JP3880830B2 - ヒータ装置および延伸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発熱体を備えたヒータ装置、および、ヒータ装置を備え、シート状物を拠送しながら搬送方向に延伸する延伸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムや磁気記録テープの支持体、包装用フィルムとして、熱可塑性樹脂からなるシート状物が広く使用されている。
【0003】
この熱可塑性樹脂からなるシート状物は、溶融状態の熱可塑性樹脂が冷却しながら流延されることによって形成され、その後、必要な強度を与えるために搬送方向やシート状物の幅方向に延伸されたものである。
【0004】
流延形成後のシート状物を搬送方向に延伸する延伸装置には、従来より、このシート状物を加熱するためのヒータ部、加熱され延伸され易くなったシート状物の延伸を行なう、複数の回転ロールを有する延伸部が備えられている。
【0005】
図1は、従来の、シート状物を搬送方向に延伸(縦延伸)する延伸装置の一例を示す図である。
【0006】
図1に示す延伸装置1は、前述したように、ヒータ部12および延伸部30で構成されており、図1には、ヒータ部12によって加熱されたシート状物100が、延伸部30で延伸されている様子が示されている。
【0007】
図1に示すヒータ部12は、5本の細長い棒状の赤外線シーズヒータ121、赤外線シーズヒータ121からの、シート状物とは反対方向に放射された放射熱を反射させてシート状物に向かわせるために設けられた反射板122などで構成されている。
【0008】
図1には、5本の赤外線シーズヒータ121が、シート状物100の幅方向に向けて配設されると共にシート状物100の搬送方向に並べられ、さらに反射板122によって覆われている様子が示されている。尚、これら赤外線シーズヒータ121は、近接する赤外線シーズヒータとの間の距離が短すぎると、互いの放射熱によってオーバーヒートしてしまうため、採用されるヒータに応じて設定される所定の距離を保って配置されている。
【0009】
図1に示す延伸部30は、延伸ロール31、冷却ロール32、および、2つのニップロール33などで構成されている。この延伸部30によるシート状物100の延伸は、シート状物の搬送における上流側に配置されている、延伸ロール31およびニップロール33がシート状物100を挟みながら低速で回転し、シート状物の搬送における下流側に配置されている、冷却ロール32およびニップロール33が同じくシート状物を挟みながら高速で回転することによって行なわれる。
【0010】
尚、近年、生産コストの削減が急務であることから、上記シート状物の製造においても、生産性の向上が求められており、上記延伸処理は、ますます高速に搬送されるシート状物に対し行なわれている。高速搬送下のシート状物に対する延伸処理にあたっては、高速に移動するシート状物を延伸タイミングまでに、延伸可能な温度にまで昇温させておく必要がある。
【0011】
そこで、シート状物の搬送方向に、熱量的に必要な本数分の赤外線シーズヒータを並べることにより、高速に搬送されているシート状物を延伸タイミングまでに昇温させることが考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図2は、シート状物の搬送方向に上記赤外線シーズヒータを数多く並べたヒータ部を備えた延伸装置を示す図である。
【0013】
図2に示すように、高速搬送に追随してシート状物を昇温させるために必要な本数分の赤外線シーズヒータをシート状物の搬送方向に並べたヒータ部によれば、高速に搬送されるシート状物を、延伸タイミングまでに延伸可能な温度にまで昇温させることができる。
【0014】
しかし、この延伸装置に備えられた赤外線シーズヒータは、前述したように互いの放射熱によってオーバヒートしないように所定の間隔で並べられているため、このヒータ部の、シート状物に対する熱放射領域は広範囲に及んでいる。つまり、この延伸装置では、高速で搬送されるシート状物が長い距離をかけて序々に延伸可能な温度にまで昇温されている。このように、シート状物に対する単位面積あたりの昇温能力が低いと、延伸におけるこのシート状物のネックイン量は増大することになり、延伸後のシート状物に物性不良が発生するという問題がある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑み、採用されている発熱体の発熱体間に設定されている所定の間隔を確保しつつ、熱放射領域の単位面積あたりの熱量が従来よりもアップされたヒータ装置、そのようなヒータ装置を備え、シート状物に対する単位面積あたりの昇温能力が従来に比べてアップされた延伸装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のヒータ装置は、
配列された複数の発熱体と、熱の放射方向に開口を有し上記複数の発熱体を覆ってこの発熱体からの放射熱を上記開口に向けて反射する反射体とを備え、上記複数の発熱体が、上下2段にかつ千鳥状に配設されたことを特徴とする。
【0017】
本発明のヒータ装置では、発熱体を上下2段にかつ千鳥状に配設することにより、採用されている発熱体間に設定された所定の間隔を確保しながら、熱放射領域の単位面積あたりの発熱体の数を従来よりも増加させることができる。このため、本発明のヒータ装置によれば、発熱体間の所定の間隔を確保しながら、熱放射領域の単位面積あたりの熱量を従来よりもアップすることができる。
【0018】
また、上記目的を達成するための本発明の延伸装置は、
シート状物を搬送しながらこのシート状物をこのシート状物の搬送方向に延伸する延伸装置において、
配列された複数の発熱体と、熱の放射方向に開口を有し上記複数の発熱体を覆ってこの発熱体からの放射熱を上記開口に向けて反射する反射体とを備え、上記複数の発熱体が、上下2段にかつ千鳥状に配設されたヒータ装置を備え、
このヒータ装置が、延伸中のシート状物に上記開口が面する位置に配設されてなることを特徴とする。
【0019】
本発明の延伸装置には、発熱体間の所定の間隔を確保しながら熱放射領域の単位面積あたりの熱量が従来よりもアップされているヒータ装置が備えられているため、本発明の延伸装置では、搬送されるシート状物の単位面積あたりに照射する熱量を従来よりもアップさせることができる。これにより、搬送方向に対する従来よりも短い距離の加熱で、延伸を行なうために必要な熱量をシート状物に与えることができ、本発明の延伸装置では、ネックイン量を低減することができる。したがって、本発明の延伸装置によれば、従来よりも物性的に良好なシート状物を得ることができる。
【0020】
ここで、本発明の延伸装置が、前記ヒータ装置に備えられた複数の発熱体を、少なくとも上段の発熱体と下段の発熱体とに分けてそれぞれ独立に温度を制御する温度制御部を備えてなることが好ましい。
【0021】
本発明の延伸装置では、反射体に近い上段側の発熱体と、反射体から離れている下段側の発熱体とを別々に温度管理できるため、上段側の発熱体の温度を下段側の発熱体の温度よりも下げておくことで、反射板と上段側の発熱体との間の熱の篭りによる上段側の発熱体の、オーバーヒートによる劣化を防止することができる。
【0022】
また、本発明の延伸装置に備えられたヒータ装置が、延伸中のシート状物を上下から挟むようにこのシート状物の上下それぞれに配設されてなることも好ましい。
【0023】
このようにすることで、搬送されるシート状物の単位面積あたりに照射する熱量を、一層確実にアップさせることができる。
【0024】
ここで、本発明の延伸装置に備えられたヒータ装置の複数の発熱体それぞれが、上記シート状物の幅方向に延びる棒状のものであって、この複数の発熱体それぞれの径をDとしたとき、上記複数の発熱体は、隣接する発熱体どうしの軸間の間隔が1.5D以上3D以内となる位置に配置されてなることも好ましい態様である。
【0025】
このようにすると、発熱体が接近しすぎるために起る、オーバーヒートによる発熱体の劣化を一層確実に防止するとともに、効率的にシート状物を昇温させることができる。
【0026】
また、本発明の延伸装置に備えられたヒータ装置の複数の発熱体は、それぞれの所定の支持具により支持されたものであって、上記複数の発熱体を支持する支持具が、上記シート状物の搬送方向に対し斜めに配列されていることも好ましい態様である。
【0027】
このようにすることで、発熱体を支持する支持具が上記シート状物の搬送方向に対し並行に配列されている場合にシート状物に与えてしまう、発熱体を支持している支持体からの放熱による発熱体の部分的な温度低下による影響を、分散させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0029】
まず、本発明のヒータ装置について説明する。
【0030】
図3は、本発明のヒータ装置の一実施形態の外観斜視図である。尚、図3に示されているもので、図1および図2において示されているものと同じ種類のものについては、図1および図2において付されている符号と同じ符号を付している。
【0031】
図3に示すヒータ装置20には、7本の赤外線シーズヒータ121、これら赤外線シーズヒータ121からの放射熱を反射して搬送されているシート状物100(図4参照)に向かわせる反射カバー202が備えられている。この赤外線シーズヒータ121は、上下2段にかつ千鳥状に配設されていおり、反射カバー202には、赤外線シーズヒータ121を支持するための、後述する支持具(図6参照)が付設されている。尚、ヒータ装置20の電源についての図示は省略している。
【0032】
図4は、図3に示す赤外線シーズヒータの外観図である。
【0033】
図4に示す赤外線シーズヒータ121は、ニクロム線を外径が20mmの合金であるインコロイ800の内部に入れ、ニクロム線とインコロイ800の間に絶縁材である酸化マグネシウム(MgO)を充填したものである。尚、酸化マグネシウムの代わりに窒化ホウ素(BN)を充填してもよい。
【0034】
また、図4に示す赤外線シーズヒータ121は、端部121a、中央部121b、端子部121cで構成されている。
【0035】
図5は、図3に示すヒータ装置の側面図である。
【0036】
図5には、上段に3本、下段に4本の千鳥状に配設されている合計7本の赤外線シーズヒータ121、これら赤外線シーズヒータ121を覆う反射カバー202の他、搬送されているシート状物100も示されている。尚、図5に示す矢印は、シート状物100の搬送方向を示しており、図5に示す赤外線シーズヒータ121は、シート状物100の幅方向に延びている。
【0037】
また、図5には、反射カバー202の側面部202aも示されており、この側面部202aには、赤外線シーズヒータ121の端部を支持するための、赤外線シーズヒータ121の径より多少長い径を有する孔202bが設けられている。赤外線シーズヒータの端部121aは、この孔202bによって支持され、赤外線シーズヒータの中央部121bは、支持具(図7参照)によって反射カバー202の上面202cによって支持されている。
【0038】
図5に示される本実施形態のヒータ装置20では、赤外線シーズヒータ121の径を20mm(本発明ではDに相当する)とした場合の、近接する赤外線シーズヒータ121間の距離は40mm(2D)、反射カバー202に対する赤外線シーズヒータ121の最接近距離は30mm(1.5D)になっており、このヒータ装置20の下段側に並ぶ赤外線シーズヒータの下端からシート状物100の上面までの距離は25mmである。尚、赤外線シーズヒータのワット密度は6W/cm2、赤外線シーズヒータの全長は920mm、ニクロム線に対する印加電圧は200Vである。
【0039】
図6は、図3に示すヒータ装置を、ヒータ装置の反射カバーを透視して上方から見た図である。
【0040】
図6には、赤外線シーズヒータの端部121aが反射カバー202の側面部202aに挿通され、赤外線シーズヒータの中央部121bが支持具300によって支持されている様子が示されている。
【0041】
図6に示す支持具300は、赤外線シーズヒータ121の中央付近が熱によってたわみ、赤外線シーズヒータの、シート状物の幅方向におけるシート状物100に対する距離の違いによりシート状物に発生する、物性のムラを防止するためのものである。
【0042】
また、図6には、赤外線シーズヒータの中央部121bを支持するための支持具300が、シート状物の搬送方向に対し斜めに配列されている様子が示されている。
【0043】
図7は、赤外線シーズヒータが、支持具によって支持されている様子を拡大して示した図である。
【0044】
図7には、下端を除き外周のほとんどが支持具300によって捕捉されている赤外線シーズヒータ121が示されている。
【0045】
図6に示すように、支持具300がシート状物の搬送方向に対し斜めに配列されることで、支持具300がシート状物の搬送方向に沿って一直線上に配列されている場合に比べ、シート状物に対する、支持具300の放熱による赤外線シーズヒータの部分的な温度低下の影響が分散される。つまり、これら赤外線シーズヒータの、支持具300によって捕捉されている部分の温度は低下しており、このヒータ装置20において、支持具300がシート状物の搬送方向に沿って一直線上に配列されていると、このヒータ装置20には、シート状物の搬送方向に沿って周囲よりも低温な領域が存在することとなる。したがって、このように一部に低温な領域を抱えるヒータ装置によって昇温されたシート状物を延伸しても、良好な物性は得られないこととなる。これに対し、支持具300がシート状物の搬送方向に対し斜めに配列されていると、支持具300によって捕捉されて温度の低下している部分を、これらヒータ装置全体に分散させて存在させることができるため、シート状物に与える影響を小さくすることができる。
【0046】
以上に説明した本実施形態のヒータ装置では、赤外線シーズヒータのお互いの放射熱によるオーバーヒートをより確実に防止しつつ、熱放射領域の単位面積あたりの赤外線シーズヒータの数を従来よりも増加させることができるため、本実施形態のヒータ装置によれば、赤外線シーズヒータ間の所定の間隔を確保しながら、熱放射領域の面積あたりの熱量を従来よりもアップすることができる。
【0047】
尚、本実施形態のヒータ装置では、細長い棒状の赤外線シーズヒータを使用した場合を例に挙げて説明しているが、本発明のヒータ装置はこれに限らず、熱を放射する発熱体が上下2段にかつ千鳥状に配設されたものであればよく、また、赤外線シーズヒータの径をDとした場合の、近接する赤外線シーズヒータ間の距離を2Dとしているが、本発明のヒータ装置はこれに限るものではない。
【0048】
さらに、本実施形態のヒータ装置では、赤外線シーズヒータが反射カバーに付設された支持具によって支持されているが、これに限らず、反射カバー以外に付設された支持具によって支持されるものであってもよく、これら支持具によっては支持されないものであってもよい。尚、支持具の形状も本実施形態で挙げた形状に限定されるものではなく、薄いパンチング板に穴をあけた板を斜めに使用するものであってもよい。
【0049】
また、ここでは、本実施形態のヒータ装置を、延伸装置に備えた場合を例に挙げて説明したが、本発明のヒータ装置はこれに限らず、単独で使用されるものであってもよく、あるいは、延伸装置以外のものに備えられるものであっても、本発明の効果が否定されるものではない。
【0050】
次に、本発明の延伸装置について説明する。
【0051】
図8は、本発明の延伸装置の一実施形態の外観斜視図である。
【0052】
図8に示す延伸装置50は、図3に示すヒータ装置20、図1に示す延伸部30、シート状物を挟みヒータ装置20と対向する位置に配置された補助ヒータ装置25、および、ヒータ装置20と図示しない電源との間に配置されてヒータ装置20の温度制御を行なう温度コントローラ60で構成されている。尚、ヒータ装置20および補助ヒータ装置25の電源の図示は省略しており、補助ヒータ装置25とヒータ装置20との違いは、赤外線シーズヒータの本数の違いだけである。
【0053】
図9は、図8に示す、ヒータ装置の側面図および温度コントローラの正面図である。
【0054】
図9に示す7本の赤外線シーズヒータ121は、3つの制御領域A、B、Cに分割されて、温度コントローラ60によって制御されている。図9に示す7本の赤外線シーズヒータのうち、制御領域Aに属する上段の3本は、温度コントローラ60の端子62に接続され、シート状物の搬送方向における上流側の制御領域Cに属する下段の2本(図9の左側)は、温度コントローラ60の端子61に接続されている。また、シート状物の搬送方向における下流側の制御領域Bに属する下段の残り2本(図9の右側)は、温度コントローラ60の端子63に接続されている。
【0055】
このように、上下2段にかつ千鳥状に配設された赤外線シーズヒータの上段側の制御と下段側の制御とを分割することで、上段側に属するシーズヒータの温度と下段側に属するシーズヒータの温度とを違わせることができる。これにより、反射カバー202との間に熱が篭り易い上段側のシーズヒータの温度を下段側のシーズヒータより低く設定しておくことで、オーバーヒートによる赤外線シーズヒータの劣化を防止することができる。
【0056】
また、下段側の赤外線シーズヒータを、シート状物の搬送方向における上流側と下流側とに分割して制御することで、延伸タイミングの直前にシート状物を昇温させることができるため、下段側の温度制御を一括して行なう場合よりもさらに物性の良好なシート状物を得ることができる。
【0057】
尚、図8に示す延伸装置の、ヒータ装置20および延伸部30については、前述した通りであるので重複説明は省略する。
【0058】
また、図8に示す延伸装置50の補助ヒータ装置25の機能についても、ヒータ装置20においてした説明と異なるところがないため、説明は省略する。
【0059】
以上に説明した本実施形態の延伸装置50では、上述した、本発明のヒータ装置の一実施形態であるヒータ装置20によって、搬送されるシート状物の単位面積あたりに照射する熱量を従来よりもアップさせることができる。このため、延伸を行なうために必要な熱量を従来よりも短い距離の加熱でシート状物に与えることができるため、ネックイン量を削減することができる。したがって、本実施形態の延伸装置によれば、従来よりも物性的に良好なシート状物を得ることができる。
【0060】
尚、本実施形態の延伸装置50では、シート状物を挟み、ヒータ装置が対向して配置されている場合を例に挙げて説明したが、本発明の延伸装置はこれに限らず、どちらか一方のみにヒータ装置が配置されているものであっても良く、また、本実施形態の延伸装置50では、ヒータ装置に備えられた赤外線シーズヒータが、上段と下段に分けられてそれぞれ独立に、さらには下段については、シート状物の搬送方向の上流側と下流側とに分けてそれぞれ独立に温度制御している例をあげて説明したが、本発明の延伸装置はこれに限らず、発熱体を上段と下段とに分けてそれぞれを独立に温度制御するものであってもよく、あるいは、すべての発熱体を一様に昇温するだけで温度制御をしないものであっても、この発明の効果が否定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のヒータ装置によれば、発熱体間の所定の間隔を確保しながら、熱放射領域の面積あたりの熱量を従来よりもアップすることができる。
【0062】
また、本発明の延伸装置によれば、シート状物の延伸時のネックイン量を低減することができるため、幅方向に均一な物性を有するシート状物を得ることができ、シート状物の厚みに対する制御が可能となる。また、本発明の延伸装置によれば、シート状物の延伸時のネックインを低減することができるため、シート状物の搬送速度の制御が確実となり、ロールとシート状物の速度差によるスリップ痕をシート状物からなくすることができる。さらに、本発明の延伸装置によれば、シート状物に対する加熱領域を従来よりも短くすることができるため、ロールスパンの短縮による延伸装置自体のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、シート状物を搬送方向に延伸(縦延伸)する延伸装置の一例を示す図である。
【図2】シート状物の搬送方向に上記赤外線シーズヒータを数多く並べたヒータ部を備えた延伸装置を示す図である。
【図3】本発明のヒータ装置の一実施形態の外観斜視図である。
【図4】図3に示す赤外線シーズヒータの外観図である。
【図5】図3に示すヒータ装置の側面図である。
【図6】図3に示すヒータ装置を、ヒータ装置の反射カバーを透視して上方から見た図である。
【図7】赤外線シーズヒータが、支持具によって支持されている様子を拡大した図である。
【図8】本発明の延伸装置の一実施形態の外観斜視図である。
【図9】図8に示す、ヒータ装置の側面図および温度コントローラの正面図である。
【符号の説明】
1、10 延伸装置
12、20、22 ヒータ装置
100 シート状物
121 赤外線シーズヒータ
121a 端部
121b 中央部
121c 端子部
122、202 反射カバー
202a 側面部
202b 孔
202c 上面部
25 補助ヒータ装置
30 延伸部
31 延伸ロール
32 冷却ロール
33 ニップロール
300 支持具
60 温度コントローラ
61、62、63 端子
Claims (5)
- 配列された複数の発熱体と、熱の放射方向に開口を有し前記複数の発熱体を覆って該発熱体からの放射熱を前記開口に向けて反射する反射体とを備え、
前記複数の発熱体が、上下2段にかつ千鳥状に配設されたものであって、前記反射体側の発熱体の温度は、前記開口側の発熱体の温度よりも低く設定されていることを特徴とするヒータ装置。 - シート状物を搬送しながら該シート状物を該シート状物の搬送方向に延伸する延伸装置において、
配列された複数の発熱体と、熱の放射方向に開口を有し前記複数の発熱体を覆って該発熱体からの放射熱を前記開口に向けて反射する反射体とを備え、前記複数の発熱体が、上下2段にかつ千鳥状に配設されたものであって、前記反射体側の発熱体の温度は、前記開口側の発熱体の温度よりも低く設定されているヒータ装置を備え、
該ヒータ装置が、延伸中のシート状物に前記開口が面する位置に配設されてなることを特徴とする延伸装置。 - 前記複数の発熱体を、シート状物の搬送方向における上流側と下流側とに分割してそれぞれ独立に温度を制御する温度制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の延伸装置。
- 前記ヒータ装置が、延伸中のシート状物を上下から挟むように該シート状物の上下それぞれに配設されてなることを特徴とする請求項2記載の延伸装置。
- 前記ヒータ装置に備えられた前記複数の発熱体は、それぞれ所定の支持具により支持されたものであって、前記複数の発熱体を支持する支持具が、前記シート状物の搬送方向に対し斜めに配列されていることを特徴とする請求項2記載の延伸装置。
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