JP3883367B2 - 熱定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンター、電子写真複写機、ファクシミリ、プロッター等の画像形成装置に備えられた熱定着装置に関するものであり、特にヒートパイプを利用して、加熱ローラーで発生される熱により軸受部が高温となるという問題を解消し、熱エネルギーを有効利用することができる構成の熱定着装置、及びその熱定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、電子写真複写機、ファクシミリ、プロッター等の電子写真方式の画像形成装置においては、感光体等の像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像手段のトナーによって現像して顕像化し、その像担持体上のトナー画像を転写用紙、郵便はがき、OHPシート等の被記録材に転写した後、被記録材に担持された未定着トナー画像を定着部で熱定着を利用して定着し、固着画像を形成しているが、このような画像形成装置の定着部に用いられ、被記録材に担持された未定着トナー画像を熱定着を利用して定着する熱定着装置としては、加熱ローラーと、該加熱ローラーに対向し圧着する圧着ローラーを備え、加熱ローラーと圧着ローラーの間に被記録材を挿入し、ニップ部と呼ばれるローラーと被記録材の接触領域において、加熱及び圧力をかけることでことによって未定着トナー画像を被記録材に固定させるものが知られている。
【0003】
上記のような加熱ローラーと圧着ローラーを備えた熱定着装置においては、特に郵便はがき等の被記録材を連続通紙したりする場合に、加熱ローラーの一部のみが被記録材に接触するため、この接触部の温度は下がってしまうが、この接触部以外の部分の温度は高温になりすぎ、加熱ローラーの定着効率が不均等になってしまうという問題があった。この問題に対処するために、加熱ローラーにおいて発生する余剰熱を抑制する技術として、特開平4−124688号公報には、用紙サイズ毎に設けた適正な長さの複数のハロゲンランプを、用紙サイズ毎に切り替えて使用することによって、加熱ローラーに与える熱領域を制御する技術が開示されている。また、特開平10−142983号公報には、加熱ローラーの両端部に吸熱板を接触させ、この板に吸収させた熱を筐体外に排出させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術のうち、複数のハロゲンランプを切り替えて使用する方式では、殆ど使用されないランプも機構として設置しておく必要があり、コスト高となってしまう。また、加熱ローラーの両端部に吸熱板を接触させる方式では、加熱ローラーの端部の温度低減にはよいが、吸熱板に吸収させた熱を再利用するという観点に欠けており、エネルギーの有効利用という点では、熱伝導率上の問題がある。
また、ヒートパイプを利用して、局所的に高温となる部分の放熱を行うという手法もあるが、従来のヒートパイプでは加工が難しいこと、熱伝導の方向に異方性があるため、効率的な放熱を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低いコストで効率的に熱を廃棄する機構を持ち、かつ、熱を有効に利用することが可能な熱定着装置及びその熱定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的としている。
より具体的には、熱定着を利用する画像形成装置において、幅の狭い被記録材を連続印字する場合に、定着部の加熱ローラーの両端の軸受部の温度上昇を防ぐことで印字動作の信頼性を増し、ユニットの寿命を延ばし、かつ排熱を有効利用できる熱定着装置を提供すること、及びその熱定着装置を用いて信頼性の向上、エネルギーの有効利用を図ることができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係る第1の手段では、被記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置の定着部に用いられ、前記被記録材に担持された未定着トナー画像を熱定着を利用して定着する熱定着装置において、加熱ローラーと、該加熱ローラーに対向し圧接する圧着ローラーを備え、前記加熱ローラーあるいは前記圧着ローラーに、接触面積を変更可能なループ型蛇行細管ヒートパイプを設置した構成としたものである。
すなわち本発明では、低いコストで効率的に熱を排熱し且つ利用する機構として、加熱ローラーあるいは圧着ローラーにヒートパイプを設置するものであるが、本発明ではヒートパイプのうち、例えば特開平7−332881号公報に記載されているようなループ型蛇行細管ヒートパイプを用いるものである。
従来のヒートパイプでは、面状に加工することが困難であり、また加工したとしても受熱(吸熱)・放熱部の熱伝導の方向に制約があるため、回転等を行う部品に貼付し、熱伝導を制御する部材には使用することはできなかったが、本発明で用いるループ型蛇行細管ヒートパイプは、従来のヒートパイプと比較して、面状の加工が容易であること、熱伝導率が良好であること、熱伝導率の異方性が殆どないこと、小型軽量であるという特徴を有することから、以下に示す各手段に記載のような工夫が可能となる。
【0007】
具体的には、第2の手段は、第1の手段の熱定着装置において、前記加熱ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを設置したことを特徴とする。
より具体的に述べると、第2の手段は、加熱ローラーと、該加熱ローラーに対向し圧接する圧着ローラーを備え、未定着トナー画像を担持した被記録材(例えば転写用紙、郵便はがき、OHPシート等)を、加熱ローラーと圧着ローラーの間に挿入し、ニップ部と呼ばれるローラーと被記録材の接触領域内において、加熱及び圧力をかけることによって未定着トナーを被記録材に固定させる熱定着装置において、中心部に熱源(例えばハロゲンランプ、電熱線等)を備える加熱ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを貼付等により設置する構成としたものである。
【0008】
次に第3の手段は、第1の手段の熱定着装置において、前記圧着ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを設置したことを特徴とする。
より具体的に述べると、第3の手段は、加熱ローラーと、該加熱ローラーに対向し圧接する圧着ローラーを備え、未定着トナー画像を担持した被記録材(例えば転写用紙、郵便はがき、OHPシート等)を、加熱ローラーと圧着ローラーの間に挿入し、ニップ部と呼ばれるローラーと被記録材の接触領域内において、加熱及び圧力をかけることによって未定着トナーを被記録材に固定させる熱定着装置において、加熱ローラーに対向する圧着ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを貼付等により設置する構成としたものである。
【0009】
ただし、上述の第2、第3の手段では、加熱ローラーあるいは圧着ローラーの内部の熱を均等化する手段に留まり、温度の不均衡が著しく発生する場合、例えば、はがきサイズの用紙を大量に印刷する場合等、両ローラーの表面層の温度を均等化する手段も必要とされる場合もある。そこで本願では、下記の手段に表現される工夫を行っている。
【0010】
すなわち第4の手段では、第1乃至第3のいずれかの手段の熱定着装置において、前記加熱ローラーの一部領域に対して離接触制御が可能な手段を備えたループ型蛇行細管ヒートパイプを設置することを特徴とする。
より具体的に述べると、第4の手段は、加熱ローラーと、該加熱ローラーに対向し圧接する圧着ローラーを備え、未定着トナー画像を担持した被記録材(例えば転写用紙、郵便はがき、OHPシート等)を、加熱ローラーと圧着ローラーの間に挿入し、ニップ部と呼ばれるローラーと被記録材の接触領域内において、加熱及び圧力をかけることによって未定着トナーを被記録材に固定させる熱定着装置において、加熱ローラーの一部領域に、ループ型蛇行細管ヒートパイプを任意に離接触させる機構を具備している構成としたものである。
【0011】
次に第5の手段は、第4の手段の熱定着装置において、前記加熱ローラーに接触する範囲を制御可能な形状あるいは機構を持つループ型蛇行細管ヒートパイプを設置することを特徴とする。
すなわち第5の手段の熱定着装置は、第4の手段の構成に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプが、加熱ローラーに接触する範囲を任意に調節できる形状あるいは機構を備える構成としたものである。
【0012】
次に第6の手段は、第4または第5の手段の熱定着装置において、前記ループ型蛇行細管ヒートパイプの放熱部が被記録材収納部に接続されていることを特徴とする。
すなわち第6の手段の熱定着装置は、第4または第5の手段の構成に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプの放熱端が、被記録材収納部の一部に接続され、余剰の熱が伝導する機構を具備している構成としたものである。
【0013】
次に第7の手段は、第4、第5または第6の手段の熱定着装置において、加熱ローラーとループ型蛇行細管ヒートパイプとが、高熱伝導率材質、低熱容量のローラーを介して接触しており、このローラーを挿入する長さを変化させることによって、加熱ローラーの被記録材定着面積を調節することを特徴とする。
すなわち第7の手段の熱定着装置は、第4、第5または第6の手段の構成に加えて、加熱ローラーがループ型蛇行細管ヒートパイプと、高熱伝導率材質からなる熱容量の小さいローラーを介して接触する機構を具備している構成としたものである。
【0014】
次に第8の手段は、第4、第5、第6または第7の手段の熱定着装置において、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を、利用者によって操作部から入力された画像形成条件の設定によって制御するコントローラを具備することを特徴とする。
すなわち第8の手段の熱定着装置は、第4、第5、第6または第7の手段の構成に加えて、利用者が設定した用紙サイズ、作像枚数等の画像形成条件の設定によって、加熱ローラー上の熱圧着有効長さを算定し、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラーの離接触または接触面積を決定し制御するコントローラを具備した構成としたものである。
【0015】
第9の手段は、第4、第5、第6または第7の手段の熱定着装置において、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を、前記加熱ローラーの軸受部に設置された温度センサーにより検知される温度によって制御するコントローラを具備することを特徴とする。
すなわち第9の手段の熱定着装置は、第4、第5、第6または第7の手段の構成に加えて、加熱ローラーの軸受部に設置された温度センサーにより検知される温度によって、加熱ローラー上の熱圧着有効長さを算定し、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラーの接触有効面積を決定し制御するコントローラを具備した構成としたものである。
【0016】
以上、本発明に係る熱定着装置について述べたが、さらに第10の手段では、像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像手段のトナーによって現像して顕像化し、その像担持体上のトナー画像を被記録材に転写した後、前記被記録材に担持された未定着トナー画像を定着部で熱定着を利用して定着する画像形成装置において、前記定着部に、第1〜第9のうちの何れか一つの手段の熱定着装置を備えたことを特徴とする。
すなわち、第10の手段の画像形成装置では、定着部に、第1〜第9のうちの何れか一つの手段の熱定着装置を備えた構成としたので、幅の狭い被記録材を連続印字する場合にも、ループ型蛇行細管ヒートパイプを用いて定着部の加熱ローラーの両端の軸受部の温度上昇を防ぐことができるので、印字動作の信頼性を増し、ユニットの寿命を延ばし、かつ排熱(エネルギー)を有効利用できる画像形成装置を実現することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱定着装置及びその熱定着装置を備えた画像形成装置の構成、動作及び作用を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置100においては、光導電性感光体等からなる像担持体101が図中に矢印で示す時計回りに回転し、帯電部102で像担持体101の表面を均一に帯電した後、原稿110の画像情報を光学系102で読み取り、像担持体101上に潜像を形成させる。この像担持体101上に形成された潜像は、現像部104の現像ローラ104aより供給されたトナー105により現像され顕像化される。そして、像担持体101上のトナー画像は、図示しない収納部から給紙された被記録材(例えば被画像転写用紙)106に転写部107で転写され、被記録材106上に付着される。この未定着トナー画像を担持した被記録材106は熱定着装置1に搬送され、熱定着装置1内において、加熱ローラー2とその加熱ローラー2に対向し圧接する圧着ローラーとの間のニップ部4内に挿入され、熱と圧力によってトナー105は被記録材106上に固定される。一方、トナー画像転写後の像担持体101は、クリーニング部108で残留トナーを除去され、除電部109で残留電荷を除電される。
【0018】
図1に示す構成の画像形成装置において、熱定着装置1は、加熱ローラー2と、その加熱ローラー2に対向し圧接する圧着ローラー3を備えた構成であるが、本発明では、加熱ローラー2あるいは圧着ローラー3に、接触面積を変更可能なループ型蛇行細管ヒートパイプを設置した構成としたものである。以下、その具体的な実施例について説明する。
【0019】
図2は本発明の一実施例を示す熱定着装置の概略構成図であり、熱定着装置1の加熱ローラー2の内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプ6を設置した構成としたものである。すなわち本実施例では、加熱ローラー2は中心部のハロゲンランプ5の周囲を面状加工したループ型蛇行細管ヒートパイプ6が覆い、さらにその周囲をセラミックス材料7によって覆うという構造をなしている。蛇行細管ヒートパイプ6は熱伝導方向の異方性が小さいため、加熱ローラー2の回転によっても殆ど影響を受けることがなく、加熱ローラー2の表面温度を均一に保つことができる。
【0020】
次に図3は本発明の別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図であり、熱定着装置1の圧着ローラー3の内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプ6を設置した構成としたものである。すなわち本実施例では、加熱ローラー2に対向する圧着ローラー3の内部に面状加工したループ型蛇行細管ヒートパイプ6を同心円状に設け、その表面上にゴム等の弾性部材を設ける構造となっている。本実施例の場合、ループ型蛇行細管ヒートパイプ6により、圧着ローラー3の温度が均質化され、圧着ローラー3に接触している加熱ローラー2の表面温度を均質化することができる。
【0021】
次に図4は本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図であり、熱定着装置1の加熱ローラー2の一部領域に対して離接触制御が可能な手段を備えたループ型蛇行細管ヒートパイプ9を設置する構成としたものである。
より具体的に説明すると、図4において、画像転写用紙等の被記録材106は、加熱ローラー2と圧着ローラー3との間に挿入され、被記録材106上に担持された未定着トナー画像は熱と圧力によって被記録材106上に固定されるが、この時、加熱ローラー2の表面は内部のハロゲンランプ(図示せず)によって加熱されている。その際、被記録材106は、郵便はがき等のように用紙サイズが小さい場合、加熱ローラー2、圧着ローラー3の一方の端部を通過するが、本実施例では、被記録材106が接触しない領域8に、離接触制御可能なループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aが配置されており、任意に上記の領域8との接触を持つことができる機構(図示せず)を備えた構造となっている。ループ型蛇行細管ヒートパイプ9は極めて加工が容易で、従来のヒートパイプと比べて熱の伝導方向に異方性が少ないため、図のように、ローラー状に加工して、加熱ローラー2に接触させても構わない構成となっている。そして、加熱ローラー2との接触により吸収した熱は、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の放熱部10bによって排出される。
【0022】
次に図5は本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図であり、図4と同様な構成に加えて、加熱ローラー2に接触する範囲を制御可能な形状あるいは機構を持つループ型蛇行細管ヒートパイプ9を設置する構成としたものである。
より具体的に説明すると、本実施例では、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9を加熱ローラー2に離接触させる機構(図示せず)に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9を加熱ローラー2の軸方向にスライドさせる機構(図示せず)を備え、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aは加熱ローラー2上を接触しながらスライドできる構造となっており、任意の長さだけ加熱ローラー2と接触可能な構造となっている。
【0023】
次に図6は本発明のさらに別の実施例を示す画像形成装置の概略要部構成図であり、図4または図5の熱定着装置1と同様な構成に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の放熱部10bが被記録材106の収納部11に接続されている構成としたものである。
より具体的に説明すると、本実施例では、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aによって吸熱された加熱ローラー2上の余剰な熱は、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の放熱部10aに伝導されるが、この放熱部10bは高熱伝導率の部材等を介して被記録材106の収納部11に接続されている。通常、被記録材106の収納部11は十分な熱容量を持っているので、局所的に高温となることはない。また、収納部11には、通常、画像転写用紙等の被記録材106が収納されているが、放熱部10bによって伝えられた熱は被記録材106を暖め、被記録材106に含まれる余分な水分を蒸発する作用をもっているので、加熱ローラー2の排熱の有効利用を図ることができる。
【0024】
次に図7は本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図であり、図4、図5または図6の熱定着装置1と同様な構成に加えて、加熱ローラー2とループ型蛇行細管ヒートパイプ9とが、高熱伝導率材質、低熱容量のローラー12を介して接触しており、このローラー12を挿入する長さを変化させることによって、加熱ローラー2の被記録材定着面積を調節する構成としたものである。
より具体的に説明すると、本実施例では、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aは加熱ローラー2の長軸部と同じ長さを持っており、加熱ローラー2に近接して設置されている。加熱ローラー2とループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aの間には双方に接触するように、青銅材質などの良好な熱伝導率を持ち低熱容量の小ローラー12が挿入されており、加熱ローラー2の熱は小ローラー12を通してループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aに伝導される。このとき、ローラー12は図示しないスライド機構により加熱ローラー2の長軸部に平行して任意に移動可能に設けられている。そして、この小ローラー12の移動距離によって、接触熱領域の大きさを制御できる構造を持っている。
【0025】
次に図8は本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置と、その制御系の概略構成の説明図であり、図4、図5、図6または図7の熱定着装置1と同様な構成に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9と加熱ローラー2部分との離接触または接触面積を、利用者によって操作部16から入力された画像形成条件の設定によって制御するコントローラ14を具備する構成としたものである。
より具体的に説明すると、画像形成装置を複写機とした場合、本実施例では、複写機を利用するユーザーが用紙サイズ、複写枚数を操作パネル16によって入力したときに、入力値が予め設定されている「しきい値」を越えた場合には、コントローラ14の制御用CPU(マイクロコンピュータからなる中央処理装置)から制御命令が熱定着装置1に出力され、加熱ローラー2にループ型蛇行細管ヒートパイプ9を離接触させる機構13(あるいは両者の接触面積を変える機構)を制御して、加熱ローラー2にループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aを接触させる構成となっている。したがって、操作パネル16などによって入力された複写条件によって、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9と加熱ローラー2の離接触、接触面積などが制御されるので、より適切な作動条件を設定できる。
【0026】
次に図9は本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置と、その制御系の概略構成の説明図であり、図4、図5、図6または図7の熱定着装置1と同様な構成に加えて、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9と加熱ローラー2部分との離接触または接触面積を、前記加熱ローラー2の軸受部に設置された温度センサー15により検知される温度によって制御するコントローラ14を具備する構成としたものである。
より具体的に説明すると、本実施例では、加熱ローラー2の軸受部に温度センサー15を設置し、その温度センサー15によって検知される温度が予め設定されているしきい値を越えた場合には、コントローラ14の制御用CPU(マイクロコンピュータからなる中央処理装置)から制御命令が熱定着装置1に出力され、加熱ローラー2にループ型蛇行細管ヒートパイプ9を離接触させる機構13(あるいは両者の接触面積を変える機構)を制御して、加熱ローラー2にループ型蛇行細管ヒートパイプ9の吸熱部10aを接触させる構成となっている。したがって、連続通紙され、かつ、被記録材106のサイズが加熱ローラー2のサイズより小さい場合には、軸受部の温度が上昇するが、コントローラ14は、その温度上昇を温度センサ15で検知し、ループ型蛇行細管ヒートパイプ9と加熱ローラー2の離接触、接触面積などを制御して余剰な熱を排熱するので、軸受部の温度上昇を一定範囲内に収めることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、前述の第1の手段によれば、従来のヒートパイプに比して加工性が高く、熱伝導の異方性の少ないループ型蛇行細管ヒートパイプを使用し、該ループ型蛇行細管ヒートパイプを加熱ローラーあるいは圧着ローラーに設置する構成としたので、定着温度の均質化を図ることができ、かつ排熱を有効利用できる熱定着装置を実現することができる。
そして第2の手段によれば、第1の手段の熱定着装置において、加熱ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを貼付等により設置する構成としたので、より表面温度の均質化が保たれる熱定着装置の加熱ローラーを提供することができるという効果を得ることができる。これにより、加熱ローラーの一部が温度低下を引き起こすことによる定着性の不均一を防止し、プリントや複写画像等の画像劣化を抑えることができる。
また、第3の手段によれば、第1の手段の熱定着装置において、圧着ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプを貼付等により設置する構成としたので、圧着ローラーの表面温度を均質化することができ、接触している加熱ローラーの温度を均質化することが可能となり、第2の手段と同様に、より表面温度の均質化が保たれる熱定着装置の加熱ローラーを提供することができるという効果を得ることができる。これにより、加熱ローラーの一部が温度低下を引き起こすことによる定着性の不均一を防止し、プリントや複写画像等の画像劣化を抑えることができる。
【0028】
さらに第4の手段によれば、第1の手段の熱定着装置において、加熱ローラーの一部領域に対して離接触制御が可能な手段を備えたループ型蛇行細管ヒートパイプを設置する構成としたので、特にA3サイズ以上の大幅紙を印字可能な複写機やプリンタなどの画像形成装置の定着部において、加熱ローラーの一部領域に離接触可能なループ型蛇行細管ヒートパイプを設置させ、はがき等の小サイズの被記録材の連続通紙時などに、加熱ローラーの通紙未通過領域にこのループ型蛇行細管ヒートパイプを接触させることによって、表面の温度の局所的な異常上昇を抑え、加熱ローラーの早期劣化を防止し、印刷の安定化を図ることができるという効果を得ることができる。
また、第5の手段によれば、第4の手段の熱定着装置において、加熱ローラーに接触する範囲を制御可能な形状あるいは機構を持つループ型蛇行細管ヒートパイプを設置する構成としたので、第4の手段と同様の効果を保った上で、接触させるループ型蛇行細管ヒートパイプの面積を制御可能とすることによって、同様な効果を様々な用紙サイズの印刷にも適用できるという効果を得ることができる。
【0029】
さらに第6の手段によれば、第4または第5の手段の熱定着装置において、ループ型蛇行細管ヒートパイプの放熱部が被記録材収納部に接続されている構成としたので、第4または第5の手段の効果を保った上で、ループ型蛇行細管ヒートパイプの放熱部を被記録材収納部の一部に接続することによって、発生する余剰の熱を被記録材に伝導することができ、これによって、転写用紙等の被記録材の温度が上がることによって、より省エネルギーでトナー画像の転写・定着が可能になり、また安定した定着が可能になるという効果を得ることができる。
また、第7の手段によれば、第4、第5または第6の手段の熱定着装置において、加熱ローラーとループ型蛇行細管ヒートパイプとが、高熱伝導率材質、低熱容量のローラーを介して接触しており、このローラーを挿入する長さを変化させることによって、加熱ローラーの被記録材定着面積を調節する構成としたので、高熱伝導率材質で低熱容量材質のローラーをループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラーの間に挿入し、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラーの接触面積をローラーの挿入する長さで加減することにより、熱伝導をより簡便に制御できるという効果を得ることができる。
【0030】
さらに第8の手段によれば、第4、第5、第6または第7の手段の熱定着装置において、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を、利用者によって操作部から入力された画像形成条件の設定によって制御するコントローラを具備する構成としたので、画像形成装置の利用者により操作部の全面タッチパネル等から入力された画像形成条件によって、コントローラでループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を制御することができるので、より適切な作動条件を設定できるという効果を得ることができる。
また、第9の手段によれば、第4、第5、第6または第7の手段の熱定着装置において、ループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を、前記加熱ローラーの軸受部に設置された温度センサーにより検知される温度によって制御するコントローラを具備する構成としたので、加熱ローラーの軸受部に設置された温度センサーにより検知される温度によって、コントローラでループ型蛇行細管ヒートパイプと加熱ローラー部分との離接触または接触面積を制御することができるので、より熱定着装置の長寿命化を図ることができるという効果を得ることができる。
【0031】
さらに第10の手段によれば、像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像手段のトナーによって現像して顕像化し、その像担持体上のトナー画像を被記録材に転写した後、前記被記録材に担持された未定着トナー画像を定着部で熱定着を利用して定着する画像形成装置において、前記定着部に、第1〜第9のうちの何れか一つの手段の熱定着装置を備えた構成としたので、幅の狭い被記録材を連続印字する場合にも、ループ型蛇行細管ヒートパイプを用いて定着部の加熱ローラーの両端の軸受部の温度上昇を防ぐことができ、加熱ローラーの温度を均質化できるので、印字動作の信頼性を増し、ユニットの寿命を延ばし、かつ排熱(エネルギー)を有効利用できる画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す熱定着装置の概略構成図である。
【図3】本発明の別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図である。
【図6】本発明のさらに別の実施例を示す画像形成装置の概略要部構成図である。
【図7】本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置の概略構成図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置とその制御系の概略構成の説明図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例を示す熱定着装置とその制御系の概略構成の説明図である。
【符号の説明】
1 熱定着装置
2 加熱ローラー
3 圧着ローラー
4 ニップ部
5 ハリゲンランプ
6 面状加工したループ型蛇行細管ヒートパイプ
7 セラミック材料
8 用紙通過領域
9 ループ型蛇行細管ヒートパイプ
10a 吸熱部
10b 放熱部
11 被記録材収納部
12 小ローラー
13 ループ型蛇行細管ヒートパイプの離接触機構
14 コントローラ
15 温度センサー
16 操作パネル
100 画像形成装置
101 像担持体
102 帯電部
103 光学系
104 現像部
105 トナー
106 被記録材
107 転写部
108 クリーニング部
109 除電部
110 原稿

Claims (6)

  1. 記録材に担持された未定着トナー画像を熱定着を利用して定着する熱定着装置において、
    前記被記録材を格納する被記録材格納部と、
    加熱ローラーと、
    該加熱ローラーに対向し圧接する圧着ローラーと、
    前記加熱ローラーの一部領域に対する離接触制御を可能にする機構を介して吸熱部が配置され、放熱部が前記被記録材収納部に接続されるループ型蛇行細管ヒートパイプと、
    を有することを特徴とする熱定着装置。
  2. 請求項1記載の熱定着装置において、
    前記離接触制御を可能にする機構は、前記加熱ローラーと前記ループ型蛇行細管ヒートパイプとを、高熱伝導率材質、低熱容量のローラーを介して接触させ、前記ローラーを挿入する長さを変化させることによって、前記加熱ローラーの被記録材定着面積を調節することを特徴とする熱定着装置。
  3. 請求項記載の熱定着装置において、
    ユーザから入力される画像形成条件を受け付ける手段を有し、前記離接触制御を可能にする機構は、前記受け付けた画像形成条件に応じて、前記ループ型蛇行細管ヒートパイプと前記加熱ローラーとの接触面積を制御するコントローラを有することを特徴とする熱定着装置。
  4. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱定着装置において、
    前記加熱ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプが設置されていることを特徴とする熱定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱定着装置において、
    前記圧着ローラーの内面に、面状に加工したループ型蛇行細管ヒートパイプが設置されていることを特徴とする熱定着装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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