JP3883253B2 - 高温酸化炉と酸化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス状物の高温酸化に係り、特に、各種の廃棄物を低温でガス化して得られるガス状物を、高温にてガス化或いは燃焼するための高温酸化炉及び酸化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、都市ごみ、産業廃棄物、下水汚泥の多くが焼却設備へ、また、し尿や高濃度廃液が廃水処理設備へ送られ処理に付されている。しかしながら、未だ多くの廃棄物が未処理のまま投棄されているため、環境汚染や埋立地の逼迫を招くに至った。このため、灰のスラグ化とダイオキシン類を完全分解する機能が一体化されたガス化溶融システムの実用化が、強く望まれている。
一方、石炭をガス化し、H2 、COガスを主成分とする還元ガスを生産する技術が、既に実用化されている。ここで用いられているガス化炉は下降流型噴流床ガス化炉であり、水スラリー化した石炭を酸素と共にバーナより下方向に吹き出すことにより、高温下にて一段のガス化を行うものである。
図5に、下降流型噴流床ガス化炉の断面を示す。図5において、1はバーナ、2は燃焼室、3はスロート部、4はスラグ分離室、5は下降管、7は水槽、8はガス出口、9はスラグ出口、aは石炭・水スラリー、bは酸素ガス、cは生成ガス、dはスラグ粒、eは補給水、fは排水、gはスラグミスト、hはスラグ層、iはスラグ滴である。
【0003】
高濃度石炭・水スラリーaは、酸素(O2 )bとともに炉頂のバーナ1から燃焼室2の中へ吹き込まれる。燃焼室内では高温、高圧の条件でガス化が行われ、水素(H2 )、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )、水蒸気(H2 O)を主成分とするガスが生成される。石炭中の灰分は、高温のため溶融してスラグミストgとなり、多くは壁面に付着してスラグ層hを形成する。スラグ層を流れ下ったスラグは、スラグ滴iとしてスラグ分離室へ落下する。ガス中に残留するスラグミストは、ガスと共にスロート部3を経てスラグ分離室4に入る。次いで、ガスとスラグは、下降管5内を下降して水槽7中の水に吹き込まれて急冷され、その時の飽和温度となったガスは、ガス出口8より排出される。一方、水砕されガラス状となったスラグdは、水槽底部に堆積した後に、スラグ出口9より排出される。水槽中の水は排水fとして別置きのセトラー(図示せず)に排出される。
【0004】
この下降流型噴流床ガス化炉を廃棄物のガス化或いは燃焼に適用しようとすると、次のような問題がある。
(a)廃棄物を、石炭のように高濃度で水スラリー化することは困難である。多くの原因は、廃棄物の粉砕性にある。
(b)廃棄物の多くは石炭に比べ発熱量が低い。スラリー化のために水を添加することは、石炭以上に不利となる。
(c)燃焼室内に旋回流が形成されないため、ガスの滞留時間に広い分布を生じ、用いる原料によってはカーボンが多く発生する場合もある。スラグ中に残存する未燃カーボンは再利用されるが、その量は少ない方が望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決した、高負荷処理が可能で未燃カーボンの少ない高温酸化炉、特に各種の廃棄物を水スラリー化せずに原料とすることができるガス化溶融システムに用いられる高温酸化炉と酸化処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を高温にてガス化或いは燃焼する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する高温酸化炉において、該燃焼室上部側面には、供給したガス状物が旋回流を形成するように、水平断面の接線方向に向けて前記ガス状物の供給口を配すると共に、前記燃焼室の頂部には、含酸素ガスを燃焼室内に向けて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室下部にはスロート部を形成し、前記スラグ分離室には、前記スロート部に接続した下降管と、底部に水槽と、側面にガス排出口が配され、前記スロート部と前記下降管との接続部にガスとスラグを冷却するために水を噴霧する補助スプレーを設けたことを特徴とする高温酸化炉としたものである。
また、本発明では、粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を高温にてガス化或いは燃焼する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する高温酸化炉において、該高温酸化炉の手前に前記ガス状物からガス状物と粉粒状固形物を分別する分級装置を設け、前記燃焼室の上部側面には、該分級装置で分別されたガス状物が旋回流を形成するように、水平断面の接線方向に向けてガス状物の供給口を配し、前記分級装置で分別したガス状物は該供給口に接続すると共に、前記燃焼室の頂部には、含酸素ガスを燃焼室内に向けて吹き込む吹込口を設け、前記分級装置で分別された粉粒状固形物は該吹込口に接続することを特徴とする高温酸化炉としたものである。
【0007】
前記高温酸化炉において、燃焼室は、内部温度が1200〜1600℃であり、内部圧力が常圧近傍或いは5〜90atgであるのが良く、燃焼室に吹き込む含酸素ガスは、空気、酸素富活空気、酸素のいずれかにスチーム又は炭酸ガスを添加したものが良いし、さらに前記燃焼室は、ボイラ構造とすることもできる。
また、前記高温酸化炉において、前記下降管は、下端部を水槽の水面上又は水面下とすることができる。
前記において、粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物は、前工程の低温ガス化炉で生成したチャーを含むガス化ガスであり、前記低温ガス化炉に供給するガス化原料は、廃棄物であるのが良い。
【0008】
また、本発明では、廃棄物を低温ガス化して得られた粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を、高温でガス化或いは燃焼する酸化処理方法において、前記ガス状物を、高温ガス化或は燃焼する燃焼室とスラグ分離室とを有する高温酸化炉を用い、該ガス状物を前記高温酸化炉の燃焼室の上部側面の水平断面の接線方向に供給して旋回流を形成させると共に、含酸素ガスを該燃焼室の頂部から燃焼室内に供給して高温ガス化し、該高温ガス化したガスを、前記燃焼室下部のスロート部から、該スロート部に接続した水が噴霧されている前記スラグ分離室の下降管を通り、底部の水槽を介して排出することを特徴とする酸化処理方法としたものである。
さらに、本発明では、廃棄物を低温ガス化して得られた粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を、高温でガス化或いは燃焼する酸化処理方法において、前記ガス状物をガス状物と粉粒状固形物に分別し、前記ガス状物を、高温ガス化或は燃焼する燃焼室とスラグ分離室とを有する高温酸化炉を用い、該分別したガス状物を前記高温酸化炉の燃焼室の上部側面の水平断面の接線方向に供給して旋回流を形成させると共に、含酸素ガスを該燃焼室の頂部から燃焼室内に供給し、前記分別した粉粒状固形物を外部から導入した不活性ガスを主体としたキャリアガスを用いて該燃焼室の頂部から燃焼室に供給することを特徴とする酸化処理方法としたものである。
前記処理方法において、廃棄物は、水スラリー化することなく低温ガス化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、可燃性のガス状物を高温にてガス化或いは燃焼する燃焼室と、生成したスラグを分離回収するスラグ分離室を有する高温酸化炉において、ガス状物を燃焼室に水平断面の接線方向に供給して旋回流を生ぜしめ、同時に含酸素ガスを燃焼室の頂部から燃焼室内、好ましくは頂部中央から燃焼室の軸方向に吹き込むことにより、ガス化或いは燃焼の効率を高め、未燃カーボンの発生量を少なくしたものである。
本発明の高温酸化炉は、前段に低温ガス化炉を配し、低温ガス化炉で生成したチャーを含むガス化ガスを高温酸化炉に供給するガス化溶融システムとして使用する時にその威力が発揮される。
【0010】
本発明では、可燃性の固形物を含んだガスを、燃焼室に供給して旋回流を生ぜしめ、一方、含酸素ガスは燃焼室の頂部から燃焼室内、好ましくは、頂部中央から燃焼室の軸方向に吹き込む。このため、燃焼室の全域にわたり強力な酸化分解を起こさせることが出来、また、含酸素ガスの吹き込みが燃焼室の軸方向であるため、火炎が炉壁を直射することは無い。従って、未燃カーボンの発生が少なく、長期連続運転が可能なガス化或いは燃焼を実現することが出来る。
ガス中の固形物濃度が高い場合には、高温酸化炉の手前にサイクロン等を設けてガスと固形物を分別し、ガスは燃焼室に旋回流を形成するように供給し、固形物は燃焼室の頂部より含酸素ガスとともに、燃焼室頂部から燃焼室内、好ましくは、頂部中央より燃焼室の軸方向に供給するのがよい。こうすると、燃焼速度の遅い固形物が優先的に酸素と接触して酸化分解されるため、さらに未燃カーボンの発生の少ないガス化或いは燃焼が達成出来る。
【0011】
燃焼室の内部温度は、固形物中の灰分が溶流する温度より50〜100℃高い温度となるよう設定する。炉内温度の上昇は炉壁の損傷を促進するので、必要に応じ石灰石等を添加して灰の溶流温度を下げてやる。
燃焼室の内部圧力は、処理の目的に応じ、常圧或いは5〜90atgの加圧が選ばれる。完全燃焼や低圧の工業用燃料ガス回収が目的であれば常圧付近が、IGCC(ガスタービンを用いた複合サイクル発電)やSNG(合成天然ガス)や、アンモニア、メタノール等の化学工業原料の合成が目的ならば20〜90atg程度が選ばれる。
なお、燃焼室に供給する含酸素ガスには、空気、酸素富活空気、酸素のいずれかに、必要に応じスチーム又は炭酸ガスを添加したものが用いられる。利用目的が完全燃焼や低圧の工業用燃料ガスの回収やIGCCが目的であれば空気や酸素富活空気が、SNGや化学工業原料の合成が目的なら酸素が用いられる。
【0012】
燃焼室をボイラ構造として、高温高圧の水蒸気を回収すれば、発熱量を上げることが出来、まりスラグのセルフコーティングによる炉材保護も可能となる。
燃焼室で生成したガスとスラグをスラグ分離室に導き、下降管から水中に吹き込むことにより、ガスの急冷、スラグミストの除去、ガス中の塩化水素(HCl)等の吸収、スラグの水砕を行うことが出来る。スラグミストの除去により、ガスを後段の洗浄設備に導く際のダクトの閉塞も防止出来る。下降管自身を水管を配したボイラ構造とすれば、高温高圧の水蒸気の回収量をさらに増やせる。
低温ガス化炉と高温酸化炉を組み合わせたガス化溶融システムにて、本発明による高温酸化炉を使用すれば、廃棄物の高負荷で高収率なガス化或いは燃焼による処理が可能となる。
【0013】
本発明は、以下に述べる解決手段を見出すことにより成された。
(1)固形物を含んだ可燃性ガスを、燃焼室上部側面に供給して高速旋回させ、一方含酸素ガスは燃焼室の頂部中央より、燃焼室の軸方向に吹き込む。
(2)ガス中の固形物量が特に多い場合には、高温酸化炉の手前にサイクロン等の分級装置を置き、そこでガスと固形物を分離する。分離後のガスは燃焼室上部側面に供給して旋回流を形成させ、一方固形物は含酸素ガスと共に燃焼室の炉頂中央より燃焼室の軸方向に供給する。こうして固形物を優先的に高温で酸化分解する。
なお、本発明では、固形物を含酸素ガスと共に燃焼室の炉頂より燃焼室の軸方向に供給するようにした場合について述べたが、これに限定するものでなく固形物を含酸素ガスと共に燃焼室の軸方向と交差方向に供給してもよい。
(3)この時、燃焼室の内部温度は、1200〜1600℃とする。
(4)また、燃焼室の内部圧力は、処理の目的に応じ常圧或いは5〜90atgの加圧とする。
【0014】
(5)燃焼室に供給する含酸素ガスは、利用の目的に応じて空気、酸素富活空気、酸素のいずれかに必要に応じスチーム又は炭酸ガスを添加したものを用いる。
(6)燃焼室をボイラ構造とすれば、高温高圧の水蒸気を回収出来、また炉材もスラグのセルフコーティングにより保護出来る。
(7)燃焼室で生成したガスとスラグは、スラグ分離室にて水と直接接触させることにより急冷する。
(8)下降管をボイラ構造とすれば、高温高圧の水蒸気の回収量が増す。
(9)水面上に輻射ボイラを配すれば、後段の対流ボイラと併せてさらに大量の水蒸気が回収できる。
(10) 本発明による高温酸化炉を、低温ガス化炉と組み合わせたガス化溶融システムに採用すれば、廃棄物の高負荷で高効率な処理が可能となる。
【0015】
図1に、本発明による高温酸化炉の断面図を示す。
図1において、前記した図5と同じ符号は同じ言葉を表し、10はガス状物入口、11はボイラ水管、jはガス状物、kは固形物である。
前段の低温ガス化炉(図示せず)で生成したガス状物jすなわちガスと固形物kすなわちチャーは、高温酸化炉の燃焼室のガス状物入口10に供給され、強い旋回流を発生する。一方、燃焼室の頂部中央に設けたノズルから酸素が燃焼室の軸方向に吹き込まれ、1400℃前後で高温ガス化が行われ、水素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気を主成分とするガスが生成される。チャーは高温で燃焼するため、チャー中の灰分はスラグミストgとなる。旋回流により大部分のスラグミストは壁面に付着して薄いスラグ層hとなる。
【0016】
ガスとガス中に残ったスラグミストは、スロート部3を通過してスラグ分離室4に入る。燃焼室壁面のスラグ層を流れ下ったスラグは、スラグ滴iとなってスラグ分離室へ落下する。こうして下降管5を下降したガスとスラグは、スロート部3下部の下降管5の接合角部の周方向に配設された補助スプレー15によって下降管の内壁面の冷却と同時にガスやスラグも噴霧冷却した後水槽7中に水に吹き込まれて急冷される。下降管の外側を上昇したガスは、スラグ分離室に設けたガス出口8より排出される。本実施例では、下降管は輻射ボイラ構造となっているため、下降管を冷却する必要はない。水槽底部に堆積したスラグdは、スラグ出口9より排出される。未燃カーボンは、結局ガス化原料としてリサイクルするが、その量は少ない方が望ましい。
【0017】
図2に、本発明による高温酸化炉の別の構成を示す。図2において、12はサイクロン、jはガス状物、kは固形物、tはキャリアガスである。前段の低温ガス化炉(図示せず)で生成したガス状物jすなわちガスと固形物kすなわちチャーは、サイクロン12にて分離され、ガスは高温酸化炉の燃焼室2のガス状物入口10に供給され、強い旋回流を発生する。一方、チャーは前記サイクロン12と燃焼室間をつなぐ配管ラインから吹き込まれたキャリアガスで搬送されて燃焼室2の頂部中央に設けたノズルから酸素とともに燃焼室の軸方向に吹き込まれ、例えば1400℃前後で高温ガス化が行われる。なお、サイクロン12にて分離されたチャーpを燃焼室2に供給する場合は、図2に示すようにキャリアガスtとして不活性ガスを用いて供給することが爆発燃焼を防止するうえで望ましい。
本例では、ノズルからチャーを含酸素ガスとともに燃焼室の頂部中央より燃焼室の軸方向に吹き込む例について述べたが、これに限定するものでなく、チャーと含酸素ガスの吹込口は燃焼室の頂部中央より少しズレてもよいし、また燃焼室の軸方向と交差方向に吹き込むようにしてもよい。
こうして、通常は燃焼速度が遅いために未燃カーボンとなりやすい固形物が、優先的に酸素と接触して酸化分解される。
【0018】
図3は、本発明による別の高温酸化炉で、スラグ分離室4内に輻射ボイラ13、底部に水槽7が配されている。燃焼室2にて生成したガスとスラグは、スロート部3を介して、スラグ分離室4に入る。スラグ分離室4内の輻射ボイラ13により、ガスとスラグの発する輻射熱は効率良く吸収される。輻射ボイラ13を通過したガスは水面の直上で反転し、慣性力でスラグを水中に落下させた後に、スラグ分離室4の側面に設けたガス排出口8から排出される。従って、ガスは水と直接接触することなく後段の対流ボイラに供給されるため、結果的に多量の高温高圧スチームを回収出来る。このタイプの高温酸化炉は、発電を目的とする場合に用いられる。
【0019】
図4は、廃棄物からの水素(H2 )、一酸化炭素(CO)の混合ガスを製造するためのガス化溶融システムの要部を示す。ここでは低温ガス化炉して用いる流動層炉からのガスの固形物濃度が高い場合を想定している。21は原料貯留槽、22は原料ロックホッパー、23は原料供給装置、24は流動層ガス化炉、12はサイクロン、25は高温酸化炉、26は空気圧縮機、27は酸素圧縮機、28は不燃物排出装置、29はBMロックホッパー、30は不燃物ロックホッパー、31は不燃物コンベア、32は磁選機、33はBM循環エレベータ、34は磁選機、35は振動篩、36は粉砕機、37はBMロックホッパー、38はBMホッパー、42はガススクラバー、lは廃棄物、mは空気、nは不燃物(添字:Lは28の篩上、Sは28の篩下、1は磁性、2は非磁性)、oは砂、pはチャー、qは水、rはスチームである。
【0020】
予め破砕・選別等の前処理を施した廃棄物lは、原料貯留槽21に貯留された後に原料ロックホッパー22を通過して20〜90atg程度に昇圧され、スクリュー式の原料供給装置23により流動層ガス化炉24に定量供給される。ガス化炉の下からは空気mと酸素(O2 )bの混合ガスがガス化剤兼流動化ガスとして送入される。廃棄物はガス化炉内の砂oの流動層に投入され、450〜950℃に保持された流動層内で酸素と接触することにより、速やかに熱分解ガス化される。ガス化炉の炉底からは砂が不燃物nやチャーpとともに間欠的に排出され、不燃物排出装置28により粗大不燃物nL が分離され、不燃物ロックホッパー30で減圧された後に、不燃物コンベア31により持ち上げられ、磁選機32により磁性物nL1すなわち鉄分と非磁性物nL2に分別される。一方、不燃物排出装置の篩下となった砂は、不燃物nS やチャーとともに、BM循環エレベータ33で上方へ搬送され、磁選機34で磁性物nS1を分離する。後は、振動篩35とボールミル型の粉砕機36により、流動媒体の砂は粉砕しないで、不燃物とチャーは微粉砕してガス化炉に戻す。不燃物に含まれる金属は、ガス化炉内が還元雰囲気であるため、酸化されないクリーンな状態で回収される。
【0021】
投入された廃棄物の熱分解ガス化によりガス、タール、炭化物が生成するが、炭化物は流動層の攪乱運動により微粉砕されてチャーとなる。固形物であるチャーは多孔質で軽いため、ガス状物であるガス、タールの流れに同伴されて運ばれる。ガス化炉を出たガス状物jと固形物kの混合物はサイクロン20に供給され、ここでガス状物と固形物が分別される。固形物をほとんど含まないガス状物は、高温酸化炉25の燃焼室に供給され強い旋回流を発生する。一方、分離された固形物kは酸素bとともに燃焼室2上部より吹き込まれ、固形物は酸素と反応して優先的に酸化分解される。燃焼室内の温度はおよそ1400℃である。そこで生成する水素、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、水蒸気主体のガスは、スラグと共に、スラグ分離室4にて水と直接接触して洗浄急冷される。スラグ分離室4を出たガスcは、ガススクラバー42にて残存するダストや塩化水素等を徹底的に除去する。スラグ分離室4の下部からは水槽7に堆積したスラグdが排出され、また、スラグ分離室4の側壁から排出された廃水fは次工程の図示を省略した廃水処理装置にて処理される。回収されたスラグはセメントや土木建築用の資材として有効利用される。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
▲1▼ 廃棄物を石炭スラリーのように微粉砕してスラリー化する必要がないため、廃棄物の前処理工程が簡単である。
▲2▼ 廃棄物の場合は、石炭スラリーを高温酸化炉に供給して処理する時のように水が存在しないため、酸素の原単位を小さくでき冷ガス効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温酸化炉の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明の高温酸化炉の他の例を示す概略構成図。
【図3】本発明の高温酸化炉の他の例を示す概略構成図。
【図4】廃棄物から水素、一酸化炭素の混合ガスを製造する全体工程図。
【図5】噴流床下降流型高温ガス化炉の概略構成図。
【符号の説明】
1:バーナ、2:燃焼室、3:スロート部、4:スラグ分離室、5:下降管、7:水槽、8:ガス出口、9:スラグ出口、10:導入部、11:ボイラ水管、12:サイクロン、13:輻射ボイラ、15:補助スプレー、21:原料貯留槽、22:原料ロックホッパー、23:原料供給装置、24:流動層ガス化炉、25:高温酸化炉、26:空気圧縮機、27:酸素圧縮機、28:不燃物排出装置、29:BMロックホッパー、30:不燃物ロックホッパー、31:不燃物コンベア、32:磁選機、33:BM循環エレベータ、34:磁選機、35:振動篩、36:粉砕機、37:BMロックホッパー、38:BMホッパー、42:ガススクラバー、
a:石炭・水スラリー、b:酸素ガス、c:生成ガス、d:スラグ粒、e:補給水、f:排水、g:スラグミスト、h:スラグ層、i:スラグ滴、j:ガス状物、k:固形物、l:廃棄物、m:空気、n:不燃物(添字:L:28の篩上、S:28の篩下、1:磁性、2:非磁性)、o:砂、p:チャー、q:水、r:スチーム、t:キャリアガス
Claims (12)
- 粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を高温にてガス化或いは燃焼する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する高温酸化炉において、該燃焼室上部側面には、供給したガス状物が旋回流を形成するように、水平断面の接線方向に向けて前記ガス状物の供給口を配すると共に、前記燃焼室の頂部には、含酸素ガスを燃焼室内に向けて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室下部にはスロート部を形成し、前記スラグ分離室には、前記スロート部に接続した下降管と、底部に水槽と、側面にガス排出口が配され、前記スロート部と前記下降管との接続部にガスとスラグを冷却するために水を噴霧する補助スプレーを設けたことを特徴とする高温酸化炉。
- 粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を高温にてガス化或いは燃焼する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する高温酸化炉において、該高温酸化炉の手前に前記ガス状物からガス状物と粉粒状固形物を分別する分級装置を設け、前記燃焼室の上部側面には、該分級装置で分別されたガス状物が旋回流を形成するように、水平断面の接線方向に向けてガス状物の供給口を配し、前記分級装置で分別したガス状物は該供給口に接続すると共に、前記燃焼室の頂部には、含酸素ガスを燃焼室内に向けて吹き込む吹込口を設け、前記分級装置で分別された粉粒状固形物は該吹込口に接続することを特徴とする高温酸化炉。
- 前記燃焼室は、内部温度が1200〜1600℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の高温酸化炉。
- 前記燃焼室は、内部圧力が常圧近傍或いは5〜90atgであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の高温酸化炉。
- 前記含酸素ガスが、空気、酸素富活空気、酸素のいずれかにスチーム又は炭酸ガスを添加したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の高温酸化炉。
- 前記燃焼室が、ボイラ構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の高温酸化炉。
- 前記下降管は、下端部が水槽の水面上又は水面下にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の高温酸化炉。
- 前記粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物が、前工程の低温ガス化炉で生成したチャーを含むガス化ガスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の高温酸化炉。
- 前記低温ガス化炉に供給するガス化原料が、廃棄物であることを特徴とする請求項8記載の高温酸化炉。
- 廃棄物を低温ガス化して得られた粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を、高温でガス化或いは燃焼する酸化処理方法において、前記ガス状物を、高温ガス化或は燃焼する燃焼室とスラグ分離室とを有する高温酸化炉を用い、該ガス状物を前記高温酸化炉の燃焼室の上部側面の水平断面の接線方向に供給して旋回流を形成させると共に、含酸素ガスを該燃焼室の頂部から燃焼室内に供給して高温ガス化し、該高温ガス化したガスを、前記燃焼室下部のスロート部から、該スロート部に接続した水が噴霧されている前記スラグ分離室の下降管を通り、底部の水槽を介して排出することを特徴とする酸化処理方法。
- 廃棄物を低温ガス化して得られた粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を、高温でガス化或いは燃焼する酸化処理方法において、前記ガス状物をガス状物と粉粒状固形物に分別し、前記ガス状物を、高温ガス化或は燃焼する燃焼室とスラグ分離室とを有する高温酸化炉を用い、該分別したガス状物を前記高温酸化炉の燃焼室の上部側面の水平断面の接線方向に供給して旋回流を形成させると共に、含酸素ガスを該燃焼室の頂部から燃焼室内に供給し、前記分別した粉粒状固形物を外部から導入した不活性ガスを主体としたキャリアガスを用いて、該燃焼室の頂部から燃焼室に供給することを特徴とする酸化処理方法。
- 前記廃棄物は、水スラリー化することなく低温ガス化することを特 徴とする請求項10又は11記載の酸化処理方法。
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