JP3876128B2 - 三連式オイルポンプを備えた潤滑装置及びその製造方法 - Google Patents

三連式オイルポンプを備えた潤滑装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの潤滑システム等に適用され、ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成された三連式オイルポンプを備えた潤滑装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの潤滑部に潤滑油を供給するオイルポンプ(潤滑油ポンプ)は、通常、エンジン前端部に取り付けられ、該エンジンのクランク軸に直結駆動される。図6は、かかるエンジン駆動のオイルポンプ100を備えたエンジン101の前端部におけるオイルポンプ周りにおける補機の配置の1例を示す模式図であり、図においてエンジン101の前端部101aには前記オイルポンプ100及びこれに潤滑油の集合吐出管08を介して接続されるオイルクーラ(潤滑油冷却器)102の他、清水ポンプ103、振動抑制用のダンパー104等の補機類が取り付けられている。
【0003】
かかるエンジンの潤滑装置においては、歯車式オイルポンプの1つとして三連式オイルポンプが採用されている。該三連式オイルポンプは、ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成されて、二連式オイルポンプに比べて歯車の外径及び歯幅を増加することなくポンプ容量を増大できるという利点を有し、近年、高速デイーゼルエンジン等に使用されるようになってきている。
【0004】
図4〜図5はかかる三連式オイルポンプの従来の一例を示す。図において100はオイルポンプで、鋳造品からなるポンプケース01内に回転自在に並設され互いに噛み合う3個のポンプギヤ2a、2b、2cの回転により第1及び第2吸入通路04、05から吸入された潤滑油を第1及び第2吐出通路06、07に送出するように構成されて、エンジン前端部101aのギヤケース13に固定されている。
前記3個のポンプギヤ2a、2b、2cは回転軸心線2d上に並設され、ポンプ軸10a、10b、10cと一体に構成されている。14は前記ポンプケース01の端面を覆うポンプカバーで該ポンプケース01にインロー嵌合されて前記第1及び第2吸入通路04、05、並びに第1及び第2吐出通路06、07を密閉している。
【0005】
前記各ポンプ軸10a、10b、10cは両端部を前記ポンプケース01及びポンプカバー14に圧入されたブッシュ軸受9a、9b、9cにより回転自在に支持されている。11は中央の前記ポンプ軸10bの軸端に形成された駆動軸部12にナット012により固定された駆動ギヤで、前記エンジン101のクランク軸側の歯車列に噛み合い該クランク軸により回転駆動されるようになっている。
【0006】
前記ポンプケース01内の吸入側には、前記第1吸入通路04及び第2吸入通路05が前記回転軸心線2dの上下に形成されている。前記第1吸入通路04は回転軸心線2dの下側に形成されて一方側(図4の左側)の前記ポンプギヤ2bと2cとの噛み合い入口部に下側から潤滑油が吸入されるように開口され、また第2吸入通路05は回転軸心線2dの上側に形成されて他方側(図4の右側)の前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い入口部に上側から潤滑油が吸入されるように開口されている。
【0007】
また前記ポンプケース01内の吐出側には、前記第1吐出通路06及び第2吐出通路07が前記回転軸心線2dの上下に形成されている。前記第1吐出通路06は回転軸心線2dの上側に形成されて、一方側(図4の左側)の前記ポンプギヤ2bと2cとの噛み合い出口部から上側に吐出される潤滑油を受け入れるように開口され、また第2吐出通路07は回転軸心線2dの下側に形成されて、他方側(図4の右側)の前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い出口部から下側に吐出される潤滑油を受け入れるように開口されている。
【0008】
図4に示すように、前記第2吸入通路05と前記第1吐出通路06及び第2吐出通路07とは前記ポンプギヤ2a、2b、2cの歯幅方向において同一断面位置に配置し、前記第1吸入通路04は前記第2吸入通路05と同一断面位置から前記第2吐出通路07の干渉を避けるように該第2吐出通路07と交叉させる形で歯幅方向にずらして前記ポンプギヤ2bと2cとの噛み合い入口部に下側から潤滑油が吸入されるように開口されている。
【0009】
03は吸入管で、前記ポンプケース01の取付面20にボルト(図示省略)により固定され、内部には前記第1吸入通路04及び第2吸入通路05に連通される吸入路03aが形成されている。
08は集合吐出管で、前記ポンプケース01の取付面21にボルト(図示省略)により固定され、内部には前記第1吐出通路06及び第2吐出通路07に連通される集合吐出路08aが形成されている。
【0010】
かかる従来のエンジンの潤滑装置において、エンジン101のクランク軸により駆動ギヤ11及びポンプ軸10bを介して中央のポンプギヤ2bが図4の矢印のように回転駆動されると、これに噛み合う左右のポンプギヤ2c及び2aが矢印のように左右方向に回転する。
かかるポンプギヤの回転により、前記ポンプギヤ2cと2bとの噛み合い側には前記吸入口03aを経て第1吸入通路04に導入された潤滑油が図の破線のように流れて吸入され、該ポンプギヤ2cと2bとにより前記第1吐出通路06に吐出せしめられる。また前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い側には前記前記第2吸入通路05からの潤滑油が図の破線のように流れて吸入され、該ポンプギヤ2bと2aとにより前記第2吐出通路07に吐出せしめられる。
第1吐出通路06及び第2吐出通路07を通して吐出された潤滑油は、前記集合吐出管08内の集合吐出路08aにて合流され、前記オイルクーラ102に送られて冷却される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の三連式オイルポンプ及びこれを備えた潤滑装置にあっては次のような問題点を有している。
即ち、かかる従来技術にあっては、図4〜5に示すように、ポンプケース01の吸入側及び吐出側の取付面20、21に、該ポンプケース01とは別部品の吸入管03及び集合吐出管08をボルトにて固定し連結する構造であるため、該吸入管03及び集合吐出管08の取付スペース分だけオイルポンプ100がエンジン前方側に突出することとなって突出長さHが大きくなり、該オイルポンプ100が大型化するとともに該オイルポンプ100の端面01cで決まるエンジン全長の増大を招く。
また、前記吸入管03及び集合吐出管08をオイルポンプ100とは別個に製作するため、部品点数が多くなるとともにこれらの管をポンプケース01に固定するための組立工数が増大することにより、装置コストが高くなる。
【0012】
また、鋳造品からなるポンプケース01は、前記第1吸入通路04を前記第2吐出通路07との干渉を避けるようにするため該第2吐出通路07と交叉させて形成していることから、鋳物の形状が複雑となり中子の数が多くなって鋳造工数が増大しこの面からも装置コストの増大を招く。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、三連式オイルポンプを備えた潤滑装置において、ポンプの吸入部及び吐出部を改良することによりオイルポンプを小形コンパクト化してオイルポンプ取付部寸法を短縮するとともに、該オイルポンプの組立作業を容易化して組立工数を低減し、さらにポンプケースの鋳物形状を簡単化して鋳造工数を低減して装置コストを低減した装置構造及び製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、 ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成された三連式オイルポンプを備えた潤滑装置において、
前記オイルポンプからの潤滑油が供給される機器のケース部内に集合通路を形成するとともに、前記ポンプケースの2つの吐出通路を前記ケース部内に埋め込み、該2つの吐出通路の出口開口部分を前記ケース部内の集合通路に直接開口させて、該ケース部に前記ポンプケースを固定するとともに、前記吸入通路が形成される前記ポンプケースの吸入ダクト部を前記機器のケース部に直接固定し、さらに、前記吸入ダクト部に接続される前記2つの吸入通路及び前記ポンプケース内の2つの吐出通路の夫々を前記ポンプギヤの回転軸心線に対して上下に1つずつ配置するとともに、
前記2つの吸入通路及び前記吐出通路の1つが前記ポンプギヤの歯幅に直角方向において同一断面位置に配置され他の吐出通路が前記2つの吸入通路及び吐出通路の1つとは前記歯幅方向にずらして配置されるようにして、前記2つの吸入通路及び前記2つの吐出通路をポンプケース内において交叉しないように形成してなることを特徴とする三連式オイルポンプを備えた潤滑装置を提案する。
【0015】
請求項1において、好ましくは請求項2のように、前記ポンプケースに形成された前記機器のケース部への取付フランジの取付面と、前記吸入ダクト部に形成されたケース部への取付フランジの取付面とを同一平面状に形成する。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1において、前記機器のケース部の内部に前記2つの吐出通路に接続される集合吐出路を形成し、該集合吐出路の出口端をオイルクーラ(潤滑油冷却器)に接続してなることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3記載の三連式オイルポンプを備えた潤滑装置を製造する方法に係り、ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成されてなる三連式オイルポンプを備えた潤滑装置の製造方法において、
前記ポンプケースの鋳型を、前記2つの吸入通路及び2つの吐出通路の夫々が前記ポンプギヤの回転軸心線に対して上下に1つずつ配置されるとともに、前記2つの吸入通路及び前記吐出通路の1つが前記ポンプギヤの歯幅に直角方向において同一断面位置に配置され他の吐出通路が前記2つの吸入通路及び吐出通路の1つとは前記歯幅方向にずらして配置されるようにして、前記4つの通路がポンプケース内において交叉しないように形成するとともに、前記2つの吐出通路及びこれの出口開口部分と前記2つの吸入通路と該吸入通路に接続される吸入ダクト部とを一体に形成した鋳造品で製作し、
次いで該ポンプケース内に前記3個のポンプギヤを含む内部構成部品を組み込んでオイルポンプ組立品を製作し、該オイルポンプ組立品を前記オイルポンプからの潤滑油が供給される機器のケース部内に集合通路を形成するとともに、前記ポンプケースの2つの吐出通路をケース部内に埋め込み、該2つの吐出通路の出口開口部分を前記ケース部内の集合通路に直接開口させて固定するとともに前記吸入通路が形成されるポンプケースの吸入ダクト部を前記ケース部取付面に直接固定することを特徴とする。
【0020】
かかる発明によれば、ギヤケース等の機器のケース部にポンプケースの少なくとも吐出通路の出口開口部分を埋め込み該吐出通路をケース部内に直接開口させて該ケース部に前記ポンプケースを固定するとともに、吸入ダクト部を前記機器のケース部に直接固定して構成したため、従来技術のようなポンプケースと別体の吸入管及び吐出管が不要となって、部品点数が減少するとともに、吸入部及び吐出部を含むオイルポンプ全体の組立作業が容易化され組立工数が低減される。
【0021】
また、従来技術のように吐出管を設けることなく、2つの吐出通路の出口開口部分をギヤケース等のケース部の内部に埋め込んで該ケース部内の集合吐出路に直接開口しているので、前記ケース部のポンプ取付面からのオイルポンプの突出長さが従来技術よりも大幅に減少し、該オイルポンプが小形コンパクト化され、該オイルポンプの端面で決まるエンジン等の機器の全長も短縮される。
また前記2つの吐出通路及び集合吐出路からなる吐出通路がケース部の内部に形成されているので、吐出通路からのオイルの漏洩の発生が防止される。
さらに、ポンプギヤの回転軸心線に対して上下に1つずつ配置される2つの吸入通路及び2つの吐出通路のうち、2つの吸入通路及び吐出通路の1つをポンプギヤの歯幅に直角方向において同一断面位置に配置し、他の吐出通路を前記2つの吸入通路及び吐出通路の1つとは前記歯幅方向にずらして配置したので、前記回転軸心線の下側に形成される吸入通路と吐出通路とは交叉することなく、潤滑油の流れに沿って同一方向に向いた滑らかな流路形状となる。これにより、鋳物の形状が簡単となって中子の数も最少限で済み、鋳造工数が低減される。
【0022】
また、請求項2のように構成すれば、吸入ダクト部の取付面とポンプケース取付フランジの取付面とを同一平面上に形成しているので、ポンプケースの前記機器のケース部への取付部の機械加工が簡単になるとともに、ポンプケースと前記ケース部との取付面における流体シール性も向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0025】
図1は本発明の実施例に係るエンジンの潤滑装置における三連式オイルポンプの正面形状を示す要部断面構成図、図2は図1のA−A線断面図である。図3は前記実施例におけるエンジン前端部のオイルポンプ周り補機配置の模式図である。
【0026】
本発明に係る三連式オイルポンプの構成を示す図1〜2において、100はオイルポンプで、鋳造品からなるポンプケース1内に回転自在に並設され互いに噛み合う3個のポンプギヤ2a、2b、2cの回転により第1及び第2吸入通路4、5から吸入された潤滑油を第1及び第2吐出通路6、7に送出するように構成されて、エンジン前端部101aのギヤケース13に固定されている。
前記3個のポンプギヤ2a、2b、2cは回転軸線2d上に並設され、ポンプ軸10a、10b、10cと一体に構成されている。14は前記ポンプケース01の端面を覆うポンプカバーで該ポンプケース1にインロー嵌合されて前記第1及び第2吸入通路4、5、並びに第1及び第2吐出通路6、7を密閉している。
【0027】
前記各ポンプ軸10a、10b、10cは両端部を前記ポンプケース1及びポンプカバー14に圧入されたブッシュ軸受9a、9b、9cにより両端支持方式にて回転自在に支持されている。11は中央の前記ポンプ軸10bの軸端に形成された駆動軸部12にナット012により固定された駆動ギヤで、エンジン101のクランク軸(図示省略)側の歯車列に噛み合い該クランク軸により回転駆動されるようになっている。
前記ポンプケース1の鋳造及び機械加工後、該ポンプケース1内に前記3個のポンプギヤ2a、2b、2cを含む内部構成部品を組み込んでオイルポンプ100組立品を製作する。
以上の構成は図4〜6に示された従来技術と同様である。本発明においては、ポンプケース及び吸入部、吐出部を改良している。
【0028】
即ち、図1〜2において、1bは吸入ダクト部で、前記ポンプケース1と一体の鋳物で構成され内部に潤滑油の吸入口3が形成されている。該吸入ダクト部1bに形成された前記ギヤケース13への取付フランジの取付面1aと前記ポンプケース1に形成された前記ギヤケース13への取付フランジ1dの取付面1cとを同一平面上に形成して、同一平面からなるギヤケース13のポンプ取付面13aにボルト(図示省略)にて直接固定している。
【0029】
これにより、図4〜6に示される従来技術のようなポンプケース01と別体の吸入管03は不要となって、部品点数が減少し、吸入管03の接続作業の省略を含む吸入部の組立工数も低減される。また、吸入ダクト部1bの取付面1aとポンプケース1取付フランジ1dの取付面1cとを同一平面上に形成しているので、ポンプケース1のギヤケース13への取付部の機械加工が簡単となるとともに、ポンプケース1とギヤケース13との取付面における流体シール性も向上する。
【0030】
そして前記ポンプケース1内の吸入側には、前記吸入ダクト部1b内の吸入口3から2股に分けられた前記第1吸入通路4及び第2吸入通路5が前記回転軸心線2dの上下に形成されている。前記第1吸入通路4は回転軸心線2dの下側に形成されて一方側(図1の左側)の前記ポンプギヤ2bと2cとの噛み合い入口部に下側から潤滑油が吸入されるように開口され、また第2吸入通路5は前記回転軸心線2dの上側に形成されて他方側(図1の右側)の前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い入口部に上側から潤滑油が吸入されるように開口されている。
【0031】
また前記ポンプケース1内の吐出側には、前記第1吐出通路6及び第2吐出通路7が前記回転軸心線2dの上下に形成されている。前記第1吐出通路6は回転軸心線2dの上側に形成されて、一方側(図1の左側)の前記ポンプギヤ2bと2cとの噛み合い出口部から上側に吐出される潤滑油を受け入れるように開口され、また第2吐出通路7は回転軸心線2dの下側に形成されて、他方側(図1の右側)の前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い出口部から下側に吐出される潤滑油を受け入れるように開口されている。
【0032】
そして、前記第1吐出通路6及び第2吐出通路7は、その出口開口部分を前記ギヤケース13の内部に埋め込んで該ギヤケース13内に形成された集合吐出路8に直接開口し吐出通路が合流せしめられている。前記集合吐出路8は図3に示すように、前記ギヤケース13の内部を上方に延設され前記オイルクーラ102のオイル入口に接続されている。
【0033】
これにより、図4〜6に示される従来技術のようなポンプケース01と別体の吐出管08は不要となって、部品点数が減少し、吐出管08の接続作業の省略を含む吐出部の組立工数も低減される。また、吐出管を設けることなく、前記2つの吐出通路6、7の出口開口部分を前記ギヤケース13の内部に埋め込んで該ギヤケース13内の集合吐出路8に直接開口しているので、ギヤケース13のポンプ取付面13aからのオイルポンプ100の突出長さHが従来技術(図5のH)よりも大幅に減少し、オイルポンプ100が小形コンパクト化され、該オイルポンプ100の端面01cで決まるエンジン全長も短縮される。
また前記2つの吐出通路6、7及び集合吐出路8からなる吐出通路がギヤケース13の内部に形成されているので、吐出通路からのオイルの漏洩の発生が防止される。
【0034】
また図1に示すように、前記回転軸心線2dの上下に形成された前記第1吸入通路4及び第2吸入通路5と回転軸心線2dの上側に形成された前記第1吐出通路6とは前記ポンプギヤ2a、2b、2cの歯幅に直角方向つまり該ポンプギヤ2a、2b、2cの歯形断面において同一断面位置に配置される。
そして、回転軸心線2dの下側に形成された前記第2吐出通路7は、前記第1吸入通路4との干渉を避けるため、前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い出口部の部位から、前記ポンプギヤ2b、2aの歯幅Bの方向において前記吐出集合路8が設けられている前記ギヤケース13側にずらして形成されている。
これにより、回転軸心線2dの下側に形成される前記第1吸入通路4と第2吐出通路7とは交叉することなく、図1の正面形状(ポンプギヤ2a、2b、2cの歯形断面方向の形状)において同一方向に向いた滑らかな流路形状となる。従って前記交叉部を有しないため、鋳物の形状が簡単となり中子の数も最少限で済み、鋳造工数が低減される。
【0035】
かかる構成からなる潤滑装置を備えたエンジンの運転時において、エンジン101のクランク軸により駆動ギヤ11及びポンプ軸10bを介して中央のポンプギヤ2bが図1の矢印のように回転駆動されると、これに噛み合う左右のポンプギヤ2c及び2aが矢印のように左右方向に回転せしめられる。
かかるポンプギヤの回転により、前記ポンプギヤ2cと2bとの噛み合い側には前記吸入口3を経て第1吸入通路4に導入された潤滑油が図の破線のように流れて吸入され、該ポンプギヤ2cと2bとにより前記第1吐出通路6に吐出せしめられる。また前記ポンプギヤ2bと2aとの噛み合い側には前記吸入口3から分岐された前記第2吸入通路5からの潤滑油が図の破線のように流れて吸入され、該ポンプギヤ2bと2aとにより前記第2吐出通路7に吐出せしめられる。
【0036】
第1吐出通路6及び第2吐出通路7を通して吐出された潤滑油は、該ギヤケース13内に形成された集合吐出路8にて合流せしめられ、前記ギヤケース13の内部を上方に延設されている該集合吐出路8を通って前記オイルクーラ102のオイル入口に供給される。
【0037】
尚、本発明は、この実施例におけるエンジン用潤滑装置の他、種々の原動機用潤滑装置、車両用潤滑装置、産業機械用潤滑装置等、三連式オイルポンプを備えた潤滑装置の全てに広く適用できる。
【0038】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、機器のケース部に固定されるポンプケースの少なくとも吐出通路の出口開口部分を埋め込み該吐出通路をケース部内に直接開口させるとともに、吸入ダクト部を前記ケース部に直接固定して構成したため、従来技術のようなポンプケースと別体の吸入管及び吐出管が不要となって、部品点数が減少するとともに、吸入部及び吐出部を含むオイルポンプ全体の組立作業が容易化され組立工数が低減される。
【0039】
また、従来技術のように吐出管を設けることなく、2つの吐出通路の出口開口部分をポンプケースの相手方ケース部の内部に埋め込んで該ケース部内の集合吐出路に直接開口しているので、前記ケース部のポンプ取付面からのオイルポンプの突出長さが従来技術よりも大幅に減少し、該オイルポンプが小形コンパクト化され、該オイルポンプの端面で決まるエンジン等の機器の全長も短縮される。
また前記2つの吐出通路及び集合吐出路からなる吐出通路がケース部の内部に形成されているので、吐出通路からのオイルの漏洩の発生が防止される。
【0040】
また、請求項2のように構成すれば、吸入ダクト部の取付面とポンプケース取付フランジの取付面とを同一平面上に形成しているので、ポンプケースの前記機器のケース部への取付部の機械加工が簡単になるとともに、ポンプケースと前記ケース部との取付面における流体シール性も向上する。
【0041】
さらに請求項4、6のように構成すれば、オイルポンプの回転軸心線の下側に形成される吸入通路と吐出通路とは交叉することなく、潤滑油の流れに沿って同一方向に向いた滑らかな流路形状となる。これにより、鋳物の形状が簡単となって中子の数も最少限で済み、鋳造工数が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るエンジンの潤滑装置における三連式オイルポ ンプの正面形状を示す要部断面構成図である。
【図2】 図1のA―A線断面図である。
【図3】 前記実施例におけるエンジン前端部のオイルポンプ周り補機配置の模式図である。
【図4】 従来技術を示す図1対応図である。
【図5】 図4のB―B線断面図である。
【図6】 従来技術を示す図3対応図である。
【符号の説明】
1 ポンプケース
1a、1c取付面
1b 吸入ダクト部
1d 取付フランジ
2a、2b、2c ポンプギヤ
2d 回転軸心線
3 吸入口
4 第1吸入通路
5 第2吸入通路
6 第1吐出通路
7 第2吐出通路
8 集合吐出路
10a、10b、10c ポンプ軸
11 駆動ギヤ
13 ギヤケース
13a ポンプ取付面
14 ポンプカバー
100 オイルポンプ
101 エンジン
101a 前端部
102 オイルクーラ

Claims (4)

  1. ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成された三連式オイルポンプを備えた潤滑装置において、
    前記オイルポンプからの潤滑油が供給される機器のケース部内に集合通路を形成するとともに、前記ポンプケースの2つの吐出通路を前記ケース部内に埋め込み、該2つの吐出通路の出口開口部分を前記ケース部内の集合通路に直接開口させて、該ケース部に前記ポンプケースを固定するとともに、前記吸入通路が形成される前記ポンプケースの吸入ダクト部を前記機器のケース部に直接固定し、さらに、前記吸入ダクト部に接続される前記2つの吸入通路及び前記ポンプケース内の2つの吐出通路の夫々を前記ポンプギヤの回転軸心線に対して上下に1つずつ配置するとともに、
    前記2つの吸入通路及び前記吐出通路の1つが前記ポンプギヤの歯幅に直角方向において同一断面位置に配置され他の吐出通路が前記2つの吸入通路及び吐出通路の1つとは前記歯幅方向にずらして配置されるようにして、前記2つの吸入通路及び前記2つの吐出通路をポンプケース内において交叉しないように形成してなることを特徴とする三連式オイルポンプを備えた潤滑装置。
  2. 前記ポンプケースに形成された前記機器のケース部への取付フランジの取付面と、前記吸入ダクト部に形成されたケース部への取付フランジの取付面とを同一平面上に形成してなることを特徴とする請求項1記載の三連式オイルポンプを備えた潤滑装置。
  3. 前記機器のケース部の内部に、前記2つの吐出通路に接続される集合吐出路を形成し、該集合吐出路の出口端をオイルクーラ(潤滑油冷却器)に接続してなることを特徴とする請求項1記載の三連式オイルポンプを備えた潤滑装置。
  4. ポンプケース内に回転自在に並設された3個のポンプギヤの回転により2つの吸入通路から吸入された潤滑油を2つの吐出通路に送出するように構成されてなる三連式オイルポンプを備えた潤滑装置の製造方法において、
    前記ポンプケースの鋳型を、前記2つの吸入通路及び2つの吐出通路の夫々が前記ポンプギヤの回転軸心線に対して上下に1つずつ配置されるとともに、前記2つの吸入通路及び前記吐出通路の1つが前記ポンプギヤの歯幅に直角方向において同一断面位置に配置され他の吐出通路が前記2つの吸入通路及び吐出通路の1つとは前記歯幅方向にずらして配置されるようにして、前記4つの通路がポンプケース内において交叉しないように形成するとともに、前記2つの吐出通路及びこれの出口開口部分と前記2つの吸入通路と該吸入通路に接続される吸入ダクト部とを一体に形成した鋳造品で製作し、
    次いで該ポンプケース内に前記3個のポンプギヤを含む内部構成部品を組み込んでオイルポンプ組立品を製作し、該オイルポンプ組立品を前記オイルポンプからの潤滑油が供給される機器のケース部内に集合通路を形成するとともに、前記ポンプケースの2つの吐出通路をケース部内に埋め込み、該2つの吐出通路の出口開口部分を前記ケース部内の集合通路に直接開口させて固定するとともに前記吸入通路が形成されるポンプケースの吸入ダクト部を前記ケース部取付面に直接固定することを特徴とする三連式オイルポンプを備えた潤滑装置の製造方法。
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