JP3879792B2 - 配電系統の地絡検出装置及び該地絡検出装置を用いた受配電設備 - Google Patents

配電系統の地絡検出装置及び該地絡検出装置を用いた受配電設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受配電設備で高圧配電線の地絡事故を検出するために用いる地絡検出装置、及び該地絡検出装置を用いた受配電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配電系統においては、電源変電所から引き出された複数の高圧配電線にネットワーク受配電設備や常用予備受配電設備などの様々な受配電設備が接続されている。また最近では、配電系統に、自家発電設備や太陽光発電設備などの分散型電源が接続されるため、該分散型電源を配電系統と連系させることが必要になっている。
【0003】
配電系統において、いずれかの高圧配電線で地絡事故が発生した場合には、電源変電所の変圧器と事故が生じた高圧配電線との間に設けられた遮断器に遮断動作を行なわせて、地絡事故が生じた高圧配電線を電源変電所の変圧器から切り離すようにしている。
【0004】
地絡事故が生じた場合には、事故が生じた高圧配電線を直ちに無電圧状態として、その事故の復旧作業を行う必要がある。ところが、配電系統にネットワーク受配電設備が設けられている場合には、複数の高圧配電線の間がネットワーク受配電設備内の回路を通して相互に接続されるため、事故が発生した高圧配電線を電源変電所の変圧器から切り離しても、他の健全な高圧配電線からネットワーク変圧器を通して、事故が発生した高圧配電線に逆電力の潮流が起る。
【0005】
ネットワーク受配電設備では、事故が生じた配電線につながるネットワーク変圧器(受電用変圧器)の励磁電流と事故が生じた配電線の対地静電容量を通して流れる充電電流との合成電流から逆電力の潮流が生じたことを、各ネットワーク変圧器の低圧側で検出するネットワーク継電器を各ネットワーク変圧器に対して設けて、該ネットワーク継電器により所定の位相、及びしきい値以上の逆電力の潮流が検出されたときに、ネットワーク変圧器の低圧側に設けられたプロテクタ遮断器を開くことにより、直ちにその回線を事故が生じた高圧配電線から切り離して逆電力の潮流を遮断するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ネットワーク受配電設備や常用予備受配電設備などの各種の受配電設備が設けられている配電系統に分散型電源が連系している場合には、系統の負荷バランス状態や分散型電源の発電状態等の系統条件によって電力の潮流状況が複雑に変わり、地絡事故の発生がない定常状態でも、ネットワーク受配電設備のネットワーク母線側からネットワーク変圧器を通して高圧配電線側に逆電力の潮流が起ることがある。このような定常時の逆電力の潮流に応答してネットワーク受配電設備内の遮断器が遮断動作を行なうことは避ける必要があるため、系統に分散型電源が連系している場合等の、逆電力の潮流が発生し易い系統条件の下では、ネットワーク受配電設備内で逆電力の潮流を検出している継電器のしきい値を高く設定して、該受配電設備内のプロテクタ遮断器の遮断動作に抑制をかける必要がある。
【0007】
ところが、高圧配電線側で地絡事故が発生して変電所側の遮断器が開いたときに、ネットワーク変圧器の励磁電流と高圧配電線の対地静電容量を通して流れる充電電流との合成電流は極めて小さいため、各ネットワーク受配電設備内の逆電力検出用の継電器のしきい値を高く設定すると、高圧配電線で地絡事故が発生したときに生じる逆電力の潮流を検出できなくなり、事故が生じた高圧配電線につながるネットワーク受配電設備内の回線を高圧配電線から切り離すことができなくなる。その結果、他の健全な高圧配電線から事故が生じた高圧配電線に給電され続けることになり、事故の復旧のための点検、修理作業等を行なうことができなくなる。
【0008】
上記のような事態を避けるためには、ネットワーク受配電設備内に高圧配電線の地絡事故を検出する地絡検出装置を設けて、該地絡検出装置が地絡を検出した時に直ちにネットワーク変圧器に直列に接続されているプロテクタ遮断器を開いて、事故が生じた高圧配電線につながるネットワーク受配電設備内の回線を該高圧配電線から切り離すことができるようにしておく必要がある。
【0009】
配電系統で従来から用いられている地絡検出装置は、零相変流器を用いて地絡事故発生時に流れる零相分を検出するようにしたものが多く、該地絡検出装置によりネットワーク受配電設備内で高圧配電線の地絡事故を検出するためには、ネットワーク変圧器の高圧側の回路に地絡検出装置を接続する必要がある。
【0010】
ところが、ネットワーク変圧器の高圧側の回路には高い電圧が印加されているため、この回路に零相変流器などの検出器を取り付けることは好ましくない。またネットワーク受配電設備では、ネットワーク変圧器と高圧配電線との間の構成をできるだけ簡素にしたいとの要請があるため、ネットワーク変圧器の高圧側の回路に余計な装置を接続することは避ける必要がある。
【0011】
そこで、高圧配電線側で生じた地絡事故を、ネットワーク変圧器の低圧側の回路で検出できるようにするのが望ましいが、高圧配電線側で地絡事故が生じた際に流れる零相電流は絶縁変圧器からなるネットワーク変圧器を通らないため、従来の地絡検出装置をネットワーク変圧器の低圧側の回路に接続しても高圧配電線側の地絡事故を検出することはできない。
【0012】
高圧配電線に高圧側が接続された受電用変圧器を備えたネットワーク受配電設備以外の受配電設備、例えば、低圧側に分散型電源を連系している受配電設備でも、同様の理由により、従来の地絡検出装置を用いて受電用変圧器の低圧側の回路で高圧配電線側の回路の地絡事故を検出することはできない。
【0013】
本発明の目的は、配電系統に設けられている受電用変圧器の低圧側の回路で高圧配電線側の地絡事故を検出することができるようにした配電系統の地絡検出装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、高圧配電線の地絡事故が生じたときにその事故を受電用変圧器の低圧側の回路で検出することにより受電用変圧器の高圧側の回路と低圧側の回路とを切り離して、事故が生じた高圧配電線への給電を停止するようにした受配電設備を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電源変電所から引き出された複数の高圧配電線にそれぞれ絶縁変圧器からなる受電用変圧器を備えた受配電設備が接続されている配電系統の高圧配電線で地絡事故が生じたことを検出する地絡検出装置に係わるもので、受電用変圧器の低圧側の回路を流れる3相交流電流を検出する3相交流検出部と、3相交流検出部により検出された3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、該基本波逆相分検出部により検出された逆相分から地絡事故の発生の有無を判定する地絡判定部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
電源変電所から複数の高圧配電線が引き出されている配電系統において、いずれかの高圧配電線で地絡事故が生じると、変電所の遮断器が動作して事故が生じた高圧配電線を変電所の変圧器から切り離す。このとき、例えば他の健全な高圧配電線側から事故が生じた高圧配電線につながる受電用変圧器の低圧側に給電されるようになっていると、該受電用変圧器の低圧コイルに励磁電流が流れるとともに、該受電用変圧器を通して地絡事故が生じた高圧配電線側に、該高圧配電線の対地静電容量を充電する充電電流が流れる。地絡が生じた高圧配電線に流れる充電電流は不平衡3相交流電流となり、該不平衡3相電流に含まれる成分のうち、正相分と逆相分は受電用変圧器を低圧側から高圧側に通過するため、事故が生じた高圧配電線につながる受電用変圧器の低圧側の回路で逆相分電流の顕著な変化が生じる。
【0017】
従って、上記のように、受配電設備に設けられた絶縁変圧器の低圧側の回路を流れる3相交流電流から基本波の逆相分を検出するようにすると、検出された逆相分電流を予め定めた判定基準と比較することにより、受配電設備の各変圧器がつながる高圧配電線で地絡事故が生じたか否かを検出することができる。
【0018】
上記逆相分から地絡事故の有無を判定するには、例えば、一定の時間毎に逆相分を検出するようにしておいて、各検出時刻において検出された逆相分と前回検出された逆相分との差をとることにより逆相分の変化量を検出し、検出された逆相分の変化量が所定の判定基準値以上になったときに地絡事故が発生したと判定するようにすればよい。
【0019】
また随時検出される逆相分に対して所定の判定基準を定めておいて、随時検出される逆相分が判定基準以上になったときに地絡事故が発生したと判定するようにしてもよい。
【0020】
上記のように、本発明によれば、配電系統に設けられている各受電用変圧器の低圧側の回路でその回路がつながる高圧配電線で地絡事故が発生したことを検出することができるため、受電用変圧器と高圧配電線との間の回路の構成を簡素にするという要請に応えつつ、各受配電設備で高圧配電線の地絡事故を検出して、事故が生じた高圧配電線につながる回線を該高圧配電線から切り離すなどの措置を講じることができる。
【0021】
上記基本波逆相分検出部は、例えば、3相交流検出部により検出された3相交流電流を3軸静止座標系におけるベクトル量として扱って該3軸静止座標系の3相交流電流を2軸が互いに直交する2軸静止座標系における2相交流電流に変換する3相/2相変換部と、2軸静止座標系を2相交流電流の基本波正相分の相回転方向または基本波逆相分の相回転方向に回転する第1の2軸回転座標系に変換することにより2相交流電流の基本波正相分及び基本波逆相分の一方を直流電流に変換し、他方を基本波周波数の2倍の周波数の交流電流に変換する第1の回転座標変換部と、第1の回転座標変換部の出力から2相交流電流の基本波正相分を除去して基本波逆相分を抽出するフィルタ手段と、第1の2軸回転座標系を該第1の2軸回転座標系と逆方向に回転する第2の2軸回転座標系に変換することにより、フィルタ手段により抽出された2相交流電流の基本波逆相分を2軸静止座標系における2相交流電流の基本波逆相分に逆変換する第2の回転座標変換部とを備えることにより構成できる。この場合、第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いるようにしてもよく、該2相交流電流の基本波逆相分を2相/3相変換することにより得た3相交流電流の基本波逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いるようにしてもよい。
【0022】
上記3相/2相変換部と、第1の回転座標変換部と、フィルタ手段と、第2の回転座標変換部と、地絡判定部とは、コンピュータと、該コンピュータに実行させる所定のプログラムとにより実現することができる。
【0023】
本発明において、3相不平衡電流の逆相分を検出するための演算は、3相の各相の電流にベクトル演算子a[=exp{j(2π/3)}]及びa2 を乗じることにより逆相分を求める対称座標法によってもよい。
【0024】
但し、対称座標法により3相不平衡電流の逆相分を求めるためには、ベクトル演算子a,a2 を乗じるための移相演算と、各相電流の平均化処理とを必要とするため、演算に要する時間が長くなり、逆相分を検出するまでに時間がかかるのを避けられない。
【0025】
これに対し、上記のように、座標変換法により逆相分を求めるようにすれば、演算を比較的短い時間で終えることができるため、逆相分の検出を高速で行なうことができ、逆相分電流の時々刻々の変化を容易かつ迅速に検出することができる。
【0026】
本発明において、第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いるようにした場合には、3相不平衡電流の様相を検証することはできない。しかし、高圧配電線側の回路で地絡事故が生じたことの検出のみを行なうのであれば、第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いてもなんら問題はない。
【0027】
第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分を2相/3相変換することにより得た基本波3相交流の逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いるようにした場合には、高圧配電線側の回路で地絡事故が生じた場合に、その地絡事故を検出することができるだけでなく、受電用変圧器を流れる3相不平衡電流の様相の検証をも行なうことができる。
【0028】
上記3相交流検出部は、例えば受電用変圧器の低圧側回路に取り付けた変流器により構成できるが、通常、ネットワーク受配電設備などの受配電設備では、受電用変圧器の低圧側の回路に変流器が設けられているので、その既設の変流器を利用して上記3相交流検出部を構成することができる。
【0029】
本発明に係わる受配電設備は、電源変電所から引き出された高圧配電線に高圧側が接続された絶縁変圧器からなる受電用変圧器と該受電用変圧器の高圧側の回路または低圧側の回路を開閉する遮断器とを備えたもので、受電用変圧器の低圧側の回路に設けられて該受電用変圧器を通して流れる3相交流電流を検出する変流器と、変流器により検出された3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、基本波逆相分検出部により検出された逆相分から受電用変圧器につながる高圧配電線側の回路で地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部と、該地絡判定部により地絡事故が発生したと判定した時に遮断器に遮断指令を与える遮断器制御部とを備えたことを特徴とする。
【0030】
上記受配電設備としては、電源変電所から引き出された複数の高圧配電線にそれぞれ高圧側が接続された絶縁変圧器からなる複数のネットワーク変圧器と、該複数のネットワーク変圧器に対して共通に設けられたネットワーク母線と、各ネットワーク変圧器の低圧側とネットワーク母線との間に設けられたネットワークプロテクタとを備えたネットワーク受配電設備が多く用いられている。ネットワークプロテクタは、対応するネットワーク変圧器の低圧側とネットワーク母線との間に設けられたプロテクタ遮断器と、対応するネットワーク変圧器の低圧側の回路を流れる電流を検出する変流器と、対応するネットワーク変圧器の低圧側から高圧側に逆電力の潮流が生じたことを検出したときにプロテクタ遮断器に遮断指令を与えるネットワーク継電器とを備えていて、ネットワーク継電器が逆電力の潮流を検出したときにプロテクタ遮断器を遮断する。
【0031】
このようなネットワーク受配電設備に本発明を適用する場合には、上記変流器が検出した3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、該基本波逆相分検出部が検出した逆相分から対応するネットワーク変圧器につながる回路で地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部と、地絡判定部が地絡事故が発生したと判定したときにプロテクタ遮断器に遮断指令を与える遮断器制御部とをネットワークプロテクタに設ける。
【0032】
上記のようにネットワーク受配電設備に地絡検出装置を設けておくと、受配電設備内で高圧配電線側の回路の地絡事故を検出することができるため、地絡事故が検出された高圧配電線につながる受電用変圧器の高圧側の回路と低圧側の回路とを切り離して、事故が生じた高圧配電線への給電を停止するなどの措置を迅速に講じることができるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係わる地絡検出装置の構成例を説明する。
【0034】
図4は本発明を適用する配電系統の構成例を示したもので、同図において1は発電所2に送電線を通して高圧側が接続された変圧器1A1〜1A3と、変圧器1A1〜1A3のそれぞれの低圧側に接続された母線1B1〜1B3とを備えた電源側変電所である。
【0035】
変電所1の母線1B1〜1B3にはそれぞれ遮断器1C1〜1C3を介して高圧配電線3a〜3cが接続されている。母線1B3には更に遮断器1C4を通して高圧配電線3dが接続されている。この例では、変圧器1A1〜1A3から母線1B1〜1B3と遮断器1C1〜1C4とを通して配電線3a〜3dに20KV級の特別高圧の電圧が印加されている。
【0036】
図示してないが、電源変電所1には配電線3a〜3dを流れる電流が制限値を超えた時に遮断器1C1〜1c4をトリップする過電流継電器(OC)と、高圧配電線3a〜3cで地絡事故が発生した時に遮断器1c1〜1C3をトリップする地絡継電器(GR)とが設けられている。
【0037】
図示の例では、本発明に係わるネットワーク受配電設備4が高圧配電線3a〜3cに接続されている。この受配電設備は、高圧配電線3a〜3cにそれぞれ断路器4Aa〜4Acを通して高圧側が接続されたネットワーク変圧器4Ba〜4Bcと、変圧器4Ba〜4Bcの低圧側にそれぞれプロテクタヒューズ4Ca〜4Ccを通して一端が接続されたプロテクタ遮断器4Da〜4Dcと、遮断器4Da〜4Dcの他端に接続されたネットワーク母線BUS1 と、遮断器4Da〜4Dcを制御する遮断器制御部4Ea〜4Ecとを備えている。変圧器4Ba〜4Bcの低圧側の回路には変流器4Fa〜4Fcが取り付けられていて、これらの変流器により検出された3相交流の信号が遮断器制御部4Ea〜4Ecに与えられている。遮断器制御部4Ea〜4Ecにはまたネットワーク変圧器4Ba〜4Bcの低圧側の電圧が与えられている。
【0038】
遮断器制御部4Ea〜4Ecはそれぞれ、ネットワーク継電器を備えていて、ネットワーク変圧器4Ba〜4Bcの低圧側から高圧側に(ネットワーク母線側BUS1 から高圧配電線3a〜3c側に)しきい値以上の逆電力の潮流が生じた時に、プロテクタ遮断器4Da〜4Dcをトリップするようになっている。
【0039】
ネットワーク母線BUS1 には、高圧配電線3a〜3cの特別高圧の電圧(22KV)をネットワーク変圧器4Ba〜4Bcにより降圧して得た電圧(例えば400V)が印加されている。
【0040】
図示の例では、プロテクタヒューズ4Ca、プロテクタ遮断器4Da、変流器4Fa及び遮断器制御部4Eaにより、ネットワークプロテクタ4Gaが構成され、プロテクタヒューズ4Cb、プロテクタ遮断器4Db、変流器4Fb及び遮断器制御部4Ebにより、ネットワークプロテクタ4Gbが構成されている。またプロテクタ遮断器4Dc、変流器4Fc及び遮断器制御部4Ecにより、ネットワークプロテクタ4Gcが構成されている。
【0041】
また、図示の例では、本発明に係わるネットワーク受配電設備以外に、本発明に係わる地絡検出装置を用いた受配電設備として、低圧側に分散型電源を連系した常用予備受配電設備5が高圧配電線3a及び3bに接続されている。この受配電設備は、配電線3a及び3bにそれぞれ遮断器5Aa及び5Abを介して高圧側が接続された受電用変圧器5Bと、受電用変圧器5Bの低圧側に遮断器5Cを通して接続された母線BUS2 と、変圧器5Bの低圧側の回路に取り付けられた変流器5Dと、変流器5Dの出力及び変圧器5Bの低圧側の電圧を入力として、変圧器5Bの低圧側から高圧側に逆電力の潮流が生じたことが検出されたときに遮断器5Cをトリップする継電器を有する遮断器制御部5Eとを備えている。母線BUS2 には、特別高圧の電圧を変圧器5Bにより降圧して得た電圧(例えば6000V)が印加されている。
【0042】
図示の例では、ネットワーク母線BUS1 に開閉器SW0 を通して配電線用変圧器Tr の高圧側が接続されるとともに、開閉器SW1 〜SW4 を通して負荷A1 〜A4 が接続されている。また常用予備受配電設備5の母線BUS2 には負荷A5 及びA6 が接続され、高圧配電線3dには、22[KV]の負荷A7 が接続されている。
【0043】
更に、ネットワーク母線BUS1 及び常用予備受配電設備の母線BUS2 にそれぞれ分散型電源G1 及びG2 が接続されている。
【0044】
図4には図示してないが、配電系統には更に配電塔などの各種の受配電設備や分散型電源が接続されることがある。
【0045】
図4に示したような配電系統において、例えば高圧配電線3aのX点で地絡事故が発生した場合には、変電所1に設けられている地絡保護継電器が変圧器1A1と事故が生じた高圧配電線3aとの間に設けられた遮断器1c1に遮断動作を行なわせて、地絡事故が生じた配電線3aを変電所の変圧器1A1から切り離す。このとき、健全な高圧配電線3b及び3c側から、ネットワーク受配電設備4内の回路(断路器4Ab−ネットワーク変圧器4Bb−遮断器4Dbの回路及び断路器4Ac−ネットワーク変圧器4Bc−遮断器4Dcの回路)とネットワーク母線BUS1 とを通して事故が起きた高圧配電線3aにつながるネットワーク変圧器4Baに電流が流れ込み、該変圧器4Baの低圧側から高圧側に逆電力の潮流が生じる。このとき、遮断器制御部4Ea に設けられたネットワーク継電器は、変圧器4Baの励磁電流と、ネットワーク母線BUS1 側から変圧器4Baを通して高圧配電線3aの対地静電容量Cに流れる充電電流との合成電流及び変圧器4Ba の低圧側の電圧を検出して逆電力の潮流を検出し、プロテクタ遮断器4Daを開く。
【0046】
図4に示したネットワーク受配電設備4において、逆電力に対するネットワーク継電器のしきい値を低くしておくと、高圧配電線3a〜3cに地絡事故が生じていない状態で、分散型電源G1 からネットワーク母線BUS1 とネットワーク変圧器4Ba〜4Bcとを通して配電線3a〜3c側に逆電力の潮流が生じたときにもプロテクタ遮断器4Da〜4Dcが遮断動作を行ってしまう。
【0047】
上記のように定常時の逆電力の潮流に応答してネットワーク受配電設備4内の遮断器が遮断動作を行なうことは避ける必要がある。従って、図4に示したように系統に分散型電源が連系している場合には、受配電設備4内で逆電力の潮流を検出している継電器のしきい値を高く設定して、該受配電設備内の遮断器の動作に抑制をかける必要があり、高圧配電線3a〜3c側で地絡事故が生じた時に、事故が生じた高圧配電線につながる回線を切り離すことができなくなることがある。このような事態が生じないようにするためには、ネットワーク受配電設備4内に高圧配電線の地絡事故を検出する地絡検出装置を設けて、該地絡検出装置により高圧配電線の地絡事故が検出された時にネットワーク変圧器の高圧側の回路と低圧側の回路とを切り離すようにしておけばよい。
【0048】
図1は、本発明に係わる地絡検出装置の全体的な構成を示したもので、同図において、10u〜10wは配電系統に接続されている絶縁変圧器(図4の例では、ネットワーク変圧器4Ba〜4Bc)の低圧側のU,V,W3相の回路であり、これらの回路には、変流器CTau,CTav及びCTawが取り付けられている。ネットワーク受配電設備のように、絶縁変圧器の低圧側の回路に既に変流器(例えば図4の変流器4Fa〜4Fc)が設けられている場合には、その既設の変流器を変流器CTau〜CTawとして利用することができる。図1に示した例では、変流器CTau,CTav及びCTawにより、絶縁変圧器の低圧側の回路を流れる3相交流電流を検出する3相交流検出部11が構成され、この3相交流検出部11から得られる3相交流電流の検出値が基本波逆相分検出部12に与えられている。
【0049】
基本波逆相分検出部12は、座標変換法により不平衡3相交流電流の逆相分を検出する部分で、この基本波逆相分検出部は、3相交流検出部11により検出された3相交流を3軸静止座標系におけるベクトル量として扱って該3軸静止座標系における3相交流電流を2軸が互いに直交する2軸静止座標系における2相交流電流に変換する3相/2相変換部13と、2軸静止座標系を2相交流電流の基本波正相分の相回転方向または基本波逆相分の相回転方向に回転する第1の2軸回転座標系に変換することにより3相/2相変換部13が求めた2相交流電流の基本波正相分及び基本波逆相分の一方を直流電流に変換し、他方を基本波周波数の2倍の周波数の交流電流に変換する第1の回転座標変換部14と、該第1の回転座標変換部14の出力から2相交流電流の基本波正相分を除去して基本波逆相分を抽出するフィルタ手段15と、第1の2軸回転座標系を該第1の2軸回転座標系と逆方向に回転する第2の2軸回転座標系に変換することにより、フィルタ手段15により抽出された2相交流電流の基本波逆相分を2軸静止座標系における2軸静止座標系における2相交流電流の基本波逆相分に逆変換する第2の回転座標変換部16と、該基本波2相交流を2相/3相変換することにより3相交流電流の基本波逆相分を得る2相/3相変換部17とからなっている。2相/3相変換部17から得られる3相交流電流の基本波逆相分は、地絡事故の発生の有無を判定する地絡判定部18に与えられている。基本波逆相分検出部12及び地絡判定部18は、マイクロコンピュータと該マイクロコンピュータに実行させる所定のプログラムとにより実現される。
【0050】
3相/2相変換部13は、3相交流検出部11により検出された3軸静止座標系の3相交流電流を2軸が互いに直交する2軸静止座標系における2相交流電流に変換する部分で、図2に示したように、U,V,Wの3軸が平面上で互いに120度の角度間隔をもって交差する3軸静止座標系をα及びβの2軸が直交する2軸静止座標系に変換する演算(3相/2相変換)を行なって、3軸静止座標系の3相交流Iu,Iv及びIw(文章中ではベクトル量を示すドットの表示を省略する。)の信号を、2軸静止座標系の2相交流電流Iα及びIβの信号に変換する。図2に示したように、3軸静止座標と2軸静止座標とがなす角をδとした場合、3相/2相変換の演算は下記の式[数1]の通りである。
【0051】
【数1】
Figure 0003879792
ここでδ=0となるように、α軸及びβ軸を定めると、上記の式は次の式[数2]のようになる。
【0052】
【数2】
Figure 0003879792
また[数2]の式の電流(Iu,Iv,Iw)は、対称座標法により、対称分である零相分電流I0 、正相分電流I1 及び逆相分電流I2 とベクトル演算子a及びa2 とを用いて、下記の[数3]のように表される。
【0053】
【数3】
Figure 0003879792
ここで、零相分電流を無視すると、I0 =0となるため、[数3]の式は下記の[数4]のようになる。
【0054】
【数4】
Figure 0003879792
[数4]の式を[数2]の式に代入すると、Iα及びIβを求める式は下記の[数5]のようになる。
【0055】
【数5】
Figure 0003879792
ここで[数5]の行列式を展開してIαを演算する式を求めると、下記の[数6]のようになる。
【0056】
【数6】
Figure 0003879792
ベクトル演算子a及びa2 はそれぞれ下記の[数7]及び[数8]の通りである。
【0057】
【数7】
Figure 0003879792
【数8】
Figure 0003879792
[数7]及び[数8]の式を[数6]の式に代入すると、電流Iαは下記の式[数9]で与えられる。
【0058】
【数9】
Figure 0003879792
図3に示すように、基準電圧V1 と正相分電流I1 とがなす角度をΦとし、基準電圧V1 と逆相分電流I2 がなす角度をθとすると、I1 (ベクトル)=I1 εj(ωt+Φ)、I2 (ベクトル)=I2 εj(ωt+θ)と表示できるため、電流Iαは、下記の[数10]で与えられる。
【0059】
【数10】
Figure 0003879792
同様にして、電流Iβは、下記の式[数11]から求められる。
【0060】
【数11】
Figure 0003879792
上記の式[数10]及び[数11]の演算をコンピュータに行なわせることにより、3相/2相変換を行い、2軸静止座標系における2相交流Iα及びIβを求める。
【0061】
次に第1の回転座標変換部14は、α,βの2軸静止座標系を2相交流電流の基本波正相分の相回転方向または基本波逆相分の相回転方向に相回転の速度と同速度で回転する第1の2軸回転座標系に変換することにより3相/2相変換部13が求めた2相交流電流Iα及びIβの基本波正相分及び基本波逆相分の一方を直流成分に変換し、他方を基本波周波数の2倍の周波数成分に変換する。ここで、第1の2軸回転座標系を基本波正相分の相回転方向と同方向に該基本波正相分と同速度で回転させると、基本波正相分は直流分として現れ、基本波逆相分は基本波の周波数の2倍の周波数の成分として現れる。また第1の2軸回転座標系を基本波逆相分の相回転方向と同方向に該逆相分と同速度で回転させると、基本波正相分は基本波周波数の2倍の周波数の成分として現れ、基本波逆相分は直流分として現れる。
【0062】
第1の2軸回転座標系の回転方向はいずれの方向としてもよいが、以下の説明では、第1の2軸回転座標系の回転方向が、基本波逆相分の相回転方向と同方向(配電系統の電圧ベクトルの回転方向と逆方向)であるとする。
【0063】
すなわち、2相変換した2相電流Iα及びIβ(いずれもベクトル量)のα,β直交2軸静止座標系を、配電系統の電圧ベクトルと逆方向に、該電圧ベクトルと同速度で回転する直交2軸回転座標系の2相電流Ip及びIq(ベクトル量)に変換する。直交2軸静止座標系から直交2軸回転座標系への変換式は下記の式[数12]の通りである。
【0064】
【数12】
Figure 0003879792
この行列式を開いて回転座標系の電流Ipを求めると下記の[数13]のようになる。
【0065】
【数13】
Figure 0003879792
同様にして、回転座標系の電流Iqは、下記の[数14]から求められる。
【0066】
【数14】
Figure 0003879792
回転座標系の電流Ip及びIqの第1項は正相分電流I1 であり、角速度2ωtの交流成分となる。また第2項は逆相分電流I2 であり、この逆相分電流I2 は時間的要素がないので直流成分となる。
【0067】
図1のフィルタ手段15は、ローパスフィルタからなっていて、上記Ip及びIqから交流成分(正相分電流)を除去することにより、p,q2軸回転座標系における逆相分電流を抽出する。
【0068】
p,q2軸回転座標系における逆相分電流のp軸成分Ip-DCは下記の式[数15]のようになる。
【0069】
【数15】
Figure 0003879792
またp,q2軸回転座標系における逆相分電流のq軸成分Iq-DCは下記の式[数16]のようになる。
【0070】
【数16】
Figure 0003879792
第2の回転座標変換部16は、第1の回転座標変換部14により行った演算処理と逆の手順でp,q2軸回転座標系(第1の2軸回転座標系)を該第1の2軸回転座標系と逆方向に、該第1の2軸回転座標系と同速度で回転する第2の2軸回転座標系に変換することによって、フィルタ手段15により抽出された2相逆相分電流(上記[数15]及び[数16]の逆相成分Ip-DC及びIq-DCを有する2相交流)を、α,β2軸静止座標系における2相交流電流の基本波逆相分に逆変換する。
【0071】
2相/3相変換部17は、第2の回転座標変換部16から得られる2相交流電流の基本波逆相分を、3相/2相変換部13で行った処理と逆の手順で3軸静止座標系における3相交流電流の基本波逆相分(受電用変圧器の低圧側の回路から検出された3相交流電流Iu,Iv,Iwに含まれる逆相分電流)に変換する。
地絡判定部18は、基本波逆相分検出部12により検出された逆相分から地絡事故の発生の有無を判定する。基本波逆相分検出部12により検出された逆相分から地絡事故の有無を判定するには、例えば、一定の時間毎に逆相分を検出するようにしておいて、各検出時刻において検出された逆相分と前回検出された逆相分との差をとることにより逆相分の変化量を検出し、検出された逆相分の変化量が所定の判定値以上になったときに地絡事故が発生したと判定するようにすればよい。
【0072】
また随時検出される逆相分に対して所定の判定基準を定めておいて、検出された逆相分が判定基準以上になったときに地絡事故が発生したと判定するようにしてもよい。
【0073】
上記の例では、第1の回転座標変換部14で、2軸回転座標系を系統電圧に含まれる逆相分の相回転方向と同方向に回転させたが、該2軸回転座標系を系統電圧に含まれる正相分の相回転方向と同方向に回転させるようにしてもよい。この場合には、逆相分電流が基本波周波数の2倍の周波数の信号として得られるので、フィルタ手段15はハイパスフィルタにより構成する。
【0074】
上記の例では、基本波逆相分検出部12において、第2の回転座標変換部16により得た2相交流電流の逆相分を2相/3相変換部により3相交流電流の逆相分に変換するようにしたが、このように構成すると、外部回路で地絡事故が生じた場合に、その地絡事故を検出することができるだけでなく、受電用変圧器を流れる3相不平衡電流の様相の検証をも行なうことができる。
【0075】
なお外部回路で地絡事故が生じたことの検出のみを行なうのであれば、第2の回転座標変換部16から得られる2相交流電流の基本波逆相分を基本波逆相分検出部の検出出力として用いてもなんら問題はないので、2相/3相変換部17は省略することもできる。
【0076】
図1に示した例では、3相交流検出部11と、基本波逆相分検出部12と、地絡判定部18とにより、本発明に係わる地絡検出装置が構成されている。
【0077】
図4に示した配電系統に本発明を適用する場合には、図1に示した基本波逆相分検出部12と地絡判定部18とをネットワークプロテクタ4Ga〜4Gcのそれぞれに設けるとともに、ネットワークプロテクタ4Ga〜4Gcにそれぞれに設けられた地絡判定部18により高圧配電線3a〜3cで地絡事故が発生したと判定されたときに、遮断器制御部4Ea〜4Ecがそれぞれ遮断器4Da〜4Dcに遮断指令を与えるようにしておく。
【0078】
同様に、常用予備受配電設備5にも基本波逆相分検出部12と地絡判定部18とを設けるとともに、地絡判定部18により高圧配電線側で地絡事故が発生したと判定されたときに、遮断器制御部5Eが遮断器5Cに遮断指令を与えるように構成しておく。また遮断器5Cに代えて、遮断器5Aaまたは5Abに遮断指令を与えるようにしてもよい。
【0079】
上記のように構成すると、例えば図4のX点で地絡事故が生じて、高圧配電線3aが変電所1の母線1B1から切り離されたときに、ネットワーク受配電設備では、遮断器制御部4Eaに設けられた地絡判定部が高圧配電線3aで地絡事故が発生したことを検出するため、プロテクタ遮断器4Daが開いて、変圧器4Baの高圧側回路と低圧側回路とを切り離す。これにより、他の健全な配電線3b及び3c側から変圧器4Bb及び4Bcとネットワーク母線BUS1 と変圧器4Baとを通して高圧配電線3a側に逆電力の潮流が生じるのを防止することができる。
【0080】
また常用予備受配電設備でも、上記のように構成すると、例えば図4のX点で地絡事故が生じて、高圧配電線3aが変電所1の母線1B1から切り離されたときに、遮断器制御部5Eに設けられた地絡判定部が高圧配電線3aで地絡事故が発生したことを検出するため、遮断器5Cが開いて、変圧器5Bの高圧側回路と低圧側回路とを切り離す。これにより、分散型電源G2 から母線BUS2 と変圧器5Bとを通して高圧配電線3a側に逆電力の潮流が生じるのを防止することができる。
【0081】
本発明に係わる地絡検出装置は、低圧側に例えば分散型電源を連系している受配電設備または他の配電系統と連系している受配電設備に適用できる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、配電系統に設けられている各受電用変圧器の低圧側の回路でその回路がつながる高圧配電線で地絡事故が発生したことを検出することができるため、受電用変圧器と高圧配電線との間の回路の構成を簡素にするという要請に応えつつ、各受配電設備で高圧配電線の地絡事故を検出して、事故が生じた高圧配電線につながる回線を該高圧配電線から切り離すなどの措置を講じることができる利点がある。
【0083】
また本発明のように受配電設備を構成すれば、該受配電設備内で高圧配電線側の回路の地絡事故を検出することができるため、地絡事故が検出された高圧配電線につながる受電用変圧器の高圧側の回路と低圧側の回路とを切り離して、事故が生じた高圧配電線への給電を停止するなどの措置を迅速に講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる地絡検出装置の構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明に係わる地絡検出装置を説明するために用いるベクトル図である。
【図3】本発明に係わる地絡検出装置を説明するために用いるベクトル図である。
【図4】本発明を適用する配電系統の構成例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 電源変電所
3a〜3d 配電線
4 ネットワーク受配電設備
4Aa〜4Ac 断路器
4Ba〜4Bc ネットワーク変圧器
4Da〜4Dc プロテクタ遮断器
4Ea〜4Ec 遮断器制御部
BUS1 ネットワーク母線
11 3相交流検出部
12 基本波逆相分検出部
18 地絡判定部

Claims (5)

  1. 電源変電所から引き出された高圧配電線に絶縁変圧器からなる受電用変圧器を備えた受配電設備が接続されている配電系統の前記高圧配電線で地絡事故が生じたことを前記受配電設備で検出する地絡検出装置において、
    前記受電用変圧器の低圧側の回路を流れる3相交流電流を検出する3相交流検出部と、
    前記3相交流検出部により検出された3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、
    前記基本波逆相分検出部により検出された逆相分から地絡事故の発生の有無を判定する地絡判定部と、
    を具備したことを特徴とする配電系統の地絡検出装置。
  2. 前記基本波逆相分検出部は、
    前記3相交流検出部により検出された3相交流電流を3軸静止座標系におけるベクトル量として扱って該3軸静止座標系における3相交流電流を、2軸が互いに直交する2軸静止座標系における2相交流電流に変換する3相/2相変換部と、
    前記2軸静止座標系を前記2相交流電流の基本波正相分の相回転方向または基本波逆相分の相回転方向に回転する第1の2軸回転座標系に変換することにより前記2相交流電流の基本波正相分及び基本波逆相分の一方を直流電流に変換し、他方を基本波周波数の2倍の周波数の交流電流に変換する第1の回転座標変換部と、
    前記第1の回転座標変換部の出力から2相交流電流の基本波正相分を除去して基本波逆相分を抽出するフィルタ手段と、
    前記第1の2軸回転座標系を該第1の2軸回転座標系と逆方向に回転する第2の2軸回転座標系に変換することにより、前記フィルタ手段により抽出された2相交流電流の基本波逆相分を2軸静止座標系における2相交流電流の基本波逆相分に逆変換する第2の回転座標変換部とを備え、
    前記第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分、または該2相交流電流の基本波逆相分を2相/3相変換することにより得た3相交流電流の基本波逆相分を前記基本波逆相分検出部の検出出力として用いることを特徴とする請求項1に記載の地絡検出装置。
  3. 電源変電所から引き出された高圧配電線に高圧側が接続された絶縁変圧器からなる受電用変圧器と該受電用変圧器の高圧側の回路または低圧側の回路を開閉する遮断器とを備えた受配電設備において、
    前記受電用変圧器の低圧側の回路に設けられて該受電用変圧器を通して流れる3相交流電流を検出する変流器と、
    前記変流器により検出された3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、
    前記基本波逆相分検出部により検出された逆相分から前記受電用変圧器につながる前記高圧配電線側の回路で地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部と、
    前記地絡判定部が地絡事故が発生したと判定した時に前記遮断器に遮断指令を与える遮断器制御部と、
    を具備したことを特徴とする受配電設備。
  4. 電源変電所から引き出された複数の高圧配電線にそれぞれ高圧側が接続された絶縁変圧器からなる複数のネットワーク変圧器と、前記複数のネットワーク変圧器に対して共通に設けられたネットワーク母線と、各ネットワーク変圧器の低圧側と前記ネットワーク母線との間に設けられたネットワークプロテクタとを備え、
    前記ネットワークプロテクタは、対応するネットワーク変圧器の低圧側と前記ネットワーク母線との間に設けられたプロテクタ遮断器と、対応するネットワーク変圧器の低圧側の回路を流れる電流を検出する変流器と、対応するネットワーク変圧器の低圧側から高圧側に逆電力の潮流が生じたことを検出した時に前記プロテクタ遮断器を開くネットワーク継電器とを備えている受配電設備において、
    前記ネットワークプロテクタは、
    前記変流器が検出した3相交流電流の基本波の逆相分を検出する基本波逆相分検出部と、
    前記基本波逆相分検出部が検出した逆相分から対応するネットワーク変圧器につながる前記高圧配電線側の回路で地絡事故が発生したか否かを判定する地絡判定部と、
    前記地絡判定部が地絡事故が発生したと判定したときに前記プロテクタ遮断器に遮断指令を与える遮断器制御部と、
    を具備したことを特徴とする受配電設備。
  5. 前記基本波逆相分検出部は、
    前記変流器により検出された3相交流電流を3軸静止座標系におけるベクトル量として扱って該3軸静止座標系の3相交流電流を、2軸が互いに直交する2軸静止座標系における2相交流電流に変換する3相/2相変換部と、
    前記2軸静止座標系を前記2相交流電流の基本波正相分の相回転方向または基本波逆相分の相回転方向に回転する第1の2軸回転座標系に変換することにより前記2相交流電流の基本波正相分及び基本波逆相分の一方を直流電流に変換し、他方を基本波周波数の2倍の周波数の交流電流に変換する第1の回転座標変換部と、
    前記第1の回転座標変換部の出力から2相交流電流の基本波正相分を除去して基本波逆相分を抽出するフィルタ手段と、
    前記第1の2軸回転座標系を該第1の2軸回転座標系と逆方向に回転する第2の2軸回転座標系に変換することにより、前記フィルタ手段により抽出された2相交流電流の基本波逆相分を2軸静止座標系における2相交流電流の基本波逆相分に逆変換する第2の回転座標変換部とを備え、
    前記第2の回転座標変換部から得られる2相交流電流の基本波逆相分、または該2相交流電流の基本波逆相分を2相/3相変換することにより得た3相交流電流の基本波逆相分を前記基本波逆相分検出部の検出出力として用いることを特徴とする請求項3または4に記載の受配電設備。
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