JP3884637B2 - ステージユニット及びx−yステージ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリニアモータを使用した高精度の位置決めの可能なステージユニット及びこれを用いたX−Yステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアモータ駆動による一軸ステージ装置の構成は、搬送物を搬送直線上に維持するためのガイド部と、駆動源としてのリニアモータから成る。ガイド部はさらにベースに固定されるガイドバーと可動部のスライダに分かれ、リニアモータもベースに固定される固定子と可動子に分かれる。リニアモータの可動子とガイド部のスライダとは結合されて動く。
【0003】
図10に典型的な一軸ステージ装置の例を示す。図10(a)は概観図で、図10(b)は図10(a)の線A−A´による断面図である。このステージ装置は、図中左側のリニアモータ101、中央の転がり軸受け型のガイド部102、右側のケーブル(信号線、電力線等)を収納する可撓性のキャタピラ型のケーブルベア103から成る。転がり軸受けは接触型のガイドであり、コンパクトで剛性も高いが、接触型であるため振動発生源となる。そして、一軸ステージとしての位置決め精度を上げるためには、非接触型のガイドを使うことが必要になる。
【0004】
なお、リニアモータは良く知られているのでここでは構造のみについて簡単に説明する。リニアモータ101は、断面略U形状のヨーク101a、その両側の内壁に走行方向に間隔をおいて固着された複数の永久磁石101b、両側の永久磁石101bとギャップをおいて配置されるコイル101cを含み、ここではコイル101cが可動部となる。以降で示されるリニアモータも、ほぼ同様の構造を持つ。
【0005】
図11は非接触型ガイドの一種であるエアスライド型ガイドを示す。このエアスライド型ガイドは、断面四角形のガイドバー111と、これを囲むように装着されてガイドバー111に沿ってスライドするスライダ112とを有する。スライダ112には、搬送物を搭載するためのテーブルが組み合わされる。ガイドバー111は通常、その両端を支持される。スライダ112の内壁四面全域を多孔質材料で作ってガイドバー111の外面にエアを吹き出し可能とし、ガイドバー111との間に生ずる静圧によって浮上力を得る。
【0006】
但し、浮上力を確保するためには、スライダ112−ガイドバー111間の隙間を5〜20μm程度に正確に維持することが必要である。このためには、ガイドバー111およびスライダ112のいずれについても、壁面精度を正確にだすこと、および搬送物の負荷によって大きく変形しないことなどが要求される。このため材質として通常、セラミクスが用いられ、価格が高くなる。
【0007】
空気静圧を用いたガイド手段として、図12に示すようなエアベアリングを用いた構成がある。このガイド手段は、ガイド用の溝を持つガイドバー121と、溝内にスライド可能に収容されたスライダ122とを持つ。この構成では、スライダ122の壁面全体を静圧面とするのではなく、エアベアリングと呼ばれる方形あるいは円形の複数のエアパッド123を、例えば図12(a)に示すように配置し、3軸方向の力とモーメントを受けようというものである。パッド面の空気噴出口としては、多孔質材料を用いる場合と、金属材料に数個の自成絞り孔またはオリフィス絞り孔を設ける場合とがある。
【0008】
なお、エアパッド123の配置の形態としては、ガイドバー121、スライダ122の断面形状を変えることにより、図12(b)に示すような複数の例が提案されている。
【0009】
エアベアリングは、図12(c)に示すように、エアパッド123の取り付け部を123aのピボット支持構造とすることによって、静圧面が常にガイドバー121のガイド面と平行を保つようにすることができる。したがって、スライダ122およびガイドバー121の面は図11のエアスライド型ガイドほどの精度と剛性を要求されない。しかし、エアベアリングは静圧面積を大きくとれないので、負荷容量が小さくなるという欠点を持つ。
【0010】
図12(b)に示す例では、いずれもモーメントを大きく取れるように、偶力を生成するペアのエアベアリング間距離を大きくとっている。そして、スライダ122の駆動源としてリニアモータを用いる場合には、リニアモータは図12(b)の各例における真ん中の空間部分に入れるのが一般的である。図12(b)下側の固定部に相当するところは、かなり広い幅を必要とするので、精度を確保するため石定盤等が用いられる。
【0011】
このようなエアベアリングを用いた場合、ステージ装置全体としての設計に適用するにはよいが、図10あるいは図11に示すようなコンパクトな汎用の軸受けを想定してはいない。
【0012】
エアベアリングを用いたコンパクトな一軸ステージユニットとして、公知ではないが、考えられる例を図13に示す。図13(a)はエアベアリングガイド系の概観図である。このエアベアリングガイド系は、ガイドバー131と、ガイドバー131にその上側からかぶさるように組み合わされた断面略U形状のスライダ132とを有する。スライダ132の内壁には複数のエアベアリング133が設置されている。図13(b)は図13(a)のエアベアリングガイド系に駆動源としてのリニアモータを組み合わせた場合の断面構造を示す。つまり、エアベアリングガイド系の側方に連結部材134を介してリニアモータ135が組み合わされている。リニアモータ135は、前に述べたように、断面略U形状のヨーク135a、その両側の内壁に走行方向に間隔をおいて固着された複数の永久磁石135b、両側の永久磁石135bとギャップをおいてヨーク135a内に挿入されるコイル135cを含む。そして、コイル135cの上部が連結部材134に連結されている。搬送物搭載用のテーブルは例えば、連結部材134の上部に組み合わされる。
【0013】
エアベアリング133は図13(b)に示すように、上側1個、左側1個、右側2個の4個を一組として、スライダ132のY方向の両端に各一組、合計8個設置される。エアベアリング133はいずれもピボット支持構造付きである。右側に2個配置するのは、ロールモーメントMyを発生させるためである。
【0014】
このような構造により、一応のエアベアリングを用いた一軸ステージユニットを構成することはできる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、リニアモータ135が横についているため、自重によるロールモーメントMrが常時発生している。すなわち、駆動源により定常的なロールモーメント負荷が加わることになるので好ましくない。言い換えれば、上記の構造は、搬送物に対するロールモーメント負荷の許容範囲が小さく、スペース的にもコンパクトとはいいがたい。
【0016】
そこで、本発明の課題は、必要スペース、特に断面に関してのスペースを縮小できるステージユニットを提供することにある。
【0017】
本発明の他の課題は、上記ステージユニットを複数組み合わせたX−Yステージ装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、リニアモータを駆動源とするステージユニットにおいて、前記リニアモータは、走行方向に延びる断面略U形状のヨークと該ヨークの両内壁にそれぞれ走行方向に間隔をおいて固着された複数の永久磁石とを含んで両端部において支持される固定部とする一方、前記両内壁の永久磁石とギャップをおいて存在するように前記ヨーク内に挿入されたコイルと該コイルに連結されたスライダとを可動部として構成され、前記ヨークにはその閉端側の外面を覆うように断面略U形状のガイドバーが一体化され、前記スライダは、前記固定部の周囲を囲むことのできるような枠形の断面形状を有し、該スライダの内壁には前記ガイドバーの外面と対向する箇所に複数のエアベアリングを設けたことを特徴とするステージユニットが提供される。
【0019】
本ステージユニットにおいては、前記ヨークとガイドバーはそれらの閉端側を上方に向けてしかもそれらの閉端部においてのみ接合するように締結して一体化され、前記スライダは断面が四角形の筒状であってその底部側の内壁において前記コイルと連結されている。
【0020】
本ステージユニットにおいてはまた、前記エアベアリングは、前記ガイドバーの両側の側面に対向する箇所と上面に対向する箇所とを1組とし、前記スライダの両端に近い2つの領域に2組設けられる。なお、前記2組の各組において前記ガイドバーの両側の側面のうち一方に対向する箇所にはそれぞれ、上下に2つのエアベアリングが設けられても良い。また、前記ガイドバーの両側の側面のうち一方に対向する箇所、及び前記上面に対向する箇所に設けられるエアベアリングをピボット支持構造付きのエアベアリングとし、前記2組の各組において前記ガイドバーの両側の側面のうち他方に対向する箇所に設けられるエアベアリングを、前記スライダのほぼ全長にわたる長さを持ち、そのほぼ全域を静圧面とする1つの静圧軸受け部で実現するようにしてもよい。
【0021】
本ステージユニットにおいては更に、前記ガイドバーの開口側の2つの端部に、互いに接近するように曲げ部を設けて前記ヨークをそこからの漏洩磁束を減らすように包囲するようにしてもよい。
【0022】
本ステージユニットにおいては、前記固定部をその両端部において支持している支持部がベース上に固定され、一方の前記支持部と前記スライダとの間に、可撓性のケーブル収容体が接続されている。
【0023】
本発明によればまた、上記のステージユニットを第1、第2、第3として3つ組み合わせて成るX−Yステージ装置であって、前記第1、第2のステージユニットはそれらの固定部が間隔をおいて第1の方向に平行に延在するようにベース上に設置され、前記第1、第2のステージユニットにおける2つの前記スライダの間が、前記第1の方向と直角に交差する方向に延びる前記第3のステージユニットの前記固定部で連結されて成ることを特徴とするX−Yステージ装置が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態によるステージユニットについて説明する。図1は、本発明によるステージユニットの、図13(b)に対応する部分を示す。このステージユニットは、固定部10と可動部20とから成る。固定部10は、可動部20の走行方向に延びる断面略U形状のガイドバー11と、同じ方向に延びる断面略U形状のヨーク12と、ヨーク12の両側の内壁にそれぞれ走行方向に間隔をおいて固着された複数の永久磁石13とを含む。
【0025】
一方、可動部20は、固定部10の四周を囲むような断面四角形の筒形状を持つスライダ21と、永久磁石13とギャップを介して存在するようにヨーク12内に挿入されスライダ21の内側の底部に連結固定されたコイル22と、スライダ21の内壁に装着された複数のエアベアリング23とを含む。エアベアリングはピボット23aがついており、静圧面にならって回転できる構造になっている。勿論、可動部20の長さは固定部10に比べて十分に短い。エアベアリング23 は、図1に示されるものを1組として、スライダ21の長さ方向の両端部に2組設置される。スライダ21の材料としては例えば、アルミがあげられる。
【0026】
本発明の実施の形態によるステージユニットの第1の要点は、リニアモータのヨーク12とガイドバー11とを一体化することにより、断面に関する省スペースを図っていることにある。つまり、リニアモータのヨーク12とガイドバー11は固定であるので、原理的にはヨーク12をそのままガイドバー11として用いてもよい。しかし、ヨーク12には永久磁石の吸引力によって通常100μmレベルの曲げ変形が生ずる。一方、ガイドバー11はμm単位の平面度が必要である。したがって、通常のヨークとは異なった構造が要求される。
【0027】
このような要求に対しては、ヨーク12とガイドバー11を一体構造とする方法、およびヨーク12とガイドバー11を構造的には分離して重ね合わせる形にする方法が考えられる。
【0028】
一体構造とする場合、永久磁石の吸引力による曲げ変形の大きさは、ヨークの板厚の3乗に逆比例する。したがって、100μmのオーダの変形をμmオーダに抑えようとすると、ヨークの板厚を4〜5倍にしなければならず現実的でない。
【0029】
したがって、本発明の実施の形態ではヨーク12とガイドバー11を構造的には分離して重ね合わせる方法を採用する。ガイドバー11は磁性材料である必要はないので、できるだけ軽くヤング率の高い材料が適している。例えば、セラミクスやアルミ、鉄系材料があげられる。
【0030】
重ね合わせる方法としては、ヨーク12のベース部分、つまり閉端部の外面をガイドバー11のベース部分、つまり閉端部の内面に接合させてボルトで締結する。しかし、ヨーク12の外側面とガイドバー11の内側面は接合しない。ガイドバー11およびヨーク12はいずれも両端部を把持する構造とする。このようにすると、鉛直方向荷重に対して、ガイドバー11およびヨーク12はいずれも強度部材になるので、たわみを小さく抑えることができる。
【0031】
鉛直方向の負荷を支えるベアリング装着のため、リニアモータはヨーク12のベース部分を上側にしている。搬送物搭載用のテーブルはスライダ21の4面のどこにでも取り付け可能であるが、ロールモーメントを小さくするためには上面または下面が望ましい。なお、位置決め制御のための位置検出用のリニアスケールはガイドバー11あるいはヨーク12の開口側、つまり下部側面に付けることができる。この場合、このリニアスケールに対向するスライダ21の内壁には、リニアスケールと組み合わされる光学あるいは磁気センサが設置される。
【0032】
ロールモーメントMyを発生させるために普通に考えられるのは、図1の左側面に示すように、ピボット支持構造付きのエアベアリング23を上下2個配置するという方法である。この構造でも、リニアモータがロールモーメント負荷を生ずることを防止している点で、図13に比べると改善がはかられている。
【0033】
しかしながら、エアベアリング23を一側面に2個装着するため、ガイドバー11の縦の寸法が大きくなる。エアベアリング23のエアパッド面に生ずる空気圧力に対してガイドバー11下部の変形を小さく抑えるためには、ガイドバー構造をかなり強くすることが必要である。
【0034】
ガイドバー11の形状を小さくすること、および発生できるロールモーメントを大きくすることを目的として、第1の変形例として図2に示すように、スライダ21の横1面(ここでは右横面)については、エアベアリングとして静圧軸受け部24を設けてその領域全面をスライダ固定の静圧面として使うようにしても良い。
【0035】
すなわち、図3に示すように、スライダ21の1側面だけはY方向のほぼ全長にわたって静圧軸受け部24に空気噴出孔を分布させ、対向する横1面と上面については長さ方向の両端にピボット支持構造付きエアベアリング23を各1個付けるという形である。固定の静圧軸受け部24は、図1の左側面における上下2個のピボット支持構造付きエアベアリング23に代わって、ロールモーメントを発生させるために有効である。なお、静圧軸受け部24は多数の空気噴出孔を一様に分布させるようにしてもよいし、長さ方向にわたるスリット孔を上下に例えば2本持つようなものであってもよい。
【0036】
この一軸ステージユニットでは、ガイドバー11の外面と空気噴出孔を持つ静圧軸受け部24を設けたスライダ21の内面との平面精度が要求される。しかし、この平面精度が達成されていれば、スライダ21の姿勢はここで形成される平面で決まり、他の面はこれにならうように、エアベアリング23におけるピボットの回転によって調整される。また、スライダ21の他の面の直角度並びに平行度について厳しい要求は不要である。
【0037】
図4に上記の構造を採用した本発明によるステージユニットの概観図を示す。固定部10としてのガイドバー11、ヨーク12の重ね合わせ構造体はその両端において支持部31により支持されている。支持部31はフランジを有し、このフランジにおいてベース30に固定される。一端側の支持部31とスライダ21との間にはケーブル(信号線、電力線、空気配管等)を収納した可撓性のキャタピラ型のケーブルベア32が設けられる。本例によるステージユニットは、固定部10もベース30に接触せず、その両端で支持される形態になる。したがって、支持部31の設置面が等平面になっていれば、ベース30全体の平面度は要求されない。
【0038】
図5は支持部31を示す。支持部31は、固定部10の端部を嵌め込むことのできる凹部を持つ嵌め込み式構造で実現される。図4で述べたように、支持部31にはケーブルベア32の固定側を取り付けられるような構造を設けるが、この構造はどのようなものであってもよい。
【0039】
図6は、図1のステージユニットの第2の変形例を示す。このステージユニットは、磁気漏洩防止型のステージユニットである。ガイド部としての機能面は図2の第1の変形例と同じであるが、ガイドバー11の開口端側、つまり裾を伸ばし、しかもその下端部を内側に曲げて、ヨーク12を完全に包み込むようにしている。その結果、リニアモータからの磁気漏洩をきわめて低い値におさえることができる。ガイドバー11の材質としては、鉄系の高透磁率材を用いる。このような磁気漏洩の少ないリニアモータによるステージユニットは、磁気漏洩による影響を受け易い、例えば電子ビームリソグラフィの分野での使用に適している。
【0040】
以上のように、本ステージユニットはそれだけで、一軸ステージ装置としての機能を有している。
【0041】
図7を参照して、本発明の第2の実施の形態によるステージ装置について説明する。このステージ装置は、図1や図2、あるいは図6で説明したステージユニット3個を結合することにより、X−Yステージ装置を構成したものである。ここでは、間隔をおいてY軸方向に平行に設置した2つのステージユニット40A、40Bを下軸とし、それらの間を結んでX軸方向に延びるステージユニット40Cを上軸として結合させている。下軸としての2つのステージユニット40A、40Bは、図4で説明したものと同じでよく、ベース50上に固定部や可動部が接触しないように設置される。つまり、ステージユニット40Aは、ガイドバー11A、ヨーク12Aによる固定部の両端において支持部31Aにより支持され、ステージユニット40Bはガイドバー11B、ヨーク12Bによる固定部の両端において支持部31Bにより支持される。一方、上軸としてのステージユニット40Cは、ガイドバー11C、ヨーク12Cによる固定部の両端において連結部31Cで連結支持されるが、2つの連結部31Cはそれぞれステージユニット40Aのスライダ21A、ステージユニット40Bのスライダ21Bに取り付けられる。
【0042】
搬送物搭載用のテーブルは上軸のステージユニット40Cに組み合わされ、ステージユニット40A、40BのY軸方向への並進運動とステージユニット40CのX軸方向への運動の組み合わせにより、テーブルをX−Y方向に移動させることができる。なお、下軸と上軸のガイドバーはほぼ同じ高さとし、リニアモータ駆動時に生ずるモーメントができるだけ小さくなるようにしている。
【0043】
下軸と上軸を結ぶアダプターは図8のような構成にする。つまり、上軸のステージユニット40Cはその固定部を連結部31Cを介してステージユニット40A、40Bに連結させる他、ステージユニット40A、40Bのスライダ21A、21Bの下部の間にはケーブルベア32Cを支持するためのケーブル支持板41を架け渡している。ケーブルベア32Cに収容される信号線、電力線、空気配管等における信号の授受、電力供給、圧縮空気供給は、ケーブルベア32Aに収容された信号線、電力線、空気配管等を利用して行われる。つまり、ステージユニット40A側の支持部31Cにはこれらを接続するための接続手段が内蔵されている。
【0044】
図9は、図7に示した本発明によるX−Yステージ装置との比較のために、これまでのX−Yステージ装置の概観を示した図である。このX−Yステージ装置は、石定盤90上に並設された2本のガイドレール91A、91BにそれぞれY1リニアモータ92A、Y2リニアモータ92Bが設けられる。Y1リニアモータ92Aのスライド部93Aと、Y2リニアモータ92Bのスライド部93Bとの間にはYスライダ94が架け渡され、Yスライダ94にはXリニアモータ95が設けられる。Xリニアモータ95にはXスライダ96が組み合わされている。Xスライダ96には搬送物搭載用のテーブルが組み合わされる。X−Yステージ装置としてのテーブルの動きは、本発明による図7のX−Yステージ装置と同じであり、このようなX−Yステージ装置は、例えば特開2001−22448号に開示されているので詳しい説明は省略する。
【0045】
ここで、これまでのX−Yステージ装置におけるエアベアリングは、ガイドレール91Aの側面に対向するように配置された2個(97a、97b)、Yスライダ94の一端側のT字部の下側に配置された2個(97c、97d)、ガイドレール91Bの側面に対向するように配置された2個(97e、97f)、Yスライダ94の他端側のT字部の下側に配置された1個(97g)、Xスライダ96の内壁であってYスライダ94の2つの側面に対向するように配置された4個(97h〜97k)、Xスライダ96の下側に配置された3個(97m、97n、97p)の合計14個が必要であった。
【0046】
しかるに、図9の概観図に現れているエアベアリング、リニアモータ、リニアスケールはすべて、本発明による図7のX−Yステージ装置によればガイドバーに一括されるので、本発明によるX−Yステージ装置全体の外観はかなりすっきりしたものになる。
【0047】
X軸に関してはいずれのX−Yステージ装置においても一軸ステージ装置としての機能を持っている。
【0048】
本発明による図7のX−Yステージ装置では、ロールモーメントMxを図2に示すように静圧軸受け部による1面の静圧壁面と1個のピボット支持構造付きエアベアリングとで発生させている。これに対して、図9のX−Yステージ装置では3個のZ軸方向(垂直方向)エアベアリング97m、97n、97pを用いている。ロールモーメントとしては、Yスライダ94の長さを大きく取れる分だけ、図9のX−Yステージ装置の方が大きくなる。
【0049】
自重については、図9のX−Yステージ装置では、Y軸方向可動部について3個のエアベアリング(97c、97d、97g)、X軸方向可動部についても3個のエアベアリング(97m、97n、97p)で独立に受けている。
【0050】
これに対して、本発明によるX−Yステージ装置では、X軸については2個のエアベアリング(上側のエアベアリング23)、Y軸に関してはX軸可動部の重さも含めた形で4個のエアベアリング(上側のエアベアリング23)で支えている。したがって、搭載物負荷が大きくなるようなケースでは図9のX−Yステージ装置の方が有利である。
【0051】
本発明によるステージユニットでX−Yステージ装置を構成する場合には、ステージユニット質量と搬送物質量が同じ時、3つのステージユニットにかかる静的負荷は同じになる。
【0052】
図9に示すX−Yステージ装置では石定盤90の全面をエアベアリングが滑走するので、石定盤90はその上面全面が精度のよい平面でなければならない。このためベースとして石定盤を使うようにしている。
【0053】
これに対して、本発明によるX−Yステージ装置では、4つの支持部31A、31B(図7)の平面が得られればその他の部分についてはどうでもよい。これは、振動減衰性のよい鋳物のベース(定盤)でもよいことになり、コスト低減を図ることができることを意味する。
【0054】
以上をまとめると、本発明によるステージユニットを用いたX−Yステージ装置は、X軸可動部のストロークおよび推力が比較的小さな場合に適し、大きなコスト低減効果があると言える。
【0055】
本発明によるステージユニット、特にX−Yステージ装置は、半導体製造プロセスや液晶製造プロセスにおけるステージ装置や、検査ステージ用のステージ装置、更にはEBリソグラフィ用のステージ装置としての適用が可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0057】
1)ガイドバーとヨークを一体化することにより、一軸ステージユニットとしての省スペースおよびコスト低減を図ると共に、外観をすっきりさせることができる。
【0058】
2)ガイドバーあるいはヨークにリニアスケールを取り付ける位置を確保することにより、一軸ステージユニットとしてまとめることができる。
【0059】
3)リニアモータ各軸は要求される推力により、2極、3極、4極、・・・等のコイルが用いられる。通常、推力の大きいほど負荷によるモーメント発生も大きくなり、リニアモータのコイルの長さに合わせてスライダの長さを変えると、推力に見合ったモーメント発生を狙うことができる。
【0060】
4)アダプターを介してステージユニットを3つ結合させることにより、X−Yステージ装置を構成することができる。この場合、X軸とY軸の推力仕様に合ったステージユニットを組み合わせることによって、幅広い用途に応ずることができる。
【0061】
5)X−Yステージ装置としての外観をすっきりさせることができる。
【0062】
6)幅広い用途に対して、新規にステージユニットの設計をすることなくステージユニットの組み合わせだけで対応できるため、開発期間を短縮すると共に、コストダウンをはかることができる。
【0063】
7)ベースを石定盤ではなく、鋳物によるベースで済ませることにより、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるステージユニットを長さ方向の一端側から見た図である。
【図2】図1に示された形態の第1の変形例を示した図である。
【図3】図2に示されたスライダの内側に設置されるエアベリングについて説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるステージユニットの外観図である。
【図5】図4に示されたステージユニットの支持部について説明するための側面図(図a)及び正面図(図b)である。
【図6】図1に示された形態の第2の変形例を示した図である。
【図7】図4のステージユニットを組み合わせて構成された本発明の第2の実施の形態によるX−Yステージ装置の概観図である。
【図8】図7に示されたステージユニット40Aと40Cを連結するためのアダプター構成について説明するための図である。
【図9】図7に示された本発明によるX−Yステージ装置と比較するために、従来のX−Yステージ装置を示した概観図である。
【図10】従来の一軸ステージ装置を説明するための外観図(図a)及び図(a)の線A−A´による断面図である。
【図11】非接触型ガイドの一種である従来のエアスライド型ガイドを示した概観図である。
【図12】従来の空気静圧を用いたガイド手段について説明するための図で、図(a)はガイド系の概略斜視図、図(b)はエアベリングの配置形態を示した図、図(c)はピボット支持構造付きのエアベリングを用いる場合の作用を説明するための図である。
【図13】本発明者らにより考えられたステージユニットを説明するための図で、図(a)はエアベリングを用いたガイド系の斜視図、図(b)は図(a)のガイド系を用いたステージユニットを長さ方向の一端側から見た図である。
【符号の説明】
10 可動部
11、11A、11B、11C ガイドバー
12、12A、12B、12C ヨーク
13 永久磁石
20 固定部
21、21A、21B、21C スライダ
22 コイル
23 エアベリング
24 静圧軸受け部
30、50 ベース
31、31A、31B 支持部
31C 連結部
32、32A、32B、32C ケーブルベア
40A、40B、40C ステージユニット

Claims (8)

  1. リニアモータを駆動源とするステージユニットにおいて、
    前記リニアモータは、走行方向に延びる断面略U形状のヨークと該ヨークの両内壁にそれぞれ走行方向に間隔をおいて固着された複数の永久磁石とを含んで両端部において支持される固定部とする一方、前記両内壁の永久磁石とギャップをおいて存在するように前記ヨーク内に挿入されたコイルと該コイルに連結されたスライダとを可動部として構成され、
    前記ヨークにはその閉端側の外面を覆うように断面略U形状のガイドバーが一体化され、
    前記スライダは、前記固定部の周囲を囲むことのできるような枠形の断面形状を有し、
    該スライダの内壁には前記ガイドバーの外面と対向する箇所に複数のエアベアリングを設けたことを特徴とするステージユニット。
  2. 請求項1記載のステージユニットにおいて、前記ヨークとガイドバーはそれらの閉端側を上方に向けてしかもそれらの閉端部においてのみ接合するように締結して一体化され、前記スライダは断面が四角形の筒状であってその底部側の内壁において前記コイルと連結されていることを特徴とするステージユニット。
  3. 請求項2記載のステージユニットにおいて、前記エアベアリングは、前記ガイドバーの両側の側面に対向する箇所と上面に対向する箇所とを1組とし、前記スライダの両端に近い2つの領域に2組設けられることを特徴とするステージユニット。
  4. 請求項3記載のステージユニットにおいて、前記2組の各組において前記ガイドバーの両側の側面のうち一方に対向する箇所にはそれぞれ、上下に2つのエアベアリングが設けられることを特徴とするステージユニット。
  5. 請求項3あるいは4記載のステージユニットにおいて、前記ガイドバーの両側の側面のうち一方に対向する箇所、及び前記上面に対向する箇所に設けられるエアベアリングはピボット支持構造付きのエアベアリングであり、前記2組の各組において前記ガイドバーの両側の側面のうち他方に対向する箇所に設けられるエアベアリングを、前記スライダのほぼ全長にわたる長さを持ち、そのほぼ全域を静圧面とする1つの静圧軸受け部で実現することを特徴とするステージユニット。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のステージユニットにおいて、前記ガイドバーの開口側の2つの端部に、互いに接近するように曲げ部を設けて前記ヨークをそこからの漏洩磁束を減らすように包囲したことを特徴とするステージユニット。
  7. 請求項6記載のステージユニットにおいて、前記固定部をその両端部において支持している支持部はベース上に固定され、一方の前記支持部と前記スライダとの間に、可撓性のケーブル収容体が接続されていることを特徴とするステージユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のステージユニットを第1、第2、第3として3つ組み合わせて成るX−Yステージ装置であって、
    前記第1、第2のステージユニットはそれらの固定部が間隔をおいて第1の方向に平行に延在するようにベース上に設置され、
    前記第1、第2のステージユニットにおける2つの前記スライダの間が、前記第1の方向と直角に交差する方向に延びる前記第3のステージユニットの前記固定部で連結されて成ることを特徴とするX−Yステージ装置。
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