JP3885537B2 - プリント基板故障判定方法、及び、プリント基板故障判定装置 - Google Patents

プリント基板故障判定方法、及び、プリント基板故障判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板故障判定方法に関し、特に複数のプリント基板を含んだ電子機器の中から故障箇所、故障状態などを特定するプリント基板故障判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータ、複写機等の電子機器には、性能、機能の向上に伴い、それらを実現するための様々な用途のアナログ、及びデジタルの電子回路がプリント基板の形で格納されてきている。また、自動車、航空、ロボット、半導体設計装置、及びその他の産業機器においても動作制御等の手段として、信頼性が高く、高速・高精度での動作が可能な電子回路基板が数多く搭載されてきている。
【0003】
これらの電子回路基板は一連の機能を実現するために、様々な形でケーブルを介して接続されることにより、所望のスペックが実現されている。このような基板が搭載される機器が使用される環境は、通常はオフィス内であったり、家屋内であったりするが、それ以外の過酷な環境下で使用される場合もあり、使用環境は非常に多岐にわたっている。特に使用環境が劣悪である場合には、通常の方法で使用していたとしても、検出の困難な様々な異常、故障が発生し、その修復には多大な労力を要することになる。
【0004】
また、通常の使用環境下で使用している場合でも、電子回路の異常、故障は発生し、その頻度は必ずしも低いとは言えない。そして、故障が発生した場合、その発生個所を特定するのに多くの手間と時間を要することがある。一般的にはテスターなどの測定装置を用いて主要な個所の電圧や信号波形をモニターしながら故障個所の特定を行う。しかしながら、このような診断方法では様々な個所の測定を行わなければならず、故障の診断に手間がかかってしまい、作業効率が悪いという問題があった。
【0005】
さらに、電子回路基板に異常が発生した場合には、安全性やコストなどの面から早急な対応が必要でもある。対応の一例として、複写機やプリンタ等の異常、故障情報の連絡が入った場合、フィールドエンジニア等の呼称で呼ばれる修理担当者が現地に駆けつけて、機器に記録されている故障個所情報や故障履歴の情報等をもとに故障部位の特定を行い、交換する、あるいは修理を行う、などの措置手段を講ずることが行なわれている。あるいは、これらの機器がネットワークに接続されており、自動的にこれらの情報を管理する部署へ、状態の管理や故障情報等を伝送する場合には、これらの情報をあらかじめ解析した上で、修理担当者により、同様の措置が取られる。
【0006】
しかし、いずれにしても上述のような異常、故障が発生した場合には、通常、機器は使用不可能となり、ダウンタイムが生じてしまう、というユーザ側にとってのデメリットが発生する。また、メーカ側にとっても、故障部位の特定に手間取ったり、故障部位が必ずしも正確に特定できるとは限らず、故障と考えられる部分を全て交換する等の措置により、多大なコストが発生したり、あるいは修理そのものに時間がかかってしまう、マンパワー的な対応がおいつかない、といったような状況が発生する。従って、ユーザ側、メーカ側の双方に取って、多大な損失を被る状況が多発しているというのが現状である。
【0007】
そこで、故障部位を特定したり、故障の発生自体を予測する場合、特定する精度を上げたり、特定するまでの時間的なロスを削減する、様々な異常、故障状態をもれなく把握する、これらの構成を簡単かつ低コストで実現する、といった方法について様々な試みがなされている。
【0008】
例えば、特開平8−184630号公報に開示された「電気回路及び電気部品を備えた装置の故障診断方法」では、装置に流入する電流を電流センサによって検出し、その大きさによって装置の故障判断を行う方法が開示されている。この方法により、個々の測定個所を手作業で計測することなく故障診断を行うことができ、故障修理の効率化が図れるとしている。
【0009】
また、特開2000−74998号公報に開示された「電子装置の診断システム及び診断方法」では、図21に示すように、電子装置の故障箇所を特定し、早期発見することを目的として、各PWBAへ電源を供給する部分の電流値を測定する手段を設け、測定した値を電圧変換した上で増幅し、それらの値を別に用意しているCPUと、各PWBAの状態が正常である場合の電流値を記憶しているメモリとを設けた部分へ導いて比較することにより、各PWBAがそれぞれ故障しているかどうかを診断する。この方法により、故障PWBAを迅速かつ容易に検出することが可能となり、また、各PWBA毎に測定するのであるから検出率が向上し、しかもそれらをリアルタイムで実施することが可能となる、といった利点をもっている。またこのようにして故障部位が特定できていれば、迅速かつ容易に取替えも可能となり、また安全性を向上するための防災処置が適切に可能となる、複数のPWBAの状態診断が一度に可能となる、といった様々な利点を有している。
【0010】
また、特開平7−311233号公報に開示された「電磁波測定記録装置、及び電磁波測定記録装置を用いた電気機器材の動作診断システム」では、図22に示すように、電気機器やケーブルの状態を光電界センサを利用することで、電磁波から状態観測を行う方法を取っている。これは、光電界センサヘッドを、状態を知りたい機器に近づけ、電磁波を測定することにより、測定された電磁波は光ファイバを介して、光検出器、記録手段、信号処理及びインターフェイス手段を備える装置本体へ送られ、あらかじめ、正常状態の電磁波情報を記録しているメモリとアクセスして、その情報と照合することにより、動作異常、劣化状況、故障状況等について診断する方法である。この方法により、ターゲットとする機器の状況を非破壊、非接触で安全に行うことが可能となる。また、応答周波数の異なるセンサヘッドを使用することにより、検出情報の組み合わせから高精度で状態を検出することが可能となるとともに、装置本体を一体化した構成とすることで、モビリティが向上し、かつ制約された場所への適用も簡単になる、といった利点を備えている。
【0011】
また「品質工学」Vol.8 No.3「MTS法を用いた紙幣の識別」に開示された技術では、図23(A)、(B)に示すように、故障部位を特定するために必要な特徴量で実際に多く使用されている多変量データとして、紙幣画像をスキャンした読み取り画像をその画像の特徴の一つである周波数特性から抽出する方法を使用している。MTS法は「マハラノビス・タグチ・メソッド」の略であり、正常状態のデータを母集団として形成させ、そこから診断したい状態の情報を正規化した距離で表現して、その距離から診断したい情報が正常かどうかをある確率で求める方法であり、多変量データから故障情報を導出する数少ない手段として重宝されている。
【0012】
しかしながら、特開平8−184630号公報に開示された「電気回路及び電気部品を備えた装置の故障診断方法」では、シーケンスに従って順次電子部品を動作させるような装置にのみ有効であり、複数の電子回路基板からなり、それぞれが並列に動作する可能性のある装置に対しては、どの基板に故障が発生したか診断できないという問題がある。
【0013】
また、特開2000−74998号公報に開示された「電子装置の診断システム及び診断方法」の場合、PWBAの枚数分だけ、電流値を測定するセンシング部位を設ける必要があり、装置が複雑化すると共にコストが高くなるといった問題がある。さらに、この方法では、故障情報が電流情報に包含して表現されている場合には、故障しているPWBAを特定することが可能であるが、故障情報が電流情報に包含されないような場合や、測定誤差内にある場合には故障を検出すること自体が困難である、という問題がある。
【0014】
また、特開平7−311233号公報に開示された「電磁波測定記録装置、及び電磁波測定記録装置を用いた電気機器材の動作診断システム」についても、システムに光ファイバを用いるためにコストが高くなるという問題がある。
【0015】
また、「品質工学」Vol.8 No.3「MTS法を用いた紙幣の識別」に見られるような多変量データを用いた診断方法では、正常と異常との境界が精度的に確率論的な求め方であるため、取り扱うデータによってその精度が変化するなど、確実に異常状態を検出することはできなかった。
【0016】
本発明は以上のような問題点を解消すべく成されたものであり、複数のプリント基板を備えた各種電子機器において、故障の発生部位、故障状態の特定を低コストなシステムで効率よく判定できるプリント基板故障判定方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解消するために、第1の発明のプリント基板故障判定方法は、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力し、前記信号の各々の入力時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を各々時系列的に測定し、測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された前記信号の入力時におけるプリント基板の正常状態に対応した電源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合し、前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定するものである。
【0018】
第1の発明は、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力することにより、特定のプリント基板で各信号に対応する処理が行なわれる。ここで行なわれる処理に応じて、複数のプリント基板に供給される電源電流の総量の時系列パターンは変化し、各信号毎に固有の電源電流の総量の時系列パターンを有する。そこで、前記信号の各々の入力時における電源電流の総量を各々時系列的に測定する。一方、プリント基板の正常状態に対応した前記信号の入力時における電源電流総量の時系列パターンを信号毎に予め記憶しておく。そして、測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された電源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合し、照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定する。例えば、照合の結果、測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された電源電流総量の時系列パターンとが同一パターンであると判断できる場合には、該信号に対応するプリント基板は正常であると判断することができ、異なるパターンである場合には、該信号に対応するプリント基板に故障が生じていると判定することができる。
【0019】
第1の発明によれば、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力し、正常時の複数のプリント基板に供給される電源電流の総量の時系列パターンと各信号入力時の当該時系列パターンとを照合して所定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定をすることができる。
【0020】
なお、第1の発明は、前記所定のプリント基板の作動に対応する各信号の入力を、各信号を時系列的に連続させて行なうことにより、故障判定処理を迅速に行なうことができる。
【0021】
第2の発明のプリント基板故障判定方法は、制御基板を介して他の複数のプリント基板へ電源電流を供給する電子回路において、前記制御基板を含む複数のプリント基板から順次プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリント基板に前記電源電流を供給し、
前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測定し、
測定された電流の総量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照合し、
前記照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定するものである。
【0022】
第2の発明は、制御基板を介して他の複数のプリント基板へ電源電流を供給する電子回路において、前記制御基板を含む複数のプリント基板から順次プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリント基板に電源電流を供給する。複数のプリント基板へ供給される電源電流の総量は電源電流の供給されるプリント基板に応じて変化する。そこで、前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測定する。一方、プリント基板の正常状態に対応した所定のプリント基板への電源電流供給時における電源電流総量を所定のプリント基板毎に予め記憶しておく。そして、測定された電源電流総量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照合し、照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定する。例えば、照合の結果、測定された電流の総量と予め記憶された電流の総量とが所定の閾値範囲内で同一であると判断できる場合には、所定のプリント基板は正常であると判断することができ、測定された電流の総量と予め記憶された電流の総量とが所定の閾値範囲外で同一でないと判断できる場合には所定のプリント基板に故障が生じていると判定することができる。
【0023】
第2の発明によれば、電源電流の供給を所定のプリント基板に限定すると共に、正常時における複数のプリント基板に供給される電源電流の総量と限定時における当該電源電流の総量とを照合することにより所定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定をすることができる。
【0024】
なお、第2の発明は、前記複数のプリント基板の各々への電源電流供給を制御するスイッチが設置され、各々のスイッチを制御することにより前記所定のプリント基板への電源電流の供給を行なうことができる。
【0025】
第3の発明のプリント基板故障判定方法は、複数のプリント基板への電源電流供給部から電流値及び電位の少なくとも一方に関する物理情報を検出し、前記検出された物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故障データを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断するものである。
【0026】
第3の発明は、複数のプリント基板への電源電流供給部から物理情報を検出し、検出された物理情報が含む多変量データの解析を行なう。ここで、物理情報とは、電流、電位、電力、音などの情報をいい、多変量データとは、これらの物理情報に含まれる周波数特性やパワースペクトルなどの多変量で表されるデータをいう。解析の結果得られたデータは、各々のプリント基板の状態に応じて特有のパターンを示す。そこで、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から、前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故障データを抽出する。ここで、複数のプリント基板の各々の故障状態とは、故障している単一または複数のプリント基板の特定やプリント基板の故障の種別を示す状態をいう。
【0027】
このように、故障データは単一または複数のプリント基板の特定やプリント基板の故障の種別を示す状態と対応しているので、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する。
【0028】
第3の発明によれば、検出された物理情報が含む多変量データを利用して故障状態の判定を行なうので、特定の故障状態に特有の情報を少ない検出データから得ることができ、簡易な構成でより正確にプリント基板の故障判定を行なうことができる。
【0029】
なお、第3の発明は、記憶された故障データが故障の発生している少なくとも1つのプリント基板を示すことにより故障の発生しているプリント基板を特定することができる。
【0030】
また、第3の発明は、前記物理情報を前記復数のプリント基板への最上流の電源供給部分から検出することにより、複数のプリント基板への電源電流及び電位を検出することができる。
【0031】
また、第3の発明は、前記解析でさらに、所定の変量毎に前記多変量データをサンプリングし、デジタル化することもでき、前記デジタル化は、前記物理情報を測定する測定系の有する誤差値より大きい値を閾値として行なうこともできる。
【0032】
また、第3の発明は、前記同一パターンであるとの判断を、前記閾値に設定された誤差範囲内のデータ値を除外して行なうことにより、より正確に判断をすることができる。
【0033】
また、第3の発明は、前記同一パターンであるとの判断を、前記解析の結果得られたデータと前記故障データ測定データとの比較を双方のデータに特徴的な部分を合わせることにより多変量データの誤差を修正した上で行なうことにより正確に判断をすることができる。
【0034】
第4の発明のプリント基板故障判定方法は、複数のプリント基板から2種類以上の物理情報を抽出し、抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する。
【0035】
第4の発明によれば、複数のプリント基板から2種類以上の物理情報を抽出し、抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断するので、より多くの情報に基づきプリント基板の故障状態を判断することにより、正確にプリント基板の故障を判断することができる。
第5の発明のプリント基板故障判定装置は、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力する入力手段と、前記信号の各々の入力時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を各々時系列的に測定する測定手段と、測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された前記信号の入力時におけるプリント基板の正常状態に対応した電源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合する照合手段と、前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定する判定手段と、を備えている。
第6の発明のプリント基板故障判定装置は、制御基板を介して他の複数のプリント基板へ電源電流を供給する電子回路において、前記制御基板を含む複数のプリント基板から順次プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリント基板に前記電源電流を供給する選択供給手段と、前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測定する測定手段と、測定された電流の総量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照合する照合手段と、前記照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定する判定手段と、を備えている。
第7の発明のプリント基板故障判定装置は、複数のプリント基板で構成された電子回路から電流値及び電位の少なくとも一方に関する物理情報を検出する検出部と、前記検出された物理情報が含む多変量データの解析を行なう解析手段と、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故障データを抽出する故障データ抽出手段と、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する判断手段と、を備えている。
第8の発明のプリント基板故障判定装置は、複数のプリント基板への電源電流供給部から2種類以上の物理情報を抽出する物理情報抽出手段と、抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行なう多変量データ解析手段と、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出する同一パターン抽出手段と、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する判断手段と、を備えている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係るプリント基板故障判定方法について説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態で、複数の電子回路基板を備えた装置のプリント基板故障判定方法を実施するための装置構成例を示す概略構成図である。電源12は制御基板14と電源線16で接続されており、制御基板14に電流を供給している。また、電源12からの電流は、制御基板14を介して電源線18によって駆動系制御用基板20へ、電源線22によってセンサ制御用基板24へ各々供給されている。
【0038】
なお、駆動系制御用基板は、モーターなどの駆動系を制御するための回路が配置された基板であり、センサ制御用基板24は、CCDなどのセンサを制御してセンサからの信号を受けるための回路が配置された基板である。
【0039】
また、制御基板14と駆動系制御用基板20、及び、制御基板14とセンサ制御用基板24とはそれぞれ複数の信号線によって接続されている。また制御基板14は電子機器内のバス配線26に接続されている。
【0040】
図2は制御基板14内の概略構成を示すブロック図である。制御基板14上には、システム制御や故障診断等の各種処理を行うCPU30、CPU用のRAM32、CPUでの処理プログラムを格納するROM34、電源12から供給された電流値を測定するための電流測定回路36、後述する入力信号パターンを格納するROM38、電子機器内のバス配線26とのインターフェース用の素子40、コネクタ42、駆動系制御用基板20とのインターフェース用の素子44、コネクタ46、センサ制御用基板24とのインターフェース用の素子48、コネクタ50、及び電源用のコネクタ52が実装されている。
【0041】
電流測定回路36は、A/D変換器54を介してCPU30と接続されており、CPU30、RAM32、ROM34、ROM38、及びインターフェース用の素子40は、バス56により各々接続されている。また、CPU30とインターフェース用の素子44、CPU30とインターフェース用の素子48とは、各々信号線により接続されており、制御基板12と駆動系制御基板20、制御基板12とセンサ制御用基板24とは、コネクタ46、コネクタ50を介して各々配線により接続されている。
【0042】
次に本実施の形態の作用について説明する。
【0043】
本実施の形態に係る故障判定方法を実行する故障判定処理1のフローチャートを図3に示す。故障判定処理1は、定期的に、例えば回路網システムの内蔵された電子機器のメイン電源がオンになった直後などに行なわれる。
【0044】
また、故障判定処理1のシーケンスは、制御基板14のCPU30で実行されている電子機器全体を制御するプログラムから実行されるか、もしくは図示しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラムから実行される。
【0045】
故障判定処理1の実行コマンドが発行されると、図3に示すように、ステップS10で制御基板14上のCPU30に、故障判定プログラムがロードされる。ステップS12で、ROM38から図4に示すような入力信号パターンを読み出し、ステップS14で、読み出した入力信号パターンに基づいた入力信号を、通常動作で出力する信号の代わりに、クロックに同期させて出力する。ここで、入力信号パターンとは、故障している基板を検出するためにCPU30から出力される複数の信号のパターンであり、例えば、制御基板14のみで処理が行なわれるような信号パターン、制御基板14と駆動系制御用基板20とで処理が行なわれるような信号パターン、制御基板14とセンサ制御用基板24とで処理が行なわれるような信号パターン等の、特定の基板で処理がおこなわれるように機能する様々な信号パターンで、各々が予めROM38に格納されている。なお、入力信号パターンに基づく入力信号はCPU30から、一旦制御基板14の入力インターフェース用の素子40へ出力してもよい。
【0046】
ステップS16で、ステップS12の処理と平行して、電流測定回路36で検出されA/D変換器でA/D変換された電流データを、一定のクロックサイクルごとにCPU30に取り込む。ステップS18で、一定のクロックサイクルごとに取り込まれた電流データを一旦RAM32に格納し、ステップS20で、故障判定プログラムに組み込まれており、予めRAM32に格納済みの正常時電流データ群と検出された電流データ群とに基づいて統計処理を行い、評価値を算出する。図5に正常時の電流−時間特性、図6に測定時の電流−時間特性の一例を示している。故障時には図6の点線や破線で示すような電流特性となる。なお、ここでの統計処理の詳細については後述する。
【0047】
ステップS22で、算出された評価値が所定の値を超える場合には、故障と判定し、ステップS24で、図示しないメモリに当該入力信号を識別する情報を記憶する。ステップS26で、すべての入力信号パターンの読出しが行なわれたかどうかを判断し、すべての入力信号パターンの読出しが行なわれている場合には、ステップS28前記メモリにデータが入っているかどうかを確認、すなわち、故障との判断がなされているかどうかを確認する。データがはいっていない場合には、故障していないものとして故障判定処理を終了する。データが入っている場合には、ステップS30で記憶されている入力信号から故障している箇所を判断する。故障箇所の判断は、例えば、制御基板14のみで処理が行われる入力信号パターンを出力して得られた結果が故障であった場合には、制御基板14が故障判断され、制御基板14と駆動系制御用基板20とで処理が行われる入力信号パターンを出力して得られた結果が故障であって、制御基板14は正常と判断された場合には、駆動系制御用基板20の故障、もしくは制御基板14と駆動系制御用基板20との接続不良の判定となる。また、制御基板14とセンサ制御用基板24とで処理が行われる入力信号パターンを出力して得られた結果の場合も同様の故障判定が可能である。
【0048】
そして、ステップS32で使用者に知らせる手段、例えばLED点灯や液晶パネルへの表示といったコマンドを発する。なお、故障が検出されていない状態ですべての入力信号パターンの読出しが行なわれていない場合には、ステップS12に戻って上記のステップを繰返す。
【0049】
上記故障判定処理1の結果、故障がないと診断された場合には、システムは通常の動作へと移行し、CPU30は、通常のプログラムをロードして通常の動作が行なわれる。故障があると診断された場合には、システムは故障への対応待ち状態となる。
【0050】
ここで、ステップS20での統計処理について説明する。統計処理は、例えばマハラノビス空間に基づく手法を用いる。本実施の形態ではマハラノビス空間を時間(T1, T2…,Tn)におけるそれぞれの電流量(I'1, I'2…I'n)で構成する。まず正常時に各々の入力信号パターンに対する電流量のサンプリングが行われる。これを複数回行うことで正常時のマハラノビス空間、すなわち正常時の基準データが作成される。正常時の測定をm回行った場合には、電流量データ群(I'1-1, I'2-1…I'n-1), (I'1-2, I'2-2…I'n-2)… (I'1-m, I'2-m…I'n-m)が得られ、これらのデータは次式で基準化される。
【0051】
【数1】
Figure 0003885537
【0052】
ここでAVEnは各時間(T1, T2…Tn)ごとの各電流量データの平均値である。つまりAVE1はI'1-1, I'1-2… I'1-mの平均値を示している。σnは各時間ごとの各電流量の標準偏差である。このようにして得られる基準化データ(I1-1, I2-1…In-1), (I1-2, I2-2…In-2)… (I1-m, I2-m…In-m)に基づき、次に示すような相関行列Rが求められる。
【0053】
【数2】
Figure 0003885537
【0054】
相関行列の要素ri-jおよびrj-i (ただし、i,j=1〜n)は次式に示すとおり、基準化データ群の各データIi-jおよびIj-iの関数で示される。
【0055】
【数3】
Figure 0003885537
【0056】
相関行列Rからこの行列の逆行列A(マハラノビス空間)が次式のように求められる。
【0057】
【数4】
Figure 0003885537
【0058】
このようなマハラノビス空間に対して、ステップS16で取得した電流データに上記式(1)を用いて基準化を施してIi’,Ij’を求め、次式(5)からマハラノビス距離Dを求める。
【0059】
【数5】
Figure 0003885537
【0060】
なお、式(5)において、ai-jはあらかじめ求めたマハラノビス空間Aの行列要素である。
【0061】
このようにして求められたマハラノビス距離Dは、1に近いほど正常な状態に近く、離れるほど故障している確率が高いことを意味する。そこで、マハラノビス距離Dを評価値として、故障か否かの判断のための閾値を予め設定しておく。例えばDが0.5より小さい場合、またはDが3より大きい場合に故障と判定するように判定基準を設けておき、ステップS22で故障か否かの判断を行なう。なお、以上のような演算処理は制御基板14上のCPU30で行われるが、制御基板14上に演算専用の回路を設けることもできる。
【0062】
本実施の形態によれば、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力し、正常時の複数のプリント基板に供給される電源電流の総量の時系列パターンと各信号入力時の当該時系列パターンとを比較して所定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成で低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定をすることができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、複数の入力信号パターンに基づく入力信号を、個々に出力して対応する電流データを取り込んだが、図7に示すように、入力信号パターンを、制御基板14のみで処理が行われるパターン、制御基板14と駆動系制御用基板20とで処理が行われるパターン、制御基板14とセンサ制御用基板24とで処理が行われるパターンというように時系列に異なるパターンを連続させて形成し、この入力信号パターンに基づいた入力信号を出力して対応する電流データを取り込み、故障判定を行なうこともできる。
【0064】
このような入力信号パターンによれば、各基板の不良、制御基板と駆動系制御用基板との間の接続不良や制御基板とセンサ制御用基板との間の接続不良などの電流変動の特徴が表れやすくなる、というメリットがある。
【0065】
なお、この場合の正常時の電流特性の例を図8に示す。t0〜taが制御基板14のみで処理が行われるパターン、ta〜tbが制御基板14と駆動系制御用基板20とで処理が行われるパターン、tb〜tcが制御基板14とセンサ制御用基板24とで処理が行われるパターンに対応する電流値である。
【0066】
さらに、本実施の形態における正常時の基準データは機器の製造直後に複数回電流測定を行なって取得してもよく、機器設置後の複数回の電源オンオフ動作時に電流測定を行なって取得してもよい。また、基準データを故障判定の測定で正常と判定された場合にその測定データを加えることで更新して次の判定に用いることもできる。
【0067】
[第2の実施の形態]
本実施の形態については、第1の実施の形態と同一部分に付いては同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0068】
図9に本実施の形態に係る複数の電子回路基板を備えた装置の故障判定方法を実施するための装置構成例を示す。駆動系制御用基板20、及びセンサ制御用基板24には、制御基板14からの信号によりオン、オフ制御されるスイッチ21、及びスイッチ25が各々設けられ、これらのスイッチによって各基板への電源供給が制御できるようになっている。これらのスイッチは、例えばFET(Field Effect Transistor)を用いて構成することができる。制御線19は、スイッチ21と制御基板14とを接続し、制御線23は、スイッチ25と制御基板14とを接続しており、各々制御信号の送受信を可能としている。なお、制御基板14と駆動系制御用基板20、制御基板14とセンサ制御用基板24はそれぞれ図示しない複数の信号線によって接続されている。上記以外の装置構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0069】
図10は制御基板14内の概略構成を示すブロック図である。コネクタ46にはスイッチ21と制御基板14とを接続する制御線19が接続され、コネクタ50にはスイッチ25と制御基板14とを接続する制御線23が接続されている。本実施の形態の制御基板14には、ROM38は配置されていない。その他の部分に付いては第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0070】
次に本実施の形態の作用について説明する。
【0071】
本実施の形態に係る故障判定方法を実行する故障判定処理2を図11に示す。故障判定処理2は、装置全体が待機状態である時、定期的に行われ、例えば複数の電子回路基板を備えた装置のメイン電源がオンになって立ち上げ時のシーケンスが終了した直後などに実行される。
【0072】
また、故障判定処理2のシーケンスは、制御基板14のCPU30で実行されている電子機器全体を制御するプログラムから実行されるか、もしくは図示しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラムから実行される。
【0073】
故障判定に用いる待機状態の検出電流値は、決められた回数分取り込んだデータの平均値を用いる。
【0074】
故障判定処理2のコマンドが発行されると、図11に示すように、ステップS40で、制御基板14上のCPU30に故障判定2プログラムがロードされる。ステップS42で、制御基板14上のCPU30から、表1に示す順序で、各基板に備わっているスイッチに対する制御信号(以下「SW制御信号」という)を出力して各基板への電源供給を制御する。
【0075】
【表1】
Figure 0003885537
【0076】
ステップS44で、スイッチの制御を切り替える度に電源電流値を取り込み、ステップS46でこの電源電流値を電流データとしてRAM32に格納する。
ステップS48で、SW制御信号の各スイッチングパターンに対応させて予めプログラムに記憶されている、既にRAM32に格納された正常状態での基準電流値と取り込んだ電流データとを比較して、各スイッチングパターンに対応する電流データが正常か異常かを判断する。ここでの判断は、例えば、正常状態での電流値と取り込んだ電流データとの差が、±0.1mA以内であれば正常判断、この値を超えれば異常判断というように、一定の閾値を設けて行なうことができる。
ステップS50で、各スイッチングパターン毎に上記判断が正常か異常かを記憶し、ステップS52で、異常データが記憶されているか否かを判断する。異常データが記憶されていない場合には、故障していないものとして本処理を終了する。異常データが記憶されている場合には、ステップS54で、記憶された正常か異常かのデータに基づいて、故障基板を特定する。ここでの故障基板の特定は、例えば、記憶された正常か異常かのデータを、各スイッチングパターンにおける判定結果と故障発生基板との関係を対応付けた表2に示すような判定テーブルにあてはめて行なうことができる。
【0077】
【表2】
Figure 0003885537
【0078】
判定テーブルにより、スイッチングパターン1のとき異常で、スイッチングパターン2(及びスイッチングパターン3)のときに正常だった場合は、駆動系制御基板20に故障が発生していると判断し、スイッチングパターン1(及びスイッチングパターン3)のとき正常で、スイッチングパターン2のときに異常だった場合は、センサ系制御基板24に故障が発生していると判断し、スイッチングパターン1及びスイッチングパターン2のとき異常で、スイッチングパターン3のときに正常だった場合は、駆動系制御基板20及びセンサ系制御基板24の双方に故障が発生していると判断することができる。また、スイッチングパターン1〜3のすべてが異常であった場合には、スイッチングパターン3の結果から制御基板14には故障が発生していると判断できるが、さらにそれ以外の基板にも故障が発生している可能性が残る。そこで、この場合には、以下のようにして故障基板を特定する。
【0079】
まずスイッチングパターン3での電流データと正常状態の電流値との差分ΔI3を計算し、次にスイッチングパターン1、2それぞれの電流データと電流値との差分ΔI1、ΔI2を計算する。そしてΔI1とΔI3、及びΔI2とΔI3をそれぞれ比較し、その差が所定の値の範囲内に収まっていれば、すなわち、略ΔI1=ΔI3、かつΔI2=ΔI3であれば、制御基板14以外の基板は正常であると判断することができる。ΔI1がΔI3を比較した差分が所定の値を超えていれば(ΔI1≠ΔI3)駆動系制御用基板20にも故障が発生していると判断することができ、ΔI2とΔI3を比較した差分が所定の値を超えていれば(ΔI1≠ΔI2)センサ駆動系制御用基板24にも故障が発生していると判断することができる。
【0080】
このようにして故障部分を特定した後、ステップS56で、CPU30は使用者に知らせる手段、例えばLED点灯や液晶パネルへの表示といったコマンドを発し、本処理を終了する。
【0081】
上記故障判定処理2の結果、故障がないと診断された場合には、システムは通常の動作へと移行し、CPU30は、通常のプログラムをロードして通常の動作が行なわれる。故障があると診断された場合には、システムは故障への対応待ち状態となる。
【0082】
なお、本実施の形態では、待機状態での電流値を用いた診断方法について述べたが、第1の実施の形態で述べたように、一定のクロックサイクル毎に電流データを取り込み、時系列パターンを利用して電流値の動的特性を正常状態と比較することにより、故障基板を特定する手法を用いることもできる。この手法によれば、静的な状態では検出できない変化も検出でき、故障発見の精度向上を図ることができる。また、第1の実施の形態で紹介したマハラノビス空間に基づく統計処理手法は静的状態での故障判定に適用することもでき、これによりさらなる診断精度向上を図ることができる。
【0083】
[第3の実施の形態]
図12は本実施の形態で、複数のプリント基板を備えた装置の故障判定方法を実施するための装置構成例を示す概略構成図である。電源からの電流を供給する電源ライン60の上流部には、プリント基板62Aが接続されており、プリント基板62Aを介してプリント基板62B及びプリント基板62Dに電源が供給されている。また、プリント基板62Cにはプリント基板62Bを介して、プリント基板62Eにはプリント基板62Dを介して、各々電源が供給されている。また、プリント基板62Aとプリント基板62Bとは信号ライン64で接続されており、プリント基板62Bとプリント基板62C、プリント基板62B、及びプリント基板62Eとが信号ライン64で接続されている。
【0084】
電源ライン60のプリント基板62が接続されたさらに上流側には、電流値や電位などの物理情報を抽出可能な物理情報抽出部66が接続されている。物理情報抽出部66は、比較部68と接続されており、比較部68は、予め各プリント基板が故障した場合の固有の状態情報を格納している格納部70、及び故障特定部72と接続されている。
【0085】
ここで、格納部70に予め格納されている各プリント基板が故障した固有の状態情報(以下「状態情報」という)について説明する。
【0086】
図13(A)は、多変量データとしてのData0、Data1、及びData2を示すグラフである。Data0、Data1、及びData2は、非時系列(時間軸を伴わない)で表示された多変量データであり、各多変量データごとに固有の状態情報(正常状態、プリント基板62Aの故障状態など)に対応している。この多変量データを解析するにあたり、縦軸に示される物理量に閾値を設定してData0、Data1、及びData2をデジタル化する。このとき、図14に示すように、当該多変量データが含む測定系及び再現性の誤差が生じている。そこで、この誤差を含んで閾値範囲を設定する。例えば、図13(A)に示す多変量データに−21.5を閾値として設定し、誤差を±0.1とすると、−21.6〜−21.4が閾値範囲となる。そして、この閾値範囲を用いて、Data0、Data1、及びData2の各々をデジタル化する。デジタル化は、閾値範囲より上であれば「1」、閾値範囲より下であれば「0」の情報を付与して行なう。Data0、Data1、及びData2の各々をデジタル化したものを、図13(B)に示す。
【0087】
このようにして収集した各多変量データをデジタル化したものが、前記状態情報となり、図15に示すように、多変量データの種類毎に格納部70に格納される。
【0088】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態に係る故障判定方法を実行する故障判定処理3のフローチャートを図16に示す。故障判定処理3は、例えば、電子回路システムに異常が発生した場合に行なわれる。
【0089】
故障判定処理3の実行コマンドが発行されると、図13に示すように、ステップS60で、多変量データの基礎となる物理情報の種類を選択し、ステップS62で、選択した物理情報を物理情報抽出部66により抽出する。ここで、多変量データとして取り扱う物理情報としては、電流、電位などが考えられる。また、多変量データの種類として電源電流の周波数特性、パワースペクトルなどが考えられる。ステップS64で当該物理情報が示す値とモニター時に含まれる誤差値に応じて閾値を設定する。ステップS66で、設定した閾値に基づいて測定した物理情報のデジタル化を行ない状態情報を作成する。
【0090】
ステップS68で対応する多変量データの中の正常状態を示す状態情報を読出し、ステップS70で測定して得た状態情報と正常状態を示す状態情報とを比較して両者に差があるか否かを判断する。測定して得た状態情報と正常状態を示す状態情報とを比較した結果、両者に差がある場合には、ステップS72で異常状態を示す複数の状態情報の中から測定して得た状態情報と一致するビットパターンのデータを検索する。ステップS74で一致するデータがあるか否かを判断し、一致するデータがある場合には、抽出された状態情報に対応した異常状態であると故障状態を判断することができるので、ステップS76で当該故障情報を故障特定部72に記憶し、本処理を終了する。例えば、抽出された状態情報がプリント基板62Aのみが異常状態の場合の状態情報であるとすると、プリント基板62Aに故障が発生していると判断することができる。
【0091】
一方、ステップS70で測定して得た状態情報と正常状態を示す状態情報とを比較して両者に差がない場合、及び、ステップS74で一致するデータがない場合には、ステップS78ですべての多変量データの基礎となる物理情報の種類が選択されたか否かを判断し、判断が否定されればステップS80で次に選択する物理情報を設定した後、ステップS60へ戻り上記の手順を繰返して、一致する異常状態情報の検索を行なう。ステップS78ですべての多変量データの基礎となる物理情報の種類が選択されたと判断された場合には、故障の特定を行なうことなく本処理を終了する。
【0092】
本実施の形態によれば、物理情報抽出部66で抽出された物理情報を多変量データとして取り扱い、当該多変量データのパターンに閾値を設定してデジタルデータ化し、予め格納してある特定の故障状態に対応するデータパターンの中からこのデータと同一パターンの状態情報を抽出して故障の特定を行なうので、簡易な構成でより高精度に故障の特定を行なうことが可能となる。また、閾値、ビット化レベル、等、は解析側が任意に設定することが可能であり、自由度の高い解析を行うことが可能となる。
【0093】
次に、本実施の形態を具体化した実施例について説明する。
【0094】
図17は本実施例で、複数のプリント基板を備えた装置においてプリント基板故障判定方法を実施するための装置構成例を示す概略構成図である。電源からの電流を供給する電源ライン80の上流部には、プリント基板82Aが接続されており、プリント基板82Aを介してプリント基板82B及びプリント基板82Dに電源が供給されている。また、プリント基板82Aとプリント基板82Bとは信号ライン84で接続されており、プリント基板82Bとプリント基板82C、プリント基板82B、及びプリント基板82Eとが信号ライン84で接続されている。
【0095】
電源ライン80のプリント基板82が接続されたさらに上流側には、電流値や電位などの物理情報を抽出可能な電流センシング部86が接続されている。電流センシング部86は、電流センシング部86での電流センシング結果を多変量データの一つである周波数特性へ変換する周波数変換部88と接続されており、周波数変換部88は、比較部90と接続されている。比較部90は、予め各プリント基板が故障した場合の固有の周波数状態情報を格納している電流情報格納部92、及び故障特定部94と接続されている。
【0096】
電流情報格納部92には、図18に示すように、各種の状態情報が各多変量データ種別に格納されている。ここで、状態情報とは、各プリント基板の故障に対応した特有の電流状態を示すデータを、デジタル化したデータである。
【0097】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0098】
図17に示す電子回路システムに異常が発生すると、図20に示す故障判定処理4が開始される。
【0099】
ステップS100で電流センシング部86によってセンシングされた結果を周波数変換部88に送信し、ステップS102でセンシング結果の解析、ここでは周波数解析を行なう。これにより、例えば、図19に示す、状態A、状態Bのような周波数特性のデータが得られる。ステップS104で、閾値を−3dB、誤差を±0.05dBに設定し、ステップS106で前記閾値範囲に基づいて、周波数特性のデータのデジタル化を行う。
【0100】
ステップS108で、電流情報格納部92に格納されている通常状態の周波数状態情報を読出し、ステップS110で、通常状態の周波数状態情報とセンシングで得られた結果の周波数状態情報とを比較して差があるかどうかを判断する。例えば、図18に示す周波数特性データ群中の通常状態の周波数状態情報と、センシングで得られた状態Aの周波数状態情報とを比較すると、通常状態が“111X0X1X 001X0X00”、それに対して状態Aが“X0X110XX 0000000X”となり、ビットパターンから明らかに異なった状態を示していることがわかる。
【0101】
ここでXとしたビットは閾値近傍のデータが先に示した誤差ばらつき内のデータである場合に、‘0’、‘1’どちらの値も取りうるものとして表示したものであり、各ビットパターンの比較はXとなるビットを除いて行われる。
【0102】
通常状態と差があるか否かを判断し、通常状態との差がある場合には、ステップ112で、異常状態を示す複数の周波数状態情報の中から測定して得た周波数状態情報と一致するビットパターンのデータを検索する。ステップS114で一致するデータがあるか否かを判断し、一致するデータがある場合には、抽出された状態情報に対応した異常状態であると故障状態を判断することができるので、ステップS116で当該故障情報を故障特定部72に記憶し、本処理を終了する。
【0103】
例えば、状態Aのビットパターンと周波数特性情報を格納している部分の状態A3とが一致している。状態A3データは基板Aが故障した場合の故障情報ビットパターンの一種類であることから、ステップS116では基板Aが故障しているとの情報を記録する。
【0104】
一方、ステップS110でセンシングして得た周波数状態情報と正常状態を示す周波数状態情報とを比較して両者に差がない場合、及び、ステップS114で一致するデータがない場合には、ステップS118ですべての多変量データ種類の解析がなされたか否かを判断し、判断が否定されればステップS120で次にに解析する物理情報、例えばパワースペクトル情報を設定した後、ステップS100へ戻り上記の手順を繰返して、一致する異常状態情報の検索を行なう。ステップS118ですべての多変量データ種類の解析がなされたと判断された場合には、故障の特定を行なうことなく本処理を終了する。
【0105】
本実施例によれば、複数のプリント基板から構成される電子回路システムにおいて、電流情報を多変量データとして取り扱い、当該多変量データのパターンに閾値を設定してデジタルデータ化し、予め格納してある特定の故障状態に対応するデータパターンの中からこのデータと同一パターンの状態情報を抽出して故障の特定を行なうので、簡易な構成でより高精度に故障の特定を行なうことが可能となる。
【0106】
なお、本実の形態では、物理情報として電源電流を使用し、多変量データとして周波数特性を使用したが、物理情報及び多変量データとして他の情報も使用できる。例えば、物理情報としては電位、電力、音、熱、等様々な物理情報種類が考えられ、また、多変量データとしてもパワースペクトル等多くの形態が考えられる。この場合には、各物理情報の検出は、物理情報の種類に対応したセンシング機構をプリント基板近傍に設けることにより行なう。
【0107】
また、本実施の形態では、一つの閾値から2ビット化を行ったが、閾値からの差の重要度が増す場合には、これを多値化した比較を行うことにより、更に高精度に判断できるのはいうまでもない。また、ビットパターンは2進数表示を行ったがこれは状況に応じて様々な進数で表示されることもいうまでもない。また、多変量データの比較には、本実施の形態では、抽出した一部として最低周波数部分を使用したが、これは誤差範囲や記憶容量等の状況に応じて異なってくることはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれば、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力し、正常時の複数のプリント基板に供給される電源電流の総量の時系列パターンと各信号入力時の当該時系列パターンとを比較して所定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定をすることができる。
【0109】
また、第2の発明によれば、電源電流の供給を所定のプリント基板に限定すると共に、正常時における複数のプリント基板に供給される電源電流の総量と限定時における当該電源電流の総量とを比較することにより所定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定をすることができる。
【0110】
また、第3の発明によれば、検出された物理情報が含む多変量データを利用して故障状態の判定を行なうので、特定の故障状態に特有の情報を少ない検出データから得ることができ、簡易な構成でより正確にプリント基板の故障判定を行なうことができる。
【0111】
また、第4の発明によれば、複数のプリント基板から2種類以上の物理情報を抽出し、抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断するので、より多くの情報に基づきプリント基板の故障状態を判断することにより、正確にプリント基板の故障を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の装置構成の概略図である。
【図2】 第1の実施の形態の制御基板14内の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 第1の実施の形態の故障判定処理1のフローチャート図である。
【図4】 第1の実施の形態の入力信号パターンの例である。
【図5】 第1の実施の形態のプリント基板正常時における電流−時間特性の例である。
【図6】 第1の実施の形態の測定時における電流−時間特性の例である。
【図7】 第1の実施の形態の入力信号パターンの他の例である。
【図8】 第1の実施の形態の他の例のプリント基板正常時における電流−時間特性の例である。
【図9】 第2の実施の形態の装置構成の概略図である。
本発明の実施例2に係わる制御基板を詳細に説明するブロック図である。
【図10】 第2の実施の形態の制御基板14内の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 第2の実施の形態の故障判定処理2のフローチャート図である。
【図12】 第3の実施の形態の装置構成の概略図である。
【図13】 (A)は多変量データの例を示すグラフであり、(B)は多変量データを2値化したデータの例を示す。
【図14】 多変量データの誤差を示す図である。
【図15】 2値化された多変量データが格納された格納部を示す図である。
【図16】 第3の実施の形態の故障判定処理3のフローチャート図である。
【図17】 第3の実施の形態の実施例での装置構成の概略図である。
【図18】 2値化された多変量データが格納された格納部を示す図である。
【図19】 測定よって得られた多変量データの例を示すグラフであり
【図20】 第3の実施の形態の実施例での故障判定処理4のフローチャート図である。
【図21】 従来例の概略構成を示す図である。
【図22】 従来例の他の例概略構成を示す図である。
【図23】 従来例の他の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
12 電源
14 制御基板
20 駆動系制御用基板
24 センサ制御用基板
30 CPU
32 RAM
34、38 ROM
36 電流測定回路
62 プリント基板
66 物理情報抽出部
68 比較部
70 格納部
72 故障特定部
80 電源ライン
82 プリント基板
86 電流センシング部
88 周波数変換部
90 比較部
92 電流情報格納部
94 故障特定部

Claims (16)

  1. 複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力し、
    前記信号の各々の入力時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を各々時系列的に測定し、
    測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された前記信号の入力時におけるプリント基板の正常状態に対応した電源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合し、
    前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定するプリント基板故障判定方法。
  2. 前記所定のプリント基板の作動に対応する各信号の入力は、各信号を時系列的に連続させて行なうことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板故障判定方法。
  3. 制御基板を介して他の複数のプリント基板へ電源電流を供給する電子回路において、前記制御基板を含む複数のプリント基板から順次プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリント基板に前記電源電流を供給し、
    前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測定し、
    測定された電流の総量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照合し、
    前記照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定するプリント基板故障判定方法。
  4. 前記複数のプリント基板の各々への電源電流供給を制御するスイッチが設置され、各々のスイッチを制御することにより前記所定のプリント基板への電源電流の供給を行なうことを特徴とする請求項3に記載のプリント基板故障判定方法。
  5. 複数のプリント基板で構成された電子回路から電流値及び電位の少なくとも一方に関する物理情報を検出し、
    前記検出された物理情報が含む多変量データの解析を行ない、
    前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故障データを抽出し、
    前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する、プリント基板故障判定方法。
  6. 前記記憶された故障データは、故障の発生している少なくとも1つのプリント基板を示すことを特徴とする請求項5に記載のプリント基板故障判定方法
  7. 前記物理情報は、前記復数のプリント基板への最上流の電源供給部分から検出することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプリント基板故障判定方法。
  8. 前記解析はさらに、所定の変量毎に前記多変量データをサンプリングし、デジタル化することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のプリント基板故障判定方法。
  9. 前記デジタル化は、前記物理情報を測定する測定系の有する誤差値より大きい値を閾値として行なうことを特徴とする請求項8に記載のプリント基板故障判定方法。
  10. 前記同一パターンであるとの判断は、前記閾値に設定された誤差範囲内のデータ値を除外して行なうことを特徴とする請求項9に記載のプリント基板故障判定方法。
  11. 前記同一パターンであるとの判断は、前記解析の結果得られたデータと前記故障データ測定データとの比較を双方のデータに特徴的な部分を合わせることにより多変量データの誤差を修正した上で行なうことを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載のプリント基板故障判定方法
  12. 複数のプリント基板への電源電流供給部から2種類以上の物理情報を抽出し、
    抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行ない、
    前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、
    前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する、プリント基板故障判定方法。
  13. 複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力する入力手段と、
    前記信号の各々の入力時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を各々時系列的に測定する測定手段と、
    測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された前記信号の入力時におけるプリント基板の正常状態に対応した電源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合する照合手段と、
    前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定する判定手段と、
    を備えたプリント基板故障判定装置。
  14. 制御基板を介して他の複数のプリント基板へ電源電流を供給する電子回路において、前記制御基板を含む複数のプリント基板から順次プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリント基板に前記電源電流を供給する選択供給手段と、
    前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測定する測定手段と、
    測定された電流の総量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照合する照合手段と、
    前記照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定する判定手段と、
    を備えたプリント基板故障判定装置。
  15. 複数のプリント基板で構成された電子回路から電流値及び電位の少なくとも一方に関する物理情報を検出する検出部と、
    前記検出された物理情報が含む多変量データの解析を行なう解析手段と、
    前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故障データを抽出する故障データ抽出手段と、
    前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する判断手段と、
    を備えたプリント基板故障判定装置。
  16. 複数のプリント基板への電源電流供給部から2種類以上の物理情報を抽出する物理情報抽出手段と、
    抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を行なう多変量データ解析手段と、
    前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障データを抽出する同一パターン抽出手段と、
    前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応した状態であると判断する判断手段と、
    を備えたプリント基板故障判定装置。
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