JP3875360B2 - 車両用制動力及びヨーモーメント制御装置 - Google Patents

車両用制動力及びヨーモーメント制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左,右車輪に接続されて回転する左,右油圧ポンプに負荷を与えることにより制動力を発生させ、また左,右油圧ポンプの一方に制動力を、他方に駆動力をそれぞれ発生させることでヨーモーメントを発生させる車両用制動力及びヨーモーメント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
左右の車輪にそれぞれ接続されて回転する左油圧ポンプ及び右油圧ポンプの一方及び他方にそれぞれ制動力及び駆動力を発生させてヨーモーメントを制御する車両のヨーモーメント制御装置は、本出願人により既に提案されている(特願平8−324323号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に車両用制動装置は、ブレーキペダルの操作によりマスタシリンダが発生するブレーキ油圧をブレーキシリンダに伝達することにより、ブレーキシリンダの駆動力でブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けて制動を行うようになっている。このような摩擦力に基づく制動を行うものでは、ブレーキパッド等の摩擦部材の消耗が不可避であり、その交換やメンテナンスに多くの手間と費用とを要する問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、前記ヨーモーメント制御装置において使用される油圧ポンプを車両の制動にも利用することにより、摩擦部材が不要な車両用制動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、左輪に接続されて回転する左油圧ポンプと、右輪に接続されて回転する右油圧ポンプと、左油圧ポンプの吐出ポートと右油圧ポンプの吸入ポートとを接続する第1油路と、右油圧ポンプの吐出ポートと左油圧ポンプの吸入ポートとを接続する第2油路と、左油圧ポンプの吐出ポートから第1油路に吐出されたオイルをタンクに戻す第1切換弁と、右油圧ポンプの吐出ポートから第2油路に吐出されたオイルをタンクに戻す第2切換弁と、第1、第2切換弁とタンクとの間に設けられた制動用可変絞り弁と、左油圧ポンプの吐出容量を増加させる第1容量制御手段と、右油圧ポンプの吐出容量を増加させる第2容量制御手段と、前記第1、第2切換弁及び制動用可変絞り弁の作動を制御して左油圧ポンプ及び右油圧ポンプに制動力を発生させ、また前記第1容量制御手段及び第2容量制御手段の作動を制御して左油圧ポンプ及び右油圧ポンプの一方に制動力を、他方に駆動力をそれぞれ発生させる制動力及びヨーモーメント制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、左油圧ポンプの吐出ポート、第1油路、右油圧ポンプの吸入ポート、右油圧ポンプ、吐出ポート、第2油路及び左油圧ポンプの吸入ポートよりなる油圧閉回路をオイルが無負荷で循環するとき、左右の油圧ポンプは制動力を発生しない。第1、第2切換弁を切り換えることにより、左油圧ポンプの吐出ポートから第1油路に吐出されたオイルと、右油圧ポンプの吐出ポートから第2油路に吐出されたオイルとを制動用可変絞り弁を介してタンクに戻すと、オイルが制動用可変絞り弁を通過する際の負荷により左右の油圧ポンプが制動力を発生し、この左右の油圧ポンプに接続された車輪が制動される。 また1容量制御手段により左油圧ポンプの吐出容量増加させると、左油圧ポンプは負荷を有するポンプ状態になって左輪に制動力が発生するとともに、右油圧ポンプは左油圧ポンプが吐出するオイルで駆動されるモータ状態になって右輪に駆動力が発生する。その結果、左旋回方向のヨーモーメントが発生し、車両が左旋回中であればアンダーステア傾向を解消することができ、車両が右旋回中であればオーバーステア傾向を解消することができる。一方、第2容量制御手段により右油圧ポンプの吐出容量増加させると、右油圧ポンプは負荷を有するポンプ状態になって右輪に制動力が発生するとともに、左油圧ポンプは右油圧ポンプが吐出するオイルで駆動されるモータ状態になって左輪に駆動力が発生する。その結果、右旋回方向のヨーモーメントが発生し、車両が左旋回中であればオーバーステア傾向を解消することができ、車両が右旋回中であればアンダーステア傾向を解消することができる
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図8は本発明の第1実施例を示すもので、図1は駆動力/制動力制御装置を備えた車両の全体構成図、図2は駆動力/制動力制御装置の油圧回路図、図3はオーバーステア時の作用説明図、図4はアンダーステア時の作用説明図、図5は後進走行時の作用説明図、図6は後輪の制動力制御のフローチャート、図7は後輪の制動力配分特性を示すグラフ、図8は制動時の作用説明図である。
【0009】
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの車両は、車体前部に搭載したエンジンEにより駆動される駆動輪としての左右の前輪WFL,WFRと、車両の走行に伴って回転し、かつ駆動力/制動力制御装置1によって回転数を制御される従動輪としての左右の後輪WRL,WRRとを備える。
【0010】
駆動力/制動力制御装置1は、左後輪WRLの車軸2Lに直結されて駆動される左油圧ポンプ3Lを有する左ポンプユニットPLと、右後輪WRRの車軸2Rに直結されて駆動される右油圧ポンプ3Rを有する右ポンプユニットPRと、左油圧ポンプ3Lの吐出ポート4Lと右油圧ポンプ3Rの吸入ポート5Rとを接続する第1油路21と、右油圧ポンプ3Rの吐出ポート4Rと左油圧ポンプ3Lの吸入ポート5Lとを接続する第2油路22と、第1油路21をタンク6に接続する第3油路23と、第2油路22をタンク6に接続する第4油路24と、第1油路21に設けられて左油圧ポンプ3Lの吐出ポート4Lから右油圧ポンプ3Rの吸入ポート5Rへのオイルの流れを許容するチェック弁7Lと、第2油路22に設けられて右油圧ポンプ3Rの吐出ポート4Rから左油圧ポンプ3Lの吸入ポート5Lへのオイルの流れを許容するチェック弁7Rと、第3油路23に設けられたソレノイド弁よりなる第1可変絞り弁8Lと、第4油路24に設けられたソレノイド弁よりなる第2可変絞り弁8Rと、第1油路21に設けられたソレノイド弁よりなる第1切換弁25Lと、第2油路22に設けられたソレノイド弁よりなる第2切換弁25Rと、第1、第2切換弁25L,25Rをタンク6に接続する第5油路26と、第5油路26に設けられたソレノイド弁よりなる制動用可変絞り弁8Bとから構成される。
【0011】
マイクロコンピュータよりなる電子制御ユニットUには、ステアリングホイールHの回転角に基づいて操舵角を検出する操舵角センサS1 と、車体のヨーレートを検出するヨーレートセンサS2 と、四輪WFL,WFR,WRL,WRRの車輪速を検出する車輪速センサS3 …と、ブレーキペダルPの操作によりマスタシリンダMCが発生する制動油圧の大きさ、即ちブレーキペダルPの踏力を検出する踏力センサS4 とが接続される。
【0012】
マスタシリンダMCが発生した制動油圧は、四輪WFL,WFR,WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキシリンダBFL,BFR,BRL,BRRに、公知の制動油圧調整手段27を介して伝達される。
【0013】
電子制御ユニットUは、前記各センサS1 〜S4 からの信号に基づいて駆動力/制動力制御装置1の第1,第2可変絞り弁8L,8R、制動用可変絞り弁8B及び第1、第2切換弁25L,25Rの作動を制御することにより、左右の後輪WRL,WRR間で制動力及び駆動力を配分してヨーモーメントを制御するとともに、左右の後輪WRL,WRRに制動力を発生させてブレーキシリンダBFL,BFR,BRL,BRRが発生する制動力の一部を負担する。また制動油圧調整手段27は、電子制御ユニットUからの指令に基づいて四輪WFL,WFR,WRL,WRRの制動力を個別に制御し得るもので、ロック傾向になった車輪の制動力を減少させるアンチロックブレーキ制御を行うとともに、駆動力/制動力制御装置1との間で制動力の配分制御を行う。
【0014】
次に、図2に基づいて左右のポンプユニットPL,PRの詳細な構造を説明する。
【0015】
左ポンプユニットPLの左油圧ポンプ3Lは3個の作動室9L1 〜9L3 を備えており、各作動室9L1 〜9L3 はそれぞれ吐出ポート4L1 〜4L3 と吸入ポート5L1 〜5L3 とを備える。また右ポンプユニットPRの右油圧ポンプ3Rは3個の作動室9R1 〜9R3 を備えており、各作動室9R1 〜9R3 はそれぞれ吐出ポート4R1 〜4R3 と吸入ポート5R1 〜5R3 とを備える。左油圧ポンプ3Lの3個の吐出ポート4L1 〜4L3 は、チェック弁7Lを有する第1油路21を介して右油圧ポンプ3Rの3個の吸入ポート5R1 〜5R3 に接続されるとともに、右油圧ポンプ3Rの3個の吐出ポート4R1 〜4R3 は、チェック弁7Rを有する第2油路22を介して左油圧ポンプ3Lの3個の吸入ポート5L1 〜5L3 に接続される。第1油路21の中間部は第1可変絞り弁8Lを有する第3油路23を介してタンク6に接続され、第2油路22の中間部は第2可変絞り弁8Rを有する第4油路24を介してタンク6に接続さる。
【0016】
第1油路21の上流側から分岐して左油圧ポンプ3Lの3個の吐出ポート4L1 〜4L3 に連なる3本の油路21L1 〜21L3 に、それぞれチェック弁10L…が設けられるとともに、第1油路21の下流側から分岐する3本の油路21R1 〜21R3 が右油圧ポンプ3Rの3個の吸入ポート5R1 〜5R3 に連通する。また第2油路22の上流側から分岐して右油圧ポンプ3Rの3個の吐出ポート4R1 〜4R3 に連なる3本の油路22R1 〜22R3 に、それぞれチェック弁10R…が設けられるとともに、第2油路22の下流側から分岐する3本の油路22L1 〜22L3 が左油圧ポンプ3Lの3個の吸入ポート5L1 〜5L3 に連通する。
【0017】
左油圧ポンプ3Lの2個の作動室9L2 ,9L3 の吸入ポート5L2 ,4L3 に連なる2本の油路22L2 ,22L3 に、油路21L1 の油圧により作動するパイロット弁よりなる第1容量制御手段としての第1開閉弁11Lが設けられる。また右油圧ポンプ3Rの2個の作動室9R1 ,9R3 の吸入ポート5R1 ,5R3 に連なる2本の油路21R1 ,21R3 に、油路22R2 の油圧により作動するパイロット弁よりなる第2容量制御手段としての第2開閉弁11Rが設けられる。
【0018】
第1油路21にはソレノイド弁よりなる第1切換弁25Lが設けられており、この第1切換弁25Lを切り換えることにより、左油圧ポンプ3Lが第1油路21に吐出したオイルを、制動用可変絞り弁8Bが設けられた第5油路26を介してタンク6に排出する。また第2油路22にはソレノイド弁よりなる第2切換弁25Rが設けられており、この第2切換弁25Rを切り換えることにより、右油圧ポンプ3Rが第2油路22に吐出したオイルを前記制動用可変絞り弁8Bを介してタンク6に排出する。
【0019】
次に、駆動力/制動力制御装置1による車両のヨーモーメント制御について説明する。このヨーモーメント制御が行われているとき、第1、第2切換弁25L,25Rによって第5油路26は第1、第2油路21,22から切り離されており、制動用可変絞り弁8Bは機能しない状態にある。
【0020】
電子制御ユニットUは、操舵角センサS1 で検出した操舵角と車輪速センサS3 …で検出した車速とに基づいて規範ヨーレートを算出し、この規範ヨーレートをヨーレートセンサS2 で検出した実ヨーレートとを比較した結果、実ヨーレートが規範ヨーレートに一致していればニュートラルステアであると判定し、図2に示すように第1可変絞り弁8L及び第2可変絞り弁8Rを共に開弁状態に保持する。
【0021】
第1可変絞り弁8L及び第2可変絞り弁8Rが開弁した状態では、第1油路21及び第2油路22はそれぞれ第3油路23及び第4油路24を介してタンク6に連通するため、その圧力は大気圧になる。このとき、第1、第2開閉弁11L,11Rは共に閉弁状態にあり、左油圧ポンプ3Lの2個の作動室9L2 ,9L3 は吸入ポート5L2 ,5L3 を閉塞されて作動を停止し、また右油圧ポンプ3Rの2個の作動室9R1 ,9R3 は吸入ポート5R1 ,5R3 を閉塞されて作動を停止する。
【0022】
従って、左油圧ポンプ3Lは、第2油路22のオイルを、油路22L1 吸入ポート5L1 、作動室9L1 、吐出ポート4L1 及び油路21L1 を介して第1油路21に供給する。また右油圧ポンプ3Rは、第1油路21のオイルを、油路21R2 、吸入ポート5R2 、作動室9R2 、吐出ポート4R2 及び油路22R2 を介して第2溶油路22に供給する。このとき、第1油路21及び第2油路22は第1可変絞り弁8L及び第2可変絞り弁8Rの開弁により大気圧になっているため、左油圧ポンプ3L及び右油圧ポンプ3Rは左右の後輪WRL,WRRにより無負荷で回転して駆動力も制動力も発生しない。
【0023】
また、実ヨーレートが規範ヨーレートを上回ればオーバーステア傾向であると判定し、例えば車両が左旋回中であれば、図3に示すように、第2油路22及びタンク6を接続する第2可変絞り弁8Rを前記オーバーステア傾向の程度に応じて絞ることにより、第4油路24に流路抵抗を発生させる。その結果、第2油路22の圧力が高まり、その上流側の油路22R2 の圧力で第2開閉弁11Rが開弁し、右油圧ポンプ3Rの3個の作動室9R1 〜9R3 が全て作動状態になる。一方、第1可変絞り弁8Lが開弁状態にあって第1油路21が大気圧に保たれるため、第1開閉弁11Lは閉弁状態になり、左油圧ポンプ3Lは1個の作動室9L1 だけが作動状態となる。
【0024】
而して、左旋回中の旋回外輪に接続された右油圧ポンプ3Rは、その吐出油路である第2油路22の圧力増加により負荷が発生し、その負荷が旋回外輪に制動力を作用させる。また3個の作動室9R1 〜9R3 が作動する右油圧ポンプ3Rと、1個の作動室9L1 が作動する左油圧ポンプ3Lとの吐出量の差分に相当するオイルが左油圧ポンプ3Lの作動室9L1 に供給され、そのオイルが左油圧ポンプ3Lをモータして駆動することにより、旋回内輪に駆動力が発生する。このように、旋回外輪に制動力が発生し、旋回内輪に駆動力が発生すると、車両の旋回を抑制するヨーモーメントが作用して前記オーバーステア傾向を解消することができる。
【0025】
また、実ヨーレートが規範ヨーレートを下回ればアンダーステア傾向であると判定し、例えば車両が左旋回中であれば、図4に示すように、第1油路21及びタンク6を接続する第1可変絞り弁8Lを前記アンダーステア傾向の程度に応じて絞ることにより、第3油路23に流路抵抗を発生させる。その結果、第1油路21の圧力が高まり、その上流側の油路21L1 の圧力で第1開閉弁11Lが開弁し、左油圧ポンプ3Lの3個の作動室9L1 〜9L3 が全て作動状態になる。一方、第2可変絞り弁8Rが開弁状態にあって第2油路22が大気圧に保たれるため、第2開閉弁11Rは閉弁状態になり、右油圧ポンプ3Rは1個の作動室9R2 だけが作動状態となる。
【0026】
而して、左旋回中の旋回内輪に接続された左油圧ポンプ3Lは、その吐出油路である第1油路21の圧力増加により負荷が発生し、その負荷が旋回内輪に制動力を作用させる。また3個の作動室9L1 〜9L3 が作動する左油圧ポンプ3Lと、1個の作動室9R2 が作動する右油圧ポンプ3Rとの吐出量の差分に相当するオイルが右油圧ポンプ3Rの作動室9R2 に供給され、そのオイルが右油圧ポンプ3Rをモータして駆動することにより、旋回外輪に駆動力が発生する。このように、旋回内輪に制動力が発生し、旋回外輪に駆動力が発生すると、車両の旋回を補助するヨーモーメントが作用して前記アンダーステア傾向を解消することができる。
【0027】
更に、車両が後進走行する場合には、図5に示すように両モータ3L,3Rの回転方向が逆になり、吐出ポート4L1 〜4L3 ;4R1 〜4R3 から吸入されたオイルが吸入ポート5L1 〜5L3 ;5R1 〜5R3 から吐出されることになる。しかしながら、左油圧ポンプ3Lの吐出ポート4L1 〜4L3 に連なる油路22L1 〜22L3 に設けられたチェック弁10L…によりオイルの吸入が阻止されるため、左油圧ポンプ3Lはベーンが半径方向内側に後退して無負荷状態になる。同様に、右油圧ポンプ3Rの吐出ポート4R1 〜4R3 に連なる油路22R1 〜22R3 に設けられたチェック弁10R…によりオイルの吸入が阻止されるため、右油圧ポンプ3Rはベーンが半径方向内側に後退して無負荷状態になる。その結果、車両の後進走行時にはヨーモーメントの制御は行われない。
【0028】
上述したように、左油圧ポンプ3L及び右油圧ポンプ3Rを油圧回路で接続しただけの小型軽量で低コストな駆動力/制動力制御装置1により、車両のヨーモーメントを任意に制御して望ましくないオーバーステア傾向及びアンダーステア傾向を解消することができる。
【0029】
次に、駆動力/制動力制御装置1及び制動油圧調整手段27による後輪WRL,WRRの制動力制御について説明する。
【0030】
図8に示すように、第1、第2切換弁25L,25RをONして第5油路26を第1、第2油路21,22に接続すると、左油圧ポンプ3Lが第1油路21に吐出したオイルは右油圧ポンプ3Rに供給されることなく、第1切換弁25Lを経て第5油路26に供給され、同様に右油圧ポンプ3Rが第2油路22に吐出したオイルは左油圧ポンプ3Lに供給されることなく、第2切換弁25Rを経て第5油路26に供給される。第5油路26に供給されたオイルは制動用可変絞り弁8Bを通過してタンク6に戻されるが、その際に左右の油圧ポンプ3L,3Rが制動用可変絞り弁8Bの絞り量に応じた負荷を受けることにより、これら左右の油圧ポンプ3L,3Rに接続された後輪WRL,WRRが制動される。
【0031】
さて、図6のフローチャートのステップS1において、図示せぬブレーキスイッチによりブレーキペダルPが踏まれていないことが検知されると、ステップS2,S3で第1、第2切換弁25L,25R及び制動用可変絞り弁8Bを図2〜図5に示すヨーモーメント制御時の状態に設定する。つまり、第1、第2切換弁25L,25RをOFF位置(第5油路26を第1、第2油路21,22から遮断する位置)にするとともに、制動用可変絞り弁8Bの絞り量をゼロの状態にする。
【0032】
前記ステップS1でブレーキペダルPが踏まれたことが検知されると、ステップS4で踏力センサS4 で検出したマスタシリンダMCの出力油圧を読み込み、ステップS5で前記出力油圧からブレーキペダルPの踏力を演算する。続いて、ステップS6で第1、第2切換弁25L,25RをONして第5油路26を第1、第2油路21,22に接続するとともに、ステップS7で制動用可変絞り弁8Bの絞り量を演算し、更にステップS8で後輪WRL,WRRのブレーキシリンダBRL,BRRに発生させるべきブレーキ量を演算する。そしてステップS9で前記絞り量を制動用可変絞り弁8Bに出力することにより左右の油圧ポンプ3L,3Rに制動力を発生させるとともに、前記後輪WRL,WRRのブレーキ量を制動油圧調整手段27に出力することにより後輪WRL,WRRのブレーキシリンダBRL,BRRに制動力を発生させる。
【0033】
図7から明らかなように、後輪WRL,WRRの制動力は踏力の増加に応じて増加し、踏力が所定値P0 に達すると踏力の増加率が減少するように設定されている。このような後輪WRL,WRRの制動力特性を得るために、制動油圧調整手段27はブレーキシリンダBRL,BRRによる後輪WRL,WRRの制動力が、踏力の増加に応じてリニアに増加するように制御を行う。一方、左右の油圧ポンプ3L,3Rの制動力は踏力の増加に応じてリニア増加し、踏力が前記所定値P0 に達すると一定値にホールドされる。その結果、後輪WRL,WRRのトータルの制動力に、図7に折れ線で示す特性を与えることができる。
【0034】
以上のように、後輪WRL,WRRの制動力の一部を左右の油圧ポンプ3L,3Rの制動力で肩代わりすることにより、後輪WRL,WRRのブレーキシリンダBRL,BRRの負担が減少してブレーキパッドの寿命が延長される。
【0035】
次に、図9に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0036】
第2実施例は駆動力/制動力制御装置1を自動ブレーキ制御に応用したものである。先ず、ステップS11で図示せぬレーザーレーダー等により前走車との相対距離及び相対速度を読み込むとともに、車輪速センサS3 …で検出した車速を読み込む。電子制御ユニットUは、読み込んだデータに基づいて前走車との車間距離を確保するために制動を行う必要があるか否かを判断し、制動を行う必要がある場合にはステップS12で必要な自動ブレーキ量を演算する。そしてステップS13で駆動力/制動力制御装置1の第1、第2切換弁25L,25RをONし、更にステップS14で前記自動ブレーキ量に相当する制動用可変絞り弁8Bを絞り量を演算し、ステップS15で前記絞り量を出力して制動用可変絞り弁8Bを作動させる。その結果、ドライバーがブレーキペダルPを操作することなく、左右の油圧ポンプ3L,3Rに制動力を発生させて前走車との車間距離を確保することができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施例では制動用可変絞り弁8Bの絞り量を電子制御ユニットUにより制御しているが、制動用可変絞り弁8Bを絞り量をマスタシリンダMCの出力油圧をパイロット圧として制御することができる。こうすれば、左右の油圧ポンプ3L,3Rに踏力に応じた制動力を発生させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、第1、第2切換弁を切り換えることにより、左油圧ポンプの吐出ポートから第1油路に吐出されたオイルと、右油圧ポンプの吐出ポートから第2油路に吐出されたオイルとを制動用可変絞り弁を介してタンクに戻すと、オイルが制動用可変絞り弁を通過する際の負荷により左右の油圧ポンプが制動力を発生し、この左右の油圧ポンプに接続された車輪が制動されるので、従来のブレーキパッド等の摩擦部材を必要としない制動装置を提供することができる。
【0040】
また左油圧ポンプの吐出容量を増加させる第1容量制御手段と、右油圧ポンプの吐出容量を増加させる第2容量制御手段とを備え、その第1及び第2容量制御手段の作動を制御することで、左油圧ポンプ及び右油圧ポンプの一方及び他方にそれぞれ制動力及び駆動力を発生させてヨーモーメントを制御可能であるので、オーバーステア傾向及びアンダーステア傾向を任意に調整することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 駆動力/制動力制御装置を備えた車両の全体構成図
【図2】 駆動力/制動力制御装置の油圧回路図
【図3】 オーバーステア時の作用説明図
【図4】 アンダーステア時の作用説明図
【図5】 後進走行時の作用説明図
【図6】 後輪の制動力制御のフローチャート
【図7】 後輪の制動力配分特性を示すグラフ
【図8】 制動時の作用説明図
【図9】 第2実施例に係る自動ブレーキ制御のフローチャート
【符号の説明】
3L 左油圧ポンプ
3R 右油圧ポンプ
4L 吐出ポート
4R 吐出ポート
5L 吸入ポート
5R 吸入ポート
6 タンク
8L 第1可変絞り弁
8R 第2可変絞り弁
8B 制動用可変絞り弁
11L 第1開閉弁(第1容量制御手段)
11R 第2開閉弁(第2容量制御手段)
21 第1油路
22 第2油路
25L 第1切換弁
25R 第2切換弁
27 制動油圧調整手段
U 電子制御ユニット(制動力及びヨーモーメント制御手段)
FL 前輪(車輪)
FR 前輪(車輪)
RL 後輪(車輪、左輪)
RR 後輪(車輪、右輪)

Claims (1)

  1. 左輪(WRL)に接続されて回転する左油圧ポンプ(3L)と、
    右輪(WRR)に接続されて回転する右油圧ポンプ(3R)と、
    左油圧ポンプ(3L)の吐出ポート(4L)と右油圧ポンプ(3R)の吸入ポート(5R)とを接続する第1油路(21)と、
    右油圧ポンプ(3R)の吐出ポート(4R)と左油圧ポンプ(3L)の吸入ポート(5L)とを接続する第2油路(22)と、
    左油圧ポンプ(3L)の吐出ポート(4L)から第1油路(21)に吐出されたオイルをタンク(6)に戻す第1切換弁(25L)と、
    右油圧ポンプ(3R)の吐出ポート(4R)から第2油路(22)に吐出されたオイルをタンク(6)に戻す第2切換弁(25R)と、
    第1、第2切換弁(25L,25R)とタンク(6)との間に設けられた制動用可変絞り弁(8B)と、
    左油圧ポンプ(3L)の吐出容量を増加させる第1容量制御手段(11L)と、
    右油圧ポンプ(3R)の吐出容量を増加させる第2容量制御手段(11R)と、
    前記第1、第2切換弁(25L,25R)及び制動用可変絞り弁(8B)の作動を制御して左油圧ポンプ(3L)及び右油圧ポンプ(3R)に制動力を発生させ、また前記第1容量制御手段(11L)及び第2容量制御手段(11R)の作動を制御して左油圧ポンプ(3L)及び右油圧ポンプ(3R)の一方に制動力を、他方に駆動力をそれぞれ発生させる制動力及びヨーモーメント制御手段(U)と
    を備えたことを特徴とする、車両用制動力及びヨーモーメント制御装置
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