JP3885424B2 - 電子写真用ブレード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる、層形成ブレード等の電子写真用ブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真複写機による複写はつぎのようにして行われる。すなわち、回転する感光ドラムに原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を複写紙に転写することにより複写を行うものである。この場合、上記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるということが行われている。そして、感光ドラム上の静電潜像を現像し、可視像を形成する現像方法としては、その使用する現像剤の種類に応じて、従来より各種の方法が提案されている。その一例として、トナーのみを現像剤として用いる一成分現像方式が知られている。
【0003】
上記一成分現像方式に用いられる現像装置としては、例えば、図1に示すような現像装置1が提案されている。この現像装置1では、一成分現像剤(トナー)2が、感光ドラム4側に開口したトナーボックス5の内部に収容されており、上記一成分現像剤(トナー)2を担持する現像ロール3が、感光ドラム4と所定間隔で対設している。上記現像ロール3は、ポリウレタンフォーム,スポンジ等の発泡体からなるトナー供給ロール6に当接しており、このトナー供給ロール6の矢印方向への回転により、現像ロール3にトナー2が供給されるようになっている。一方、上記トナーボックス5の開口部5aの上端には、層形成部材9がねじ10止めされている。この層形成部材9は、平板状の層形成ブレード7と、金属製平板状の支持ホルダー8とからなり、この支持ホルダー8の一端部がトナーボックス5の開口部5aの上端にねじ10止めされている。上記支持ホルダー8の他端部の一側面(現像ロール3に対向する面)には、層形成ブレード7が接着されており、この層形成ブレード7は、現像ロール3の外周面に圧接されている。
【0004】
このような現像装置1において、つぎのようにして感光ドラム4の外周面にトナー像が形成される。すなわち、まず現像ロール3と感光ドラム4とが図示のとおり回転するとともに、層形成ブレード7と現像ロール3の外周面の摩擦によりトナー2が摩擦帯電し、かつ現像ロール3の外周面に均一なトナー層が形成される。そして、このトナー層のトナー2が、感光ドラム4の外周面に形成された静電潜像(上記トナー2とは逆の極性に帯電されている)の電気的吸引力によって飛翔し、静電潜像がトナー像として顕在化する。このようにして、感光ドラム4の外周面にトナー像が形成される。
【0005】
このため、上記層形成ブレード7には、現像ロール3の外周面に接触してトナー2を摩擦帯電させ、かつ現像ロール3の外周面上のトナー層を制御する機能が要求されている。上記層形成ブレード7の形成材料としては、トナーの摩擦帯電特性に優れ、トナー付着が小さく、トナー離型性に優れたシリコーンゴムが用いられている。また、シリコーンゴム以外の材料としては、耐摩耗性に優れたウレタンエラストマーが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記シリコーンゴムは、その特異的な分子構造に起因して分子間力が弱いため、シリコーンゴムを用いた層形成ブレード7は、強度が弱く、耐摩耗性に劣るという難点がある。加えて、現像ロール3の回転トルクを小さくしたり、トナー付着を抑制するという観点から、上記層形成ブレード7として、低硬度のシリコーンゴムを用い、これにより、現像ロール3との接触面積(ニップ幅)を確保しつつ、現像ロール3との接触抵抗を低減するようにしている。このように、シリコーンゴムの低硬度化のためには、シリコーンゴム中への補強剤(シリカ等)の添加量を少なくしたり、架橋密度を低く抑えたりする必要があり、このことが層形成ブレード7の強度の低下につながり、耐摩耗性がより一層悪くなっている。このように、耐摩耗性に劣る層形成ブレード7を用いた場合は、ニップ部の削れが大きいため、耐久により画像濃度が低下する。また、シリコーンゴムは、滲み出し成分となる低分子量成分を多く含有するため、このシリコーンゴムを用いた層形成ブレード7を現像装置1に組み込んで放置すると、シリコーンゴムから低分子量成分が滲み出し、画像に横すじとなって現れる等の難点もある。
【0007】
一方、上記ウレタンエラストマーは、シリコーンゴムに比べて架橋時間を長く必要とするため成形性に劣るとともに、離型性に劣るためトナーフィルミング(トナーの固着)が生じやすい等の難点がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐摩耗性に優れ、横すじの発生を防止できるとともに、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防止することができる電子写真用ブレードの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電子写真用ブレードは、下記の(A)〜(C)成分を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなるという構成をとる。
(A)主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方の末端にアルケニル基を有する液状ゴム。
(B)下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物および下記の一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つのヒドロシリル硬化剤。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
すなわち、本発明者らは、所望の電子写真用ブレードを得るべく鋭意研究を重ねた。そして、シリコーンゴムに代えて上記特定の液状ゴム(A成分)を用いると、分子間力が増大して強度が上がるため、耐摩耗性に優れるとともに、シリコーンゴムのような低分子量成分を含有しないため、滲み出しによる横すじの発生を防止することができることを突き止めた。その結果、上記特定の液状ゴム(A成分)と、特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなる電子写真用ブレードは、耐摩耗性に優れ、横すじの発生を防止できるともに、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防止することができることを見出し、本発明に到達した。
【0014】
なお、本発明において、電子写真用ブレードとは、層形成ブレード、帯電ブレードおよび除電ブレードを意味する。
【0015】
そして、上記特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)として、前記一般式(1)〜(3)で表される特定の構造のものを用いると、液状ゴム(A成分)への相溶性が良好となり、容易に硬化剤を均一に混合できるようになる。また、長期保管安定性の点でも、硬化剤が液状ゴム(A成分)から分離することがなく、均一性が確保でき有利となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明の電子写真用ブレードは、特定の液状ゴム(A成分)と、特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなるものである。
【0018】
上記特定の液状ゴム(A成分)は、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方の末端にアルケニル基を有するものである。
【0019】
上記特定の液状ゴム(A成分)のうち、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位である場合の主鎖(オキシアルキレン系重合体)は、例えば、つぎの方法により製造することができる。すなわち、出発物質として活性水素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用い、エチレンオキサイド,プロピレンオキサイド,ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを重合させることにより製造することができる。
【0020】
なお、上記主鎖となるオキシアルキレン系重合体へのアルケニル基の導入方法としては、重合後にアルケニル基を導入する方法と、重合中にアルケニル基を導入する方法に大別されるが、重合後にアルケニル基を導入する方法が好ましい。なお、アルケニル基とは、 二重結合をもつ脂肪族炭化水素から水素1原子を除いた一価基をいう。
【0021】
上記重合後にアルケニル基を導入する方法としては、例えば、オキシアルキレン系重合体の末端の水酸基を−ONaや−OK等の基にした後、下記の一般式(A)で表される有機ハロゲン化合物を反応させる方法があげられる。これにより、末端にアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体を製造することができる。
【0022】
【化7】
【0023】
上記一般式(A)において、Yで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。また、上記R 3 で表される炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が好ましく、これらのなかでも、−CH 2 −または下記の一般式(B)で表される基が特に好ましい。
【0024】
【化8】
【0025】
上記特定の液状ゴム(A成分)の数平均分子量(Mn)は、ヒドロシリル硬化剤(B成分)との反応性を考慮して、500〜50,000の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは1,000〜20,000である。
【0026】
上記特定の液状ゴム(A成分)の粘度は、100〜300万(cSt/25℃)の範囲が好ましく、特に好ましくは1,000〜50万(cSt/25℃)である。
【0027】
上記特定の液状ゴム(A成分)とともに用いられる特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)としては、分子中にヒドロシリル基を少なくとも2つ以上有するものであって、液状ゴム(A成分)への相溶性が良好となり、均一混合性、長期保管安定性の点で、下記の一般式(1)〜(3)で表されるヒドロシリル化合物が好適に用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、各繰り返し単位m,n,p,q部分は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。なお、ヒドロシリル基とは、珪素原子の4つの結合手のうち少なくとも1つに水素原子が結合したものをいう。
【0028】
また、上記ヒドロシリル硬化剤(B成分)の重合度は、特に限定されないが、通常、25℃における粘度が23〜10,000センチストークスの範囲内のものが好ましい。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
そして、上記一般式(1)〜(3)で表されるヒドロシリル化合物は、例えば、下記の(i) 〜(iv)に示す方法によって製造することができ、比較的簡便に実施できる点で、(iii) に示す方法が特に好適である。
【0033】
(i) 分子構造中にクロロシリル基(SiCl)を有する炭化水素系化合物を、還元剤(LiAlH4 ,NaBH4 等)を用いて処理することにより、クロロシリル基をヒドロシリル基に還元して製造する方法。
【0034】
(ii)官能基を有する炭化水素系化合物と、上記官能基と反応し得る官能基およびヒドロシリル基の双方を有する化合物とを反応させることにより製造する方法。
【0035】
(iii) アルケニル基を有する炭化水素系化合物と、ポリヒドロシラン化合物とを、得られる反応物の分子構造中にヒドロシリル基が残存するように反応させることにより製造する方法。
【0036】
(iv)ヒドロシリル基を有する環状シロキサンと、炭化水素基を有する環状シロキサンを反応させることにより製造する方法。
【0037】
このようにして得られるヒドロシリル化合物のなかでも、下記の構造式(4)〜(8)で表わされるものが特に好ましい。なお、各繰り返し単位は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
そして、上記構造式(4)で表されるヒドロシリル化合物は、例えば、下記に示す反応によって製造することができる。
【0044】
【化17】
【0045】
上記ヒドロシリル硬化剤(B成分)の配合割合は、上記液状ゴム(A成分)100部に対して、1〜30部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜10部である。すなわち、1部未満であると、液状ゴム(A成分)の架橋が不充分となり強度が弱く、耐摩耗性に劣る傾向がみられ、逆に30部を超えると、液状ゴム(A成分)の架橋が進みすぎ、硬くて脆くなるからである。
【0046】
上記特定の液状ゴム(A成分)およびヒドロシリル硬化剤(B成分)とともに用いられるヒドロシリル化触媒(C成分)としては、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケトン等との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アルミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの等があげられる。また、白金化合物以外の触媒としては、パラジウム化合物、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0047】
上記ヒドロシリル化触媒(C成分)の配合割合は、液状ゴム(A成分)やヒドロシリル硬化剤(B成分)の種類等によって適宜設定されるが、上記液状ゴム(A成分)100部に対して、0.0001〜0.03部の範囲に設定することが好ましい。
【0048】
なお、上記液状ゴム組成物には、上記A〜C成分に加えて、シリカ,石英,炭酸カルシウム,タルク,マイカ等の充填剤や、可塑剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、老化防止剤等を適宜配合してもよい。
【0049】
上記液状ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、まず、液状ゴム(A成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)を所定の割合で配合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル硬化剤(B成分)を含む液状硬化剤を調製する。なお、必要に応じて、他の成分を、上記液状主剤中および液状硬化剤中に添加してもよい。そして、使用に際し、液状主剤と液状硬化剤とを混合することにより調製することができる。このように上記液状ゴム組成物は、貯蔵安定性の観点から、液状主剤と液状硬化剤を別々に保存し、使用の際に両液を混合して調製することが好ましい。
【0050】
本発明の電子写真用ブレードは、前述のように、層形成ブレード、帯電ブレードおよび除電ブレードとして用いられる。上記層形成ブレードは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記と同様にして、液状主剤および液状硬化剤を調製する。一方、所定の層形成ブレード用成形型を準備する。ついで、上記液状主剤と液状架橋剤を混合して液状ゴム組成物を調製し、これを上記成形型内に充填し、所定の条件(150〜200℃×5秒〜3分)で加熱して架橋硬化させる。その後、この硬化体を成形型から取り出すことにより、目的とする層形成ブレードを作製することができる。
【0051】
このようにして得られる層形成ブレードは、前述のように、支持ホルダーの一端側に接着され、層形成部材の態様で、電子写真複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置に組み込んで用いられ、例えば、前記図1に示したような、一成分現像方式の現像装置1に用いられる。
【0052】
なお、上記層形成ブレードの寸法は、特に限定されるものではないが、通常の現像装置に用いる場合、厚みが0.1〜10mm程度で、幅が1〜20mm程度のものが好ましい。
【0053】
なお、除電ブレードおよび帯電ブレードも、上記層形成ブレードと同様の方法で作製することができる。上記除電ブレードは、例えば、上記液状ゴム組成物をを所定の除電ブレード用成形型内に充填し、所定の条件で加熱して架橋硬化させた後、この硬化体を成形型から取り出すことにより作製することができる。また、上記帯電ブレードは、例えば、上記液状ゴム組成物を所定の帯電ブレード用成形型内に充填し、所定の条件で加熱して架橋硬化させた後、この硬化体を成形型から取り出すことにより作製することができる。
【0054】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0055】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0056】
〔A成分:液状ゴム(1) 〕
両末端にアルケニル基を有するポリプロピレングリコール化合物(鐘淵化学工業社製、サイリルACX009A)
【0057】
〔B成分:ヒドロシリル硬化剤(a) 〕
前記構造式(4)で表されるヒドロシリル硬化剤
【0058】
〔C成分:ヒドロシリル化触媒〕
白金カルボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.0)
【0059】
〔層形成ブレードの作製〕
【実施例1】
液状ゴム(1) 100部と、ヒドロシリル化触媒0.003部とを混合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシリル硬化剤(a) 5部からなる液状架橋剤を調製した。一方、断面L字状に形成された金属製平板からなる支持ホルダーを準備し、この支持ホルダーの片面に、プライマーX(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)とプライマーY(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)の等重量混合液を塗工した後、この支持ホルダーを、予備加熱された層形成ブレード用成形型内にセットした。ついで、上記液状主剤と液状架橋剤を混合して液状ゴム組成物Aを調製し、これを上記成形型内に170℃×1分の条件で射出成形し、上記支持ホルダーの片面に液状ゴム組成物硬化体からなるブレードを固着させ、支持ホルダー付き層形成ブレードを作製した。
【0060】
【比較例1】
液状シリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1950−40、JIS A硬度:40度)からなる液状ゴム組成物aを用いて、実施例1と同様にして層形成ブレードを作製した。
【0061】
【比較例2】
ポリエチレンアジペート(Mn:2000)55.2部と、4,4′−MDI 33.6部と、2,4′−MDI 14.4部からなる主剤と、ポリエチレンアジペート(Mn:2000)50.7部と、1,4−ブタンジオール8.2部と、トリメチロールプロパン4.0部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.033部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そして、実施例1と同様の支持ホルダーおよび成形型を準備し、上記支持ホルダーにはプライマー塗工をせずに、そのまま予備加熱された成形型にセットした。ついで、上記主剤および硬化剤を混合して液状ゴム組成物bをつくり、これを上記成形型内に140℃×5分の条件で射出成形し、上記支持ホルダーの片面に液状ゴム組成物硬化体からなるブレードを固着させ、支持ホルダー付き層形成ブレードを作製した。
【0062】
このようにして得られた実施例品および比較例品について、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1に併せて示した。
【0063】
〔硬度〕
JIS K 6301に準じ、JIS Aによる硬度を測定した。
【0064】
〔溶剤浸漬抽出量〕
得られた層形成ブレードのゴム製硬化体の部分を、溶剤(比較例2のみメタノールで、それ以外はトルエン)中に24時間浸漬した。そして、下記の式に従い、溶剤浸漬抽出量を算出した。なお、式中、Wは抽出前のゴム製硬化体の重量を示し、W0 は抽出後のゴム製硬化体の乾燥重量を示す。
溶剤浸漬抽出量(重量%)=〔(W−W0 )/W〕×100
【0065】
〔耐摩耗性〕
層形成ブレードを市販のレーザービームプリンター(ヒューレットパッカード社製、レーザージェット4)に組み付けた後、1万枚の耐久画出しを行い、耐久前後の黒ベタ画像濃度変化の有無をマクベス濃度計を用いて判定した。なお、評価基準は以下のように設定した。
○:耐久前後の濃度差が0.1未満のもの
×:耐久前後の濃度差が0.1以上のもの
【0066】
〔横すじ〕
上記のようにして層形成ブレードを実機に組み付けたのち、温度30℃×湿度90%の環境下で7日間放置した。そののち、黒ベタの画出しを行い、横すじの発生の有無を目視で判定した。なお、評価基準は以下のように設定した。
○:横すじの発生なし
×:横すじの発生あり
【0067】
〔トナーフィルミング〕
上記のようにして層形成ブレードを実機に組み付けたのち、6000枚の耐久画出しを行い、層形成ブレード表面へのトナーフィルミングの発生の有無を以下の基準で目視判定した。
○:ブレードに付着したトナーがテープ(3M社製、スコッチメンディングテー プ)にて除去できたもの
×:テープ除去を5回繰り返しても、トナーを除去できなかったもの
【0068】
〔成形性(成形タクト)〕
ロータレスレオメータ(東洋精機社製、RLM−2)を用いて、130℃でのt90値(トルク定常値の90%の高さの点に達するまでの時間)を測定した。なお、評価基準は以下のように設定した。
○:3分以内
△:3〜10分以内
×:10分以上
【0069】
【表1】
【0070】
上記表1の結果から、実施例品は、耐摩耗性に優れ、横すじが発生せず、トナーフィルミングも生じず、成形性に優れていることがわかる。
【0071】
これに対して、比較例1品は、シリコーンゴムを用いているため、耐摩耗性に劣るとともに、溶剤に抽出される低分子量成分を多く含有しているため、横すじが発生することもわかる。比較例2品は、ウレタンエラストマーを用いているため、トナーフィルミングが生じ、また成形性に劣ることがわかる。
【0072】
【実施例2、比較例3,4】
まず、実施例1および比較例1,2と同様にして、液状ゴム組成物Aおよび液状ゴム組成物a,bを調製した。そして、各液状ゴム組成物を金型内に所定の条件で射出成形して、目的とするブレードを作製した。
【0073】
このようにして得られた実施例品および比較例品を用いて、下記の基準に従い、各特性を評価した。これらの結果を後記の表2に併せて示した。
【0074】
〔帯電特性〕
帯電ブレードとして市販のレーザービームプリンター(ヒューレットパッカード社製、レーザージェット4)に組み付けを行い、画出し評価を行った。なお、評価基準は以下のように設定した。
○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの
×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不具合が見られるもの
【0075】
〔除電特性〕
除電ブレードとして市販のレーザービームプリンター(ヒューレットパッカード社製、レーザージェット4)に組み付けを行い、画出し評価を行った。なお、評価基準は以下のように設定した。
○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの
×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不具合が見られるもの
【0076】
【表2】
【0077】
上記表2の結果から、実施例品のブレードは、帯電特性および除電特性の双方の特性に優れているため、帯電ブレード、除電ブレードとして好適に使用することができる。これに対して、比較例品のブレードは、帯電特性および除電特性に劣るため、帯電ブレード、除電ブレードとして使用することができない。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子写真用ブレードは、上記特定の液状ゴム(A成分)と、特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなるものである。このように、シリコーンゴムに代えて上記特定の液状ゴム(A成分)を用いると、分子間力が増大して強度が上がるため、耐摩耗性に優れるとともに、シリコーンゴムのような低分子量成分を含有しないため、滲み出しによる横すじの発生を防止することができる。また、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防止することができる。
【0079】
そして、上記特定のヒドロシリル硬化剤(B成分)として、前記一般式(1)〜(3)で表される特定の構造のものを用いると、液状ゴム(A成分)への相溶性が良好となり、均一混合性が確保でき、また長期保管安定性においても優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 層形成ブレードを組み込んだ現像装置の一例を示す構成図である。
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