JP3873813B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型圧縮機の騒音の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍機や空調機に用いられる圧縮機として、スクロール型圧縮機が広く知られている。このスクロール型圧縮機は、ケーシングに設けられた吸入ポートから吸入された流体を固定スクロールと可動スクロールからなる圧縮機構に取り込み、固定側ラップと可動側ラップの間に形成される流体室の体積変化を利用して圧縮するものである。
【0003】
一般的に上記流体室で圧縮された流体は、固定側端板部の中心に形成された吐出口から直接ケーシング内に吐出されていた。また、スクロール型圧縮機には、ケーシング内が低圧室と高圧室とに区画されたものもある。このようなスクロール型圧縮機において、圧縮流体は、低圧室側に配置された圧縮機構から高圧室側へ送り出される。一例を挙げれば、圧縮機構で圧縮された圧縮流体は、可動スクロールを駆動する駆動軸の内部に形成された流体流路によってケーシング内の高圧室側へ送り出される。高圧室側へ送られた圧縮流体は、駆動軸に形成された吐出口から直接ケーシング内の高圧室に吐出されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スクロール型圧縮機において、次のような問題が生じていた。
【0005】
上記スクロール型圧縮機では、可動スクロールの公転運動に伴って、上記圧縮流体は駆動軸内の流体流路へ間欠的に吐出される。そのため、吐出された流体は脈動を伴っている。流体流路を通って高圧室側へ送られた高圧流体は、駆動軸に形成された吐出口から直接高圧室へ吐出される。従って、このように脈動を伴う高圧流体が、ケーシング内の空間に直接吐出されると、その脈動がケーシングの胴内で反響し、大きな騒音や振動が発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、吐出された圧縮流体の脈動を低減することにより、振動や騒音を低減したスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、中空のケーシング(5)と、固定スクロール(14)と、上記固定スクロール(14)と噛み合わされて流体室(10)を形成する可動スクロール(11)と、上記ケーシング(5)内を固定スクロール(14)及び可動スクロール(11)が設置される第1室(24)と吐出口(21)が連通する第2室(25)とに区画するフレーム(6)と、上記可動スクロール(11)に係合すると共に上記フレーム(6)を貫通して該フレーム(6)に回転自在に支持される駆動軸(3)とを備えるスクロール型圧縮機を対象とする。本発明に係るスクロール型圧縮機(1)は、上記ケーシング(5)内の第2室(25)に設置されて上記駆動軸(3)を回転自在に支持する軸受部材(8)を備える。一方、上記軸受部材(8)には、第2室(25)から仕切られたマフラ室(83)と、該マフラ室(83)を第2室(25)に連通させるための連通路(86)とが形成されている。上記駆動軸(4)には、上記流体室(10)からマフラ室(83)へ流体を導くための流体流路(19)が形成されている。加えて、上記駆動軸 (3) により駆動されてケーシング (5) 内に貯留する潤滑油を吸入する給油ポンプ (89) を備える一方、上記給油ポンプ (89) は、軸受部材 (8) に取り付けられて該軸受部材 (8) と共にマフラ室 (83) を形成している。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載のスクロール型圧縮機において、軸受部材(8)には、駆動軸(3)を支持するためのすべり軸受(82)が形成されているスクロール型圧縮機である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1記載のスクロール型圧縮機において、第2室(25)には、軸受部材(8)の連通路(86)を通ってマフラ室(83)から第2室(25)へ流出した流体中の油滴を除去するための油滴除去部材(27)が設けられているスクロール型圧縮機である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載のスクロール型圧縮機において、軸受部材(8)に形成された第1のマフラ室(83)に加え、油滴除去部材(27)により仕切られて上記軸受部材(8)の連通路(86)を通過した流体が導入される第2のマフラ室(87)を備えているスクロール型圧縮機である。
【0011】
−作用−
請求項1に記載されたスクロール型圧縮機(1)は、中空のケーシング(5)を有している。該ケーシング(5)の内部は、フレーム(6)により第1室(24)と第2室(25)とに区画されている。第1室(24)には、固定スクロール(14)と可動スクロール(11)が収納されている。固定スクロール(14)は、可動スクロール(11)と噛み合わされて流体室(10)を構成する。ケーシング(5)内の第1室(24)に流入した流体は、流体室(10)の取り込まれる。
【0012】
可動スクロール(11)は、駆動軸(3)により駆動されて公転運動を行なう。流体室(10)は、可動スクロール(11)の公転運動に伴ない、可動スクロール(11)の中心に向かって体積を減少させながら移動する。流体室(10)に取り込まれた流体は、流体室(10)の体積減少に伴って圧縮されてゆく。圧縮された流体は、可動スクロール(11)の中心部近傍に形成された吐出口(21)から吐出される。吐出口(21)から吐出された流体は、上記駆動軸(3)に形成された流体流路(19)を通ってケーシング(5)内の第2室(25)へ送られる。
【0013】
駆動軸(3)は、フレーム(6)を貫通して第1室(24)側から第2室(25)側へ通され、フレーム(6)と軸受部材(8)とによって回転自在に支持される。
【0014】
駆動軸(3)内に形成された流体流路(19)は、軸受部材(8)に形成されたマフラ室(83)内で開口している。流体流路(19)に吐出された圧縮流体の脈動は、マフラ室(83)内の空間に伝搬して広がり、打ち消し合って弱められる。
【0015】
マフラ室(83)で脈動を弱められた圧縮流体は、連通路(86)を通り第2室(25)へ送り出される。
【0016】
更に、上記軸受部材 (8) に潤滑油を給油する給油ポンプ (89) と軸受部材 (8) とによってマフラ室 (83) を形成し、このマフラ室 (83) で流体の脈動を低減させる。
【0017】
請求項2に記載されたスクロール型圧縮機(1)は、駆動軸(3)を支持する軸受部材(8)にすべり軸受(82)を用い、このすべり軸受(82)によってマフラ室の気密性を確保する。
【0018】
請求項3に記載されたスクロール型圧縮機(1)は、油滴除去部材(27)を備える、油滴除去部材(27)は、軸受部材(8)の連通路(86)を通ってマフラ室(83)から第2室(25)へ流出する流体に混入した油滴を除去する。油滴除去部材(27)により流体から分離された潤滑油は、ケーシング(5)内に貯留されて再利用される。
【0019】
請求項4に記載されたスクロール型圧縮機(1)は、油滴除去部材(27)を利用して形成される第2のマフラ室(87)を備える。第1のマフラ室(83)から連通路(86)を通って第2のマフラ室(87)に流出した流体の脈動は、第2のマフラ室(87)の空間に伝搬して広がり、打ち消し合って更に弱められる。流体は、第2のマフラ室(87)から油滴除去部材(27)を通って第2室へ流出する。流体が第2室(25)へ流出する際、油滴除去部材(27)は、流体に混入した油滴を除去する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクロール型圧縮機(1)の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係るスクロール型圧縮機(1)は、空調機等の冷媒回路に設置され、冷媒を圧縮するために用いられる。
【0021】
《スクロール型圧縮機の構成》
図1に示すように、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(1)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(5)を備える。該スクロール型圧縮機(1)は、ケーシング(5)の内部に圧縮機構(2)と、フレーム(6)と、電動機(7)と、駆動軸(3)及び軸受部材(8)などが収納されている、いわゆる全密閉型のスクロール型圧縮機である。
【0022】
ケーシング(5)の胴部(53)は、上側をケーシングトップ(51)で、下側をケーシングボトム(52)によって封止されている。ケーシングトップ(51)には、冷媒を圧縮機内に送り込む吸入ポート(22)が設けられている。ケーシング(5)の胴部(53)であってフレーム(6)の下方には、圧縮冷媒を送り出す吐出ポート(23)が設けられている。
【0023】
上記ケーシング(5)の内部には、その高さ方向の中央部よりもやや上方にフレーム(6)が設けられている。このフレーム(6)により、ケーシング(5)の内部空間は、フレーム(6)の上側の第1室(24)と、フレーム(6)の下側の第2室(25)とに区画される。
【0024】
第1室(24)は、低圧室(24)を構成している。この低圧室(24)には、固定スクロール(14)及び可動スクロール(11)を備えた圧縮機構(2)が設置される。また、低圧室(24)は、吸入ポート(22)に連通されており、その内圧が概ね吸入圧力となっている。
【0025】
第2室(25)は、高圧室(25)を構成している。この第2室(25)には、電動機(7)及び軸受部材(8)が設置されている。電動機(7)は、軸受部材(8)の上方に配置されている。また、低圧室(24)は、吐出ポート(23)に連通されており、その内圧が概ね吐出圧力となっている。
【0026】
上記電動機(7)は、固定子(71)と回転子(72)とを備えている。固定子(71)は、上記ケーシング(5)内のほぼ中央部に固定されている。回転子(72)は、固定子(71)の内側に配置されている。該回転子(72)は、同軸上に駆動軸(3)に固定されている。
【0027】
駆動軸(3)は、その下端部が軸受部材(8)により回転自在に支持されており、その上端部が可動スクロール(11)に係合されている。
【0028】
上記可動スクロール(11)は、可動側端板部(13)と、該可動側端板部(13)の上面側へ突出する渦巻き状の可動側ラップ(12)とを備えている。一方、固定スクロール(14)は、固定側端板部(16)と、該固定側端板部(16)の下面側へ突出する渦巻き状の固定側ラップ(15)とを備えている。固定スクロール(14)の固定側端板部(16)は、フレーム(6)に固定されている。固定スクロール(14)と可動スクロール(11)は、互いに対向する姿勢で配置され、可動側ラップ(12)と固定側ラップ(15)を噛み合わせることによって流体室(10)が区画形成されている。
【0029】
また、可動側端板部(13)の中心部を貫通して、冷媒の吐出口(21)が形成されている。一方、固定スクロール(14)の外周側には、冷媒の吸入口(20)が形成されている。
【0030】
上記可動スクロール(11)の可動側端板部(13)の背面側には、上記吐出口(21)の開口部を囲むように下方へ突出した軸受け部(18)が形成されている。この軸受け部(18)には、駆動軸(3)の上端部に形成された偏心部(4)が回転自在に嵌め込まれている。この偏心部(4)は、駆動軸(3)の軸心に対して偏心している。
【0031】
また、可動スクロール(11)の下部には、オルダムリング(9)が設置されている。 このオルダムリング(9)は、フレーム(6)と可動スクロール(11)に係合し、可動スクロール(11)の自転を規制する。
【0032】
前記駆動軸(3)内には、流体流路(19)として冷媒流路(19)が形成されている。この冷媒流路(19)は、一端が上記偏心部(4)の上端に開口し、他端が軸受部材(8)のマフラ室(83)内に位置する駆動軸(3)の側面に冷媒出口(26)として開口している。
【0033】
該偏心部側の開口部には、冷媒流路(19)の径よりもやや大きい径を有する円筒状の座部(40)が形成されている。座部(40)の内側には、スプリング(41)及び該スプリング(41)を押し縮めるように円管状のシール部材(42)が収納される。シール部材(42)の径は、吐出口(21)の径よりも大きく設定される。また、シール部材(42)の上端は、可動側端板部(13)の背面に押圧されている。
【0034】
上記ケーシング(5)内の下方には、軸受部材(8)が固定されている。軸受部材(8)は、上記駆動軸(3)を回転自在に支持する。
【0035】
図2に示すように、本実施形態に係る軸受部材(8)は、基部(84)と、基部(84)から放射状に形成された3本の脚部(88)とを備えている。軸受部材(8)は、これら脚部(88)によってケーシング(5)に固定されている。
【0036】
図3に示すように、軸受部材(8)の中心に形成される基部(83)には、円錐台形状のボス部(80)が上方に向かって形成されている。ボス部(80)の中心を貫通するように、軸受孔(81)が形成されている。この軸受孔(81)には、メタル(91)が設けられている。また、軸受孔(81)には、駆動軸(3)の下端部が挿通される。
【0037】
軸受孔(81)に設けられたメタル(91)の内壁面と駆動軸(3)の側面との間には、所定のクリアランスが確保されている。そして、軸受孔(81)の形成されたボス部(80)は、駆動軸(3)を支持するためのすべり軸受(82)を構成している。
【0038】
上記基部(84)の下面側には、下方に延びる円筒部(85)が形成されている。円筒部(85)の内径は、上記駆動軸(3)の外径よりも大きく形成されている。円筒部(85)内の空間部(90)は、上方で軸受孔(81)と通じており、下方は開口している。
【0039】
図1に示すように、空間部(90)の開口部には、給油ポンプ本体部(28)がボルト(30)で止着されている。給油ポンプ本体部(28)の中心部には、給油ポンプシャフト(29)が装着されている。このように、上記空間部(90)の下端がが給油ポンプ本体部(28)で塞がれており、軸受部材(8)と給油ポンプ(89)によって第1のマフラ室(83)が形成されている。
【0040】
図3に示すように、空間部(90)には、上記ボス部(80)を貫通して軸受部材(8)の上方に通じる連通路(86)が形成されている。図2に示すように、本実施形態では、3つの連通路(86)が、軸受孔(81)を囲むように形成されている。
【0041】
図1に示すように、軸受部材(8)の基部(84)の上面には、油滴除去部材であるデミスタ(27)が載置されている。デミスタ(27)は、金属など耐熱性に富んだ素材からなるメッシュ状のシートを複数枚重ね合わせて形成されている。
【0042】
デミスタ(27)は、上記基部(84)の下端とほぼ同径の円管状に形成されている。デミスタ(27)は、基部(84)に密着するように上方からカバー部材(31)で固定されている。これらデミスタ(27)、軸受部材(8)及びカバー部材(31)は、高圧室(25)から仕切られた第2のマフラ室(87)を形成する。第2のマフラ室(87)は、上記連通路(86)によって第1のマフラ室(83)と通じている。
【0043】
《スクロール型圧縮機の消音効果》
本実施形態に係る圧縮機構(2)の消音効果について説明する。
【0044】
電動機(7)に通電されると、回転子(72)が回転し、駆動軸(3)の偏心部(4)が可動スクロール(11)を駆動させる。可動スクロール(11)が公転運動を始めると、吸入ポート(22)から低圧室(24)に吸入された冷媒は、吸入口(20)から流体室(10)に吸入される。可動スクロール(11)は、先の冷媒の吸入が完了すると、流体室の体積を収縮させながら両ラップ(14,15)の中心端に向かって移動させる。それに伴って、可動スクロール(11)は、次の冷媒の吸入を開始する。このように、可動スクロール(11)は、固定スクロール(14)との間の流体室(10)に断続的に冷媒を吸入してゆく。
【0045】
流体室(10)に吸入された冷媒は、両ラップ(14,15)の中心端に向かって移動しながら圧縮されてゆく。流体室(10)は、ラップの中心部付近に移動すると可動側端板部(13)に形成された吐出口(21)と連通する。流体室(10)で圧縮されて高圧となった冷媒は、吐出口(21)から吐出され、駆動軸(3)の偏心部(4)の開口部から冷媒流路(19)に流れ込む。このように、流体室(10)が吐出口(21)に連通するたびに圧縮された冷媒が間欠的に吐出口(21)から吐出され、駆動軸(3)内の冷媒流路(19)へ流入する。冷媒流路(19)へ流入した冷媒は、脈動を伴う。
【0046】
脈動を伴った冷媒は、冷媒出口(26)から軸受部材(8)内の第1のマフラ室(83)に吐出される。マフラ室(83)へ吐出された冷媒の脈動は、マフラ室(83)の空間に伝搬してゆき、マフラ室(83)の内壁面などで反射し、他の脈動と打ち消し合って弱められる。本実施形態では、軸受部材(8)にすべり軸受(82)を採用しているため、マフラ室(83)の気密性が充分に確保される。従って、マフラ室(83)における脈動の低減が確実に行なわれる。
【0047】
第1のマフラ室(83)で脈動を弱められた冷媒は、連通路(86)を通って第2のマフラ室(87)に送り出される。第1のマフラ室(83)から第2のマフラ室(87)へ流れ込む流体は、連通路(86)を通過することにより絞られて脈動が更に低減される。
【0048】
第2のマフラ室(87)に吐出された冷媒の脈動は、マフラ室(90)内に伝搬し打ち消し合って、更に弱められる。
【0049】
第2のマフラ室(87)で脈動を弱められた冷媒は、デミスタ(27)を通過してケーシング(5)内の高圧室(25)に流出する。この際、冷媒に混入する潤滑油などは、デミスタ(27)に捕捉されて除去される。また、冷媒の脈動は、デミスタ(27)を通過する際に更に低減される。従って、ケーシング(5)の高圧室(25)へ流入する時点において、冷媒の脈動はほとんど無くなっている。
【0050】
高圧室(25)に放出された冷媒は、電動機(7)の固定子(71)とケーシング(5)の間隙を通り、吐出ポート(23)から冷凍回路に吐出される。冷媒は、冷凍回路において凝縮、膨張、蒸発の各行程を行った後、再度吸入ポート(22)から吸入されて圧縮される。
【0051】
−変形例−
上記実施形態の変形例として、上記第2のマフラ室(87)を有しないものも可能である。第1のマフラ室(83)で脈動を弱められた冷媒は、連通路(86)から直接ケーシング(5)内の高圧室(25)へ流出する。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、圧縮機構(2)から脈動を伴って吐出された流体は、軸受部材(8)に形成されたマフラ室(83)と連通路(86)を通過することによってその脈動が弱められ、その後にケーシング(5)内へ送り出される。そのため、従来のものに比べてケーシング(5)内へ流入する流体の脈動を小さくすることができ、圧縮された冷媒の脈動に起因するスクロール型圧縮機(1)の騒音や振動を低減することができる。
【0053】
更に、給油ポンプ (89) を利用してマフラ室 (83) を形成することができる。そのため、新たな部品を追加することなくマフラ室 (83) を形成でき、スクロール型圧縮機 (1) の構成を簡素に維持できる。
【0054】
請求項2の発明では、軸受部材(8)のすべり軸受(82)によって駆動軸(3)を支持している。そして、すべり軸受(82)と駆動軸(3)の間には、僅かな隙間しか形成されないため、マフラ室(83)の気密性を充分に確保できる。従って、本発明によれば、マフラ室(83)の気密性を確保することで、マフラ室(83)へ流入した冷媒の脈動を確実に弱めることができる。
【0055】
請求項3の発明によれば、油滴除去部材(27)を備えることにより、流体中に混入した潤滑油を捕捉して回収することができる。そのため、吐出ポート(22)から吐出される流体に混入する潤滑油を減らすことができ、潤滑油切れの発生を防止できる。
【0056】
請求項4の発明によれば、油滴除去部材(27)を利用して第2のマフラ室(87)を形成したことにより、第1のマフラ室(83)だけでなく第2のマフラ室(87)を通過する際にも流体の脈動を弱めることができる。従って、流体の脈動を多段的に弱めることにより、ケーシング(5)内に吐出される流体の脈動を更に弱めることができ、スクロール型圧縮機(1)の騒音や振動を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るスクロール型圧縮機の概略断面図である。
【図2】 実施形態に係る軸受部材の平面図である。
【図3】 図2におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
(3) 駆動軸
(5) ケーシング
(8) 軸受部材
(11) 可動スクロール
(14) 固定スクロール
(19) 流体流路
(83) 第1のマフラ室
(86) 連通路
(87) 第2のマフラ室

Claims (4)

  1. 中空のケーシング(5)と、固定スクロール(14)と、上記固定スクロール(14)と噛み合わされて流体室(10)を形成する可動スクロール(11)と、上記ケーシング(5)内を固定スクロール(14)及び可動スクロール(11)が設置される第1室(24)と吐出口(21)が連通する第2室(25)とに区画するフレーム(6)と、上記可動スクロール(11)に係合すると共に上記フレーム(6)を貫通して該フレーム(6)に回転自在に支持される駆動軸(3)とを備えるスクロール型圧縮機(1)であって、
    上記ケーシング(5)内の第2室(25)に設置されて上記駆動軸(3)を回転自在に支持する軸受部材(8)を備える一方、
    上記軸受部材(8)には、第2室(25)から仕切られたマフラ室(83)と、該マフラ室(83)を第2室(25)に連通させるための連通路(86)とが形成され、
    上記駆動軸(3)には、上記流体室(10)からマフラ室(83)へ流体を導くための流体流路(19)が形成され
    上記駆動軸 (3) により駆動されてケーシング (5) 内に貯留する潤滑油を吸入する給油ポンプ (89) を備え、
    上記給油ポンプ (89) は、軸受部材 (8) に取り付けられて該軸受部材 (8) と共に上記マフラ室 (83) を形成しているスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール型圧縮機において、
    軸受部材(8)には、駆動軸(3)を支持するためのすべり軸受(82)が形成されているスクロール型圧縮機。
  3. 請求項1記載のスクロール型圧縮機において、
    第2室(25)には、軸受部材(8)の連通路(86)を通ってマフラ室(83)から流出した流体中の油滴を除去するための油滴除去部材(27)が設けられているスクロール型圧縮機。
  4. 請求項3記載のスクロール型圧縮機において、
    軸受部材(8)に形成された第1のマフラ室(83)に加え、油滴除去部材(27)によって第2室から仕切られて上記軸受部材(8)の連通路(86)を通過した流体が導入される第2のマフラ室(87)を備えているスクロール型圧縮機。
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