JP3882029B2 - 5−ホルミル−17−ニトロカリックス[4]アレン誘導体及びその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なカリックスアレン誘導体である5−ホルミル−17−ニトロカリックスアレン誘導体及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カリックス[4]アレンが有する機能に着目すると、底部のフエノール性OH及び頂部の芳香族の部分に特定の基を導入する事により特性及び結合部位の数を変化させることができる。カリックスアレン、とりわけ、カリックス[4]アレンは、超分子化学の分野では注目を浴び続けてきた。
又、カリックスの立体配座、例えば、コーン、部分的コーン、1,3−オルタネート(alternate)、1,2−オルタネート(alternate)などが既に知られており、これを調製することによりカリックスに大きな影響を与えることができることが知られている。具体的な構造体である、1,3−オルタネートは、環の両側に2個の金属イオン能動輸送ができる孔を有することとなるために興味が持たれている。
そして、このような技術背景をもとに、受容体の合成及び分子集合体に関して多くの工夫がなされてきており、これらの点に関する研究が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、カリックス[4]アレンを構成する4個の環の上端部のパラ位にホルミル基とニトロ基を選択的に導入することに関し、5−ホルミル−17−ニトロカリックス[4]アレン、その誘導体及びそれらの合成方法を提供する事である。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、コーン−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを出発物質として、ジクロロメチルメチルエーテルにより処理すると、モノホルミル化誘導体が高収率で得られ、これを硝酸で処理すると、コーン−5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンが得られることを見出した。さらに、引き続いて、ベンジルブロマイドによりベンジル化すると、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレンを得ることができることを見出した。又、同様にして、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロマイドにより処理すると、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)が得られることを見出した。又、同様にして、80℃程度の温度条件下、炭酸セシウムの存在下にプロピルトシレートにより処理すると、5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]が得られることを見出した。
以上述べたようにホルミル基とニトロ基を導入した後に、更に各種の基を導入することができることを見出して、本発明を完成させたものである。
【0005】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)構造式(4)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレン。
(化14) (4)
(2)構造式(3)で表される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを、ベンジルブロマイドと反応させて構造式(4)で表される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレンの製造製法。
(化15) (3)
(化16) (4)
(3)構造式(5)で示される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)。
(化17) (5)
(4)構造式(6)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)。
(化18) (6)
(5)構造式(3)で示される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロマイドにより処理することにより、構造式(5)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び構造式(6)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)の製造方法。
(化19) (3)
(化20) (5)
(化21) (6)
(6)構造式(7)で示される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)
(化22) (7)
(7)構造式(8)で示される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)。
(化23) (8)
(8)構造式(3)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを、パラトルエンスルホン酸プロピルと反応させることにより、構造式(7)で示される
5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び構造式(8)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)の製造方法。
(化24) (3)
(化25) (7)
(化26) (8)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の出発原料物質であるコーン−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックスアレン(以下、化合物1ともいう)は、公知物質である。この物質の製法は、Tetrahedron,1991,vol.47,p4325記載の方法によって製造することができる。
【0007】
5−ホルミル−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンの製法(工程1)
構造式(2)で示されるコーン−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを、冷却条件下に溶媒中で、ジクロロメチルメチルエーテルで処理することにより、新規物質である、構造式(1)で示される5−ホルミル−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレン(以下、化合物2ともいう)を、得ることができる。
溶媒としては化合物1を均一に溶解させることができる溶媒であれば適宜用いることができる。溶媒には非極性溶媒が用いられ、具体的には、ジクロロメタン等を挙げることができる。反応に際しては、0℃程度の温度が用いられ、氷冷等の手段が用いられる。反応では触媒として四塩化チタンを用いる。
(化27) (2)
(化28) (1)
【0008】
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンの製法(工程2)
前記構造式(1)で示される化合物を、溶媒の存在下に、硝酸で処理することにより、構造式(3)で示される、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレン(以下、化合物3ともいう)を、高収率で得ることができる。硝酸は、酢酸に硝酸を混合したものを用いる。反応は室温下で行う。溶媒には化合物3を溶解させることができるものであり、反応に関与しないものであれば適宜利用することができる。具体的には、ジクロロメタンを挙げることができる。
(化29) (3)
【0009】
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレンの製法(工程3)
前記化合物3を、ベンジル化することにより、構造式(4)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(以下、化合物4ともいう)を得ることができる。この反応では、化合物3の溶液を、溶媒に溶解させた状態で、触媒であるCs2CO3を添加する。溶媒には、化合物3を溶解できるものであり、反応に関与しないものであれば適宜使用することができる。具体的には、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
この反応の生成物は、異性体の生成を伴うことはなく、化合物4からなる単一生成物を得ることができる。
(化30) (4)
【0010】
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)の製法(工程4)
化合物3を、ベンジル化及びプロピル化することにより 下記構造式(5)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)(以下、化合物5ともいう)、及び下記構造式(6)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン(以下、化合物6ともいう)を得ることができる。ベンジル化及びプロピル化には、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロマイドを用いる。この反応は、溶媒の存在下に触媒としてCs2CO3を用いることにより行う。この反応は室温条件下に進行する。反応終了後、水を添加し、次に、塩酸により中和し、ジクロロメタンにより抽出し、半固体状の生成物を得る。この生成物中には前記化合物5及び6からなる2成分の化合物が含まれている。
(化31) (5)
(化32) (6)
【0011】
5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)の製法(工程5)
前記化合物3を、パラトルエンスルホン酸プロピルと反応させることにより、下記構造式(7)の5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)(以下、化合物7ともいう)及び下記構造式(8)の5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)(以下化合物8ともいう)を得ることができる。この反応では、化合物3の溶液に、パラトルエンスルホン酸プロピルを添加し、80℃程度に加熱することにより行われる。触媒にはCs2CO3を用いる。溶媒は化合物3を溶解させることができるものであれば、適宜用いることができる。具体的にはジメチルホルムアミドが用いられる。この反応は室温では進行しない。
(化33) (7)
(化34) (8)
【0012】
本発明で得られるカリックス[4]アレン化合物誘導体は新規化合物であり、相対する位置にホルミル基及びニトロ基を導入することができたものである。これらは各々電子供与性及び電子吸引性の基である。これらの基がカリックス[4]アレンに導入されたことにより、これらの基による特性が付加されるので、反応しやすくなり、反応特性が良好な状態となる。従って、この物質は、この特性を利用して、分子認識能を有する電子移動素子として用いることができる。
【0013】
【実施例】
本発明の化合物の製法の具体例を以下に記載する。反応生成物の確認は融点測定、赤外線吸収スペクトル及びNMRスペクトルにより行った。
1H及び13CNMR スペクトルはVarian XL−300スペクトルメーターで測定した。化学シフトはδ値(ppm)で記載した。FABマススペクトルは、JEOL−DX303により測定した。
【0014】
実施例1
5−ホルミル−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンの製造(工程1)
原料化合物1を、9.2g(18.0 mmol)採り、水を含有していない状態のジクロロメタン400mlに前記化合物1を添加し、撹拌し、氷で冷却している状態にあるジクロロメチルエーテル2.26g(19.8mmol)を添加した。10分間にわたり撹拌し、四塩化チタン7.8mlを添加し、更に1時間撹拌した。反応生成物に水とジクロロメタンを添加した。ジクロロメタン抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。シリカゲルで吸着させた後、クロロホルム−MeOHにより溶出させた。その結果、目的物質である、5−ホルミル−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレン(無色粉体)を、9.2g(収率95%)得た。分析結果は以下の通りである。
mp286−288℃;IR(KBr)υ3279(OH),2959,2962,2878,1684(C=O),1597,1460,1313,1269,1195,1159,1134,1084,1070,962,758cmー1;を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ1.32(6H,t,j=7.7Hz,OCH2CH2CH3),2.04−2.11(4H,m,OCH2CH2CH3),3.43(4H,d,j=13.2Hz,ArCH2Ar),4.01(4H,t,J=6.3Hz,OCH2CH2CH3),4.31(4H,d,j=12.9Hz,ArCH2Ar),6.65−6.67(1H,m,ArH),6.74−6.79(2H,M,ArH),6.92−6.96(4H,m,ArH),7.06(2H,d,j=7.4Hz.ArH),7.63(2H,s,ArH),8.28,9.32(each 1H,s,OH),9.79(1H,s,CHO); 13CNMR(300MHz,CDCl3)δ191.74,160.56,153.99,152.48,134.26,132.95,131.58,130.09,129.56,129.48,129.40,129.14,128.53,126.14,119.70,79.02,31.88,31.82,23.96,11.38;FAB/MS m/z 536(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC35H36O5536.2563 ,found 536.2595.(Found:C,77.74;H,6.72;C35H36O5 .0.24H2O requiires C,77.71;H,6.79%).
【0015】
実施例2
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンの製造(工程2)
前記工程1で得られた化合物2を6.0g(11.1mmol)含む溶液に、無水ジクロロメタン 540ml及び酢酸5.6mlを添加したものに、61%硝酸930μlを添加したものを、添加した。
その後、溶液を2時間半にわたり撹拌した後、多量の水中に添加した。得られた有機層を十分に水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で乾燥させ、目的生成物である、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレン (黄色物質)5.3g(81%)を得た。分析結果は以下の通りである。
mp>300℃;IR(KBr)υ3155(OH),2962,2932,2878,1680(C=O),1595,1512,1458,1334,1277,1197,1159,1132,993,952,765cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ1.33(6H,t,j=7.4Hz,OCH2CH2CH3),2.03−2.14(4H,m,OCH2CH2CH3),3.51(4H,d,j=13.1Hz,ArCH2Ar),4.02(4H,t,J=6.3Hz,OCH2CH2CH3),4.30(4H,d,j=13.1 Hz,ArCH2Ar),6.80−6.88(2H,m,ArH),6.97−7.01(4H,m,ArH),7.64(2H,s,ArH),8.04(2H,s,ArH),9.23−9.50(each 1H,s,OH),9.79(1H,s,CHO); 13CNMR(300MHz,CDCl3)δ191.63,160.49,160.29,152.39,140.50,142.30,133.18,132.46,131.61,130.37,130.05,129.17,129.17,129.09,126.46,126.21,79.26,31.76,31.42,23.94,11.35;FAB/MS m/z 581(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC35H35NO7581.2414 ,found 581.2440.(Found:C,71.39;H,6.72;C35H36O5 .0.24H2O requiires C,77.71;H,6.14;N,2.37%).
【0016】
実施例3
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレンの製法(工程3)
前記工程2で得られた化合物3を2.51g(4.31mmol)含有する溶液に、ジメチルホルムアミド溶液380ml及びCs2CO3を43.1g(130mmol)含有する溶液にベンジルブロマイド9.76g(34.5mmol)を添加した溶液を、添加した。室温条件下に18時間撹拌を続け、水中にそそぎ込んだ後、塩酸溶液で中和した。得られた生成物は、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)(化合物4)を得た。
生成物(青黄色の粒状物質(65%))を得た。分析結果は以下の通りである。
mp68−70℃;IR(KBr)υ2962,2935,2874,1691(C=O),1585,1518,1454,1336,1278,1205,1159,1134,1006,962,761,734cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ0.97(6H,t,j=7.4Hz,OCH2CH2CH3),1.73−1.80(4H,m,OCH2CH2CH3),3.483.53(each 2H,d,j=7.5Hz,ArCH2Ar),3.64−3.71(8H,m,OCH2CH2CH3及びArCH2Ar),4.87(4H,s,OCH2Ar),6.48(2H,d,j=7.8 ArH),6.70−6.73(4H,m,ArH),7.18−7.25(4H,m,ArH),7.35−7.43(6H,m,ArH),7.59(2H,s,ArH),7.97(2H,s,ArH),9.80(1H,s,CHO); 13CNMR(300MHz,CDCl3)δ192.01,162.03,156.93,142.67,137.46,135.84,135.47,133.59,133.49,132.83,131.76,131.37,131.27,129.05,128.95,128.83,128.58,128.34,128.13,127.98,126.32,126.22,122.65 77.80. 74.32 74.00 36.83 31.43 24.06 10.80;FAB/MS m/z
761(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC49H47NO7 761.3352 ,found 761.3353.(Found:C,76.11;H,6.11;N,1.66.C40H47O7 .0.5CH3OH requiires C,76.42;H,6.34;N,1.79%).
【0017】
実施例4
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)の製法(工程4)
前記工程2で得られた化合物3を2.51g(4.31mmol)含有する溶液に、ジメチルホルムアミド溶媒380ml及びCs2CO3を43.1g(130mmol)含有する溶液に3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロマイド9.76g(34.5mmol)を添加した溶液を、添加した。室温条件下に18時間撹拌を続け、水中にそそぎ込んだ後、塩酸溶液で中和した。懸濁状水溶液を、ジクロロメタン中で抽出操作を行った。有機層を除去し、濃縮し、残さを得た。引き続いてシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製を行った。得られた生成物は、5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(ベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)(化合物5)(クロロホルム留出物)3.14g(74%)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)(化合物6)(ベンゼン留出物)0.67g(16%)を得た。
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)の分析結果は以下の通りである。
mp86−88℃;IR(KBr)υ2962,2870,1695(C=O),1601,1521,1456,1342,1277,1199,1124,1005,962,895,875,760,711cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ1.14(6H,t,j=7.3Hz,OCH2CH2CH3),1.28,1.31,1.33,1.40(each 9H,s,t−Bu),1.97−2.04(4H,m,OCH2CH2CH3),3.36,3.40,3.52,3.57(each 2H,d,j=5.8Hz,ArCH2Ar),3.71−3.74(4H,m,OCH2CH2CH3),4.87,4.88(each 2H,s,OCH2Ar),6.60(2H,t,j=7.5Hz,ArH),6.86−6.92(4H,m,ArH),7.26,7.36(each 1H,s,ArH),7.44−7.48(2H,m,ArH),7.57,7.95,8.01(each 2H,s,ArH),9.76( 1H,s,CHO),;
13CNMR(300MHz,CDCl3)δ191.76,161.77,156.79,151.82,151.70,142.45,137.22,136.88,135.46,135.12,133.57,132.82,132.58,131.27,131.18,130.71,126.01,122.39,122.23,122.17 122.09 122.031 121.98 76.11 75.51 53.38 35.44 32.05 31.90 24.47 11.15 FAB/MS m/z 985(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC65H79NO7985.5857 ,found 985.5854.(Found:C,78.75;H,8.09;N,1.43.C65H79NO7 .0.5CH3OH requiires C,78.49;H,8.14;N,1.39%).
5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)の分析結果は以下の通りである。
青白色粉体 mp227−230℃;IR(KBr)υ2962,2870,1689(C=O),1599,1518,1458,1340,1249,1199,1124,1008,964,877,758,719cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ1.04(6H,t,j=7.3Hz,OCH2CH2CH3),1.19,1.38(each 18H,s,t−Bu),1.88−1.95(4H,m,OCH2CH2CH3),3.10(2H,d,J=13.8Hz,ArCH2Ar2),3.57−3.80(4H,m,OCH2CH2CH3),3.59,3.78(each 2H,d,j=12.9Hz,ArCH2Ar),4.05(2H,d,j=13.8Hz,ArCH2Ar),4.59,4.99(each 2H,s,OCH2Ar),6.22(2H,d,j=7.5Hz,ArH),6.47(2H,t,j=7.5Hz.ArH),6.76(2H,s,ArH),6.92( 2H,d,j=7.5 Hz ArH),7.19,7.45(each 1H,s,ArH),7.31(2H,s,ArH),7.86,7.96(each 2H,s,ArH),10.05(1H,s,CHO);
13CNMR(300MHz,CDCl3)δ192.55,163.18,161.62,156.66,151.85,150.83,142.54,139.08,137.11,135.98,135.75,133.07,132.50,132.38,131.59,130.19,129.30,124.61,124.34,122.75,122.65,122.29,122.19,76.56,74.59,77.06,35.86,35.76,35.46,35.07,32.02,31.72,24.28,11.06;
FAB/MS m/z 985(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC65H79NO7 985.5857 ,found 985.5850.(Found:C,78.39;H,8.15;N,1.49.C65H79NO7 .0.5CH3OH requiires C,78.49;H,8.14;N,1.39%).
【0018】
実施例5
5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)(以下、化合物7ともいう)及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)(以下化合物8ともいう)の製法(工程5)
前記工程2で得られた化合物3を2.51g(4.31mmol)含有する溶液に、ジメチルホルムアミド溶媒380ml及びCs2CO3を43.1g(130mmol)含有する溶液に、パラトルエンスルホン酸プロピル27.9g(130mmol)を添加した溶液を添加した。
80℃の条件下に18時間撹拌を続け、水中にそそぎ込んだ後、1規定塩酸溶液で中和した。懸濁液から、ジクロロメタン中で抽出操作を行った。有機層を除去し、濃縮し、残さを得た。引き続いてシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製を行った。
得られた生成物は、 5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)11%及び5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分コーン)43%収率であった。
一方の目的生成物である、5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(青黄色物質)(11%)の分析結果は以下の通りである。
mp 200−300℃;IR(KBr)υ2961,2935,2876,1695(C=O),1587,1520,1450,1340,1215,1194,1122,1089,1066,960,908,895,760cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ0.96−1.06(12H,m,OCH2CH2CH3),1.17−1.83(8H,m,OCH2CH2CH3),3.60−3.70(16H,m,OCH2CH2CH3及びArCH2Ar),6.69(2H,t,J=7.5Hz,ArH),6.97−7.02(4H,m,ArH),7.54(2H,s,ArH),7.93(2H,s,ArH),9.74(1H,s,CHO);
13CNMR(300MHz,CDCl3)δ191.82,163.50,156.88,151.54,143.61,142.32,135.26,134.96,132.41,130.91,130.71,129.27,125.87,122.70,119.99,76.36,76.06,74.93,36.10,31.42,24.9424.14,22.78,12.90,12.14,10.97;FAB/MS m/z 665(M+);HRMS m/z [M+]calcd for C41H47NO7 665.3353 .(Found:C,72.59;H,6.92;N,2.10.C41H47NO7 .0.7CH3OH requiires C,72.77;H,7.29;N,2.03%).
他の目的生成物である、5−ホルミル−17−ニトロ−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレン(部分的コーン)(黄色物質)(43%)の分析結果は以下の通りである。
mp 195−198℃;IR(KBr)υ2962,2934,2874,1693(C=O),1585,1516,1456,1433,1385,1338,1197,1126,1091,1001,962,889,754cmー1;
1H NMR(300MHz、CDCl3) δ0.63(3H,t,j=7.4Hz, OCH2CH2CH3),1.06−1.14(9H,m,OCH2CH2CH3),1.25−1.34(2H,m,OCH2CH2CH3),1.85−1.99(6H,m,OCH2CH2CH3),3.18,4.09(each 2H,d,j=13.4Hz,ArCH2Ar),3.28−3.88(8H,m,OCH2CH2CH3),3.69,3.78(each 2H,d,j=13.2Hz,ArCH2Ar),6.26(2H,d,j=7.7 ArH),6.96(2H,d,j=7.7Hz,ArH),7.81(2H,s,ArH),8.03(2H,s,ArH),9.98(1H,s,CHO);
13CNMR(300MHz,CDCl3)δ192.60,163.99,163.79,156.17,143.08,138.65,135.57,133.11,132.57,132.16,131.46,130.46,129.24,129.97,122.65,76.98,76.98,76.63,75.74,36.10,30.92,24.62,24.25,22.79,11.29,11.02,9.67;
FAB/MS m/z 665(M+);HRMS m/s [M+]calcd forC41H47NO7 665.3353 (Found:C,76.06;H,7.01;N,2,09.C41H47NO7 .0.7CH3OH requiires C,72.22;H,7.29;N,2.03%).
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、新規なカリックス[4]アレン化合物誘導体が得られる。この新規化合物は電子供与性の基と電子吸引性の基を1,3交互体の位置に有するものである。これらの基を有することによりカリックス[4]アレン化合物誘導体として分子認識能を有する電子移動素子の特性を有するものである。
Claims (8)
- 構造式(3)で示される 5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ジヒドロキシカリックス[4]アレンを、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロマイドにより処理することにより、構造式(5)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(1,3−オルタネート)及び構造式(6)で示される5−ホルミル−17−ニトロ−25,27−ジプロポキシ−26,28−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシ)カリックス[4]アレン(部分的コーン)の製造方法。
(化6) (3)
(化7) (5)
(化8) (6)
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