JP3882659B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を反射するミラー部を共振揺動させることによって、対象物に照射させる光を走査する光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光源からの光を2次元方向に走査して対象物に照射させる光走査装置が提案されており、例えば、車両用レーザレーダ等に利用されている。車両用レーザレーダは、光走査装置を用いて車両周囲の対象物にレーザ光を照射させ、この対象物からの反射レーザ光を検出して、光走査装置からの出射レーザ光と対象物からの反射レーザ光との関係に基づいて、対象物までの距離や水平方向及び垂直方向の角度等を検出するものである。
【0003】
従来の光走査装置としては、例えば特開平7−175005号公報にて開示されるプレーナー型ガルバノミラー等が知られている。この特開平7−175005号公報にて開示されるプレーナー型ガルバノミラーは、半導体基板に可動板とこの可動板を揺動可能に軸支するトーションバーとを一体形成し、可動板上にミラー及び平面コイルを設けて、この平面コイルと固定部に配置した永久磁石との磁界の作用により可動板を揺動させて、ミラーで反射される光を走査するようにしたものである。
【0004】
このような構造のプレーナー型ガルバノミラーは、半導体製造プロセスでの作製が可能であり、小型化を図る上で非常に有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光走査装置を車両用レーザレーダに用いる場合には、ミラーで反射されて対象物に照射されるレーザ光のパワーを十分確保するために、ミラーのサイズを大きくすることが望まれる。また、車両用レーザレーダでは、検出範囲の広さがミラーの振れ角に依存するので、広範囲での検出を実現するにはミラーの振れ角を大きく設定することが望まれる。
【0006】
しかしながら、上述したプレーナー型ガルバノミラーでは、可動板上に平面コイルを配置すると共に固定部に永久磁石を配置して、これら平面コイルと永久磁石との電磁力によりミラーが形成された可動板を揺動させるようになっているため、ミラーのサイズを大型化し、この大型のミラーの振れ角、すなわち可動板の振れ角を大きく設定すると、可動板の揺動に伴う平面コイルの揺動方向における変位量が大きくなり、永久磁石に対する平面コイルの位置が大きく変動することになる。
【0007】
平面コイルと永久磁石との間に作用する電磁力は、平面コイルと永久磁石との間の距離が大きくなると急激に低下するので、以上のような構造のプレーナー型ガルバノミラーで、可動板を大きな振れ角で適切に揺動させるためには、平面コイルに供給する電流の値を大きくする必要が生じ、その結果、平面コイルの大型化や電流アンプの大容量化等が要求されて、コストの増大を招くという問題がある。更に、平面コイルに大電流を供給したときの発熱に対する対策として、放熱機構を設けることが要求されて、更なるコストの増大や、装置自体の大型化等の問題も懸念される。
【0008】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、コストの増大や装置自体の大型化等を招くことなく、ミラーを大きな振れ角で適切に揺動させて、光を広い範囲で走査させることが可能な光走査装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源からの光をミラー部で反射させて対象物に照射させると共に、前記ミラー部を揺動させることによって前記対象物に照射させる光を走査する光走査装置において、前記ミラー部を揺動可能に支持する弾性梁と、前記弾性梁の一方の主面部上に形成された磁歪素子と、前記弾性梁の他方の主面部上に、前記弾性梁を介して前記磁歪素子と重なるように形成された磁界発生手段と、前記磁界発生手段に交流電流を供給して前記ミラー部を共振揺動させる電流出力手段とを備えることを特徴とする光走査装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、光源からの光をミラー部で反射させて対象物に照射させると共に、前記ミラー部を揺動させることによって前記対象物に照射させる光を走査する光走査装置において、前記ミラー部を揺動可能に支持する弾性梁と、前記弾性梁の一方の主面部上に形成された磁界発生手段と、前記弾性梁の一方の主面部上に、絶縁膜を介して前記磁界発生手段と重なるように形成された磁歪素子と、前記磁界発生手段に交流電流を供給して前記ミラー部を共振揺動させる電流出力手段とを備えることを特徴とする光走査装置である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光走査装置において、前記磁界発生手段が、前記弾性梁の捩り軸方向に対して垂直な向きに配置された複数の磁界発生導線と、これら複数の磁界発生導線を並列で前記電流出力手段に接続する導入線とを有することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光走査装置において、前記複数の磁界発生導線の前記導入線を含めた抵抗値が互いに略等しくなるように、前記複数の磁界発生導線の寸法形状がそれぞれ決定されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光走査装置において、前記複数の磁界発生導線の前記導入線を含めた抵抗値が互いに略等しくなるように、前記複数の磁界発生導線に対応した複数の抵抗値調整手段がそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
以上のような本発明に係る光走査装置では、電流出力手段から磁界発生手段に交流電流が供給されると、磁界発生手段が弾性梁の曲げ方向及び捩り方向のそれぞれの共振周波数の2成分が重なった交番磁界を発生する。そして、この交番磁界が磁歪素子に印加されることで磁歪素子が駆動され、弾性梁が曲げ方向及び捩り方向に変形する。これにより、弾性梁に支持されたミラー部が2次元方向に揺動し、このミラー部で反射された光が2次元方向に走査されることになる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る光走査装置によれば、弾性梁に変形を生じさせる磁歪素子と磁界発生手段とが、弾性梁の一方の主面部上と他方の主面部上とにそれぞれ形成された構造となっており、ミラー部の揺動量の大小に拘わらず、磁歪素子と磁界発生手段とが常に近接した位置になっているので、ミラー部を小電流で適切に揺動させることができ、磁界発生手段の小型化や電流アンプの小容量化等が可能で、装置全体の小型化、コストの低減等を実現できる。
【0016】
また、請求項2に係る光走査装置によれば、弾性梁に変形を生じさせる磁界発生手段と磁歪素子とが、弾性梁の一方の主面部上にそれぞれ形成された構造となっており、ミラー部の揺動量の大小に拘わらず、磁歪素子と磁界発生手段とが常に近接した位置になっているので、ミラー部を小電流で適切に揺動させることができ、磁界発生手段の小型化や電流アンプの小容量化等が可能で、装置全体の小型化、コストの低減等を実現できる。
【0017】
また、請求項3に係る光走査装置によれば、磁界発生手段が、弾性梁の捩り軸方向に平行な方向に磁界を発生することになるので、磁歪素子に2次元振動の力を発生させる上で最も効果的であり、その結果、装置全体の小型化やコストの低減を更に効果的に実現できる。
【0018】
また、請求項4に係る光走査装置によれば、磁界発生手段から磁歪素子に印加される磁界の強さが磁歪素子の各部においてほぼ均一となるので、磁歪素子の起振力を最大限に活用することが可能となり、その結果、装置全体の小型化やコストの低減を更に効果的に実現できる。
【0019】
また、請求項5に係る光走査装置によれば、磁界発生手段から磁歪素子に印加される磁界の強さが磁歪素子の各部においてほぼ均一となるので、磁歪素子の起振力を最大限に活用することが可能となり、その結果、装置全体の小型化やコストの低減を更に効果的に実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下では、本発明を、車両用2次元レーザレーダ装置等に用いられる2次元スキャナに適用した例について具体的に説明する。
【0021】
車両用2次元レーザレーダ装置の一例を図1に示す。この図1に示す車両用2次元レーザレーダ装置1は、レーザダイオード(以下、LDと略称する。)2及びLD駆動回路3を有する照射系と、フォトディテクタ(以下、PDと略称する。)4及び受光回路5を有する受光系と、本発明を適用した2次元スキャナ10、走査駆動部6、走査位置検出回路7及び反射ミラー8を有する走査系とを備えており、これらの各部が制御回路9による制御のもとで動作するようになっている。
【0022】
制御回路9は、所定のタイミング毎に、LD駆動回路3にLD2を発光させる旨の発光司令を出力する。LD駆動回路3は、この制御回路9からの発光司令を受けて、所定のタイミング毎にLD2を発光させる。これにより、LD2からレーザ光が出射されることになる。そして、LD2から出射されたレーザ光が、2次元スキャナ10及び反射ミラー8により順次反射されて、車両周囲の物体100に照射されることになる。
【0023】
2次元スキャナ10は、走査駆動部6から供給される交流電流に応じて駆動されて、水平方向及び垂直方向の互いに直交する2方向に同時に揺動し、LD2から出射されたレーザ光を車両周囲の路面に水平な方向と垂直な方向との2次元方向に走査させる。この2次元スキャナ10によるレーザ光の走査位置は、走査位置検出回路7により検出されるようになっている。2次元スキャナ10により2次元方向に走査されて車両周囲の物体100に照射されたレーザ光は、この物体100によって反射され、この物体100からの反射レーザ光が、PD4により受光されることになる。
【0024】
PD4は、受光した物体100からの反射レーザ光を光電変換し、この反射レーザ光の光量に応じた電気信号を受光回路5に出力する。受光回路5は、PD4からの信号強度を所定の基準値と比較して、その比較結果を制御回路9に出力する。
【0025】
制御回路9は、車両用2次元レーザレーダ装置1を構成する各部の動作を制御すると共に、これら各部からの出力に基づき、車両周囲の物体100に関する各種情報を生成する。具体的には、制御回路9は、例えば、LD2によるレーザ光の発光からPD4による反射レーザ光の受光までの時間、すなわち、LD2から出射され車両周囲の物体100により反射されてPD4に受光されるまでのレーザ光の伝播遅延時間に基づいて、車両周囲の物体100までの距離を算出すると共に、この物体100までの距離を時間的に連続して算出してその結果を比較することで、この物体100の車両に対する相対速度を算出する。また、制御回路9は、走査位置検出回路7により検出されたレーザ光の走査位置に基づいて、物体100が存在する方向を検出する。
【0026】
ここで、以上のように構成される車両用2次元レーザレーダ装置1に用いられる本発明を適用した2次元スキャナ10について、更に詳しく説明する。
【0027】
2次元スキャナ10は、図2及び図3に示すように、例えば、シリコンウエハを各種マイクロマシニング加工技術によって加工することで形成され、コ字状のスリット部11によって分断されたミラー部12及びフレーム部13と、フレーム部13に対してミラー部12を揺動自在に支持する弾性梁14とを備えている。なお、図2は2次元スキャナ10を上方から見た平面図、図3は図2におけるX−X線断面図である。
【0028】
ミラー部12は、一端部が弾性梁14を介してフレーム部13に連結されており、フレーム部13に対して片持ち梁状に支持されている。そして、このミラー部12には、例えばシリコンウエハの主面に対してアルミ蒸着等により高反射コーティングが施されることで反射面が形成されており、LD2から出射されたレーザ光を十分な反射率で反射ミラー8側へと反射するようになっている。
【0029】
また、弾性梁14は、曲げ方向と捩り方向とに弾性変形自在とされている。そして、この弾性梁14が曲げ方向及び捩り方向に変形することにより、弾性梁14に支持されたミラー部12が2次元方向に揺動し、このミラー部12で反射されたレーザ光が2次元方向に走査されるようになっている。
【0030】
弾性梁14の裏面、すなわち、ミラー部12の反射面と反対側の面には、高磁歪率を有する磁歪素子15が薄膜状に形成されている。この磁歪素子15は、所定の磁場の下で形成されることにより、例えば図2中に示す矢印A方向に対して概ね22.5度の傾斜角を有する方向に磁化容易軸が設定されている。
【0031】
また、弾性梁14の表面、すなわち、磁歪素子15が形成された面と反対側の面には、走査駆動部6から供給される交流電流に応じて交番磁界を発生する磁界発生手段16が薄膜状に形成されている。この磁界発生手段16は、弾性梁14の曲げ方向及び捩り方向のそれぞれの共振周波数の2成分が重なった交番磁界を発生する。そして、この磁界発生手段16により発生した交番磁界が磁歪素子15に印加されることによって、弾性梁14が図2中矢印Bで示す曲げ方向、及び図2中矢印Cで示す捩り方向(矢印Aが捩り軸方向)に変形し、これに伴って、ミラー部12が弾性梁14を基点として2次元方向に揺動するようになっている。
【0032】
また、弾性梁14の表面には、当該弾性梁14の曲げ方向及び捩り方向の変形量(周波数及び振幅)をそれぞれ検出するピエゾ抵抗素子17が形成されている。このピエゾ抵抗素子17からの出力信号は、フレーム部13の端部に形成された電極部18を介して外部に出力され、走査位置検出回路7に供給されるようになっている。そして、走査位置検出回路7が、ピエゾ抵抗素子17からの出力信号に基づいて、レーザ光の走査位置を検出するようになっている。
【0033】
ここで、以上のような構造の2次元スキャナ10の具体的な一構成例について説明する。弾性梁14によって片持ち梁状に支持されるミラー部12の外形形状は、例えば、長さが10mm、幅が5mm、厚さが約20μmとされる。また、このミラー部20を揺動させる弾性梁14は、曲げ変形の共振周波数が例えば200Hzとされ、捩り変形の共振周波数が例えば1kHzとされる。また、各々の共振周波数における変位角、すなわち、ミラー部12のフレーム部13に対する変位角度は、例えば、捩り方向に5度、曲げ方向に20度とされる。なお、これら変位角度は、走査駆動部6から磁界発生手段16に供給する交流電流を可変とすることで自在に制御可能である。
【0034】
なお、上述の説明においては、磁歪素子15の磁化容易軸の傾斜角を22.5度としたが、この値に限定されるものではない。ただし、弾性梁14の機械的特性から、捩り方向の変形に対しては、磁歪素子15の磁化容易軸の傾斜角を45度とすることが望ましく、曲げ方向の変形に対しては、傾斜角を0度とすることが望ましい。本例においては、弾性梁14を捩り方向と曲げ方向との双方で変形させることから、0度と45度との中間値である22.5度付近を選択することが望ましい。
【0035】
次に、以上のような2次元スキャナ10が備える磁界発生手段16について、図4及び図5を参照して説明する。
【0036】
磁界発生手段16は、例えば図4に示すように、図4中矢印Aで示す弾性梁14の捩り軸方向(図1中の矢印A方向と同一方向)に対して垂直な向きに配置された複数の磁界発生導線21,22,23,24,25と、これら複数の磁界発生導線21,22,23,24,25を並列で走査駆動部6に接続する一対の導入線26,27とを有している。これら磁界発生導線21,22,23,24,25や導入線26,27は、例えばアルミ蒸着等によって、弾性梁14の表面に薄膜状に形成されている。
【0037】
この磁界発生手段16を等価回路的に示すと、図5のように、多数の抵抗要素R0,R1,R2,R3,R4,R5が電気的に接続された状態で表される。ここで、各磁界発生導線21,22,23,24,25の抵抗値R1,R2,R3,R4,R5は、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅に応じてそれぞれ異なった値となっている。また、各磁界発生導線21,22,23,24,25に接続される一対の導入線26,27の部分抵抗値R0は、互いに等しい値となっている。
【0038】
以上のような磁界発生手段16では、図中αとβとの間に所定の電圧Vを印加すると、αから導入線26、磁界発生導線21,22,23,24,25、導入線27を経てβに電流が流れる。そして、このα−β間を流れる電流値に応じて、磁界発生手段16の各部において交番磁界が発生することになる。このとき、磁界発生導線21,22,23,24,25と導入線26,27とを含めた抵抗値が、各磁界発生導線21,22,23,24,25相互間において略等しくなるようにし、磁界発生導線21,22,23,24,25を各々個別に流れる電流の電流値が互いに略等しくなるようにすれば、弾性梁14の捩り軸方向Aに沿って一様な交番磁界が発生し、この交番磁界が磁歪素子15に均一に作用して均一な駆動応力が発生することになる。
【0039】
ここで、磁界発生導線21を流れる電流の電流値をIAとすると、この電流値IAは下記式1により求められる。
【0040】
IA=V/(10×R0+R1+Rz1) ・・・式1
同様に、磁界発生導線22を流れる電流の電流値をIBとすると、この電流値IBは下記式2により求められる。
【0041】
IB=V/(8×R0+R2+Rz2) ・・・式2
同様に、磁界発生導線23を流れる電流の電流値をICとすると、この電流値ICは下記式3により求められる。
【0042】
IC=V/(6×R0+R3+Rz3) ・・・式3
同様に、磁界発生導線24を流れる電流の電流値をIDとすると、この電流値IDは下記式4により求められる。
【0043】
ID=V/(4×R0+R4+Rz4) ・・・式4
同様に、磁界発生導線25を流れる電流の電流値をIEとすると、この電流値IEは下記式5により求められる。
【0044】
IE=V/(2×R0+R5+Rz5) ・・・式5
なお、Rz1,Rz2,Rz3,Rz4,Rz5は各々の経路の並列合成抵抗であり計算式は複雑となるが、固有の値を持つため、ここではRz1,Rz2,Rz3,Rz4,Rz5と簡略に示している。
【0045】
この2次元スキャナ10の磁界発生手段16では、以上のように求められる電流値IA,IB,IC,ID,IEがそれぞれ略等しくなるように、各磁界発生導線21,22,23,24,25の抵抗値R1,R2,R3,R4,R5をそれぞれ設定し、これに応じて、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅等の寸法形状を決定するようにしている。これにより、弾性梁14の捩り軸方向Aに沿って一様な交番磁界が発生し、弾性梁14が曲げ方向及び捩り方向に適切に変形して、ミラー部12が2次元方向に効率的に揺動することになる。
【0046】
なお、図4においては、本例の特徴点を分かり易く示すために、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅の差を強調的に表したが、実際には、一対の導入線26,27の部分抵抗値R0が十分に小さい値に設定されるので、各磁界発生導線21,22,23,24,25の寸法形状の変化量も通常は少なくてすむ。
【0047】
以上説明したように、本発明を適用した2次元スキャナ10では、走査駆動部6から供給される交流電流に応じて磁界発生手段16が交番磁界を発生し、この交番磁界が磁歪素子15に印加されて磁歪素子15に駆動応力が発生し、この磁歪素子15の駆動応力に応じて弾性梁14が曲げ方向及び捩り方向に変形して、これに伴ってミラー部12が2次元方向に揺動するようになっている。そして、このミラー部12で反射されるLD2からのレーザ光を2次元方向に走査しながら、物体100に照射させるようになっている。
【0048】
このような駆動原理を採用した2次元スキャナにおいて、特に、本発明を適用した2次元スキャナ10では、上述したように、弾性梁14に変形を生じさせるための磁歪素子15と磁界発生手段16とが、弾性梁14の裏面上と表面上とにそれぞれ形成された構造となっており、ミラー部12の揺動量の大小に拘わらず、磁歪素子15と磁界発生手段16とが常に近接した位置になっているので、ミラー部12を小電流で適切に揺動させることができ、磁界発生手段16の小型化や走査駆動部6の電流アンプの小容量化等が可能で、装置全体の小型化、コストの低減等を実現できる。
【0049】
また、この2次元スキャナ10では、上述したように、磁界発生手段16が、弾性梁14の捩り軸方向Aに平行な方向に、且つ、弾性梁14の捩り軸方向Aに沿って一様な交番磁界を発生させるようになっているので、弾性梁14が曲げ方向及び捩り方向に適切に変形して、ミラー部12を2次元方向に効率的に揺動させることができる。その結果、装置全体の小型化やコストの低減を更に効果的に実現できる。
【0050】
なお、以上は、本発明を適用した2次元スキャナ10の一例について具体的に説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0051】
例えば、以上の例では、弾性梁14の表面側に磁界発生手段16、弾性梁14の裏面側に磁歪素子15がそれぞれ形成されているが、図6に示すように、弾性梁14の裏面側に磁界発生手段16を形成し、その上に重ねて磁歪素子15を形成するようにしてもよい。また、これら磁界発生手段16及び磁歪素子15を共に弾性梁14の表面側に重ね合わせて形成するようにしてもよい。この場合、磁界発生手段16と磁歪素子15との間には図示しない絶縁膜等を形成して、これらの間での絶縁性を確保することが望ましい。
【0052】
この例のように、磁界発生手段16及び磁歪素子15を弾性梁14の裏面側或いは表面側に重ね合わせて形成するようにした場合には、磁歪素子15と磁界発生手段16とが更に近接した位置に配置されることになるので、磁界発生手段16からの磁界を更に効率的に磁歪素子15に印加させて、ミラー部12の2次元方向への揺動をより効率的に行うことができる。
【0053】
また、以上の例では、磁界発生手段16は、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅等の寸法形状が調整されることで、磁界発生導線21,22,23,24,25と導入線26,27とを含めた抵抗値が、各磁界発生導線21,22,23,24,25相互間において略等しくなり、磁界発生導線21,22,23,24,25を各々個別に流れる電流の電流値が互いに略等しくなるようにしているが、図7に示すように、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅等の寸法形状は一定とし、各磁界発生導線21,22,23,24,25毎に抵抗値調整器31,32,33,34,35をそれぞれ接続して、これら抵抗値調整器31,32,33,34,35の作用で、磁界発生導線21,22,23,24,25と導入線26,27とを含めた抵抗値が、各磁界発生導線21,22,23,24,25相互間において略等しくなるようにし、磁界発生導線21,22,23,24,25を各々個別に流れる電流の電流値が互いに略等しくなるようにしてもよい。
【0054】
この例における磁界発生手段16を等価回路的に示すと、図8のように、各磁界発生導線21,22,23,24,25に対応した抵抗値調整器31,32,33,34,35が抵抗要素R1,R2,R3,R4,R5となり、各磁界発生導線21,22,23,24,25は、互いに等しい抵抗値を有する抵抗要素Rsとなる。
【0055】
ここで、磁界発生導線21を流れる電流の電流値をIAとすると、この電流値IAは下記式6により求められる。
【0056】
IA=V/(10×R0+R1+Rs+Rz1) ・・・式6
同様に、磁界発生導線22を流れる電流の電流値をIBとすると、この電流値IBは下記式7により求められる。
【0057】
IB=V/(8×R0+R2+Rs+Rz2) ・・・式7
同様に、磁界発生導線23を流れる電流の電流値をICとすると、この電流値ICは下記式8により求められる。
【0058】
IC=V/(6×R0+R3+Rs+Rz3) ・・・式8
同様に、磁界発生導線24を流れる電流の電流値をIDとすると、この電流値IDは下記式9により求められる。
【0059】
ID=V/(4×R0+R4+Rs+Rz4) ・・・式9
同様に、磁界発生導線25を流れる電流の電流値をIEとすると、この電流値IEは下記式10により求められる。
【0060】
IE=V/(2×R0+R5+Rs+Rz5) ・・・式10
なお、Rz1,Rz2,Rz3,Rz4,Rz5は各々の経路の並列合成抵抗であり計算式は複雑となるが、固有の値を持つため、ここではRz1,Rz2,Rz3,Rz4,Rz5と簡略に示している。
【0061】
この例における磁界発生手段16では、以上のように求められる電流値IA,IB,IC,ID,IEがそれぞれ略等しくなるように、各磁界発生導線21,22,23,24,25に対応した抵抗値調整器31,32,33,34,35の抵抗値R1,R2,R3,R4,R5をそれぞれ設定している。これにより、上述した例と同様に、弾性梁14の捩り軸方向Aに沿って一様な交番磁界を発生させ、弾性梁14を曲げ方向及び捩り方向に適切に変形させて、ミラー部12を2次元方向に効率的に揺動させることができる。
【0062】
また、以上の例では、磁界発生手段16の導入線26,27が、磁界発生導線21,22,23,24,25との関係においてある程度の抵抗値を有することを前提にしているが、磁界発生導線21,22,23,24,25の抵抗値に対して、導入線26,27の抵抗値がほとんど無視できる程度のものであれば、図9に示すように、抵抗値調整器等を用いずに、各磁界発生導線21,22,23,24,25の線幅等の寸法形状を一定としてもよい。この場合には、磁界発生手段26,27の形成が極めて容易となる。
【0063】
また、磁界発生手段16の形状は様々な変形が可能であり、例えば図10に示すように、複数の磁界発生導線21,22,23,24,25が導入線26,27と平行となる形状にしてもよいし、また、図11に示すように、磁界発生導線21がスパイラル状に形成されるようになっていてもよい。
【0064】
また、以上は、車両用2次元レーザレーダ装置1等に用いられる2次元スキャナ10に本発明を適用した例について具体的に説明したが、本発明は、磁界発生手段及び磁歪素子の作用により、弾性梁に支持されたミラー部を共振揺動させてミラー部で反射される光を走査させるタイプのあらゆる光走査装置に対して有効に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2次元レーザレーダ装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】前記2次元レーザレーダ装置が備える2次元スキャナを模式的に示す平面図である。
【図3】図2におけるX−X線断面図である。
【図4】前記2次元スキャナが備える磁界発生手段を模式的に示す平面図である。
【図5】前記磁界発生手段を等価回路的に示す図である。
【図6】前記2次元スキャナ装置の他の例を示す断面図である。
【図7】前記磁界発生手段の他の例を模式的に示す平面図である。
【図8】前記磁界発生手段の他の例を等価回路的に示す図である。
【図9】前記磁界発生手段の更に他の例を模式的に示す平面図である。
【図10】前記磁界発生手段の更に他の例を模式的に示す平面図である。
【図11】前記磁界発生手段の更に他の例を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 2次元レーザレーダ
2 レーザダイオード(LD)
6 走査駆動部
9 制御部
10 2次元スキャナ
12 ミラー部
14 弾性梁
15 磁歪素子
16 磁界発生手段

Claims (5)

  1. 光源からの光をミラー部で反射させて対象物に照射させると共に、前記ミラー部を揺動させることによって前記対象物に照射させる光を走査する光走査装置において、
    前記ミラー部を揺動可能に支持する弾性梁と、
    前記弾性梁の一方の主面部上に形成された磁歪素子と、
    前記弾性梁の他方の主面部上に、前記弾性梁を介して前記磁歪素子と重なるように形成された磁界発生手段と、
    前記磁界発生手段に交流電流を供給して前記ミラー部を共振揺動させる電流出力手段とを備えること
    を特徴とする光走査装置。
  2. 光源からの光をミラー部で反射させて対象物に照射させると共に、前記ミラー部を揺動させることによって前記対象物に照射させる光を走査する光走査装置において、
    前記ミラー部を揺動可能に支持する弾性梁と、
    前記弾性梁の一方の主面部上に形成された磁界発生手段と、
    前記弾性梁の一方の主面部上に、絶縁膜を介して前記磁界発生手段と重なるように形成された磁歪素子と、
    前記磁界発生手段に交流電流を供給して前記ミラー部を共振揺動させる電流出力手段とを備えること
    を特徴とする光走査装置。
  3. 前記磁界発生手段が、前記弾性梁の捩り軸方向に対して垂直な向きに配置された複数の磁界発生導線と、これら複数の磁界発生導線を並列で前記電流出力手段に接続する導入線とを有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記複数の磁界発生導線の前記導入線を含めた抵抗値が互いに略等しくなるように、前記複数の磁界発生導線の寸法形状がそれぞれ決定されていること
    を特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記複数の磁界発生導線の前記導入線を含めた抵抗値が互いに略等しくなるように、前記複数の磁界発生導線に対応した複数の抵抗値調整手段がそれぞれ設けられていること
    を特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
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