JP3874589B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、リチウムもしくはリチウムを吸蔵放出可能な物質を負極活物質とし、リチウムイオン導電性の非水電解質を用いる非水電解質二次電池に関するものであり、特に正極の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、電源としての電池に対し大電流出力を要求する機器が多種多様に出現し、経済性と機器の小型軽量化の観点から、高エネルギー密度の二次電池が強く要望されている。このため、高電圧かつ高エネルギー密度を有する非水電解質二電池の研究開発が活発に行われ、一部実用化もされている。
【0003】
従来、この種の二次電池の正極活物質としては、TiS2,MoS2,NbSe3等の金属カルコゲン化物や、MnO2,MoO3,V2O5,LixCoO2,LixNiO2,LixMn2O4等の金属酸化物等々多種多様のものが提案されている。
【0004】
これらの正極活物質の中で、LixCoO2やLixNiO2等のα-NaCrO2型層状構造を有するリチウム遷移金属酸化物LixMyO2(x≦1、y≒1)は、リチウム負極に対して(1)式
Lix1MyO2⇔Lix1-x2MyO2+x2Li++x2e- (1)
(但し、x1は充電前の、x1-x2は充電後のLi量xを表し、0<x1≦1,0<x1-x2≦1である。)に示す電池反応をし、その作動電圧は4V以上の高電圧を示す。更に、充放電によりx=0〜1の範囲でLiイオンがデインターカレーション、インターカレーション可能とすると、理論エネルギー密度として1100Whr/kg以上の高エネルギー密度が期待され、有望な物質である(特開昭55-136131号公報)。
【0005】
しかし乍、リチウムもしくはリチウムを吸蔵放出可能な物質を負極活物質とし、正極活物質として上記の様な従来のLixMyO2を用いた電池においては、実用的な充放電電圧及び電流密度では有効充放電容量が小さく、理論容量の50%以下であり、かつ電流が大きいほど小さくなるという問題があった。又、放電時の分極による作動電圧の低下が大きいという問題があった。
【0006】
この原因は、充電に依って正極のLixMyO2からLiイオンが引き抜かれるのに伴って(デインターカレーション)、LixMyO2の電極電位が著しく上昇し、かつLiイオン導電性や電子導電性が低いことに起因する分極が大きいため、充電電圧が著しく上昇し、これらの電池に使用できる後述の電解質の分解電圧(金属Liに対し約4〜4.5V)や、電池ケース及び集電体等の酸化電位以下の実用的に安定な電圧では、充電される容量が著しく低下するためである。特に、LixMyO2中のLi量xが約0.6以下の領域に於て電位上昇が著しいため実用的な充電電圧及び電流密度ではこの領域は実質的に利用出来ない。
【0007】
また、充放電時に結晶格子が膨張収縮や相転移等の構造変化するため、充放電の繰り返しにより結晶構造が破壊され、充放電容量が次第に低下するという課題があった。
【0008】
これらの課題に対し、(1)Al、In、Sn等の金属Nと遷移金属M及びアルカリ金属Aとの複合酸化物AxMyNzO2(但し、0.05≦x≦1.10、0.85≦y≦1.0、0.001≦z≦0.10;特開昭62-90863号公報)や、(2)遷移金属としてニッケルNiとコバルトCoが共存する複合酸化物LiyNixCo1-xO2(但し、0<x≦0.75、y≦1;特開昭63-299056号公報)等々を用いることが提案されている。
【0009】
これらの複合酸化物を用いることに依り、充放電特性がかなり改善されるが、理論容量に比べまだ不十分であり、特に実用的に重要な大電流密度での充放電容量が小さく、不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
先に、本発明者等は上記の様な問題を解決するため、(3)周期律表IIIB、IVB及びVB族の非金属元素及び半金属元素、アルカリ土類金属元素及びZn、Cu、Ti等の金属元素の中から選ばれた1種又は2種以上の元素Lと遷移金属M及びリチウムLiとの複合酸化物LixMyLzO2(但し、0<x≦1.15、0.85≦y+z≦1.3、0<z;特開平5-54889号公報)を用いることを提案した。この様な複合酸化物を用いることにより、充放電特性が更に改善されたが、大電流密度における充放電特性は理論容量に比べまだ改善の余地があった。
【0011】
又、遷移金属Mとしては、Co及びNiの場合が特に充放電特性が優れており好ましいが、Coの場合は本質的に電位が高く、特に理論容量の50%以上の充電領域において電位が著しく上昇するため電解質等の分解があり、また結晶構造の転移があり、安定に理論容量の60%以上の充放電容量を得ることは実質的には困難であった。更に、Coは資源が少なく価格が高いという欠点もある。一方、Niの場合には、理論容量の80%以上の容量で充放電が可能であるが、充放電の繰り返しによる充放電容量の低下(サイクル劣化)が大きく、又経時的な劣化が大きいという欠点がある。更に、後述のような加熱合成に際し、充放電性能の低い立方晶構造のものが生成し易いため、大気中での合成が難しく、酸素雰囲気中等で合成し雰囲気や温度等を緻密に制御する必要があり、製造プロセスが複雑でコスト高になるという欠点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の様な課題を解決するため、この種の電池の正極活物質として組成式LiaRbLcMdO2(但し、Rはホウ素B及びケイ素Siの中から選ばれた一種以上の類金属元素であり、Lは周期律表のIIIB族及びIVB族の金属及び類金属、アルカリ土類金属、Ti、Mn、Cu及びZn等の金属等々の中から選ばれた少なくとも一種以上の元素、Mは一種以上の遷移金属元素であり、RとL及びMはそれぞれ異なり、a、b、c及びdはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c+d≦1.3、0<b+c≦0.5、0<b、且つ0<cの範囲、又はc=0であり且つ遷移金属Mとして少なくともニッケルNiとコバルトCoを共に含有する)で示される新規な複合酸化物を用いることを提起するものである。即ち、リチウムLi及び遷移金属Mと共に、非遷移金属(類金属)元素であるホウ素B及びケイ素Siから選ばれた一種以上の元素Rを少なくとも含有し、更に周期律表IIIB族のAl、Ga、In、Tl、B、IVB族のC、Ge、Sn、Pb、Si等の金属及び類金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属、及びTi、Mn、Cu、Zn等の金属等々の中から選ばれた少なくとも一種以上の元素Lをも含有する複合酸化物、又は、少なくともB及び/又はSiから成る類金属元素Rを含有し、遷移金属Mとして少なくともNiとCoが共存する複合酸化物を用いる。
【0013】
本発明電池の正極活物質として用いられるリチウムと元素Rと元素L及び遷移金属Mから成る該複合酸化物LiaRbLcMdO2は次のようにして合成することが出来る。即ち、リチウム、遷移金属、元素R及び元素Lの各々の単体または酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩、硝酸塩等の塩、ハロゲン化物、窒化物あるいは硫化物等々の化合物を所定比で混合し、空気中または酸素を有する雰囲気中600゜C以上の温度、好ましくは700〜900゜Cの温度で加熱焼成することに依って得られる。Li、R、L、M等の供給源としてそれらの酸化物、または、酸素を有する化合物を用いる場合には、不活性雰囲気中で加熱合成することも可能である。特に、遷移金属MがNiを主体とする場合には酸素を主とする酸化性雰囲気が好ましく、Mnを主体とする場合には不活性ガス等の非酸化性雰囲気がよい。加熱時間は、通常4〜50時間で十分であるが、合成反応を促進し、均一性を高めるため、焼成、冷却、粉砕混合のプロセスを数回繰り返すことが有効である。
【0014】
複合酸化物LiaRbLcMdO2において、Li量aは上記の加熱合成に於いては定比組成a=1が標準であるが、±15%程度の不定比組成も可能であり、又、電気化学的なインターカレーション、デインターカレーション等により0<a≦1.15が可能である。元素Rの量b、元素Lの量c及び遷移金属Mの量dとしては、0.85≦b+c+d≦1.3、において充放電特性及びサイクル特性向上等への効果が顕著であり好ましい。一方、各サイクル毎の充放電容量は、元素Rの量bや元素Lの量cが多過ぎると逆に低下し、0<b+c≦0.5において最大となるため、この範囲がよい。
【0015】
元素Lとしては、前述の元素の中で、特にMg、C、Si、Ti、Mn、Cu又はZnを用いた場合に特に充放電特性及びサイクル特性が優れているので、特に好ましい。
【0016】
遷移金属Mとしては、Co,Ni,Fe,Mn,Cr,V等が好ましく、特にCo,Niが充放電特性が優れており好ましい。又、Mは単一の遷移金属である必要はなく2種以上の遷移金属の混合でもよい。
【0017】
特に、遷移金属MとしてNiと共にCoが共存する複合酸化物LiaRbLcNieCofO2の場合には、元素R及び元素Lの含有と相まって充放電特性及びサイクル特性が向上すると共に、Niが主体の場合でも大気中での合成が容易になり、製造に際し雰囲気や温度等の制御が容易で、製造コストが低減できるという利点がある。この場合において、より好ましくはNiが主体でありNiとCoの組成比が0.01≦f/(e+f)≦0.5であり、且つ元素Rと元素Lの含有量がそれぞれ0.01≦b≦0.25及び0≦c≦0.25の範囲の場合に、サイクル劣化や経時的劣化が小さく安定であると共に、特に充放電容量が大きく充放電特性が優れており、好ましい。中でも特に、NiとCoの組成比が0.03≦f/(e+f)≦0.25であり、且つ元素Rと元素Lの含有量がそれぞれ0.01≦b≦0.1及び0≦c≦0.1の範囲の場合に、特に充放電容量が大きく充放電特性及びサイクル特性が優れており、特に好ましい。
【0018】
又、電解質としては、γ-ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルフォーメイト、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメチルフォルムアミド等の有機溶媒の単独又は混合溶媒に支持電解質としてLiClO4,LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,Li(CF3SO2)2N等のリチウムイオン解離性塩を溶解した非水(有機)電解液、ポリエチレンオキシドやポリフォスファゼン架橋体等の高分子に前記リチウム塩を固溶させた高分子固体電解質あるいはLi3N,LiI等の無機固体電解質等々のリチウムイオン導電性の非水電解質であれば良い。
【0019】
【作用】
正極活物質として本発明のB又はSiから選ばれた元素Rと元素Lとを含有する遷移金属複合酸化物LiaRbLcMdO2を用いた場合には、従来のLixMyO2やB又はSiだけを含有する複合酸化物LiaRbMdO2及び元素Lだけを含有する複合酸化物LiaLcMdO2を用いた場合に比べ、電解質の分解電圧や電池ケース、集電体等の酸化電位以下の実用的な充電電圧及び電流密度に於いてLiイオンがインターカレーション、デインターカレーション出来る範囲、即ち、有効な充放電容量が著しく増加する。又、これを用いた電池の分極(内部抵抗)が低減するため、充電時の電圧上昇及び放電時の作動電圧の低下が著しく改善され、より大電流での充放電が可能となる。更に、充放電の繰り返しによる充放電容量の低下や電池内部抵抗の増加等のサイクル劣化が著しく軽減され、充放電サイクル特性が著しく改善される。
【0020】
この様に充放電特性が改善される理由は、必ずしも明らかではないが、次のように推定される。即ち、本発明の新規な複合酸化物LiaRbLcMdO2の基本結晶構造は、α-NaCrO2型層状化合物LixMyO2の遷移金属元素Mの一部が元素R(ホウ素又はケイ素)及び元素Lで置換されたα-NaCrO2型に類似の構造をしている。但し、元素R及び元素Lはまた、結晶の格子間隙間やLiサイト(Liと置換)にも存在し得る。いずれにせよ、元素Rと元素Lが共に存在することにより、結晶の骨格構造及び電子構造が変化し、RやLが単独で存在する場合に比べLiイオン導電性がより高まると共に、Liイオンの出入りに対し結晶の骨格構造がより安定になり、その結果、充放電に際しLiイオンのデインターカレーション及びインターカレーションが容易となるとともに結晶破壊等の劣化が殆ど無いためと推定される。
【0021】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0022】
【実施例】
図1は、本発明の一例を示すコイン型電池の断面図である。図において、1は負極端子を兼ねる負極ケースであり、外側片面をNiメッキしたステンレス鋼製の板を絞り加工したものである。2はステンレス鋼製のネットから成る負極集電体であり負極ケース1にスポット溶接されている。負極3は、所定厚みのアルミニウム板を直径15mmに打ち抜き、負極集電体2に固着し、その上に所定厚みのリチウムフォイルを直径14mmに打ち抜いたものを圧着したものである。7は外側片面をNiメッキしたステンレス鋼製の正極ケースであり、正極端子を兼ねている。5は後述の本発明に係わる正極であり、6はステンレス鋼製のネット又は炭素を導電性フィラーとする導電性接着剤(もしくは導電性ペースト等)からなる正極集電体であり、正極5と正極ケース7とを電気的に接続している。
【0023】
4はポリプロピレンの多孔質フィルムからなるセパレータであり、電解液が含浸されている。8はポリプロピレンを主体とするガスケットであり、負極ケース1と正極ケース7の間に介在し、正極と負極との間の電気的絶縁性を保つと同時に、正極ケース開口縁が内側に折り曲げられカシメられることに依って、電池内容物を密封、封止している。電池の大きさは、外径20mm、厚さ1.6mmであった。
【0024】
(参考例1)
参考例1の正極5を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと酸化ホウ素B2O3と酸化マグネシウムMgO及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:B:Mg:Co=1:0.1:0.1:0.8のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して参考例 1に依る正極活物質LiB0.1Mg0.1Co0.8O2(以下p1と略記する)を合成した。又、比較のため、ホウ素B及びマグネシウムMgを含まない従来法による層状酸化物LiCoO2(比較活物質r1)、ホウ素Bを含みマグネシウムMgを含まない複合酸化物LiB0.2Co0.8O2(比較活物質r2)、及びMgを含みBを含まない複合酸化物LiMg0.2Co0.8O2(比較活物質r3)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとCoCO3又はLiOH・H2OとCoCO3及びB2O3又はMgO等とをLi:B:Mg:Coが上記の組成式のモル比と成るように秤量し、混合した他は、上記の活物質p1の場合と同様にして比較用活物質r1〜r3を得た。
【0025】
これらの生成物を正極活物質とし、これに導電剤としてグラファイトを、結着剤としてフっ素樹脂等を重量比60:35:5の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤を2ton/cm2で直径15mm厚さ0.5mmのペレットに加圧成形して正極5を作製した。その後、この様にして得られた正極5を炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤から成る正極集電体6を用いて正極ケース7に接着し一体化した後、200℃で10時間減圧加熱乾燥したものを正極とした。
【0026】
電解質はエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:1混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムLiPF6を1モル/l溶解したものを用いた。
【0027】
この様にして作製された電池は、室温で1週間放置エージングされた後、後述の充放電試験が行われた。このエージングによって、負極のリチウム-アルミニウム積層電極は電池内で非水電解液に触れることにより十分合金化が進行し、リチウムフォイルは実質的に全てLi-Al合金となるため、電池電圧は、負極として金属リチウムを単独で用いた場合に比べて約0.4V低下した値となって安定した。
【0028】
この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p1,r1〜r3に対応し、それぞれ電池P1,R1〜R3と略記する。
【0029】
これらの電池P1,R1〜R3を1mAの定電流で、充電の終止電圧4.0V、放電の終止電圧2.0Vの条件で充放電サイクルを行ったときの各サイクルの放電容量(サイクル特性)を図2に示した。尚、充放電サイクルは充電からスタートした。図2から明らかな様に、本発明による電池P1は比較電池R1〜R3に比べ、充放電容量が著しく大きいことが分かる。又、充放電の繰り返しによる放電容量の低下(サイクル劣化)が著しく小さい。更に、同時に測定した充電電圧及び放電電圧から全充放電領域に渡って充電電圧は低く、逆に放電の作動電圧は著しく高くなっており、電池の分極(内部抵抗)が著しく改善され、大電流充放電が容易なことが分かった。
【0030】
(参考例2)
参考例2は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてコバルトCoを、複合化元素Rとしてホウ素Bを、複合化元素LとしてMnを用いた場合である。
【0031】
参考例 2の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと酸化ホウ素B2O3と二酸化マンガンMnO2及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:B:Mn:Co=1:0.1:0.1:0.8のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して参考例 2に依る正極活物質LiB0.1Mn0.1Co0.8O2(以下p2と略記)を合成した。又、比較のため、マンガンMnを含みホウ素Bを含まない複合酸化物LiMn0.2Co0.8O2(比較活物質r4)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとMnO2及びCoCO3とをLi:Mn:Co=1:0.2:0.8のモル比と成るように秤量し、混合した他は、上記の活物質p2の場合と同様にして比較用活物質r4を得た。
【0032】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、全て参考例1と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p2及びr4に対応し、電池P2及びR4とする。
【0033】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図3に示した。図3から明らかな様に、参考例2においても本発明による電池P2は複合化元素としてMnのみを含む正極活物質を用いた比較電池R4、ホウ素Bのみを含む正極活物質を用いた比較電池R2及びMnとBの何れも含まない活物質を用いた比較電池R1に比べ、充放電容量が著しく大きいことが分かる。又、充放電の繰り返しによる放電容量の低下(サイクル劣化)が著しく小さい。更に、同時に測定した充電電圧及び放電電圧から全充放電領域に渡って充電電圧は低く、逆に放電の作動電圧は著しく高くなっており、電池の分極(内部抵抗)が著しく改善され、大電流充放電が容易なことが分かる。
【0034】
(参考例3)
参考例3は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてコバルトCoを、複合化元素RとしてBを、複合化元素Lとしてケイ素Siを用いた場合である。
【0035】
参考例3の正極5を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと酸化ホウ素B2O3と二酸化ケイ素SiO2及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:B:Si:Co=1:0.05:0.05:0.9のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して参考例3に依る正極活物質LiB0.05Si0.05Co0.9O2(以下p3と略記)を合成した。又、比較のため、ホウ素B及びケイ素Siを含まない従来法による層状酸化物LiCoO2(比較活物質r5)、ホウ素Bを含みケイ素Siを含まない複合酸化物LiB0.1Co0.9O2(比較活物質r6)、及びSiを含みBを含まない複合酸化物LiSi0.1Co0.9O2(比較活物質r7)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとCoCO3又はLiOH・H2OとCoCO3及びB2O3又はSiO2等とをLi:B:Si:Coが上記の組成式のモル比と成るように秤量し、混合した他は、上記の活物質p3の場合と同様にして比較用活物質r5〜r7を得た。
【0036】
これらの生成物を正極活物質とし、これに導電剤としてグラファイトを、結着剤としてフっ素樹脂等を重量比60:35:5の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤をステンレス鋼製のネットからなる正極集電体6と共に2ton/cm2で直径15mm、厚さ0.5mmのペレットに加圧成形した後、100℃で10時間減圧加熱乾燥したものを正極とした。
【0037】
又、電解質はプロピレンカーボネートとエチレンカーボネート及び1,2-ジメトキシエタンの体積比1:1:2混合溶媒に過塩素酸リチウムLiCiO4を1モル/l溶解したものを用いた。
【0038】
この様にして得られた正極及び電解質を用いた他は、全て参考例1と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p3及びr5〜r7に対応し、電池P3及びR5〜R7とする。
【0039】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図4に示した。図4から明らかな様に、P3は複合化元素としてSiのみを含む正極活物質を用いた比較電池R7、Bのみを含む正極活物質を用いた比較電池R6及びSiとBの何れも含まない活物質を用いた比較電池R5に比べ、充放電容量が大きく、充放電特性が優れていることが分かる。
【0040】
(参考例4)
参考例4は、正極活物質を構成する遷移金属元素としてコバルトCoを、複合化元素RとしてBを、複合化元素Lとして炭素C、亜鉛Zn及びチタンTiを用いた場合である。
【0041】
参考例4の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと酸化ホウ素B2O3と元素Lの単体又は化合物及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:B:L:Co=1:0.1:0.1:0.8のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して参考例4による正極活物質LiB0.1L0.1Co0.8O2を合成した。
【0042】
この加熱合成において、複合化元素Lの供給源料(出発原料)としては、LがC、Zn及びTiのそれぞれの場合に対し、それぞれグラファイト、炭酸亜鉛ZnCO3及び二酸化チタンTiO2を用いた。この様にして得られたLiB0.1C0.1Co0.8O2(以下p4と略記)、LiB0.1Zn0.1Co0.8O2(p5と略記)及びLiB0.1Ti0.1Co0.8O2(p6と略記)を正極活物質として用いた。
【0043】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、全て参考例1と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p4〜p6に対応し、電池P4〜P6とする。
【0044】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を参考例1の比較電池R1及びR2と共に図5に示した。図5から明らかな様に、参考例4による電池P4〜P6は何れも複合化元素としてBのみを含む正極活物質を用いた比較電池R2及び元素LとBの何れも含まない活物質を用いた比較電池R1に比べ、充放電容量が大きく、充放電特性が優れていることが分かる。
【0045】
(実施例1)
本実施例は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてニッケルNiとコバルトCoが共存し、複合化元素RとしてBを用いた場合である。
【0046】
本実施例の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと酸化ホウ素B2O3と酸化マグネシウムMgOと酸化ニッケルNiO及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:B:Mg:Ni:Coが所定のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返し、得られたものを正極活物質として用いた。
【0047】
本実施例では、Li:B:Mg:Ni:Coのモル比が1:0.1:0.1:0.4:0.4の本発明による活物質p7(LiB0.1Mg0.1Ni0.4Co0.4O2)、及び参考例である1:0.1:0:0.45:0.45の活物質p8(LiB0.1Ni0.45Co0.45O2)の2種類を作製した。又、比較のため、複合化元素としてホウ素Bを含まずマグネシウムMgのみを含む複合酸化物LiMg0.1Ni0.45Co0.45O2(比較活物質r8)、ホウ素B及びマグネシウムMgを共に含まないニッケルとコバルトの複合酸化物LiNi0.5Co0.5O2(比較活物質r9)及びニッケルの層状酸化物LiNiO2(比較活物質r10)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとMgOとNiO及びCoCO3、又はLiOH・H2OとNiO及びCoCO3、又はLiOH・H2OとNiO等とをLi:Mg:Ni:Co、又はLi:Ni:Co、又はLi:Niが上記の組成式のモル比と成るように混合した他は、上記の活物質p7及びp8の場合と同様にして比較用活物質r8〜r10を得た。
【0048】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、全て参考例1と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p7〜p8、及びr8〜r10に対応し、電池P7〜P8、及びR8〜R10とする。
【0049】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図6に示した。図6から明らかな様に、本発明による電池P7はBを含まない正極活物質を用いた比較電池R8〜R10に比べ、充放電容量が大きく、充放電特性が優れていることが分かる。又、ホウ素Bと共にマグネシウムMgを含む電池P7は、ホウ素のみを含む電池P8に比べ充放電容量が更に大きく、よりすぐれた充放電特性を示すことが分かる。
【0050】
(参考例5)
参考例5は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてコバルトCoを、複合化元素Rとしてケイ素Siを、複合化元素Lとしてアルカリ土類金属(マグネシウムMg)を用いた場合である。
【0051】
参考例5の正極を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと二酸化ケイ素SiO2と酸化マグネシウムMgO及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:Si:Mg:Co=1:0.05:0.1:0.85のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して近似組成LiSi0.05Mg0.1Co0.85O2を有する正極活物質(以下p9と略記する)を合成した。又、比較のため、Si及びMgを含まない従来法による層状酸化物LiCoO2(比較活物質r11)、Siを含みMgを含まない近似組成LiSi0.15Co0.85O2を有する複合酸化物(比較活物質r12)、及びMgを含みSiを含まない近似組成LiMg0.15Co0.85O2を有する複合酸化物(比較活物質r13)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとCoCO3又はLiOH・H2OとCoCO3及びSiO2又はMgO等とをLi:Si:Mg:Coが上記の組成式のモル比と成るように秤量し、混合した他は、上記の活物質p9の場合と同様にして比較用活物質r11〜r13を得た。
【0052】
これらの生成物を正極活物質とし、これに導電剤としてグラファイトを、結着剤として架橋型アクリル酸樹脂等を重量比60:35:5の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤を2ton/cm2で直径15mm厚さ0.5mmのペレットに加圧成形して正極5を作製した。その後、この様にして得られた正極5を炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤から成る正極集電体6を用いて正極ケース7に接着し一体化した後、200℃で10時間減圧加熱乾燥したものを正極とした。
【0053】
この様にして作製した正極を用いた他は、参考例1と同様な方法で同様な電池を作製した。これらの電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p9,r11〜r13に対応し、それぞれ電池P9,R11〜R13と略記する。
【0054】
この様にして作製した電池についても、参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図7に示した。
【0055】
図7から明らかな様に、参考例による電池P9は比較電池R11〜R13に比べ、充放電容量が著しく大きいことが分かる。又、充放電の繰り返しによる放電容量の低下(サイクル劣化)が著しく小さい。更に、同時に測定した充電電圧及び放電電圧から全充放電領域に渡って充電電圧は低く、逆に放電の作動電圧は著しく高くなっており、電池の分極(内部抵抗)が著しく改善され、大電流充放電が容易なことが分かった。
【0056】
(参考例6)
参考例6は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてニッケルNiとコバルトCoが共存し、複合化元素Rとしてケイ素Siを用いた場合である。
【0057】
参考例6の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと二酸化ケイ素SiO2と酸化ニッケルNiO及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:Si:Ni:Co=1:0.1:0.2:0.7のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して近似組成LiSi0.1Ni0.2Co0.7O2を有する本発明による正極活物質(以下p10と略記)を合成した。又、比較のため、ケイ素を含まない従来法による複合酸化物LiNi0.2Co0.8O2(比較活物質r14)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとNiO及びCoCO3とをLi:Ni:Coが上記の組成式のモル比と成るように混合した他は、上記の活物質p10の場合と同様にして比較用活物質r14を得た。
【0058】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、参考例5と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p10及びr14に対応し、電池P10及びR14とする。
【0059】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図8に示した。図8から明らかな様に、参考例による電池P10はSiを含まない正極活物質を用いた比較電池R14に比べ、充放電容量が大きく、充放電特性が優れていることが分かる。
【0060】
(実施例2)
本実施例は、正極活物質を構成する遷移金属元素としてニッケルNiとコバルトCoが共存し、且つ複合化元素RとしてSiを、複合化元素LとしてMgを用いた場合である。
【0061】
本実施例の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと二酸化ケイ素SiO2と酸化マグネシウムMgOと酸化ニッケルNiO及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:Si:Mg:Ni:Coが所定のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返し、得られたものを正極活物質として用いた。
【0062】
本実施例では、Li:Si:Mg:Ni:Coのモル比が1:0.05:0.25:0.35:0.35の本発明による活物質p11(近似組成LiSi0.05Mg0.25Ni0.35Co0.35O2)と、参考例として1:0.3:0:0.35:0.35のMgを含まない活物質p12(近似組成LiSi0.3Ni0.35Co0.35O2)の2種類を作製した。又、比較のため、複合化元素としてSiを含まずMgのみを含む近似組成LiMg0.3Ni0.35Co0.35O2を有する複合酸化物(比較活物質r15)、Si及びMgを共に含まないNiとCoの複合酸化物LiNi0.5Co0.5O2(比較活物質r16)及びNiの層状酸化物LiNiO2(比較活物質r17)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとMgOとNiO及びCoCO3、又はLiOH・H2OとNiO及びCoCO3、又はLiOH・H2OとNiO等とをLi:Mg:Ni:Co、又はLi:Ni:Co、又はLi:Niが上記の組成式のモル比と成るように混合した他は、上記の活物質p11及びp12の場合と同様にして比較用活物質r15〜r17を得た。
【0063】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、参考例5と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p11〜p12、及びr15〜r17に対応し、電池P11〜P12、及びR15〜R17とする。
【0064】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図9に示した。図9から明らかな様に、Siと共にMgを含む正極活物質を用いた本発明による電池P11は、Siを含まない正極活物質を用いた比較電池R15〜R17及びSiのみを含む活物質を用いた電池P12に比べ、充放電容量が大きく、充放電特性が優れていることが分かる。又、Siの含有量b=0.3の活物質を用いた電池P12はSiを含有しない電池R16に比べ逆に充放電容量が低下しており、遷移金属MとしてNiとCoが共存する本実施例のような活物質組成においてはケイ素の含有量は0<b<0.3が良いことが分かる。
【0065】
(参考例7)
参考例7は、正極活物質を構成する遷移金属元素としてコバルトCoを、複合化元素RとしてSiを、複合化元素Lとして亜鉛Zn及びマンガンMnを用いた場合である。
【0066】
参考例7の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと二酸化ケイ素SiO2と元素Lの炭酸塩又は酸化物及び炭酸コバルトCoCO3とをLi:Si:L:Co=1:0.1:0.1:0.8のモル比となる様に秤量し、乳鉢を用いて十分混合した後、この混合物を大気中850℃の温度で12時間加熱焼成し、冷却後、粒径53μm以下に粉砕整粒した。この焼成、粉砕整粒を2回繰り返して近似組成LiSi0.1L0.1Co0.8O2を有する正極活物質を合成した。
【0067】
この加熱合成において、複合化元素Lの供給源料(出発原料)としては、LがZn及びMnのそれぞれの場合に対し、それぞれ炭酸亜鉛ZnCO3及び二酸化マンガンMnO2を用いた。この様にして得られた近似組成LiSi0.1Zn0.1Co0.8O2(以下p13と略記)及びLiSi0.1Mn0.1Co0.8O2(p14と略記)の複合酸化物を正極活物質として用いた。
【0068】
又、比較のため、Siを含み複合化元素Lを含まない近似組成LiSi0.2Co0.8O2の複合酸化物(比較活物質r18)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとSiO2及びCoCO3とをLi:Si:Coが上記の組成式のモル比と成るように混合した他は、上記の活物質p13及びp14の場合と同様にして比較用活物質r18を得た。
【0069】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、参考例5と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p13〜p14及びr18に対応し、電池P13〜P14及びR18とする。
【0070】
この様にして作製した電池についても参考例1と同様な1mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を参考例5の比較電池R11と共に図10に示した。図10から明らかな様に、本発明による電池P13〜P14は何れも複合化元素としてSiのみを含む正極活物質を用いた比較電池R18及び元素LとSiの何れも含まない活物質を用いた比較電池R11に比べ、充放電容量が大きく且つ充放電の繰り返しによる放電容量の低下(サイクル劣化)が小さく、充放電特性が優れていることが分かる。
【0071】
(参考例8)
参考例8は、正極活物質を構成する遷移金属元素MとしてNiを、複合化元素RとしてB又はSiを、複合化元素LとしてTi、Mn、Cu、Zn又はMgを用い、酸素雰囲気中で合成した場合である。
【0072】
参考例8の正極活物質を次の様にして作製した。水酸化リチウムLiOH・H2Oと元素Rの酸化物と元素Lの酸化物又は炭酸塩及び酸化ニッケルNiOとをLi:R:L:Ni=1:0.025:0.025:0.95のモル比となる様に秤量混合した後、この混合物を酸素気流中700℃の温度で6時間加熱焼成した。冷却後、粒径30μm以下に粉砕整粒し、近似組成LiR0.025L0.025Ni0.95O2を有する本発明による正極活物質を合成した。
【0073】
この加熱合成において、複合化元素Rの供給源(出発原料)としては、RがBの場合B2O3を、Siの場合にはSiO2を用いた。又、複合化元素Lの供給源(出発原料)としては、LがTi、Mn、Cu、Zn及びMgのそれぞれの場合に対し、それぞれTiO2、MnO2、CuO、ZnCO3及びMgOを用いた。
この様にして得られた近似組成LiB0.025Ti0.025Ni0.95O2(以下p15と略記)、LiB0.025Mn0.025Ni0.95O2(p16)、LiB0.025Cu0.025Ni0.95O2(p17)、LiB0.025Zn0.025Ni0.95O2(p18)、LiB0.025Mg0.025Ni0.95O2(p19)、及びLiSi0.025Mg0.025Ni0.95O2(p20)の複合酸化物を正極活物質として用いた。
【0074】
又、比較のため、B及びSi及び複合化元素Lを含まない従来法による酸化物LiNiO2(比較活物質r19)、Bを含み複合化元素Lを含まない近似組成LiB0.05Ni0.95O2の複合酸化物(比較活物質r20)を次の様にして作製した。即ち、LiOH・H2OとNiO又はLiOH・H2OとB2O3及びNiOとをLi:B:Niが上記の組成式のモル比と成るように混合した他は、上記の活物質p15〜p20の場合と同様にして比較用活物質r19及びr20を得た。
【0075】
これらの生成物を正極活物質とし、これに導電剤としてグラファイトを、結着剤としてポリフッ化ビニリデン等を重量比60:30:10の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤を2ton/cm2で直径8mm厚さ0.2mmのペレットに加圧成形して正極を作製した。その後、この様にして得られた正極を炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤から成る正極集電体6を用いて正極ケース7に接着し一体化した後、100℃で10時間減圧加熱乾燥したものを正極とした。
【0076】
又、負極は、アルミニウムを用いず、所定厚みのリチウムフォイルのみを直径14mmに打ち抜いたものを、負極集電体2の上に直接圧着したものを用いた。
【0077】
これらの正極及び負極を用いた他は、比較例1と同様にして同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p15〜p20及びr19〜r20に対応し、電池P15〜P20及びR19〜R20とする。
【0078】
これらの電池P15〜P20,R19〜R20を0.25mAの定電流で、充電の終止電圧4.5V、放電の終止電圧2.5Vの条件で充放電サイクルを行った。このときの5サイクル迄の最大放電容量に対する5サイクル目の放電容量の割合(容量保持率)を表1に示した。又、電池P15、P17,P19、R19及びR20のサイクル特性を図11に示した。尚、充放電サイクルは充電からスタートした。表1及び図11からLiNiO2や複合化元素としてホウ素だけを含有する正極活物質を用いた電池R19及びR20に比べ、参考例による電池P15〜P20は充放電サイクル時の容量保持率が大きく、サイクル特性が優れていることが分かる。特に、Bと共にTi又はMgを含有する複合酸化物p15又はp19の場合に、充放電容量が大きく且つサイクル劣化が小さい電池が得られる。又、Bと共にCuを含有する複合酸化物を用いた電池P17の場合には、5サイクル迄の放電容量そのものはLiNiO2を用いた電池R19より小さかったが、充放電の繰り返しに伴う容量低下が小さく、サイクル特性が優れていた。
【0079】
【表1】
【0080】
(参考例9)
参考例9は、正極活物質を構成する遷移金属元素MがNiを主体とし且つCoを含有し、複合化元素RとしてBを用いた場合である。
【0081】
参考例9の正極活物質を次の様にして作製した。LiOH・H2OとB2O3とNiO及びCo3O4とをLi:B:Ni:Coが所定のモル比となる様に秤量混合した後、この混合物を酸素雰囲気中700℃の温度で6時間加熱焼成した。冷却後、粒径30μm以下に粉砕整粒したものを正極活物質として用いた。
【0082】
参考例9では、Li:B:Ni:Coのモル比が1:0.03:0.87:0.1の本発明による活物質p21(LiB0.03Ni0.87Co0.10O2)、及び1:0.03:0.77:0.20の本発明による活物質p22(LiB0.03Ni0.77Co0.20O2)の2種類を作製した。又、比較のため、複合化元素としてBを含みCoを含まない複合酸化物LiB0.03Ni0.97O2(比較活物質r21)をこの組成式のモル比と成る様に上記の出発原料を混合した他はp21の場合と同様にして作製した。
【0083】
これらの生成物を正極活物質として用いた他は、全て参考例8と同様な方法で同様な電池を作製した。この様にして作製した電池を、以下、それぞれの使用した正極活物質p21〜p22、及びr21に対応し、電池P21〜P22、及びR21とする。
【0084】
この様にして作製した電池についても参考例8と同様な0.25mA定電流充放電サイクルを行った。このときの各サイクル毎の放電容量(サイクル特性)を図12に示した。図12から明らかな様に、遷移金属MとしてNiを主体とし10%のCoを含有し、且つBを含有する参考例による電池P21は、Bだけを含みCoを含まない正極活物質を用いた比較電池R21及びCoとBの何れも含有しない活物質を用いた電池R19に比べ、充放電容量が大きく且つサイクル劣化が小さく、充放電特性が優れていることが分かる。又、Bと共にCoを20%含む電池P22は、比較電池R19及びR21に比べ5サイクル迄の充放電容量は小さいが、充放電の繰り返しに伴う容量低下が小さく、サイクル特性が優れている。即ち、遷移金属MとしてNiを主体とし且つCoを含有し、更に複合化元素Rを含有する本発明に依る正極活物質LiaRbLcNieCofO2においては、0.01≦b≦0.1、0≦c≦0.1、0.01≦b+c≦0.2且つ0.03≦f/(e+f)≦0.25の場合に、特にサイクル劣化が小さく、充放電特性が優れている。
【0085】
尚、実施例においては、負極としてリチウム-アルミニウム合金及びリチウムの場合のみを示したが、本発明は実施例に限定されず、リチウムとZn,Sn,Pb,Bi等の他金属との合金、炭素、SiやLixMoO2,LixWO2,LixFe2O3、LixTiOy、LixSnOy、LixSiOy等のリチウム挿入化合物、ポリアセチレン,ポリピロール,ポリアセン等のLiイオンをドープ可能な導電性高分子等々のリチウムを吸蔵放出可能な物質にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0086】
又、複合酸化物LiaRbLcMdO2の遷移金属元素MとしてCoとNiの場合のみを示したが、Cr,Fe,Mn,V等々の他の遷移金属の場合にも、上記の説明に基づき同様に適用できる。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明は、非水電解質二次電池の正極活物質としてホウ素B又はケイ素Siから選ばれた一種以上の類金属元素Rと共に周期律表のIIIB族及びIVB族の金属及び類金属、アルカリ土類金属、Ti、Mn、Cu及びZn等の金属等々の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属又は類金属元素Lを含有する新規な複合酸化物LiaRbLcMdO2(Mは遷移金属)を用いたものであり、有効な充放電容量を著しく高め、かつ、大電流での充放電特性を著しく改善し、更に充放電の繰り返しによる放電特性の劣化をも著しく低減する。又、遷移金属MとしてNiが主体の場合でも大気中での合成が容易になり、製造に際し雰囲気や温度等の制御が容易で、製造コストが低減できるという利点がある。等々優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において実施した電池の構造の一例を示した説明図である。
【図2】BとMgを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図3】BとMnを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図4】BとSiを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図5】BとZn、Ti又はCを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図6】遷移金属MがNiとCoからなりBとMgを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図7】SiとMgを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図8】遷移金属MがNiとCoからなりSiを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図9】遷移金属MがNiとCoからなりSiとMgを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図10】Siと共にZn又はMnを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図11】BとTi、Cu又はMgを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【図12】遷移金属MがNiを主体としCo及びBを含有する正極活物質と含有しない正極活物質を用いた電池の充放電サイクル特性の比較を示した説明図である。
【符号の説明】
1 負極ケース
2 負極集電体
3 負極
4 セパレータ
5 正極
6 正極集電体
7 正極ケース
8 ガスケット
Claims (3)
- リチウムもしくはリチウムを吸蔵放出可能な物質を活物質とする負極と、リチウムイオン導電性の非水電解質と、正極とから少なくとも成る非水電解質二次電池において、前記正極の正極活物質として組成式LiaRbLcMdO2(但し、Rはホウ素B及びケイ素Siの中から選ばれた一種以上の類金属元素であり、LはC、Si、Mg、Ti、Mn、Cu、Znの中から選ばれた少なくとも一種以上の元素、Mは遷移金属元素でありニッケルNiとコバルトCoを共に含有し、RとL及びMはそれぞれ異なり、a、b、c及びdはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c+d≦1.3、0<b+c≦0.5、0<b、且つ0<c)で示される複合酸化物を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
- 前記複合酸化物が、組成式LiaRbLcNieCofO2(但し、a、b、c、e及びfはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c+e+f≦1.3、0<b、0<c、0<b+c≦0.5、0.01≦f/(e+f)≦0.95の範囲)で表される組成を有することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記複合酸化物が、組成式LiaRbLcNieCofO2(但し、a、b、c、e及びfはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c+e+f≦1.3、0.01≦b≦0.25、0<c≦0.25、0.01<b+c≦0.5、0.01≦f/(e+f)≦0.5の範囲)で表される組成を有することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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