JP3883813B2 - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には燃料としてLPG等の液相状態の液化燃料ガスを用いるものがある。かかる内燃機関の燃料供給装置は、液化燃料ガスを一定の低温下で加圧状態にして液化し、これを燃料タンク内に貯蔵してインジェクタに液相で供給する。
【0003】
インジェクタはシリンダヘッドや吸気管壁等の内側を吸気が流通する隔壁に取り付け穴を形成して取り付けられ、インジェクタ先端面に開口する隔壁の内側に燃料が噴射供給される。燃料は噴射時に気化して多量の気化潜熱を奪うから、その結果、インジェクタの噴孔の近傍において吸気中の水分が氷結して(アイシング)噴孔の周囲に付着し、噴孔を塞ぐ氷塊に成長することがある。これにより噴孔の実質的な開口面積が小さくなってしまい、燃料流量が変化する。ひいては、氷塊に成長した後、氷塊が急に脱離し、これを繰り返すことで、燃料の噴射量が増減して空燃比が変動するという問題が生じる。
【0004】
特開平9−264228号公報には、アイシングを防止すべく、燃料タンクからインジェクタに燃料を供給する供給配管と、インジェクタの余剰燃料を燃料タンクに回収するリターン配管とで形成される燃料の循環路の途中にヒータや内燃機関の冷却水の熱を使った加熱部を設けて燃料を加熱し、アイシングの発生を防止するようにしたものがある(第1従来例)。
【0005】
また、特開2000−234578号公報には、インジェクタの噴孔部の前方で吸気マニホールドのインジェクタ取り付け口に、すり鉢状に立ち上がる氷結防止部材を設けたものがある。この技術では、外気が氷点下の時のエンジン停止後にインジェクタの噴孔部が結露してアイシングが発生するのを回避すべく、低温の吸気が噴孔部に達する前に氷結防止部材のすり鉢状の表面において結露させている(第2従来例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例では、液化燃料ガスを用いる内燃機関に適用すると、燃料を加熱すると燃料がベーパー化しやすくなり、噴射量の調量精度が低下するという問題がある。
【0007】
また、第2従来例のものは、吸気中の水分を十分に結露させる必要から、氷結防止部材がすり鉢状に開いて伝熱面積がなるべく広くとられており、液化燃料ガスを用いる内燃機関に適用した場合に、噴孔を囲むように配置された氷結防止部材から噴射燃料への伝熱で噴孔の周りの熱がどんどん奪われていく。このため、かえってアイシングが生じやすくなる。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、ベーパ化を伴わずにアイシングを防止することのできる内燃機関の燃料供給システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、吸気が内側を流れる隔壁にインジェクタの取り付け穴を形成して該取り付け穴にインジェクタを保持せしめ、インジェクタの先端面に開口する噴孔から隔壁の内側に前記吸気と混合気を形成する燃料を供給する内燃機関の燃料供給装置において、インジェクタを断熱性材料で構成された保持部材を介して前記取り付け穴に保持せしめ、
前記燃料を液化燃料ガスとし、
インジェクタの噴孔から液相状態で噴射された燃料を前記隔壁の内側へ案内する燃料案内流路を設け、
該燃料流路を、その形成位置に前記隔壁の内側に達する貫通孔が形成されて前記燃料案内流路を包囲し前記隔壁からの熱を伝達する隔壁の一部、若しくは隔壁と当接させて配置した熱伝導性部材にて形成し、
かつ、燃料案内流路の壁面の面積を、前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材から燃料案内流路壁面への伝熱を規定する部位の伝熱面積よりも小さく設定して、前記燃料案内流路の出口近傍へ熱供給する構成とする。
【0010】
インジェクタの噴孔から噴射された燃料は、氷結防止部材が吸気通路側に向かって開いた形状をしている前記第2従来例と異なり、燃料案内流路では受熱する面積が燃料案内流路の流路壁の面積に制限されているから、気化が抑制されて気液混合状態で燃料案内流路を流通する。そして、燃料案内流路の出口に達すると受熱面積が増大するので、急激に気化する。燃料案内流路は、隔壁の一部若しくは隔壁と当接する熱伝導性部材により包囲されており、これらを介して隔壁の一部若しくは熱伝導性部材よりも外周の隔壁から伝熱する。ここで、燃料案内流路壁面において燃料に奪熱される面積が、隔壁の一部若しくは熱伝導性部材から燃料案内流路壁面への伝熱を規定する部位の伝熱面積よりも小さく制限されているから、燃料案内流路の近傍では燃料による奪熱よりも隔壁からの熱の供給の方が多くなる傾向を示し、燃料案内流路の出口近傍では隔壁から熱が供給されて温度の低下を抑制することができ、アイシングを防止することができる。
【0011】
また、インジェクタは断熱性材料で構成された保持部材を介して前記取り付け穴に保持されているので隔壁からの伝熱を抑制することができ、インジェクタ内の燃料のベーパ化を防止することができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記燃料案内流路の外周に、該燃料案内流路に近接して低熱伝導性の部位を設ける。
【0013】
燃料案内流路に近接して低熱伝導性の部位を設けることで、伝熱抑制により、流通燃料による奪熱が抑制され、さらにアイシングを防止することができる。また、この奪熱の抑制により、隔壁から燃料案内流路の近傍への過度な熱供給が不要となり、インジェクタ内の燃料のベーパ化をさらに抑制することができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項2の発明の構成において、前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材に貫通孔を形成し、
該貫通孔に、前記燃料案内流路の流路壁の最内周部を構成する筒状の部材を挿入して前記低熱伝導性の部位とする。
【0015】
燃料に最も近い燃料案内流路の流路壁の最内周部では、伝熱抑制により、流通燃料による奪熱が抑制される。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項2の発明の構成において、前記燃料案内流路の流路壁の最内周部の外周に環状間隙を形成して前記低熱伝導性の部位とする。
【0017】
環状間隙が伝熱障壁となるので、流通燃料による奪熱部位が、燃料に最も近い燃料案内流路の流路壁の最内周部に実質的に制限され、流通燃料による奪熱部位の熱容量は比較的小さなものとなる。これにより流通燃料による奪熱が抑制される。
【0018】
請求項5記載の発明では、請求項1または2の発明の構成において、前記噴孔が開口するインジェクタの先端面と、前記貫通穴が開口する前記取り付け穴の底面または前記熱伝導性部材の後端面の間にOリングを設けて前記噴孔から燃料案内流路へと流れる燃料がOリングの外周に流出しないようにする。
【0019】
Oリングの外周がデッドボリュームとならないので、噴孔から燃料案内流路へと流れる燃料の受熱面積が少なくなって燃料による奪熱が抑制されるので、さらに良好にアイシングを防止することができる。
【0020】
請求項6記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記隔壁を前記取り付け穴が貫通する構造とし、
前記インジェクタの先端側で前記取り付け穴を前記熱伝導性部材により塞ぎ、インジェクタ先端部と一体的に結合されるとともに、噴孔との対向位置に内部を前記燃料案内流路とした筒状部が突出してなる流路部材を設け、
前記熱伝導性部材と流路部材との間に間隙部を形成する。
【0021】
流路部材がインジェクタと一体化しているので、インジェクタの隔壁への取り付け状態によらず、噴孔と燃料案内流路の相対位置が変化しない。これにより、噴射特性の経時変化や装置間ばらつきを防止することができる。
【0022】
請求項7記載の発明では、請求項1ないし6の発明の構成において、前記燃料案内流路の出口が開口する前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材の面に、溝状の凹部を形成する。
【0023】
内燃機関の停止中に凝結した液滴状の水が燃料案内流路の出口から中に侵入するのが回避され、低温時に燃料案内流路が氷により閉塞して始動性が悪化するのを防止することができる。
【0024】
請求項8記載の発明では、請求項1ないし7の発明の構成において、前記隔壁の一部または前記熱伝導性部材を前記隔壁の内側に突出せしめる。
【0025】
吸気の流通速度は隔壁から離れるほど早くなるから、燃料案内流路の出口から噴射された燃料が吸気の下流に速やかに流れる。これにより燃料が燃料案内流路の出口近傍に滞留することが回避され、燃料案内流路の出口から噴射された燃料により前記出口近傍が奪熱されるのをさらに抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図2に本発明の内燃機関の燃料供給装置の全体構成を示す。燃料供給装置は、4気筒内燃機関のもので、LPGタンク12内に貯留した液相の液化燃料ガスであるLPGを燃料として各気筒に1対1に対応して設けられた燃料噴射用のインジェクタ11に送出する送出管路13を有し、各インジェクタ11には送出管路13の下流端に位置するデリバリパイプ131からLPGが分配供給される。デリバリパイプ131には、余剰LPGをLPGタンク12に回収する回収管路14が接続されている。
【0027】
送出管路13には燃料ポンプ15が設けられて、LPGが上記デリバリパイプ131に送出される。また、回収管路14には、リリーフ弁16が設けられて、そのリリーフ圧によりデリバリパイプ131内の燃料圧力が規定される。
【0028】
図1はインジェクタ11の取り付け状態を示すもので、インジェクタ11は、後述する燃料ガイド4とともに各気筒の隔壁であるシリンダヘッド6に取り付けられ、シリンダヘッド6を隔壁として形成される吸気通路内に燃料を噴射する。各気筒とも図例の共通の構成を有し、また、共通の前記デリバリパイプ131から燃料が供給される。
【0029】
インジェクタ11は、筒状のハウジング21の下端に先端部であるバルブボディ22が結合し、インジェクタ先端面であるバルブボディ22の下端面221には、下端壁220を貫通する噴孔201が開口しており、噴孔201からはバルブボディ22内に配設された図示しないバルブの作動により燃料が噴出する。ハウジング21内にはデリバリパイプ131からの燃料をバルブボディ22内に供給する図示しない供給路が形成されており、ハウジング21の上端部は燃料の入り口部211となっている。燃料入り口部211はデリバリパイプ131の接続穴1311に嵌入され、燃料入り口部211の側面と接続穴1311の内壁面との間がOリング24により液密が保持されている。ハウジング21内にはまた、バルブ駆動用のソレノイド等が配設されており、ハウジング21の側面から外方へ突出するコネクタ部212から入力する通電制御信号によりソレノイドを作動せしめて燃料の噴射と停止とを切り換える。
【0030】
インジェクタ11および燃料ガイド4をシリンダヘッド6に取り付けるための取り付け穴61はシリンダヘッド6を貫通する段付きのもので、吸気通路側が小径となっている。
【0031】
インジェクタ11は、バルブボディ22の外周に環状でゴム製の断熱性保持部材であるインシュレータ3が取り付けられ、インシュレータ3を介して取り付け穴61の大径部に保持されている。インシュレータ3はインジェクタ11のバルブボディ22の側面から突出する環状の段部213にて位置決めされている。
【0032】
燃料ガイド4は熱伝導性のアミニウム材を略断面ハット状の肉厚円形に成形したもので、取り付け穴61をバルブボディ22の先端側で塞いでいる。そして、上端のフランジ部41が、取り付け穴61の段面と前記インシュレータ3の下端面の間に挟持されている。燃料ポンプ15の作動によりデリバリパイプ131内の燃料圧力が上昇すると、その燃料圧力によりインジェクタ11が下方に押圧され、燃料ガイド4がインジェクタ11とともにシリンダヘッド6に対して強く固定されることになる。なお、燃料ガイド4の側面には環状溝が形成されてこれにOリング5が嵌め込まれており、燃料ガイド4とシリンダヘッド6の間をシールし、気密を保持する。
【0033】
燃料ガイド4にはインジェクタ11の噴孔201位置に貫通孔が形成されて、噴孔201から燃焼室へと燃料を案内する燃料案内流路401としてある。燃料は燃料ガイド4の下端面42に開口する燃料案内流路401の出口4011から噴射される。
【0034】
また、燃料ガイド4の上端面にはインジェクタバルブボディ22の下端面221よりもやや大径の浅い凹部が形成してあり、その段差は、前記のごとくインジェクタ11がシリンダヘッド6に強く固定された場合にも、凹部の段底面43とインジェクタバルブボディ下端面221の間に間隙が確保される高さに設定される。
【0035】
本燃料供給装置の作動を説明する。燃料ポンプ15の作動で、燃料がインジェクタ11にリリーフ弁16で規定される所定の燃料圧力で供給される。そしてインジェクタ11を開弁すると、燃料が噴孔201から燃料案内流路401を通って吸気通路内に噴射される。
【0036】
このとき、アイシングが考えられるのは、吸気通路の空気に晒される燃料ガイド4の下端面42に開口する燃料案内流路出口4011の近傍である。
【0037】
燃料案内流路出口4011の近傍では、燃料案内流路401を流通する−10°Cから−40°Cの燃料により奪熱されるが、燃料ガイド4は、熱伝導のよいアルミニウム材からなり、そのフランジ部41の下端面411が前記のごとく取り付け穴段面611に密着して、燃料ガイド4とシリンダヘッド6とが一体化していることで、互いに密着する両面411,611において良好に熱が受け渡され、燃料案内流路出口4011と燃料ガイドフランジ部41とが対極に位置していても燃料ガイド4内部で温度勾配が生じにくく、比較的高温のシリンダヘッド6から燃料案内流路出口4011の近傍へ良好に伝熱する。なお、密着する両面411,611は、燃料案内流路出口4011の近傍を含む燃料案内流路401の壁面への熱伝達を規定し、密着する両面411,611の面積の大きさに応じた熱を供給することができることになる。
【0038】
ここで、シリンダヘッド6から熱を受け取る燃料ガイドフランジ部下端面411が取り付け穴段面611と接触する面積を、燃料が燃料ガイド4から奪熱する面積である、燃料ガイド4の凹部段底面43を含む燃料案内流路401の流路内壁面の面積よりも十分に大きく設定しておくことで、上記両面411,611で受け渡されて燃料案内流路401の流路内壁面に供給される熱の方が燃料案内流路401の流路内壁面で燃料に奪熱される熱よりも多くなる傾向を示し、燃料案内流路出口4011の近傍が冷却されすぎず、アイシングを防止することができる。また、前記燃料案内流路401の流路内壁の面積を規定する燃料案内流路401の径は小さい方が燃料による奪熱面積が小さくなって望ましいが、燃料の流通を考慮して設定する必要がある。すなわち、燃料は一部が気化して燃料案内流路401において気液混合状態となっているので、体積が膨張している。したがって、この体積膨張に起因して燃料の流通抵抗が大きくならないように、燃料案内流路401の径を確保するのがよい。インジェクタ11の開弁時間で規定される燃料の噴射量等に影響するおそれがあるからである。発明者らの調査によればφ1〜φ3程度が望ましい。
【0039】
なお、燃料ガイド4では、シリンダヘッド6から燃料案内流路出口4011の近傍が冷却され過ぎないようにする熱輸送がなされるが、インジェクタ11はインシュレータ3を介してシリンダヘッド6に固定され、インシュレータ3は熱伝導率の低いゴム製であるから、インジェクタ11自体はシリンダヘッド6からの伝熱は僅かに抑えられる。これにより、インジェクタ11自体にシリンダヘッド6の有する熱が多量に伝達せず、インジェクタ11内、特にバルブボディ22内の燃料がベーパ化するのを防止することができる。
【0040】
このように、本燃料供給装置によれば、アイシングの防止と燃料のベーパ化の防止とを両立することができ、燃料の調量精度の向上を図ることができる。
【0041】
(第2実施形態)
図3に本発明の燃料供給装置を示す。第1実施形態において、燃料ガイドの構造を変えたもので、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0042】
第1実施形態では燃料ガイドの径はシリンダヘッド6の取り付け穴61の小径部の径よりもやや小さくしているが、燃料ガイド4Aは、取り付け穴61の小径部の径と略同径であり、組付け時には、取り付け穴61の大径部側から小径部に打ち込むことで、シリンダヘッド6に取り付けられる。
【0043】
本実施形態では、燃料ガイド4Aの側面44と取り付け穴61の側面612とが密着するので、シリンダヘッド6と燃料ガイド4Aの間の伝熱面積が増大するとともに、気密保持用のOリング(図1参照)を不要とすることができる。
【0044】
(第3実施形態)
図4に本発明の燃料供給装置を示す。第2実施形態において、燃料案内流路が形成される部分の構造を変えたもので、第2実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0045】
燃料ガイド4Bは、基本的に第2実施形態の燃料ガイドと同じ構造のもので、インジェクタ11の噴孔201位置に形成される貫通孔402が孔径を前記各実施形態よりもやや大きくとってあり、ここに流路部材であるインナーパイプ71が挿入してある。インナーパイプ71は内径がφ1程度で外径が貫通孔402よりもやや小径の筒状部材で、アウターパイプ42よりも低熱伝導材料が望ましい。インナーパイプ71の中は燃料案内流路401としてあり、インナーパイプ71が燃料案内流路401の流路壁の最内周部分となっている。インナーパイプ71の上端部にはフランジ部711が設けてあり、該フランジ部711が燃料ガイド4Bの凹部底面43に形成された凹部431に嵌着されて、インナーパイプ71が燃料ガイド4Bと一体化している。このとき、インナーパイプ71の外周面と燃料ガイド4Bの貫通孔402の側面との間に環状の間隙部403が形成される。
【0046】
本実施形態では、燃料案内流路出口4011の近傍である燃料ガイド4Bの貫通孔402の下端開口部近傍にシリンダヘッド6からの熱が供給されてアイシングを防止するのに加えてつぎの効果を奏する。すなわち、燃料案内流路401がインナーパイプ71内に形成されているので、燃料案内流路401を流通する燃料はインナーパイプ71と接触する。ここで、インナーパイプ71の熱伝導率を低くしているので、燃料案内流路401を流通する燃料による奪熱がさらに抑制され、アイシングをさらに良好に防止することができる。また、燃料による奪熱を抑制することで、シリンダヘッド6から燃料ガイド4Bへ過度に熱を供給する必要がなくなり、燃料のベーパ化をさらに好適に抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、燃料ガイド4Bの貫通孔402の側面とインナーパイプ71の側面との間に環状間隙部403を有している。環状間隙部403は空気の層であり、燃料ガイド4Bの他の部位よりも低熱伝導性の部位となっている。すなわち、その内周側と外周側との間で伝熱を抑制する伝熱障壁となる。これにより、燃料案内流路401の流通燃料により奪熱される部位が、実質的に、燃料案内流路401の流路壁の最内周部分であるインナーパイプ71に制限され、奪熱部位の熱容量がインナーパイプ71に制限された比較的小さなものになる。流通燃料による奪熱量が抑制される。これにより、アイシングをさらに良好に防止することができ、燃料のベーパ化を防止することができる。
【0048】
本実施形態の特徴部分は第1実施形態の構成において適用することもできる。
【0049】
(第4実施形態)
図5に本発明の燃料供給装置を示す。第2実施形態において、燃料ガイドの構造を変えたもので、第2実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0050】
燃料ガイド4Cは第2実施形態の燃料ガイドに、その下端面42側で燃料案内流路出口4011の近傍に、これと同軸に環状の深溝を形成したもので、該深溝により形成される環状間隙部403Aが、第3実施形態の環状間隙部403と同様に、その内周側と外周側との間で伝熱を抑制する伝熱障壁となる。これにより、燃料案内流路401の流通燃料により奪熱される部位が、実質的に、燃料案内流路401の流路壁の最内周部分である、環状間隙部403Aよりも内周の筒状部分421に制限される。前記奪熱部位の熱容量が、筒状部分421に限定された比較的小さなものとなる。これにより、流通燃料による奪熱量が抑制される。また、燃料ガイド4Cの環状間隙部403Aよりも外周部分では良好にシリンダヘッド6からの熱が伝達するから、燃料案内流路出口4011近傍が冷却されすぎるのが回避される。これにより、アイシングをさらに良好に防止することができ、燃料のベーパ化を防止することができる。
【0051】
本実施形態の特徴部分は第1実施形態の構成において適用することもできる。
【0052】
(第5実施形態)
図6に本発明の燃料供給装置を示す。第2実施形態において、燃料ガイドの構造を変えたもので、第2実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0053】
燃料ガイド4Dは第2実施形態の燃料ガイドをやや長くして、下側略半部がシリンダヘッド6の内側の面62から突出せしめてある。
【0054】
シリンダヘッド6の内側の面62から離れるほど吸気の流速が相対的に速いから、燃料ガイド4Dを前記内側の面62から突出せしめることで、燃料案内流路出口4011から噴射された燃料が吸気流に乗って速やかにその下流に流れ、燃料案内流路出口4011から離れる。これにより、噴射された燃料が拡散して燃料案内流路出口4011近傍部に達し該近傍部から奪熱することが抑制される。また、燃料ガイド4Dが突出部分でシリンダ内の吸気流から良好に受熱する。これにより、アイシングをさらに良好に防止することができる。
【0055】
本実施形態の特徴部分は第1、第3、第4実施形態の構成において適用することもできる。
【0056】
(第6実施形態)
図7に本発明の燃料供給装置を示す。第2実施形態において、燃料ガイドの構造を変えるとともに新たな部材を追加したもので、第2実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0057】
燃料ガイド4Eは第2実施形態の燃料ガイドと基本的に同じ構造で、上端面に形成された凹部底面43に、燃料案内流路401の入口4012を囲み環状の溝45が形成され、これにOリング52が装着されている。Oリング52は燃料ガイド凹部底面43およびインジェクタ下端面221の間に挟持されてこれらの面43,221と弾接しており、両面43,221と密着する環状の密着部が燃料案内流路出口4011および噴孔201の周囲に形成される。これにより、噴孔201から噴出した燃料は、Oリング52よりも外周側に流れることなく燃料案内流路入口4012に流入する。したがって、Oリング52よりも外周側で燃料ガイド4Eの凹部底面43が燃料と接しないので、この部分で燃料ガイド4Eが燃料から奪熱されることはない。したがって、燃料ガイド4Eの温度低下が回避されて、アイシングをさらに良好に防止することができる。
【0058】
本実施形態の特徴部分は第1、第3、第4、第5実施形態の構成において適用することもできる。
【0059】
(第7実施形態)
図8(A)、図8(B)に本発明の燃料供給装置を示す。第2実施形態において燃料ガイドの構造を変えたもので、第2実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0060】
燃料ガイド4Fは第2実施形態の燃料ガイドと基本的に同じ構造で、その下端面42に、燃料案内流路出口4011を通り下端面42の周縁に達する十字の浅い溝46を形成したもので、溝46の幅は略燃料案内流路出口4011と同じである。
【0061】
この溝46が、燃料ガイド下端面42で凝結した水を捕捉するので、燃料ガイド下端面42における水の自由な移動が規制され、燃料案内流路出口4011から燃料案内流路401の中に水が侵入するのを抑制することができる。これにより、燃料案内流路401に侵入した水が内燃機関の停止中に凍結して燃料案内流路出口4011を閉塞してしまうのが回避され、低温時における始動性の悪化を防止することができる。
【0062】
本実施形態の特徴部分は第1、第3、第4、第5、第6実施形態の構成において適用することもできる。
【0063】
(第8実施形態)
図9に本発明の燃料供給装置を示す。第1実施形態において燃料ガイドを用いないで実質的に同等の作用を得るようにしたもので、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0064】
インジェクタ11を取り付ける取り付け穴61Aは、前記各実施形態の取り付け穴から小径部を省略して大径部のみとしたものと実質的に同じもので、取り付け穴61の底面63にはインジェクタの先端面221よりもやや大径の凹部が形成されている。また、シリンダヘッド6Aには取り付け穴61Aの下方に前記凹部の段底面631に開口する貫通穴が形成され、燃料案内流路401としてある。
【0065】
インジェクタ11は前記各実施形態と同様にインシュレータ3を介して取り付け穴61Aに保持され、図示しないデリバリパイプ内の燃料圧力によりインジェクタ11の環状段部213で位置決めされたインシュレータ3を挟んで取り付け穴底面63の環状段上面632に押しつけられ、シリンダヘッド6Aに固定される。このときインジェクタ先端面221と取り付け穴凹部段底面631の間にギャップが確保されるように、取り付け穴底面63に形成する凹部の段差が設定される。
【0066】
シリンダヘッド6Aは通常、熱伝導性のよい鋳鉄等を成形したものであるから、シリンダヘッド6Aの一部6aが燃料案内流路401を囲むことで、実質的に第2実施形態の構成と同じ効果を得ることができる。燃料ガイドを必要としないので、部品数が少なくなる。なお、燃料ガイドを用いる前記各実施形態の構成では燃料ガイドの材料の選択により熱伝導性を制御することができ、燃料案内流路をシリンダヘッドとは別の部品に形成するので、製造が容易であり、適宜、要求される仕様により、いずれの構成を採るかを決めればよい。
【0067】
(第9実施形態)
図10に本発明の燃料供給装置を示す。前記各実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。インジェクタ11Aは、ハウジング21の下端にバルブ25が配設されたバルブボディ22Aが結合してなり、バルブボディ22Aの下端面には噴孔201が貫通する噴孔板23が取り付けられている。
【0068】
インジェクタ11Aの先端側にはインナーアダプタ72とアウターアダプタ4Gとが設けてある。インナーアダプタ72、アウターアダプタ4Gは例えばアルミニウム材からなる。インナーアダプタ72はインジェクタ先端部であるバルブボディ22Aに嵌着されてこれを覆う蓋部721と、その下端面より突出する筒状部722とからなる。蓋部721はバルブボディ22Aに圧入して結合し、蓋部721とバルブボディ22Aの密着部は液密が保持されている。筒状部722は両端開口のもので、インナーアダプタ72がバルブボディ22Aに嵌着されたとき、インジェクタ先端面である噴孔板23の下端面231に開口する噴孔201直下に位置し、筒状部722内は噴孔201と連通して、噴孔201から噴射された燃料を吸気通路へと案内する燃料案内流路401となる。
【0069】
アウターアダプタ4Gは、前記各実施形態の燃料ガイドと同様に、取り付け穴61の下側小径半部よりもやや小径の円形部材で、アウターアダプタ4Gの上端面にはインナーアダプタ72よりもやや大径の穴47が形成されており、アウターアダプタ4Gに対しインジェクタ側端部であるその上端部4aにてインナーアダプタ72が挿入されている。実質的にインジェクタ11Aとは接触しない。また、アウターアダプタ4Gにはインナーアダプタ筒状部722が挿通する貫通孔402Aが形成してある。貫通孔402Aはインナーアダプタ筒状部722よりもやや大径で、インナーアダプタ筒状部722の側面と貫通孔402Aの壁面の間には環状の僅かな間隙部403Bが形成されている。また、インナーアダプタ蓋部721の下端面とアウターアダプタ4Gの穴47の底面471の間に隙間が確保されている。
【0070】
アウターアダプタ4Gはまた、上端部にフランジ部41を有しており、フランジ部41の下側の環状の面411は取り付け穴61の段面611と当接している。インシュレータ3はインナーアダプタフランジ部7211とアウターアダプタフランジ部41との間に挟持されるとともに、外周面が取り付け穴61の側面と密着している。
【0071】
そして、図示しないデリバリパイプからインジェクタ11A内に供給される燃料の圧力により、アウターアダプタフランジ部41は取り付け穴611の段面に密着し、シリンダヘッド6からアウターアダプタ4Gに良好に熱伝達する。
【0072】
アウターアダプタの4Gの外径を取り付け穴61の下側小径半部よりもやや小径としているので、実質的に、シリンダヘッド6から熱を受け取るアウターアダプタ4Gの伝熱部位がフランジ部41に制限される。アウターアダプタフランジ部41と取り付け穴段面611との間の接触面積によりシリンダヘッド6からの伝熱量を調整し、インナーアダプタ72に伝熱する量を抑制している。
【0073】
また、本実施形態ではアウターアダプタ4Gがインナーアダプタ72と非接触であり、またインジェクタ11Aとの間には断熱性部材であるインシュレータ3が介設されている。したがって、シリンダヘッド6からインナーアダプタ72への伝熱はインナーアダプタ筒状部722の外周からのみなされることになる。
【0074】
本実施形態ではアウターアダプタ4Gが燃料案内流路401を囲み、シリンダヘッド6からアウターアダプタ4Gに伝達される熱により、燃料案内流路出口4011の近傍である貫通穴402Aの周縁部が冷却され過ぎるのを抑制することができる。また、インナーアダプタ筒状部722とアウターアダプタ4Gとの間には僅かな環状間隙部が形成されて、燃料案内流路401を流通する燃料による奪熱部位が、燃料案内流路401の流路壁の最内周部分であるインナーアダプタ筒状部722に制限され、流通燃料による奪熱量が抑制される。これにより、アイシングを良好に防止することができ、燃料のベーパ化を防止することができる。
【0075】
また、インナーアダプタ72とアウターアダプタ4Gが一体なので、噴孔201と燃料案内流路401の位置関係が一定している。例えば前記第1実施形態等の構造では、燃料案内流路401のうち、燃料ガイド4とバルブボディ22の間が、第6実施形態で指摘したようにデッドボリュームとなっており、燃料案内流路壁面から燃料への伝熱の増大を招く。ここで燃料ガイド4とバルブボディ22の間を狭くすればデッドボリュームを減らせるが、そうすると、インシュレータ3が経年変化で上下方向に縮むと(へたると)バルブボディ22が燃料ガイド4に接触して燃料ガイド4からバルブボディ22への熱伝達量が急激に増大し、バルブボディ22内の燃料がベーパ化してしまう。このように、デッドボリュームの削減と、燃料ガイド4とバルブボディ4との間の接触回避とはトレードオフの関係になっている。
【0076】
本実施形態では、燃料案内流路401が形成されるインナーアダプタ72がインジェクタ11Aと一体化しているので、デッドボリュームが変化することはない。一方、アウターアダプタ4Gの穴47の深さはインナーアダプタ72との接触マージンを規定するが、デッドボリュームの大きさとは無関係なので、インシュレータ3のへたりを考慮して相当程度深くすることができる。これにより、燃料案内流路壁面から燃料への伝熱の抑制と、噴孔201形成面と燃料ガイド(本実施形態ではアウターアダプタ)との間の接触の回避とを両立することができる。
【0077】
また、前記挿入量およびインナーアダプタ筒状部722の長さ等は、インナーアダプタ筒状部722の下端面がインシュレータ3がへたった場合でもアウターアダプタ4Gの下端面から下方に突出しないように設定され、組付け時には、インナーアダプタ筒状部722の下端面はアウターアダプタ4Gの下端面よりも貫通穴402Aの奥側に後退した位置にある。インナーアダプタ筒状部722がアウターアダプタ4Gの下端面から突出すると、突出部においてアイシングが生じるおそれがあるからである。
【0078】
また、噴孔201と燃料案内流路401の位置関係が一定しているから、組付け時にインジェクタ11Aとアウターアダプタ4Gとが位置ずれしていても、噴射特性が一定する。
【0079】
また、インシュレータ3のへたりに対して余裕があるので、インシュレータ3の材料選択が増えるとともに、インシュレータ3の交換時期についても長くとることができる。
【0080】
(第10実施形態)
図11に本発明の燃料供給装置を示す。液化燃料ガスを燃料に用いる内燃機関では、インジェクタ内の燃料のベーパ化を防止するため燃料の熱容量に着目し、燃料供給装置を、インジェクタの略全体がデリバリパイプ内に位置するサイドフィードの構成とし、循環燃料によりインジェクタを冷却するようにしたものがある。本実施形態は、本発明をかかるサイドフィードの燃料供給装置に適用したものである。前記各実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付し、前記各実施形態との相違点を中心に説明する。
【0081】
デリバリパイプ131Aには、気筒配置方向に伸びるパイプ本体1311を横切りシリンダヘッド6側に突出する両端開口の筒状の取り付け部1312が各気筒に対応して1つずつ設けてあり、これにインジェクタ11Bが挿入してある。インジェクタ11Bは、取り付け部1312との間をシールするOリング531,532を介して取り付け部1312に保持され、取り付け部1312の両端開口部を塞いでいる。インジェクタ11B内には、パイプ本体1311内を流通する燃料が図示しない供給口から供給されるようになっている。
【0082】
Oリング531,532を介してインジェクタ11Bと結合する前記取り付け部1312は実質的にインジェクタ11Bの一部をなし、その外周に設けられたインシュレータ3を介してシリンダヘッド6を貫通する取り付け穴61に保持されている。
【0083】
インジェクタ11Bの先端側にはアウターアダプタ4Hとインナーアダプタ73とが設けてある。アウターアダプタ4Hは例えばアルミニウム材からなり、インナーアダプタ73はアウターアダプタ4Hよりも熱伝導率の低い合成樹脂製である。インナーアダプタ73は下端部が細くなった段付きの棒状体で、インジェクタ先端部であるバルブボディ22Aの下端面に形成された凹部222に嵌入してある。インナーアダプタ73の内部には中心を通る燃料案内流路401が形成され、凹部222の段底面に開口する噴孔201からの燃料を案内するようになっている。本実施形態でも燃料案内流路401が形成されるインナーアダプタ73がインジェクタ11Bと一体的に設けられているので、インシュレータ3のへたり等でアウターアダプタ4Hとインナーアダプタ73との相対位置が変化しても、燃料案内流路401は形状および噴孔201との相対位置が一定している。
【0084】
アウターアダプタ4Hは基本的な全体形状が第1実施形態の燃料ガイドと同じもので、上端のフランジ部41がインシュレータ3の下端面と取り付け穴61の段面611との間に挟持ざれている。インシュレータ3の上端面はデリバリパイプ取り付け部1312の段面と当接しており、デリバリパイプ131Aによる押し付け荷重により、インシュレータ3を介してアウターアダプタフランジ部41が取り付け穴段面611に押し付けられ、アウターアダプタ4Hとシリンダヘッド6との間で良好に伝熱する。
【0085】
アウターアダプタ4Hにはインナーアダプタ73の小径下端部731が挿通する貫通孔402Bが形成されて、アウターアダプタ4Hが燃料案内流路401を囲んでいる。また、貫通孔402Bはインナーアダプタ小径下端部731よりもやや大径で、インナーアダプタ小径下端部731の側面と貫通孔402Bの壁面の間には僅かな間隙部403Cが形成されている。
【0086】
かかる構成によっても、シリンダヘッド6からの伝熱作用により、燃料案内流路出口4011に近接する、アウターアダプタ4Hの貫通孔402Bの周縁部が冷却されすぎず、また、燃料案内流路401の流路壁の最内周部であるインナーアダプタ下端部731を金属等に比して低熱伝導性の合成樹脂で構成するとともに、インナーアダプタ下端部731とアウターアダプタ4Hの間に前記間隙部403Cを設けることで、燃料による奪熱を抑制することができる。これにより、アイシングを良好に防止することができる。
【0087】
なお、インナーアダプタ731はアウターアダプタ4Hと接触しないので、アウターアダプタ4Hと同種金属等の材料でも略同等の伝熱抑制効果を得ることができる。
【0088】
また、気筒数や燃料性状等、装置の構成は上記実施形態に記載のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限り任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図2】上記内燃機関の燃料供給装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第6の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図8】(A)は本発明の第7の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図であり、(B)は(A)におけるX矢視図である。
【図9】本発明の第8の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第9の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第10の内燃機関の燃料供給装置を構成するインジェクタのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11,11A,11B インジェクタ
12 LPGタンク
13 送出管路
131,131A デリバリパイプ
1312 取り付け部
14 回収管路
15 ポンプ部
16 リリーフ弁
201 噴孔
21 ハウジング
22,22A バルブボディ
221 バルブボディ下端面(インジェクタ先端面)
23 噴孔板
231 噴孔板下端面(インジェクタ先端面)
3 インシュレータ(保持部材)
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F 燃料ガイド(熱伝導性部材)
4G,4H アウターアダプタ(熱伝導性部材)
4a 上端部(インジェクタ側端部)
41 フランジ部
411 下端面
43 燃料ガイド凹段底面(熱伝導性部材後端面)
401 燃料案内流路
402,402A,402B 貫通孔
403,403A,403B,403C 環状間隙部
45 Oリング
46 溝
6,6A シリンダヘッド(隔壁)
6a 一部
61 取り付け穴
611 段面
71 インナーパイプ(流路部材)
72 インナーアダプタ(流路部材)
721 蓋部
722 筒状部
73 インナーアダプタ(流路部材)
731 下端部

Claims (8)

  1. 吸気が内側を流れる隔壁にインジェクタの取り付け穴を形成して該取り付け穴にインジェクタを保持せしめ、インジェクタの先端面に開口する噴孔から隔壁の内側に前記吸気と混合気を形成する燃料を供給する内燃機関の燃料供給装置において、
    前記燃料を液化燃料ガスとし、
    インジェクタを断熱性材料で構成された保持部材を介して前記取り付け穴に保持せしめ、
    インジェクタの噴孔から液相状態で噴射された燃料を前記隔壁の内側へ案内する燃料案内流路を設け、
    該燃料案内流路を、その形成位置に前記隔壁の内側に達する貫通孔が形成されて前記燃料案内流路を包囲し前記隔壁からの熱を伝達する隔壁の一部、若しくは隔壁と当接させて配置した熱伝導性部材にて形成し、
    かつ、燃料案内流路の壁面の面積を、前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材から燃料案内流路壁面への伝熱を規定する部位の伝熱面積よりも小さく設定して、前記燃料案内流路の出口近傍へ熱供給する構成としたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料案内流路の外周に、該燃料案内流路に近接して低熱伝導性の部位を設けた内燃機関の燃料供給装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材に貫通孔を形成し、
    該貫通孔に、前記燃料案内流路の流路壁の最内周部を構成する筒状の部材を挿入して前記低熱伝導性の部位とした内燃機関の燃料供給装置。
  4. 請求項2記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料案内流路の流路壁の最内周部の外周に環状間隙を形成して前記低熱伝導性の部位とした内燃機関の燃料供給装置。
  5. 請求項1または2いずれか記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記噴孔が開口するインジェクタの先端面と、前記貫通穴が開口する前記取り付け穴の底面または前記熱伝導性部材の後端面の間にOリングを設けて前記噴孔から燃料案内流路へと流れる燃料がOリングの外周に流出しないようにした内燃機関の燃料供給装置。
  6. 請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記隔壁を前記取り付け穴が貫通する構造とし、
    前記インジェクタの先端側で前記取り付け穴を前記熱伝導性部材により塞ぎ、
    インジェクタ先端部と一体的に結合されるとともに、噴孔との対向位置に内部を前記燃料案内流路とした筒状部が突出してなる流路部材を設け、
    前記熱伝導性部材と流路部材との間に間隙部を形成した内燃機関の燃料供給装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料案内流路の出口が開口する前記隔壁の一部若しくは前記熱伝導性部材の面に、溝状の凹部を形成した内燃機関の燃料供給装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記隔壁の一部または前記熱伝導性部材を前記隔壁の内側に突出せしめた内燃機関の燃料供給装置。
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