JP3876212B2 - 可変容量型過給機の表面処理構造及び表面処理方法 - Google Patents

可変容量型過給機の表面処理構造及び表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータの駆動力をリンク部を介してノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構によりタービンの容量を可変とした可変容量型過給機における構成部材の表面処理構造及び表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機付き内燃機関においては、機関からの排ガス流量と過給機の最適作動条件となるガス流量とのマッチングをなすために、渦巻状のスクロール通路からタービンに送られる排ガス流量を機関の運転状態に応じて可変とする可変容量型過給機が、近年多く用いられている。
【0003】
かかる可変容量型過給機においては、特許文献1(特開平10−26028号公報)あるいは特許文献2(特開2001−329850号公報)、あるいは特許文献3(特開平11−62603号公報)に示されるように、空気圧式、電動モータ式等のアクチュエータからの駆動力をリンク部を介してノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構を設けており、該可変ノズル機構は、高温の排気ガスが流過するタービンケーシング内のスクロール通路の出口部に設置された前記ノズルベーン、該ノズルベーンを支持するノズルマウント、該ノズルベーンを回転駆動するリンク部等の可変ノズル組立品が、高温のタービンケーシング内において無潤滑の状態で作動せしめられる構造となっている。
【0004】
また、前記可変容量型過給機においては、ノズルベーンの両端スライド面とタービンケーシング内面との隙間つまりノズルベーンのサイドクリアランスは、該隙間を通る排気ガスの量を少なくしてタービン効率の低下を回避するため、極力小さく形成している。
かかるサイドクリアランスは、前記特許文献1あるいは特許文献2に示されるような従来技術においては、ノズルベーンの両端スライド面及びタービンケーシング内面の金属面間に形成されて前記ノズルベーンの作動がスムーズになされるような最小隙間に形成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−26028号公報(例えば、図1)
【特許文献2】
特開2001−329850号公報(例えば、図1、図2)
【特許文献3】
特開平11−62603号公報(例えば、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、特許文献1あるいは特許文献2あるいは特許文献3に示される可変容量型過給機においては、ノズルベーン、該ノズルベーンを支持するノズルマウント、該ノズルベーンを回転駆動するリンク部等の可変ノズル組立品が、高温のタービンケーシング内において無潤滑の状態で作動せしめられる構造となっている。
したがってかかる可変容量型過給機においては、可変ノズル組立品の摺動部が高温雰囲気中において無潤滑の状態で、ノズルベーン全閉〜ノズルベーン全開〜ノズルベーン全閉という摺動運動を繰り返し行うこととなり、該摺動部の初期なじみが良好でなく作動中における摺動抵抗が極めて大きくなる。
【0007】
このため、かかる従来技術にあっては、可変ノズル組立品摺動部の摺動抵抗が極めて大きい状態下においてノズルベーンの全閉と全開との間を繰り返すことから、該ノズルベーンの作動特性のヒステリシスが増大し過給機性能が不安定となって、変速時等の過渡期における給気圧力(過給圧力)の一次的な低下による加速性の低下や排煙の悪化を誘発し易い。
【0008】
また、特許文献1あるいは特許文献2あるいは特許文献3に示される可変容量型過給機においては、金属面からなるノズルベーンの両端スライド面と金属面からなるタービンケーシング内面との間のサイドクリアランスをタービン効率の低下を回避する目的で極力小さく形成しているが、前記両金属面の変形により前記サイドクリアランスが減少し、前記金属面とノズルベーンの作動抵抗を増大せしめること又は両者の固着を考慮して、前記サイドクリアランスをある程度大きく採らざるを得ず、かかるサイドクリアランス部からのガス漏れがタービン効率低下の要因となっている、
等の問題点を有している。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、可変ノズル組立品摺動部の潤滑性を向上することにより該摺動部の摺動抵抗を低減し、またノズルベーン両側のサイドクリアランスを常時適正に保持することにより、タービン効率の低下や過渡期における加速性の低下や排煙の悪化を防止し得る可変容量型過給機の表面処理構造及び表面処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、タービンケーシング内のスクロール通路を流過した排気ガスをノズルマウントに回動可能に支持されたノズルベーンを通しタービンホイールに作用させて該タービンホイールを回転駆動するとともに、アクチュエータの駆動力をリンク部を介して前記ノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構によりタービンの容量を可変とした可変容量型過給機において、前記可変ノズル機構を構成する部材のうち前記ノズルベーンの両端スライド面及び該ノズルベーンを前記ノズルマウントに支持するノズルシャフトの外周面に炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜を形成してなることを特徴とする可変容量型過給機の表面処理構造を提案する。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
かかる発明によれば、ノズルベーンの両端スライド面及び該ノズルベーンを前記ノズルマウントに支持するノズルシャフトの外周面に前記炭素系乾性膜を形成する。
【0016】
従って、ノズルベーンの両端スライド面及びノズルシャフトの外周面に炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜からなる固体潤滑材の被膜を形成したので、高温雰囲気中で作動する前記摺動部材に発生する摺動抵抗を、前記特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されているような摺動部材を無潤滑の状態で作動させたときに発生する摺動抵抗に比べて、大幅に低減することができる。
これにより、前記ノズルベーンの開閉作動に伴う作動特性のヒステリシスが減少して過給機性能が安定するとともに、過給機運転の過渡期における給気圧力(過給圧力)の一次的な低下の発生が回避されて加速性が向上し、排煙の状態も常時良好な状態を保持することができる。
【0017】
またかかる発明によれば、ノズルベーンの両端スライド面とタービンケーシングを含むケース部材の内面との間のサイドクリアランス(微小間隙)に前記炭素系乾性膜を充填形態にて形成して該サイドクリアランスを実質的にゼロ(0)として、潤滑機能を有する前記被膜の表面同士を摺接させて過給機の運転に入ることが可能となる。
従って、前記サイドクリアランスに潤滑機能を有する前記炭素系乾性膜が形成されているため小さい摩擦抵抗で以って該サイドクリアランスを最小値に保持し過給機の運転を行うことができ、該サイドクリアランスからのガス漏れ量が低減されて高いタービン効率を維持できる。
また、前記炭素系乾性膜は排気ガスの成分と共通な成分を有するので、該炭素系乾性膜が消失しても該炭素系乾性の消失部位に排気ガスのカーボンが付着することとなり、該カーボンが前記炭素系乾性膜と同様の機能を成す。
【0018】
請求項記載の発明は、前記可変ノズル機構構成部材の表面処理方法に係り、タービンケーシング内のスクロール通路を流過した排気ガスをノズルマウントに回動可能に支持されたノズルベーンを通してタービンホイールに作用させ該タービンホイールを回転駆動するとともに、アクチュエータの駆動力をリンク部を介して前記ノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構によりタービンの容量を可変とした可変容量型過給機における前記可変ノズル機構構成部材の表面処理方法において、前記リンク部及びノズルマウント及びノズルベーンを一体に組み付けて前記タービンケーシングに着脱可能にしたカートリッジ式可変ノズル組立品を、一体に組み立てた形態で、炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成してなる溶液中に浸漬し、その後乾燥させて該可変ノズル組立品構成部材の表面全体に炭素系乾性膜を形成し、次いで該可変ノズル組立品を前記過給機に組み込むことを特徴とする。
【0019】
かかる発明によれば、リンク部及びノズルマウント及びノズルベーンを一体に組み付けてなる可変ノズル機構の可変ノズル組立品を、一体に組み立てた形態で、前記炭素超微粉体が溶融している溶媒中に浸漬した後乾燥させるという、極めて簡単な手法かつ少ない工程で以って複数の部品からなる前記可変ノズル組立品の構成部材の表面全体に炭素系乾性膜を形成することができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0023】
図1は本発明の第1実施例に係る可変容量型過給機のカートリッジ式可変ノズル組立品周りの構造を示す要部断面図、図2は第2実施例に係る固定式可変ノズル組立品周りの構造を示す要部断面図、図3は第3実施例に係る可変ノズル機構要部の正面図である。図4第4実施例に係るノズルベーンを示し、(A)はノズルベーンの側面図、(B)は(A)のA矢視図である。図5は本発明が適用される可変容量型過給機の縦断面図である。
【0024】
本発明が適用される可変容量タービン付き過給機の構造を示す図5において、30はタービンケーシング、38は該タービンケーシング30内の外周部に渦巻状に形成されたスクロール通路、44はタービンロータで膨張仕事をした排ガスを機外に送出するための排気ガス出口である。31はコンプレッサケーシング、36は該コンプレッサケーシング31と前記タービンケーシング30とを連結する軸受ハウジングである。
【0025】
34はタービンホイール、35はコンプレッサホイール、33は該タービンホイール34とコンプレッサホイール35とを連結するタービンシャフト、37は前記軸受ハウジング36に取り付けられて前記タービンシャフト33を支持する軸受である。01は該タービンシャフト33の回転軸心である。
40はノズルベーンで、前記スクロール通路38の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数個配置されるとともに、これに一体形成されたノズルシャフト43が前記タービンケーシング30に取り付けられたノズルマウント41に回動可能に支持され、該ノズルシャフト43の回転により翼角が変化せしめられるようになっている。
【0026】
100は可変ノズル機構、50は該可変ノズル機構100のアクチュエータで、該アクチュエータ50の駆動力がアクチュエータロッド51、クランクコントロール部9(図3参照)、スリーブコントロール部7(図3参照)及びレバー組立品42(図5参照)を介して前記タービンシャフト33の回転軸心廻りに回転駆動せしめられるリング組立品(図示省略)を回転させることにより前記ノズルベーン40を回転させてその翼角を変化させるようになっている。該アクチュエータ50はアクチュエータブラケット54を介してボルト55により前記コンプレッサケーシング31に固定されている。
【0027】
本発明は、図5に示される可変容量型過給機の可変ノズル機構100構成部材の表面処理構造及び表面処理方法に関するものである。
即ち本発明の第1実施例を示す図1において、1はカートリッジ式の可変ノズル組立品で、前記ノズルベーン40、該ノズルベーン40をノズルシャフト43を介して回動可能に支持するノズルマウント41、該ノズルマウント41に固定されたノズルサポート45及び該ノズルサポート45の端部に固定された支持部材、並びに、該ノズルベーン40及びノズルシャフト43と前記アクチュエータ50及びアクチュエータロッド51とを前記クランクコントロール部9(図3参照)及びスリーブコントロール部7を介して連結するとともに前記レバー組立品42を含むリンク部2からなる。
前記可変ノズル組立品1は、前記構成部品により一体に組み立てた後、前記ノズルサポート45の端部に固定された支持部材46を前記タービンケーシング30に形成された嵌合穴47に嵌着することにより、該タービンケーシング30に着脱可能に組み付けられるように構成されている。
【0028】
以上に示される可変ノズル機構100の構造自体は、通常の可変容量型過給機の可変ノズル機構と同様である。
本発明の第1実施例における可変ノズル機構100構成部材の表面処理の第1の方法は、前記カートリッジ式の可変ノズル組立品1を一体に組み立てた後、炭素を主成分とする炭素超微粉体をキシレン液等(溶媒)に溶融させて生成してなる溶液中に浸漬せしめる。次いで、該可変ノズル組立品1を前記溶液から取り出して一定時間自然乾燥せしめる。これにより、前記可変ノズル組立品1の構成部材の表面全面に炭素系乾性被膜が形成される。
そして前記炭素系乾性被膜が形成された一体組立品からなる可変ノズル組立品1を、前記ノズルサポート45の支持部材46をタービンケーシング30に形成された嵌合穴47に嵌着することにより、該タービンケーシング30に着脱可能に組み付ける。
【0029】
また前記可変ノズル機構100構成部材の表面処理の第2の方法は、前記可変ノズル組立品1を組み立てる前に、これの構成部材のうち、相手部材に摺接して潤滑を必要とする摺動部材の摺動面及び相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に、前記のような、炭素を主成分とする炭素超微粉体をキシレン液等(溶媒)に溶融させて生成してなる溶液を刷毛等を用いて塗布し、一定時間自然乾燥せしめる。これにより、前記可変ノズル組立品1の摺動部材の摺動面あるいは相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に炭素系乾性被膜が形成される。
そして前記炭素系乾性被膜が形成された一体組立品からなる可変ノズル組立品1を、第1の方法と同様に、前記ノズルサポート45の支持部材46をタービンケーシング30に形成された嵌合穴47に嵌着することにより、該タービンケーシング30に着脱可能に組み付ける。
【0030】
図2に示される第2実施例において、1は固定式の可変ノズル組立品で、前記ノズルシャフト43付きのノズルベーン40、該ノズルベーン40を回動可能に支持するノズルマウント41、該ノズルマウント41に固定されたノズルサポート45並びに、該ノズルベーン40及びノズルシャフト43と前記アクチュエータ50及びアクチュエータロッド51とを前記クランクコントロール部9(図3参照)及びスリーブコントロール部7(図3参照)を介して連結するとともに前記レバー組立品42(図5参照)を含むリンク部2からなる。
前記固定式の可変ノズル組立品1は、前記ノズルサポート45を前記タービンケーシング30に固着することにより、該タービンケーシング30に組み付け固定可能に構成されている。
【0031】
かかる第2実施例における可変ノズル機構100構成部材の表面処理の第1の方法は、前記固定式の可変ノズル組立品1を一体に組み立てた形態で、前記第1実施例と同様に、炭素を主成分とする炭素超微粉体をキシレン液等(溶媒)に溶融させて生成してなる溶液中に浸漬せしめる。次いで、該可変ノズル組立品1を前記溶液から取り出して一定時間自然乾燥せしめる。これにより、前記可変ノズル組立品1の構成部材の表面全面に炭素系乾性被膜が形成される。
次いで、前記炭素系乾性被膜が形成された可変ノズル組立品1を、前記ノズルサポート45を前記タービンケーシング30に固着することにより、該タービンケーシング30に組み付け固定する。
【0032】
また第2実施例における前記可変ノズル機構100構成部材の表面処理の第2の方法は、
前記可変ノズル組立品1を組み立てる前に、これの構成部材のうち、相手部材に摺接して潤滑を必要とする摺動部材の摺動面及び相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に、前記のような、炭素を主成分とする炭素超微粉体をキシレン液等(溶媒)に溶融させて生成してなる溶液を刷毛等を用いて塗布し、一定時間自然乾燥せしめる。これにより、前記可変ノズル組立品1の摺動部材の摺動面あるいは相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に炭素系乾性被膜が形成される。
次いで、前記第1の方法と同様に、前記炭素系乾性被膜が形成された可変ノズル組立品1を、前記ノズルサポート45を前記タービンケーシング30に固着することにより、該タービンケーシング30に組み付け固定する。
【0033】
図3に示される第3実施例においては、前記アクチュエータ50の駆動レバー11と前記可変ノズル組立品1とを連結するリンク機構中の、クランクコントロール部9、リングコントロール部8及びスリーブコントロール部7を構成する摺動部材の摺動面あるいは相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に、前記第1、第2実施例における第1の方法あるいは第2の方法によって前記と同様な炭素系乾性被膜を形成する。
【0034】
以上の第1〜第3実施例によれば、前記可変ノズル組立品1、アクチュエータ50と可変ノズル組立品1とを連結するリンク機構中のクランクコントロール部9及びリングコントロール部8及びスリーブコントロール部7を構成する摺動部材の摺動面あるいは相手部材との間に微小間隙を存して組み付けられる部材の表面に、炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜からなる固体潤滑材の被膜を形成したので、高温雰囲気中で作動する前記摺動部材の摺動抵抗を、前記特許文献1あるいは特許文献2にて提供されている従来技術のように該摺動部材を無潤滑の状態で作動せしめるものに比べて大幅に低減することができる。
また、前記微小間隙部の間隙値を所定の最小値に抑えて該微小間隙部からのガス漏れ量が低減することができて、高いタービン効率を維持することが可能となる。
【0035】
図4に示される第4実施例においては、前記ノズルベーン40の両端に形成され前記スクロール通路38の内面に対して微小間隙を存して回動するスライド面40a及び40bに前記第1〜第2実施例と同様な方法で炭素系乾性被膜を形成する。この場合、前記スライド面40a及び40bとスクロール通路38の内面との隙間即ちサイドクリアランスがゼロ(0)になるように、前記スライド面40a及び40bに炭素系乾性被膜を該サイドクリアランス部に充填した形態で形成し、この状態でエンジン性能に合わせた過給機のマッチングを行い、定常運転に入る。
これにより、前記サイドクリアランスに潤滑機能を有する前記炭素系乾性膜を該サイドクリアランス部に充填した形態で形成されているため摩擦抵抗が少なくなって、かかる低摩擦抵抗状態にて前記サイドクリアランスを最小値に保持して過給機の運転を行うことができ、該サイドクリアランスからのガス漏れ量が低減されて高いタービン効率を維持できる。
また、かかる第4実施例においては、ノズルマウント41に回動可能に嵌合されるノズルシャフト43の外周面43aに前記炭素系乾性被膜を形成して固体潤滑機能を持たせ、該ノズルシャフト43の摩擦抵抗を低減する。
【0036】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、ノズルベーンの両端スライド面及びノズルシャフトの外周面に炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜からなる固体潤滑材の被膜を形成したので、高温雰囲気中で作動する前記摺動部材の摺動抵抗を、前記特許文献1あるいは特許文献2にて提供されている従来技術のように該摺動部材を無潤滑の状態で作動せしめるものに比べて大幅に低減することができる。
これにより、前記ノズルベーンの開閉作動に伴う作動特性のヒステリシスが減少して過給機性能が安定するとともに、過給機運転の過渡期における給気圧力(過給圧力)の一次的な低下の発生が回避されて加速性が向上し、排煙の状態も常時良好な状態を保持することができる。
【0037】
また本発明によれば、ノズルベーンの両端スライド面とタービンケーシングを含むケース部材の内面との間のサイドクリアランス(微小間隙)に前記炭素系乾性膜を充填形態にて形成して該サイドクリアランスを実質的にゼロ(0)として、潤滑機能を有する前記被膜の表面同士を摺接させて過給機の運転に入ることが可能となる。
従って、前記サイドクリアランスに潤滑機能を有する前記炭素系乾性膜が形成されているため小さい摩擦抵抗で以って該サイドクリアランスを最小値に保持し過給機の運転を行うことができ、該サイドクリアランスからのガス漏れ量が低減されて高いタービン効率を維持できる。
また、前記炭素系乾性膜は排気ガスの成分と共通な成分を有するので、該炭素系乾性膜が消失しても該炭素系乾性の消失部位に排気ガスのカーボンが付着することとなり、該カーボンが前記炭素系乾性膜と同様の機能を成して、所要のサイドクリアランスを維持できる。
【0038】
また請求項のように構成すれば、リンク部及びノズルマウント及びノズルベーンを一体に組み付けてなる可変ノズル機構の可変ノズル組立品を、一体に組み立てた形態で、炭素超微粉体が溶融している溶媒中に浸漬した後乾燥させるという、極めて簡単な手法かつ少ない工程で以って複数の部品からなる可変ノズル組立品の構成部材の表面全体に炭素系乾性膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る可変容量型過給機のカートリッジ式可変ノズル組立品周りの構造を示す要部断面図である。
【図2】 本発明の第2実施例に係る固定式可変ノズル組立品周りの構造を示す要部断面図である。
【図3】 本発明の第3実施例に係る可変ノズル機構要部の正面図である。
【図4】 本発明の第4実施例を示し、(A)はノズルベーンの側面図、(B)は(A)のA矢視図である。
【図5】 本発明が適用される可変容量型過給機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 可変ノズル組立品
2 リンク部
7 スリーブコントロール部
8 リングコントロール部
9 クランクコントロール部
11 駆動レバー
30 タービンケーシング
31 コンプレッサケーシング
33 タービンシャフト
34 タービンホイール
35 コンプレッサホイール
36 軸受ハウジング
38 スクロール通路
40 ノズルベーン
40a、40b スライド面
45 ノズルサポート
46 支持部材
43 ノズルシャフト
50 アクチュエータ
100 可変ノズル機構

Claims (2)

  1. タービンケーシング内のスクロール通路を流過した排気ガスをノズルマウントに回動可能に支持されたノズルベーンを通しタービンホイールに作用させて該タービンホイールを回転駆動するとともに、アクチュエータの駆動力をリンク部を介して前記ノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構によりタービンの容量を可変とした可変容量型過給機において、前記可変ノズル機構を構成する部材のうち前記ノズルベーンの両端スライド面及び該ノズルベーンを前記ノズルマウントに支持するノズルシャフトの外周面に炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜を形成してなることを特徴とする可変容量型過給機の表面処理構造。
  2. タービンケーシング内のスクロール通路を流過した排気ガスをノズルマウントに回動可能に支持されたノズルベーンを通してタービンホイールに作用させ該タービンホイールを回転駆動するとともに、アクチュエータの駆動力をリンク部を介して前記ノズルベーンに伝達し該ノズルベーンの翼角を変化せしめる可変ノズル機構によりタービンの容量を可変とした可変容量型過給機における前記可変ノズル機構構成部材の表面処理方法において、前記リンク部及びノズルマウント及びノズルベーンを一体に組み付けて前記タービンケーシングに着脱可能にしたカートリッジ式可変ノズル組立品を、一体に組み立てた形態で、炭素を主成分とする炭素超微粉体を溶媒に溶融させて生成してなる溶液中に浸漬し、その後乾燥させて該可変ノズル組立品構成部材の表面全体に炭素系乾性膜を形成し、次いで該可変ノズル組立品を前記過給機に組み込むことを特徴とする可変容量型過給機の表面処理方法。
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