、AE機能を実現し、その際にAEとNAE(地肌除去無し)それぞれのRef設定で2回の変換を行い、固定のRefとしたNAEの不飽和A/D C出力を利用して、AEの飽和出力に対するRefの更新を行うようにしたので、読み取りの主走査ラインの途中で対象原稿画像が変化する場合にも、その変化に追従して、AE機能を有効に働かせることが可能になり、さらに、A/D CのAE出力が飽和するか、否かにより更新値の演算方式を変更するようにしたので、更新を適切な更新速度で行うことが可能となる。
【0025】
(3) 請求項5の発明に対応する効果
A/D Cの動作を、NAE出力を利用側で用いる場合には、1画素のアナログ信号に対して1回の変換を行う動作モードとし、AE出力を利用側で用いる場合には、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードを行わせることにより、2回の変換を行う動作モードが不要な場合に、無駄に電力を消費し、熱を発生させることを抑制することが可能となる。
(4) 請求項6の発明に対応する効果
請求項1〜5記載の画像読み取り装置を備えた複写機、ファクシミリ、スキャナ等の画像処理装置おいて上記(1)〜(3)の効果を具現化することにより、該画像処理装置の性能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像読み取り装置の実施形態に係るブロック図で、読み取り画像データの処理に関わる処理回路の要部を示す。
【図2】 1画素分のアナログ信号に対して2回のA/D変換を行う動作状態を示すタイムチャートである。
【図3】 本発明の実施形態の画像読み取り装置において採用する走査読み取り方式における白基準板及び原稿の配置を示す。
【図4】 白板濃度調整部・地肌除去処理部(図1参照)の内部構成をより詳細に示す。
【図5】 読み取り画像の画素列に対する処理(図4参照)を説明する図である。
【図6】 1画素分のアナログ信号に対して1回のA/D変換を行う先行技術の動作状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…CCDイメージセンサ、 15…スキャナ部、
20…A/D変換器、 24…リファレンス切替部、
28…D/A変換器、 30…デジタル信号補正部、
31…取得データ切替部、 33…白板濃度調整部・地肌除去処理部、
35…AE/NAE切替リファレンス・A/D CLK 制御部。

Claims (6)

  1. イメージセンサにより原稿から読み取ったアナログ画像信号を設定が可変なリファレンス電圧に従ってデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段にリファレンス電圧を設定し、その変換動作を制御するA/D変換制御手段とを有する画像読取装置であって、前記A/D変換制御手段は、1画素のアナログ信号に対して1回又は複数回の変換を行うモードによる動作を行うことを可能とし、複数回の変換を行う動作モードにおいては設定するリファレンス電圧を各回毎に変更することを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 請求項1に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、A/D変換手段のデジタル出力データから原稿の地肌レベルを検出し、その検出値に基づいてリファレンスレベルを求め、A/D変換手段への設定電圧としてフィードバックすることを特徴とする画像読み取り装置。
  3. 請求項2に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードによる変換を行わせ、そのときの各々のリファレンス電圧の設定を、一方に地肌除去を行う場合の設定、他方に地肌除去を行わない場合の設定とし、それぞれの設定で得たA/D変換手段のデジタル出力データを用いて、地肌除去を行う場合のリファレンス電圧の設定値の更新を行うことを特徴とする画像読み取り装置。
  4. 請求項3に記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、地肌除去を行う場合のリファレンス電圧の設定値の更新の際に、その時の設定によりA/D変換手段の地肌除去出力が飽和するか、否かにより更新値の演算方式を変更することを特徴とする画像読み取り装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載された画像読み取り装置において、前記A/D変換制御手段は、地肌除去を行わない場合には1画素のアナログ信号に対して1回の変換を行う動作モードで、固定のリファレンス電圧の設定による変換動作を行わせ、地肌除去を行う場合には1画素のアナログ信号に対して2回の変換を行う動作モードで、地肌除去を行う場合に適用するリファレンス電圧の設定による変換動作を行わせることを特徴とする画像読み取り装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像読み取り装置と、該画像読み取り装置から出力される画像データに基づいて画像を生成する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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