JP3883462B2 - 光デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に使用される光デバイスに関する。特に、光分岐器、光フィルター、WDM用光送受信モジュール、光誘導器、曲げ導波路、光偏向器等の光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光デバイスであるY分岐導波路を利用した光分岐器の例を図17に示す。入力側光ファイバー181を介して、光導波路構造のY分岐器184に光が入射され、Y形状のコア186中を伝搬した光は、出力側光ファイバー182および183にそれぞれ分岐される。Y分岐器184は、基板185上に、Y形状のコア186を形成して構成されている。
【0003】
従来の光デバイスでは、入力側光ファイバー181および出力側光ファイバー182、183と光導波路構造のY分岐器184間で光が結合されるようにするためには、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが必要で、アセンブリに熟練を要するという問題がある。その上、Y分岐器184の分離角度はせいぜい4°程度なので、Y分岐器184長を短くしすぎると、十分に光が分岐できず、そのため、小型化することができないという問題もある。
【0004】
また、従来のWDM送受信モジュールについて、図18を用いて説明する。光導波路と多層膜フィルターを利用してWDM送受信モジュールを構成している。
【0005】
基板191上には、光導波路197と、1.3μmのフォトダイオード193と、1.55μmのレーザーダイオード194と、1.55μmのフォトダイオード195と、光ファイバー192が設置されている。
【0006】
光導波路197は、クラッド197d、第1コア197a、第2コア197b、第3コア197c、1.3/1.55μmWDM誘電体多層膜フィルター198を備えている。クラッド197d上に、第1コア197a、第2コア197bおよび第3コア197cによってY形状のコアが形成され、それらを分割するように1.3/1.55μmWDM誘電体多層膜フィルター198が形成されている。
【0007】
第1コア197aと結合するように、1.3μmのフォトダイオード193が基板191上に設置されている。また、第2コア197bと結合するように、光ファイバー192が基板191に形成されたV溝196に固定設置されている。さらに、第3コア197cと結合するように、1.55μmのレーザーダイオード194と1.55μmのフォトダイオード195が基板191上に設置されている。
【0008】
光ファイバー192から1.3/1.55μmWDMの信号光が第2コア197bに入射されると、多層膜フィルター198で信号光は分離され、第1コア197aには波長1.3μmの光が、第3コア197cには、波長1.55μmの光が伝搬する。第1コア197aを伝搬した光は、1.3μmのフォトダイオード193で受信される。同様に、第3コア197cを伝搬した光は、1.55μmのフォトダイオード195で受信される。また、1.55μmのレーザダイオード194から出射された信号光は、第3コア197cを伝搬し、多層膜フィルター198で第2コア197bに導かれ、光ファイバ192に送られる。矢印199aは波長1.3μmの光の伝搬方向を、矢印199bは波長1.55μmの光の伝搬方向を示している。
【0009】
このように、WDM送受信モジュールを使用することにより波長1.55μmの光で双方向通信を、波長1.3μmの光で受信のみの通信を行うことができる。
【0010】
しかし、従来のWDM送受信モジュールは、Y形状のコアを有する光導波路197と波長分離のための多層膜フィルター198とが必要であり、部品点数が多く、低価格化が困難であるという問題がある。
【0011】
以上の問題を解決するために、分岐器および光フィルター等の光デバイスをフォトニック結晶を用いて構成することが、近年注目されている。例えば、2次元三角格子のフォトニック結晶を利用した波長分波回路が特開平11−271541号公報に開示されている。
【0012】
なお、この明細書において、「フォトニック結晶」とは光の波長程度の周期性を持つ人工的な多次元周期構造体を意味する。
【0013】
図19は、特開平11−271541号公報に開示されているフォトニック結晶を用いた波長分波回路の構造を示す図である。屈折率の異なる材料を周期的に配列することにより、通常の光学結晶にない強い偏向の波長分散特性を作り出し、波長偏向制御を行っている。波長分波回路は、具体的には、図19(a)に示すように、背景媒質203に原子媒質204を2次元三角配置状に埋め込んだ構造を持つ基板200の上下を第1クラッド201および第2クラッド202で挟まれて構成されている。図19(b)に示すように、光信号の入射面208は光信号の入射方向207に対して一定の角度で傾いており、出射面209からは信号が出力される。原子媒質204の隣接間隔は光信号の波長に合わせて設計してあり、基板200の厚さは光信号が基板200内に十分閉じ込められ、かつ、光の進行方向が基板200面から大きく逸脱しないように設計されている。
【0014】
前述の2次元三角格子の構造とされたフォトニック結晶は、格子ベクトルと逆格子ベクトルが一致する構造である。このような構造のフォトニック結晶において、格子ベクトル方向に光を入射させても強い偏向の波長分散特性を得ることができない。強い偏向分散特性を得るためには、フォトニック結晶への光の入射面を格子ベクトルに対して非垂直にするか、格子ベクトル方向に垂直な入射面に対して傾けて光を入射させる必要がある。図19(b)において、入射面208が光信号の入射方向207に対して一定の角度で傾いていたのはこのためである。
【0015】
基本格子ベクトル(a1,a2)と基本逆格子ベクトル(b1,b2)の関係について説明する。図20は、格子とブリルアンゾーンの関係を示している。図20(a)は正方格子を、図20(b)は三角格子を示している。また、図20において、上段は格子空間を、下段は逆格子空間を示している。211は格子を形成しいている原子媒質であり、212は、ブリルアンゾーンである。これら2つは、対称性の高い構造(例えば、基本格子ベクトル同士の90°以下の内角が、45°、60°、90°等の構造)である。図20(a)および図20(b)に示す、正方格子および三角格子における、ブリルアンゾーンの重要な対称点は、それぞれ、(X,M)と(M,K)の2点である。このような構造であれば、基本格子ベクトル(a1,a2)方向への入射光は、ブリルアンゾーンの重要な対称点方向と一致するため、偏向特性を示さない。
【0016】
一方、図20(c)に示すような、対称性の低い斜交格子の場合、例えば、格子ベクトル(a1,a2)同士の内角θが60°よりも大きく90°よりも小さい値である場合は、ブリルアンゾーンの重要な対称点は、(H1,H2,H3)の3点となる。このような場合は、基本格子ベクトル(a1,a2)方向の入射光は、ブリルアンゾーンの重要な対称点方向と一致しないため、偏向分散を示す。したがって、基本格子ベクトル(a1,a2)に対して垂直な入射面に垂直入射させても強い偏向分散特性を起こす。
【0017】
なお、特開平11−271541号公報に三角格子以外に正方格子など他の格子配列に関しての記載があるが、他の格子配列の場合にはブリルアンゾーンと格子ベクトルの関係で複雑に光学系も変化するので、正方格子のような高対称性格子以外は三角格子と同様の光学系では有用な偏向分散特性は得られない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、対称性の高い構造のフォトニック結晶を用いて、図17に示す分岐器184、および図18に示すWDM送受信モジュールを構成する多層膜フィルター198を形成する場合には、フォトニック結晶の入射面を基本格子ベクトル(a1,a2)に対して非垂直にするか、基本格子ベクトル(a1,a2)に垂直な入射面に対して傾けて光を入射させる必要がある。
【0019】
そのため、このような対称性の高い構造のフォトニック結晶で光デバイスを形成するには、フォトニック結晶作製時の加工精度に、さらに高度な光学系の入射角精度が必要となる。そのため、対称性の高い構造のフォトニック結晶を用いての、モジュール化は難しい。
【0020】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、複雑な光学系、高度なY形状の導波路形成、多層膜フィルターを必要とせず、簡単で部品点数の少ない光学系で小型化できる光デバイスを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光デバイスは、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有するフォトニック結晶を備えている。それにより、強い偏向分散特性を有する光デバイスを実現できる。
【0022】
また、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入射部を備えることとしてもよい。
【0023】
また、前記フォトニック結晶は、基本格子ベクトル方向に対して垂直な入射面を有し、前記入射部は、前記入射面に対して垂直に光を入射するように設置してもよい。
【0024】
また、前記フォトニック結晶は、複数の基本格子ベクトルの内、少なくとも一組の異なる2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方の角度を60°よりも大きく90°よりも小さい値としてもよい。
【0025】
また、本発明の他の光デバイスは、第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、前記第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、前記第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有するフォトニック結晶を備える。それにより、対称性の低いフォトニック結晶を用いているので強い偏向分散特性を持つ光デバイスが実現できる。
【0026】
また、本発明の他の光デバイスは、第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶を備える。それにより、複数の柱状物質同士が、干渉することなく、周期性を持つ配列とすることができるので、強い偏向分散特性を有する光デバイスが実現できる。
【0027】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶は、スラブ状であって、前記フォトニック結晶の第1物質の屈折率よりも低い屈折率を有する、第1のクラッドおよび第2のクラッドとを備え、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドがそれぞれ、前記スラブ状のフォトニック結晶の膜厚方向の両側の面に接するように配置すればよい。それにより、フォトニック結晶中を伝搬する光が漏れない光デバイスを実現できる。
【0028】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入射部を備えることとする。それにより、所定の波長の光を、大きな角度で偏向させることができ、容易に、光デバイスが形成できる。
【0029】
また、前記フォトニック結晶は、基本格子ベクトル方向に対して垂直な入射面を有し、前記入射部は、前記入射面に対して垂直に光を入射させるよう設置すればよい。
【0030】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、使用する光源の波長の0.4〜0.6の大きさとなるようにする。それにより、高い偏向分散特性が得られる。
【0031】
また、前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5としてもよい。
【0032】
また、前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1としてもよい。
【0033】
また、第1物質の屈折率と柱状の物質の屈折率の差が1.0以上であることとしてもよい。
【0034】
また、第1物質は樹脂材料で、柱状物質は空気とすればよい。
【0035】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光導波路と、前記フォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光導波路および第2の出力側光導波路とを備えてもよい。それにより、光フィルターが形成される。そのため、容易に、低コストで、小型化が可能な、複数の光から所望の波長の光を分離することができる光フィルターを実現できる。
【0036】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光ファイバーと、前記フォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーと、前記入力側光ファイバー、前記第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーをそれぞれ位置決めする溝を備えてもよい。それにより、光ファイバーを用いていても、簡単に、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングを行うことができる光フィルターが実現できる。
【0037】
また、前記第1の出力側光ファイバーは前記入力側光ファイバーと光軸がほぼ一致し、前記第2の出力側光ファイバーの光軸と前記入力側光ファイバーの光軸とは異なることとしてもよい。
【0038】
また、前記第2の出力側光ファイバーの光軸と前記入力側光ファイバーの光軸との距離は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向の長さに比例していることとしてもよい。
【0039】
また、前記溝を有する基板を備え、前記基板は、前記フォトニック結晶と一体化することとしてもよい。
【0040】
また、前記溝は、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドに備えられていることとしてもよい。
【0041】
また、好ましくは、第1の波長の光および第2の波長の光を伝搬させ得る光ファイバーと、前記第1の波長の光を受信する第1の受光部と、前記第1の波長の光を発信する発光部と、前記第2の波長の光を受信する第2の受光部と、前記光ファイバーと前記第1の受光部と前記発光部と前記第2の受光部とを平面上に固定する基板とを備え、前記光ファイバーは、前記フォトニック結晶の一端に設置され、前記光ファイバーの光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向と平行とし、前記第1受光部および発光部は、前記フォトニック結晶の他端に、前記光ファイバーの光軸と同一直線状に配置され、前記第2の受光部は、前記フォトニック結晶の他端に設置される。それにより、WDM送受信モジュールが形成される。そのため、容易に低コストで、小型化が可能な、WDMモジュールを実現できる。
【0042】
また、第1の波長の光および第2の波長の光を伝搬させ得る光ファイバーと、前記第1の波長の光を受信する第1の受光部と、前記第2の波長の光を発信する発光部と、前記第2の波長の光を受信する第2の受光部と、前記光ファイバーと前記第1の受光部と前記発光部と前記第2の受光部とを平面上に固定する基板とを備え、前記光ファイバーは、前記フォトニック結晶の一端に設置され、前記光ファイバーの光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向と平行とし、前記第1受光部は、前記フォトニック結晶の他端に、前記光ファイバーの光軸と同一直線状に配置され、前記第2の受光部および前記発光部は、前記フォトニック結晶の他端に設置されていることとしてもよい。
【0043】
また、好ましくは、前記フォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、前記第2の波長の0.4〜0.6の大きさとなるようにする。それにより、高い偏向分散特性が得られる。
【0044】
また、前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5としてもよい。
【0045】
また、前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1としてもよい。
【0046】
また、第1物質の屈折率と柱状の物質の屈折率の差が1.0以上であることとしてもよい。
【0047】
また、第1物質は樹脂材料で、柱状物質は空気とすればよい。
【0048】
また、本発明の他の光デバイスは、第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、前記第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶が2種類用意され、前記2種類のフォトニック結晶のそれぞれの基本格子ベクトルが同一の方向となるように接合されている複合フォトニック結晶を備えている。それにより、分岐角度が大きい光分岐器を形成することができる。そのため、低コストで、小型の光分岐器が実現できる。
【0049】
また、好ましくは、前記複合フォトニック結晶は、スラブ状であって、前記複合フォトニック結晶の前記2種類フォトニック結晶の第1物質の屈折率よりも低い屈折率を有する、第1のクラッドおよび第2のクラッドとを備え、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドがそれぞれ、前記複合フォトニック結晶の膜厚方向の両側の面に接するように配置されている。それにより、フォトニック結晶中を伝搬する光が漏れない光デバイスを実現できる。
【0050】
また、前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトルの内、同一方向でない基本格子ベクトルは、前記2種類のフォトニック結晶の接合面に対して線対称になっているようにしてもよい。
【0051】
また、好ましくは、前記2種類のフォトニック結晶の両方の2次元格子の格子定数が、使用する光源の波長の0.4〜0.6の大きさとなるようにする。それにより、高い偏向分散特性が得られる。
【0052】
また、前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5としてもよい。
【0053】
また、前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1としてもよい。
【0054】
また、第1物質の屈折率と柱状の物質の屈折率の差が1.0以上であることとしてもよい。
【0055】
また、第1物質は樹脂材料で、柱状物質は空気とすればよい。
【0056】
また、前記複合フォトニック結晶の接合部に、前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光導波路と、前記複合フォトニック結晶の片方のフォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光導波路と、前記複合フォトニック結晶の他方のフォトニック結晶からの出力を受光する第2の出力側光導波路とを備え、前記入力側光導波路は、前記複合フォトニック結晶の一端に設置され、前記第1の出力側光導波路および前記第2の出力側光導波路は、前記複合フォトニック結晶の他端に設置されていることとしてもよい。
【0057】
また、好ましくは、前記複合フォトニック結晶の接合部に、前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光ファイバーと、前記複合フォトニック結晶の片方のフォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光ファイバーと、前記複合フォトニック結晶の他方のフォトニック結晶からの出力を受光する第2の出力側光ファイバーと前記入力側光ファイバー、前記第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーをそれぞれ位置決めする溝を備え、前記入力側光ファイバーは、前記複合フォトニック結晶の一端に設置され、前記第1の出力側光ファイバーおよび前記第2の出力側光ファイバーは、前記複合フォトニック結晶の他端に設置される。それにより、光ファイバーを用いて、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが不要な光分岐器が実現できる。
【0058】
また、前記溝を有する基板を備え、前記基板は、前記複合フォトニック結晶と一体化されていることとしてもよい。
【0059】
また、前記溝は、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドに備えられていることとしてもよい。
【0060】
また、好ましくは、前記複合フォトニック結晶を並列に複数個備えた並列複合フォトニック結晶を多段で縦列させる。それにより、2つに分岐するだけでなく、さらに複数の分岐が可能な分岐器を形成することができる。
【0061】
また、本発明の他の光デバイスは、第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、前記第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶を複数と、入力側光導波路と出力側光導波路と、前記複数のフォトニック結晶と、前記入力側光導波路と、前記出力側光導波路とが設置されている基板とを備え、前記複数のフォトニック結晶同士は、基本ベクトル方向に縦列に接合され、隣接するフォトニック結晶で偏向された出射光が、基本格子ベクトル方向であるように各フォトニック結晶同士は設置され、両端に位置する各フォトニック結晶には、入力側光導波路および出力側光導波路が接合されている。それにより、入射光の進行方向を変化させて出射することができる光偏光器を容易に形成することができる。
【0062】
また、好ましくは、前記複数のフォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさとなるようにする。それにより、高い偏向分散特性が得られる。
【0063】
また、前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5としてもよい。
【0064】
また、前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1としてもよい。
【0065】
また、前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上であることとしてもよい。
【0066】
また、前記第1物質は樹脂材料で、前記柱状物質は空気とすればよい。
【0067】
また、各前記複数のフォトニック結晶中の光の伝搬距離が等しくなるように前記複数のフォトニック結晶の寸法と形状と位置を決められていることとしてもよい。
【0068】
また、前記入力側光導波路からの入射光と前記出力側光導波路からの出射光とがなす角度が、各前記複数のフォトニック結晶中ごとに光が偏向する角度のすべての和と同一であることとしてもよい。
【0069】
また、本発明の他の光デバイスは、中心軸がそれぞれ平行であって、一定の周期性を持つ柱状の突起物を有する金型が用意され、基板上に形成されたスラブ状の第1物質に対し、前記金型を前記第1物質の膜厚方向にプレスした後、前記金型を前記スラブから離型して柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有する。それにより、容易にフォトニック結晶を形成することができる。
【0070】
また、本発明の他の光デバイスは、基板上に形成したスラブ状の第1物質に、一定の周期性を持つマスクを形成した後、前記マスクの露出部分をエッチングすることで柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有する。それにより、容易にフォトニック結晶を形成することができる。
【0071】
また、本発明の他の光デバイスは、基板上に形成したスラブ状の第1物質に、一定の周期性を持つマスクを形成した後、イオンビームを照射して前記マスクの露出部分にトラック部を形成し、アルカリ溶液に浸漬して前記トラック部を侵食してエッチングすることで柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有する。それにより、容易にフォトニック結晶を形成することができる。
【0072】
また、前記第1物質は、流動性を有する材料を、前記基板上に塗布して、さらに均一に拡散させて前記材料の膜厚を調整した後、前記材料を硬化させることで形成してもよい。
【0073】
また、好ましくは、前記第1物質に設けられた前記柱状の穴に前記第1物質とは異なる屈折率を有する物質が充填されている。それにより、容易に、フォトニック結晶の特性を変化させることができる。
【0074】
また、本発明の他の光デバイスは、基板上に一定の周期を持つ凸部分を形成し、前記凸部分同士の間に、流動性を有する材料を塗布して、前記材料を前記基板上に拡散させて膜厚を調整してから、前記材料を硬化させた後に、前記凸部分を除去することで形成された柱状の穴に、前記材料と異なる屈折率を有する物質が充填されているフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有する。それにより、容易にフォトニック結晶を形成することができる。
【0075】
また、本発明の他の光デバイスは、水平面は、積層方向に垂直な方向とし、前記水平面から傾いた積層面上に、平行方向に1次元または2次元の構造で一定の周期パターンを形成した基板を有し、前記基板上に2種類以上の屈折率の異なる材料が交互に積層された2次元周期積層構造を有するフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有する。それにより、容易にフォトニック結晶を形成することができる。
【0076】
また、好ましくは、前記水平面に対する前記積層面の傾きが5〜25°である。それにより、対称性の低いフォトニック結晶が容易に形成できる。
【0077】
また、本発明の他の光デバイスは、2次元格子の2個の基本格子ベクトル間の90°以下のなす角度が60°よりも大きく90°よりも小さい値であるように1次元または2次元の構造の一定の周期パターンが形成された基板を有し、前記基板上に2種類以上の屈折率の異なる材料が交互に積層された2次元または3次元周期積層構造を有するフォトニック結晶を備える。それにより、容易に対称性の低いフォトニック結晶を形成することができる。
【0078】
また、好ましくは、前記一定の周期パターンの周期が使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさである。それにより、偏向分散特性の大きなフォトニック結晶を形成することができる。
【0079】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる光デバイスについて、図1を用いて説明する。実施の形態1における光デバイスは、光分岐器である。入力側光ファイバ1が、複合フォトニック結晶4の片側と結合するように設置され、複合フォトニック結晶4の反対側には、出力側光ファイバ2および3が結合するように設置されている。複合フォトニック結晶4は、二種類のフォトニック結晶5、6が、接合面7で接合されて構成されている。
【0080】
フォトニック結晶5、6は、2次元構造であって、第1物質9に円柱状の柱状物質10が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質10の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質9はSiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質10は空気とする。柱状物質10の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6が好ましい。この値であれば、偏向分散特性が顕著に現れる。柱状物質10の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。このように、フォトニック結晶は、SiO2基板に、穴を空けるだけで容易に作成することができる。
【0081】
フォトニック結晶5は、対称性の低い斜交格子である。フォトニック結晶5の基本格子ベクトルa1は、入力側光ファイバー1の光軸と平行であって、柱状物質10の配置を表わす基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であることが好ましい。
【0082】
また、フォトニック結晶6の基本格子ベクトルa1も、入力側光ファイバー1の光軸と平行であって、格子構造は、接合面7に対して、フォトニック結晶5の格子と対称となっている。したがって、フォトニック結晶6の基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ2は、90°よりも大きく120°よりも小さい値となる。
【0083】
入力側光ファイバー1の光軸は、接合面7に含まれる位置とされ、各出力側光ファイバー2および3は、各フォトニック結晶5および6の所定の位置で出力光と結合するように設置されている。
【0084】
なお、複合フォトニック結晶4と入力側光ファイバー1の接合面は、フォトニック結晶5、6の基本格子ベクトルa1と垂直である。
【0085】
入力側光ファイバー1から複合フォトニック結晶4に光が入射されると、その出力は、半分ずつ2つのフォトニック結晶5、6に入力される。フォトニック結晶5、6のような斜交格子の基本格子ベクトル方向に所定の波長の光が入射された場合には、その光は偏向する。なお、第1物質9と柱状物質10の種類、格子定数a、柱状物質10の半径r、基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1等の値を変化させることで、その偏向角度および偏向する光の波長は制御できる。
【0086】
例えば、基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1が60°よりも大きく90°よりも小さい値である、対称性が低い格子構造のフォトニック結晶の基本格子ベクトルa1方向に入射光を入射させれば、入射光を偏向させることができることは確認されている。
【0087】
実施の形態1では、入力側光ファイバー1からの入射光が、フォトニック結晶5では、偏向方向8aで示す方向に、偏向するような条件とした。フォトニック結晶6は、フォトニック結晶5と接合面7で対称な格子構造としたので、入射光は、偏向方向8aと接合面7に対して対称となる偏向方向8bで示す方向に偏向する。偏向して進むこれらの光が、複合フォトニック結晶4の出力側の端面に達する箇所に出力側光ファイバー2、3を接合しておけば、分岐した光を出力側光ファイバー2、3に導くことができる。
【0088】
なお、入力側光ファイバー1の光軸を、接合面7からずらして、フォトニック結晶5、6のどちらかよりの位置に設置することで、フォトニック結晶5、6への分岐出力を変化させ、出力側光ファイバー2、3への光の出力を制御することができる。例えば、光軸をフォトニック結晶5よりにずらすと、出力側光ファイバー2への光の出力が、出力側光ファイバー3に比べて高くなる。
【0089】
実施の形態1における光デバイスは、具体的には、図2に示すスラブ導波路構造とするとよい。3つのV溝12を有する基板11上に、スラブ形状の複合フォトニック結晶4と、スラブ導波路クラッド13が積層され、V溝12には、入力側光ファイバー1、出力側光ファイバー2および3が固定設置されている。V溝12を備えたことで、光ファイバーの光軸合わせは容易である。
【0090】
基板11は、クラッドも兼ねていて、基板11とスラブ導波路クラッド13とで複合フォトニック結晶4を上下から挟むことで、柱状物質10である空気孔を閉じ、光が柱状物質10より漏れることを防ぐ。なお、基板11およびスラブ導波路クラッド13の屈折率は、少なくとも第1物質9に比べて低く、柱状物質10の屈折率と同じか、それよりも低い方が望ましい。このようにして、光を閉じ込める以外に、クラッドの代わりに基板11に対して垂直方向に多層膜を形成し、ブラグ反射を用いて光を閉じ込めることも可能である。
【0091】
図2の光デバイスを用いて、光を分岐させている測定結果を図3に示す。図3は、光の出力を示していて、左側の入力側光ファイバーから直進してきた光が、複合フォトニック結晶中で分岐して、右側の各出力側光ファイバーで再び直進していることがわかる。なお、第1物質9の屈折率は1.5、柱状物質10は空孔で屈折率は1.0で、フォトニック結晶5の基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は80°の場合である。このときの、分岐された光同士間の分岐角度は、12°であった。
【0092】
なお、第1物質9の屈折率は1.4〜1.6で、柱状物質10の屈折率は0.9〜1.1とすればよい。また、第1物質9と柱状物質10の相対屈折率差が1.0以上としてもよい。例えば、第1物質9にSiやGaAsやTi25などの高屈折率材料を使用し、柱状物質10にSiO2などの低屈折率材料を使用してもよい。
【0093】
また、フォトニック結晶5を基板11やスラブ導波路クラッド13で上下から挟む必要はなく、上下の両方もしくはいずれかの片側だけを空気とする構造であってもよい。
【0094】
また、スラブ導波路構造のシングルモード条件を満足するために、第1物質9の屈折率に応じて、スラブ導波路クラッド13および基板11の屈折率と複合フォトニック結晶4の膜厚を調整する必要がある。例えば、第1物質9と、スラブ導波路クラッド13あるいは基板11の屈折率差が10%以下であれば複合フォトニック結晶4の膜厚は、数μm〜10μmでも良いが、屈折率差が10%以上であれば、膜厚は数μm以下となる。膜厚が数μm以下の場合は、光ファイバーとの結合性が悪くなるので適さない。
【0095】
以上のように、実施の形態1の光デバイスによれば、フォトニック結晶を用いて形成されているので容易に形成することができる。また、基本格子ベクトルa1方向に、光を入射させるので、基本格子ベクトルa1方向に対して、垂直の入射面を有するフォトニック結晶を形成すればよく、容易に形成できる。また、フォトニック結晶は、高度な光軸合わせとモード形状のマッチングが不要である。さらに、大きな分離角を有する分岐器を実現でき、小型であっても十分に分岐し得る。
【0096】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかる光デバイスについて、図4を用いて説明する。実施の形態2における光デバイスは、実施の形態1における複合フォトニック結晶を多段で用いて、光の分岐数を4つにしてある。
【0097】
図4は、本発明の実施の形態2にかかる光デバイスの構成を示す。複合フォトニック結晶14は、複合フォトニック結晶4a、4b、4cから構成されている。複合フォトニック結晶4aの端面には、入力側光ファイバー1が接合され、複合フォトニック結晶4aの他の端面の半分に複合フォトニック結晶4bが、残りの半分に複合フォトニック結晶4cが接合されている。複合フォトニック結晶4bの他の端面および複合フォトニック結晶4cの他の端面の所定の位置には、出力側光ファイバー3a、3b、2a、2bが接合されている。
【0098】
各複合フォトニック結晶4a、4b、4cは、図1の複合フォトニック結晶4と同様の構成である。すなわち、複合フォトニック結晶4aは、2種類のそれぞれ格子構造が対称なフォトニック結晶5a、6aが接合面7aで接合された構成であり、入力側光ファイバー1の光軸は、複合フォトニック結晶4aの接合面7aに含まれる位置に配置され、入力側光ファイバー1からの光を分岐する。
【0099】
複合フォトニック結晶4bは、2種類のそれぞれ格子構造が対称なフォトニック結晶5b、6bが接合面7bで接合された構成であり、複合フォトニック結晶4aからの分岐された光が、接合面7b付近に入射されるように配置され、その光を分岐して、出力側光ファイバー3a、3bに導く。
【0100】
複合フォトニック結晶4cは、2種類のそれぞれ格子構造が対称なフォトニック結晶5c、6cが接合面7cで接合された構成であり、複合フォトニック結晶4aからの分岐された光が、接合面付近に入射されるように配置され、その光を分岐して、出力側光ファイバー2a、2bに導く。
【0101】
各出力側光ファイバー3a、3b、2a、2bは、各複合フォトニック結晶4b、4cで分岐された光が、出射される位置に設置され分岐された光を伝搬する。つまり、入力側光ファイバー1により入射された光は、光の進行方向15で示すように四分岐される。
【0102】
なお、複合フォトニック結晶14は、上下をクラッドで挟んで、フォトニック結晶のスラブ導波路構造とすることで、光の漏れがなくなる。また、同様にして、さらに、複合フォトニック結晶を増やすことで、さらに多重光分岐器を作成することができる。
【0103】
以上のように、実施の形態2の光デバイスによれば、容易に、四分岐器を形成することができる。
【0104】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる光デバイスについて、図5を用いて説明する。実施の形態3における光デバイスは、ビーム誘導器である。
【0105】
図5は、実施の形態3の光デバイスの側面図である。V溝24を有する基板25上に、クラッド21aとコア21bから構成される光ファイバ21と、実施の形態1のフォトニック結晶6と同様の格子構造であるスラブ形状フォトニック結晶6dと、コア26bが導波路基板26aに埋め込まれた構造の光導波路26が設置されている。また、光ファイバー21、フォトニック結晶6d、光導波路26の上部には、光導波路26のクラッドも兼ねている上カバー27が設置され、光ファイバー21のクラッド21aと光導波路26のコア26bが面合わせで固定されている。
【0106】
フォトニック結晶6dは、光ファイバー21と光導波路26と両端面で接合され、光ファイバー21はV溝24で固定設置されている。光ファイバー21と光導波路26のそれぞれのコア21bおよび26bの光軸はずれている。
【0107】
フォトニック結晶6dは、実施の形態1のフォトニック結晶6と同様の結晶構造であり、すなわち、2次元構造であって、第1物質9に円柱状の柱状物質10が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質10の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質9はSiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質10は空気とする。柱状物質10の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6で、柱状物質10の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。また、フォトニック結晶6dの格子構造は、対称性の低い斜交格子であり、基本格子ベクトルa1は、光ファイバー21のコア21bの光軸と平行であって、柱状物質10の配置を表わしている基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ2は、90°よりも大きく120°よりも小さい値である。また、フォトニック結晶6dと光ファイバー21の接合面は、基本格子ベクトルa1と垂直である。
【0108】
光ファイバー21からフォトニック結晶6dに入射された、基本格子ベクトルa1と平行な所定の波長の光は、光の進行方向29に示すように所定の角度で偏向する。偏向する光の波長および偏向角度は、フォトニック結晶6dの結晶構造で変化するので、結晶構造を調整して所望の特性とすることができる。
【0109】
フォトニック結晶6dで偏向した光が出射される位置に光導波路26のコア26bが設置されるようにしておく。それにより、光ファイバ21から入射された光は、コア21bとは異なる光軸の光導波路26のコア26bに入射される。
【0110】
以上のように、実施の形態3の光デバイスによれば、容易にビーム誘導器が作成でき、屈折率も大きいので、小型化も可能となる。例えば、シングルモードファイバの場合、60μm程度の軸ズレが生じるが、6°偏向するフォトニック結晶を使用すれば、約570μm長のビーム誘導部で結合が可能である。
【0111】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4にかかる光デバイスについて図6を用いて説明する。実施の形態4における光デバイスは、光フィルターである。
【0112】
図6に示すように、入力側光ファイバ31とフォトニック結晶5dとが、端面で接合し、また、フォトニック結晶5dの他端には、出力側光ファイバー32および33が設置されている。入力側光ファイバー31と、出力側光ファイバー33の光軸34は同じであり、出力側光ファイバー32の光軸は、それからずれた位置である。
【0113】
フォトニック結晶5dは、実施の形態1のフォトニック結晶5と同様の格子構造である。すなわち、2次元構造であって、第1物質9に円柱状の柱状物質10が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質10の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質9はSiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質10は空気とする。柱状物質10の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6で、柱状物質10の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。また、フォトニック結晶5dの格子構造は、対称性の低い斜交格子であり、基本格子ベクトルa1は、入力側光ファイバー31の光軸と平行であって、柱状物質10の配置を表わしている基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は、60°よりも大きく90°よりも小さい値である。
【0114】
光ファイバー31からフォトニック結晶5dに入射された基本格子ベクトルa1と平行な光の内、偏向する光の波長および偏向角度は、フォトニック結晶5dの結晶構造で変化するので、結晶構造を調整して所望の特性を有するフォトニック結晶を形成する。フォトニック結晶6dは、波長fkの光(選択光)が偏向し、それ以外の波長の光(非選択光)は直進する構造である。
【0115】
入力側光ファイバー31から波長fkの光を含む、複数の光がフォトニック結晶5dに入射されると、波長fkの光は、進行方向36に示すように、偏向して、出力側光ファイバー32に導かれる。また、波長fk以外の光は、進行方向35に示すように直進して、出力側光ファイバー33に導かれる。このような構成で、所望とする波長fkの光を取り出す光フィルターを形成することができる。なお、出力側光ファイバー32は、選択光が偏向されて、フォトニック結晶5dから出射される位置に設置されている。
【0116】
また、出力側光ファイバー32の設置位置は、その光軸が出力側光ファイバー33の光軸から、フォトニック結晶5dの横幅に比例した分だけ離れた位置に配置される。つまりフォトニック結晶5dが大型化すれば、各出力側光ファイバー32、33間の距離も離れる。
【0117】
実施の形態4における光デバイスは、具体的には、図7に示すスラブ導波路構造とするとよい。3つのV溝42を有する基板41上に、スラブ形状のフォトニック結晶5dと、スラブ導波路クラッド43が積層され、V溝42には、入力側光ファイバー31、出力側光ファイバー32および33が固定設置されている。V溝42を備えたことで、位置合わせは容易である。
【0118】
基板41は、クラッドも兼ねていて、基板41とスラブ導波路クラッド43とでフォトニック結晶5dを上下から挟むことで、柱状物質10である空気孔を閉じ、光が柱状物質10より漏れることを防ぐ。なお、基板41およびスラブ導波路クラッド43の屈折率は、少なくとも第1物質に比べて低く、柱状物質の屈折率と同じか、それよりも低い方が望ましい。このようにして、光を閉じ込める以外に、クラッドの代わりに基板41に対して垂直方向に多層膜を形成し、ブラグ反射を用いて光を閉じ込めることも可能である。
【0119】
図7の光デバイスを用いた測定結果を図8に示す。図8(a)は、選択光を入射した場合の光の出力を示していて、左側の入力側光ファイバーから直進してきた選択光が、フォトニック結晶中で6°偏向して、右側の出力側光ファイバーで再び直進していることがわかる。また、図8(b)は、非選択光を入射した場合の光の出力を示していて、入力側光ファイバー、フォトニック結晶および出力側光ファイバー中を非選択光は直進していることがわかる。なお、第1物質9の屈折率は1.5、柱状物質10は空孔で屈折率は1.0で、フォトニック結晶5dの基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は80°の場合である。
【0120】
なお、第1物質9の屈折率は1.4〜1.6で、柱状物質10の屈折率は0.9〜1.1とすればよい。また、第1物質9と柱状物質10の相対屈折率差が1.0以上としてもよい。例えば、第1物質9にSiやGaAsやTi25などの高屈折率材料を使用し、柱状物質10にSiO2などの低屈折率材料を使用してもよい。
【0121】
また、フォトニック結晶5を基板41やスラブ導波路クラッド43で上下から挟む必要はなく、上下の両方もしくはいずれかの片側だけを空気とする構造であってもよい。
【0122】
また、スラブ導波路構造のシングルモード条件を満足するために、第1物質9の屈折率に応じて、スラブ導波路クラッド43および基板41の屈折率とフォトニック結晶5dの膜厚を調整する必要がある。例えば、第1物質9と、スラブ導波路クラッド43あるいは41基板の屈折率差が10%以下であればフォトニック結晶5dの膜厚は、数μm〜10μmでも良いが、屈折率差が10%以上であれば、膜厚は数μm以下となる。膜厚が数μm以下の場合は、光ファイバーとの結合性が悪くなるので適さない。
【0123】
以上のように、実施の形態4の光デバイスによれば、フォトニック結晶を用いて形成されているので容易に形成することができる。
【0124】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5にかかる光デバイスについて、図9を用いて説明する。図9に示すように、V溝53を備えている基板52上に、V溝53で固定されたWDM(1.3μm、1.55μm)の2波長を伝送する光ファイバー51と、スラブ形状のフォトニック結晶5eと、1.55μmのレーザーダイオード54と1.55μmのフォトダイオード55と、1.3μmのフォトダイオード56とを備えている。
【0125】
フォトニック結晶5eは、実施の形態1のフォトニック結晶5と同様の格子構造である。すなわち、2次元構造であって、第1物質に円柱状の柱状物質が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質はSiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質は空気とする。柱状物質の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6で、柱状物質の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。また、フォトニック結晶5eの格子構造は、対称性の低い斜交格子であり、基本格子ベクトルa1は、光ファイバー51の光軸と平行であって、柱状物質の配置を表わしている基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は、60°よりも大きく90°よりも小さい値である。また、フォトニック結晶5eの結晶構造は調整されていて、光の入射位置に依らず、フォトニック結晶5eの基本格子ベクトルa1方向に光を入射すれば、波長1.3μmの光のみが大きく偏向して、波長1.55μmの光は偏向せず直進する。
【0126】
図示していないが、フォトニック結晶5eの上面には、第1物質より低い屈折率を有するスラブ導波路クラッドが設置されている。1.55μmのレーザーダイオード54と1.55μmのフォトダイオード55とは入力側光ファイバー51の光軸上で、フォトニック結晶5eに対して光ファイバー51と対向した位置に配置されている。また、1.3μmのフォトダイオード56は、光ファイバー51の光軸からずれた位置に設置され、フォトニック結晶5e中で偏向した光がフォトニック結晶5e横方向の長さに比例した距離だけ、光ファイバー51の光軸から離れた位置に設置される。
【0127】
光ファイバー51から1.3/1.55μmWDMの信号光がフォトニック結晶5eに入射されると、波長1.3μmの光は偏向して、1.3μmのフォトダイオード56で受信される。波長1.55μmの光は、直進して、1.55μmのフォトダイオードで受信される。また、1.55μmのレーザダイオード54から出射された信号光は、フォトニック結晶5e中を直進し、光ファイバー51に送られる。なお、矢印58は波長1.3μmの光の伝搬方向を、矢印57は波長1.55μmの光の伝搬方向を示している。
【0128】
このように、実施の形態5の光デバイスで、波長1.55μmの光で双方向通信を、波長1.3μmの光で受信のみの通信を行うことができる。
【0129】
以上のように、実施の形態5の光デバイスによれば、Y形状の導波路と波長分離のための多層膜フィルターを必要とせず、部品点数の少ない、簡単な構成でWDM送受信モジュールを実現することができる。
【0130】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6にかかる光デバイスについて、図10を用いて説明する。図10に示すように、V溝63を備えている基板62上に、V溝63で固定されたWDM(1.3μm、1.55μm)の2波長を伝送する光ファイバー61と、スラブ形状のフォトニック結晶5fと、1.55μmのフォトダイオード64と、1.3μmのレーザーダイオード65と、1.3μmのフォトダイオード66とを備えている。
【0131】
フォトニック結晶5fは、実施の形態5のフォトニック結晶5eと同様の格子構造である。すなわち、2次元構造であって、第1物質に円柱状の柱状物質が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質はSiO2や、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネート等の樹脂とし、柱状物質は空気とする。柱状物質の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6で、柱状物質の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。また、フォトニック結晶5fの格子構造は、対称性の低い斜交格子であり、基本格子ベクトルa1は、光ファイバー61の光軸と平行であって、柱状物質の配置を表わしている基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は、60°よりも大きく90°よりも小さい値である。また、フォトニック結晶5fの結晶構造は調整されていて、フォトニック結晶5fは、光の入射位置に依らず、基本格子ベクトルa1方向に光を入射すれば、波長1.3μmの光のみが大きく偏向して、波長1.55μmの光は偏向せず直進する特性を有している。
【0132】
図示していないが、フォトニック結晶5fの上面には、第1物質より低い屈折率を有するスラブ導波路クラッドが設置されている。1.55μmのフォトダイオード64は入力側光ファイバー61の光軸上で、フォトニック結晶5fに対して光ファイバー61と対向した位置に配置されている。また、1.3μmのレーザーダイオード65と、1.3μmのフォトダイオード66とは、光ファイバー61の光軸からずれた位置で、偏向した光が出射される位置に設置され、フォトニック結晶5f中で偏向した光がフォトニック結晶5fの横方向の長さに比例した距離だけ、光ファイバー61の光軸から離れた位置に設置される。
【0133】
光ファイバー61から1.3/1.55μmWDMの信号光がフォトニック結晶5fに入射されると、波長1.3μmの光は偏向して、1.3μmのフォトダイオード66で受信される。また、1.3μmのレーザーダイオード65から出射された信号光は、フォトニック結晶5fで偏向して、光ファイバー61に送られる。波長1.55μmの光は、直進して、1.55μmのフォトダイオードで受信される。なお、矢印68は波長1.3μmの光の伝搬方向を、矢印67は波長1.55μmの光の伝搬方向を示している。
【0134】
このように、実施の形態6の光デバイスで、波長1.3μmの光で双方向通信を、波長1.55μmの光で受信のみの通信を行うことができる。
【0135】
以上のように、実施の形態6の光デバイスによれば、Y形状の導波路と波長分離のための多層膜フィルターを必要とせず、部品点数の少ない、簡単な構成でWDM送受信モジュールを実現することができる。
【0136】
なお、実施の形態5および6は、波長1.55μmの光を直進、波長1.3μmの光を偏向とした例であるが、フォトニック結晶の結晶格子の構造を変えることで、波長1.55μmの光を偏向とし、波長1.3μmの光を直進とすることができる。
【0137】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7にかかる光デバイスについて、図11を用いて説明する。図11は、実施の形態7の光デバイスの構成を示していて、入力側光導波路コア71と、入射側光導波路コア71に対して90°傾いた出力側光導波路コア72と、入力側光導波路コア71と出力側光導波路コア72とが両端に結合されている偏向回路73とから構成されている。
【0138】
図11に示すように、偏向回路73は、中心点76を中心とした円の一部であって、端面同士は、90°傾いている。偏向回路73は、フォトニック結晶5gが15個接合して構成されている。フォトニック結晶5gは、実施の形態1のフォトニック結晶5と同様の格子構造である。すなわち、2次元構造であって、第1物質に円柱状の柱状物質が周期的に配置された構造である。それぞれの柱状物質の中心軸は、すべて平行に配置されている。例えば、第1物質はSiO2や樹脂とし、柱状物質を空気とする。柱状物質の格子定数a(柱状物質同士の距離)は、伝搬させる光の波長の0.4〜0.6で、柱状物質の半径rは、格子定数aの0.2〜0.5が好ましい。また、フォトニック結晶5gの格子構造は、対称性の低い斜交格子であり、基本格子ベクトルa1は、光の入射方向と平行であって、柱状物質の配置を表わしている基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1は、60°よりも大きく90°よりも小さい値である。また、フォトニック結晶長は調整されていて、フォトニック結晶5gは、光の入射位置に依らず、基本格子ベクトルa1方向に入射光を入射すれば、入射光が6°偏向する特性を有している。
【0139】
このような性質を持つフォトニック結晶5gは、偏向回路73を中心点76を中心にθdef=6°ずつ分割した形状で、全部で15個あり、それらが接合され、偏向回路73を構成している。各フォトニック結晶5gは、中心点76を中心にθdef=6°であり15個あるので、偏向角度は、6°が15個集まって90°となる。
【0140】
入力側光導波路コア71から入射方向74で、フォトニック結晶5gに入射した光は、進行方向75に示すように6°偏向して、次のフォトニック結晶5gに入射される。さらに、6°偏向して、次のフォトニック結晶5gに入射される。これを繰り返し、最後に、出力側光導波路コア72に入射される。すなわち、偏向回路73から出射される光の進行方向は、出射方向77であり、入射光が90°偏向されている。
【0141】
このように、フォトニック結晶中で、光が偏向することを用いて、所望の角度に、光を偏向させることができる光デバイスを形成することができる。
【0142】
なお、図示していないが、この光デバイスは、基板およびクラッドで上下から挟まれている。また、第1物質の樹脂材料として、アクリル系樹脂(PMMA、UVアクリルレート樹脂など)、エポキシ系樹脂、ポリイミド系、シリコーン樹脂、カーボネート系のポリカーボネートなどが挙げられる。
【0143】
なお、第1物質の屈折率は1.4〜1.6で、柱状物質の屈折率は0.9〜1.1とすればよい。また、第1物質と柱状物質の相対屈折率差が1.0以上としてもよい。例えば、第1物質にSiやGaAsやTi25などの高屈折率材料を使用し、柱状物質にSiO2などの低屈折率材料を使用してもよい。
【0144】
以上のように、実施の形態7の光デバイスによれば、光偏向器を容易に形成できる。
【0145】
なお、実施の形態1から7における光デバイスは、対称性の低い2次元構造のフォトニック結晶を用いているが、対称性の低い3次元構造のフォトニック結晶においても同様に、基本格子ベクトル方向に光を入射させた場合には、強い偏向分散特性を示すことは自明である。そのため、実施の形態1から7における光デバイスに対称性の低い3次元構造のフォトニック結晶を用いても上述した光デバイスと同様の効果が得られる。
【0146】
また、上述の説明では、基本格子ベクトル(a1,a2)同士の角度θ1が60°よりも大きく90°よりも小さい値である格子構造が、対称性の低い格子構造としている。しかし、このような構造以外であっても、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たない格子構造を有している場合であっても、対称性が低い格子構造であり、このような格子構造のフォトニック結晶を、上述の光デバイスに用いることができる。
【0147】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8にかかる光デバイスのフォトニック結晶の製造方法について図12を用いて説明する。実施の形態8におけるフォトニック結晶は、2次元構造であって、第1物質82に、周期的に柱状物質が形成された構造である。図12(a)に示すように、基板83上にスパッタなどで薄膜を蒸着して、所望とする膜厚の第1物質82を形成する。スパッタ以外の方法として、樹脂を塗布してスピンコートするか、または、溶剤で溶かした樹脂を用いてキャスティングすることで、所望とする膜厚の第1物質82を基板83上に形成する方法もある。具体的には、流動性を有する樹脂材料を基板83上に塗布して、拡散させて膜厚を調整した後に、その材料を硬化させて所望とする膜厚の第1物質82を形成するものである。
【0148】
また、周期的に配置される柱状物質の所望の位置に突起物を備えている金型81が用意されている。次に、図12(b)に示すように、金型81で第1物質82をプレスする。このようにして、図12(c)に示すように、第1物質82の所望の位置に穴84が形成される。なお、穴84はそのままでは、空気による柱状物質を形成するが、第1物質82とは屈折率の異なる他の材料を充填してもよい。
【0149】
以上のように、実施の形態8の光デバイスによれば、所望とする周期構造を有し、容易に作成できるフォトニック結晶を備えている。
【0150】
なお、基板83上に第1物質を形成する際に、柱状物質が形成される場所に、突起物等を形成しておいてからスピンコートもしくはキャスティングによって膜厚を調整しながら、第1物質を形成し、その後、突起物を取り除くという方法でフォトニック結晶を形成してもよい。
【0151】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9にかかる光デバイスのフォトニック結晶の製造方法について図13を用いて説明する。図13(a)に示すように、スパッタなどで薄膜を蒸着するか、樹脂を塗布してスピンコートするか、または、溶剤で溶かした樹脂を用いてキャスティングすることで基板83上に第1物質82を形成し、第1物質82の周期的に配置される柱状物質の所望の位置に、陽極酸化アルミなどのマスク85を配置する。次に、図13(b)に示すように、イオンビーム86などで第1物質82をエッチングする。このようにして、図13(c)に示すように、第1物質82の所望の位置に穴84が形成される。なお、穴84はそのままでは、空気による柱状物質を形成するが、第1物質とは屈折率の異なる他の材料を充填してもよい。
【0152】
以上のように、実施の形態9の光デバイスによれば、所望とする周期構造を有し、容易に作成できるフォトニック結晶を備えている。
【0153】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10にかかる光デバイスのフォトニック結晶の製造方法について図14を用いて説明する。図14(a)に示すように、スパッタなどで薄膜を蒸着するか、樹脂を塗布してスピンコートするか、または、溶剤で溶かした樹脂を用いてキャスティングすることで基板83上に第1物質82を形成し、82を形成し、第1物質82の周期的に配置される柱状物質の所望の位置に、陽極酸化アルミなどのマスク85を配置する。図14(b)に示すように、Arイオンなどのイオンビーム86を照射する。イオンビーム86の照射によって、マスク85を配置されていない部分にトラック87ができる。トラック87は、第1物質82の分子結合が切れている。次に、図14(c)に示すように、マスク85を除去し、基板83ごと第1物質82をNaOHなどの強アルカリ88に浸漬する。第1物質82は、変化がないが、分子結合が切れているトラック82は侵食され、第1物質82の所望の位置に穴84が形成される。なお、穴84はそのままでは、空気による柱状物質を形成するが、第1物質とは屈折率の異なる他の材料を充填してもよい。
【0154】
以上のように、実施の形態10の光デバイスによれば、所望とする周期構造を有し、容易に作成できるフォトニック結晶を備えている。
【0155】
なお、実施の形態8から10におけるフォトニック結晶の製造において、基板83上に第1物質82を形成したが、基板83を用いる必要はなく、基板83を用いずに第1物質82を形成して、所望の位置に穴84を形成することでフォトニック結晶を製造してもよい。
【0156】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11にかかる光デバイスのフォトニック結晶の製造方法について図15を用いて説明する。
【0157】
図15(a)に示す周期構造加工面92を有する基板91に、高屈折率材料93と低屈折率材料94とを交互に積層していくことで、周期積層構造を形成する。
【0158】
図15(b)にはフォトニック結晶の断面図が示されていて、基板91の上面である格子面(積層面)は、積層方向に垂直な水平面から角度θaだけ傾いている。周期構造加工面92は、この格子面に平行に、使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさの周期を有する1次元構造の周期パターンを凹凸で形成してある。基板91の格子面の傾きθaを5〜25°として、周期積層構造を形成すると、2個の基本格子ベクトル間の90°以下のなす角度が60°よりも大きく90°よりも小さい値となるフォトニック結晶が形成される。同様に、格子面に2次元構造の周期パターンを形成した基板に高屈折率材料と低屈折率材料と交互に積層することで周期積層構造を形成すると、3次元周期積層構造が形成され、2個の基本格子ベクトル間の90°以下のなす角度が60°よりも大きく90°よりも小さい値のフォトニック結晶が得られる。
【0159】
以上のように、実施の形態11の光デバイスによれば、所望とする2次元または3次元の周期構造を有し、容易に形成できるフォトニック結晶を備えている。
【0160】
(実施の形態12)
本発明の実施の形態12にかかる光デバイスのフォトニック結晶の製造方法について図16を用いて説明する。
【0161】
図16(a)に示すような、基板100の上面に、周期構造加工面101を形成し、凹部102で周期パターンを形成する。周期パターンは、使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさの周期を有する2次元構造で、2個の基本格子ベクトル(a1,a2)間の90°以下のなす格子内角θ1が60°よりも大きく90°よりも小さい値である。この周期構造加工面101に、まず、高屈折率材料103を積層する。凹部102がある箇所には、高屈折率材料103が形成され、凹部102がない場所には、周期構造加工面101に高屈折率材料103が形成されるので、高屈折率材料103は、凹凸に形成される。さらに、低屈折率材料104がその上から形成されるので、低屈折率材料104も凹凸に形成される。さらに積層され、高屈折率材料103と低屈折率材料104が交互に積層されていくことで、図16(b)に示すような断面構造の、3次元周期積層構造が形成される。なお、基板100の上面に傾斜をつけることも可能である。
【0162】
以上のように、実施の形態12の光デバイスによれば、所望とする3次元の周期構造を有し、容易に形成できるフォトニック結晶を備えている。
【0163】
【発明の効果】
本発明の光デバイスによれば、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たない格子構造を有するフォトニック結晶を備えている。そのため、容易に、低コストで、小型化が可能な光デバイスが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる光分岐器の構成を示す平面図
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる光分岐器の構成を示す斜視図
【図3】 本発明の実施の形態1にかかる光分岐器の測定結果
【図4】 本発明の実施の形態2にかかる光分岐器の構成を示す平面図
【図5】 本発明の実施の形態3にかかるビーム誘導器の構成を示す側面図
【図6】 本発明の実施の形態4にかかる光フィルターの構成を示す平面図
【図7】 本発明の実施の形態4にかかる光フィルターの構成を示す斜視図
【図8】 本発明の実施の形態4にかかる光フィルターの測定結果であって、図8(a)は選択光の出力図、図8(b)は非選択光の出力図
【図9】 本発明の実施の形態5にかかるWDM送受信モジュールの構成を示す平面図
【図10】 本発明の実施の形態6にかかるWDM送受信モジュールの構成を示す平面図
【図11】 本発明の実施の形態7にかかる光偏向器の構成を示す平面図
【図12】 本発明の実施の形態8にかかるフォトニック結晶の製造工程を示す側面図であって、図12(a)は、第1工程図、図12(b)は第2工程図、図12(c)は第3工程図
【図13】 本発明の実施の形態9にかかるフォトニック結晶の製造工程を示す側面図であって、図13(a)は、第1工程図、図13(b)は第2工程図、図13(c)は第3工程図
【図14】 本発明の実施の形態10にかかるフォトニック結晶の製造工程を示す側面図であって、図14(a)は第1工程図、図14(b)は第2工程図、図14(c)は第3工程図
【図15】 本発明の実施の形態11にかかるフォトニック結晶の構成を示す図であって、図15(a)は基板の斜視図、図15(b)基板の側面図
【図16】 本発明の実施の形態12にかかるフォトニック結晶の構成を示す図であって、図16(a)は基板の斜視図、図16(b)は基板の側面図
【図17】 従来の光分岐器の構成を示す平面図
【図18】 従来のWDM送受信モジュールの構成を示す平面図
【図19】 従来の波長分波回路の構成を示す図であって、図19(a)は斜視図、図19(b)は平面図
【図20】 格子とブリルアンゾーンの関係を示す図であって、図20(a)は正方格子を示す図、図20(b)は三角格子を示す図、図20(c)は斜交格子を示す図
【符号の説明】
1、31、181 入力側光ファイバー
2、2a、2b、3、3a、3b、32、33、182、183 出力側光ファイバー
4、4a、4b、4c、14 複合フォトニック結晶
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、6、6a、6b、6c、6d フォトニック結晶
7、7a、7b、7c 接合面
8a、8b 偏向方向
9、82 第1物質
10 柱状物質
11、25、41、52、62、83、91、100、185、191 基板
12、24、42、53、63、196 V溝
13、43 スラブ導波路クラッド
15、29、35、36、75、 進行方向
21、51、61、192 光ファイバー
21a、197d クラッド
21b コア
26、197 光導波路
26a 導波路基板
26b コア
27 上カバー
34 光軸
54 レーザーダイオード
55 フォトダイオード
56 フォトダイオード
57、58、67、68、199a、199b 矢印
64、66、193、195 フォトダイオード
65、194 レーザーダイオード
71 入力側導波路コア
72 出力側導波路コア
73 偏向回路
74、207 入射方向
76 中心点
81 金型
84 穴
85 マスク
86 イオンビーム
87 トラック
88 強アルカリ
92、101 周期構造加工面
93、103 高屈折率材料
94、104 低屈折率材料
102 凹部
184 Y分岐器
186 Y形状のコア
197a 第1コア
197b 第2コア
197c 第3コア
198 WDM誘電体多層膜フィルター
200 基板
201 第1クラッド201
202 第2クラッド202
203 背景媒質
204、211 原子媒質
208 入射面
209 出射面
212 ブリルアンゾーン

Claims (58)

  1. 複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有するフォトニック結晶を備えたことを特徴とする光デバイス。
  2. 前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入射部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記フォトニック結晶は、基本格子ベクトル方向に対して垂直な入射面を有し、
    前記入射部は、前記入射面に対して垂直に光を入射するように設置されていることを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
  4. 前記フォトニック結晶は、複数の基本格子ベクトルの内、少なくとも一組の異なる2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方の角度が60°よりも大きく90°よりも小さい値であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  5. 第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、前記第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、前記第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有するフォトニック結晶を備えたことを特徴とする光デバイス。
  6. 第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、前記第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、前記第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶を備えたことを特徴とする光デバイス。
  7. 前記フォトニック結晶は、スラブ状であって、
    前記フォトニック結晶の第1物質の屈折率よりも低い屈折率を有する、第1のクラッドおよび第2のクラッドとを備え、
    前記第1のクラッドと前記第2のクラッドがそれぞれ、前記スラブ状のフォトニック結晶の膜厚方向の両側の面に接するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光デバイス。
  8. 前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入射部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  9. 前記フォトニック結晶は、基本格子ベクトル方向に対して垂直な入射面を有し、
    前記入射部は、前記入射面に対して垂直に光を入射させるよう設置されていることを特徴とする請求項8に記載の光デバイス。
  10. 前記フォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、使用する光源の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  11. 前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5であることを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  12. 前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  13. 前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  14. 前記第1物質は、樹脂材料で、
    前記柱状物質は、空気であることを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  15. 前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光導波路と、
    前記フォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光導波路および第2の出力側光導波路とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  16. 前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光ファイバーと、
    前記フォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーと、
    前記入力側光ファイバー、前記第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーをそれぞれ位置決めする溝を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  17. 前記第1の出力側光ファイバーは前記入力側光ファイバーと光軸がほぼ一致し、
    前記第2の出力側光ファイバーの光軸と前記入力側光ファイバーの光軸とは異なることを特徴とする請求項16に記載の光デバイス。
  18. 前記第2の出力側光ファイバーの光軸と前記入力側光ファイバーの光軸との距離は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向の長さに比例していることを特徴とする請求項16に記載の光デバイス。
  19. 前記溝を有する基板を備え、
    前記基板は、前記フォトニック結晶と一体化されていることを特徴とする請求項16に記載の光デバイス。
  20. 前記溝は、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドに備えられていることを特徴とする請求項16に記載の光デバイス。
  21. 第1の波長の光および第2の波長の光を伝搬させ得る光ファイバーと、
    前記第1の波長の光を受信する第1の受光部と、
    前記第1の波長の光を発信する発光部と、
    前記第2の波長の光を受信する第2の受光部と、
    前記光ファイバーと前記第1の受光部と前記発光部と前記第2の受光部とを平面上に固定する基板とを備え、
    前記光ファイバーは、前記フォトニック結晶の一端に設置され、前記光ファイバーの光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向と平行とし、
    前記第1受光部および発光部は、前記フォトニック結晶の他端に、前記光ファイバーの光軸と同一直線状に配置され、
    前記第2の受光部は、前記フォトニック結晶の他端に設置されたことを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  22. 第1の波長の光および第2の波長の光を伝搬させ得る光ファイバーと、
    前記第1の波長の光を受信する第1の受光部と、
    前記第2の波長の光を発信する発光部と、
    前記第2の波長の光を受信する第2の受光部と、
    前記光ファイバーと前記第1の受光部と前記発光部と前記第2の受光部とを平面上に固定する基板とを備え、
    前記光ファイバーは、前記フォトニック結晶の一端に設置され、前記光ファイバーの光軸は、前記フォトニック結晶の基本格子ベクトル方向と平行とし、
    前記第1受光部は、前記フォトニック結晶の他端に、前記光ファイバーの光軸と同一直線状に配置され、
    前記第2の受光部および前記発光部は、前記フォトニック結晶の他端に設置されたことを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
  23. 前記フォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、前記第2の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特徴とする請求項21または22に記載の光デバイス。
  24. 前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5であることを特徴とする請求項21または22に記載の光デバイス。
  25. 前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項21または22に記載の光デバイス。
  26. 前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする請求項21または22に記載の光デバイス。
  27. 前記第1物質は樹脂材料で、
    前記柱状物質は、空気であることを特徴とする請求項21または22に記載の光デバイス。
  28. 第1物質と、複数の柱状物質を含み、前記複数の柱状物質は、第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、前記第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶が2種類用意され、前記2種類のフォトニック結晶のそれぞれの基本格子ベクトルが同一の方向となるように接合されている複合フォトニック結晶を備えたことを特徴とする光デバイス。
  29. 前記複合フォトニック結晶は、スラブ状であって、
    前記複合フォトニック結晶の前記2種類フォトニック結晶の第1物質の屈折率よりも低い屈折率を有する、第1のクラッドおよび第2のクラッドとを備え、
    前記第1のクラッドと前記第2のクラッドがそれぞれ、前記複合フォトニック結晶の膜厚方向の両側の面に接するように配置されていることを特徴とする請求項28に記載の光デバイス。
  30. 前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトルの内、同一方向でない基本格子ベクトルは、前記2種類のフォトニック結晶の接合面に対して線対称になっていることを特徴とする請求項29に記載の光デバイス。
  31. 前記2種類のフォトニック結晶の両方の2次元格子の格子定数が、使用する光源の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  32. 前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5であることを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  33. 前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  34. 前記第1物質の屈折率と柱状物質の屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  35. 前記第1物質は樹脂材料で、
    前記柱状物質は空気であることを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  36. 前記複合フォトニック結晶の接合部に、前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光導波路と、
    前記複合フォトニック結晶の片方のフォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光導波路と、
    前記複合フォトニック結晶の他方のフォトニック結晶からの出力を受光する第2の出力側光導波路とを備え、
    前記入力側光導波路は、前記複合フォトニック結晶の一端に設置され、
    前記第1の出力側光導波路および前記第2の出力側光導波路は、前記複合フォトニック結晶の他端に設置されたことを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  37. 前記複合フォトニック結晶の接合部に、前記2種類のフォトニック結晶の基本格子ベクトル方向に光を入射させる入力側光ファイバーと、
    前記複合フォトニック結晶の片方のフォトニック結晶からの出力を受光する第1の出力側光ファイバーと、
    前記複合フォトニック結晶の他方のフォトニック結晶からの出力を受光する第2の出力側光ファイバーと、
    前記入力側光ファイバー、前記第1の出力側光ファイバーおよび第2の出力側光ファイバーをそれぞれ位置決めする溝を備え、
    前記入力側光ファイバーは、前記複合フォトニック結晶の一端に設置され、
    前記第1の出力側光ファイバーおよび前記第2の出力側光ファイバーは、前記複合フォトニック結晶の他端に設置されたことを特徴とする請求項30に記載の光デバイス。
  38. 前記溝を有する基板を備え、
    前記基板は、前記複合フォトニック結晶と一体化されていることを特徴とする請求項37に記載の光デバイス。
  39. 前記溝は、前記第1のクラッドまたは前記第2のクラッドに備えられていることを特徴とする請求項37に記載の光デバイス。
  40. 前記複合フォトニック結晶を並列に複数個備えた並列複合フォトニック結晶を多段で縦列させたことを特徴とする請求項29に記載の光デバイス。
  41. 第1物質と、複数の柱状物質を含み、
    前記複数の柱状物質は、第1物質の屈折率とは、異なる屈折率を有し、第1物質の内部に配置され、前記複数の柱状物質の中心軸はそれぞれ、平行であって、一定の周期性を持つ2次元結晶格子配列を構成し、かつ、2つの基本格子ベクトル間の角度の90°以下の方のなす角度が、60°よりも大きく90°よりも小さい値であるフォトニック結晶を複数と、
    入力側光導波路と出力側光導波路と、
    前記複数のフォトニック結晶と、前記入力側光導波路と、前記出力側光導波路とが設置されている基板とを備え、
    前記複数のフォトニック結晶同士は、基本ベクトル方向に縦列に接合され、隣接するフォトニック結晶で偏向された出射光が、基本格子ベクトル方向であるように各フォトニック結晶同士は設置され、両端に位置する各フォトニック結晶には、入力側光導波路および出力側光導波路が接合されていることを特徴とする光デバイス。
  42. 前記複数のフォトニック結晶の2次元格子の格子定数が、使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  43. 前記柱状物質は円柱形状であって、その半径は、格子定数の0.2〜0.5であることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  44. 前記第1物質の屈折率は、1.4〜1.6で、前記柱状物質の屈折率は、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  45. 前記第1物質の屈折率と前記柱状物質の屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  46. 前記第1物質は、樹脂材料で、
    前記柱状物質は、空気であることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  47. 各前記複数のフォトニック結晶中の光の伝搬距離が等しくなるように前記複数のフォトニック結晶の寸法と形状と位置を決められていることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  48. 前記入力側光導波路からの入射光と前記出力側光導波路からの出射光とがなす角度が、各前記複数のフォトニック結晶中ごとに光が偏向する角度のすべての和と同一であることを特徴とする請求項41に記載の光デバイス。
  49. 中心軸がそれぞれ平行であって、一定の周期性を持つ柱状の突起物を有する金型が用意され、
    基板上に形成されたスラブ状の第1物質に対し、前記金型を前記第1物質の膜厚方向にプレスした後、前記金型を前記スラブから離型して柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え
    前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有することを特徴とする光デバイス。
  50. 基板上に形成したスラブ状の第1物質に、一定の周期性を持つマスクを形成した後、前記マスクの露出部分をエッチングすることで柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え
    前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有することを特徴とする光デバイス。
  51. 基板上に形成したスラブ状の第1物質に、一定の周期性を持つマスクを形成した後、イオンビームを照射して前記マスクの露出部分にトラック部を形成し、アルカリ溶液に浸漬して前記トラック部を侵食してエッチングすることで柱状の穴を設けることで形成されたフォトニック結晶を備え
    前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有することを特徴とする光デバイス。
  52. 前記第1物質は、流動性を有する材料を、前記基板上に塗布して、さらに均一に拡散させて前記材料の膜厚を調整した後、前記材料を硬化させることで形成されていることを特徴とする請求項49〜51のいずれかに記載の光デバイス。
  53. 前記第1物質に設けられた前記柱状の穴に前記第1物質とは異なる屈折率を有する物質が充填されていることを特徴とする請求項49〜51のいずれかに記載の光デバイス。
  54. 基板上に一定の周期を持つ凸部分を形成し、前記凸部分同士の間に、流動性を有する材料を塗布して、前記材料を前記基板上に拡散させて膜厚を調整してから、前記材料を硬化させた後に、前記凸部分を除去することで形成された柱状の穴に、前記材料と異なる屈折率を有する物質が充填されているフォトニック結晶を備え
    前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有することを特徴とする光デバイス。
  55. 水平面は、積層方向に垂直な方向とし、
    前記水平面から傾いた積層面上に、平行方向に1次元または2次元の構造で一定の周期パターンを形成した基板を有し、前記基板上に2種類以上の屈折率の異なる材料が交互に積層された2次元周期積層構造を有するフォトニック結晶を備え
    前記フォトニック結晶は、複数の異なる屈折率を有する物質が周期的に配列されている2次元または3次元格子構造を有し、かつ、一組の基本格子ベクトルで構成される2次元格子構造が3回よりも大きい数の回転対称軸を持たず、かつ、使用波長でフォトニックバンドギャップを具備しない格子構造を有することを特徴とする光デバイス。
  56. 前記水平面に対する前記積層面の傾きが5〜25°であることを特徴とする請求項55に記載の光デバイス。
  57. 2次元格子の2個の基本格子ベクトル間の90°以下のなす角度が60°よりも大きく90°よりも小さい値であるように1次元または2次元の構造の一定の周期パターンが形成された基板を有し、前記基板上に2種類以上の屈折率の異なる材料が交互に積層された2次元または3次元周期積層構造を有するフォトニック結晶を備えたことを特徴とする光デバイス。
  58. 前記一定の周期パターンの周期が使用光源の波長の0.4〜0.6の大きさであることを特徴とする請求項55または57に記載の光デバイス。
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