JP3884700B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板を処理するための基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程においては、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に銅薄膜などの金属薄膜を形成した後、この金属薄膜の不要部分をエッチング除去する処理が行われる場合がある。たとえば、ウエハの周縁部に金属薄膜が形成されていると、搬送ロボットによるハンドリングの際に、ハンドの金属汚染を起こし、この金属汚染がさらに他のウエハに転移するという看過し難い不具合を生じるおそれがあるので、ウエハの周縁部に形成された不要な金属薄膜は除去される。
【0003】
ウエハの周縁部に形成されている金属薄膜を除去するための従来装置では、ウエハがほぼ水平に保持されて回転され、ウエハの上面(デバイス形成面)に対して近接した位置に遮断板が対向配置されて、この遮断板がウエハの回転軸線まわりにウエハとほぼ同じ回転速度で回転される一方で、ウエハの下面中央にエッチング液が供給される。また、エッチング液が供給されている間、ウエハと遮断板との間の空間に、遮断板の下面の中央部に配設されたノズルから窒素ガスが供給される。ウエハの下面中央に供給されたエッチング液は、ウエハの下面を伝って周縁に向かって流れ、その一部がウエハの端面を伝って上面へと回り込む。そして、ウエハの上面の周縁から中心に向けて所定幅だけ入り込んだところで、ウエハと遮断板との間に供給されている窒素ガスにより、それ以上、内方の領域(ウエハの上面の中央部)に流れ込むことが阻止される。これにより、ウエハの上面の周縁部、下面および周面(端面)に形成されている不要な金属薄膜が除去される。
【0004】
また、他の先行技術に係る従来装置では、ウエハがほぼ水平に保持されて回転され、そのウエハの上面(デバイス形成面)に対して近接した位置に遮断板が対向配置されて、この遮断板がウエハの回転軸線まわりに回転される一方で、遮断板の上面にエッチング液が供給されて、そのエッチング液が遮断板の回転による遠心力で遮断板の周縁から斜め下方に飛散することにより、ウエハの上面の周縁部にエッチング液が供給される(たとえば、特許文献1参照)。ウエハの上面の周縁部に供給されたエッチング液は、ウエハの回転による遠心力でウエハの周縁へ向かって流れ、ウエハの周縁からウエハの周面を伝って流下する。これにより、ウエハの上面の周縁部および周面に形成されている不要な金属薄膜が除去される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−75953号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ウエハの下面から上面へのエッチング液の回り込みを利用する構成では、処理対象のウエハが疎水性表面を有するウエハ(たとえば、不純物がドーピングされていないポリシリコンウエハ)である場合、ウエハの下面に供給されたエッチング液がウエハの上面に上手く回り込まず、ウエハの上面の周縁部に形成されている金属薄膜を除去できないという問題があった。
【0007】
これに対し、遮断板の上面からエッチング液を遠心力で飛散させる構成では、ウエハの表面が疎水性であるか親水性であるかにかかわらず、ウエハの上面の周縁部にエッチング液を供給することができる。しかしながら、この構成では、遮断板の回転速度や遮断板へのエッチング液の供給流量の微小な変動によっても、ウエハの上面におけるエッチング液の供給位置が変わるため、ウエハの上面におけるエッチング幅を精密に制御することが困難であった。
【0008】
そこで、この発明の目的は、疎水性表面を有する基板であっても、その基板の周縁部に処理液による処理を良好に施すことができ、かつ、その基板周縁部の処理液による処理が施される領域の幅を精密に制御可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)の周縁部(A)に対して処理液を用いた処理を施すための基板処理装置であって、基板をほぼ水平に保持して、その基板をほぼ鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板保持手段(1)と、この基板保持手段に保持された基板の上面に対向して設けられ、その基板に向けて突出する凸条(28)が縁部に形成された基板対向面(271)、およびその凸条に接続された上面(272)を有する対向部材(2)と、この対向部材の上面に処理液を供給する処理液供給手段(3)とを含むことを特徴とする基板処理装置である。
【0010】
上記凸条は、上記対向部材の基板対向面の縁部の一部分に形成されていてもよいし、上記対向部材の基板対向面の周縁部の全周(全域)にわたって形成されたリング状の凸部であってもよい。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、対向部材の上面に供給された処理液は、その上面を伝って流れる。そして、対向部材の上面が凸条に接続されているので、その上面を流れる処理液の一部は、上面から凸条へと回り込んで、凸条から基板の上面の周縁部に向けて流下する。したがって、基板の上面が疎水性であるか親水性であるかにかかわらず、基板の上面の周縁部に処理液を供給することができ、処理液による処理を施すことができる。
【0011】
なお、対向部材の上面と凸条とは、円弧状に凸湾曲した断面形状を有する曲面などによって滑らかに接続されていることが好ましいが、対向部材の上面に供給された処理液が凸条へ回り込むことができれば、必ずしも、対向部材の上面と凸条とが滑らかに接続されている必要はない。たとえば、対向部材の上面と凸条とが直接に接続されて、その接続部分が角になっていてもよい。
また、対向部材の下面の基板対向面は凸条よりも一段高い位置にあるから、凸条に回り込んだ処理液は、対向部材の基板対向面に流れ込むことなく、凸条から鉛直下向きに流下する。したがって、基板の上面の凸条が対向する領域のみに処理液が供給され、その凸条が対向する領域よりも内側の領域に処理液が供給されることはない。また、処理液は凸条から流下して基板の上面に供給されるから、基板の上面における処理液の供給位置がばらつくこともない。よって、基板の上面における処理対象領域の幅を精密に制御することができる。
【0012】
また、請求項2に記載のように、上記対向部材の凸条が上記基板保持手段に保持された基板の周縁部の上方に位置する下端縁を有していてもよく、この場合、対向部材の上面から凸条に回り込んだ処理液は、凸条の下端縁(凸条が上記基板保持手段に保持された基板に対向する下面を有している場合には、その下面と基板の上面の周縁部との隙間に供給されることになる。したがって、凸条の下端縁の位置を制御することにより、基板の上面において処理液による処理が施される領域の幅を制御することができる。
【0013】
なお、請求項3に記載のように、上記対向部材の上面は、下方に向かうにつれて上記基板保持手段に保持された基板の周縁に近づくように傾斜していることが好ましい。対向部材の上面が傾斜していることにより、対向部材の上面に供給された処理液を良好に凸条へ導くことができる。さらに、請求項4に記載のように、上記対向部材の上面が親水性を有していれば、対向部材の上面に供給された処理液をより良好に凸条へと導くことができる。
【0014】
上記対向部材の凸条は、請求項5に記載のように、上記基板保持手段に保持された基板の上面とほぼ平行をなす平面を下面に有していてもよいが、請求項6に記載のように、上記回転軸線に近づくにつれて上記基板保持手段に保持された基板の上面に近づく傾斜面を下面に有していることが好ましい。傾斜面は、上記回転軸線に近づくにつれて上記基板保持手段に保持された基板の上面に近づくように直線状に傾斜した断面形状を有する面であってもよいし、上記回転軸線に近づくにつれて上記基板保持手段に保持された基板の上面に近づくように凸湾曲または凹湾曲した断面形状を有する面であってもよい。凸条が傾斜面を下面に有していることにより、多量の処理液を凸条の下面に回り込ませることができ、その結果、基板の上面の凸条が対向する領域に多量の処理液を供給することができる。
【0015】
また、請求項7に記載のように、上記対向部材の凸条は、上記基板保持手段に保持された基板の上面と対向する親水面を下面に有していることが好ましく、これによっても、多量の処理液を凸条の下面に回り込ませることができ、その結果、基板の上面の凸条が対向する領域に多量の処理液を供給することができる。
請求項8記載の発明は、上記対向部材を上記回転軸線まわりに回転させる対向部材回転手段(24)をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0016】
この発明によれば、たとえば、対向部材への処理液の供給時に、対向部材を回転させることにより、その対向部材の上面に供給された処理液を遠心力で凸条へ導くことができる。また、基板に対する処理の終了後に、対向部材を高速回転させることにより、対向部材に付着した処理液を振り切って、対向部材を乾燥させることができる。
なお、上記対向部材への処理液の供給時に上記対向部材を回転させる場合には、請求項9に記載のように、上記対向部材回転手段は、上記基板保持手段による基板の回転速度よりも低い回転速度で上記対向部材を回転させることが好ましい。こうすることにより、対向部材の回転による遠心力で対向部材から処理液が飛び散って、その分だけ基板の上面の周縁部に処理液が回り込みにくくなってしまうことを防止できる。
【0017】
請求項10記載の発明は、基板(W)の周縁部(A)に対して処理液を用いた処理を施すための方法であって、基板保持手段(1)によって基板をほぼ水平に保持して、その基板をほぼ鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、上記基板保持手段に保持された基板の上面に対向して設けられ、その基板に向けて突出する凸条(28)が縁部に形成された基板対向面(271)、およびその凸条に接続された上面(272)を有する対向部材(2)を、上記基板保持手段に保持された基板に近接させる対向部材近接工程と、上記対向部材の上面に処理液を供給して、その処理液を上記凸条から上記基板保持手段に保持された基板の周縁部に流下させる処理液供給工程とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
【0018】
この方法によれば、請求項1の発明に関連して述べた効果と同様な効果を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この基板処理装置は、基板の一例であるウエハWのデバイス形成面の周縁部、裏面および周面(端面)に形成されている不要な金属薄膜を除去するための装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1に保持されたウエハWの上面に近接して対向配置される対向部材2とを備えている。
【0020】
スピンチャック1は、駆動軸を鉛直方向に沿わせて配置されたモータ11と、このモータ11の駆動軸の上端にほぼ水平に取り付けられたスピンベース12と、スピンベース12上に配置された複数個の挟持部材13とを有している。複数個の挟持部材13は、ウエハWの外形に対応した円周上に配置されていて、ウエハWの周面を異なる複数の位置で挟持することにより、ウエハWをほぼ水平な状態で保持することができる。そして、ウエハWを保持した状態でモータ11を駆動することによって、ウエハWを、そのほぼ中心を通る鉛直軸線まわりに回転させることができる。
【0021】
モータ11の駆動軸は、中空軸となっていて、その内部には、エッチング液および純水が選択的に供給される裏面処理ノズル14が挿通されている。この裏面処理ノズル14は、スピンチャック1に保持されたウエハWの下面(裏面)中央に近接した位置に吐出口を有しており、この吐出口からウエハWの下面中央に向けて純水またはエッチング液を供給する中心軸ノズルの形態を有している。
スピンチャック1の上方には、アーム21がほぼ水平に延びて設けられており、対向部材2は、アーム21の先端部から垂下した保持筒部材22に回転可能に保持されて、その回転軸線がウエハWの回転軸線と一致するように配置されている。また、アーム21に関連して、対向部材2を昇降させるための昇降駆動機構23が設けられており、対向部材2は、スピンチャック1に対するウエハWの搬入出時には、ウエハWの搬入出の妨げにならないように上方に大きく退避され、ウエハWに対する処理時には、ウエハWの上面に近接した位置に下降される。さらに、対向部材2を回転させるための回転駆動機構24がアーム21に関連して設けられており、ウエハWに対する処理時には、対向部材2がウエハWと同じ方向に回転される。
【0022】
対向部材2には、回転軸線に沿って、窒素ガス供給源からの窒素ガスが供給される窒素ガス供給路25が形成されている。窒素ガス供給路25は、対向部材2の下面の中心で開口しており、窒素ガス供給路25に供給された窒素ガスは、その開口からスピンチャック1に保持されたウエハWの上面中央に向けて吐出される。
対向部材2は、ウエハWよりも少し小さな径の円形の底面(下面)271および下方に向かうにつれて対向部材2の回転軸線から離れるように傾斜した円錐面272を有する円錐部27と、この円錐部27の底面271の周縁部の全周にわたって形成されたリング状の凸部28とを有している。対向部材2の下面をなす円錐部27の底面271および凸部28の下面281は、スピンチャック1に保持されたウエハWの上面とほぼ平行をなして対向している。また、対向部材2の側面をなす凸部28の外側面(外周面)282は、鉛直方向に沿った円筒面とされており、この外側面282と対向部材2の上面をなす円錐部27の円錐面272とは、たとえば、円弧状に凸湾曲した断面形状を有する曲面によって滑らかに接続されている。そして、このような構成の対向部材2は、たとえば、塩化ビニル樹脂やフッ素系樹脂などの樹脂成型物を切削加工して形成されており、これによって、円錐部27の円錐面272や凸部28の下面281および外側面282は、親水性を示す程度に表面粗さが粗くなっている。
【0023】
アーム21の先端には、エッチング液供給源からのエッチング液が供給される上面ノズル3が取り付けられており、ウエハWに対するエッチング処理時には、ウエハWがデバイス形成面を上に向けた状態でスピンチャック1に保持されて、そのウエハWおよびウエハWの上面に近接配置された対向部材2がそれぞれ所定の速度で回転している状態で、上面ノズル3から対向部材2の円錐面272の最上部付近にエッチング液が供給される。円錐面272ならびに凸部28の外側面282および下面281が親水性を有する粗面であり、また、円錐面272は凸部28の外側面に接続されているから、円錐面272の最上部付近に供給されたエッチング液は、円錐面272および側面282を伝って流下し、その一部は、側面282から下面281へ回り込み、下面281からウエハWの上面の周縁部に流下する。
【0024】
円錐部27の底面271は凸部28の下面281よりも一段高い位置に形成されているから、下面281を伝って、下面281の内周縁に達したエッチング液は、底面271側へ回り込むことなく、下面281の内周縁から鉛直下向きに流下する。したがって、対向部材2からウエハWの上面に供給されるエッチング液は、下面281の内周縁を含む円筒状面とウエハWの上面との交線よりも外側の周縁部領域Aに供給され、その交線よりも内側の領域(デバイス形成領域)には供給されない。
【0025】
一方、ウエハWに対するエッチング処理時には、裏面処理ノズル14から回転中のウエハWの下面中央にエッチング液が供給される。ウエハWの下面中央に供給されたエッチング液は、ウエハWの下面を伝って周縁に向かって流れ、その一部がウエハの端面へと回り込む。これにより、図2に示すように、ウエハWの上面の周縁部領域A、裏面および周面がエッチング液の流れで覆われた状態となり、そのウエハWの上面の周縁部領域A、下面および周面に形成されている不要な金属薄膜がエッチング液によって除去される。
【0026】
また、ウエハWにエッチング液が供給されている間(エッチング処理が行われている間)、ウエハWの上面中央に向けて、対向部材2の窒素ガス供給路25から窒素ガスが供給される。この窒素ガスの供給により、ウエハWと対向部材2との間の空間が窒素ガスで満たされるので、その空間に外部からエッチング液およびエッチング液を含む雰囲気が進入することを阻止でき、ウエハWの上面のデバイス形成領域に形成されている金属薄膜が所望しないエッチング処理を受けることを防止できる。
【0027】
なお、エッチング処理時におけるウエハWの回転速度は、たとえば、150〜350rpmの範囲内の一定速度に設定されており、対向部材2の回転速度は、そのウエハWの回転速度よりも50rpmだけ低く設定されている。対向部材2の回転速度をウエハWの回転速度よりも低くすることにより、対向部材2からエッチング液が遠心力で飛び散ることを防止でき、ウエハWの周縁部領域Aへエッチング液を回り込みやすくすることができる。また、対向部材2上でのエッチング液の跳ね返りを防止するために、上面ノズル3から対向部材2の上面に供給されるエッチング液の流量は毎分0.1〜0.5リットルに設定されている。
【0028】
エッチング処理が所定時間続けられると、上面ノズル3および裏面処理ノズル14からのエッチング液の供給が停止され、上面ノズル3および裏面処理ノズル14からウエハWの上面の周縁部領域AとウエハWの下面への純水の供給が開始される。純水の供給開始後もスピンチャック1によるウエハWの回転は続けられており、上面ノズル3から対向部材2の上面をつたってウエハWの上面周縁部領域Aに供給された純水は、ウエハWの周面を伝って流下する。また、裏面処理ノズル14からウエハWの下面中央に供給された純水は、ウエハWの回転による遠心力によって、ウエハWの下面を伝って周縁に向けて流れる。これにより、エッチング処理においてエッチング液が供給された領域、すなわちウエハWの上面の周縁部領域A、下面および周面に純水が行き渡り、ウエハWに付着したエッチング液を洗い流すためのリンス処理が達成される。なお、このリンス処理の際に、上面ノズル3から供給された純水によって、エッチング処理時に対向部材2の上面に付着したエッチング液も洗い流される。
【0029】
このリンス処理が所定時間続けられると、上面ノズル3および裏面処理ノズル14からの純水の供給が停止される。そして、ウエハWの回転速度および対向部材2の回転速度が上げられて、ウエハWの表面に付着している液滴を遠心力で振り切って乾燥させる処理が行われる。この乾燥処理の際、対向部材2は、ウエハWと同じ方向にほぼ同速度で高速回転される。また、対向部材2の窒素ガス供給路から、ウエハWと対向部材2との間の空間に窒素ガスが供給される。これにより、ウエハWと対向部材2との間の空間に窒素ガスの安定した気流が生じ、ウエハWの表面に純水の跡などを残すことなく、ウエハWを良好に乾燥させることができる。
【0030】
以上のようにこの実施形態によれば、ウエハWに対するエッチング処理時には、上面ノズル3から対向部材2の円錐面(上面)272にエッチング液が供給され、その円錐面272に供給されたエッチング液が、円錐面272および側面282を伝って流れ、対向部材2の下面に設けられた凸部28の下面からウエハWの上面の周縁部領域Aに供給される。よって、ウエハWの表面が疎水性であるか親水性であるかにかかわらず、ウエハWの上面の周縁部領域Aにエッチング液を供給することができる。
【0031】
また、対向部材2からウエハWの上面に供給されるエッチング液は、凸部28の下面281の内周縁を含む円筒状面とウエハWの上面との交線よりも外側の周縁部領域Aにのみ供給され、その交線よりも内側の領域には供給されないから、凸部28の幅に応じて、ウエハWの上面におけるエッチング幅(エッチング処理を施すべき周縁部領域Aの幅)を精密に制御することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、エッチング処理時における対向部材2の回転速度がウエハWの回転速度よりも50rpmだけ低く設定されているとしたが、対向部材2からエッチング液が遠心力で飛び散ることを防止するためには、エッチング処理時における対向部材2の回転速度は、さらに低い回転速度(たとえば、30rpm)に設定されてもよいし、より確実に防止するために、エッチング処理時に対向部材2を静止させてもよい。
【0032】
また、上記の実施形態では、塩化ビニル樹脂の成型物を切削加工して対向部材2を形成することにより、対向部材2の円錐面272などが親水性を有する粗面(親水面)にされているとしたが、成型加工によって対向部材2が形成されて、円錐面272ならびに凸部28の下面281および外側面282にサンドブラスト加工を施すことにより、これらの面が親水性を有する粗面とされてもよい。
さらにまた、凸部28の下面281をスピンチャック1に保持されたウエハWの上面とほぼ平行をなして対向する平面としたが、凸部28の下面281は、図3に示すように、対向部材2の回転軸線に近づくにつれてウエハWに近づくように直線状に傾斜した断面形状を有する傾斜面に形成されてもよい。また、図4に示すように、凸部28の下面281および外側面282は、ほぼ円弧状の断面形状(凸湾曲した断面形状)を有する傾斜面(曲面)に形成されてもよい。図3または図4に示す構成を採用することによって、エッチング液を下面281に上手く回り込ませることができ、より多量のエッチング液をウエハWの上面の周縁部領域Aに供給することができる。
【0033】
さらには、図5に示すように、対向部材2の円錐面272の下端縁部に溝291を形成するとともに、この溝291と凸部28の下面281の下方の空間とを連通する連通路292を形成して、対向部材2の円錐面272に供給されたエッチング液が、溝291から連通路292を通って、ウエハWの上面の周縁部に供給されるようにしてもよい。なお、対向部材2の円錐面272に供給されたエッチング液は、溝291および連通路292を通過するだけではなく、上記実施形態と同様に、側面282から下面281へも回り込み、下面281とウエハW上面との隙間に供給される。このため、より多量のエッチング液をより確実にウエハWの上面の周縁部領域Aに供給することができる。
【0034】
また、上記の実施形態では、円錐部27の底面271の周縁部の全周にわたってリング状の凸部28が形成されているとしたが、凸部28は、図6に示すように、円錐部27の底面271の周縁部の一部分に円弧状(処理対象基板の外形の少なくとも一部に沿う形状)に形成されていてもよい。この場合、ウエハWに対するエッチング処理時には、対向部材2を回転させずに、ウエハWのみを回転させる。また、円弧状の凸部28に向けてエッチング液が流れるように、その凸部28の中央と対向部材2の回転軸線とを結ぶ線分上に上面ノズル3からのエッチング液を供給することが好ましい。
【0035】
さらに、ウエハWに対する処理の一例として、ウエハWに形成されている不要な金属薄膜をエッチング液で除去する処理を取り上げたが、ウエハWに対する処理は、ウエハWの周縁部を洗浄液で洗浄する周縁部洗浄処理であってもよい。また、ウエハWに形成された不要なレジスト膜をレジスト除去液で除去するレジスト除去処理であってもよい。
また、処理対象の基板は、ウエハWに限らず、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディプレイパネル用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板などの他の種類の基板であってもよい。
【0036】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。
【図2】エッチング処理の様子を示す図解的な断面図である。
【図3】対向部材の他の構成(その1)を説明するための図解的な断面図である。
【図4】対向部材の他の構成(その2)を説明するための図解的な断面図である。
【図5】対向部材の他の構成(その3)を説明するための図解的な断面図である。
【図6】対向部材の他の構成(その4)を説明するための図解的な断面図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 対向部材
3 上面ノズル
24 回転駆動機構
27 円錐部
28 凸部
271 底面(対向部材の基板対向面)
272 円錐面(対向部材の上面)
A 周縁部領域
W ウエハ
Claims (10)
- 基板の周縁部に対して処理液を用いた処理を施すための基板処理装置であって、
基板をほぼ水平に保持して、その基板をほぼ鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板保持手段と、
この基板保持手段に保持された基板の上面に対向して設けられ、その基板に向けて突出する凸条が縁部に形成された基板対向面、およびその凸条に接続された上面を有する対向部材と、
この対向部材の上面に処理液を供給する処理液供給手段と
を含むことを特徴とする基板処理装置。 - 上記対向部材の凸条は、上記基板保持手段に保持された基板の周縁部の上方に位置する下端縁を有していることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 上記対向部材の上面は、下方に向かうにつれて上記基板保持手段に保持された基板の周縁に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
- 上記対向部材の上面は、親水性を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記対向部材の凸条は、上記基板保持手段に保持された基板の上面とほぼ平行をなす平面を下面に有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記対向部材の凸条は、上記回転軸線に近づくにつれて上記基板保持手段に保持された基板の上面に近づく傾斜面を下面に有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記対向部材の凸条は、上記基板保持手段に保持された基板の上面と対向する親水面を下面に有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記対向部材を上記回転軸線まわりに回転させる対向部材回転手段をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記対向部材回転手段は、上記基板保持手段による基板の回転速度よりも低い回転速度で上記対向部材を回転させるものであることを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
- 基板の周縁部に対して処理液を用いた処理を施すための方法であって、
基板保持手段によって基板をほぼ水平に保持して、その基板をほぼ鉛直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
上記基板保持手段に保持された基板の上面に対向して設けられ、その基板に向けて突出する凸条が縁部に形成された基板対向面、およびその凸条に接続された上面を有する対向部材を、上記基板保持手段に保持された基板に近接させる対向部材近接工程と、
上記対向部材の上面に処理液を供給して、その処理液を上記凸条から上記基板保持手段に保持された基板の周縁部に流下させる処理液供給工程と
を含むことを特徴とする基板処理方法。
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