JP3873040B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力センサ、積層圧電体およびその製造方法に関し、より詳細には内燃機関のシリンダ内のような高温、高圧環境下において好適に使用できる圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のシリンダ内のような高温、高圧環境下において圧力を検知するセンサとして圧電素子を備えた圧力センサが従来知られている。圧電素子は小型で、50kHzまで平坦で高速な応答特性を備えていること、高温で連続使用が可能であるといった優れた特性を備えるものであり、圧力検知用の素子として種々の圧電素子が提案されてきた。圧電素子を備えた圧力センサとしては、水晶を使用するもの、リン酸ガリウムを使用するもの、ニオブ酸リチウムを使用するもの、ランガサイトを使用するもの等がある(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
圧電素子を用いた圧力センサには種々のタイプがあるが、検知しようとする圧力(外力)を圧力伝達部材を介して圧電素子に作用させ、圧電素子の表面に表れる電荷信号を検知する方法が基本的な方法である。圧力センサの例としては、2枚の圧電素子を同極側を向かい合わせにして電極を挟むように配置し、電極から電荷信号を取り出すようにしたもの(特許文献2参照)、ダイアフラムの変位を受圧ロッドを介してリング状に形成された圧電センサに伝達し、圧電素子の出力信号を取り出すようにしたもの(特許文献3参照)、シリンダヘッドに装着されるスパークプラグに圧電素子を取り付けたもの(特許文献4参照)、圧電素子の横軸効果を利用するもの(特許文献2参照)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−172680号公報
【特許文献2】
特開平10−54773号公報
【特許文献3】
特開平7ー77474号公報
【特許文献4】
特開平11−94675号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、圧電素子を用いた圧力センサには、内燃機関のシリンダ内の圧力を計測するといった場合のように、高温、高圧下で使用でき、十分な耐久性を備えるといった条件や、安定した応答特性を備え、出力感度も優れるといった種々の要件が求められる。また、内燃機関のエンジンに取り付けて圧力を検知するといった場合には、機械的な振動に耐えることができ、シリンダヘッド等に取り付けやすくするため小型化が求められる。
とくに、被測定体の圧力測定に関しては、直接的に圧力を検知するセンサ部分としての圧電素子の構成と信号の取り出し機構が重要であり、あわせて信頼性が高く生産が容易な構造であることが求められる。
【0006】
本発明はこれらの圧電素子を用いた圧力センサに求められる課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関のシリンダ内圧力のように、高温環境下で、圧力が大きく変動し、機械的振動が大きな環境においても安定して確実な感度を備え、耐久性にすぐれるとともに、組み立て等の製造が容易で、小型化を図ることができる圧力センサを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、筒状に形成された本体の前端部にダイアフラムが設けられ、ダイアフラムの後方に配置された圧電素子からなるセンサ部により、前記ダイアフラムを介して作用する圧力を検知可能に設けられた圧力センサにおいて、前記センサ部として、複数枚の圧電素子を、接合面が同一の極性となるように圧電結晶の電荷発生軸方向に積み重ねて一体のブロック体に形成するとともに、ブロック体の前記電荷発生軸に対して直交する配置となる応力印加軸方向の一方の端面にはプラス極あるいはマイナス極のいずれかの電極を形成し、他方の端面には前記一方の端面とは逆の極性となる電極を形成した積層圧電体が使用され、前記ダイアフラムが、被測定体からの圧力を受けるダイアフラム部と、該ダイアフラム部と一体にダイアフラム部の後部に形成され、端面が前記積層圧電体の一方の端面に面接触により当接する、端面形状が四角形となるブロック状に形成された電極部とを備えたダイアフラムヘッドに形成され、前記積層圧電体の後部側に、前記本体に対して電気的に絶縁されて前記積層圧電体の他方の端面に面接触により当接する、端面形状が四角形となるブロック状に形成されるとともに、積層圧電体に発生する電荷を検知するリードピンが接続された電極部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、前記本体に、前記積層圧電体の後部側に配置された電極部に絶縁部材を介して当接する第1のインナーボディと、該第1のインナーボディの後部に前部を当接して配置され、前記第1のインナーボディ、前記絶縁部材および前記電極部を介して前記積層圧電体に予圧を作用させる第2のインナーボディとが内設され、前記第1のインナーボディの後部が円錐状の凹面に形成され、前記第2のインナーボディの前部が球面状の凸面に形成されていることにより、予圧加圧時に、自動的に軸心が一致し、積層圧電体に偏荷重が作用することを抑制し、積層圧電体の耐久性を向上させることができる。
【0009】
また、前記積層圧電体を構成する圧電素子として、ランガサイト系結晶が好適に用いられる。ランガサイト系結晶には、ランガサイト(La 3 Ga 5 SiO 14 )、ランガナイト ( La 3 Ga 5.5 Nd 0.5 14 ) 、ランガテイト ( La 3 Ga 5.5 Ta 0.5 14 ) 等がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る圧力センサの一実施形態の全体構成を示す断面図である。本実施形態の圧力センサは内燃機関のシリンダヘッド等の圧力の被測定体に取り付けて圧力を計測できるように形成されたもので、円筒状に形成された本体10の内部に横軸効果の圧電作用を利用する積層圧電体30を装着し、被測定体の圧力が変動することによって積層圧電体30に発生する電荷を本体10内を挿通するように設けられたリードピン40によって検出するように形成されているものである。
【0013】
本実施形態の圧力センサにおける構成上の一つの特徴は、被測定体の圧力を検知するセンサ部分に、横軸効果を利用する圧電素子を複数枚積層した積層圧電体30を使用している点にある。
圧電素子の横軸効果とは、圧電素子の電荷発生軸に対して直交する配置にある応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電素子の表面に電荷が発生する作用をいう。本実施形態では圧電素子としてランガサイト結晶を使用しているが、ランガサイト系結晶や水晶などの圧電素子ではこの横軸効果によって、圧電素子の表面に外力に比例した電荷が発生することが知られている。この横軸効果は、電荷発生軸方向の長さ(厚さ)に対する応力印加軸方向の長さの比に依存し、電荷発生軸方向の厚さを薄く、応力印加軸方向の長さを長くすることによって、より大きな出力を得ることができる。
【0014】
本実施形態においては、薄く形成した圧電素子を複数枚積層して積層圧電体30を形成している。このようにすることで、圧電素子の横軸効果による作用を有効に利用することができ、複数枚の圧電素子を使用することで圧電素子に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。また、圧電素子を複数枚積層して一体のブロック状とすることによって、単体では脆くて大きな外力を作用させ難い圧電素子に対して、内燃機関のシリンダ部で発生するような大きな圧力を作用させることが可能になる。積層圧電体30は薄板状に形成した圧電素子を積層して形成するから、外見上は端面が平坦面の四角柱状になる。
【0015】
この積層圧電体30の構造およびその製造方法の詳細については後述することとし、次に、本実施形態の圧力センサの各部の構成について説明する。
図1に示すように、本体10の被測定体への取り付け側は本体10の基体側よりもやや細径に形成され、この細径部の外周面に取り付け用のねじ11が設けられている。これによって圧力センサは、内燃機関のシリンダヘッド等の被測定体にねじ込んで容易に固定することが可能となる。
12は本体10の前端部に溶接して封着したダイアフラムヘッド12である。このダイアフラムヘッド12は被測定体の圧力が作用するように被測定体に向けて露出して形成されたダイアフラム部12aと、ダイアフラムヘッド12の周縁部に形成されたフランジ部12bと、ダイアフラム部12aの後面にダイアフラム部12aと一体に形成された電極部14とからなる。
【0016】
図2に、圧力センサの前端部近傍の構成の断面を拡大して示す。電極部14はダイアフラム部12aから本体10の内部側に延出するように設けられ、前述した積層圧電体30の端面に当接する端面形状が四角形となるブロック状に形成されている。電極部14は積層圧電体30の一方(前方側)の端面に当接して、積層圧電体30に被測定体側の圧力変化にともなう押圧力を作用させるものであり、積層圧電体30の端面の全面を押圧できる大きさの端面形状に形成されるとともに、ダイアフラム部12aの受圧面12cと電極部14の圧力伝達面12dとが平行かつ平滑面に形成されている。これによって、ダイアフラム部12aが受ける圧力を均等に積層圧電体30に作用させることができる。
【0017】
本実施形態においては、ダイアフラム部12aとフランジ部12bと電極部14とを完全に一体形として形成しているから、たとえばダイアフラムを別体で形成して溶接して取り付けるといった方法にくらべて、部品点数を減らすことができ、組立が容易になるとともに、溶接部が圧力や高温に曝されて、腐蝕等を起こすといった問題を解消することができ、圧力センサの耐久性を向上させることができるという利点がある。
また、ダイアフラム部12aと電極部14とを一体構造とすることで、ダイアフラム部12aが受ける圧力を電極部14を介して積層圧電体30に効率的に伝達することが可能になる。なお、電極部14はダイアフラム部12aと積層圧電体30との中間に介在して被測定体からの圧力を積層圧電体30に伝達する作用を有すると同時に、積層圧電体30に接する電極としても機能している。
【0018】
16は積層圧電体30の他方の(後面側)の端面に当接する電極部である。この電極部16にはリードピン40の先端が固定されており、電極部16から電荷信号が取り出される。電極部16も積層圧電体30の端面形状と同じく端面が四角形状となるブロック状に形成されている。電極部16は積層圧電体30の端面に当接して積層圧電体30を押圧するとともに、積層圧電体30から電荷信号を取り出す作用をなす。
18は電極部16を電気的に絶縁する絶縁部材としての絶縁リング、20は絶縁リング18、電極部16、積層圧電体30の外周部分をガイドして支持する断面円筒形状の絶縁スリーブである。本実施形態では絶縁リング18および絶縁スリーブ20はともにアルミナセラミックによって形成している。
【0019】
積層圧電体30の前方側に配置されているダイアフラムヘッド12に設けられた電極部14は本体10と電気的に導通され、これによって接地電位となる。これに対して、積層圧電体30の後方に配置される電極部16は、上述したように本体10に対して電気的に絶縁され、電荷信号を取り出すことが可能となっている。
積層圧電体30は、応力印加軸に一定の予圧を加えた状態で使用する。電極部16は電極部14との間で積層圧電体30に対して一定の予圧を加える作用もなすものであり、本実施形態においては、電極部14および電極部16の端面を平滑面に形成して積層圧電体30の全体に対して均等に予圧が作用するようにしている。
【0020】
図1に示すように、積層圧電体30に予圧を作用させるために、本実施形態では、絶縁リング18の後面に第1のインナーボディ22を当接し、第1のインナーボディ22の後面に第2のインナーボディ24を当接させる構造としている。第1のインナーボディ22は本体10に内挿されて本体10の軸線方向に可動に設けられているのに対して、第2のインナーボディ24は本体10の内周面に設けられたねじ26に後部側で螺合し、予圧ねじとして作用するものとなっている。27が第2のインナーボディ24の外周面に設けられたねじであり、本体10の内周面に設けられたねじ26に螺合している。
【0021】
本実施形態においては、第1のインナーボディ22の後部を円錐状の凹面22aとし、第2のインナーボディ24の前部を球面状の凸面24aに形成した。このように、第1のインナーボディ22と第2のインナーボディ24との当接部を円錐状の凹面22aと球面状の凸面24aとすることによって、第1のインナーボディ22と第2のインナーボディ24とが線的に当接し、アライメントの予圧加圧時に、自動的に軸心が一致し、第1のインナーボディへの偏荷重を防止することができ、その後ダイアフラムヘッド12に衝撃や振動が作用した際に、積層圧電体30に偏荷重が作用することを抑制することができる。これによって積層圧電体30に欠けが生じたりすることを防止することができ、積層圧電体30の耐久性を向上させることが可能となる。
【0022】
積層圧電体30に作用させる予圧力は、第2のインナーボディ24のねじ込み位置を調節することによって調整することができる。積層圧電体30に作用させる予圧を調整することによって積層圧電体30の感度および直線性を調節することができる。
予圧調整は、第2のインナーボディ24を所定の調整位置(ねじ込み位置)に動かしたところで、レーザ溶接等により第1のインナーボディ22を本体10に固定することによって行う。第2のインナーボディ24は、この後、第1のインナーボディ22と同様にレーザ溶接等によって本体10に固定してもよいし、第1のインナーボディ22を本体10に固定した後、本体10から取り外してしまってもよい。
【0023】
リードピン40は第1のインナーボディ22および第2のインナーボディ24の内側を通過して本体10の他端側へ引き出され、レセプタクル28に接続される。レセプタクル28には検知器のコネクタが接続され、リードピン40から出力された電荷信号が検知されるように構成されている。
なお、42はリードピン40に外挿された絶縁パイプである。絶縁パイプ42はリードピン40が振動等して第1のインナーボディ22や第2のインナーボディ24に接触して本体10と電気的に導通することを防止し、電荷がリークすることを防止する作用をなす。本実施形態では、絶縁パイプ42はアルミナセラミックによって形成している。
【0024】
このように形成された圧力センサは、内燃機関のシリンダヘッド等にねじ込んで固定して設置することにより、被測定体の圧力変動がダイアフラムヘッド12のダイアフラム部12aに作用し、電極部14と電極部16によって挟圧された積層圧電体30の応力印加軸方向に圧力変動が作用することによって、積層圧電体30に生じた電荷がリードピン40を介して検知され、被測定体の圧力が検知されることになる。
【0025】
前述したように本実施形態の圧力センサでは、圧電素子の横軸効果を利用し、圧電素子を複数枚積層した積層圧電体30を利用してセンサ部を構成している。以下では、積層圧電体30の構成とその製造方法について説明する。
なお、本実施形態では、圧電素子としてランガサイト結晶を使用し、電荷発生軸をX軸(X軸0°カット)、応力印加軸をY軸(Y軸0°カット)、光学軸をZ軸としている。以下では、電荷発生軸をX軸、応力印加軸をY軸、光学軸をZ軸という。
図3は本実施形態の圧力センサで使用している積層圧電体30の電極配置等の構成を示す説明図である。前述したように、積層圧電体30は圧電素子のY軸方向に力を作用させた際に、X軸方向に電荷が発生する作用を利用するものであり、圧電素子を積層して積層圧電体30を形成する場合は、Y軸方向に外力を作用させた際に各々の圧電素子のX軸方向の両面で発生するプラス電荷とマイナス電荷を効率的に集められるようにする必要がある。
【0026】
積層圧電体30を形成する方法として本実施形態において採用している方法は、図3に示すように、圧電素子をX軸方向に順次積層する際に、まず、各々圧電素子のX軸方向のプラスとマイナスの極性が交互に逆になるように積層し、圧電素子の対向する面が同一の極性になるようにすることである。これによって、圧電素子の接合面は1層ごとに、プラス極とマイナス極となる。そして、プラス極については一方の極、たとえばダイアフラムヘッド12の電極部14に電荷を集めるようにし、マイナス極については他方の極、この場合は電極部16に電荷を集めるようにする。
【0027】
図3は、4枚の圧電素子31、32、33、34を積層して積層圧電体30を形成した状態を示す。積層圧電体30を構成する各々の圧電素子の表面に発生する電荷量を検知するため、圧電素子31〜34の接合面にスパッタリングあるいは蒸着等によって下地膜を形成し、はんだ等の導電材を用いて圧電素子31〜34をX軸方向に積み重ね一体化する。これによって、圧電素子31〜34の接合面が同極同士となり、接合面に電荷を取り出すための導体層36が形成された圧電素子のブロック体が形成される。
【0028】
次に、ブロック体のY軸方向の両端面に、メタライズ等により電極膜37を形成し、圧電素子の31〜34の接合面に形成した導体層36と電極膜37とを電気的に接続する。
ブロック体の両端面に電極膜37を形成した状態では圧電素子31〜34の接合面に形成された導体層36がすべて電極膜37と電気的に短絡した状態になっているから、ブロック体のY軸方向の両端面を圧電素子31〜34の接合位置に合わせて断面形状でU形に研削して電極分離溝35を形成する。電極分離溝35は各端面で圧電素子の2枚ごとに研削し、ブロック帯の一方の端面と他方の端面で電極分離溝35を形成する位置が1段ずつ異なるようにする。
このように電極分離溝35を形成することにより、ダイアフラムヘッド12側の電極部14に当接する端面にはプラス極に導通した電極38aが形成され、リードピン40側の電極部16に当接する端面にはマイナス極に導通した電極38bが形成される。
【0029】
本実施形態では、ブロック体の端面を断面形状でU形に研削することによってプラス極となる導体層36とマイナス極となる導体層36との電気的短絡を解消しているが、プラス極とマイナス極とを分離する方法としては、ブロック体を研削する方法に限らず、たとえばブロック体の端面に電極膜37を形成する際に、ブロック体の一方の端面ではプラス極に導通する電極38aをパターン形成し、ブロック体の他方の端面ではマイナス極に導通する電極38bをパターン形成する方法も可能である。
ただし、ブロック体の端面を研削して電極分離溝35を形成する方法は、圧電素子の接合位置に合わせて導体層36が部分的に彫り込まれるようになるから、プラス極とマイナス極とを確実に電気的に遮断できるという利点がある。
【0030】
また、図3に示す実施形態では、電極部14にプラス極が導通し、電極部16にマイナス極が導通する配置となっており、検知部ではリードピン40を介してマイナスの電荷が検知される状態となっている。積層圧電体30を電極部14と電極部16との間に配置する向きは任意に選択可能であり、図3の配置とは逆に、電極部14にマイナス極を当接させ、電極部16にプラス極を当接させる配置とすることもできる。この場合は、検知部ではプラス電荷を検知することになる。なお、いずれの場合も電極部14は接地電位となる。
【0031】
以下では、上述した方法にしたがって積層圧電体30を実際に作成した例について説明する。図5は、積層圧電体30を製造工程をフロー図によって示したものである。
まず、Y軸寸法と光学軸寸法が20mm×20mmのランガサイト結晶を研削し、X軸方向の厚み出し加工(ステップ50)を行う。本実施形態では、X軸の厚さが0.34mmmとなるように厚み出し加工を行った。
次に、ランガサイト結晶の接合面に成膜加工(ステップ51)を施した。本実施形態では、スパッタリングによりランガサイト結晶の接合面に下地膜(Ti/Pt/Au)を形成した。
次に、ランガサイト結晶を積み重ねて一体に接合するため(ステップ52)、下地膜にハンダ膜(AuSn)を形成し、4枚のランガサイト結晶を極方向を一致させてX軸方向に積み重ね、400℃でリフローして積層体を形成した。
【0032】
次に、積層体を研削して、Y軸方向の寸法出しを行った(ステップ53)。本実施形態ではY軸方向の長さが3mmとなるようにした。これによって、積層体の大きさは、1.4mm(X軸)×3.0mm(Y軸)×20mm(光学軸)となった。
次に、積層体のX軸方向とY軸方向の4面にメタライズ(Ti/Au)を施し(ステップ54)、Y軸方向の両端面に電極膜37を形成し、X軸方向の両端面に導体膜39を形成する。X軸方向の両端面にメタライスを施して導体膜39を形成しているのは、積層体の上面と下面の導体膜39がコーナー部を介してY軸方向の両端面に形成された電極膜37と電気的に導通するようにするためである。
【0033】
次に、積層体のY軸方向の両端面に電極分離溝35を形成する(ステップ55)。電極分離溝35は、ランガサイト結晶の接合面に合わせて断面U字状に研削することによってなされる。積層体はZ軸方向に細長く(20mm)形成されており、Z軸方向に積層体を研削することによって一括して電極分離溝35を形成することができる。
次に、積層体をZ軸方向に所定長さごとに切断して、個片のブロック体(積層圧電体)を形成する(ステップ56)。本実施形態ではブロック体のZ軸方向の長さが1.4mmとなるように積層体を切断した。
最後に、個片に形成されたブロック体のY軸方向の端面の電極38a、38bを除いた4面および電極分離溝35に絶縁コート材を塗布し(ステップ57)積層圧電体30を得た。
【0034】
図4は、こうして得られた積層圧電体30の斜視図を示す。積層圧電体30は圧電素子が4枚積層されて全体形状が四角柱状に形成されたものとなる。積層圧電体30の大きさは1.4mm(X軸)×3.0mm(Y軸)×1.4mm(Z軸)である。
積層圧電体30は、X軸方向については接合面に導体層が形成されて接合され、上面と下面にメタライズによって形成された導体膜39が形成されている。また、Y軸方向については、両端面に電極分離溝35が形成され、Y軸方向の一方の端面あるいは他方の端面に形成された電極38は、プラス極またはマイナス極の導体層36と電気的に接続されたものとなる。
【0035】
本実施形態の積層圧電体30をダイアフラム厚0.1mm、径3.2mmの圧力センサに搭載することによって、20pC/barの電荷出力を得ることができた。この横軸効果形の圧力センサは、従来の縦軸効果形のランガサイト結晶を2枚利用した圧力センサと比較して、4〜5倍の出力感度を得ることができ、S/N比についても4〜5倍に向上させることができた。
上述したように、本実施形態の積層圧電体30の製造方法では、ランガサイト結晶を積層してブロック状とした状態で寸法加工するから、加工が容易になるとともに、積層体を個片に切断して製品とすることから、量産が容易で小型化も容易であるという利点がある。
【0036】
本発明に係る圧力センサでは、積層圧電体30の両端面に電極部14、16を面接触する配置としている。したがって、ダイアフラムヘッド12で受ける熱が速やかに内部構造体へ伝達する構成となっており、第1のインナーボディ22が本体10と強固に接触する配置になっている等により、圧力センサ全体の温度が短時間のうちに均一になる。これによって温度ドリフトを抑えることが可能になり、圧力の検知精度を向上させることが可能になる。
【0037】
なお、圧電素子としてランガサイト結晶を使用した場合には、ランガサイト結晶が焦電性を有しないこと、キュリー点が存在しないことから、高温での使用が容易に可能となり広い温度範囲において安定した圧電特性を維持することができるという利点がある。これによって、内燃機関のシリンダ内の圧力を計測するといった、高温環境下での圧力計測に好適に使用することができる。
もちろん、本発明に係る圧力センサはシリンダ内の圧力測定用に限らず、排気圧や燃料噴射圧など種々用途の圧力測定用として利用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る圧力センサによれば、上述したように、横軸効果型の圧電素子を複数枚積層して使用することによって、センサ部による出力を増大させ、感度を向上させることが可能となり、高精度でかつ信頼性の高い圧力センサとして提供することが可能となる。また、センサ部の小型化が可能となり圧力センサの小径化、小型化を図ることが可能になる。
また、本発明に係る積層圧電体は、圧電素子を複数枚使用することで、感度のよいセンサとして使用することができ、内燃機関のシリンダ等の圧力検知用として好適に使用することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力センサの一実施形態の全体構成を示す断面図である。
【図2】圧力センサの前端部近傍の構成を示す断面図である。
【図3】積層圧電体の構成を示す説明図である。
【図4】積層圧電体の斜視図である。
【図5】積層圧電体の製造工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 本体
11 ねじ
12 ダイアフラムヘッド
12a ダイアフラム部
12c 受圧面
12d 圧力伝達面
14、16 電極部
18 絶縁リング
20 絶縁スリーブ
22 第1のインナーボディ
22a 凹面
24 第2のインナーボディ
24a 凸面
28 レセプタクル
30 積層圧電体
31、32、33、34 圧電素子
35 電極分離溝
36 導体層
37 電極膜
38、38a、38b 電極
39 導体膜
40 リードピン
42 絶縁パイプ

Claims (3)

  1. 筒状に形成された本体の前端部にダイアフラムが設けられ、ダイアフラムの後方に配置された圧電素子からなるセンサ部により、前記ダイアフラムを介して作用する圧力を検知可能に設けられた圧力センサにおいて、
    前記センサ部として、複数枚の圧電素子を、接合面が同一の極性となるように圧電結晶の電荷発生軸方向に積み重ねて一体のブロック体に形成するとともに、ブロック体の前記電荷発生軸に対して直交する配置となる応力印加軸方向の一方の端面にはプラス極あるいはマイナス極のいずれかの電極を形成し、他方の端面には前記一方の端面とは逆の極性となる電極を形成した積層圧電体が使用され、
    前記ダイアフラムが、被測定体からの圧力を受けるダイアフラム部と、該ダイアフラム部と一体にダイアフラム部の後部に形成され、端面が前記積層圧電体の一方の端面に面接触により当接する、端面形状が四角形となるブロック状に形成された電極部とを備えたダイアフラムヘッドに形成され、
    前記積層圧電体の後部側に、前記本体に対して電気的に絶縁されて前記積層圧電体の他方の端面に面接触により当接する、端面形状が四角形となるブロック状に形成されるとともに、積層圧電体に発生する電荷を検知するリードピンが接続された電極部が設けられていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記本体に、前記積層圧電体の後部側に配置された電極部に絶縁部材を介して当接する第1のインナーボディと、該第1のインナーボディの後部に前部を当接して配置され、前記第1のインナーボディ、前記絶縁部材および前記電極部を介して前記積層圧電体に予圧を作用させる第2のインナーボディとが内設され、
    前記第1のインナーボディの後部が円錐状の凹面に形成され、前記第2のインナーボディの前部が球面状の凸面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 前記積層圧電体を構成する圧電素子として、ランガサイト系結晶が用いられていることを特徴とする請求項1または2記載の圧力センサ。
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