JP3880635B2 - 分散補償制御装置及び分散補償制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば光時分割多重方式を採用する超高速光通信システムにおいて、高速光信号の伝送距離の制限要因となる伝送光信号の偏波モード分散や波長分散を補償する際に用いて好適な、分散補償制御装置及び分散補償制御方法に関する。
【背景技術】
現在、基幹系の光通信システムにおいては、伝送速度10Gb/s(ギガビット/秒)のシステムが実用化段階にある一方で、急激な情報量の増加にともない、光通信システムの更なる大容量化が望まれている。そのために採用する方式として候補に考えられているものは、時分割多重方式(光時分割多重方式を含む)及び波長多重方式であり、特に、時分割多重方式においては、伝送速度40Gb/sの超高速光通信システム(以下、40Gb/s光通信システムという)の研究も国内外で活発に行なわれている。
しかしながら、この40Gb/s光通信システムにおいては、偏波モード分散及び波長分散の影響により光信号の伝送波形が劣化するため、光信号の伝送距離が制限されるという課題がある。すなわち、このシステム伝送路においては、波長分散値と偏波モード分散値とが、伝送速度および伝送距離の制限要因となっている。以下、図66〜図72を用いて波長分散のシミュレーション結果と実験結果とについて説明し、図73〜図75を用いて偏波モード分散の説明を行なう。
また、『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、以下特に断りの無い限り、単に『分散』という単語を用いた場合は、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方を含む意味で使用することとする。
最初に波長分散について概略を説明する。波長分散トレランス(トレランスとは、許容量を意味する)は、ビットレートの二乗に反比例するために、10Gb/sでは約800ps/nmなのに対し、40Gb/sでは1/16の約50ps/nmと厳しくなる。
図66に、40Gb/s光時分割多重(OTDM:Optical Time Division Multiplexing)方式における、1.3μm零分散ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)50km伝送後の分散補償トレランスの評価実験系の構成を示す。ここで、波長分散値=18.6ps/nm/km、総分散値=930ps/nmの各値が使用されている。この図66に示す40Gb/s光送信機121aは、信号光源であり、強度変調器121bにて強度変調されて信号光は、SMF123を経てDCF(Dispersion Compensating Fibers)124を介して受信側(以下、受信端と称することもある)に入力される。そして、この受信側においては、プリアンプ122aと、40Gb/s光受信機122bによって、復調処理が行なわれる。
図67は、この実験系での評価実験の結果であり、横軸は総分散量(単位:ps/nm)を表し、縦軸はパワーペナルティ(単位:dB)を表している。ここで、伝送路の評価基準として、パワーペナルティ1dB以下が要求されているとすると、分散補償トレランス(分散幅)は30ps/nmとなり、この値はSMFを使った伝送での2km以下に相当する。つまり、陸上システムのように各中継間隔、すなわち局舎間隔が一定でない場合は、中継区間ごとに分散補償量を最適化(ほぼ100%の高精度分散補償)する必要がある。
また加えて、光ファイバ伝送路の波長分散値は、温度や圧力等の敷設環境の変化に伴い、経時的に変化する。例えば、−50〜100℃の温度変化がある場合のSMF50kmの分散変化量を見積もると、次式のように16ps/nmとなる。
〔分散変化量〕=〔零分散波長の温度依存性〕×〔温度変化〕
×〔分散スロープ〕×〔伝送距離〕
=0.03(nm/℃)×150(℃)
×0.07(ps/nm2/km)×50(km)
=16ps/nm
この値は、分散トレランス30ps/nmの半分以上となり、システム設計上、十分に考慮しなければならない値である。なぜなら、最悪の場合、システム運用開始時に−50℃で分散補償量を最適化しても、システム運用中に100℃になったとすると、ペナルティ1dBの基準を満たさなくなるからである。また、分散補償器の特性や構成によっては、分散補償量を連続的に設定できずに、システム運用開始時に最適値から多少ずれた値にしか設定できない場合も有り得る。この場合は、150℃以下の温度変化でもペナルティ1dBの基準を満たさなくなる可能性もある。
以上の考察により、40Gb/s以上の超高速光伝送システムを実現するには、第1に、システム運用開始時に中継区間ごとに分散等化(分散補償量)を最適化するとともに、第2に、システム運用中にも伝送路分散値の経時変化に対応して分散等化(分散補償値)の最適化を行なう「自動分散等化(補償)システム」の構築が必要であることがわかる。なお、この自動分散等化システムはSMF伝送システムだけではなく、波長分散値が小さい1.55μm帯分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shifted Fiber)を用いた場合でも必要である。また、自動分散等化システムを実現するための要素技術は、次の(a)から(c)の3点にまとめられる。
(a)可変分散等化(補償)器の実現
(b)伝送路の波長分散値(または分散等化〔補償〕後の総分散量)のモニタ方法
(c)可変分散等化(補償)器のフィードバック最適化制御方法
従来より光ファイバの波長分散値の測定法として、複数の異なる波長の光を光ファイバに入力し、出力光間の群遅延差や位相差を測定するパルス法や位相法が用いられている。しかし、これらの方法を用いて、システム運用中に常時分散測定を行なうためには、各中継区間ごとに一組の波長分散測定器が必要となる。さらに、データ信号光の伝送を中断しないで分散量測定を行なうためには、データ信号光とは異なる波長の測定光を波長多重する必要がある。
このように、パルス法や位相法を光伝送装置の中に組み込むことは、サイズおよび経済性の面から現実的とは言い難く、さらに主信号光波長と異なる波長を用いる場合、測定光波長での測定値から信号光波長での分散値を推測するというプロセスを介するため、厳密性に欠けるおそれがある。そのため、主信号光から直接、波長分散値をモニタできる方法が望ましい。
この波長分散モニタ法として、40Gb/sOTDM信号およびNRZ(Non-Return-to-Zero)信号のベースバンドスペクトル中の40GHz成分強度を用いる方法が、既に学会等で提案されている。
図68に40Gb/sOTDM信号の分散量に対する40GHz成分強度とアイ開口度との関係(シミュレーション結果)を示す。この図68に示す2つの波形のうち、2つの山を有する方が、40GHz成分強度を表し、また、山が1つだけの方は、アイ開口度を表しね40GHz成分強度の2つのピーク間の極小点が分散量ゼロとなり、そのときアイ開口度が最大になっていることがわかる。
図69にDSF100km伝送時の実験系の構成を示す。この図69に示す送信側(以下、送信端と称することもある)131から信号光が送出され、恒温槽133において、伝送路であるファイバの温度が変化できるようになっている。そして、受信側132において、40GHz成分強度が計測されるようになっている。
また、図70にこの実験系での実験結果を示す。ここで、横軸は信号光波長を表し、縦軸は、40GHz成分強度のモニタ電圧を表す。この横軸である信号光波長は、1535〜1565nm[ナノメートル:(ナノは10の−9乗を表す)]の範囲で掃引されており、また、モニタ電圧は、3種類の温度における結果をそれぞれ表している。これらの3種類の波形のいずれもが、図68に示したシミュレーション結果と同様に、この波形の2つのピーク間の極少点が零分散波長を示している。また、ここではDSF100kmの温度変化(−35〜+65℃)に追随して、零分散波長も変化している(0.027nm/℃)ことがわかる。
図71(a)に、40Gb/sNRZ信号(α=−0.7)の分散量に対する40GHz成分強度とアイ開口度の関係(シミュレーション結果)を示す。この図71(a)でも同様に、複数の山を有する方が、40GHz成分強度を表し、山が1つだけの方が、アイ開口度を表している。α<0の場合、40Gb/s成分強度は、+30ps/nm付近に最大ピークがあり、その負分散側の裾野の零分散においてモニタ値は最小値の零を示す。
図71(b)に温度−35〜+65℃で変化させたときのDSF100km伝送時の実験結果を示す。シミュレーション結果〔図71(a)参照]と同様に、最大ピークの長波長側裾野の極小値〔図71(a)の134と付した位置参照〕が零分散波長を示し、零分散波長は、0.026nm/℃で変化しており、図70の結果と一致している。また、図72(a)に40Gb/sNRZ信号(α=+0.7)のときのシミュレーション結果を示す。また、図72(b)に40Gb/sRZ(Return-to-Zero)信号(α=0,Duty=50%)のときのシミュレーション結果を示す。このような自動分散補償システムでは、上記の波長分散モニタを用いて、アイ開口度が最大になるように可変分散(等化)補償器の動作点をフィードバック制御する必要がある。
次に、40Gb/sシステムにおける伝送距離に影響を与える第2の要因である偏波モード分散(PMD:Polarization-Mode Dispersion)について概略を説明する。この偏波モード分散(PMD)は、光信号における偏光成分(例えばTEモード及びTMモードのような2つのモード光)の伝播遅延時間が異なることによって生じる分散であり、あらゆる光ファイバに対して起こり得るものである。一般的に、偏波モード分散の影響は、光信号の伝送速度が大きくなるほど、また、光信号の伝送距離が長くなるほど大きくなって、無視できなくなる。また、主に日本国以外に敷設された古い光伝送路を構成する光ファイバには、単位長さ当たり1ps/km1/2〔ピコ秒/km1/2(ピコは10の−12乗を表す)〕を超える大きなPMD値をもつと言われるものもあり、そのような光ファイバを用いて、短距離伝送(例えば50km伝送)を行なったときには光遅延差(Δτ)は、40Gb/sの1タイムスロット25psに対して、7ps以上になり、やはり偏波モード分散の影響が無視できなくなる。なお、この値は光ファイバの種類によって決まる値であり、光信号の伝送速度には依存しない。さらに、実際には、光通信システムには、光増幅器や波長分散補償器等のような偏波モード分散を生じる部材を設ける必要があるため、光信号の伝送距離が更に制限されるおそれもある。
従って、既に敷設された光伝送路を用いたまま光信号の伝送速度を大きくしたり、既に敷設された光伝送路を用いたまま多中継長距離伝送を行なうためには、伝送光信号に生じた偏波モード分散を補償する技術が求められている。
ここで、偏波モード分散を補償する方法は、例えば以下に示す文献に記載された補償方法がある。なお、実際の光伝送路を構成する光ファイバを使っても、光ファイバの長手方向の複屈折のゆらぎによるモード結合が複雑に起きる上、さらにそのモード結合が温度変動等により時間的に変化するため、伝送波形劣化を根本的に補償することは難しいが、伝送波形劣化を緩和するためには、次の(1)〜(3)に示す文献に記載された方法は有効である。
(1)光信号の送信端に偏波制御器(PC:Polarization Controller)を設け、伝送特性を受信端からフィードバックして、2つの偏波モードへの光強度の分岐比γを0又は1となるように制御する方法(J.H.Winters et al., “Optical equalization of polarization dispersion”,SPIE Vol.1787 Multigigabit Fiber Communications,1992,pp.346-357)。
(2)光信号の受信端に偏波制御器と偏波保持ファイバ(PMF:Polarization Maintaining Fiber)とを設け、偏波制御器を制御することにより、光伝送路とは逆符号の2つの偏波モード間の遅延差(固定値)を与える方法(T.Takahashi et al.,“Automatic compensation technique for timewise fluctuating polarization mode dispersion in in-line amplifier systems”,Electro.Lett.,vol.30,no.4,1994,pp.348-349)。
(3)光信号の受信端に、偏波制御器と、偏波ビームスプリッタ(PBS:Polarization Beam Splitter)と、この偏波ビームスプリッタにより2つに分岐された光信号成分をそれぞれ受光する受光器と、これら受光器により得られた2つの電気信号間に遅延差を与える可変遅延素子を設けて、偏波制御器及び可変遅延素子を制御する方法(T.Ono et al.,“Polarization Control Method for Suppressing Polarization Mode Dispersi on Influence in Optical Transmission Systems″,J.of Lightwave Technol., vol.12, no.5, 1994,pp.891-898)。
これら(1)〜(3)のいずれの方法においても、光信号の受信端にて偏波モード分散の状態を検出してフィードバック制御する必要があるが、符号誤り率等の検出結果を用いるような複雑な方法ではなく、偏波モード分散の状態を簡便に検出する技術が求められている。さらに、今後は、光通信システムに対して、ビットレート,伝送距離,信号変調フォーマット等を自由に切り換えられるようにすることが要求されるため、偏波モード分散を補償する技術においても、伝送路に生じる偏波モード分散の状態の変動に対応できるようにすることが求められている。
図73に40Gb/s信号に対するPMDによる伝送波形劣化を調査するための実験系を示す。この図73に示す送信側133から送出された信号光は、偏波制御器134にて各偏波成分の光強度分岐比(あるいは光パワー比)γが変えられて、PMDエミュレータ(PMD emulator)135により、伝送路で生じるPMDを加えられて、そして、受信端136において復調される。ここで、PMDエミュレータ135は、伝送路で生じるPMDを模擬するためのものであり、市販のPMDエミュレータが用いられている。この動作原理は次のようになる。すなわち、信号光は、この図73に示す偏光ビームスプリッタ(PBS)135aによって、2つの偏波成分に分離され、一方の成分は光遅延器135bにて光遅延差Δτ(ps)が与えられ、他方の成分は光アッテネータ135cにて、両光路の光損失が等しくなるように損失を受ける。さらにそれらは偏光ビームスプリッタ(PBS)135dにおいて、直交状態のまま合波される。そして、この出力信号は、受信端136内の光プリアンプ136aにて増幅されてから、光DEMUX(Demultiplex)136bにて復調される。
図74に40Gb/sOTDM信号及びNRZ信号に対する光遅延差Δτに対するパワーペナルティ評価実験の結果を示す。横軸は光遅延差Δτで、縦軸はパワーペナルティである。なお、伝送波形劣化が最大となるように、偏波制御器134(図73参照)において、γ=0.5に設定されている。この図74の(a)と付された曲線は、OTDM信号での伝送波形劣化を表し、この図74に示す受信感度劣化(パワーペナルティ〔縦軸〕)の基準値を1dB以下とした場合、PMD許容値(PMD耐力)は9psとなる。また、図74の(b)と付された曲線は、40Gb/sNRZ信号での伝送波形劣化を表す。このときの受信感度劣化の基準値を1dB以下とした場合、PMD許容値(PMD耐力)は、11psとなる。
この受信感度劣化の値を考察すると、既設の比較的古いファイバには、単位長さ当たり1.0ps/km1/2を超える大きなPMD値をもつものもあり、その場合、100km以下の比較的短距離伝送でも10ps以上になる。さらに、実際の光伝送システムでは、伝送路ファイバ以外に光増幅器や波長分散補償器等でも偏波モード分散が発生するため、伝送距離がより制限される。既設ファイバ伝送路において伝送速度を上げるため、または多中継長距離伝送を行なうためには「PMD補償技術」が必要となるが、この補償技術は次の(d)から(f)の3つの課題を有する。
(d)PMD補償デバイスの実現
(e)伝送路のPMD状態(光遅延差Δτおよび光強度分岐比γ)の検出方法
(f)PMD補償デバイスのフィードバック最適化制御方法
既に、PMD測定器は市販されているが、サイズおよび経済性の面から光伝送システムの一部として導入するのは現実的でなく、主信号光から直接、PMD値をモニタできる方法が望ましい。その方法として、受信信号のベースバンドスペクトル中の周波数成分強度を用いる方法があり、以下のように理論的に求められる。
F(t)をPMDを与えない場合の光強度の時間変化とした場合、PMD(光遅延差Δτおよび光強度分岐比γ)を与えた場合の光強度の時間変化は、次式で表される。
γF(t-Δτ)+(1-γ)F(t)
受光後の電気信号の電界強度はその値に比例し、強度検出器においては、その2乗の値が強度の時間変化として検出される。ベースバンドスペクトルP(f)は、そのフーリエ変換として式(11)のように与えられる。
P(f)=|∫{γF(t-Δτ)+(1-γ)F(t)}・exp(iωt)dt|2
=|γ∫F(t-Δτ)exp(iωt)dt+(1−γ)∫F(t)exp(iωt)dt|2
=|γexp(iωΔτ)∫F(t)exp(iωt)dt
+(1-γ)∫F(t)exp(iωt)dt|2
=K(f)・|∫F(t)exp(iωt)dt|2…(11)
ここで比例係数K(f)は以下のように表される。また、ω=2πfである。
K(f)=|γexp(iωΔτ)+(1-γ)|2
=|γ{cos(ωΔγ)+i sin(ωΔτ)}+(1−γ)|2
=|-4γ(1-γ)sin2(πfΔτ)…(12)
(11)式において、PMD状態に関するパラメータ(光遅延差Δτおよび光強度分岐比γ)はK(f)のみに含まれ、PMDが無い場合のベースバンドスペクトル|∫F(t)exp(iωt)t)dt|2と分離される。よって、周波数成分f=fe(Hz)をフィルタ等で抽出して強度検出する場合、光遅延差Δτおよび光強度分岐比γに対する依存性はK(fe)で表されることになる。しかも、光波形を表す一般式F(t)に対して(11)式が成り立つことから、K(fe)でPMD状態を検出できるという上記の結果は、変調方式(NRZまたはRZ)や波長分散・非線形効果等の波形変化にかかわらず成り立つ。
図75に40Gb/sNRZ方式における、γ=0.5の場合の20GHz成分強度のΔτ依存性を表す実験結果を示す。この強度検出方法は、受信端で受光器(PD)を用いて光信号を電気信号に変換し、20GHzの狭帯域バンドパスフィルタ(BPF)で20GHz成分の信号を抽出し、パワーメータで強度検出する方法である。この図75に示すように、光遅延差Δτ=0psで極大をとり、光遅延差Δτが増大するにつれて減少し、光遅延差Δτ=25psで零となる。
以上のようにPMD状態が最良になる場合はfe(Hz)成分強度が最大になることを利用して、伝送路中(送信端、光中継器中、受信端)に挿入した光遅延差Δτおよび光強度分岐比γを制御する偏波モード分散補償器をこのPMDモニタ信号に従ってフィードバック制御する方法が可能である。
なお、等化に関する公知文献は、次の(4)〜(6)のようなものがある。
(4)可変分散(等化)補償器の公知文献
・R.I.Laming et al.,“A Dispersion Tunable Grating in a 10-Gb/s 100-220-km-Step IndexFibe Link”, IEEE Photon. Technol. Lett., vol.8,no.,pp.428-430,1996.(Chirped fiber gratingの長さ方向の温度勾配を変化させることにより分散補償量を可変。)
・M.M.Ohm et al.,“Tunable fiber grating dispersion using a piezoelectric stack”,OFC'97 WJ3.(Chirped fiber gratingの長さ方向の応力を変化させることにより分散補償量を可変。)
・K.Takiguchi et al.,“Planar Lightwave Circuit Optical Dispersion Equalizer”, IEEE Photon.Technol., Lett., vol.6,no.1,pp.86-88(PLC可変分散補償器)
・A.Sano et al.,“Automatic dispersion equalization by monitoring extracted-clockpower level In a 40-Gbit/s,200-km transmission line”ECOC'96 TuD.3.5(正もしくは負の分散値を有するファイバを1×4機械的光スイッチで縦列接続した離散可変分散補償器)
(5)自動分散等化システムの公知文献
・G.Ishikawa and H.Ooi,“Demonstration of automatic dispersion equalization in 40-Gbit/s OTDM transmission,”ECOC'98 WdC06.(1998年9月23日発表)
・大井、秋山、石川、「波長可変レーザを用いた40Gbit/s自動分散等化実験」1998年電子情報通信学会ソサイエティ大会(1998年9月30日発表)
・M.Tomizawa et al.,“Automatic Dispersion Equalization for Installing High-SpeedOptical Transmission Systems”,J. Lightwave Technol., vol.16,no.2,pp.184-191.
(6)自動PMD補償システムの公知文献
・H.Ooi, Y.Akiyama, G.Ishikawa,“Automatic polarization-mode dispersion compensation in 40-Gbit/s transmission”(仮題)、OFC'99に投稿。(40Gb/sNRZ方式において、受信端に偏波制御器(PC:Polarization Conroller)と偏波保持ファイバ(PMF:Polarization Maintaining Fiber)を用い、PCを制御することで、伝送路とは逆符号の遅延差を与える方法)
・J.H. Winters et al.,“Optical equalization of polarization dispersion”,SPIE Vol.1787 Multigigabit Fiber Communications,1992 pp.346-357.(送信端に偏波制御器を用い、伝送特性を受信端からフィードバックしてγ=0または1となる方向に制御する方法)
・T.Takahashi et al.,“Automatic compensation technique for timewise fluctuating polarization mode dispersion in in-line amplifier systems”,Electron. Lett., vol.30,no.4,1994,pp.348-349.(受信端に偏波制御器(PC)と偏波保持ファイバ(PMF)を用い、PCを制御することで、伝送路とは逆符号の遅延差を与える方法)。10Gb/sNRZ信号のベースバンドスペクトル中の5GHz成分強度を検出し、その強度が最大値になるように制御を行なっている。
・T.Ono et al.,“Polarization Control Method for Suppressing Polarization Mode Dispersion Influence in Optical Transmission Systems”,J. Lightwave Technol., vol.12,no.5,1994, pp.891-898.(受信端で偏波制御器(PC)、偏波ビームスプリッタ(PBS)、各光路に対する受光器、両電気信号間に遅延差を与える可変遅延素子を用い、PCおよび可変遅延素子を制御する方法)。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、高速光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出・モニタできるようにした、偏波モード分散量を検出して、検出された偏波モード分散及び波長分散を補償して高速光信号の長距離伝送を行なえるようにした、分散補償制御方法と、さらには、偏波モード分散量及び波長分散量による伝送光波形劣化を同時に補償する分散補償制御装置とを提供することを目的とする。
【発明の開示】
このため、本発明の分散補償制御装置は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、この第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、この第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえるとともに、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、この第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、この第2強度検出部で検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、また、伝送光信号の波長分散を補償することもできるので、偏波モード分散及び波長分散の影響による光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために更に寄与することができる利点がある。
さらに、本発明に関連する技術の分散補償制御装置は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、この第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、この第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために寄与することができる利点がある。
また、本発明に関連する技術の分散補償制御装置は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、この第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、この第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、また、伝送光信号の波長分散を補償することもできるので、偏波モード分散及び波長分散の影響による光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために更に寄与することができる利点がある。
そして、本発明に関連する技術の偏波モード分散量検出方法は、伝送ファイバを介して入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の特定周波数成分を検出する特定周波数成分検出ステップと、この特定周波数成分検出ステップにて検出された上記特定周波数成分の強度について検出する強度検出ステップと、この強度検出ステップにて検出された上記特定周波数成分の強度についての情報から、所定の関数演算を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する分散量検出ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができる利点がある。
加えて、本発明に関連する技術の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、この第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、この第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができるようになる。
また、本発明の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、この第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、この第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップとをそなえるとともに、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出ステップと、この第2特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出ステップと、この第2強度検出ステップで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、それぞれの制御を独立かつ同時に行なうことができるようになる。
そしてまた、本発明に関連する技術の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、この第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、この第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップと、この第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
従って、このようにすれば、偏波モード分散及び波長分散の影響による光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために更に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の第1の基本ブロックの構成を示す図である。
図2は本発明の第2の基本ブロックの構成を示す図である。
図3は本発明の第3の基本ブロックの構成を示す図である。
図4は本発明の第1実施形態にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図5は遅延量補償器の構成を示す図である。
図6は本発明の第1実施形態にかかる40Gb/s光時分割多重伝送システムの実験系の構成を示す図である。
図7はPMDエミュレータの構成を示す図である。
図8(a)〜図8(e)はいずれも、PMDエミュレータにより光遅延差Δτを変化させて与えた場合の40Gb/s光時分割多重波形であって劣化したものを示す図である。
図9は伝送光信号に生じる偏波モード分散量の検出方法について説明するための図である。
図10(a)及び図10(b)はそれぞれ、伝送光信号に生じる偏波モード分散量の検出方法について説明するための図である。
図11は本発明の第1実施形態にかかる10Gb/sNRZ伝送システムの実験系の構成を示す図である。
図12(a)〜図12(j)はいずれも、PMDエミュレータにより光遅延差Δτを変化させて与えた場合の受信端での劣化した10Gb/sNRZ波形を示す図である。
図13は伝送光信号に生じる偏波モード分散量の検出方法について説明するための図である。
図14(a)及び図14(b)はそれぞれ、伝送光信号に生じる偏波モード分散量の検出方法について説明するための図である。
図15は光時分割多重変調器の構成を示す図である。
図16(a)〜図16(c)はいずれも、OTDM変調器の動作原理を説明するための図である。
図17は本発明の第1実施形態にかかるタイミング抽出部を設けた分散補償制御装置をそなえた光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図18は本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図19は本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図20は本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置が適用される他の光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図21は本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる他の分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図22は本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図23は本発明の第1実施形態の第4変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図24は本発明の第1実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図25(a)〜図25(c)はいずれも補償量最適化制御部によるフィードバック制御の原理を説明するための図である。
図26(a)〜図26(g)はいずれも、分散補償制御装置における動作を説明するための図である。
図27は本発明の第1実施形態の第6変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図28は本発明の第1実施形態の第7変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図29は本発明の第1実施形態の第8変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図30は本発明の第1実施形態の第9変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図31(a)及び図31(b)はそれぞれ、偏波モード分散補償器で光信号に与える偏波モード分散量を示すパラメータが広範囲で掃引制御された場合の特定周波数成分の強度の変化を示す図である。
図32は本発明の第2実施形態にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図33は偏波制御器と可変偏波モード間遅延器との拡大図である。
図34(a)〜図34(c)はいずれも、本発明の第2実施形態にかかる可変光遅延路の例を示す図である。
図35は本発明の第2実施形態にかかる他の可変偏波モード間遅延素子の構成例を示す図である。
図36及び図37はそれぞれ、本発明の第2実施形態にかかるPMD補償を実現するための制御フローチャートである。
図38は本発明の第2実施形態にかかるPMD補償を実現するための他の制御フローチャートである。
図39は本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図40は本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図41は本発明の第2実施形態の第4変形例にかかるシステム稼働時のPMD補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図42はPMD耐力を測定する方法を説明する図である。
図43は本発明の第2実施形態の第4変形例にかかるPMD補償用のPMFを用いたPMD補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図44(a)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度を示す図である。
図44(b)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の受信波形のアイ開口度を示す図である。
図45(a)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度を示す図である。
図45(b)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の受信波形のアイ開口度を示す図である。
図46(a)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度を示す図である。
図46(b)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の受信波形のアイ開口度を示す図である。
図47(a)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度を示す図である。
図47(b)はα,βに対する受信ベースバンド信号中の受信波形のアイ開口度を示す図である。
図48(a)は40Gb/sNRZ信号を用いて伝送を行なったときの伝送路PMD対20GHz成分強度の計算結果を示す図である。
図48(b)は40Gb/sNRZ信号を用いて伝送を行なったときの伝送路PMD対アイ開口ペナルティの計算結果を示す図である。
図49(a)は40Gb/sOTDM信号を用いて伝送を行なったときの伝送路PMD対20GHz成分強度の計算結果を示す図である。
図49(b)は40Gb/sOTDM信号を用いて伝送を行なったときの伝送路PMD対アイ開口ペナルティの計算結果を示す図である。
図50(a)は遅延量Δτcが最小の場合の伝送路PMD対アイ開口ペナルティの関係を示す図である。
図50(b)は遅延量Δτcが最大の場合の伝送路PMD対アイ開口ペナルティの関係を示す図である。
図51(a)及び図51(b)はそれぞれ、遅延量Δτが1タイムスロットを越える場合を説明する図である。
図52及び図53はそれぞれ、本発明の第3実施形態にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図54は本発明の第3実施形態にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図55及び図56はそれぞれ、本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる光伝送システムのブロック図である。
図57は本発明の第3実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムのブロック図である。
図58は本発明の第3実施形態の第2変形例にかかるブロック図である。
図59は本発明の第3実施形態の第3変形例にかかる光伝送システムのブロック図である。
図60は本発明の第3実施形態の第4変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図61は本発明の第3実施形態の第5変形例にかかる光伝送システムの他のブロック図である。
図62は本発明の第4実施形態にかかる光伝送システムのブロック図である。
図63は本発明の第4実施形態の第1変形例にかかる光伝送システムのブロック図である。
図64は本発明の第4実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムのブロック図である。
図65は他の遅延量補償器の構成を示す図である。
図66は40Gb/s光時分割多重方式における、1.3μmSMF50km伝送後の分散補償トレランスの評価実験系の構成を示す図である。
図67は図66の実験系での評価実験の結果を示す図である。
図68は40Gb/sOTDM信号の分散量に対する40GHz成分強度とアイ開口度との関係(シミュレーション結果)を示す図である。
図69はDSF100km伝送時の実験系の構成を示す図である。
図70は図69の実験系での実験結果を示す図である。
図71(a)は40Gb/sNRZ信号(α=−0.7)の分散量に対する40GHz成分強度とアイ開口度の関係(シミュレーション結果)を示す図である。
図71(b)は温度−35〜+65℃で変化させたときのDSF100km伝送時の実験結果を示す図である。
図72(a)は40Gb/sNRZ信号(α=+0.7)のときのシミュレーション結果を示す図である。
図72(b)は40Gb/sRZ信号(α=0,Duty=50%)のときのシミュレーション結果を示す図である。
図73は40Gb/s信号に対するPMDによる伝送波形劣化を調査するための実験系を示す図である。
図74は40Gb/sOTDM信号及びNRZ信号に対する光遅延差Δτに対するパワーペナルティ評価実験の結果を示す図である。
図75は40Gb/sNRZ方式における、γ=0.5の場合の20GHz成分強度のΔτ依存性を表す実験結果を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(A)本発明の基本構成についての説明
(A1)第1の基本ブロックについての構成の説明
図1は本発明の分散補償制御装置の第1の基本ブロックの構成を示す図であり、この図1に示すように、伝送路6a上に設けられた偏波モード分散補償器7aと、分散補償制御装置251aとをそなえて構成されている。
ここで、伝送路6aは、光ファイバ伝送路であり、偏波モード分散補償器7aは、分散補償制御装置251aからの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するものである。
また、分散補償制御装置251aは、受信した光信号に基づいて、伝送路6aを伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器251aを制御するものであり、第1特定周波数成分検出部2a,第1強度検出部3a,偏波モード分散制御部220aをそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本構成では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散」を表す意味で使用することとする。従って、本構成にかかる分散補償制御装置251aは、『偏波モード補償制御装置』を意味するものとする。
ここで、第1特定周波数成分検出部2aは、伝送路6aとしての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出するものであり、第1強度検出部3aは、この第1特定周波数成分検出器部2aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出するものである。また、偏波モード分散制御部220aは、第1特定周波数成分検出部2aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路の偏波モード分散量を制御するものである。
ここで、上記伝送光信号がRZ光信号又は光時分割多重信号である場合には、第1特定周波数成分検出部2aが、第1特定周波数成分として、ビットレートに相当する周波数を検出するように構成されてもよく、上記伝送光信号があらゆる光変調方式において、第1特定周波数成分検出部2aが、第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されてもよい。
また、本発明の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6aの偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
(A2)第2の基本ブロックについての構成の説明
図2は本発明の分散補償制御装置の第2の基本ブロックの構成を示す図であり、この図2に示すように、伝送路6a上に設けられた波長分散補償器206a,偏波モード分散補償器7aと、分散補償制御装置251bとをそなえて構成されている。ここで、伝送路6aは、光ファイバ伝送路であり、波長分散補償器206aは、分散補償制御装置251bからの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた波長分散量を補償するものであり、また、偏波モード分散補償器7aは、分散補償制御装置251bからの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するものである。
さらに、分散補償制御装置251bは、受信した光信号に基づいて、伝送路6aを伝送する光信号に生じた波長分散及び偏波モード分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて波長分散補償器206a及び偏波モード分散補償器7aを制御するものであって、第1特定周波数成分検出部2a,第1強度検出部3a,偏波モード分散制御部220a,第2特定周波数成分検出部222a,第2強度検出部223a,波長分散制御部224aをそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本構成では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方を表す意味で使用することとする。従って、本構成にかかる分散補償制御装置251bは、『偏波モード分散・波長分散補償制御装置』を意味するものとする。
ここで、第1特定周波数成分検出部2aは、伝送路6aとしての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出するものであり、第1強度検出部3aは、この第1特定周波数成分検出部2aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出するものである。また、偏波モード分散制御部220aは、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6aの偏波モード分散量を制御するものである。そして、第2特定周波数成分検出部222aは、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分を検出するものであり、第2強度検出部223aは、この第2特定周波数成分検出部222aにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出するものである。また、波長分散制御部224aは、第2強度検出部223aで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6aの波長分散量を制御するものである。
なお、上記伝送光信号がNRZ光信号である場合には、第1特定周波数成分検出部2aが、第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されるとともに、第2特定周波数成分検出部222aが、第2特定周波数成分として、ビットレートに相当する周波数を検出するように構成されてもよい。
さらに、本発明の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6aの偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップとをそなえるとともに、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出ステップと、第2特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出ステップと、第2強度検出ステップで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6aの波長分散量を制御する波長分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
(A3)第3の基本ブロックについての構成の説明
図3は本発明の分散補償制御装置の第3の基本ブロックの構成を示す図であり、この図3に示すように、伝送路6a上に設けられた波長分散補償器206a,偏波モード分散補償器7aと、分散補償制御装置251cとをそなえて構成されている。ここで、伝送路6aは、光ファイバ伝送路であり、波長分散補償器206aは、分散補償制御装置251cからの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた波長分散量を補償するものであり、また、偏波モード分散補償器7aは、分散補償制御装置251cからの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するものである。
さらに、分散補償制御装置251cは、受信した光信号に基づいて伝送路6aを伝送する光信号に生じた波長分散及び偏波モード分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて波長分散補償器206a及び偏波モード分散補償器7aを制御するものであって、第1特定周波数成分検出部2a,第1強度検出部3a,偏波モード分散制御部220a,波長分散制御部224aをそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本構成でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方を表す意味で使用することとする。従って、本構成にかかる分散補償制御装置251cは、『偏波モード分散・波長分散補償制御装置』を意味するものとする。
ここで、第1特定周波数成分検出部2aは、伝送路6aとしての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出するものであり、第1強度検出部3aは、この第1特定周波数成分検出部2aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出するものである。また、偏波モード分散制御部220aは、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6aの偏波モード分散量を制御するものであり、波長分散制御部224aは、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6aの波長分散量を制御するものである。
また、上記伝送光信号がRZ光信号又は光時分割多重信号である場合には、第1特定周波数成分検出部2aが、第1特定周波数成分として、ビットレート又はビットレートの1/2に相当する周波数を検出するとともに、上記伝送光信号がNRZ光信号である場合には、第1特定周波数成分検出部2aが、第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されてもよい。
そして、波長分散制御部206aが、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6a中に設けられた波長分散補償器206aに対して波長分散制御量を設定するように構成されてもよく、第1強度検出部3aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、所定の第2関数による演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量を検出する波長分散量検出部と、この波長分散量検出部にて検出された上記波長分散量に基づいて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、波長分散補償器206aに対して波長分散制御量を設定する波長分散制御量設定部とをそなえて構成されてもよい。さらに、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6a中に設けられた波長分散補償器206aをフィードバック制御するように構成されてもよい。
そしてさらに、本発明の分散補償制御方法は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6aの偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップと、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6aの波長分散量を制御する波長分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
(A4)偏波モード分散についての説明
第1〜第3の基本ブロックに関して、偏波モード分散について説明すると以下のようになる。
まず、偏波モード分散制御部220aは、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6a中に設けられた偏波モード分散補償器7aに対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されてもよい。
また、この偏波モード分散制御部220aが、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、第1強度検出部3aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、この偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、偏波モード分散補償器7aに対して出力するパラメータ設定部とをそなえて構成されてもよい。
さらに、分散補償制御装置251a(又は251b或いは251c)は、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、この第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえるとともに、偏波モード分散制御部220aが、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、第1強度検出部及び第3強度検出部にてそれぞれ検出された第1特定周波数成分の強度及び第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、この偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号
の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえて構成することもできる。
ここで、上記パラメータ情報を、2つの偏波モード間の遅延量Δτと、上記2つの偏波モードへの光強度の分岐比γのうちの少なくとも一方としてもよく、パラメータ設定部が、上記伝送光信号の受信端となる受信端装置に設けられた偏波モード分散補償器に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成してもよい。
さらに、パラメータ設定部が、上記伝送光信号を送信する送信端装置又は上記伝送光信号を増幅中継する中継装置に設けられた偏波モード分散補償器に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成されてもよく、伝送路6a上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されてもよい。
また、パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、第1強度検出部3aからの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえて構成することもできる。
さらに、この補償量最適化制御部が、互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、第1強度検出部3aからの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比の設定を制御する一方、第1強度検出部3aからの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量の設定を制御するように構成されてもよく、上記の2つの偏波モードへの光強度の分岐比の設定制御及び2つの偏波モード間の遅延量の設定制御を、時間的に切り換えて行なうように構成されてもよい。
また、システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、偏波モード分散補償器7aで与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを大きく掃引制御する掃引制御部をそなえて構成してもよい。
そして、偏波モード分散制御部220aが、第1強度検出部3aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6a中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成することができる。この偏波モード間遅延器は、偏波ビームスプリッタによって各偏波モード成分を分離して,可変光遅延路によって各偏波モード成分間に遅延差を与えた後に合波するデバイスとして構成されてもよく、偏波分散値の異なる複数の偏波保持ファイバを並列に配置し、伝送路6aの偏波モード分散量に従って、光信号を透過させる偏波保持ファイバを光スイッチで切り換えるデバイスとして構成されてもよい。
さらに、偏波モード分散制御部220aが、偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間,上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第1制御モードによる制御を行なうとともに、第1制御モードの後に、残りの制御パラメータの一方を第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの他方を固定しておく第2制御モードによる制御を行ない、最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの一方を固定しながら、残りの制御パラメータの他方を第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させる第3制御モードによる制御を行なうように構成されてもよい。
加えて、偏波モード分散制御部220aが、偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第4制御モードによる制御を行なうとともに、第4制御モードの後に、残りの制御パラメータの一方を第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間,最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの他方を固定しておく第5制御モードによる制御を行ない、最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの一方を固定しながら、残りの制御パラメータの他方を第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させる第6制御モードによる制御を行ない、その後は、第1特定周波数成分の強度が極大となるまで、上記の第4制御モード,第5制御モード,第6制御モードを繰り返し実行するように構成されていてもよい。
またさらに、偏波モード分散制御部220aから上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器へ出力される制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、第1強度検出部3aからの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえて構成されてもよく、この補償量最適化制御部が、偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量をそれぞれ異なる周波数で低周波変調して、伝送光信号のベースバンドスペクトル中の第1周波数成分強度を検出し、その中に含まれる低周波数成分の強度変調成分が零となるように上記の偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量を最適化するように構成されてもよい。さらに、偏波モード分散制御部220aが、システム稼働中は、偏波制御器のみの制御を行なう一方、システム稼働開始時及び伝送路6aにおける偏波モード分散の条件を決める要素に切換があった時には、偏波モード間遅延器を制御するように構成されてもよい。
また、偏波モード分散制御部220aが、最大許容偏波モード分散量を設定する最大許容偏波モード分散量設定手段をそなえるとともに、第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数成分の強度が極大となるように、伝送路6a中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する場合に、システム稼働時においては、偏波モード間遅延器の遅延量を、1タイムスロットから最大許容偏波モード分散量を引いた値として定義される下限値以上で、且つ、最大許容偏波モード分散量の2倍の大きさともつ値として定義される上限値以下の値に設定しておくこともでき、この偏波モード分散制御部220aが、システム稼働時における偏波モード間遅延器の遅延量を下限値に設定したり、システム稼働時における偏波モード間遅延器の遅延量を上限値に設定することができる。
加えて、偏波モード間遅延器が、偏波保持ファイバで構成されてもよく、遅延量を固定した状態の可変偏波モード間遅延器で構成されてもよい。
そして、本発明の偏波モード分散量検出方法を要約すると、まず、伝送ファイバを介して入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の特定周波数成分を検出し(特定周波数成分検出ステップ)、次いで、特定周波数成分検出ステップにて検出された上記特定周波数成分の強度について検出し(強度検出ステップ)、その後は、強度検出ステップにて検出された特定周波数成分の強度についての情報から、所定の関数演算を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する(分散量検出ステップ)。
このとき、分散量検出ステップにおいて、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした関数を用いることにより、上記所定の関数演算を行なうように構成することができる。
さらに、特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、上記伝送光信号におけるベースバンドスペクトルの成分が時間的に安定して得られる周波数に設定されるように構成することもできる。
また、上記伝送光信号がRZ光信号又は光時分割多重信号である場合には、特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、ビットレートに相当する周波数に設定されるように構成してもよく、上記伝送光信号があらゆる光変調方式において、特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、ビットレートの1/2に相当する周波数に設定されるように構成してもよい。
(A5)波長分散補償方法についての説明
第2及び第3の基本ブロックに関して、波長分散補償方法について説明すると以下のようになる。
波長分散制御部224aは、第2強度検出部223aで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6a中に設けられた波長分散補償器206aに対して波長分散制御量を設定するように構成されてもよい。
またさらに、波長分散制御部224aが、第2強度検出部223aにて検出された上記第2特定周波数成分の強度から、所定の第2関数による演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量を検出する波長分散量検出部と、この波長分散量検出部にて検出された上記波長分散量に基づいて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、波長分散補償器206aに対して波長分散制御量を設定する波長分散制御量設定部とをそなえて構成されてもよい。
そして、波長分散制御部224aが、第2強度検出部223aで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、伝送路6a中に設けられた波長分散補償器206aをフィードバック制御するように構成されてもよい。
さらに、第2強度検出部223aが、検出した上記第2特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されていてもよい。
また、本発明の分散補償制御方法において、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行されてもよく、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行されてもよい。
(A6)その他の付帯機能についての説明
本発明の分散補償制御装置251a(又は251b或いは251c)は、第1特定周波数成分検出部2aにて検出された上記第1特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうタイミング抽出部をそなえて構成されてもよく、また、分散補償制御装置251a(又は251b或いは251c)において、第1強度検出部3aが、検出した上記第1特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されていてもよい。
なお、この『分散』という単語は、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を有し、分散補償制御装置251aは、『偏波モード分散補償制御装置』を意味するものとする。また、分散補償制御装置251b及び分散補償制御装置251cは、『偏波モード分散・波長分散補償制御装置』を意味するものとする。
(B)本発明の第1実施形態の説明
図4は本発明の第1実施形態にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
この図4に示す光伝送システム10は、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。
この光伝送システム10は、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機2と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機7とが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置1が設けられている。
そして、この光受信機7は、偏波モード分散補償器4と、光分岐部5と、光受信部6とを有する。この偏波モード分散補償器4は、外部からの制御信号を受けて、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するものであり、光分岐部5は、光受信機7内に設けられ、光伝送路3を介して受信側に入力される伝送光信号の一部を取り出して、モニタ光として分散補償制御装置1に送出するものである。また、光受信部6は、伝送光信号を受信するものである。
また、この分散補償制御装置1は、光分岐部5により取り出された光信号に基づいて光伝送路3を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器4を制御するものであり、受光器11,バンドパスフィルタ(fe BPF)12,強度検出器13,偏波モード分散制御部90をそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本実施形態では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置1は、『偏波モード分散補償制御装置1』を表す。
そして、受光器11は、光分岐部5により取り出された光信号を受光して、電気信号に変換するものであり、バンドパスフィルタ12は、光伝送路3を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕を検出するものであり、第1特定周波数成分検出部として機能する。
ここで、この第1特定周波数成分は、光信号の伝送速度や信号波形に応じて適宜設定されるものである。例えば、伝送光信号が40Gb/sRZ光信号(又はOTDM信号)である場合には、バンドパスフィルタ12は、第1特定周波数として、ビットレートに相当する周波数(40GHz)を検出するように構成されている。また、伝送光信号が10Gb/sNRZ光信号である場合には、バンドパスフィルタ12は、第1特定周波数として、ビットレートの1/2に相当する周波数(5GHz)を検出するように構成されている。
さらに、強度検出器13は、バンドパスフィルタ12にて検出された上記第1特定周波数成分の強度について検出するものであり、第1強度検出部として機能する。そして、この強度検出器(第1強度検出部)13が、検出した上記第1特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるようになっている。
そして、この偏波モード分散制御部90は、強度検出器13にて検出された第1特定周波数成分の強度から、上記の伝送光信号の偏波モード分散量を検出するものであって、この機能は、偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路(パラメータ設定部)15とによって発揮される。
ここで、偏波モード分散量検出部14は、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、強度検出器13にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出するものである。
そして、パラメータ設定回路15は、偏波モード分散量検出部14にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、光伝送路3中に設けられた偏波モード分散補償器4に対して出力するものである。なお、このパラメータ情報とは、具体的には、2つの偏波モード間の遅延量(光遅延差)Δτを意味する。
換言すれば、パラメータ設定回路15は、伝送光信号の偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散量検出部14にて検出された偏波モード分散量を相殺するようなパラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を、光受信機7内に設けられた偏波モード分散補償器4に対して出力するものである。そして、パラメータ設定回路15は、後述するように、強度検出器13にて検出される上記第1特定周波数成分の強度が極大となるように、上記パラメータ情報を設定するように構成されている。
ここで、『第1特定周波数成分の強度が極大となるように』とは、この制御態様が、強度検出器13にて検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路3の偏波モード分散量を制御する態様であることをいい、具体的には、偏波モード分散量検出部14が、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を抽出し、その周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした関数(第1関数)を用いて第1特定周波数成分の強度の極大箇所を検出するようになっている。なお、その詳細な制御方法については、後述する。
これにより、分散補償制御を実行するステップは、次のようになる。すなわち、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分が検出され(第1特定周波数成分検出ステップ)、この第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報が検出され(第1強度検出ステップ)、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路3の偏波モード分散量が制御される(偏波モード分散制御ステップ)。
一方、光受信機7内の偏波モード分散補償器4は、分散補償制御装置1のパラメータ設定回路15からのパラメータ設定制御信号を受けて、当該制御信号に基づいてパラメータ情報を設定することにより、光伝送路3を伝送する光信号に生じた偏波モード分散を補償するものであって、図5に示すように、光軸調整器4Dと偏波保持ファイバ(PMF:Polarization Maintaining Fiber)4A−4とを有する。
ここで、光軸調整器(偏波制御器)4Dは、受信光を偏波保持ファイバ4A−4に入力する際の軸合わせを行なうものである。つまり、この光軸調整器4Dは、偏波保持ファイバ4A−4の偏波主軸方向に入力光信号の偏波状態を合わせ、且つ、偏波保持ファイバ4A−4で与える遅延量の符号が光伝送路3での遅延量を打ち消すように偏波方向を合わせるためのものであり、例えば波長板〔1/2波長板(λ/2板)4D−11及び1/4波長板(λ/4板)4D−12〕と、アクチュエータ4D−13,4D−14からなり、使用している光ファイバの長軸と短軸に合わせて、所定の角度の偏波制御を行なうようになっている。
また、偏波保持ファイバ4A−4は、直交する2つの偏波モード成分に対して、一定の遅延差を与えるものであり、遅延量固定の遅延量補償器としての機能を実際に有する。すなわち、遅延量補償器(Δτ補償器)としての機能は、2つの偏波モード間の遅延量Δτに関するものであって、偏波保持ファイバ4A−4によって発揮されていることになる。
これらにより、光送信機2から送信された光信号は、光伝送路3を通って光受信機7に入力される。そして、光軸調整器4Dにおいて、入力光信号の偏波状態は、偏波保持ファイバ4A−4で与える遅延量の符号が光伝送路3での遅延量を打ち消すように偏波方向が合わせられる。さらに、光分岐部5において、伝送光信号の一部は、モニタ光として分散補償制御装置1に送出される一方、その他の光信号は、光受信部6に送出される。この分散補償制御装置1に入力された光信号は、受光器11において、光信号から電気信号に変換(O/E変換)されて、バンドパスフィルタ12において、入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分(fe〔Hz〕成分)が検出される。さらに、強度検出器13において、第1特定周波数成分の強度についての情報が得られ、偏波モード分散量検出部14において、偏波モード分散量が検出される。そして、パラメータ設定回路15において、伝送光信号の偏波モード分散を補償するようなパラメータ情報Δτを設定するためのパラメータ設定制御信号が、光受信機7内に設けられた偏波モード分散補償器4に対して出力されて、伝送光信号の偏波モード分散が補償されるのである。そして、遅延量補償器(光軸調整器4D、偏波保持ファイバ4A−4)としての最適制御は、光軸調整器4Dで与える偏波方向に対して行なわれる。
次に、40Gb/s光伝送システムでの偏波モード分散による光信号への影響について調べる実験系の構成を図6,7に示す。また、この実験系を用いて調べた結果を図8(a)〜図8(e),図9,図10(a),図10(b)に示す。
図6に示す40Gb/s光伝送システム100は、光時分割多重方式を採用する40Gb/s光通信システムを模擬したものである。この光伝送システム100は、光送信機101及び光受信機102が光伝送路103を介して接続されたものであるが、光信号に擬似的に偏波モード分散を与えるために、偏波制御器(PC)104及び市販の偏波モード分散エミュレータ(PMDエミュレータ)105が光伝送路103に設けられている。なお、RZ光信号を用いた場合も、この実験系によって、モニタ可能となる。
ここで光送信機101は、レーザダイオード(LD)101A,光変調器101B,光ポストアンプ101Cをそなえて構成されている。ここで、レーザダイオード101Aは、信号光源であり、光ポストアンプ101Cは、光増幅器である。また、光変調器101Bは、レーザダイオード101Aからの光を40Gb/sの光時分割多重(OTDM)光信号に変調するものであり、この光変調器101Bとしては、図15に示すような光時分割多重変調器(以下、OTDM変調器と称することがある)が用いられる。
図15に示すように、このOTDM変調器200は、20GHz光スイッチ部(1×2switch)201と、20Gb/sデータ変調部202と、位相制御部(Phase controller)203と、光多重部(Multiplexer)204とをそなえて構成されている。ここで、20GHz光スイッチ部201は、1入力2出力の光スイッチであり、20Gb/sデータ変調部202は、この20GHz光スイッチ部201により分岐された2系列の光クロック信号に独立にデータ変調を行なうものであり、2つの変調部(Two modulators)を有する。さらに、位相制御部203は、この20Gb/sデータ変調部202から出力される2系列の光信号間の光波の位相差を制御するものであり、光多重部204は、位相制御部203から出力される2系列の光信号を合波するものである。なお、光スイッチ部201,データ変調部202,光多重部204からそれぞれ出力される光波形(図15の丸付き数字1〜丸付き数字3と付した箇所における光波形)を、図16(a)〜図16(c)にそれぞれ示す。これらの図16(a)〜図16(c)はそれぞれ、OTDM変調器の動作原理を説明するための図である。これにより、図15に示すOTDM変調器200から出力される光信号の光波形は、図16(c)に相当する。
また、このPMDエミュレータ105により光遅延差Δτを変化させて与えた場合の40Gb/s光時分割多重波形であって劣化したものを、図8(a)〜図8(e)に示す。
図6に戻って、PMDエミュレータ105は、詳細には図7に示すように、分岐型の光導波路105Eの分岐部に偏波ビームスプリッタ105Aが、光導波路105Eの合波部に偏波ビームスプリッタ(PBS)105Dがそれぞれ設けられるとともに、光導波路105Eの一方の平行光導波路105Fに光ディレイ(光遅延器)105Bが、光導波路105Eの他方の平行光導波路105Gに光減衰器(光アッテネータ)105Cがそれぞれ設けられている。
そして、このPMDエミュレータ105においては、入力された光信号は、偏波ビームスプリッタ105Aにより2つの偏波成分に分離され、平行光導波路105Fを伝播する偏波成分には、光ディレイ105Bにより2つの偏波モード間の遅延量(光遅延差)Δτが与えられる。また、平行光導波路105F,105Gの光損失が等しくするため、平行光導波路105Gを伝播する偏波成分は光減衰器105Cによりレベルが調整される。さらに、平行光導波路105F,105Gからそれぞれ出力される偏波成分は、偏波ビームスプリッタ105Dにより直交状態のまま合波されて出力される。
また、偏波制御器104は、PMDエミュレータ105の入力側に設けられ、PMDエミュレータ105の偏波ビームスプリッタ(PBS:Polarization Beam Splitter)105Aにおける各偏波成分への光強度の分岐比γ(以下、光強度分岐比と称することもある)を変化させるものである。
このように、偏波制御器104及びPMDエミュレータ105により、光信号に擬似的に偏波モード分散(遅延量Δτ,光強度分岐比γ)が与えられるのである。
再度図6に戻って、光受信機102は、光プリアンプ102A,光DEMUX(Demultiplex)102B,フォトダイオード(PD)102C,アンプ102D,HBT−D−FF102E,受信部102F,フォトダイオード(PD)102G,バンドパスフィルタ(BPF)102H,タイミング抽出部(PLL)1021,偏波モード分散モニタ(PMDモニタ)102Jをそなえて構成されている。
この光受信機102において、偏波モード分散の状態をモニタする方法は、図6に示す光プリアンプ102Aから出力される主信号系から分岐された光信号(フォトダイオード102Gに入力する方)を使用する。すなわち、この40Gb/s光信号は、フォトダイオード102Gにおいて、電気信号に変換(O/E変換)された後、40GHzのバンドパスフィルタ102Hにおいて、光信号のベースバンドスペクトル中の40GHz成分が抽出され、PMDモニタ102Jのパワーメータにより、抽出された40GHz成分の強度が、測定される。
次に、受信感度劣化のΔτ(遅延量)及びγ依存性を、図9(Iと付した方),図10(a)を用いて説明する。また、40GHz成分強度のΔτ及びγ依存性を、図9(IIと付した方),図10(b)を用いて説明する。ここで、図9のI,IIはそれぞれ、光強度分岐比γ=0.5とした場合における、受信感度劣化のΔτ依存性と40GHz成分強度のΔτ依存性とを示すものである。
この図9の符号Iと付した方は、伝送による受信感度劣化(パワーペナルティ)のΔτ依存性を表すものであり、また図9の符号IIと付した方は、光強度分岐比γ=0.5での40GHz成分強度のΔτ依存性を示すものである。この図9の符号IIと付した方のように、40GHz成分強度は、Δτ=0(ps)のときを極大として、Δτが増大するにつれて減少し、Δτ=12.5(ps)で極小となる。さらにΔτが増大すると、40GHz成分強度は増大に転じ、1タイムスロットと同じ値(Δτ=25ps)になったときに元の強度と等しくなる。
また、図10(b)に、遅延量Δτ=10(ps)とした場合における40GHz成分強度の光強度分岐比γ依存性を示す。この図10(b)に示すように、40GHz成分強度は、γ=0.5のときに極小となり、γ=0又は1のときに最大となる。
一方、図9の符号Iを付した方、及び図10(a)のように、伝送による受信感度劣化のΔτ依存性の測定結果から、Δτに関してはΔτ=0(ps)のときが、伝送による受信感度劣化が最小となる最良の状態であり、また、光強度分岐比γに関してはγ=0又は1のときが、伝送による受信感度劣化が最小となる最良の状態であることがわかる。これは、上述したように40GHz成分強度が最大になる場合と一致する。また、偏波モード分散による波形劣化が最大になるγ=0.5のときには、図9の符号Iを付した方に示すように、伝送後の受信感度劣化が1dB以下となるような偏波モード分散の許容値(PMD耐力)は、約9psとなる。
さらに、図11は、伝送速度Bの値が40GHzではなく、10Gb/sNRZ伝送システムの実験系の構成であるが、この図11に示す10Gb/sNRZ伝送システム110は、NRZ信号を伝送する10Gb/s光通信システムを模擬したものである。また、この偏波モード分散制御による光信号への影響について調べた結果を、図12(a)〜図12(j),図13,図14(a),図14(b)に示す。
図11に示すNRZ伝送システム110も、光送信機111及び光受信機112が光伝送路113を介して接続されたものであるが、光信号に対して擬似的に偏波モード分散を与えるために、偏波制御器(PC)114及び市販の偏波モード分散エミュレータ(PMDエミュレータ)115が光伝送路113に設けられている。なお、光伝送路113には、実験に応じて、長さ50kmの1.3μm帯零分散ファイバ(SMF)113Aが介装される。
ここで、偏波制御器114及びPMDエミュレータ115は、光信号に擬似的に偏波モード分散(遅延量Δτ,光強度分岐比γ)を与えるものであり、それぞれ前述した偏波制御器104及びPMDエミュレータ105(図6参照)と同様のものである。また、光送信機111は、レーザダイオード(LD)111A,光変調器111B,光ポストアンプ111Cをそなえて構成されている。
また、光送信機111の光変調器111Bは、レーザダイオード111Aからの光を10Gb/sのNRZ光信号に変調するものであり、この光変調器111Bとしては、マッハツェンダ型のニオブ酸リチウム光変調器(LiNbO3光変調器;図示せず)が用いられる。なお、10Gb/sNRZ波形は、ニオブ酸リチウム光変調器を10Gb/sNRZ電気信号で駆動することにより生成される。
ここで、図11に示す光変調器111Bから出力される10Gb/sNRZ光信号に、PMDエミュレータ115により光遅延差Δτを変化させて与えた場合の、受信端での劣化した10Gb/sNRZ波形を、図12(a)〜図12(j)に示す。ここで、図12(a)〜図12(e)は、SMF113Aを介した伝送(ファイバ伝送)を行なわない場合の10Gb/sNRZ波形であり、図12(f)〜図12(j)は、SMF113Aを介した伝送を行なった場合の10Gb/sNRZ波形である。
図11に戻って、光受信機112は、光プリアンプ112A,フォトダイオード(PD)112B,受信部112C,フォトダイオード(PD)112D,バンドパスフィルタ(BPF)112E,偏波モード分散モニタ(PMDモニタ)112Fをそなえて構成されている。この光受信機112において偏波モード分散をモニタする処理の流れは、次のようになる。すなわち、主信号系から分岐した光信号はフォトダイオード112Dにより電気信号に変換(O/E変換)された後、5GHzのバンドパスフィルタ112Eにおいて、光信号のベースバンドスペクトル中の5GHz成分が抽出され、PMDモニタ102Fとしてのパワーメータにおいて、抽出された5GHz成分の強度が測定される。なお、10Gb/sNRZ信号は10GHz成分強度をもたないので、その半分の5GHz成分を抽出して、その強度を測定している。
図13は、光強度分岐比γ=0.5とした場合における、伝送による受信感度劣化(パワーペナルティ)のΔτ(遅延量)依存性(図13の符号III参照)と、5GHz成分強度のΔτ依存性(図13の符号IV参照)とを示すものである。
この図13の符号IVを付した方に示すように、5GHz成分強度は、伝送速度40Gb/sOTDM信号の場合と同様にΔτ=0(ps)のときに極大となっているが、Δτに対する周期が1タイムスロットの2倍となっている点が伝送速度40Gb/sOTDM信号の場合とは異なっている。
図14(a)に受信感度劣化の光強度分岐比γ依存性の測定結果を示す。また、図14(b)に、遅延量Δτ=40psとした場合における5GHz成分強度のγ依存性を示す。この図14(a)に示すように、受信感度劣化は、γ=0.5のときに極大となり、γ=0又は1のときに最小となる。また、この図14(b)に示すように、5GHz成分強度は、伝送速度40Gb/sOTDM信号の場合と同様にγ=0.5のときに極小となり、γ=0又は1のときに最大となる。
図13,図14(a),(b)より、Δτに関してはΔτ=0(ps)のときが、また、γに関してはγ=0又は1のときが、伝送による受信感度劣化が最小となる最良の状態であり、これは、上述したように5GHz成分強度が最大になる場合と一致する。
また、偏波モード分散による波形劣化が最大になるγ=0.5のときには〔図14(a)参照〕、伝送後の受信感度劣化が1dB以下となるような偏波モード分散の許容値(PMD耐力)は、ファイバ伝送を行なっていない場合には、図13の符号IIIに示すように約30psとなる。
このように、PMD耐力は、光信号の伝送速度(ビットレート)にほぼ反比例することがわかる。
つまり、光信号の伝送速度が大きくなるほど、また、光信号の伝送距離が長くなるほど、偏波モード分散の影響は無視できなくなるのである ところで、所定の周波数成分の強度検出方法は、次のようになる。すなわち、偏波モード分散量検出部14(図4参照)が、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を抽出し、その周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした関数(第1関数)を用いて第1特定周波数成分の強度の極大箇所を検出するようにしている。ここでいう第1関数とは、40Gb/sRZ波形における20GHz成分強度のΔτに対する依存性や、10Gb/sNRZ波形における5GHz成分強度のΔτに対する依存性を、定量的に表した関数であって、Δτ及びγによって決まる関数をいう。以下、この第1関数について説明を行なうが、以降の制御方法の区別のために、この関数を使用した制御方法を特に制御態様1と称することとする。
まず、偏波モード分散(遅延量Δτ,光強度分岐比γ)を与えない場合の光強度の時間変化をF(t)とすると、偏波モード分散を与えた場合の光強度の時間変化は、(1)式のようになる。
γF(t)+(1−γ)F(t+Δτ)…(1)
そして、受光後の電気信号の電界強度はその値に比例し、強度検出器13(図4参照)ではその二乗の値を強度の時間変化として検出する。従って、光信号のベースバンドスペクトルP(f)は、フーリエ変換から、式(2)のように与えられる。
P(f)=|∫{γF(t)+(1-γ)F(t+Δτ)}・exp(iωt)dt|2
=|γ∫f(t)・exp(iωt)dt+(1-γ)∫F(t+Δτ)・exp(iωt)dt|2
=|γ∫F(t)・exp(iωt)dt
+(1-γ)・exp(-iωΔτ)∫F(t)・exp(iωt)dt|2
=K(f)・|∫F(t)・exp(iωt)dt|2…(2)
但し、比例計数K(f)は式(3)の通りに表される。
K(f)=|γ+(1-γ)・exp(-iωΔτ)|2
=|γ+(1-γ)・{cos(ωΔτ)−i・sin(ωΔτ)}|2
=1−4γ(1-γ)sin2(πfΔτ)…(3)
なお、ω=2πfである。
このように、偏波モード分散状態に関するパラメータΔτ,γは、K(f)のみに含まれるため、偏波モード分散がない場合の光信号のベースバンドスペクトル|∫F(t)・exp(iωt)dt|2と分離することができる。
また、式(3)からK=K(f,Δτ,γ)となるので、上記第1特定周波数成分fe(Hz)をバンドパスフィルタ12(図4参照)にて抽出して、強度検出器13にて強度検出した場合、K(f,Δτ,γ)=K(fe|Δτ,γ)となって、遅延量Δτ及び光強度分岐比γに依存することになる。ここで、K(fe|Δτ,γ)は、feが与えられたときの、変数Δτ,γをもつ関数である。従って、受信側において、2種類の周波数fe(Hz)での光強度(の比例係数)K(f)を計測することによって、伝送路上でのΔτとγとを一意に決定することができる。
しかも、光波形を表す一般式F(t)に対して、式(2)が成立することから、K(fe)で偏波モード分散状態を検出できるという上記の結果は、信号形式(NRZ又はRZ)や、波長分散・非線形効果等の波形変化に関わらず成立する。なお、10Gb/sNRZ伝送システムにおける実験結果では、ファイバ(SMF)伝送時に5GHz成分強度が大きくなっているが、これは|∫F(t)・exp(iωt)dt|2が大きくなっているためであり、偏波モード分散に関してK(fe)に比例するという結果には従っている。
上述したように、偏波モード分散状態が最良になるとき、すなわち、偏波モード分散による波形劣化が最小となるときは、fe(Hz)成分強度が最大になるときと一致するので、光伝送路3に設けられた偏波モード分散補償器4により、遅延量Δτを制御して偏波モード分散を補償する際に、式(2),(3)を用いて偏波モード分散量を検出することができるのである。これにより、上記パラメータ情報を、2つの偏波モード間の遅延量Δτとしていることになる。
すなわち、信号形式(NRZ又はRZ等),波長分散・非線形効果等の波形変化に関わらず、光信号のベースバンドスペクトル中から抽出された周波数成分強度から、偏波モード分散(遅延量Δτ及び光強度分岐比γの関数)の状態が定量的に検出できるように、式(2),(3)が一般化されているのである。
換言すれば、式(2),(3)は、偏波モード分散量検出部14において伝送光信号の偏波モード分散量を検出する際に用いられる、任意の伝送光信号(例えば40Gb/sOTDM信号や10Gb/sNRZ信号)を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度の第1関数(その周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした関数)に相当する。
これにより、図4に示す光伝送システム10における、信号の流れは次のようになる。光送信機2から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は、光伝送路3を介して光受信機7に伝送され、受信端において、伝送された光信号に生じた偏波モード分散を補償すべく、光分岐部5により、光伝送路3を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散補償制御装置1に送出される。そして、分散補償制御装置1においては、光分岐部5により取り出された光信号に基づいて光伝送路3を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態がモニタされるとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器4の制御が行なわれる。
この偏波モード分散量検出ステップ(制御態様1による検出ステップ)は、次のようになる。まず、分散補償制御装置1においては、光分岐部5により取り出された光信号は、受光器11により受光されて、電気信号に変換(O/E変換)された後に、バンドパスフィルタ12に入力される。
そして、バンドパスフィルタ12において、伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕が検出され(特定周波数成分検出ステップ)、強度検出器13により、特定周波数成分検出ステップにて検出された上記特定周波数成分の強度が検出される(強度検出ステップ)。さらに、偏波モード分散量検出部14において、強度検出ステップにて検出された上記特定周波数成分の強度についての情報から、所定の関数演算〔上述の式(2),(3)を用いた関数演算〕を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量が検出される(分散量検出ステップ)。
ここで例えば、上記伝送光信号が40Gb/sRZ光信号又は40Gb/sOTDM信号である場合には、この特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、ビットレートに相当する周波数(40GHz)に設定されている。さらに、上記伝送光信号が10Gb/sNRZ光信号である場合には、この特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、ビットレートの1/2に相当する周波数(5GHz)に設定されている。すなわち、この特定周波数成分検出ステップにおいて成分が検出される特定周波数を、上記伝送光信号におけるベースバンドスペクトルの成分が時間的に安定して得られる周波数に設定されていることになる。
また、この偏波モード分散量検出部14(分散量検出ステップに相当)では、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、上記所定の関数演算(第1関数演算)が行なわれる。
そして、パラメータ設定回路15において、伝送光信号の偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散量検出部14にて検出された偏波モード分散量を相殺するようなパラメータ情報(遅延量Δτ)を設定するためのパラメータ設定制御信号が、光受信機7内に設けられた偏波モード分散補償器4に対して出力される。
すなわち、分散補償制御装置1では、強度検出器13により検出されたfe(Hz)成分強度の値から、偏波モード分散量検出部14により光伝送路3の偏波モード分散の状態〔これは遅延量Δτ及びγの関数〔上式(2)、(3)〕として表される〕が検出され、偏波モード分散補償器4を制御すべく、その情報がパラメータ設定回路15を通じて偏波モード分散補償器4にフィードバックされる。
そして、偏波モード分散補償器4では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路3を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。
このように、本発明の第1実施形態にかかる分散補償制御装置1によれば、制御態様1(第1関数を用いた方法)によって、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分の強度を検出して、検出した第1特定周波数成分の強度から、所定の第1関数演算を行なって伝送光信号の偏波モード分散量を検出することにより、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができるようになる。
またこのようにして、偏波モード分散量が常時検出され、検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号に生じた偏波モード分散を補償するためのパラメータ情報を設定することにより、偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために寄与することができるようになる。
なお、上記の図4において、バンドパスフィルタ(第1特定周波数成分検出部)12にて検出された上記第1特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうようにもできる。図17は、本発明の第1実施形態にかかるタイミング抽出部84を設けた分散補償制御装置1Mをそなえた光伝送システムの構成を示すブロック図であるが、このタイミング抽出部84は、バンドパスフィルタ12にて検出された第1特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうものであり、PLL(Phase-Locked Loop)等が用いられる。なお、図17中で、図4と同一の符号を有するものは、同一のものであるので、更なる説明を省略する。
このように、fe(Hz)成分は受信波形に同期した信号であるため、タイミング抽出部84でクロック信号を取り出し、光受信機7における識別等に用いることができるようになる。
(B1)第1実施形態の第1変形例の説明
図18は本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図であり、この図18に示す光伝送システム210Aも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム210Aは、光送信機2と、光受信機207aとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置1Mが設けられている。ここで、光送信機2,光伝送路3は、上述したものと同一なものなので、更なる説明を省略する。
この光伝送システム210Aは、第1実施形態のそれと比して、光分岐部205aから2系統の信号が出ているところが異なっている。すなわち、第1実施形態の場合は、特定周波数成分を検出する周波数値は1種類であるのに対して、本変形例では、特定周波数成分を検出する周波数値は2種類となっている。ここで、以降の説明のために、前者を検出形式1と称し、また、後者を検出形式2と称することとする。制御態様を整理すると、第1実施形態は、検出形式1を用いて制御態様1をとり、本変形例は、検出形式2を用いて制御態様1をとっていることになる。さらに、第1関数とそのパラメータとの関係については、K=K(f,Δτ,γ)なので、検出形式1を用いた受信側は、1種類の周波数f1とそのときの光強度K1を検出できるだけで、Δτ或いはγのうちの片方の値を知っていなければ、Δτとγとの値を決定できず、制御値を決定できない。そのため、Δτとγとの値が一意に決定できなくても可能な制御方式、例えば最大値制御方式等、を用いる必要がある。
一方、検出形式2を用いた受信側は、2種類の周波数f1,f2とそのときの光強度K1,K2をそれぞれ検出できるので、Δτとγとの両方の値を決定でき、制御値を決定できる。ところで、受信側において、直接γの値を調節するのは、実際上困難であるために、このγは、制御に使用されるというよりはむしろ、モニタリングに使用されるようになっている(図18のパラメータ設定回路15の出力を参照)。なお、この検出形式2は、1つの偏波モード分散補償を行なうのに、2系統の相異なる周波数が使用されている形式を意味する(後述する波長分散補償を行なう場合も同様な意味で使用する)。
光受信機207aは、偏波モード分散補償器4,光分岐部205a,光受信部6をそなえて構成されている。これらの偏波モード分散補償器4,光受信部6は、上述したものと同一なものなので、更なる説明を省略する。また、光分岐部205aは、光伝送路3を介して受信側に入力される伝送光信号の一部を取り出して、2系統のモニタ光として分散補償制御装置1Mに送出するものである。
そして、この分散補償制御装置1Mは、光分岐部205aにより取り出された光信号に基づいて光伝送路3を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器4を制御するものであり、受光器11a,11b,バンドパスフィルタ(fe BPF)12a,12b,強度検出器13a,13b,偏波モード分散制御部90aをそなえて構成されている。これら受光器11a,11b,バンドパスフィルタ12a,12b,強度検出器13a,13bは、上述した受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13とそれぞれ同様なのものであるので、更なる説明を省略する。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本変形例では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置1Mは、『偏波モード分散補償制御装置1M』を表す。
この偏波モード分散制御部90aは、制御態様1を用いて検出形式2を使用した制御を行なうものである。すなわち、偏波モード分散制御部90aは、強度検出器13aにて検出された第1特定周波数成分の強度と、強度検出器13bにて検出された第3特定周波数成分の強度とから、上記の伝送光信号の偏波モード分散量を検出するものであって、この機能は、偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路15とによって発揮される。なお、これら偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路15も、上述したものと同様なので、更なる説明を省略する。
そして、偏波モード分散制御部90aの制御方法は、次のようになる。すなわち、2つの強度検出器13a,13bによって得られた、2種類の周波数情報(第1特定周波数成分情報及び第3特定周波数成分情報)が、第1関数にて、二元連立方程式を解くようにして、パラメータΔτ,γが、決定され、Δτは制御される一方で、γはモニタリングに使用されるのである。ここで、第1関数とは、40Gb/sOTDM波形における40GHz成分強度のΔτに対する依存性や、10Gb/sNRZ波形における5GHz成分強度のΔτに対する依存性に関する定式化されたものをいう。なお、このγが送信側にもフィードバックできる場合は、光強度の分岐比制御も可能となる(この実施態様に関しては、別の変形例にて後述することとする)。
すなわち、この分散補償制御装置1Mは、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部(バンドパスフィルタ12b)と、第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部(偏波モード分散量検出部14)とをそなえるとともに、偏波モード分散制御部90aが、任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、第1強度検出部及び第3強度検出部(偏波モード分散量検出部14)にてそれぞれ検出された第1特定周波数成分の強度及び第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部14と、偏波モード分散量検出部14にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、偏波モード分散補償器4に対して出力するパラメータ設定回路15とをそなえて構成されていることになる。なお、このパラメータ情報を、2つの偏波モード間の遅延量(光遅延差)Δτとしている。そして、パラメータ設定回路15は、上記伝送光信号の受信端となる受信端装置(光受信機7a)に設けられた偏波モード分散補償器4に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成されていることになる。
そして、このような構成によって、受信光は、光分岐部205aにおいて、2分岐されてから、受光器11a,11bにてO/E変換されてから、バンドパスフィルタ12a,12bにそれぞれ入力される。バンドパスフィルタ12aにおいて、伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分が検出されるとともに、バンドパスフィルタ12bにおいて、伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第3特定周波数成分が検出される(特定周波数成分検出ステップ)。さらに、強度検出器13a,13bにより、特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分と第3特定周波数成分の強度が検出される(強度検出ステップ)。さらに、偏波モード分散量検出部14において、強度検出ステップにて検出された上記2種類の特定周波数成分の強度についての情報から、所定の関数演算〔上述の式(2),(3)を用いた関数演算〕を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量が検出される(分散量検出ステップ)のである。
このように、偏波モード分散による波形劣化が最小となるときと、fe(Hz)成分強度が最大になるときとが一致することを使用し、かつ、制御態様1及び検出形式2によって、偏波モード分散量が検出されるので、光伝送路3に設けられた偏波モード分散補償器4により、遅延量Δτを制御して偏波モード分散を補償できる。
また、このように、信号形式(NRZ又はRZ等),波長分散・非線形効果等の波形変化に関わらず、光信号のベースバンドスペクトル中から抽出された周波数成分強度から偏波モード分散(遅延量Δτの関数)の状態を定量的に検出できる。
(B2)第1実施形態の第2変形例の説明
上記の図4,図17等では、偏波モード分散補償器4が、光受信機7側に設置されているが、この偏波モード分散補償器4を、信号光を送信する側に設置するように構成することもできる。
図19は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。この図19に示す光伝送システ10OAも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムであるが、この光伝送システム10Aは、第1実施形態にかかる光伝送システム10と比して、偏波モード分散補償器4が光送信機2A内に設けられている点が異なっている。すなわち、この光伝送システム10Aは、光送信機2A,光伝送路3,光分岐部5,光受信機7A,分散補償制御装置1をそなえて構成されており、この光送信機2Aは、信号光源8,光変調器9,偏波モード分散補償器4を有する。
ここで、分散補償制御装置1は、制御態様1を用いて、光受信機7A側にて光信号の偏波状態が検出された結果を、送信側である光送信機2Aにまで返送するようになっている。この返送の方法は、例えば、低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本変形例では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置1は、『偏波モード分散補償制御装置』を表す。
また、光送信機2A内に設けられた偏波モード分散補償器4は、送信光の光強度分岐比γを変えて送光できるようになっている。ここで、図示はしないが、光増幅器が、この偏波モード分散補償器4の出力側に設けられており、これが、光伝送路3に送信するようになっている。なお、その他のもので、上述したものと同一の符号をもつものは、同一なもの或いは同等な機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。また、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。
すなわち、この第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置1においては、パラメータ設定回路15が、上記伝送光信号を送信する光送信機2A(送信端装置)に設けられた偏波モード分散補償器4に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成されていることになる。
このような構成により、この光伝送システム10Aにおいても、第1実施形態にかかる分散補償制御装置1が適用される光伝送システム10とほぼ同様の動作が行なわれる。ここで、この分散補償制御装置10Aは、制御態様1で検出形式1を用いている。
また、第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置1によれば、前述した第1実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、光送信機2A内に設けられた偏波モード分散補償器4を制御することにより、光伝送路3の状態に応じて光強度分岐比γが最良の状態(γ=0又は1)となるように偏波方向を制御することができるので、伝送光信号に生じた偏波モード分散をより効果的に補償することができる。
なお、この偏波モード分散補償器4は、光伝送路3上に線型中継器等として構成することもできる。
図20は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置が適用される他の光伝送システムの構成を示すブロック図である。この図20に示す光伝送システム210Bも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムであるが、この光伝送システム210Bは、第1実施形態に係る光伝送システム10と比して、偏波モード分散補償器4が光中継装置(Optical Repeater)214内に設けられている点が異なっている。
すなわち、この光伝送システム210Bは、光送信機2,光伝送路3及び3’,光受信機7Aをそなえるとともに、光中継装置214をそなえて構成されている。この光中継装置214は、上記伝送光信号を増幅中継するものであって、光中継器7’と、分散補償制御装置1とを設けている。
ここで、光中継器7’は、光送信機2からの信号光を受信するとともに、光受信機7Aに対して光増幅して送信するもので、偏波モード分散補償器4,光分岐部5をそなえるほか、光増幅及び光再送信を行なう光中継部6’をそなえて構成されている。なお、これら以外の、光送信機2,光伝送路3及び3’,光受信機7A,分散補償制御装置1は、第1実施形態にかかる光伝送システム10と同様な機能を有するものであるので、更なる説明は省略する。
また、分散補償制御装置1は、検出形式1及び制御態様1を用いて光中継器7’にて検出された光信号の偏波状態の結果を、送信側である光送信機2にまで返送するようになっており、また、偏波モード分散補償器4に対して、上記パラメータ情報を設定するたのパラメータ設定制御信号を出力するようになっている。この返送の方法は、例えば、低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。なお、その他のもので、上述したものと同一の符号をもつものは、同一なもの或いは同等な機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
そして、このような構成により、この光伝送システム210Bにおいても、検出形式1且つ制御態様1を用いた第1実施形態にかかる分散補償制御装置1が適用される光伝送システム10とほぼ同様の動作が行なわれる。また、このようにして、前述した第1実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、中継装置214内に設けられた偏波モード分散補償器4を制御することにより、光伝送路3の状態に応じて、伝送光信号に生じた偏波モード分散をより効果的に補償することができるようになる。
さらに、偏波モード分散補償器4の構成を変えてもよい。
図21は本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる、他の分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。
この図21に示す光伝送システム10Bも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。
この光伝送システム10Bは、第1実施形態における光伝送システム10と比して、偏波モード分散補償器4が分割されて、γ補償器4B’及びΔτ補償器4Aが、それぞれ光送信機2B内及び光受信器7B内に設けられている点が異なり、その他の点は第1実施形態にかかる光伝送システム10と同様のものである。すなわち、この光伝送システム10Bは、光送信機2B,光伝送路3,光受信機7Bをそなえるとともに、分散補償制御装置1Aをそなえて構成されている。
ここで、光送信機2Bは、伝送光信号を送信する送信端装置であり、信号光源8,光変調器9をそなえるほか、γ補償器4B’を有する。光伝送路3は、伝送ファイバであり、光受信機7Bは、伝送光信号を受信する受信端装置であり、光分岐部5,光受信部6をそなえるほか、Δτ補償器4Aを有する。
また、分散補償制御装置1Aは、制御態様1を用いて、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するための制御装置であり、受光器11,バンドパスフィルタ(fe BPF)12,強度検出器13,偏波モード分散量検出部14,パラメータ設定回路15を有する。このパラメータ設定回路15は、Δτを設定するΔτ設定回路15Aと、γを設定するγ設定回路15Bを有する。なお、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。
そして、偏波モード分散量検出部14にて検出された偏波状態の情報は、このパラメータ設定回路15内のγ設定回路15Bによって、光送信機2B内のγ補償器4B’に設定されて、また、同様にこのパラメータ設定回路15内のΔτ設定回路15Aによって、光受信機7B内のΔτ補償器4Aに設定されるようになっている。また、これら偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路15とで、偏波モード分散制御部90bとして機能している。
すなわち、この光伝送システム10Bにおいては、分散補償制御装置1Aにより光信号の受信側(光受信機7B側)で偏波状態が検出されたγに関する情報を、送信側(光送信機2B側)まで送出されるので、光強度分岐比γを可変に制御できる。
またこれから、この分散補償制御装置1Aは、パラメータ設定回路15が、伝送路上の任意の位置(光送信機2B内)に設けられた第1の偏波モード分散補償器(γ補償器4B’)に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比γを設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、第1の偏波モード分散補償器よりも後段(光受信機7B内)に配置された第2の偏波モード分散補償器(Δτ補償器4A)に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量Δτを設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されていることになる。
このような構成により、光伝送システム10Bにおいても、検出形式1かつ制御態様1を用いた第1実施形態にかかる分散補償制御装置1が適用される光伝送システム10とほぼ同様の動作が行なわれる。
そして、分散補償制御装置1Aによれば、前述した第1実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、光送信機2B内及び光受信器7B内にそれぞれ設けられたγ補償器4B’及びΔτ補償器4Aが独立に制御されているため、遅延量Δτと光強度分岐比γの両方を適切に制御することができる。
(B3)第1実施形態の第3変形例の説明
図22は本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。この図22に示す光伝送システム10Cも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムであるが、第1実施形態の第2変形例における光伝送システム10Bと比して、受信側の電気段にて遅延量Δτの制御が行なわれる点が異なり、その他の点は光伝送システム10Bとほぼ同様のものであり、検出形式1かつ制御態様1を用いた検出が行なわれる。
そして、この光伝送システム10Cは、光送信機2,光伝送路3,光受信機7C,分散補償制御装置1Bをそなえて構成されている。また、分散補償制御装置1Bは、バンドパスフィルタ(fe BPF)12,強度検出器13,偏波モード分散量検出部14,パラメータ設定回路215をそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本変形例では、この『分散」という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置1Bは、『偏波モード分散補償制御装置1B』を表す。
さらに、これら偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路215とで、偏波モード分散制御部90cとして機能している。ここで、このパラメータ設定回路215は、光軸調整器(偏波制御部)4Dの設定値を設定するための光軸設定回路215Aと、Δτ設定回路15Aとを有する。
この光伝送システム10Cにおける受信光信号の流れは、次のようになる。まず、光受信機7C内の光軸調整器4Dにおいて、受信光の軸合わせが行なわれ、偏波ビームスプリッタ(PBS)17において偏波モード成分が分離され、受光器11A,11Bにおいて、両モード成分が受光され電気信号に変換(O/E変換)される。そして、可変遅延素子18において、両光路間に遅延差Δτが与えられた後、多重回路19により合波され、光受信部6において受光処理される。なお、この可変遅延素子18に関しては後述する。
ここで、多重回路19において合波された電気信号の一部は、分離されて分散補償制御装置1Bに入力され、バンドパスフィルタ12,強度検出器13においてfe(Hz)成分強度が検出され、偏波モード分散量検出部14において光伝送路3の偏波モード分散の状態が検出され、パラメータ設定回路215において偏波モード分散を補償するよう、fe(Hz)成分強度が最大となるように可変遅延素子18及び光軸調整器4Dが制御されるのである。
このようにしても、第1実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置1Aと同様に、遅延量Δτを適切に制御することができる。
(B4)第1実施形態の第4変形例の説明
また、受信側の電気段にて遅延量Δτの制御を行なう光伝送システムとしては、図23に示すようなものも考えられる。この場合の制御方法も、制御態様1が用いられているが、その方法は、若干異なる。また、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。
図23は本発明の第1実施形態の第4変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。この光伝送システム10Dも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムであって、光送信機2,光伝送路3,光受信機7D,分散補償制御装置1Bをそなえて構成されている。
この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置1Bは、『偏波モード分散補償制御装置1B』を表す。
この光受信機7Dは、入力された伝送信号光を3方向に分岐させて電気段のみにて制御するものであって、X1偏光子20A,X2偏光子20B,X3偏光子20Cと、これらにそれぞれ接続されている受光器11C,11D,11Eと、受光器11Cに接続されている強度可変素子21A,受光器11Dに接続されている可変遅延素子18A,受光器11Eに接続されている可変遅延素子18Bと、さらに、可変遅延素子18A,18Bにそれぞれ接続されている強度可変素子21B,21Cと、多重回路19と、光受信部6とをそなえて構成されている。
ここで、X1偏光子20A,X2偏光子20B,X3偏光子20Cのそれぞれは、光信号の偏光状態を表すストークスベクトル(Stokes vector)の3成分、すなわち、X1,X2,X3を抽出するものであり、受光器11C,11D,11Eはそれぞれ、この光信号の成分をO/E変換するものである。
また、可変遅延素子18Aは、ストークスベクトルX2に対応する遅延量Δτ2を与えるものであり、可変遅延素子18Bは、ストークスベクトルX3に対応する遅延量Δτ3を与えるものである。さらに、強度可変素子21A,21B,21Cはそれぞれ、強度比P1,P2,P3(ここで、P1+P2+P3=1の関係が満たされている)を与えるものであり、強度可変素子21Aは、ストークスベクトルX1に対応する強度比P1を、強度可変素子21Bは、ストークスベクトルX2に対応する強度比P2を、また、強度可変素子21Cは、ストークスベクトルX3に対応する強度比P3を、それぞれ与えるようになっている。そして、これら5種類のパラメータ(Δτ2,Δτ3,P1,P2,P3)は、fe(Hz)成分強度を最大にするために、適切に制御されるのである。なお、この強度比P1,P2,P3は、偏波制御器を用いた光段での補償器でのλ/4板方位(回転)角α,λ/2板方位(回転)角βに対応するパラメータである。さらに、多重回路19は、強度可変素子21A,21B,21Cの出力信号を多重するものであり、光受信部6は、受光処理を行なうものである。
また、分散補償制御装置1Bは、電気段にてΔτ制御を行なうものであって、バンドパスフィルタ12,強度検出器13,偏波モード分散量検出部14,パラメータ設定回路215をそなえて構成されている。ここで、これら偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路215とで、偏波モード分散制御部90cとして機能している。そして、パラメータ設定回路215内のΔτ設定回路15Aは、制御信号を光受信機7D内の可変遅延素子18Aと可変遅延素子18Bとにそれぞれ入力するようになっており、また、パラメータ設定回路215内の強度設定回路215Bは、強度比を光受信機7D内の強度可変素子21A,21B,21Cにそれぞれ入力するようになっている。
さらに、P1,P2,P3の制御のアルゴリズムの一例としては、3つのうち2つずつを動かす方法である。すなわち、P3が固定のまま、P1+P2が一定になるように、P1とP2を変化させてfe(Hz)成分強度を最大値制御し、次に、P1が固定のまま、P2+P3が一定になるように、P2とP3を変化させてfe(Hz)成分強度を最大値制御し、さらに、P2が固定のまま、P1+P3が一定になるように、P1とP3を変化させてfe(Hz)成分強度を最大値制御していくというようにする。なお、これ以外の方法によっても制御方法が行なえることは言うまでもない。
この光伝送システム10Dにおける受信光信号の流れは次のようになる。光伝送路3を介して入力された伝送信号光は、光受信機7D内にて、3分岐され、各偏光成分のみを透過させる各偏光子(X1偏光子20A,X2偏光子20B及ひX3偏光子20C)を介してそれぞれ、各受光器11C,11D,11Eにおいて受光され、電気信号に変換(O/E変換)される。そして、受光器11D,11Eにより受光された光成分はそれぞれ、可変遅延素子18A,18Bにより遅延量Δτ2,Δτ3が与えられ、さらに、これら2系統の出力と、受光器11Cとの出力との3つの光成分は、強度可変素子21A,21B,21Cにより強度比調整がなされる。
この際、多重回路19により合波された電気信号の一部が分離されて分散補償制御装置1Bに入力され、第1実施形態の場合と同様に、バンドパスフィルタ12,強度検出器13によりfe(Hz)成分強度が検出され、偏波モード分散量検出部14により光伝送路3の偏波モード分散の状態が検出される。さらに、パラメータ設定回路215により偏波モード分散を補償するように、可変遅延素子18A,18B及び強度可変素子21A,21B,21Cが、fe(Hz)成分強度が最大となるように、制御されるのである。
なお、この図23では、可変遅延素子18A,18B及び強度可変素子21A,21B,21Cの両方が制御されているが、受信側において充分な特性が得られる場合には、いずれか一方の素子のみで制御を行なうようにすることもできる。このようにしても、第1実施形態の第3変形例にかかる分散補償制御装置1Bと同様の利点を得ることができる。
(B5)第1実施形態の第5変形例の説明
図24は本発明の第1実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図であり、システム稼働前(システム運用開始前)とシステム稼働中(システム運用開始後)とで、制御対象を可変としうるものである。また、偏波モード分散量の制御方法は、制御態様1であり、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。
この図24に示す光伝送システム40も、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム40は、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機22と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機27とが光伝送路(伝送ファイバ)23を介して接続されたものであり、また、光受信側に分散補償制御装置39とスイッチ切換部38とが設けられている。
そして、光受信機27は、伝送される光信号に生じる偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散補償器24と、光分岐部25と、光受信部26とをそなえて構成されている。この偏波モード分散補償器24は、光伝送路23の状態に応じて、伝送光信号に生じた偏波モード分散をより効果的に補償するものであり、また、光分岐部25は、光伝送路23を介して受信側に入力される伝送光信号の一部を取り出して、モニタ光として分散補償制御装置39に送出するものであり、光受信部26は、伝送光信号を受信するものである。
この分散補償制御装置39は、第1実施形態にかかる分散補償制御装置1と同様に、受光器28,バンドパスフィルタ(fe BPF)29,強度検出器30,偏波モード分散量検出部36及びパラメータ設定回路37をそなえるとともに、偏波モード分散を補償する際のフィードバック制御を自動的に行なうべく補償量最適化制御部31と、システム稼働前/稼働中とで強度検出器30Aの出力を切り換えるスイッチ38Aと、このスイッチ38Aに連動して動作するスイッチ38A′とをそなえて構成されている。
なお、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置39は、『偏波モード分散補償制御装置39』を表す。
ここで、受光器28,バンドパスフィルタ29,強度検出器30は、それぞれ第1実施形態における受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13とそれぞれ同様のものであるので、更なる説明は省略する。さらに、偏波モード分散量検出部36とパラメータ設定回路37はそれぞれ、偏波モード分散量検出部14とパラメータ設定回路15と同様のものであり、これらは偏波モード分散制御部90dとして機能している。また、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。
また、スイッチ38Aは、この光伝送システム40の稼働前には、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるために偏波モード分散量検出部36を駆動させ、また、稼働中はそのパラメータ情報の最適値の変動を防ぐために補償量最適化制御部31を駆動させるものであって、強度検出器30からの出力を切り換えるようになっているここで、システム稼働前とは、光伝送システム40を立ち上げる時や、例えば偏波モード分散補償制御が最適点から大きく外れた場合に光伝送システム40を再立ち上げする時をいう。そして、この切り換え制御は、スイッチ切換部38によって行なわれている。そして、スイッチ38A’は、このスイッチ38Aに連動して、偏波モード分散量検出部36又は位相比較回路33の出力をパラメータ設定回路37へ入力するものである。
なお、ここでいう『稼働中はそのパラメータ情報の最適値の変動を防ぐために補償量最適化』する切り換え制御方法に関しては、後述する。
ここで、補償量最適化制御部31は、パラメータ設定回路37から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、強度検出器30からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化するものであって、バンドパスフィルタ(f0BPF)32,位相比較回路33,低周波発振器34及び低周波重畳回路35をそなえて構成されている。
まず、バンドパスフィルタ32は、強度検出器30にて検出された第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕の強度に含まれる低周波信号成分〔f0(Hz)成分〕を抽出するものであり、位相比較回路33は、バンドパスフィルタ32にて抽出された低周波信号成分を低周波発生器34からの低周波信号と比較して位相のずれを検出するとともに、バンドパスフィルタ32にて抽出された低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37におけるパラメータ設定を制御するものである。
さらに、低周波重畳回路35は、パラメータ設定回路37から出力されるパラメータ設定制御信号に、低周波発振器34から入力される予め設定された所定の低周波信号(f0信号)を重畳することにより微小変調を与えて、変調されたパラメータ設定制御信号を偏波モード分散補償器24に送出するものである。
これにより、補償量最適化制御部31は、システム稼働前には、偏波モード分散量検出部36を駆動させて偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるとともに、システム稼働中は、光伝送路23の遅延量Δτを常に最適値に保つための制御を行なうのである。
システム稼働中の制御方法は、次のようになる。すなわち、補償量最適化制御部31は、光伝送路23を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分の強度を極大値に自動的に固定するために、偏波モード分散補償器24で与える遅延量Δτに低周波f0で微小変調をして、光伝送路23の経時変化に対して、遅延量Δτを常に最適値に保つために、トラッキング制御を行なっている。このトラッキング制御の一例として、偏波モード分散を補償する際のフィードバック制御を、遅延量Δτを極大点Δτ0の周辺で微小変化させて(ディザリングさせて)、新しい極大点を検出することによって、自動的に求めるようにしている。ここで、補償量最適化制御部31によるフィードバック制御の原理を図25(a)〜(c)及び図26(a)〜(g)を用いて説明する。
図25(a)は、偏波モード分散補償後の遅延量Δτ(横軸)とfe(Hz)成分強度(縦軸)との関係を示すものであって、図25(b)に示すA,B,Cの3種類の低周波信号(例えば、1kHz程度の信号)が、遅延量Δτ(横軸)に加えられたときの、fe(Hz)成分強度の変化の様子〔図25(c)〕を模式的に描いたものである。この図25(b)に示す信号波形Bは、周波数f0(Hz)で時間変化する、パラメータ情報が最適値である場合の波形であって、偏波モード分散補償後の遅延量Δτが最適値になり、fe(Hz)成分強度が極大となるこの場合、図25(c)のように、fe(Hz)成分強度は周波数2×f0で時間変化し、周波数f0(Hz)の成分は含まなくなる。
これに対して、パラメータ情報が最適値からずれた場合、すなわち、この図25(b)に示すBの状態からAやCのように遅延量Δτが最適値からずれた場合には、図25(c)のように、fe(Hz)成分強度の時間変化には周波数f0(Hz)成分が現れて、しかもAとCとではその成分の符号が逆になる(位相が反転する)。
従って、図24に戻って見てみると、バンドパスフィルタ32によりfe(Hz)成分強度から周波数f0(Hz)成分が検出され、パラメータ設定回路37により、その周波数f0(Hz)成分がなくなる方向に偏波モード分散補償器24で与える遅延量Δτが設定されるので、そのようなフィードバックをかければ、伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化することができる。なお、その変化の方向は、位相比較回路33にて検出された周波数f0(Hz)の成分の位相から判別することができる。
これらにより、光伝送システム40においては、光送信機22から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は光伝送路23を介して光受信機27に伝送される。
この際、光伝送システム40においては、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償すべく、光分岐部25により、光伝送路23を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散補償制御装置39に送出される。
そして、分散補償制御装置39においては、光分岐部25により取り出された光信号に基づいて光伝送路23を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態がモニタされるとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器24の制御が行なわれる。まず、光伝送システム40の稼働前には、偏波モード分散量検出部36を駆動すべく、スイッチ切換部38により、スイッチ38A及びスイッチ38A’が切り換えられる(図24に示すような接点位置)。
そして、光分岐部25により取り出された光信号は受光器28により受光されて、電気信号に変換(O/E変換)された後に、バンドパスフィルタ29に入力される。このバンドパスフィルタ29では、第1実施形態にて説明したように、光信号の伝送速度や信号波形に応じて適宜設定された伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕が検出される(特定周波数成分検出ステップ)。
続いて、強度検出器30により、バンドパスフィルタ29にて検出された上記第1特定周波数成分の強度が検出される(強度検出ステップ)。さらに、偏波モード分散量検出部36により、強度検出器30にて検出された第1特定周波数成分の強度から、所定の第1関数演算〔すなわち、前述した式(2),(3)を用いた関数演算〕を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量が検出される(分散量検出ステップ)。
そして、パラメータ設定回路37により、伝送光信号の偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散量検出部36にて検出された偏波モード分散量を相殺するようなパラメータ情報(遅延量Δτ)を設定するためのパラメータ設定制御信号が、補償量最適化制御部31の低周波重畳回路35を介して光受信機27内に設けられた偏波モード分散補償器24に対して出力される。なお、低周波重畳回路35では、パラメータ設定回路37からのパラメータ設定制御信号に低周波発振器34からの低周波信号(f0信号)を重畳して出力している。
偏波モード分散補償器24では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路23を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。続いて、光伝送システム40の稼働中には、補償量最適化制御部31を駆動すべく、スイッチ切換部38によりスイッチ38A及びスイッチ38A’が切り換えられる(図24に示すものとは逆の接点位置)。
そして、光分岐部25により取り出された光信号は、前述した場合と同様に、受光器28,バンドパスフィルタ29及び強度検出器30を介して補償量最適化制御部31に入力される。補償量最適化制御部31においては、強度検出器30からの第1特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量が最適化される。
このような構成によって、補償が行なわれるが、このときの分散補償制御装置39における動作を図26(a)〜図26(g)を用いてさらに説明する。ここで、図26(a)〜(g)に示す信号波形は、図24に示した分散補償制御装置39内で符号(a)〜(g)を付した各部での信号波形にそれぞれ対応している。なお、この図26(a)〜図26(g)に示す波形は、遅延量Δτがfe(Hz)成分強度の極大点から負の側にずれた場合(すなわち、図25のAの場合)について示している。
まず、伝送光信号の一部は、偏波モード分散補償器24の後段に設けられた光分岐部25において分岐され、受光器28において受光されてから、バンドパスフィルタ29においてfe(Hz)成分が抽出される。図24に示すバンドパスフィルタ29の出力における(c)と付した部分の信号波形は、図26(c)に示すように、fe(Hz)成分が低周波f0(Hz)で変化する包絡線を有する。そして、この信号は、強度検出器30により低周波f0(Hz)の強度変調信号に変換されて、図26(d)に示すような波形となり、補償量最適化制御部31に入力される。
そして、補償量最適化制御部31内のバンドパスフィルタ32により、低周波f0(Hz)の成分が抽出され、図26(e)に示すような波形が得られる。さらに位相比較回路33により、その成分と低周波発振器34からのf0(Hz)強度成分との位相比較が行なわれ、図26(g)に示すような位相差に応じた信号が得られる。なお、この場合、図25のAの場合には、(g)で示された信号強度は受信端(光受信部26)での遅延量Δτの増大に比例して増大する。
これとは逆に、遅延量Δτがfe(Hz)成分強度の極大点から正の側にずれた場合(即ち、図25のCの場合)には、fe(Hz)成分強度は遅延量Δτの増大に伴って減少するので、図26(c)に示す低周波f0(Hz)で変化する包絡線の位相は半周期(1/2f0)ずれた形になる。それに伴って、図26(d),図26(e)で示す信号波形も時間的に半周期ずれ、結果として位相比較の結果得られる信号〔図26の(g)参照〕の符号は反転する。
従って、パラメータ設定回路37では、位相比較回路33による位相比較の結果得られる信号の符号を検出することによって、遅延量Δτが正負のいずれの方向にずれているかが判別されるので、fe(Hz)成分中のf0(Hz)強度変調成分がなくなる方向に遅延量Δτを変化させるためのパラメータ設定制御信号が生成されて出力される。
そして、偏波モード分散補償器24では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路23を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。
このように、本発明の第1実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置39によれば、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分の強度を検出して、検出された第1特定周波数成分の強度から、所定の第1関数演算を行なって、伝送光信号の偏波モード分散量が検出されるので、伝送光信号に生じた偏波モード分散が簡便に検出される。
そして、このようにして偏波モード分散量が検出され、検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号に生じた偏波モード分散を補償するためのパラメータ情報が設定されることにより、偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために寄与することができる。また、システム稼働中は、光伝送路23の経時変化に対して、遅延量Δτが常に最適値に保たれる利点がある。
さらに、補償量最適化制御部31により、伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化することができるとともに、偏波モード分散を補償する際のフィードバック制御が自動的に行なわれる。
(B6)第1実施形態の第6変形例の説明
図27は本発明の第1実施形態の第6変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図であり、システム稼働前とシステム稼働開始後とで、制御対象を可変としうるものである。また、偏波モード分散量の制御方法は、検出形式1かつ制御態様1を同じく使用している。
この図27に示す光伝送システム40Aも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。また、この光伝送システム40Aは、第1実施形態の第5変形例にかかる光伝送システム40と比して、偏波モード分散補償器24が光送信機22A内に設けられている点が異なり、その他の点は第1実施形態の第5変形例にかかる光伝送システム40と同様のものである。
すなわち、この光伝送システム40Aは、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機22Aと、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機27Aとが光伝送路(伝送ファイバ)23を介して接続されており、光送信機22Aに分散補償制御装置39が設けられている。なお、分散補償制御装置39を受信側に設置し、光受信機27Aにて検出された光信号の偏波状態の結果を、光送信機22Aにまで返送するような構成にすることもできる(図示省略)。その場合の返送方法は、例えば低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。なお、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置39は、『偏波モード分散補償制御装置39』を表す。
ここで、光送信機22Aは、信号光源41及び光変調器42を有するとともに、伝送される光信号に生じる偏波モード分散を補償すべく偏波モード分散補償器24を有している。このように、偏波モード分散補償器24が送信側にあるときは、光強度分岐比γの設定を行なうことが可能となる。
そして、光伝送路23と光受信機27A間にある光分岐部25から参照用の光が取り出されて、分散補償制御装置39に入力されている。この分散補償制御装置39は、パラメータ設定回路37が、伝送光信号を送信する送信端装置に設けられた偏波モード分散補償器24に対して、前記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を低周波重畳回路35を介して出力するように構成されており、光信号の受信側(光受信機27A側)で位相が比較されて得られた検出信号(位相比較回路33からの出力信号)が、光送信機22A側にまで返送されるようになっている。また、この返送の方法は、例えば、低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。そして同様に、補償量最適化制御部31は、パラメータ設定回路37から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、強度検出器(第1強度検出部)30からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化するようになっている。
また、分散補償制御装置39内のスイッチ38A,38A’は、光伝送システム40Aの稼働前には、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるために偏波モード分散量検出部36を駆動させ、また、稼働開始後はそのパラメータ情報の最適値の変動を防ぐために補償量最適化制御部31を駆動させるために、連動して動作するスイッチであって、この切り換え制御は、分散補償制御装置39外にあるスイッチ切換部38によって行なわれている。
なお、その他のもので、第1実施形態で使用された符号と同一のものは、同一なもの或いは第1実施形態にかかる光伝送システム10と同様な機能を有するものであるので、更なる説明は省略する。
このような構成により、この光伝送システム40Aにおいても、前述した第1実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置39が適用される光伝送システム40とほぼ同様の動作が行なわれる。
偏波モード分散補償器24が送信端装置に設けられた場合においても、補償量最適化制御部31にて2つの偏波成分の遅延差Δτ又は強度分岐比γに低周波での微小変調を行なうことにより、伝送光信号の偏波モード分散の補償量が最適化される。
このように、第1実施形態の第6変形例にかかる分散補償制御装置39によれば、前述した第1実施形態の第5変形例の場合と同様の利点が得られるほか、光送信機22A内に設けられた偏波モード分散補償器24を制御することにより、光伝送路23の状態に応じて光強度分岐比γが最良の状態(γ=0又は1)となるように偏波方向を制御することができ、伝送光信号に生じた偏波モード分散をより効果的に補償することができる。また、システム稼働中は、光伝送路23の経時変化に対して、遅延量Δτが常に最適値に保たれる利点がある。
(B7)第1実施形態の第7変形例の説明
図28は本発明の第1実施形態の第7変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図であり、システム稼働前とシステム稼働開始後とで、制御対象を可変としうるものである。また、偏波モード分散量の制御方法は、検出形式1かつ制御態様1を同じく使用している。
この図28に示す光伝送システム40Bも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム40Bは、第1実施形態の第6変形例における光伝送システム40Aと比して、光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aを構成するΔτ補償器24A−1及びγ補償器24A−2を、それぞれ独立に制御する点が異なり、その他の点は第1実施形態の第6変形例にかかる光伝送システム40Aとほぼ同様のものである。
すなわち、この光伝送システム40Bは、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機22Bと、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機27Aとが光伝送路(伝送ファイバ)23を介して接続されており、光送信機22B側に分散補償制御装置39Aとスイッチ切換部38が設けられている。なお、これら分散補償制御装置39Aとスイッチ切換部38とを受信側に設置し、光受信機27Aにて検出された光信号の偏波状態の結果を、光送信機22Bにまで返送するような構成にすることもできる(図示省略)。その場合の返送方法は、例えば低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。また、本変形例でも、この『分散」という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置39Aは、『偏波モード分散補償制御装置39A』を表す。
ここで、光送信機22Bは、信号光源41及び光変調器42を有するとともに、伝送される光信号に生じる偏波モード分散を補償すべく偏波モード分散補償器24Aを有している。そしてこの偏波モード分散補償器24Aは、Δτのみならずγを設定でき、Δτ補償器24A−1と、γ補償器24A−2とを有し、それぞれ独立に制御できるようになっている。
また、光伝送路23と光受信機27A間にある光分岐部25から参照用の光が取り出されて、分散補償制御装置39Aに入力され、上記の偏波モード分散補償器24A内のΔτ補償器24A−1と、γ補償器24A−2とに制御信号が出力されるようになっている。
この分散補償制御装置39Aは、受光器28,バンドパスフィルタ(fe BPF)29,強度検出器30,スイッチ38A,偏波モード分散量検出部36をそなえるとともに、補償量最適化制御部31Aと、パラメータ設定回路37とをそなえて構成されている。さらに、偏波モード分散量検出部36とパラメータ設定回路37とで、偏波モード分散制御部90dとして機能している。これら、受光器28,バンドパスフィルタ29,強度検出器30,スイッチ38A,偏波モード分散量検出部36は、前述したものと同様のもの或いは同一の機能を有するものであるので、更なる説明は省略する。
ここで、補償量最適化制御部31Aは、Δτ補償器24A−1及びγ補償器24A−2の制御を独立して行なうために、バンドパスフィルタ(f1BPF)32A,バンドパスフィルタ(f2BPF)32B,位相比較回路33A,33B,低周波発振器34A,34B及び低周波重畳回路35A,35Bをそなえて構成されている。すなわち、分散補償制御装置39Aは、各補償器24A−1,24A−2へのパラメータ設定制御信号に対して、それぞれ異なる周波数f1,f2で微小変調を行なうように構成されているのである。なお、これらのものは、前述したものと同様の機能及び構成を有するものである。
換言すれば、補償量最適化制御部31Aは、互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号(f1,f2信号)を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、強度検出器30からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分〔f1(Hz),f2(Hz)信号成分〕のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37における2つの偏波モードへの光強度の分岐比γの設定を制御する一方、強度検出器30からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37における上記2つの偏波モード間の遅延量Δτの設定を制御するように構成されている。
また、図28において、パラメータ設定回路37は、伝送光信号を送信する光送信機22Bに設けられた偏波モード分散補償器24Aに対して、前記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を低周波重畳回路35A,35Bを介して出力するものであって、Δτを設定するΔτ設定回路37Aと、γを設定するγ設定回路37Bとを有する。そして、このパラメータ設定回路37は、光信号の受信側(光受信機27A側)で位相が比較されて得られた検出信号(位相比較回路33A及び位相比較回路33Bからの出力信号)が、光送信機22A側にまで返送されるようになっている。なお、低周波重畳回路35A,35Bでは、パラメータ設定回路37の各設定回路37A,37Bからのパラメータ設定制御信号に低周波発振器34A,34Bからの低周波信号(f1,f2信号)をそれぞれ重畳して出力している。
このような構成により、光伝送システム40Bにおいても、前述した第1実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置39が適用される光伝送システム40Aとほぼ同様の動作が行なわれる。
すなわち、光伝送システム40Bの稼働前には、分散補償制御装置39Aにおいては、光分岐部25により取り出された光信号は、前述した場合と同様に、受光器28,バンドパスフィルタ29及び強度検出器30を介して偏波モード分散量検出部36に入力される。
偏波モード分散量検出部36では、伝送光信号の偏波モード分散量が検出され、パラメータ設定回路37の各設定回路37A,37Bからは、この検出結果に基づいたパラメータ設定制御信号が、それぞれ補償量最適化制御部31Aの低周波重畳回路35A,35Bを介して光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2に対して出力される。
そして、偏波モード分散補償器24Aでは、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路23を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。
一方、光伝送システム40Bの稼働中には、分散補償制御装置39Aにおいては、光分岐部25により取り出された光信号は、前述した場合と同様に、受光器28,バンドパスフィルタ29及び強度検出器30を介して補償量最適化制御部31Aに入力される。
補償量最適化制御部31Aにおいては、強度検出器30からの第1特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路37の各設定回路37A,37Bにおけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量が最適化される。
つまり、強度検出器30からのfe(Hz)成分強度信号を分岐して、異なる周波数f1,f2(Hz)のバンドパスフィルタ32A,32Bにより低周波f1,f2(Hz)成分がそれぞれ抽出され、これら低周波成分と低周波発振器34A,34Bからのf1,f2(Hz)成分との位相比較が位相比較回路33A,33Bによりそれぞれ行なわれる。
そして、パラメータ設定回路37の各設定回路37A,37Bでは、前述したように、位相比較回路33A,33Bによる位相比較の結果得られる信号の符号を検出することによって、遅延量Δτ又は光強度分岐比γが正負のいずれの方向にずれているかが判別され、fe(Hz)成分中のf1,f2(Hz)強度変調成分がなくなる方向に遅延量Δτ又は光強度分岐比γを変化させるためのパラメータ設定制御信号が生成されて出力される。
そして、偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路23を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。
このように、本発明の第1実施形態の第7変形例にかかる分散補償制御装置39Aによれば、前述した第1実施形態の第6変形例の場合と同様の利点が得られるほか、光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2をそれぞれ独立に制御することにより、遅延量Δτと光強度分岐比γの両方を適切に制御できる利点がある。
(B8)第1実施形態の第8変形例の説明
光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2をそれぞれ独立に制御する光伝送システムとしては、図29に示すようなものも考えられる。
ここで、図29は本発明の第1実施形態の第8変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図でありシステム稼働前とシステム稼働後とで、制御対象を可変としうるものである。また、偏波モード分散量の制御方法は、検出形式1かつ制御態様1を同じく使用している。
この光伝送システム40Cも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。すなわち、この光伝送システム40Cは、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機22Bと、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機27Aとが光伝送路(伝送ファイバ)23を介して接続されており、光送信側に分散補償制御装置39B,スイッチ切換部38,スイッチ38D,38Eが設けられている。
そして、光伝送路23と光受信機27A間にある光分岐部25から参照用の光が取り出されて、分散補償制御装置39Bに入力され、偏波モード分散補償器24A内のΔτ補償器24A−1と、γ補償器24A−2とに、スイッチ38D,38Eを介して、制御信号が出力されるようになっている。なお、これら分散補償制御装置39Bとスイッチ切換部38とを受信側に設置し、光受信機27Aにて検出された光信号の偏波状態の結果を、光送信機22Bにまで返送するような構成にすることもできる(図示省略)。その場合の返送方法は、例えば低速の別回線を用意する方法や逆方向の伝送光信号に情報を乗せる方法が使用されうる。また、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、分散補償制御装置39Bは、『偏波モード分散補償制御装置39B』を表す。
ここで、分散補償制御装置39Bは、受光器28,バンドパスフィルタ(fe BPF)29,強度検出器30,スイッチ38A,偏波モード分散量検出部36をそなえるとともに、補償量最適化制御部31Bと、パラメータ設定回路37とをそなえて構成されている。さらに、偏波モード分散量検出部36とパラメータ設定回路37とで、偏波モード分散制御部90dとして機能している。なお、これら、受光器28,バンドパスフィルタ(fe BPF)29,強度検出器30,スイッチ38A,偏波モード分散量検出部36は、前述したものと同様のもの或いは同一の機能を有するものであるので、更なる説明は省略する。
補償量最適化制御部31Bは、図29に示すように、バンドパスフィルタ(f0BPF)32,位相比較回路33,低周波発振器34,低周波重畳回路35A,35B,Δτ保持回路43,γ保持回路44及びスイッチ38B,38C(位相比較回路33の出力側)をそなえて構成されている。
ここで、スイッチ38B,38Cは、光強度分岐比γの設定制御及び遅延量Δτの設定制御を時間的に切り換えるものであり、スイッチ切換部38から出力される制御信号によって、連動してスイッチ端子“A”或いはスイッチ端子“B”に切り換わるようになっている。すなわち、スイッチ切換部38からの制御信号がスイッチ端子“A”用のときは、位相比較回路33の出力は、γ設定回路37Bに入力されるとともに、低周波発振器34の出力は、低周波重畳回路35Bに入力され、γの値が制御されるようになっている。これに対して、スイッチ切換部38からの制御信号がスイッチ端子“B”用のときは、位相比較回路33の出力は、Δτ設定回路37Aに入力されるとともに、低周波発振器34の出力は、低周波重畳回路35Aに入力され、Δτの値が制御されるようになっている。また、パラメータ設定回路37は、Δτを設定するΔτ設定回路37Aと、γを設定するγ設定回路37Bとを有する。
また、Δτ保持回路43は、切り換え前の遅延量Δτの値を保持し、光強度分岐比γの設定制御を行なっているときにこの遅延量Δτの値を出力するものであり、γ保持回路44は、切り換え前の光強度分岐比γの値を保持し、遅延量Δτの設定制御を行なっているときにこの光強度分岐比γの値を出力するものである。
さらに、スイッチ38Dは、スイッチ切換部38から制御信号が入力されて、Δτ保持回路43の出力と低周波重畳回路35Aとの出力を選択して切り換えて、Δτ補償器24A−1へと入力するものである。また、スイッチ38Eも同様に、スイッチ切換部38から制御信号が入力されて、γ保持回路44の出力と低周波重畳回路35Bとの出力を選択して切り換えて、γ補償器24A−2へと入力するものである。
なお、前述したものと同一の符号を付したものは、前述した各変形例におけるものと同様の機能及び構成を有するものである。
ここで、本変形例の制御方法は次のようになる。すなわち、制御態様1によって、検出が行なわれた値から適切な補償量が求まり、その補償量になるように、偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2の調整が、時間的に切り換わって交互に行なわれるようになっている。
すなわち、所定の時間には遅延差Δτに低周波での微小変調が行なわれ、また所定の時間には強度分岐比γに低周波での微小変調が行なわれる、という2つが交互に行なわれる。具体的には、図29に示すスイッチ切換部38により、複数のスイッチ38B,38Cを連動させ、スイッチ端子“A”とスイッチ端子“B”とが、一定の時間間隔で切り換えられる。このとき、制御が行なわれていない各補償器24A−1,24A−2の制御点は、Δτ保持回路43又はγ保持回路44により切り換える前の位置に保持される。このように時間的に交互に行なわれる理由は、偏波モード分散補償器24Aが偏波モード分散を補償するための動作を行なっても、実際に光伝送路23の偏波モード分散状態に変化が現れるまでには、数分から数時間程度の時間がかかるためである。
すなわち、第8変形例にかかる分散補償制御装置39Bの補償量最適化制御部31Bは、2つの偏波モードへの光強度の分岐比γの設定制御及び2つの偏波モード間の遅延量Δτの設定制御を、時間的に切り換えて行なうように構成されている。
また、これにより、各補償器24A−1,24A−2の制御が独立に行なわれるようになっている。
このような構成により、この光伝送システム40Cにおいても、前述した第1実施形態にかかる分散補償制御装置39が適用される光伝送システム40とほぼ同様の動作が行なわれる。
すなわち、システム稼働前には、スイッチ切換部38は、強度検出器30の出力信号を偏波モード分散量検出部36にスイッチして、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるようにする。
一方、システム稼働中はスイッチ切換部38は、強度検出器30の出力信号をバンドパスフィルタ32にスイッチして、そのパラメータ情報の最適値の変動を防ぐために補償量最適化制御部31Bを駆動させるのである。
そして、スイッチ切換部38は、複数のスイッチ38B,38Cを一定の時間間隔で切り換えて、光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2は、それぞれ時間毎に交互に、2つの偏波成分の遅延差Δτ又は強度分岐比γに低周波での微小変調が行なわれる。
このように、本発明の第1実施形態の第8変形例にかかる分散補償制御装置39Bによれば、前述した第1実施形態の第6変形例の場合と同様の利点が得られるほか、光送信機22B内に設けられた偏波モード分散補償器24Aの各補償器24A−1,24A−2の制御を時間的に切り換えて行なうことにより、同時に制御を行なう場合に比べて制御の負荷が軽くなる利点がある。
(B9)第1実施形態の第9変形例の説明
図30は本発明の第1実施形態の第9変形例における光伝送システムの構成を示すブロック図であり、偏波モード分散量の制御方法は、検出形式1かつ制御態様1を使用している。
この図30に示す光伝送システム50も、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s,10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム50は、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機52と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機57とが光伝送路(伝送ファイバ)53を介して接続されたものであり、受信側の光分岐部55にて信号光が分岐されて、一方が光受信機57に入力されるとともに、他方が分散量検出装置51に入力されている。この分散量検出装置51に関しては、後述する。なお、本変形例でも、この『分散量検出』という単語を、『偏波モード分散検出』の意味で使用することとし、分散量検出装置51は、『偏波モード分散量検出装置51』を表す。
さらに、この光伝送システム50には、光送信機52内に、信号光源62,光変調器63が設けられるとともに、伝送される光信号に擬似的に偏波モード分散を与えるための偏波モード分散補償器54が設けられている。ここで、偏波モード分散補償器54は送信側にあるので、光強度分岐比γの設定を行なうことが可能である。
また、光送信側に掃引制御部56が設けられている。この掃引制御部56は、光伝送システム50の稼働前(すなわち、光伝送システム50を立ち上げる時や、例えば偏波モード分散補償制御が最適点から大きく外れた場合に光伝送システム50を再立ち上げする時)に、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるべく、偏波モード分散補償器54で擬似的に与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを大きく掃引制御するものである。すなわち、システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、偏波モード分散補償器54で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを大きく掃引制御する掃引制御部56をそなえて構成していることになる。
また、この光伝送システム50には、光受信機57内に分散量検出装置51が設けられている。この分散量検出装置51は、光分岐部55により取り出された光信号に基づいて光伝送路53を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態をモニタするものであり、図30に示すように、受光器58,バンドパスフィルタ(fe BPF)59,強度検出器60及び偏波モード分散量検出部61をそなえて構成されている。なお、これらの各部は、前述した第1実施形態におけるものと同様の機能及び構成を有するものである。
これにより、光伝送システム50においては、光送信機52から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は光伝送路53を介して光受信機57に伝送される。この際、光送信機52では、掃引制御部56の制御を受けて、偏波モード分散補償器54により光信号に偏波モード分散が擬似的に与えられる。
続いて、光分岐部55により、光伝送路53を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散量検出装置51に送出される。そして、分散量検出装置51においては、光分岐部55により取り出された光信号に基づいて光伝送路53を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態がモニタされる。
このような構成によって、システム稼働前に掃引制御が行なわれる。まず、図30に示す掃引制御部56により、偏波モード分散補償器54で光信号に与える偏波モード分散量を示すパラメータ(遅延量Δτ又は光強度分岐比γのうちの少なくとも一方)が広範囲で掃引制御される。例えば、遅延量ΔτはΔτ1からΔτ2までの範囲で掃引され、また、光強度分岐比γは0から1までの範囲で掃引される。
そして、分散量検出装置51においては、受光器58,バンドパスフィルタ59,強度検出器60により、上記擬似的に偏波モード分散が与えられた光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕の強度が検出され、偏波モード分散量検出部61により前述と同様に伝送光信号の偏波モード分散量が検出される。
ここで、この光伝送システム50の稼働前の掃引制御を、図31(a),(b)を用いて説明する。遅延量ΔτをΔτ1からΔτ2までの範囲で掃引したときの第1特定周波数成分の強度の変化を図31(a)に示し、光強度分岐比γを0から1までの範囲で掃引したときの第1特定周波数成分の強度の変化を図31(b)に示す。これら図31(a),図31(b)より、遅延量Δτ0又は光強度分岐比γ0のときに、第1特定周波数成分強度が極大となることがわかる。
従って、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値として、遅延量Δτ0又は光強度分岐比γ0が求められ、偏波モード分散補償器54の動作点が遅延量Δτ=Δτ0又は光強度分岐比γ=γ0となるように設定され、光伝送システム50の稼働が開始される。
なお、光伝送システム50の稼働中は、光伝送路53の経時変化に対して、遅延量Δτ又は光強度分岐比γを常に最適値に保つために、トラッキング制御を行なってもよい。そのトラッキング制御の1例としては、前述した第1実施形態の第5変形例にて説明したような、偏波モード分散を補償する際のフィードバック制御を自動的に行なう方法を用いることができる。そして、図31(a),図31(b)に示すように、遅延量Δτ又は光強度分岐比γを極大点Δτ0又はγ0の周辺で微小変化させて(ディザリングさせて)、新しい極大点を検出すればよい。
このように、本発明の第1実施形態の第9変形例における分散量検出装置によれば、光伝送システム50の稼働前に、掃引制御部56により、偏波モード分散補償器54で擬似的に与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを大きく掃引制御することにより、偏波モード分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めることができる。
なお、図30に示す光伝送システム50においては、偏波モード分散補償器54が光送信機52に設けられているが、偏波モード分散補償器54を、光受信機57や線型中継器等(図示せず)のような他の位置に設けて、同様の制御を行なってもよい。
(C)本発明の第2実施形態の説明
上記の第1実施形態及びその各変形例にける偏波モード分散量の制御方法は、第1関数を使用した制御態様(制御態様1)であった。この方法を他の方法で行なうことができる。
図32は本発明の第2実施形態にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図(後述する第2実施形態の第1変形例においても同一構成がとられる)である。この図32に示す光伝送システム210Cも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム210Cは、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機2と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機207aとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置225が設けられている。なお、この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、第2実施形態でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとし、さらに、この図32では、『偏波モード分散補償制御装置225』は、『PMD補償制御部』と表記されている。
この光受信機207aは、偏波制御器4Bと、可変偏波モード間遅延器227と、光分岐部5と、光受信部6とをそなえて構成されている。これら光分岐部5及び光受信部6は、前述したものと同一の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。また、可変偏波モード間遅延器227は、各偏波モード間に遅延差Δτcを与えて偏波モード分散補償(Polarization-Mode Dispersion compensation)する可変のものであって、これら偏波制御器4Bと可変偏波モード間遅延器227とを拡大したものを、図33に示す。
この図33に示す偏波制御器4Bは、受信した光信号をファイバに入力するときの軸合わせに用いられるものであり、偏波制御器の波長板〔1/4波長板(λ/4板)4B−11及び1/2波長板(λ/2板)、4B−12〕を有し、これらが外部から駆動できるようになっている。そして、これらの各波長板4B−11,4B−12も、外部からのパラメータ設定制御信号を受けたアクチュエータ4B−13,4B−14により駆動されるようになっている。
光強度は、2種類の偏波モード成分α,β(ラジアン)に分解できる。この第2実施形態では、可変偏波モード間遅延器227の可変性を利用して、これらα,βの各偏波モード成分が直接動的(Dynamic)に制御されるようになっている。
そして、α制御は、1/4波長板4B−11にて行なわれ、β制御は、1/2波長板4B−12にて行なわれるようになっている。換言すれば、第1実施形態では、光強度分岐比γによる関数演算を行なっており、光強度のいわば、静的(Static)な側面を使用していた。これに対して、本実施形態では、光強度のいわば、動的(Dynamic)な側面を使用し、偏波角度の調整による制御を行なうようにしているのである。
次に、本実施形態の制御方法について説明する。この方法は、分散補償制御装置225が、強度検出器13で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路3中に設けられた偏波制御器4B及び可変偏波モード間遅延器227のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する態様で行なわれる。すなわち、第1実施形態のように関数を使って、制御量を決定するのではなく、検出された特定の周波数の強度が極大となるように、フィードバックして制御量を決定するようになっている。この制御態様を以降の説明で、制御態様1(第1関数を使用した制御)と区別するために、制御態様2と称することとする。
またこれから、偏波モード分散制御の方法は、γとΔτとの2変数から第1関数演算を行なう方法と、α,β及びΔτのうち少なくとも一方の変数を最大値制御をする方法とがあることになる。
この制御態様2による動的な制御が行なえるように、図33に示す可変偏波モード間遅延器227は、偏光ビームスプリッタ(PBS)227a,227dと、光アッテネータ227bとをそなえて構成されている。すなわち、この可変偏波モード間遅延器227は、偏光ビームスプリッタ227aによって各偏波モード成分を分離して、可変光遅延器227cによって各偏波モード成分間に遅延差を与えた後に合波するデバイスとして構成されている。そして、一方の成分は、光ファイバ229aを介して可変光遅延器227cにて遅延を受けて光ファイバ229bに出力され、また、他方の成分は光アッテネータ227bにて、両光路の光損失が等しくなるように損失を受け、さらにそれらは偏光ビームスプリッタ227dにおいて、直交状態のまま合波されて、出力されるようになっている。
このように、可変偏波モード間遅延器227を用いて制御することで、固定偏波モード間遅延器を用いる場合に比べ、ペナルティをより小さくできるのみならず、ビットレート・伝送距離・信号変調フォーマット等の切り換えによる伝送路の偏波モード分散量の変動に対処できる利点がある。また、可変光遅延素子で与える遅延差は、外部からの制御信号によって変化させることができるようになる。
図34(a)〜(c)に本発明の第2実施形態にかかる可変光遅延路の例を示す。これらの可変光遅延路は、可変光遅延器227cとして機能するものであって、光信号は一旦空中に取り出され、遅延差を与えられてから再びファイバに戻すような方法を用いている。また、光ファイバ229a,229bは、図33の可変光遅延器227cの入出力にある光ファイバに相当する。図34(a)は反射鏡228cを用いる方法、図34(b)はコーナーキューブ228dを用いる方法、図34(c)はファイバ229bを移動する方法等を用いる方法である。なお、各図中で、符号228a,228bは、コリメートレンズである。
さらに、図35に、本発明の第2実施形態にかかる他の可変偏波モード間遅延素子の構成例を示す。この図35に示す偏波モード間遅延素子230は、偏波モード分散値の異なる複数の偏波保持ファイバ(PMF)230c1,230c2,230c3…が並列に配置され、入力側と、出力側にそれぞれ光スイッチ230a,230bがそれぞれ設けられている。これらの光スイッチ230a(又は230b)は、外部からの制御信号によって、入力光信号を該当するPMF230c1,230c2,230c3…に導くのである。そして、各PMF230c1,230c2,230c3…は、偏波モード分散値Δτ1,Δτ2,Δτ3…を有し、Δτ1<Δτ2<Δτ3…となっている。さらに、入力光信号の偏波分散量に従って入力される制御信号により、その値に近いPMFが選択されるようになっている。なお、偏波分散の可変量や可変精度を上げるためには、その分多くのPMFを用意してやればよい。すなわち、偏波モード間遅延素子(偏波モード間遅延器)230は、偏波分散値の異なる複数の偏波保持ファイバを並列に配置し、光伝送路3の偏波モード分散量に従って、光信号を透過させる偏波保持ファイバを光スイッチ230a(又は230b)で切り換えるデバイスとして構成されていることになり、また、偏波モード間遅延器230が、偏波保持ファイバで構成されていることになる。さらに、偏波モード間遅延器230は、遅延量を固定した状態の可変偏波モード間遅延器で構成されていることになる。
再度図32に戻って、この図32に示す分散補償制御装置225は、第1実施形態の分散補償制御装置1(1A,1B,39,39A,39B等)に対応する分散補償制御装置であって、受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13,α・β・Δτc設定回路226をそなえて構成されている。ここで、受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13は、前述したものと同一の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
また、α・β・Δτc設定回路226は、強度検出器13から入力される信号から適当な制御を行なって、光受信機207a内にある偏波制御器4Bを制御するものであって、この偏波モード制御機能は、CPU等によって発揮される。
これらにより、信号の流れは次のようになる。すなわち、光送信機2から送信されたB(b/s)の光信号は、光伝送路3における、ΔτF(ps/km1/2)の偏波モード分散によって波形劣化を受けて、光受信機207aへと入力される。そして、光受信機207a内の偏波制御器4Bにおいて、1/4波長板4B−11及び1/2波長板4B−12により、光信号は軸合わせが行なわれるとともに、各偏波モード間に遅延差Δτcが与えられ、かつΔτcを可変できる可変偏波モード間遅延器227を用いて偏波モード分散補償される。そして、補償された光信号の一部は、光分岐部5において分岐され、一方は、分散補償制御装置225内の受光器11にてO/E変換されてから、バンドパスフィルタ12において、fe(Hz)の周波数成分が抽出されて、強度検出器13において強度検出される。また、他方は、光受信部6へと入力される。
この強度検出においては、ビットレートの半分のfe=B/2(Hz)の成分強度が選択されており、この強度が最大になるように、α・β・Δτc設定回路226によって、λ/4板の方位角α,λ/2板の方位角β及びΔτcの3つのパラメータが制御される。なお、ここでは、受信端にこれらの偏波分散補償デバイスを配置しているが、送信端または光中継器に配置し、受信端での偏波モード分散量を検出して、偏波分散補償デバイスをフィードバック制御するようにしてもよい。また、fe=B/2(Hz)成分強度を用いる方式は、NRZ波形のみならず、RZ波形やOTDM波形にも適用できる。
このように、本実施形態では、可変の偏波モード間遅延素子を用いているので、偏波モード分散による波形劣化がより小さくなり、また、ビットレート,伝送距離,信号変調フォーマット等の切り換えによる伝送路の偏波モード分散量の変動に対処できるという利点がある。なお、固定偏波モード間遅延素子を用いる場合には、その固定遅延量の設計に関してシステム条件を考慮した基準を与えてやればよい。
(C1)第2実施形態の第1変形例の説明
第2実施形態において、システム運用開始前(システム稼働前或いは初期値を設定するモードと称することがある)と、システム運用中(システム稼働中或いは通常使用モードと称することがある)との切り換え機能をもたせることができる。図32と同一の構成において、初期設定モードの制御方法は、制御態様2によって、偏波モード分散補償が行なわれている。なお、強度検出に供される周波数は1系統なので、検出形式1をとっていることになる。また、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとする。
その方法は、λ/4,λ/2板および可変偏波モード間遅延素子で与える3つのパラメータであるα,β,Δτcを充分小さい刻みで全範囲変化させ、これら3つのパラメータのあらゆる組み合わせに対して、周波数fe(Hz)成分の強度検出を行なう方法である。そして、この結果得られた周波数fe(Hz)成分を最大にするα,β,Δτcの組み合わせが得られる。その時に、補償後の光波形劣化が最小になっているので、システム開始時にはα,β,Δτcがその値に設定される。
なお、初期設定モードを行なわないでトラッキング制御を始めた場合は、制御開始点において、偏波モード分散補償後の全偏波モード分散量が1タイムスロットより大きくなる可能性がある。その場合は、図13のΔτ対fe(=B/2)(Hz)成分強度の特性曲線において、偏波モード分散量が増大する程、周波数fe(Hz)成分強度が大きくなるので、周波数fe(Hz)成分の最大値制御によって、波形劣化が増大する。それに対して、初期設定モードを行なうことによって、伝送路偏波モード分散量ΔτFが1タイムスロットを越えない限りは、補償後の偏波モード分散量ΔτTが最小の時に周波数fe(Hz)成分が最大になるので、正しい位置からトラッキング制御を開始することができる。
図36及び図37に、本発明の第2実施形態にかかる偏波モード分散補償を実現するための制御フローチャートを示す(なお、第3,第4実施形態のおいてもこのフローチャートは使用される)。まず、分散補償制御装置(図32ではPMD補償制御部と表記されている)225は、プログラムを開始し(ステップA1)、システム稼働開始時に初期設定モードの制御を行なう(ステップA2)。そして、α,β,Δτcの変化の方向が初期化され(ステップA3)、そしてβ、Δτcを固定して状態で、分散補償制御装置225は、αを一定の刻みα1だけ増大させて、αの値を設定する(ステップA4)。さらに、このαを変化させたことによって、fe(Hz)成分強度が増大したかが判別される(ステップA5)。ここで、増大した場合には、YESルートがとられ、分散補償制御装置225は、同じ方向にαを同じ刻みα1で変化させ、逆に、減少した場合には、NOルートがとられ、分散補償制御装置225は、逆方向に(ステップA6)、αを同じ刻みα1で変化させ、それぞれの場合において、新しいαが設定される(ステップA7)。そして、再度fe(Hz)成分強度が増大したかが判別され(ステップA8)、増大した場合には、YESルートがとられ、分散補償制御装置225は、αを同じ刻みα1で変化させるが、このαを変化させる操作は、fe(Hz)成分強度が減少するまで続けられる(ステップA7,ステップA8)。ステップA8において、fe(Hz)成分強度が増大していない場合には、分散補償制御装置225は、NOルートをとって、αの制御(第1制御モード)を一旦終了する。
次に、分散補償制御装置225は、βの制御を同様に行なう。すなわち、ステップA9で、βを一定の刻みβ1だけ増大させてβを設定し、ステップA10において、βを変化させたことによって、fe(Hz)成分強度が増大したかを判別する。ここで、増大した場合には、YESルートがとられ、図36の丸付き数字1と付した点を経由して、分散補償制御装置225は、同じ方向にβを同じ刻みβ1で変化させる(ステップA12)。逆に、ステップA10において、減少した場合には、NOルートがとられ、分散補償制御装置225は、逆方向に(ステップA11)、βを同じ刻みβ1で変化させ、同様に、新しいβを設定する(ステップA12)。そして、ステップA13において、再度fe(Hz)分強度が増大しているかどうかが判定され、このステップA12,A13の両ステップが繰り返され、周波数fe(Hz)成分強度が最大となるように制御が行なわれるのである。ステップA13において、周波数fe(Hz)成分強度が増大しない場合は、分散補償制御装置225は、NOルートをとり、βの制御(第2制御モード)を一旦終了する。
最後に分散補償制御装置225は、Δτの制御を同様に行なう。すなわち、ステップA14で、Δτを一定の刻みΔτ1だけ増大させてΔτを設定し、Δτを変化させたことによって、fe(Hz)成分強度が増大したかを判別する(ステップA15)。ここで、増大した場合には、YESルートがとられ、分散補償制御装置225は、同じ方向にΔτを同じ刻みΔτ1で変化させる(ステップA17)。逆に、ステップA15において、減少した場合には、NOルートがとられ、分散補償制御装置225は、逆方向に(ステップA16)、Δτを同じ刻みΔτ1で変化させ、同様に、新しいΔτを設定する(ステップA17)。そして、ステップA18において、再度fe(Hz)成分強度が増大しているかどうかが判定され、増大の場合には、YESルートをとり、このステップA17,A18の両ステップが繰り返されるのである。また、ステップA18において、周波数fe(Hz)成分強度が増大しない場合は、分散補償制御装置225は、NOルートをとり、Δτの制御(第3制御モード)を一旦終了し、図36の丸付き数字2と付した点を経由して、図36のステップA3に戻るようになっている。
このようにして一回の制御サイクルが終わり、再びαから次の制御が同様に続くのである。これにより、偏波モード分散制御部(分散補償制御装置225)が、偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11の方位角及び1/2波長板4B−12の方位角並びに偏波モード間遅延器227の偏波モード間遅延量のいずれかを、第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第1制御モードによる制御を行なうとともに、第1制御モードの後に、残りの制御パラメータの一方を第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの他方を固定しておく第2制御モードによる制御を行ない、最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの一方を固定しながら、残りの制御パラメータの他方を第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させる第3制御モードによる制御を行なっていることになる。
このように、システム稼働中には、トラッキングする制御を行なっているので、変化するα,β,Δτcの最適値を捕らえることができるようになり、温度等の外部環境の変化による、これらのパラメータの変動に対しても、追随できる利点がある。
また、このようにシステム稼働前の初期設定モードが行なわれるので、システム稼働開始時から最適状態を得ることができる利点があり、加えて、稼働中のトラッキング制御が正常に行なわれるという利点がある。
図38は、本発明の第2実施形態にかかる偏波モード分散補償を実現するための制御フローチャートを示す(なお、第3,第4実施形態のおいてもこのフローチャートは使用される)。システム稼働開始時の初期設定モードに関しては、図36,37に示したフローチャートと同様であるが(ステップB1〜ステップB3)、システム稼働中のトラッキング制御において、1ステップの変化ごとにα→β→Δτc→α→…の制御を切り換える点に特長がある。
すなわち、分散補償制御装置225は初期設定を行ない(ステップB1〜ステップB3)、ステップB4において、まず、αの値を設定する。そして、このαを変化させたことによって、fe(Hz)成分強度が増大したかが判別される(ステップB5)。ここで、fe(Hz)成分強度が増大した場合には、分散補償制御装置225は、YESルートをとり、逆に、減少した場合には、分散補償制御装置225は、NOルートをとり、αの値を逆方向に変化させる(ステップB6)。これにより、第4制御モードが行なわれる(ステップB4〜ステップB6)。
さらに、分散補償制御装置225は、βの値を刻みβ1で変化させ(ステップB7)、ステップB8において、fe(Hz)成分強度が増大したかを判別する。増大した場合には、分散補償制御装置225は、YESルートをとり、逆に、減少した場合には、NOルートをとり、βの値を逆方向に変化させる(ステップB9)。これにより、第5制御モードが行なわれる(ステップB7〜ステップB9)。
最後に、分散補償制御装置225は、Δτの値を刻みΔτで変化させ(ステップB10)、ステップB11において、fe(Hz)成分強度が増大したかを判別する。増大した場合には、分散補償制御装置225は、YESルートをとり、逆に、減少した場合には、NOルートをとり、Δτの値を逆方向に変化させる(ステップB12)。これにより、第6制御モードが行なわれる(ステップB10〜ステップB12)。
この図38に示した制御方法は、図36,37に示した制御方法に比べて、最適点への収束性が速い。またこれから、偏波モード分散制御部(分散補償制御装置225)が、偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11の方位角及び1/2波長板4B−12の方位角並びに偏波モード間遅延器227の偏波モード間遅延量のいずれかを、第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第4制御モードによる制御を行なうとともに、第4制御モードの後に、残りの制御パラメータの一方を第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの他方を固定しておく第5制御モードによる制御を行ない、最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び残りの制御パラメータの一方を固定しながら、残りの制御パラメータの他方を第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させる第6制御モードによる制御を行ない、その後は、第1特定周波数成分の強度が極大となるまで、上記の第4制御モード、第5制御モード、第6制御モードを繰り返し実行するようになっていることになる。
こうして、この図36〜図38に示したように、システム稼働前の初期設定モードが行なわれるので、システム稼働中も最適状態を得ることができる利点があり、さらに、稼働中のトラッキング制御が正常に行なわれる利点がある。
(C2)第2実施形態の第2変形例の説明
図39は、本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図であり、可変偏波モード間遅延の制御をアナログ的に行ない、制御態様2を用いた制御を行なうものである。この図39に示す光伝送システム210Dも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム210Dは、図39に示すように、光送信機2と、光受信機207aとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置225aが設けられている。これらの光送信機2,光受信機207a,光伝送路3は、上述したものと同一なものなので更なる説明を省略する。なお、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとする。
この分散補償制御装置225aは、受光器11と、バンドパスフィルタ12と、強度検出器13とをそなえるほか、バンドパスフィルタ(f1,f2,f3BPF)232A,232B,232Cと、位相比較回路233A,233B,233Cと、α設定回路237A,β設定回路237B,Δτc設定回路237Cと、低周波重畳回路235A,235B,235Cと、低周波発生器234A,234B,234Cとをそなえて構成されている。ここで、受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13は、前述したものと同一の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
まず、バンドパスフィルタ232A,232B,232Cはそれぞれ、強度検出器13にて検出された第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕の強度に含まれる低周波信号成分〔f1,f2,f3(Hz)成分〕を抽出するものである。また、位相比較回路233Aは、バンドパスフィルタ232Aにて抽出された低周波信号成分を低周波発生器234Aからの低周波信号と比較して位相のずれを検出するとともに、バンドパスフィルタ232Aにて抽出された低周波信号成分が零となるように、α設定回路235Aにおけるパラメータ設定を制御するものである。同様に、位相比較回路233B及び233Cはそれぞれ、入力側がバンドパスフィルタ232B,232Cに対応しており、出力側が、β設定回路237B,Δτ設定回路237Cに対応している。さらに、α設定回路237A,β設定回路237B,Δτc設定回路237Cはそれぞれ、位相比較回路233A,233B,233Cから入力される信号から適当な制御を行なって、α,β,Δτの値を設定するものである。
さらに、低周波重畳回路235A,235Bはそれぞれ、α設定回路237A,β設定回路237Bから出力されるα設定制御信号,β設定制御信号に、低周波発振器234A,234Bから入力される予め設定された所定の低周波信号(f1信号,f2信号)を重畳することにより微小変調を与えて、変調されたパラメータ設定制御信号を偏波制御部4Bに送出するものである。また、同様に、低周波重畳回路235Cは、Δτc設定回路237Cから出力されるΔτc設定制御信号に、低周波発振器234Cから入力される予め設定された所定の低周波信号(f3信号)を重畳することにより微小変調を与えて、変調されたパラメータ設定制御信号を可変偏波モード間遅延器227に送出するものである。
またこれから、偏波モード分散制御部225aから上記の偏波制御器4B及び偏波モード間遅延器227へ出力される制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、強度検出器(第1強度検出部)13からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器4B及び偏波モード間遅延器227を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部241をそなえて構成されたことになる。
このような構成によって、αに関しては,α設定回路237Aからのα制御信号に、低周波発振器235Aから生じる低周波f1(Hz)の微小信号が重畳される。そして、偏波モード分散補償後の光信号の一部は分岐され、光電変換された後、周波数fe(Hz)成分強度が抽出され強度検出が行なわれる。αの値が周波数fe(Hz)成分強度最大の最適位置では、抽出された周波数fe(Hz)成分強度が低周波f1(Hz)の強度変化成分を持たず、αの値が最適位置からずれた場合に、fe(Hz)分強度の時間変化には周波数f1(Hz)の成分が現れる。よって、fe(Hz)成分強度から検出される周波数f1(Hz)の成分を検知し、その成分が無くなる方向にαの値を変化させるようなフィードバックがかかるようにアナログ的に行なわれている。
つまり、その成分と、低周波発振器234Aからの低周波信号f1(Hz)の位相比較を位相比較回路233Aによって行ない、その結果得られた位相情報に従って、αを変化させる方向を決定する。β、Δτcに関しても同様の制御を行なうが、低周波の周波数を異なる値にしてあるため、同時に制御を行なっても、独立に最適制御を行なうことができる。
すなわち、補償量最適化制御部241が、偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11の方位角及び1/2波長板4B−12の方位角並びに偏波モード間遅延器227の偏波モード間遅延量をそれぞれ異なる周波数で低周波変調して、伝送光信号のベースバンドスペクトル中の第1周波数成分強度を検出し、その中に含まれる低周波数成分の強度変調成分が零となるように、上記の偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11の方位角及び1/2波長板4B−12の方位角並びに偏波モード間遅延器227の偏波モード間遅延量を最適化するように構成されていることになる。
そしてこのようにして、α、β、Δτc毎に各々異なる低周波f1,f2,f3(Hz)で微小変調が行なわれるので、fe(Hz)成分強度が、最大値に自動的に固定されるため、正確な制御が可能となる。
(C3)第2実施形態の第3変形例の説明
図40は、本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる光伝送システムの構成を示す図であり、システム稼働前(システム運用開始前)とシステム稼働中(システム運用開始後)とで、制御対象を可変としうるものである。また、検出形式1かつ制御態様2を行なうものである。
この図40に示す光伝送システム210Eも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム210Eは、光送信機2と、光受信機207aとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側にPMD補償制御部(偏波モード分散制御部)225bが設けられている。これらの光送信機2,光受信機207a,光伝送路3は、上述したものと同一なものなので更なる説明を省略する。なお、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとする。
この分散補償制御装置225bは、受光器11と、バンドパスフィルタ12と、強度検出器13をそなえるほか、α・β・Δτc設定回路226とをそなえて構成されている。ここで、受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13は、前述したものと同一の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
α・β・Δτc設定回路226は、偏波制御器4Bと可変偏波モード間遅延器227とを制御しうるものである。すなわち、α・β・Δτc設定回路226は、強度検出器13から入力される信号によって、光受信機207a内にある偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11の方位角及び1/2波長板4B−12の方位角並びに偏波モード間遅延器227の偏波モード間遅延量の制御を行ない、また、ビットレート・伝送距離・信号変調方式等の伝送路偏波モード分散量の変動情報(これらの情報は、光送信機2によって送信される)に対処できるように、可変偏波モード間遅延器227の遅延量Δτcの最適化を行なう。従って、可変偏波モード間遅延素子は設けておく必要がある。
このような構成によって、システム運用開始時(稼働前)には、可変偏波モード間遅延素子の遅延量Δτcの最適化が行なわれ、ビットレート・伝送距離・信号変調方式等の切り換えでの伝送路偏波モード分散量の変動に対する処理が行なわれる。そして、システムの切り換えがあった場合には、光送信機2から切り換えた旨の信号が、偏波モード分散制御部225bに送られて、切り換え直後のみ可変偏波モード間遅延素子の遅延量Δτcの最適化が行なわれる。これに対して、システム稼働中には、偏波分散量の環境変化による変動が、PMD耐力(最大許容偏波モード分散量)に比べて小さい場合、Δτcの制御は行なわれないで、α,βのみが制御されるのである。
また、これにより、偏波モード分散制御部(PMD補償制御部)225bが、システム稼働中は、偏波制御器4Bのみの制御を行なう一方、システム稼働開始時及び光伝送路3における偏波モード分散の条件を決める要素に切換があった時には、偏波モード間遅延器227を制御するように構成されていることになる。
(C4)第2実施形態の第4変形例の説明
図41は本発明の第2実施形態の第4変形例にかかるシステム稼働時の偏波モード分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。この図41に示す光伝送システム210Fも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば10Gb/s等)の光通信システムであるが、可変偏波モード間遅延器230が固定値のΔτcを用いた素子を使っているところが図40に示したシステムと異なる。なお、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』の意味で使用することとする。
この光伝送システム210Fは、光送信機2と、光受信機207bとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置225cが設けられている。そして、この光受信機207bは、偏波制御器4Bと、可変偏波モード間遅延器230と、光分岐部5と、光受信部6とをそなえて構成されている。また、分散補償制御装置225cは、受光器11,バンドパスフィルタ12,強度検出器13,α・β設定回路212をそなえて構成されている。また、この図41に示すα・β設定回路212は、fe(Hz)成分強度が最大になるように、α,βの値を制御するものであって、換言すれば、光信号の偏波状態を変化させる偏波制御器4Bを制御する手段として機能している。
このような構成を用い、システム稼働前には、可変偏波モード間遅延器230を用いて、PMD耐力が測定され、システム稼働中は、この可変偏波モード間遅延器230の遅延量を、PMD耐力の値に基づいた許容範囲内に固定したまま、用いるようにする。
システム稼働前のPMD耐力の測定は、この光伝送システム210Fで用いるものと同じ送受信機を使って行なわれる。この方法を図42を使って説明する。
図42はPMD耐力を測定する方法を説明する図である。システム稼働前は、図42に示す光受信機207bのような実際の伝送に用いるのと同じ送受信機を使ってPMD耐力を測定する。具体的には、この図42に示す可変偏波モード間遅延器230を用いて、連続的に偏波モード間の遅延量を変化させることで、伝送路の偏波モード分散量ΔτFを模擬し、光受信機207bで符号誤り率を測定する。そして、例えばペナルティ1dB以下を伝送可能の条件として、PMD耐力がΔτ1dBと求まる。その後、分散補償制御装置225cは、可変偏波モード間遅延器230の遅延量ΔτcをT−Δτ1dB<Δτc<2Δτ1dBの範囲に設定する。ここで、Tは1タイムスロット期間を表している。また、このような範囲に設定する決め方は、後述する。
一方、実際にシステムを稼働する時には、これら図41,図42のように、この可変偏波モード間遅延器230の遅延量を所定の設定値に固定したまま伝送路に挿入して用いられる。
これにより、システム稼働前には、制御信号を受けて、PMD耐力が測定される。また、このようにして、偏波モード分散の補償条件を初期段階で最適化し、システム稼働時の制御すべきパラメータを少なくできる利点がある。
次に、このような補償条件を最適化できることについて、図43から図51を用いて説明し、可変偏波モード間遅延器230の遅延量ΔτcがT−Δτ1dB<Δτc<2Δτ1dBの範囲に設定される理由を述べることとする。
まず、図43及び、以下の式(4)から式(9)を用いて、偏波モード分散補償用のPMF231によって、偏波モード間に遅延差Δτcを与えた後の光信号が、式(9)のように表されることを示す。
図43は本発明の第2実施形態の第4変形例にかかる偏波モード分散補償用のPMFを用いた偏波モード分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。この図43に示す光伝送システム210Gも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば10Gb/s等)の光通信システムであって、伝送路の偏波モード分散を補償する機能を有する。この光伝送システム210Gは、光送信機2と、光受信機207cとが光伝送路(伝送ファイバ)3を介して接続されたものであり、受信側に分散補償制御装置225dが設けられている。そして、この光受信機207cは、偏波制御器4Bと、偏波保持ファイバ(PMF)231と、光分岐部5と、光受信部6とをそなえて構成されている。
これらにより、光受信機207cにおいて、受信光は、偏波制御器4Bを通って、PMF231に入力される。ここで、光信号は、偏波モード分散補償されてから(偏波モード間に遅延差Δτcを与えられてから)、光分岐部5にて分岐され、一方の光信号は、光受信部6で受光処理され、また他方の光信号は、分散補償制御装置225dのバンドパスフィルタ12において、B(Gb/s)の信号のベースバンドスペクトル中のfe=B/2(Hz)成分強度が検出される。
ここで、送信光がジョーンズベクトル表示で次に示す式(4)のように表される直線偏光の場合、伝送路の偏波モード分散によって各偏波モード成分に強度比γで分離され、遅延差ΔτFを与えられた後の光信号は式(5)のようにベクトル表示できる。
さらに、偏波制御器4B内の1/4波長板4B−11,1/2波長板4B−12の方位角を各々α,β(ラジアン)とした場合、偏波制御器4Bを透過した後の光波形は、式(7),式(8)で表す行列により、式(6)のような行列計算で求められる。
R=H・Q・p…(6)
その結果、光波形が次のRの形で表されたとする。
そして、PMD補償用PMF231によって、偏波モード間に遅延差Δτcを与えた後の光波形は、最終的に式(9)のように表される。
ここでは簡便のため、伝送路の偏波モード分散のfast軸とpMFのslow軸とが並行になるように軸が設定されているが、一般にそれらが回転した関係にあっても、α(QWP),β(HWP)を調節することによって同様の状態が実現できる。
次に、図44から図47を用いて、20GHz成分強度の最大値が出るα,βと、アイ開口度の最大値が出るα,βとが同一であることを示す。これらの図は、計算機シミュレーションによって作成されたものであって、横軸がα(QWP)で、縦軸がβ(HWP)であり、また、Z軸(紙面裏から表に貫く方向)に、強度の強さが等高線で表されている。
図44(a),(b)はそれぞれ、遅延量Δτcが0(ps)における40Gb/sのNRZ信号に対してこれらの制御を行なった場合のα(度:degree),β(度:degree)に対する、受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度及び受信波形のアイ開口度を示す。これらの図から、20GHz成分強度の最大〔図44(a)の等高線の頂点、1から8を付した箇所〕を与えるα,βの組み合わせと、アイ開口度の最大〔図44(b)の等高線の頂点、1から8を付した箇所〕を与えるα,βの組み合わせは、一致していることがわかる。なお、γは偏波モード分散による波形劣化が最大になるように、0.5に固定している。
同様に、図45(a),(b)はそれぞれ、遅延量ΔτFが5(ps)における、受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度及び受信波形のアイ開口度であり、図45(a)の等高線の頂点の位置1から7と、図45(b)の等高線の頂点の位置1から7とが一致している。図46(a),(b)はそれぞれ、遅延量ΔτFが10(ps)における、受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度及び受信波形のアイ開口度であり、図46(a)の等高線の頂点の位置1から6と、図46(b)の等高線の頂点の位置1から6とが一致している。さらに、図47(a),(b)はそれぞれ、遅延量ΔτFが20(ps)における、受信ベースバンド信号中の20GHz成分強度及び受信波形のアイ開口度であり、図47(a)の等高線の頂点の位置1から7と、図47(b)の等高線の頂点の位置1から7とが一致している。
これら図44(a),(b)から図47(a),(b)のすべての図から、20GHz成分強度の最大・最小を与えるα,βの組み合わせと、アイ開口度の最大・最小の等高線の頂点)を与えるα,βの組み合わせが、一致していることがわかる。また、この関係は、全ての伝送路のPMD値(偏波モード分散値)ΔτFにおいて一致している。このことより、ベースバンドスペクトル中のビットレートの半分の周波数成分強度を最大にする偏波モード分散補償方法が有効であることがわかる。また、NRZ信号のみならず、40Gb/sOTDM波形に関しても、同様に20GHz成分強度を用いた制御を行なうことができることが確認できている。
そして次に、図48(a),(b)及び図49(a),(b)を用いて、アイ開口ペナルティについて説明する。
図48(a)は、40Gb/sNRZ信号を用いて伝送を行なったときの偏波モード分散補償あり/無しの場合の、伝送路PMD対20GHz成分強度の計算結果を示す図であり、補償ありの方と、補償無しの方との2種類が示されている。また、この図48(a)の横軸は、伝送路のPMDΔτFであり、また、縦軸は、20GHz成分強度の最大値を示している。ここで、ΔτFは伝送路の遅延量を表すものであり、また、アイ開口ペナルティとは、送受対向時からのアイ開口度の劣化分を意味する。また、図48(b)は、同じく伝送路PMDΔτF(横軸)対アイ開口ペナルティ(縦軸)の計算結果を示す図である。ここで、補償用PMFの値としては、Δτc=10ps及び20psが設定されている。なお、α,βの値は、ΔτFの値によって異なり、これらの計算時には最適値になるように設定されている。
これら図48(a),(b)のように、Δτc=10psの場合、伝送路PMDがΔτF=0psでは、α=45°およびβ=22.5°の組み合わせのときに、20GHz成分強度が最大となり(図48(a)参照)、アイ開口ペナルティが最小値0となる(図48(b)参照)。これは、偏波制御器4Bによって、PMF231に入力する光信号が、PMF231の偏波主軸方向と一致した直線偏光になっている場合に相当する。この場合、光信号は、PMF231の偏波分散の影響を受けることなく、送受対向時と同じアイ開口度を得ることができる。
これに対して、伝送路PMDがΔτF>10psと充分大きい場合、α=β=0°のときに20GHz成分強度が最大となり〔図49(a)参照〕、アイ開口ペナルティが最小となる。これは、偏波制御器の制御によって、伝送路の偏波主軸のうち、fast軸を透過した光の偏波方向がPMF231のslow軸に一致し、slow軸を透過した光の偏波方向がPMFのfast軸に一致する状態に対応している。結果として、光波形が差し引きΔτF−Δτcの偏波分散を受けた状態と一致し、ΔτFの偏波分散を受けた補償無しの場合に比べて、劣化が抑えられることになる。
そして、0ps<ΔτF<10psの中間範囲の場合には、ΔτFが増大するにつれて、20GHz成分強度が最大になるα,βの組み合わせはα=45°,β=22.5°からα=β=0°へと連続的に変化する。その場合、この図49(b)のように、アイ開口ペナルティは0dBから、ΔτF=Δτc/2=5ps辺りで増大し、その後減少してΔτF=Δτc=10psで再び0dBになる。図48(b)に戻って、補償用PMFがΔτc=20psの場合は、ΔτF=Δτc/2=10ps辺りのペナルティ増大が顕著になることが分かる。そこで、なるべく広いΔτFの範囲で偏波モード分散を補償するためには、Δτcをある程度大きく設定する必要があるが、Δτcを大きく設定しすぎるとΔτF=Δτc/2におけるペナルティ増大が大きくなる。よって、適当なΔτcの範囲が存在する。
また同様に、図49(a),(b)はそれぞれ、40Gb/sOTDM信号を用いて伝送を行なったときの偏波モード分散補償あり/無しの場合の、伝送路PMDΔτF対20GHz成分強度と、伝送路PMDΔτF対アイ開口ペナルティの計算結果であり、補償ありの方と、補償無しの方との2種類が示されている。この場合も、NRZ信号の場合と同様な結果が得られる。
次に、最適なΔτの設定範囲の決め方を図50(a),(b)を用いて説明する。この図50(a)は、遅延量Δτcが最小の場合の伝送路PMD対アイ開口ペナルティの関係を示す図であり、図50(b)は、遅延量Δτcが最大の場合の伝送路PMD対アイ開口ペナルティの関係を示す図である。これらの図は、その設定範囲の決め方を模式的に示した図であって、点線aおよび点線bで示されたものは、偏波モード分散補償器が無いときの偏波モード分散によるペナルティ変化(PMDΔτF対ペナルティの関係)であり、実線で示されたものは、PMFで偏波モード分散補償を行なう場合の偏波モード分散によるペナルティ変化を示したものである。ここで、ペナルティ1dB以下を劣化許容基準とすると、PMD耐力(最大許容偏波モード分散量)は、この図50(a),(b)のΔτ(縦軸)が1dBで表される。なお、横軸におけるτmaxは、1タイムスロットの時間に対応している。
図50(a)(偏波制御器と遅延差ΔτcのPMFで偏波モード分散補償を行なう場合の伝送路PMDΔτF対ペナルティの関係)に示す実線の部分のうちΔτF>Δτcでは、点線aをΔτF軸方向にΔτXだけ並行移動した実線cを辿っている。そして、0<ΔτF<Δτcでは、ΔτF=Δτc/2近傍の点Bを最大にペナルティ増大があるが、点線bをΔτF軸方向にΔτcだけ並行移動した点線dと点線aの交点Aよりはペナルティが小さい。Δτcが大きく設定された場合には、点Bが点Aに近づく方向に移動し、1dB以下の劣化許容基準を超えてしまうので、点Aがペナルティ1dB以下の許容基準を満たすようにする必要がある。よって、図50(b)のように、Δτcの最大値としては、PMD耐力Δτ1dBの2倍となり、実用上点Aが劣化許容基準に達したところとなる。
また、この偏波モード分散補償方法は、ΔτFが1タイムスロットを越える場合には原理的に適用できない。この理由を図51(a),(b)を用いて説明する。図51(a),(b)は遅延量Δτが1タイムスロットを越える場合を説明する図であり、この図51(b)に示すように、ΔτFが1タイムスロット(25ps)より大きくなると、ΔτT=ΔτF+Δτcのときにモニタ強度が最大となるからである。すなわち、図51(b)において、偏波モード分散補償後の全PMD量がΔτT=ΔτF+Δτcとなるα,βの組み合わせの場合の方が、ΔτT=ΔτF−Δτcとなるα,βの組み合わせの場合より、波形劣化が大きいにもかかわらず、検出しているB/2GHz成分強度が大きくなるためである。
よって、ΔτF=(1タイムスロット)を偏波モード分散補償を行なう偏波モード分散量の最大値とすると、図50(b)のように、そのときはΔτc=(1タイムスロット)−(PMD耐力Δτ1dB)となる。
すなわち、偏波モード分散制御部225c(図41参照)が、最大許容偏波モード分散量を設定する最大許容偏波モード分散量設定手段(α・β設定回路212)をそなえるとともに、第1強度検出部(強度検出器13)で検出された第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路3中に設けられた偏波制御器4B及び偏波モード間遅延器230のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する場合に、システム稼働時においては、偏波モード間遅延器230の遅延量Δτcを、1タイムスロットから最大許容偏波モード分散量Δτ1dBを引いた値として定義される下限値以上で、且つ、最大許容偏波モード分散量Δτ1dBの2倍の大きさをもつ値として定義される上限値以下の値に設定していることになる。また、偏波モード分散制御部225cが、システム稼働時における偏波モード間遅延器230の遅延量を上限値又は下限値に設定してもよい。
再度図41に戻って、分散補償制御装置225cは、システム稼働前に、実際の光伝送システムで用いるものと同じ送受信機を用いて、PMD耐力を測定して、例えば、ペナルティ1dB以下を伝送可能の基準として、PMD耐力がΔτ1dBが求まる。その後、分散補償制御装置225cは、可変偏波モード間遅延器230の遅延量ΔτcをT−Δτ1dB<Δτc<2Δτ1dBの範囲に設定する。
このようにして、偏波モード分散の補償条件を初期段階で最適化し、システム稼働時の制御すべきパラメータを少なくできる利点がある。また、PMF231(図43参照)のような固定偏波モード間遅延素子の代わりに、可変偏波モード間遅素子(図41参照)を用いて制御する制御態様に発展させれば、さらに波形劣化を低減することができる。つまり、可変遅延素子の遅延量Δτcを、伝送路のPMD量ΔτFに一致させるように制御を行なうことによって、補償後のPMD量をΔτT=ΔτF−Δτc=0にするようにもできる。また、このように、超高速光伝送システムにおいて、伝送制限要因となる伝送路の偏波モード分散の補償を効果的に行なうことができる。
(D)本発明の第3実施形態の説明
実際の伝送においては、伝送路の波長分散と偏波モード分散との両方が、伝送速度および伝送距離の制限要因となる。これらを克服するためには、伝送路の波長分散値と偏波モード分散値を同時にモニタし、それぞれによる伝送光波形劣化を同時に補償するシステムが要求される。この『分散』という単語は、一般的には『波長分散』を意味するものとして使用されているが、第3実施形態では、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
図52に示す光伝送システム70も、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s、10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム70は、第1実施形態にかかる光伝送システム10と比して、伝送光信号の偏波モード分散を補償するとともに、伝送光信号の波長分散を補償する点が異なり、その他の点は第1実施形態にかかる光伝送システム10とほぼ同様のものである。
すなわち、この光伝送システム70は、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機72と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機77とが光伝送路(伝送ファイバ)73を介して接続されており、分散補償制御装置71が受信側に設けられている。なお、分散補償制御装置71は、『偏波モード分散・波長分散補償制御装置71』を意味する。
ここで、光受信機77は、波長分散補償器83,偏波モード分散補償器74,光分岐部75,光受信部76をそなえて構成されている。ここで、波長分散補償器83は、伝送光信号の波長分散を補償するものであり、偏波モード分散補償器74は、伝送される光信号に生じた偏波モード分散を補償するものである。なお、光分岐部75,光受信部76は、上述したものと同様なものであるので更なる説明を省略する。
また、分散補償制御装置71は、光分岐部75により取り出された光信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じる偏波モード分散の状態及び波長分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器74及び波長分散補償器83を制御するものであり、受光器78,バンドパスフィルタ〔B/2(Hz)BPF〕79A,バンドパスフィルタ〔B(Hz)BPF〕79B,強度検出器8OA,80B,偏波モード分散制御部91,波長分散制御部240をそなえて構成されている。
ここで、受光器78は、光分岐部75により取り出された光信号を受光して、電気信号に変換するものであり、また、バンドパスフィルタ〔B/2(Hz)BPF〕79Aは、光伝送路73を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔B/2(Hz)成分〕を検出するものであり、第1特定周波数成分検出部として機能している。この第1特定周波数成分は、光信号の伝送速度や信号波形に応じて適宜設定されるものであり、その周波数は、ビットレートの1/2に相当する周波数に設定されている。
そして、強度検出器80Aは、バンドパスフィルタ79Aにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出するものであり、第1強度検出部として機能している。
また、偏波モード分散制御部91は、強度検出器80Aで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路73の偏波モード分散量を制御するものであって、偏波モード分散量検出部81,波長分散量検出部81Bをそなえて構成されている。ここで、偏波モード分散量検出部81は、偏波モード分散量を検出するものであり、さらに、パラメータ設定回路82は、偏波モード分散量検出部81にて検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、光受信機77内の偏波モード分散補償器74に対して出力するものである。そして、偏波モード分散制御部91は、制御態様2(または、後述するような制御態様1)を使用している。
一方、バンドパスフィルタ〔B(Hz)BPF〕79Bは、光伝送路73を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分〔B(Hz)成分〕を検出するものであり、第2特定周波数成分検出部として機能している。ここで、この第2特定周波数成分の周波数は、ビットレートに相当する周波数に設定されている。強度検出器80Bは、バンドパスフィルタ79Bにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出するものであり、第2強度検出部として機能している。なお、この強度検出器80Bが、検出した上記第2特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるようにしてもよい。
また、波長分散制御部240は、強度検出器80Bで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73の波長分散量を制御するものであって、波長分散量検出部81B,波長分散量設定回路82Bをそなえて構成されている。
ここで、波長分散量検出部81Bは、強度検出器80Bにて検出された上記第2特定周波数成分の強度から、所定の第2関数演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量を検出するものである。また、波長分散補償量設定回路82Bは、波長分散量検出部81Bにて検出された上記波長分散量に基づいて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定するものであり、波長分散制御量設定部として機能している。
この制御方法は、第2強度検出部(強度検出器80B)で検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83をフィードバック制御する方法である。すなわち、第1関数を使わずに、検出された特定の周波数の強度が極大又は極小となるように、フィードバックして制御量を決定するようになっている。なお、上記第2実施形態において制御態様2を『極大となるように』と定義したが、以下、『極大又は極小となるように』フィードバック制御することも、制御態様2に含めるものとする。
そして、波長分散値と偏波モード分散値の同時モニタリングに、波長分散モニタ周波数fGVDとして、伝送速度B(b/s)と同一周波数B(Hz)が用いられる一方、PMDモニタ周波数fPMDとしては伝送速度B(b/s)の半分の周波数B/2(Hz)が用いられており、それぞれに異なる周波数が用いられている。なお、本実施形態は、受光器78の出力は2分岐されており、特定周波数成分を検出する周波数値は2種類となっているが、検出形式1を使用しているものである。検出形式2でない理由は、偏波モード分散制御を行なう信号系統(バンドパスフィルタ79A,強度検出器80A,偏波モード分散制御部91)は、1種類の周波数を用いており、また、波長分散制御を行なう信号系統(バンドパスフィルタ79B,強度検出器80B,波長分散制御部240)も、1種類の周波数を用いているからである。
また、本実施形態は、上記伝送光信号がNRZ光信号である場合には、第1特定周波数成分検出部(バンドパスフィルタ79A)が、第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されるとともに、第2特定周波数成分検出部(バンドパスフィルタ79B)が、第2特定周波数成分として、ビットレートに相当する周波数を検出するように構成されており、40Gb/sNRZ方式の場合、fGVD=40GHz,fPMD=20GHzに設定されている。なお、周波数設定例としては、これ以外の値を用いることもできる。
これから、偏波モード分散と波長分散とが互いに依存性があったとしても、それぞれの制御を同時かつ独立に行なうようにできる。例えば、40Gb/sNRZ方式の場合、fGVD=40GHz強度が極小に、fPMD=20GHz強度が極大になるように制御すればよい。
これにより、光信号の流れは次のようになる。光送信機72から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は光伝送路73を介して光受信機77に伝送され、光分岐部75により、光伝送路73を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散量検出装置71に送出される。
そして、分散量検出装置71においては、光分岐部75により取り出された光信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じた偏波モード分散の状態及び波長分散の状態がモニタされ、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器74及び波長分散補償器83の制御態様2による制御が行なわれる。すなわち、所定の補償値が得られるように、最大値制御が行なわれる。
具体的には、光分岐部75により取り出された光信号は受光器78により受光されて、電気信号に変換された後に、バンドパスフィルタ79A,79Bに入力される。そして、バンドパスフィルタ79Aでは、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔B/2(Hz)成分〕が検出され、強度検出器80Aにより、バンドパスフィルタ79Aにてそれぞれ検出された上記第1特定周波数成分の強度が検出され、この特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、フィードバック制御されるのである。
さらに、パラメータ設定回路82により、伝送光信号の偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散量検出部81にて検出された偏波モード分散量を相殺するようなパラメータ情報(遅延量Δτ)を設定するためのパラメータ設定制御信号が、光受信機77内に設けられた偏波モード分散補償器74に対して出力される。
そして、偏波モード分散補償器74では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路73を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。
一方で、分散補償制御装置71のバンドパスフィルタ79Bでは、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分〔B(Hz)成分〕が検出され、強度検出器80Bにより、バンドパスフィルタ79Bにてそれぞれ検出された上記第2特定周波数成分の強度が検出され、この特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、フィードバック制御されるのである。
そして、波長分散補償器83では、この制御信号を受けると、当該制御信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じた波長分散が補償される。すなわち、この分散補償制御ステップは、次のようになる。伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分が検出され(第1特定周波数成分検出ステップ)、この第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報が検出され(第1強度検出ステップ)、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路73の偏波モード分散量が制御される(偏波モード分散制御ステップ)とともに、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分が検出され(第2特定周波数成分検出ステップ)、この第2特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報が検出され(第2強度検出ステップ)、第2強度検出ステップで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73の波長分散量が制御されて(波長分散制御ステップ)いることになる。
これにより、それぞれの制御を独立かつ同時に行なうことができるようになる。
このような構成によって、TDM方式による超高速光伝送システムにおいて、伝送速度および伝送距離の制限要因となる波長分散補償と偏波モード分散補償とを同時に最適化することが可能になる。
このように、本発明の第3実施形態にかかる分散補償制御装置71によれば、前述した第1実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、伝送光信号の偏波モード分散を補償するだけでなく、伝送光信号の波長分散を補償することもできるので、偏波モード分散及び波長分散の影響による光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために更に寄与することができる。
なお、これとは逆に、偏波モード分散制御量と波長分散制御量とを制御態様1によって、制御を行なうこともできる。すなわち、偏波モード分散量を第1関数により求めるとともに、波長分散制御量を第2関数により求めることもできる。
ここで、第1関数により求めるとは、所定の第1関数演算〔すなわち、前述した式(2)、(3)を用いた関数演算〕を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出することである。また、第2関数により求めるとは、所定周波数成分強度の波長分散値依存性を予め計測して、データとして蓄えておき、このデータに基づいた関数を作成して、第2関数として求めることを意味する。
すなわち、偏波モード分散制御部(偏波モード分散量検出部81,パラメータ設定回路82)が、第1強度検出部で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路73中に設けられた偏波モード分散補償器74に対して偏波モード分散制御量を設定し、また、波長分散制御部240が、強度検出器80Bで検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定するようにしてもよい。ここで、波長分散量検出部81Bは、強度検出器80B(第2強度検出部)にて検出された上記第2特定周波数成分の強度から、所定の第2関数による演算(第2関数演算)を行なうことにより伝送光信号の波長分散量を検出するものであり、また、波長分散補償量設定回路82Bは、波長分散量検出部81Bにて検出された波長分散量に基づいて、伝送光信号の波長分散を補償すべく、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定するものであり、波長分散制御量設定部として機能する。
この場合の信号の流れは次のようになる。すなわち、図52に示す偏波モード分散量検出部81にて、強度検出器80Aにて検出された第1周波数成分の強度から、所定の第1関数演算〔すなわち、前述した式(2)、(3)を用いた関数演算〕を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量が検出される。また、波長分散量検出部81Bにて、強度検出器80Bにて検出された第2周波数成分の強度から、所定の第2関数演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量が検出され、さらに、波長分散補償量設定回路82Bにて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、波長分散量検出部81Bにて検出された上記波長分散量に基づいて、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して、波長分散制御量を設定するための制御信号が出力されるようになるのである。
なお、前述した第2実施形態にて説明したように、低周波重畳を用いて自動的にフィードバック制御を行なう場合には、偏波モード分散補償器74と波長分散補償器83の制御信号に重畳する低周波信号の周波数を別々にすれば、偏波モード分散補償器74及び波長分散補償器83を独立に制御することができる。
図53は、本発明の第3実施形態にかかる光伝送システムの構成を示すブロック図であるが、図52に示した光伝送システムと同等なシステムを表す図であって、波長分散値と偏波モード分散値との同時モニタにおいて、モニタリングに供する信号を取り出す(抽出する)位置に着目して描いたものである。受信された信号光は、光段(光分岐部75)にて2分岐されて、一方は、主信号系として光受信部76に入力されて、受光器76a〔図53では、PD(Photo Diode)と表示されている〕にてO/E変換されてから、光受信部76bにて受信処理がなされる(図53では、Rxと表示されている)。他方は、モニタ系として、受光器78(図53では、PDと表示されている)に入力されO/E変換されて、電気信号が処理されるようになっている。
さらに、電気段(受光器78)で2分岐され、中心波長fGVD(Hz)の狭帯域バンドパスフィルタ79Bに入力されてから、強度検出器80Aにてモニタ値が検出されるとともに、中心波長fPMD(Hz)の狭帯域バンドパスフィルタ79Bに入力されてから、強度検出器80Bにてモニタ値が検出される。すなわち、第1強度検出部(強度検出器80A)が、検出した上記第1特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されており、第2強度検出部(強度検出器80B)が、検出した上記第2特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されていることになる。なお、各モニタ系統はそれぞれ、1種類の周波数値が使用されているので、検出形式1が使用されていることになる。
また、図54は本発明の第3実施形態にかかる光伝送システムのより詳細なブロック図である。この図54に示す光伝送システム70は、光送信機72,光伝送路73,光受信機77,分散補償制御装置71をそなえて構成されている。
ここで、光受信機77内にある、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74とはそれぞれ可変型であって、波長分散補償量および偏波モード分散補償量が、システム稼働中、常時、最適値制御されることが可能である。また、光分岐部75からの出力信号は、分散補償制御装置71の受光器78に入力されるようになっている。そして、この受光器78の出力は、分岐されてバンドパスフィルタ79A,79Bにそれぞれ入力され、これらの出力が強度検出器80A,80Bに入力され、さらに、これらの出力はそれぞれ、CPU239A,239Bに入力されている。これらのCPU239A,239Bは、同時モニタ法を用い、受信端に配置した偏波モード分散補償器74と波長分散補償器83とをフィードバック制御するようになっており、偏波モード分散制御部及び波長分散制御部として機能している。
なお、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はなく、例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
また、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
さらに、偏波モード分散補償器および波長分散補償器は、CPU239A,239Bにより制御されているが、これに限らず、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、CPU239A,239Bの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入する場合もあり得る。
(D1)第3実施形態の第1変形例の説明
波長分散値と偏波モード分散値との同時モニタに関して、モニタリングに供する信号を取り出す(抽出する)位置は、様々な位置に設定して実施することも可能である。図55は本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる光伝送システムのブロック図を示す図であるが、この図55に示す光伝送システム70Aは、光送信機72と、光受信機77Aとが光伝送路73を介して接続されており、補償量モニタ装置92Aが受信側に設けられている。この補償量モニタ装置92Aは、受光器(PD)78A,78Bと、バンドパスフィルタ79B,79Aと、強度検出器80A,80Bとをそなえて構成されている。なお、周波数設定例としては、B(Gb/s)NRZ信号の場合、fGVD=B(GHz)、fPMD=B/2(GHz)であるが、これ以外の値を用いることもできる。
そして、受信端において、信号光は、光分岐部75A(光段)にて3分岐され、一つは主信号系(光受信部76)に、他の二つはそれぞれ、波長分散と偏波モード分散とのモニタに用いられるようになっている。
さらに、モニタ系光信号はそれぞれ、受光器78A,78Bにおいて受光され、電気段で異なる中心波長fGVD,fPMD(Hz)の狭帯域バンドパスフィルタ79B,79Aにて、それぞれ、異なる周波数成分が抽出されて、強度検出器80B,80Aにてモニタ値が検出される。なお、各モニタ系統はそれぞれ、1種類の周波数値が使用されているので、検出形式1が使用されていることになる。
また、図56は本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる光伝送システムのブロック図であり、図55を波長分散と偏波モード分散とを同時に補償するループまで着目した場合の構成を示したものである。また、この図56中で、図55と同じ符号を付したものは、同一または同様なものを表す。ここで、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74はそれぞれ可変型であって、波長分散補償量および偏波モード分散補償量が、システム稼働中、常時、最適値制御できるようになっている。また『分散』という単語は、本変形例でも、『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。NRZ方式の場合、fGVD=40GHz強度が極小に、fPMD=20GHz強度が極大になるように制御すればよい。これにより、互いに依存性があったとしても、それぞれの制御を同時かつ独立に行なうようにできる。
この図56に示す強度検出器80A,80Bの出力はそれぞれ、CPU239A,239Bに入力されており(検出形式1)、これらのCPU239A,239Bが、図55の同時モニタ法を用い、偏波モード分散制御部及び波長分散制御部として機能して、受信端に配置した波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74とをフィードバック制御するようになっている。
そして、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はなく、例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
なお、この偏波モード分散量と波長分散量との制御方法はそれぞれ、第1関数と第2関数とを用いた制御態様1を使用することも可能である。また、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御の切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
さらに、偏波モード分散補償器および波長分散補償器は、CPU239A,239Bにより制御されているが、これに限らず、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、CPU239A,239Bの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入する場合もあり得る。
なお、電気段で抽出した2つの異なる周波数成分のどちらか一方、もしくは両方が、主信号系のタイミング抽出に用いられるようにしてもよい。
(D2)第3実施形態の第2変形例の説明
また、信号分岐は、電気段にて行なうようにすることができる。図57は本発明の第3実施形態の第2変形例にかかる光伝送システム70Bのブロック図であるが、この図57に示す光伝送システム70Bは、光送信機72と、光受信機77Bとが光伝送路73を介して接続されており、補償量モニタ装置92Bが受信側に設けられている。そして、この光受信機77Bは、受光器78Cを有し、また、補償量モニタ装置92Bは、バンドパスフィルタ79A,79Bと、強度検出器80A,80Bとを有する。周波数設定例としては、B(Gb/s)NRZ信号の場合、fGVD=B(GHz)、fPMD=B/2(GHz)であるが、これ以外の値を用いることもできる。
そして、受信端において、信号光は、光受信機77B内の受光器78Cにて受光されて電気段にて3分岐される。一つは主信号系として光受信部76bへ入力され、他の二つはそれぞれ、波長分散と偏波モード分散とのモニタに用いられるようになっている。さらに、モニタ系光信号はそれぞれ、受光器78A,78Bにおいて受光され、電気段で異なる中心波長fGVD,fPMD(Hz)の狭帯域バンドパスフィルタ79B,79Aにて、それぞれ、異なる周波数成分が抽出されて、強度検出器80B,80Aにてモニタ値が検出される。これにより、検出形式1がとられていることになる。
また、図58は本発明の第3実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムのブロック図であるが、波長分散と偏波モード分散とを同時に補償するループまで着目した場合の構成が示されている。ここで、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74はそれぞれ可変型であって、波長分散補償量および偏波モード分散補償量が、システム稼働中、常時、最適値制御できるようになっている。また、この図58中で図57と同じ符号を付したものは、同一または同様なものを表す。さらに、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
この図58に示す強度検出器80A,80Bの出力はそれぞれ、CPU239A,239Bに入力されており、これらのCPU239A,239Bが、図57の同時モニタ法を用い、偏波モード分散制御部及び波長分散制御部として機能して、受信端に配置した波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74とをフィードバック制御するようになっている。
なお、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はなく、例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
また、それぞれの補償器のフィードバック制御においては、制御態様2により、極大値もしくは極小値に制御すればよいため、互いに依存性があったとしても、それぞれの制御を同時かつ独立に行なうようにするのである。例えば、40Gb/sNRZ方式の場合、fGVD=40GHz強度が極小に、fPMD=20GHz強度が極大になるように制御すればよい。なお、制御態様1を用いて、モニタ値を絶対値に制御するようにしてもよい。
また、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
さらに、偏波モード分散補償器及び波長分散補償器は、CPU239A,239Bにより制御されているが、これに限らず、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、CPU239A,239Bの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入する場合もあり得る。
なお、電気段で抽出した2つの異なる周波数成分のどちらか一方、もしくは両方が、主信号系のタイミング抽出に用いられるようにしてもよい。
(D3)第3実施形態の第3変形例の説明
図59は本発明の第3実施形態の第3変形例にかかる光伝送システムのブロック図であるが、この図59に示す光伝送システム70Cは、光送信機72Cと、光受信機77Cとが光伝送路73を介して接続されており、分散補償制御装置71Cが受信側に設けられている。
そして、光送信機72Cは、信号光源8Cと、波長分散補償量可変型の波長分散補償器4C(図59では、Txと表示されている)を有する。波長分散等化器として、信号光源8Cは、波長可変なレーザダイオード等が用いられ、波長分散補償器4Cにおいて伝送路の波長分散に応じて、信号光波長の最適化が行なわれる。また、光受信機77Cは、偏波モード分散補償量可変型の偏波モード分散補償器74と、光受信部76とを有し、システム稼働中、常時、最適値制御できるようになっている。なお、この図59中で用いられる符号で、上記の図58中で用いられたものと同一の符号を付したものは、同一なものあるいは同様な機能を有する。さらに、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。またシステム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はない。例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
また、この制御方法は、制御態様2を用いて、分散補償制御装置71Cが、第2強度検出部(強度検出器80B)で検出された第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83をフィードバック制御する方法をとっている。これにより、極大値もしくは極小値に制御すればよいため、互いに依存性があったとしても、それぞれの制御を同時かつ独立に行なうことができる。例えば、40Gb/sNRZ方式の場合、fGVD=40GHz強度が極小に、fPMD=20GHz強度が極大になるように制御すればよい。なお、制御態様1によって、モニタ値を絶対値に制御するようにしてもよい。
また、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
さらに、偏波モード分散補償器及び波長分散補償器は、CPU239A,239Bにより制御されているが、これに限らず、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、CPU239A,239Bの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入する場合もあり得る。
なお、その他のもので、上述したものと同一の符号を有するものは、同一又は同様な機能を有するものなので、更なる説明を省略する。また、ここでは図57に対応した方式の同時モニタ法が用いられているが、これに限らず、図53や図55に対応した方式の同時モニタ法を使用することができる。
(D4)第3実施形態の第4変形例の説明
図60は本発明の第3実施形態の第4変形例にかかる分散補償制御装置が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図であり、第3実施形態にかかる分散補償制御装置に比して、波長分散補償部83及び偏波モード分散補償部74に入力するパラメータ情報が最適化されるようになっているところが異なる。
すなわち、この図60に示す光伝送システム271Aは、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機72と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機77とが光伝送路(伝送ファイバ)73を介して接続されたものである。ここで、光送信機72,光送信機73,光受信機77はそれぞれ、前述したものと同様なものであるので、更なる説明を省略する。さらに、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
また、受信側に分散補償制御装置245が設けられており、この分散補償制御装置245は、第3実施形態にかかる分散補償制御装置71と同様のもの、すなわち、受光器78,バンドパスフィルタ79A,79B,強度検出器80A,8OB,パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82Bをそなえるとともに、補償量最適化制御部246a,246bをそなえて構成されている。ここで、受光器78,バンドパスフィルタ79A,79B,強度検出器80A,80B,パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82Bはそれぞれ、第3実施形態におけるものと同様の機能及び構成を有するものであるので、更なる説明は省略する。これにより、検出形式1がとられていることになる。
この補償量最適化制御部246a,246bはそれぞれ、システム稼働中に偏波モード分散及び波長分散を補償する際のフィードバック制御を自動的に行なうものであり、制御態様2が使用されている。また、補償量最適化制御部246a,246bはそれぞれ、パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82Bから出力されるパラメータ設定制御信号及び波長分散補償量制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、第1強度検出部(強度検出器80A,80B)からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82Bにおけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量及び波長分散補償量を最適化するものであり、バンドパスフィルタ272a,272b,位相比較回路273a,273b,低周波発振器274a,274b及び低周波重畳回路275a,275bをそなえて構成されている。これらのバンドパスフィルタ272a,272b,位相比較回路273a,273b,低周波発振器274a,274b及び低周波重畳回路275a,275bは、上記の第1実施形態の第5変形例にて説明したバンドパスフィルタ32,位相比較回路33,低周波発振器34及び低周波重畳回路35とそれぞれ同様なものなので、更なる説明を省略する。
そして、補償量最適化制御部246a,246bは、光伝送路73を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分の強度を極大値に自動的に固定するために、波長分散補償器83で与える波長分散補償量及び偏波モード分散補償器74で与える遅延量Δτにそれぞれ低周波f0(Hz)で微小変調を行なうようになっている。また、システム稼働中は、光伝送路73の経時変化に対して、波長分散補償量及び偏波モード遅延量Δτを常に最適値に保つために、トラッキング制御を行ない、このトラッキング制御の一例として、偏波モード分散を補償する際のフィードバック制御を、遅延量Δτを極大点Δτ0の周辺で微小変化させて(ディザリングさせて)、新しい極大点を検出することによって、自動的に求めるようにしている。また、波長分散を補償する際のフィードバック制御を、波長分散補償量を極大点の周辺で微小変化させて、新しい極大点を検出することによって、自動的に求めるようにしている。また、この補償量最適化制御部246a,246bによるフィードバック制御の方法は、上述したものと同様であるので、更なる説明を省略する。
なお、制御態様2の代わりに制御態様1をとってもよい。また、図示は省略するが、システム稼働前に、偏波モード分散補償量及び波長分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるための、偏波モード分散量検出部及び波長分散検出部と、強度検出器80A,80Bの出力を切り換えるスイッチとを設けて構成することもできる。
このような構成によって、この光伝送システム271Aにおいては、光送信機72から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は光伝送路73を介して光受信機77に伝送される。そして、伝送される光信号に生じた波長分散及び偏波モード分散を補償すべく、光分岐部75により、光伝送路73を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散補償制御装置245に送出される。そして、光分岐部75により取り出された光信号は受光器78にてO/E変換されてから2分岐され、バンドパスフィルタ79A,79Bにそれぞれ入力される。これらのバンドパスフィルタ79Aでは、ベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔B/2(Hz)成分〕が検出されるとともに、バンドパスフィルタ79Bでは、ベースバンドスペクトル中の第2特定周波数成分〔B(Hz)成分〕が検出される(特定周波数成分検出ステップ)。続いて、強度検出器80A,80Bにより、バンドパスフィルタ79A,79Bにて検出された上記第1特定周波数成分及び第2特定周波数成分の強度が検出される(強度検出ステップ)。
続いて、補償量最適化制御部246aにおいては、強度検出器80Aからの第1特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路82におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量が最適化される。そして、パラメータ設定制御信号が、補償量最適化制御部246aの低周波重畳回路275aを介して光受信機77内に設けられた偏波モード分散補償器74に対して出力され、偏波モード分散補償器74では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路73を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。なお、パラメータ設定回路82では、位相比較回路273aによる位相比較の結果得られる信号の符号を検出することによって、遅延量Δτが正負のいずれの方向にずれているかが判別されるので、B/2(Hz)成分中のf0成分強度変調成分がなくなる方向に遅延量Δτを変化させるためのパラメータ設定制御信号が生成されて出力される。さらに、低周波重畳回路275aは、パラメータ設定回路82からのパラメータ設定制御信号に低周波発振器274aからの低周波信号(f0〔Hz〕信号)を重畳して出力している。
同様に、補償量最適化制御部246bにおいては、強度検出器80Bからの第2特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、波長分散補償量設定回路82Bにおける波長分散補償量を制御することにより、上記伝送光信号の波長分散補償量が最適化される。
また、本発明の第3実施形態の第4変形例にかかる分散補償制御装置245において、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分及び第2特定周波数成分の強度を検出して、検出された第1特定周波数成分の強度から、所定の第1関数演算を行なうことにより伝送光信号の偏波モード分散量を検出することにより、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができるとともに、第2特定周波数成分の強度から、所定の第2関数演算を行なうことにより伝送光信号の波長分散補償量を検出することにより、伝送光信号に生じた波長分散量を簡便に検出することができる。
またこのようにして、システム稼働中は、光伝送路23の経時変化に対して、遅延量Δτが常に最適値に保たれるほか、偏波モード分散量及び波長分散量を検出し、検出されたそれぞれの量に基づいて、伝送光信号に生じた各パラメータ情報を設定することにより、偏波モード分散及び波長分散量とを補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために寄与できる利点がある。さらに、補償量最適化制御部246a,246bをそなえているので、伝送光信号の偏波モード分散及び波長分散量の補償量を最適化することができるとともに、偏波モード分散及び波長分散を補償する際のフィードバック制御が自動的に行なえることができる。
(D5)第3実施形態の第5変形例の説明
電気段にてタイミング抽出を行なうような構成にすることも可能である。図61は、本発明の第3実施形態の第5変形例にかかる光伝送システムの構成であるが、この図61に示す受信側の分散補償制御装置70’は、タイミング抽出部84を有する。その他のもので、上述したものと同一の符号を有するものは、同一又は同様な機能を有するものなので、更なる説明を省略する。さらに、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
このタイミング抽出部84は、バンドパスフィルタ79A,79Bのうち少なくとも1つにて検出された特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうものであり、これらのバンドパスフィルタ79A,79Bにて検出された特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出が行なわれ、取り出されたクロック信号は光受信機77の光受信部76に送出される。なお、光受信機76の光受信部76では、識別等に当該クロック信号が用いられる。
このような構成により、受光器78にてO/E変換された受信信号は、バンドパスフィルタ79A,79Bにて、各周波数成分が検出される。これらの周波数成分は、受信波形に同期した信号であるため、タイミング抽出部84でクロック信号が取り出され、光受信機76に入力されて主信号系のタイミング識別等に用いられる。そして、第3実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置71’が適用される光伝送システム70’においても、前述した第3実施形態にかかる分散補償制御装置71が適用される光伝送システム70とほぼ同様の動作が行なわれる。
このように、本発明の第3実施形態の第5変形例にかかる分散補償制御装置71’によれば、前述した第4実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、タイミング抽出部84によりクロック信号を抽出することにより、光伝送システム70’の光受信機77の機能を向上させることができる。
(E)本発明の第4実施形態の説明
第3実施形態においては、モニタリングする周波数値を2系統得ていたが、これを1系統にして、伝送路の波長分散値と偏波モード分散値とを同時にモニタし、それぞれによる伝送光波形劣化を同時に補償するようにもできる。なお、第4実施形態でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
図62は本発明の第4実施形態にかかる光伝送システムのブロック図であるが、この図62に示す光伝送システム270は、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s、10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム270は、第3実施形態にかかる光伝送システム70と比して、受光器78の出力にあるバンドパスフィルタが1系統となっている点が異なる。その他の点は第3実施形態にかかる光伝送システム70とほぼ同様のものである。
すなわち、この光伝送システム270は、伝送光信号を送信する送信端装置としての光送信機72と、伝送光信号を受信する受信端装置としての光受信機77とが光伝送路(伝送ファイバ)73を介して接続されており、分散補償制御装置271が受信側に設けられている。ここで、光送信機72、光伝送路73はそれぞれ、上述したものと同様なものであるので、更なる説明を省略する。
この光受信機77は、波長分散補償器83と、偏波モード分散補償器74と、光分岐部75と、光受信部75とをそなえて構成されている。そして、上記の第3実施形態と同様に、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74はそれぞれ可変型であって、波長分散補償量および偏波モード分散補償量は、システム稼働中、制御態様2によって常時、最適値制御できるようになっている。なお、光分岐部75,光受信部75はそれぞれ、上述したものと同様のものである。
また、分散補償制御装置271は、光受信機77内の光分岐部75により取り出された光信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じる偏波モード分散の状態及び波長分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器74及び波長分散補償器83を制御するものであり、図62に示すように、受光器78,バンドパスフィルタ(fe BPF)79,強度検出器80,偏波モード分散量・波長分散量検出部81C,波長分散補償量設定回路82B,パラメータ設定回路82をそなえて構成されている。ここで、受光器78,バンドパスフィルタ79,強度検出器80は、前述した第3実施形態におけるものと同様のものである。
また、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cは、強度検出器80にて検出された第1特定周波数成分の周波数に基づいて、上記偏波モード分散量及び波長分散量を検出するものである。なお、この第1特定周波数成分は、光信号の伝送速度や信号波形に応じて適宜設定されるものであるが、この周波数は、上記伝送光信号がRZ光信号又は光時分割多重信号である場合には、第1特定周波数成分検出部(偏波モード分散量・波長分散量検出部81C)が、第1特定周波数成分として、ビットレート又はビットレートの1/2に相当する周波数を検出するとともに、上記伝送光信号がNRZ光信号である場合には、第1特定周波数成分検出部(偏波モード分散量・波長分散量検出部81C)が、第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されている。
さらに、波長分散補償量設定回路82Bは、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにて検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83をフィードバック制御するものである。そして、これらの偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cと波長分散補償量設定回路82Bとが波長分散制御部241aとして機能している。
すなわち、波長分散制御部241aは、強度検出器80で検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83をフィードバック制御するようになっている。すなわち、制御態様2がとられている。
さらに、パラメータ設定回路82は、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにて検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、光受信機77内の偏波モード分散補償器74に対して出力するものである。そして、これらの偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cとパラメータ設定回路82とが、偏波モード分散制御部241bとして機能している。
またこれから、分散補償制御装置271は、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部(バンドパスフィルタ79)と、第1特定周波数成分検出部(バンドパスフィルタ79)にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部(強度検出器80)と、第1強度検出部(強度検出器80)で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路(光伝送路73)の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部(偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cとパラメータ設定回路82)と、第1強度検出部(強度検出器80)で検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、伝送路(光伝送路73)の波長分散量を制御する波長分散制御部(偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cと波長分散補償量設定回路82B)とをそなえて構成されることになる。
これにより、図62に示す第4実施形態にかかる分散補償制御装置271においての信号の流れは、次のようになる。
光分岐部75により取り出された光信号は、まず、受光器78において受光されて、電気信号にO/E変換されてバンドパスフィルタ79に入力され、バンドパスフィルタ79において、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕が検出され、強度検出器80において、バンドパスフィルタ79にて検出された上記第1特定周波数成分の強度が検出される。
ここで、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにおいて、強度検出器80にて検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、上記伝送光信号の偏波モード分散量及び波長分散量が検出され、パラメータ設定回路82により、伝送光信号の偏波モード分散を補償すべく、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにて検出された偏波モード分散量を相殺するようなパラメータ情報(遅延量Δτ及び光強度分岐比γ)を設定するためのパラメータ設定制御信号が、光受信機77内に設けられた偏波モード分散補償器74に対して出力されるとともに、波長分散補償量設定回路82Bにより、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにて検出された上記波長分散量に基づいて、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して、波長分散制御量を設定するための制御信号が出力される。ここで、例えば、40Gb/sNRZ方式の場合、fGVD=40GHz強度が極小に、fPMD=20GHz強度が極大になるように制御されている。
一方、偏波モード分散補償器74では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路73を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償されるとともに、波長分散補償器83では、この制御信号を受けると、当該制御信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じた波長分散が補償される。
このように、極大値もしくは極小値に制御するようにして、それぞれの制御を同時かつ独立に行なえるようになる。
なお、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74の制御方法については、制御態様1でもよく、それぞれのモニタ値を絶対値に制御することができる。すなわち、この波長分散制御部241aが、第1強度検出部(強度検出器80)で検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定するように構成することもできる。この場合は、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cは、第1強度検出部(強度検出器80)にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、所定の第2関数による演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量を検出するとともに、強度検出器80にて検出された第1周波数成分の強度から、所定の第1関数演算を行なうことにより上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出し、そして、波長分散補償量設定回路82Bは、波長分散量検出部(偏波モード分散量・波長分散量検出部81C)にて検出された上記波長分散量に基づいて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定するように構成すればよい。
なお、分散補償制御装置271は、この図62に示す強度検出器80が検出した上記第1特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成することもできる。
また、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はない。例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
さらに、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
さらに、偏波モード分散補償器及び波長分散補償器は、CPU239A,239Bにより制御されているが、これに限らず、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、CPU239A,239Bの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入する場合もあり得る。
このような構成により、第4実施形態にかかる分散補償制御装置271が適用される光伝送システム270においても、前述した第3実施形態にかかる分散補償制御装置71が適用される光伝送システム70とほぼ同様の動作が行なわれる。すなわち、この分散補償制御ステップは、伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分が検出され(第1特定周波数成分検出ステップ)、第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報が検出され(第1強度検出ステップ)、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大となるように、光伝送路73の偏波モード分散量が制御され(偏波モード分散制御ステップ)、第1強度検出ステップで検出された第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、光伝送路73の波長分散量が制御される(波長分散制御ステップ)ようになっている。
このように、本発明の第4実施形態にかかる分散補償制御装置271によれば、前述した第3実施形態の場合と同様の利点が得られる。
(E1)第4実施形態の第1変形例の説明
第4実施形態において、電気段で抽出した2つの異なる周波数成分のどちらか一方、もしくは両方を、主信号系のタイミング抽出に用いる構成にしてもよい。
図63は本発明の第4実施形態の第1変形例にかかる光伝送システムのブロック図であるが、この図63に示す分散補償制御装置70Aは、タイミング抽出部84を具備した場合の構成であるが、このタイミング抽出部84からの信号が、光受信部6へと入力され、主信号系のタイミングがとられる。
この図63に示す光伝送システム70Aも、時分割多重方式を採用した伝送速度B(b/s)(例えば40Gb/s、10Gb/s等)の光通信システムである。この光伝送システム70Aは、第4実施形態における光伝送システム270と比して、タイミング抽出部84が設けられている点が異なるが、それ以外の点は第4実施形態にかかる光伝送システム270とほぼ同様のものである。さらに、本変形例でも、『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
すなわち、分散補償制御装置71Aは、光分岐部75により取り出された光信号に基づいて光伝送路73を伝送する光信号に生じる偏波モード分散の状態及び波長分散の状態をモニタするとともに、そのモニタ結果に応じて偏波モード分散補償器74及び波長分散補償器83を制御するものであり、図62に示すように、受光器78、バンドパスフィルタ(fe BPF)79、強度検出器80、偏波モード分散量・波長分散量検出部81C、パラメータ設定回路82、波長分散補償量設定回路82B及びタイミング抽出部84をそなえて構成されている。
ここで、受光器78、強度検出器80、パラメータ設定回路82及び波長分散補償量設定回路82Bは、前述した第4実施形態におけるものと同様の機能及び構成を有するものである。また検出形式1がとられている。
また、バンドパスフィルタ79は、光伝送路73を介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕を検出するものである。なお、この第1特定周波数成分は、光信号の伝送速度や信号波形に応じて適宜設定されるものであるが、図62に示す光伝送システム70Aでは、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cにて上記偏波モード分散量及び波長分散量を検出する際に用いられる第1特定周波数成分の周波数は、ビットレートに相当する周波数に設定されている。
さらに、偏波モード分散量・波長分散量検出部81Cは、前述した第4実施形態における偏波モード分散量検出部81及び波長分散量検出部81Bとしての機能を有するものである。
つまり、分散補償制御装置71Aは、強度検出器80にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、前述したような所定の第2関数演算を行なうことにより伝送光信号の波長分散量を検出する波長分散量検出部と、波長分散量検出部にて検出された波長分散量に基づいて、伝送光信号の波長分散を補償すべく、光伝送路73中に設けられた波長分散補償器83に対して波長分散制御量を設定する波長分散補償量設定回路82Bとをそなえて構成されることになる。
なお、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74の制御方法については、制御態様1でもよい。また、CPUの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入することによって、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はない。例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。さらに、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
また、タイミング抽出部84は、バンドパスフィルタ79にて検出された特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうものであり、PLL等が用いられる。そして、バンドパスフィルタ79にて検出された特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出が行なわれ、取り出されたクロック信号は光受信機77の光受信部76に送出される。なお、光受信機76の光受信部76では、識別等に当該クロック信号が用いられる。
すなわち、fe(Hz)成分は受信波形に同期した信号であるため、タイミング抽出部84でクロック信号を取り出し、光受信機76における識別等に用いることができる。
このような構成により、第4実施形態の第1変形例にかかる分散補償制御装置71Aが適用される光伝送システム70Aにおいても、前述した第4実施形態にかかる分散補償制御装置271が適用される光伝送システム270とほぼ同様の動作が行なわれる。
このように、本発明の第4実施形態の第1変形例にかかる分散補償制御装置71Aによれば、前述した第4実施形態の場合と同様の利点が得られるほか、タイミング抽出部84によりクロック信号を抽出することにより、光伝送システム70Aの光受信機77の機能を向上させることができる。
(E2)第4実施形態の第2変形例の説明
図64は本発明の第4実施形態の第2変形例にかかる光伝送システムのブロック図であるが、バンドパスフィルタを1系統にしたところが異なる。すなわち、第3実施形態の第4変形例に対応して図60の分散補償制御装置245に比して、受光器78の出力が、バンドパスフィルタ〔fe BPF〕79にのみ出力されるようになっているところが異なる。
すなわち、この図64に示す光伝送システム271Bは、光送信機72,光受信機77,光伝送路(伝送ファイバ)73をそなえるほか、分散補償制御装置247をそなえて構成されており、この分散補償制御装置247は、受光器78,バンドパスフィルタ〔fe BPF〕79,強度検出器80,パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82B,補償量最適化制御部246a,246bをそなえて構成されている。ここで、受光器78,バンドパスフィルタ79,強度検出器80,パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82B,パラメータ設定回路82,波長分散補償量設定回路82B,補償量最適化制御部246a,246bはそれぞれ、上述したものと同様の機能及び構成を有するものであるので、更なる説明は省略する。また、この補償量最適化制御部246a,246bはそれぞれ、バンドパスフィルタ272a,272b,位相比較回路273a,273b,低周波発振器274a,274b及び低周波重畳回路275a,275bをそなえて構成されている。これらのバンドパスフィルタ272a,272b,位相比較回路273a,273b,低周波発振器274a,274b及び低周波重畳回路275a,275b畳回路35は、上述したものと同様なものなので、更なる説明を省略する。
また、本変形例でも、この『分散』という単語を、『偏波モード分散』と『波長分散』との両方の意味を含んだ意味で使用することとする。
なお、図示は省略するが、システム稼働前に、偏波モード分散補償量及び波長分散補償量を示すパラメータ情報の最適値を求めるための、偏波モード分散量検出部及び波長分散検出部と、強度検出器80の出力を切り換えるスイッチとを設けて構成することもできる。
また、CPUの前後にA/D変換器(図示省略)やD/A変換器(図示省略)を挿入することによって、同期検波等を用いたアナログ回路による制御方法を用いることも可能である。また、システム稼働開始時のみに波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値設定する場合は、必ずしもそれぞれの補償器は「可変」である必要はない。例えば、分散補償ファイバやファイバグレーティング型分散補償器等の「固定」分散補償器を挿入するようにしてもよい。
また、この制御方法は、制御態様2を用いているが、制御態様1を使用してもよい。さらに、システム稼働中、常時、波長分散補償量および偏波モード分散補償量を最適値制御する場合の制御切り換え方法は、上記のそれぞれの制御を独立に時間的に並行して行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行される方法をとってもよい。あるいは、時間的に重ならないように、時系列的に行なう方法、すなわち、上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行される方法をとってもよい。
このような構成によって、この光伝送システム271Bにおいては、光送信機72から送信された伝送速度B(b/s)の光信号は光伝送路73を介して光受信機77に伝送される。そして、伝送される光信号に生じた波長分散及び偏波モード分散を補償すべく、光分岐部75により、光伝送路73を介して伝送される光信号の一部が取り出され、取り出された光信号(モニタ光)が分散補償制御装置247に送出される。そして、光分岐部75により取り出された光信号は受光器78にてO/E変換されてから、バンドパスフィルタ79に入力される。このバンドパスフィルタ79では、ベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分〔fe(Hz)成分〕が検出される(特定周波数成分検出ステップ)。続いて、強度検出器80により、バンドパスフィルタ79にて検出された上記第1特定周波数成分の強度が検出される(強度検出ステップ)。
続いて、補償量最適化制御部246aにおいては、強度検出器80からの第1特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、パラメータ設定回路82におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量が最適化される。そして、パラメータ設定制御信号が、補償量最適化制御部246aの低周波重畳回路275aを介して光受信機77内に設けられた偏波モード分散補償器74に対して出力され、偏波モード分散補償器74では、このパラメータ設定制御信号を受けると、当該制御信号に基づいてパラメータ情報が設定され、光伝送路73を伝送する光信号に生じた偏波モード分散が補償される。なお、パラメータ設定回路82では、位相比較回路273aによる位相比較の結果得られる信号の符号を検出することによって、遅延量Δτが正負のいずれの方向にずれているかが判別されるので、B/2(Hz)成分中のf0(Hz)強度変調成分がなくなる方向に遅延量Δτを変化させるためのパラメータ設定制御信号が生成されて出力される。さらに、低周波重畳回路275aは、パラメータ設定回路82からのパラメータ設定制御信号に低周波発振器274aからの低周波信号(f0(Hz)信号)を重畳して出力している。
同様に、補償量最適化制御部246bにおいては、同じく強度検出器80からの第1特定周波数成分の強度に含まれる低周波信号成分が零となるように、波長分散補償量設定回路82Bにおける波長分散補償量を制御することにより、上記伝送光信号の波長分散補償量が最適化される。
このように、本発明の第4実施形態の第2変形例にかかる分散補償制御装置247によれば、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分の強度を検出して、検出された第1特定周波数成分の強度から、所定の第1関数演算を行なうことにより伝送光信号の偏波モード分散量を検出することにより、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができる。
またこのようにして、システム稼働中は、光伝送路73の経時変化に対して、遅延量Δτが常に最適値に保たれるほか、偏波モード分散量及び波長分散量を検出し、検出されたそれぞれの量に基づいて、伝送光信号に生じた各パラメータ情報を設定することにより、偏波モード分散及び波長分散量とを補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送を行なうために寄与する利点がある。さらに、補償量最適化制御部246a,246bをそなえているので、伝送光信号の偏波モード分散及び波長分散量の補償量を最適化することができるとともに、偏波モード分散及び波長分散を補償する際のフィードバック制御が自動的に行なえることができる。
(F)その他
上述した上述した第3実施形態及び第3実施形態の各変形例と、第4変形例並びに第4実施形態の各変形例の制御方法は、偏波モード分散と波長分散との両方が同一の制御態様2或いは制御態様1による制御をとっていた。しかし、これらを、混在させて制御を行なうことも可能である。すなわち、偏波モード分散制御は、制御態様1をとって、波長分散制御は制御態様2をとるというやり方でもよく、逆に、偏波モード分散制御は、制御態様2をとって、波長分散制御は制御態様1をとるというやり方をとっても制御は可能となる。また、補償量最適化制御を行なう際の制御方法も、制御態様1を用いてもよい。さらに、第3実施形態及びその変形例並びに第4実施形態及びその変形例では、波長分散補償器83と偏波モード分散補償器74との位置を入れ換えても実施可能である。
さらに、第2実施形態における偏波モード分散制御において、γとΔτCの制御及びα・βとΔτcとの制御に関しても同様に2種類の制御態様を混在して制御を行なうことができる。また、所定の制御値を見つけるために、制御態様1と制御態様2とを組み合わせてもよく、まず、大きく制御態様1によって所定の制御値の近傍の値を得た後に、制御態様2によってその近傍から極値を探索するような制御態様をとってもよい。これらを、次の(1),(2)に示す。
(1)γとΔτCの制御
第1実施形態において、光強度分岐光γは、送信側でのみ制御可能であって、このような制御可能な構成は、図19,21,27〜30に示した構成である。
これらの構成においては、γとΔτCをそれぞれ制御態様1によって制御量を求めているが、γは制御態様1かつΔτCは制御態様2、又は、γは制御態様2かつΔτC制御態様1、又は、γとΔτCがそれぞれ制御態様2を用いるようにして制御を行なうこともできる。また、大きく制御態様1によって所定の制御値の近傍の値を得た後に、制御態様2によってその近傍から極値を探索するような制御態様をとってもよい。
(2)α,βとΔτCの制御
同様に、第2実施形態における制御は、α,βとΔτCはそれぞれ制御態様2によって制御量を求めているが、α,βは制御態様2のままでΔτCが制御態様1を用いこともできる。また、大きく制御態様1によって所定の制御値の近傍の値を得た後に、制御態様2によってその近傍から極値を探索するような制御態様をとってもよい。
また、上述した各実施形態及び各変形例においての検出周波数値は、RZ信号,OTDM信号に対してはfe=B(Hz)を、また、NRZ信号に対してはfe=B/2(Hz)を使用している。この周波数値は、バンドパスフィルタで抽出される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の第1特定周波数成分として、伝送光信号におけるベースバンドスペクトルの成分が時間的に安定して得られる周波数であれば、その他の周波数を設定することもできる。
さらに、特定周波数が、ビットレートの1/2に相当する周波数に設定された場合には、上述した各実施形態及び各変形例における伝送光信号は、NRZ信号のほか、RZ光信号,光時分割多重信号を含むあらゆる光変調方式が適用可能である。
第1実施形態にて説明した遅延量補償器としては、図5に示すもののほか、図65に示すような遅延量補償器4A’も用いることができる。ここで、遅延量補償器4A’は、遅延量可変の遅延量補償器であり、図65に示すように、偏波制御器4A−2、偏波ビームスプリッタ(PBS:Polarization Beam Splitter)4A−5、4A−6及び可変光遅延器4A−7をそなえて構成されている。
偏波制御器4A−2は、2つの伝送路の偏波モード主軸成分がTE、TM偏波になるように制御するものであり、1/4波長板(λ/4板)4A−21、1/2波長板(λ/2板)4A−22及びアクチュエータ4A−23、4A−24から構成されている。また、偏波ビームスプリッタ4A−5は、偏波制御器4A−2を介して入力された光信号を2つに分離するものであり、可変光遅延器4A−7は、偏波ビームスプリッタ4A−5で分離された一方の光成分に遅延差を可変に与えるものであり、偏波ビームスプリッタ4A−6は、偏波ビームスプリッタ4A−5からの光成分と可変光遅延器4A−7からの光成分とを合波するものである。
なお、偏波制御器4A−2を構成するアクチュエータ4A−23、4A−24及び可変光遅延器4A−7は、それぞれパラメータ設定回路15からのパラメータ設定制御信号を受けるようになっており、また、遅延量補償器4A’としての最適制御は、偏波制御器4A−2での偏波方向及び可変光遅延器4A−7で与える遅延差に対して行なわれる。
さらに、上述した各実施形態においては、偏波モード分散補償器や波長分散補償器が、光送信機又は光受信機に設けられた場合について説明したが、これに限定されず、伝送光信号を中継する中継装置に設けることもできる。このときは、パラメータ設定回路又は波長分散補償量設定回路が、上記中継装置に設けられた偏波モード分散補償器又は波長分散補償器に対して、各制御信号を出力するように構成されることになる。
【産業上の利用可能性】
以上詳述したように、本発明に関連する技術の偏波モード分散量検出方法によれば、伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の特定周波数成分の強度を検出して、検出された特定周波数成分の強度から、所定の関数演算を行なって伝送光信号の偏波モード分散量を検出することにより、又は、最大値制御により、伝送光信号に生じた偏波モード分散を簡便に検出することができる利点がある。
本発明では、偏波モード分散量を検出し、検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号に生じた偏波モード分散を補償して光信号の伝送波形の劣化を防ぐことができ、高速光信号の長距離伝送の実現に寄与する。
また、本発明では、偏波モード分散量を検出し、検出された偏波モード分散量に基づいて、伝送光信号に生じた偏波モード分散を補償するとともに、波長分散量を検出し、検出された波長分散量に基づいて、伝送光信号に生じた波長分散を補償して、偏波モード分散及び波長分散の影響による光信号の伝送波形の劣化を防いで、高速光信号の長距離伝送の実現に寄与する。
Claims (60)
- 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 上記伝送光信号がNRZ光信号である場合には、該第1特定周波数成分検出部が、該第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数を検出するように構成されるとともに、
該第2特定周波数成分検出部が、該第2特定周波数成分として、ビットレートに相当する周波数を検出するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。 - 該偏波モード分散制御部が、該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項3記載の分散補償制御装置。 - 該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数成分及び第2特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえるとともに、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項3記載の分散補償制御装置。 - 上記パラメータ情報を、2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)と、上記2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)のうちの少なくとも一方としたことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の分散補償制御装置。
- 該パラメータ設定部が、上記伝送光信号の受信端となる受信端装置に設けられた偏波モード分散補償器に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の分散補償制御装置。
- 該パラメータ設定部が、上記伝送光信号を送信する送信端装置又は上記伝送光信号を増幅中継する中継装置に設けられた偏波モード分散補償器に対して、上記パラメータ情報を設定するためのパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の分散補償制御装置。
- 該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された、前記パラメータ設定制御信号に変調を与えるための所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード分散制御部が、該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード間遅延器が、偏波ビームスプリッタによって各偏波モード成分を分離して、可変光遅延路によって各偏波モード成分間に遅延差を与えた後に合波するデバイスとして構成されていることを特徴とする、請求項10記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード間遅延器が、偏波分散値の異なる複数の偏波保持ファイバを並列に配置し、該伝送路の偏波モード分散量に従って、光信号を透過させる偏波保持ファイバを光スイッチで切り換えるデバイスとして構成されていることを特徴とする、請求項10記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード分散制御部から上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器へ出力される制御信号に、予め設定された、前記制御信号に変調を与えるための所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部らの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項10記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード間遅延器が、偏波保持ファイバで構成されたことを特徴とする、請求項10記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード間遅延器が、遅延量を固定した状態の可変偏波モード間遅延器で構成されたことを特徴とする、請求項10記載の分散補償制御装置。
- 該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分に基づいて、受信信号のタイミング抽出を行なうタイミング抽出部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該波長分散制御部が、該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路中に設けられた波長分散補償器に対して波長分散制御量を設定するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該波長分散制御部が、
該第2強度検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度から、所定周波数成分強度の波長分散値依存性に基づいた関数である、所定の第2関数による演算を行なうことにより上記伝送光信号の波長分散量を検出する波長分散量検出部と、該波長分散量検出部にて検出された上記波長分散量に基づいて、上記伝送光信号の波長分散を補償すべく、該波長分散補償器に対して波長分散制御量を設定する波長分散制御量設定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項17記載の分散補償制御装置。 - 該波長分散制御部が、該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路中に設けられた波長分散補償器をフィードバック制御するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該第1強度検出部が、検出した上記第1特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 該第2強度検出部が、検出した上記第2特定周波数成分の強度についての情報をモニタ信号として出力しうるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の分散補償制御装置。
- 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償制御装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第1制御モードによる制御を行なうとともに、
該第1制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第2制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させる第3制御モードによる制御を行なうように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第4制御モードによる制御を行なうとともに、
該第4制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第5制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させる第6制御モードによる制御を行ない、
その後は、該第1特定周波数成分の強度が極大となるまで、上記の第4制御モード、第5制御モード、第6制御モードを繰り返し実行するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
該偏波モード分散制御部から上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器へ出力される制御信号に、予め設定された、前記制御信号に変調を与えるための所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえ、
該補償量最適化制御部が、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量をそれぞれ異なる周波数で低周波変調して、該伝送光信号のベースバンドスペクトル中の該第1周波数成分強度を検出し、その中に含まれる低周波数成分の強度変調成分が零となるように、上記の偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量を最適化するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
システム稼働中は、該偏波制御器のみの制御を行なう一方、システム稼働開始時及び該伝送路における偏波モード分散の条件を決める要素に切換があった時には、該偏波モード間遅延器を制御するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
最大許容偏波モード分散量を設定する最大許容偏波モード分散量設定手段をそなえ、且つ、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する場合に、システム稼働時においては、該偏波モード間遅延器の遅延量を、1タイムスロットから該最大許容偏波モード分散量を引いた値として定義される下限値以上で、且つ、該最大許容偏波モード分散量の2倍の大きさをもつ値として定義される上限値以下の値に設定しておくことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償制御装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部で検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償制御装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第1制御モードによる制御を行なうとともに、
該第1制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第2制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させる第3制御モードによる制御を行なうように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第4制御モードによる制御を行なうとともに、
該第4制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第5制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させる第6制御モードによる制御を行ない、
その後は、該第1特定周波数成分の強度が極大となるまで、上記の第4制御モード、第5制御モード、第6制御モードを繰り返し実行するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
該偏波モード分散制御部から上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器へ出力される制御信号に、予め設定された、前記制御信号に変調を与えるための所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえ、
該補償量最適化制御部が、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量をそれぞれ異なる周波数で低周波変調して、該伝送光信号のベースバンドスペクトル中の該第1周波数成分強度を検出し、その中に含まれる低周波数成分の強度変調成分が零となるように、上記の偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量を最適化するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
システム稼働中は、該偏波制御器のみの制御を行なう一方、システム稼働開始時及び該伝送路における偏波モード分散の条件を決める要素に切換があった時には、該偏波モード間遅延器を制御するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出部と、
第2特定周波数成分検出部にて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出部と、
該第2強度検出部で検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
最大許容偏波モード分散量を設定する最大許容偏波モード分散量設定手段をそなえ、且つ、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する場合に、システム稼働時においては、該偏波モード間遅延器の遅延量を、1タイムスロットから該最大許容偏波モード分散量を引いた値として定義される下限値以上で、且つ、該最大許容偏波モード分散量の2倍の大きさをもつ値として定義される上限値以下の値に設定しておくことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償制御装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、
該パラメータ設定部が、
伝送路上の任意の位置に設けられた第1の偏波モード分散補償器に対して、2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)を設定するための第1のパラメータ設定制御信号を出力する一方、該第1の偏波モード分散補償器よりも後段に配置された第2の偏波モード分散補償器に対して、上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)を設定するための第2のパラメータ設定制御信号を出力するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部と、
該パラメータ設定部から出力されるパラメータ設定制御信号に、予め設定された所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部におけるパラメータ設定を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部とをそなえ、
該補償量最適化制御部が、
互いに異なる低周波成分を有する2つの低周波信号を、上記所定の低周波信号として上記パラメータ設定制御信号に重畳するように構成されるとともに、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの一方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定を制御する一方、
該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記2つの低周波信号成分のうちの他方の低周波信号成分が零となるように、該パラメータ設定部における上記2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定を制御するように構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波モード分散補償器に対して偏波モード分散制御量を設定するように構成されるとともに、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中における前記第1特定周波数及び第2特定周波数と異なり前記ビットレートに応じて定まる第3特定周波数成分を検出する第3特定周波数成分検出部と、
該第3特定周波数成分検出部にて検出された上記第3特定周波数成分の強度についての情報を検出する第3強度検出部とをそなえ、且つ、
該偏波モード分散制御部が、
任意の伝送光信号を構成する光波形におけるベースバンドスペクトル中の周波数成分の強度を表す関数であって、且つ、当該周波数情報と偏波モード分散量を示すパラメータとを変数とした第1関数を用いることにより、該第1強度検出部及び該第3強度検出部にてそれぞれ検出された該第1特定周波数成分の強度及び該第3特定周波数成分の強度から、上記伝送光信号の偏波モード分散量を検出する偏波モード分散量検出部と、
該偏波モード分散量検出部にて検出された上記偏波モード分散量に基づいて、上記伝送光信号の偏波モード分散を補償するための制御量としてのパラメータ情報を有するパラメータ設定制御信号を、該偏波モード分散補償器に対して出力するパラメータ設定部とをそなえ、該分散補償制御装置が、
システム立ち上げ時又はシステム再立ち上げ時に、該偏波モード分散補償器で与える上記偏波モード分散量を示すパラメータを掃引制御する掃引制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第1制御モードによる制御を行なうとともに、
該第1制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第2制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が極大となるように変化させる第3制御モードによる制御を行なうように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量のいずれかを、該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、上記の方位角あるいは偏波モード間遅延量のうちの残りの制御パラメータは固定しておく第4制御モードによる制御を行なうとともに、
該第4制御モードの後に、該残りの制御パラメータの一方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させ、その間、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの他方を固定しておく第5制御モードによる制御を行ない、
最後に、最初に変化させた制御パラメータ及び該残りの制御パラメータの一方を固定しながら、該残りの制御パラメータの他方を該第1特定周波数成分の強度が増大するように変化させる第6制御モードによる制御を行ない、
その後は、該第1特定周波数成分の強度が極大となるまで、上記の第4制御モード、第5制御モード、第6制御モードを繰り返し実行するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
該偏波モード分散制御部から上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器へ出力される制御信号に、予め設定された、前記制御信号に変調を与えるための所定の低周波信号を重畳するとともに、該第1強度検出部からの上記第1特定周波数成分の強度に含まれる上記低周波信号成分が零となるように、上記の偏波制御器及び偏波モード間遅延器を制御することにより、上記伝送光信号の偏波モード分散の補償量を最適化する補償量最適化制御部をそなえ、
該補償量最適化制御部が、
該偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量をそれぞれ異なる周波数で低周波変調して、該伝送光信号のベースバンドスペクトル中の該第1周波数成分強度を検出し、その中に含まれる低周波数成分の強度変調成分が零となるように、上記の偏波制御器内の1/4波長板の方位角及び該1/2波長板の方位角並びに該偏波モード間遅延器の偏波モード間遅延量を最適化するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御し、
システム稼働中は、該偏波制御器のみの制御を行なう一方、システム稼働開始時及び該伝送路における偏波モード分散の条件を決める要素に切換があった時には、該偏波モード間遅延器を制御するように構成されていることを特徴とする、分散補償制御装置。 - 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出部と、
該第1特定周波数成分検出部にて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御部と、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御部とをそなえ、
該偏波モード分散制御部が、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御するように構成されるとともに、
最大許容偏波モード分散量を設定する最大許容偏波モード分散量設定手段をそなえ、且つ、
該第1強度検出部で検出された該第1特定周波数成分として、ビットレートの1/2に相当する周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路中に設けられた偏波制御器及び偏波モード間遅延器のうちの少なくとも一方をフィードバック制御する場合に、システム稼働時においては、該偏波モード間遅延器の遅延量を、1タイムスロットから該最大許容偏波モード分散量を引いた値として定義される下限値以上で、且つ、該最大許容偏波モード分散量の2倍の大きさをもつ値として定義される上限値以下の値に設定しておくことを特徴とする、分散補償制御装置。 - 該補償量最適化制御部が、上記の2つの偏波モードへの光強度の分岐比(γ)の設定制御及び2つの偏波モード間の遅延量(Δτ)の設定制御を、時間的に切り換えて行なうように構成されたことを特徴とする、請求項23,26,34,37,45,48のいずれか1項に記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード分散制御部が、該システム稼働時における該偏波モード間遅延器の遅延量を該下限値に設定することを特徴とする、請求項32,43,54のいずれか1項に記載の分散補償制御装置。
- 該偏波モード分散制御部が、該システム稼働時における該偏波モード間遅延器の遅延量を該上限値に設定することを特徴とする、請求項32,43,54のいずれか1項に記載の分散補償制御装置。
- 伝送路としての伝送ファイバを介して受信側に入力される伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中のビットレートに応じて定まる周波数の第1特定周波数成分を検出する第1特定周波数成分検出ステップと、
該第1特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第1特定周波数成分の強度についての情報を検出する第1強度検出ステップと、
該第1強度検出ステップで検出された該第1特定周波数成分の強度が極大となるように、該伝送路の偏波モード分散量を制御する偏波モード分散制御ステップと、
該伝送光信号におけるベースバンドスペクトル中の前記第1特定周波数成分とは異なり前記ビットレートに応じて定まる第2特定周波数成分を検出する第2特定周波数成分検出ステップと、
該第2特定周波数成分検出ステップにて検出された上記第2特定周波数成分の強度についての情報を検出する第2強度検出ステップと、
該第2強度検出ステップで検出された該第2特定周波数成分の強度が極大又は極小となるように、該伝送路の波長分散量を制御する波長分散制御ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、分散補償制御方法。 - 上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが独立して実行されることを特徴とする、請求項58記載の分散補償制御方法。
- 上記の偏波モード分散制御ステップと波長分散制御ステップとが時系列的に実行されることを特徴とする、請求項58記載の分散補償制御方法。
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