JP3885334B2 - 微分干渉顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属面の微小な凹凸や、生物細胞中の位相物体などを観察するために用いられる微分干渉顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている微分干渉顕微鏡として反射照明型微分干渉顕微鏡の概略断面図を図5に示す。図5において、光源11からの照明光はコレクタレンズ12によって集光された後、偏光子Pによって直線偏光に変換されてビームスプリッタBSに入射する。ビームスプリッタBSで反射された照明光は、ウォラストンプリズムWに入射する。ウォラストンプリズムWでは、複屈折作用により振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離されて射出される。ウォラストンプリズムWを通過した後においては、上記2偏光成分は見かけ上ウォラストンプリズムWの光線分離面Qで分離されたように、僅かな分離角αをもって進行する。そしてコンデンサレンズの役割を兼ねた対物レンズ13へ向かい、対物レンズ13の集光作用によって互いにわずかなシア量Sだけ離れた平行光線に変換され、試料14を照明する。
【0003】
試料14上の僅かに離れた位置で反射された2光線は、対物レンズ13の集光作用によりウォラストンプリズムWの光線分離面Q上に集光される。2光線はウォラストンプリズムWの複屈折作用により1つの光束に合成され、同一光路上を逆行してビームスプリッタBSに入射する。ビームスプリッタBSを透過した後、検光子Aにより互いに直交する直線偏光中の同一方向の振動成分だけが取り出されて干渉する。そして試料14上のわずかに異なる位置で反射する際に付与された2光線間の位相差に応じた干渉縞が像面上で拡大像15として観察される。
【0004】
かかる従来例において複屈折光学部材として用いられるウォラストンプリズムWは、図6に示す如く複屈折性をもつ光学材料、例えば水晶や方解石のような結晶等から形成される2枚の楔形プリズムWa、Wbを、それぞれの光学軸の方向が互いに直交するように貼り合わせたものである。すなわち、図6においてウォラストンプリズムWに垂直入射する光線Lの進行方向をz軸とし、紙面内でz軸に直交する方向をy軸とし、紙面に直交する方向をx軸とし、楔角方向、すなわちプリズムWの入射面Mの法線と2枚の楔形プリズムWa、Wbの接合面Cの法線とが作る平面(以下、「楔平面」と呼ぶ)を紙面と同じyz平面ととると、入射側楔形プリズムWaの光学軸cはx軸方向に形成され、射出側楔形プリズムWbの光学軸dはy軸方向に形成されている。
【0005】
図6において、ウォラストンプリズムWに垂直入射する光線Lは、プリズムWを構成する複屈折材料の複屈折作用を受けて振動方向が互いに直交する2つの直線偏光LoとLeとに分離し、分離角αをもってプリズムWから射出されるが、このとき射出側からみた2光線の分離点は見かけ上平面Qw、すなわち光線分離面Qw上にあるように見える。
したがって図5の微分干渉顕微鏡において、ウォラストンプリズムWの光線分離面Qwが対物レンズ13の後側焦点F1と交わるように配置することにより、前述した如くウォラストンプリズムWから分離して射出された2光線を対物レンズ13により平行光線に変換することができ、且つ試料14からの反射光を再びウォラストンプリズムWで正しく重ね合わせることができる。その結果として、コントラストの高い微分干渉像を得ている。
【0006】
また、対物レンズ13が複数のレンズ群で構成される場合、その焦点位置がレンズ群の内部に形成される場合がある。特に顕微鏡光学系の対物レンズでは、レンズ内部に後側焦点が配置される事が多い。これに対し、ウォラストンプリズムWの見かけ上の光線分離面Qwは必ずプリズムW内部に存在するため、レンズ群内部の焦点位置にウォラストンプリズムWを配置することは不可能である。そのため焦点がレンズ群の内部に形成される場合には、複屈折光学部材としてウォラストンプリズムWに代わりノマルスキィプリズムNが用いられる。
【0007】
ノマルスキィプリズムNは、図7に示したように、入射側楔形プリズムNaの光学軸eがx軸方向に形成され、射出側楔形プリズムNbの光学軸gがyz平面において射出面Rと所定角度εだけ傾けた方向に形成されている。このように形成することにより、図6のウォラストンプリズムWではプリズムW内に形成された光線分離面Qwを、図7の光線分離面Qnの如くプリズムN外に形成することができる。したがって焦点位置がレンズ群の内部に形成される場合にはノマルスキィプリズムNが用いられ、プリズムN外に形成された光線分離面Qnを対物レンズ13の後側焦点F1と交わるように配置することで、ウォラストンプリズムWと同様に作用させている。
【0008】
図5で示したような従来の微分干渉顕微鏡においては、干渉色を変化させることにより様々な背景色のもとで像を観察することができるように、ウォラストンプリズムWで分離された2光線が試料を通過する際に付与された位相差以外に、干渉色を連続的に変化させるべく2光線間に意図的に位相差を付与することが一般に行われている。
背景色を連続的に変化させる手段としては、次の方法が知られている。すなわち、第1の方法として、一般に補償板と呼ばれる複屈折光学材料からなるプリズムや、平行平板を組み合わせて位相差を可変とした移相素子を光路中に挿入する方法である。また第2の方法として、微分干渉顕微鏡に配置されたウォラストンプリズムなどの複屈折光学部材を、複屈折光学部材の入射面の法線と複屈折光学部材を構成する2つの楔形プリズムの接合面Cの法線とを含む楔平面と、光軸に直交する面との交線方向に平行移動させ、複屈折光学部材内で分離された2偏光光がそれぞれ入射側楔形プリズムと射出側楔形プリズムとを通過する光路長の比率を変化させて位相差を付与する方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補償板や移相素子を光路中に挿入する方法では、微分干渉顕微鏡内に別途補償板や移相素子を追加することから、装置構成が複雑化し製造コストも高価になるという不都合があった。これに対し、複屈折光学部材を楔平面と光軸に直交する面との交線方向に平行移動させる方法では、新たな部品を追加することなく背景色を変化させることができるという利点を有するため、実際の微分干渉顕微鏡で採用されることが多いが、次のような不都合があった。
【0010】
すなわち、複屈折光学部材として用いられるウォラストンプリズムやノマルスキィプリズムの光線分離面Qは、図6及び図7に図示したように一般にプリズムの楔角方向(すなわち、楔平面内)に傾斜しており、その傾き角βはプリズムの構造によって異なっている。図6に示したウォラストンプリズムWの光線分離面Qwの傾き角βwは比較的小さく、βw=0としてもほぼ差し支えないのであるが、図7に示したノマルスキィプリズムNの光線分離面Qnの傾き角βnは、ウォラストンプリズムWに比べて非常に大きく、一般に無視できない大きさとなることが知られている。
前述したように対物レンズ13は一般に複数のレンズ群で構成され、その後側焦点F1がレンズ内部に存在する場合が多い。そのため、ノマルスキィプリズムNの光線分離面Qnがプリズム外部に形成されることを利用して、対物レンズ13側の複屈折光学部材としては一般にノマルスキィプリズムNを用いることが多い。ここで、図5の微分干渉顕微鏡の複屈折光学部材としてノマルスキィプリズムNを用いた場合に、プリズムNを楔平面と光軸aに直交する面との交線方向に平行移動させた様子を図8に示す。
【0011】
図8(a)はプリズム中心軸Jを光軸a上に配置した標準状態を示している。この状態では、ノマルスキィプリズムNの光線分離面Qnは対物レンズ13の後側焦点F1とちようど交わっている。一方、図8(b)は干渉色を変化させるためにプリズムNをプリズムNの楔平面と、光軸aに直交する面との交線方向(図中y方向)にΔyだけ平行移動させた状態を示している。この状態では、光線分離面Qnと対物レンズ13の後側焦点F1が光軸a上で大きくずれてしまう。このような光線分離面Qnと対物レンズ13の後側焦点F1とのずれは、像の劣化やコントラストの低下を招く原因となっていた。
【0012】
そこで本発明は、像の背景色の変更にともなう複屈折光学部材の移動にもかかわらず、像の劣化が少なく高コントラストで良好な微分干渉像を得ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、所定の振動方向を持つ偏光光を少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる複屈折光学部材(B)へ入射させて偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光成分に分離し、分離された2つの直線偏光成分を対物レンズ(3)を経由させて被検物(4)へ導き、被検物(4)の表面で反射された2つの直線偏光成分を対物レンズ(3)を経由させて複屈折光学部材(B)へ導いて1つの光束に合成し、合成された光束を検光子(A)に入射させて2つの直線偏光成分を偏光干渉させ、干渉した光束により被検物(4)の対物レンズ(3)による像を形成する微分干渉顕微鏡において、複屈折光学部材(B)は、複屈折光学部材(B)の光線分離面(Q)と、複屈折光学部材(B)の入射面(M)の法線と2つの楔形プリズムの接合面(C)の法線とを含む楔平面とが交わる交線の方向に沿って平行移動可能に構成されたことを特徴とする微分干渉顕微鏡である。
【0014】
本発明はまた、所定の振動方向を持つ偏光光を少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる照明側複屈折光学部材(B2)へ入射させて偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光成分に分離し、分離された2つの直線偏光成分をコンデンサレンズ(6)を経由させて被検物(4)へ導き、被検物(4)を透過した2つの直線偏光成分を対物レンズ(3)を経由させて少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる結像側複屈折光学部材(B1)へ導いて1つの光束に合成し、合成された光束を検光子(A)に入射させて2つの直線偏光成分を偏光干渉させ、干渉した光束により被検物(4)の対物レンズ(3)による像を形成する微分干渉顕微鏡において、照明側複屈折光学部材(B2)と結像側複屈折光学部材(B1)との少なくとも一方を、当該複屈折光学部材の光線分離面(Q)と、当該複屈折光学部材の入射面(M)の法線と2つの楔形プリズムの接合面(C)の法線とを含む楔平面とが交わる交線の方向に沿って平行移動可能に構成されたことを特徴とする微分干渉顕微鏡である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例に係る反射型微分干渉顕微鏡の概略断面図を図1に示す。図1において、光源1からの照明光はコレクタレンズ2によって集光された後、偏光子Pによって直線偏光に変換されてビームスプリッタBSに入射する。ビームスプリッタBSで反射された照明光は、ビームスプリッタBSと対物レンズ3との間に配置されたノマルスキィプリズムからなるプリズムBに入射する。
【0016】
プリズムBに入射した照明光は、複屈折作用により振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離して射出される。プリズムBを通過した後においては、上記2光線は見かけ上プリズムBの光線分離面Qで分離されたように、僅かな分離角αをもって進行する。そして上記2光線はコンデンサレンズの役割を兼ねた対物レンズ3へ向かうが、プリズムBの光線分離面Qは対物レンズ3の後側焦点Fと交わるように配置されているので、対物レンズ3に入射した上記2光線は対物レンズ3の集光作用によって互いにわずかなシア量Sだけ離れた平行光線に変換され、試料4を照明する。
【0017】
試料4上の僅かに離れた位置で反射された2光線は、対物レンズ3の集光作用によりプリズムBの光線分離面Q上に集光される。2光線はプリズムBの複屈折作用により1つの光束に合成され、同一光路上を逆行するようになる。そしてビームスプリッタBSに到達してビームスプリッタBSを透過した後、検光子Aにより互いに直交する直線偏光中の同一方向の振動成分だけが取り出されて干渉し、試料4上のわずかに異なる位置で反射する際に付与された2光線間の位相差に応じた干渉縞が像面上で拡大像5として観察される。
【0018】
本実施例の反射型微分干渉顕微鏡においては、観察像の背景色を変化させるためにプリズムBはプリズムBの楔平面と光線分離面Qとの交線方向(光軸aと直交する直線とのなす角度β)に平行移動可能に構成されている。すなわちプリズムBの移動方向(光軸aと直交する直線とのなす角度γ)は、γ=βに設定される。この場合楔平面と光線分離面Qとの交線方向に平行移動させても、光線分離面Qの光軸a上での位置が変化しないため、常にプリズムBの光線分離面Qと対物レンズ3の後側焦点Fとを光軸a上で一致させることができるので、像の劣化が少なく高コントラストで良好な微分干渉像を維持しながら観察像の背景色を変化させることが可能となる。
【0019】
本発明の第2実施例に係る透過型微分干渉顕微鏡の概略断面図を図2に示す。図2において、光源1からの照明光はコレクタレンズ2によって集光された後、偏光子Pに入射して直線偏光に変換される。偏光子Pと試料4との間の光路中には光源1側から順に、ノマルスキィプリズムからなる照明側プリズムB2と、試料4を照明するコンデンサレンズ6とが配置されている。偏光子Pを通過した直線偏光は、照明側プリズムB2に入射して互いに振動方向が直交する2つの直線偏光に分離される。分離された2光線は照明側プリズムB2を通過した後コンデンサレンズ6へ向かうが、照明側プリズムB2の光線分離面Q2はコンデンサレンズ6の前側焦点F2と交わるように配置されているので、コンデンサレンズ6に入射した2光線はわずかな分離角αをもって進行し、コンデンサレンズ6の集光作用によって互いにわずかなシア量Sだけ離れた平行光線となって試料4を照明する。
【0020】
試料4上のわずかに離れた位置を透過した透過光は、対物レンズ3の集光作用によりノマルスキィプリズムからなる結像側プリズムB1に集光される。結像側プリズムB1の光線分離面Q1は対物レンズ3の後側焦点F1と交わるように配置されているので、2光線は結像側プリズムB1の複屈折作用により合成され、同一光路上を進行する。そして検光子Aに入射し、検光子Aによって互いに直交する直線偏光中の同一方向振動成分だけが取り出されて干渉する。その結果、試料4内のわずかに異なる位置を透過する際に付与された、2光線間の位相差に応じた干渉縞が、像面上で拡大像5として観察される。
【0021】
本実施例の透過型微分干渉顕微鏡においては、観察像の背景色を変化させるために結像側プリズムB1を結像側プリズムB1の楔平面と光線分離面Qとの交線方向(光軸aと直交する直線とのなす角度β)に平行移動可能に構成されている。すなわち結像側プリズムB1の移動方向(光軸aと直交する直線とのなす角度γ)は、γ=βに設定される。第1実施例の場合と同様に、楔平面と光線分離面Q1との交線方向に平行移動させても、光線分離面Q1の光軸a上での位置が変化しないため、常に結像側プリズムB1の光線分離面Q1と対物レンズ3の後側焦点F1とを光軸a上で一致させることができるので、像の劣化が少なく高コントラストで良好な微分干渉像を維持しながら観察像の背景色を変化させることが可能となる。
なお、本実施例においては照明側プリズムB2を照明側プリズムB2の楔平面と光線分離面Q2との交線方向に平行移動可能に構成してもよい。このように構成しても、光線分離面Q2の光軸a上での位置が変化しないため、常に照明側プリズムB2の光線分離面Q2とコンデンサレンズ6の前側焦点F2とを光軸上で一致させることができる。
また、結像側プリズムB1と照明側プリズムB2とを共に平行移動可能に構成することも可能である。
【0022】
本発明の第3実施例に係る反射型微分干渉顕微鏡の概略断面図を図3に示す。本実施例においては、第1実施例のプリズムBを楔平面に直交する回転軸を中心として傾けて配置している。
一般に微分干渉顕微鏡顕微鏡では倍率の異なる複数の対物レンズを切り替えながら像観察を行うことが多い。また第2実施例で示したような透過型微分干渉顕微鏡に使用するコンデンサレンズも対物レンズの開口数や用途に応じて数種類を切り替えて用いることが多い。これら対物レンズやコンデンサレンズの焦点位置は一般にレンズによって異なるため、レンズの焦点と複屈折光学部材の光線分離面とを正確に一致させるためには、使用するレンズに合わせてレンズ毎に異なる複屈折光学部材を用意する必要がある。複屈折光学部材は複屈折光学部材毎に光線分離面の傾き角が異なるので、複屈折光学部材の移動方向も複屈折光学部材毎に変更する必要があり、そのため顕微鏡の装置本体には複屈折光学部材毎に移動方向を変化させる機構が必要となる。そこで本実施例においては、対物レンズやコンデンサレンズを切り替える際に異なる複屈折光学部材を使用する場合においても、複屈折光学部材の移動方向は常に一定方向に設定し、その複屈折光学部材の移動方向に対応させて複屈折光学部材の方を傾けて配置するものである。これによって複屈折光学部材毎に移動方向を変化させる機構を不要とすることが可能となる。
【0023】
すなわち本実施例では、プリズムBの移動方向γを一定に定め、使用するプリズムBの光線分離面Qの傾き角βをプリズムBの移動方向γに一致するようにプリズムBを傾けて配置するのである。その傾き方向はプリズムBの楔平面と直交する回転軸を中心として設定され、プリズムBの入射面Mの法線nと光軸aとのなす傾き角ηは、β=γとなるように使用するプリズムB毎に所定の傾き角ηを設定する。そしてこの傾き角ηを保ったままプリズムBを移動方向γに移動させて、背景色を連続的に変化させる。
具体的には、例えば一定の移動方向γにスライドさせることができる不図示のプリズムホルダを顕微鏡本体に取付け、それぞれのプリズムBをβ=γとなる傾き角ηに調整してプリズムホルダに保持する。そしてプリズムホルダを常に移動方向γにスライドさせることにより、複数の異なるプリズムBを傾き角ηと平行に移動させることが可能となる。
【0024】
つぎに本実施例におけるプリズムBの傾き角ηの設定について具体的に説明する。ノマルスキィプリズムであるプリズムBの拡大図を図4に示す。図4において、プリズムBの楔平面(紙面)における光軸aに対する入射面Mの法線nの傾き角をη、プリズムBの楔角をθ、射出側楔形プリズムBbの光学軸gが射出面Rとのなす傾き角をεとする。このη、θ、εが光軸aに直交する面に対する光線分離面Qの傾き角βを決める変数であり、以下これら3変数が満たすべき条件式を説明する。
【0025】
図4における光軸a上の入射光線Lは、プリズムB内で楔平面に平行な面内(yz面)で振動する偏光成分Leと、楔平面に垂直な面内(xz面)で振動する偏光成分Loとの2光線に分離して進行する。このとき、プリズムBの入射面M、接合面C及び射出面Rの各面の法線に対して光線がなす角度を、光線Leについてはそれぞれxe1、xe2、xe3とし、光線Loについてはそれぞれxo1、xo2、xo3とする。ここでxe1、xo1、xo2、及びxo3はη、θの関数であり、xe2及びxe3はη、θ、εの関数である。η、θ、εを決めると、これら光線Leと光線Loの各屈折角は、すべて偏光光線追跡を行うことにより一意に求められる。
【0026】
このとき、試料4面上での微分干渉のシア量をSとし、対物レンズ3の焦点距離をfとすると、プリズムB射出後の2光線の分離角αは、次式で表される。
Figure 0003885334
また、光線分離面Qの傾き角βについては、近似的に、
Figure 0003885334
が成り立つ。
【0027】
いま、光線分離面Qの傾き角βをプリズムBの移動方向γと等しくする条件を求めるには、(2)式においてβ=γとおけばよい。さらに、この(1)式及び(2)式を満たし、且つ光線分離面Qの光軸方向位置が使用するレンズの焦点と光軸a上で一致するように適当なθ、η、εを決定すればよい。
また、特に(2)式においてβ=γ=ηとなる配置をとれば、プリズムBの傾き角ηに沿ってプリズムBをそのまま移動させるだけで、常にプリズムBの光線分離面Qと使用するレンズの焦点と光軸a上で一致させながら干渉色を変化させることができるので、プリズムBの移動機構を簡略に構成することができる。
【0028】
なお、本実施例は反射型微分干渉顕微鏡の用いるプリズムBについて適用する場合を説明したが、第2実施例に係る透過型微分干渉顕微鏡に用いる結像側プリズムB1及び照明側プリズムB2についても同様に適用することが可能である。
また、本実施例においてウォラストンプリズムやノマルスキィプリズムを図4、図6、及び図7において説明したが、これらのプリズムを構成する結晶の組み合わせ方は図示した配置に限定するものではない。例えばノマルスキィプリズムでは、図7に示したように入射側楔形プリズムNaの光学軸eをx軸方向に形成し、出射側楔形プリズムNbの光学軸gをyz面内でy軸に対して所定角度γ傾けて形成しているが、これとは逆に、入射側楔形プリズムNaの光学軸eをyz面内でy軸に対して所定角度γ傾けて形成し、出射側楔形プリズムNbの光学軸gをx軸方向に形成したものを用いてもよい。また、3つ以上の楔形プリズムを組み合わせて形成したものを用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、微分干渉顕微鏡において複屈折光学部材を複屈折光学部材の楔平面と光線分離面との交線方向に平行移動可能に構成することによって、常に複屈折光学部材の光線分離面と対物レンズ及びコンデンサレンズの焦点とを光軸上で一致させることができるので、像の劣化が少なく高コントラストで良好な微分干渉像を維持しながら観察像の背景色を変化させることが可能となった。
特に、対物レンズ及びコンデンサレンズに対応して使用される各々の複屈折光学部材について、光線分離面の傾き角が常に一定となるように複屈折光学部材を光軸に対し傾けて配置することで、複屈折光学部材は複屈折光学部材を取り替えても常に一定方向に移動させればよいので、装置を簡略に構成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る反射型微分干渉顕微鏡の概略断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る透過型微分干渉顕微鏡の概略断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る反射型微分干渉顕微鏡の概略断面図である。
【図4】ノマルスキィプリズムを通過する光線の状態を説明する図である。
【図5】従来の透過照明型微分干渉顕微鏡の概略断面図である。
【図6】ウォラストンプリズムの断面図である。
【図7】ノマルスキィプリズムの断面図である。
【図8】従来の複屈折光学部材の光線分離面と焦点の位置関係を説明する図である。
【符号の説明】
1…光源 2…コレクタレンズ
3…対物レンズ 4…試料
5…拡大像 6…コンデンサレンズ
P…偏光子 A…検光子
B、B1、B2…プリズム BS…ビームスプリッタ
a…光軸 Q、Q1、Q2、Qw、Qn…光線分離面
1…対物レンズ後側焦点 F2…コンデンサレンズ前側焦点
M…プリズム入射面 C…プリズム接合面
R…プリズム射出面

Claims (6)

  1. 所定の振動方向を持つ偏光光を少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる複屈折光学部材へ入射させて偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光成分に分離し、分離された該2つの直線偏光成分を対物レンズを経由させて被検物へ導き、該被検物の表面で反射された前記2つの直線偏光成分を前記対物レンズを経由させて前記複屈折光学部材へ導いて1つの光束に合成し、合成された光束を検光子に入射させて前記2つの直線偏光成分を偏光干渉させ、干渉した光束により前記被検物の前記対物レンズによる像を形成する微分干渉顕微鏡において、前記複屈折光学部材は、該複屈折光学部材の光線分離面と、該複屈折光学部材の入射面の法線と前記2つの楔形プリズムの接合面の法線とを含む楔平面とが交わる交線の方向に沿って平行移動可能に構成されたことを特徴とする微分干渉顕微鏡。
  2. 前記複屈折光学部材は、ノマルスキィプリズムから形成された請求項1記載の微分干渉顕微鏡。
  3. 前記複屈折光学部材は、前記楔平面に直交する回転軸を中心として傾けて配置された請求項1又は2記載の微分干渉顕微鏡。
  4. 所定の振動方向を持つ偏光光を少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる照明側複屈折光学部材へ入射させて偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光成分に分離し、分離された該2つの直線偏光成分をコンデンサレンズを経由させて被検物へ導き、該被検物を透過した前記2つの直線偏光成分を対物レンズを経由させて少なくとも2つの楔形プリズムを接合してなる結像側複屈折光学部材へ導いて1つの光束に合成し、合成された光束を検光子に入射させて前記2つの直線偏光成分を偏光干渉させ、干渉した光束により前記被検物の前記対物レンズによる像を形成する微分干渉顕微鏡において、前記照明側複屈折光学部材と前記結像側複屈折光学部材との少なくとも一方を、当該複屈折光学部材の光線分離面と、当該複屈折光学部材の入射面の法線と前記2つの楔形プリズムの接合面の法線とを含む楔平面とが交わる交線の方向に沿って平行移動可能に構成されたことを特徴とする微分干渉顕微鏡。
  5. 前記照明側複屈折光学部材と前記結像側複屈折光学部材との少なくとも一方は、ノマルスキィプリズムから形成された請求項記載の微分干渉顕微鏡。
  6. 前記照明側複屈折光学部材と前記結像側複屈折光学部材との少なくとも一方は、前記楔平面に直交する回転軸を中心として傾けて配置された請求項又は記載の透過照明型微分干渉顕微鏡。
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