JP3873018B2 - 多段シリンダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば船などを大きな負荷を持ち上げることのできる直径の大きい多段シリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大出力を発揮する多段シリンダ装置として、例えば図4に示すものが従来からある。この従来例は、第1〜第3ピストンロッド1〜3を組み込んだシリンダ本体sと、このシリンダ本体sの作動を制御する圧力制御機構kとから構成されている。
上記シリンダ本体sは、ベース部材bに第1ピストンロッド1を摺動自在に組み込むとともに、この第1ピストンロッド1の外周とベース部材bの内周との間に第1縮み側室4を形成し、第1ピストンロッド1の下部とベース部材bとの間に第1伸び側室7を形成している。
【0003】
上記第1ピストンロッド1の内周には、第2ピストンロッド2を摺動自在に組み込んでいる。そして、この第2ピストンロッド2の外周と第1ピストンロッド1の内周との間に第2縮み側室5を形成し、第2ピストンロッド2の下部と第1ピストンロッド2の下部との間に第2伸び側室8を形成している。
また、上記第2ピストンロッド2の内周に、第3ピストンロッド3を摺動自在に組み込むとともに、この第3ピストンロッド2の外周と第2ピストンロッド2の内周との間に第3縮み側室6を形成し、第3ピストンロッド3の下部と第2ピストンロッド2の下部との間に第3伸び側室9を設けている。
なお、図中符号10〜15は、リング状のシール部材であり、これらシール部材10〜15によって各室内の圧油の漏れを防止している。
【0004】
上記ベース部材bには、第1ポート16と第2ポート17とを形成するとともに、これら両ポート16,17に上記圧力制御機構kを接続している。
また、上記第1ポート16を第1伸び側室7に連通させ、上記第2ポート17を中央の室23に連通させている。
上記圧力制御機構kから、第1ポート16を介して第1伸び側室7に圧油を供給すると、第1ピストンロッド1が上昇する。このように上昇する第1ピストンロッド1には第1通路18を形成し、この第1通路18を介して第2伸び側室8と第1縮み側室4とを連通させている。したがって、上記のように第1ピストンロッド1が上昇することで、第1縮み側室4の容積が減少すると、その減少した分の圧油が第1通路18を介して第2伸び側室8に供給される。
【0005】
第2伸び側室8に圧油が供給されると、第2ピストンロッド2が上昇する。また、第2ピストンロッド2には、第3伸び側室9と第2縮み側室5とを連通する第2通路19を形成している。
したがって、上記のように第2ピストンロッド2が上昇することで、第2縮み側室5の容積が減少すると、その減少した分の圧油が第2通路19を介して第3伸び側室9に供給される。このようにして第3伸び側室9に圧油が供給されると、第3ピストンロッド3が上昇する。
なお、第3ピストンロッド3の上昇によって、第3縮み側室6の容積が減少するが、その減少した分の圧油は、第3ピストンロッド3に形成した第3通路20を介して中央の室23に導かれる。
【0006】
以上のようにして、第1〜第3ピストンロッド1〜3が上昇するようにしているが、これら第1〜第3ピストンロッド1〜3が動き出すタイミング及び上昇する速度が等しくなるように、第1〜第3伸び側室7〜9の受圧面積及び第1〜第3縮み側室4〜6の受圧面積の大きさを設定している。
なお、図中符号21は第1伸び側室7から第2伸び側室8への流通のみを許容する第1チェック弁であり、符号22は第2伸び側室8から第3伸び側室9への流通のみを許容する第2チェック弁である。これらチェック弁21,22によって、漏れなどによって生じる流量不足を補うようにしている。
【0007】
一方、図2に示すように第1〜第3ピストンロッド1〜3を上昇させた状態からそれを下降させる場合には、圧力制御機構kによって第1ポート16をタンクに連通させた状態で、第2ポート17から圧油を供給する。
第2ポート17から圧油を供給すると、その圧油は室23から第3通路20を介して第3縮み側室6に供給される。第3縮み側室6に圧油が供給されると、その圧力作用によって第3ピストンロッド3が下降し始める。
【0008】
第3ピストンロッド3が下降し始めると、それにともない第3伸び側室9の圧油が第2通路19を介して第2縮み側室5に押し出される。このようにして第2縮み側室5に圧油が供給されると、その圧力作用によって第2ピストンロッド2が下降する。
第2ピストンロッド2が下降すると、第2伸び側室8の圧油が第1通路18を介して第1縮み側室4に押し出される。そして、第1縮み側室4に圧油が供給されることによって、第1ピストンロッド1が下降する。つまり、第3ピストンロッド3が下降すれば、それに応じて他のピストンロッド1,2も同時に下降を始めて、しかも同じ速度で下降するようにしている。
なお、第1ピストンロッド1が下降することによって第1伸び側室7から押し出された圧油は、第1ポート16を介して駆動機構kに排出される。
【0009】
ところで、第3ピストンロッド3の上面に負荷を載せている場合、その負荷が非常に重ければ、その荷重と第1〜第3ピストンロッド1〜3の自重とによって第1〜第3ピストンロッド1〜3は下降する。つまり、負荷が非常に重たい場合には、第2ポート17から圧油を供給しなくても第1〜第3ピストンロッド1〜3は下降する。
【0010】
しかし、負荷が軽い場合や無負荷の状態では、上記したように第2ポート17から第3縮み側室6に圧油を供給して、縮み側室4,5内に生じる圧力作用によってピストンロッド1〜3を下降させるようにしている。このように第1〜第3縮み側室4〜6の圧力作用を利用するのするのは、シール部材10〜15の摺動抵抗が大きいために、ピストンロッド1〜3の自重等の作用だけでは、これらピストンロッド1〜3を動かすことができないからである。つまり、ピストンロッド1〜3を下降させるためには、各シール部材10〜15の摺動抵抗を合計した分の力に打ち勝つだけの推力が必要なので、この従来例では第2ポート17から圧油を供給するようにしている。
【0011】
【特許文献1】
実開昭58−127097号公報(第1頁〜第3頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、ピストンロッド1〜3を3段にしているが、ピストンロッドの段数がさらに増えると、それに応じてシール部材の数も増える。シール部材の数が増えると、シール部材の摺動抵抗が増加する。特に、ピストンロッドの直径が大きくなると、それに接するシール部材の接触面積も大きくなるので、摺動抵抗が増大する。このようにシール部材の摺動抵抗が増大すると、ピストンロッドを下降させるために必要な圧力も高くする必要がある。つまり、ピストンロッドの段数が増えれば増えるほど高圧が必要となり、大出力のポンプが必要となる。
【0013】
そして、ピストンロッドを下降させるために必要な圧力が、ピストンロッドを上昇させるために必要な圧力を超えた場合には、ピストンロッドを下降させるために必要な圧力を基準にして、ポンプを選定することになる。
しかし、無負荷の状態でピストンロッドを下降させる頻度はそれほど多ないため、下降時に必要な圧力に合わせて設計すると、大きな無駄がじるという問題があった。
この発明の目的は、ピストンロッドの段数を増やした場合でも、無負荷の状態で下降するのに必要な圧力を低く抑えることのできる多段シリンダ装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、シリンダ本体と、このシリンダ本体の伸縮動作を制御する圧力制御機構とからなり、上記シリンダ本体は、ベース部材と、このベース部材に組み込んだ直径の異なる複数のピストンロッドとを備え、上記複数のピストンロッドは、直径の大きいものから順番に内側に向かって多段に摺動自在に組み込むとともに、各摺動面間にシール部材を設けることで、各ピストンロッドの外周に縮み側室を形成し、各ピストンロッドの下側に伸び側室を形成し、しかも、各ピストンロッドの外側の縮み側室と内側の伸び側室とを通路で連通してなり、最も内側に位置する伸び側室に、上記圧力制御機構から圧油を供給すると、最も内側に位置するピストンロッドが下降するとともに、その移動量に応じて伸び側室の圧油が1つ外側に位置する縮み側室に供給されて、この1つ外側に位置するピストンロッドを下降させる多段シリンダ装置を前提とする。
【0015】
上記多段シリンダ装置を前提にしつつ、第1の発明は、最も外側に位置する縮み側室に低負荷下降用切換弁を接続するとともに、この低負荷下降用切換弁は、その切り換え位置に応じて上記縮み側室をタンクに連通したり圧力源に連通したりする一方、最も外側に位置する縮み側室と内側の伸び室側とを連通する通路に、リリーフ弁を設けたことを特徴とする。
【0016】
第2の発明は、上記第1の発明において、外側から2番目に位置するピストンロッドの位置を特定する位置検出センサを設けるとともに、この位置検出センサからの信号に応じて、低負荷下降用切換弁が切り換わる構成にしたことを特徴とする。
【0017】
第3の発明は、上記第2の発明において、位置検出センサを油圧モータとしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に示す実施形態は、ピストンロッドを4段にしたシリンダ本体Sと、このシリンダ本体Sの作動を制御す圧力制御機構Kとから構成されている。
上記シリンダ本体Sは、図2に示すように、ベース部材Bに第1ピストンロッド31を摺動自在に組み込んでいる。そして、この第1ピストンロド31の外周とベース部材Bの内周との間に第1縮み側室35を形成し、第1ピトンロッド31の下部とベース部材Bとの間に第1伸び側室39を形成している。
【0019】
また、上記第1ピストンロッド31の内周には、第2ピストンロッド32を摺動自在に組み込むとともに、この第32ピストンロッド32の外周と第1ピストンロッド31の内周との間に第2縮み側室36を形成し、第2ピストンロッド32の下部と第1ピストンロッド32の下部との間に第2伸び側室40を形成している。
さらに、上記第2ピストンロッド32の内周に、第3ピストンロッド33を摺動自在に組み込むとともに、この第3ピストンロッド33の外周と第2ピストンロッド32の内周との間に第3縮み側室37を形成し、第3ピストンロッド33の下部と第2ピストンロッド32の下部との間に第3伸び側室41を形成している。
【0020】
さらにまた、上記第3ピストンロッド33の内周に、第4ピストンロッド34を摺動自在に組み込むとともに、この第4ピストンロッド34の外周と第3ピストンロッド33の内周との間に第4縮み側室38を形成し、第4ピストンロッド34の下部と第3ピストンロッド33の下部との間に第4伸び側室42を形成している。
なお、図中符号50〜57はリング状のシール部材であり、これらシール部材50〜57によって、各室内の圧油の漏れを防止している。
【0021】
上記ベース部材Bには、第1ポート43と第2ポート44とを形成し、第1ポート43を第1伸び側室39に連通させ、上記第2ポート44を中央の室61に連通させている。
また、ベース部材Bには第3ポート62を形成し、この第3ポート62を第1縮み側室35に連通させている。
そして、上記第1〜第3ポート43,44、62に、図1に示すように圧力制御機構Kを接続している。
【0022】
一方、上記第1ピストンロッド31には、通路70を形成するとともに、この通路70にリリーフ弁48とチェック弁49とを互いにパラレルに接続している。そして、これらリリーフ弁48及びチェック弁49を介して、第1縮み側室35と第2伸び側室40とを連通させている。ただし、上記リリーフ弁48は、第1縮み側室35の圧力が設定圧以上になった場合にのみ、第1縮み側室35の圧油を第2伸び側室40に供給する。また、上記チェック弁49は、第2伸び側室40から第1縮み側室35への流通のみを許容している。
【0023】
上記第2ピストンロッド32には、第2縮み側室36と第2第3伸び側室41とを連通する第1通路45を形成し、第3ピストンロッド33には、第3縮み側室37と第4伸び側室43とを連通する第2通路46を形成している。
そして、第4ピストンロッド34には、第4縮み側室38と中央の室61とを連通する第3通路47を形成している。
【0024】
なお、図中符号58は、第1伸び側室39から第2縮み側室35への流通のみを許容する第1チェック弁であり、符号59は、第2伸び側室40から第3伸び側室41への流通のみを許容する第2チェック弁である。そして、符号60は、第3伸び側室41から第4伸び側室42への流通のみを許容する第3チェック弁である。
【0025】
一方、上記圧力制御機構Kは、図1に示すように、第2ポート44に通路63を介して接続した第1切換弁71と、第1ポート43に通路64を介して接続した第2切換弁72と、第3ポート62に通路65を介して接続した低負荷下降用切換弁73とを備えるとともに、上記第1切換弁71を、通路64から分岐した分岐通路66を介して第1ポート43にも接続させている。
上記分岐通路66には、オペレートチェック弁67と2つの可変オリフィス68,69を直列に設けている。また、各可変オリフィス68,69の前後をチェック弁74,75を介して接続している。
また、通路64及び通路65にもオペレートチェック弁76,77を設けている。
【0026】
上記第1切換弁71及び第2切換弁72には、ポンプPを接続している。そして、このポンプPの吐出油を、第1切換弁71又は第2切換弁72を介して第1ポート43又は第2ポート44に供給できるようにしている。
一方、低負荷下降用切換弁73には、位置検出モータMを接続している。この位置検出モータMは、その回転数によってピストンロッドの位置を特定するためのものであるが、詳しいことについては後で説明する。
なお、上記第1〜低負荷下降用切換弁71〜73は、ソレノイドの推力によって切り換わり、このソレノイドの励磁電流を、図示していないコントローラによって制御するようにしている。
【0027】
次に、この実施形態の作用を説明する。
シリンダ本体Sに負荷が作用している状態で、このシリンダ本体Sのピストンロッド31〜34を上昇させる場合、図示する状態から、第1切換弁71のみをa1ポジションに切り換える。第1切換弁71をa1ポジションに切り換えると、ポンプPの吐出油が、第1切換弁71→分岐通路66→通路64を介して第1ポート43に供給される。
第1ポート43に供給された圧油は、図3に示すように、第1伸び側室39に導かれて、その圧力作用によって第1ピストンロッド31が上昇する。
【0028】
第1ピストンロッド31が上昇すると、第1縮み側室35内の圧油がリリーフ弁48を介して第2伸び側室40に供給される。このように第2伸び側室40に圧油が供給されると、第2ピストンロッド32が上昇する。
また、第2ピストンロッド32が上昇すると、第2縮み側室36内の圧油が第1通路46を介して第3伸び側室41に供給される。このように第3伸び側室41に圧油が供給されると、第3ピストンロッド33が上昇する。
さらに、第3ピストンロッド33が上昇すると、第3縮み側室37内の圧油が第2通路47を介して第4伸び側室42に供給される。このように第4伸び側室42に圧油が供給されると、第4ピストンロッド34が上昇する。
以上のようにして、第1〜第4ピストンロッド31〜34が同時にかつ、同じ速で上昇するようにしている。
【0029】
なお、ポンプPの圧油は、分岐通路66に設けた可変オリフィス68及びチェック弁75を介してシリンダ本体Sに供給されるが、可変オリフィス68の開度を調節することによって、上記第1〜第4ピストンロッド31〜34の上昇速度を制御することができるようにしている。
【0030】
なお、シリンダ本体Sに負荷が作用していない場合には、図1に示す状態から第2切換弁72のみをb1ポジションに切り換える。このようにすれば、ポンプPの吐出油が第2切換弁72→オペレートチェック弁76→通路64を介してスムーズに第1ポート43に供給されるので、ピストンロッド31〜34を高速で上昇させることができる。
【0031】
一方、シリンダ本体Sに負荷が作用している状態で、このシリンダ本体Sのピストンロッド31〜34を下降させる場合には、図1に示す状態から第1切換弁71のみをa2ポジションに切り換える。このようにすると、第1ポート43が通路64→分岐通路66→第1切換弁を介してタンクTに連通し、第2ポート44が第1切換弁71→通路63を介してポンプPに連通する。
そのため、第2ポート44に供給された圧油が、図2に示すように、室61→第3通路47を介して第4縮み側室38に供給される。第4縮み側室38に圧油が供給されると、その圧力作用によって第4ピストンロッド34が下降する。
【0032】
第4ピストンロッド34が下降すると、それに伴って第4伸び側室42の容積が減少するので、この第4伸び側室42の圧油が第2通路46を介して第3縮み側室37に導かれる。
第3縮み側室37に圧油が導かれると、その圧力作用によって第3ピストンロッド33が下降する。
また、第3ピストンロッド33が下降すると、第3伸び側室41の圧油が第1通路45を介して第2縮み側室36に導かれるため、その圧力作用によって第2ピストンロッド32が下降する。
【0033】
第2ピストンロッド32が下降すると、第2伸び側室40の圧油がチェック弁49を介して第1縮み側室35に導かれるため、その圧力作用によって第1ピストンロッド31が下降する。
以上のようにして、第1〜第4ピストンロッド31〜34を下降させるようにしているが、これら第1〜第3ピストンロッド31〜34が同じタイミングで作動を開始して、しかも、同じ速度で下降するように、第1〜第4縮み側室35〜38の受圧面積と、第1〜第4伸び側室39〜42の受圧面積を設定している。
【0034】
なお、第1ピストンロッド31が下降すると、第1伸び側室39内の圧油が第1ポート43を介して排出される。第1ポート43から排出された圧油は、通路64→分岐通路66→可変オリフィス69→チェック弁74→オペレートチェック弁67→第1切換弁71を介してタンクTに排出されるが、この排出される流量を可変オリフィス69によって制御することで、ピストンロッドが急に降下することがないようにしている。
【0035】
一方、シリンダ本体Sに作用する負荷が軽かったり、あるいは負荷が作用していない状況で、ピストンロッド31〜34を下降させる場合には、上記第1切換弁71をa2ポジションに保った状態で、第2切換弁72をb2ポジションに切り換えて、さらに低負荷下降用切換弁73をc2ポジションに切り換える。
第2切換弁72をb2ポジションに切り換えれば、第1ポート43が通路64→オペレートチェック弁76→第2切換弁72を介してタンクTに連通する。このとき、上記オペレートチェック弁76の逆止機能は、ポンプPの吐出圧の作用によって解除されている。
【0036】
また、上記低負荷下降用切換弁73をc2ポジションに切り換えれば、第3ポート62と位置検出モータMとが連通する。また、このとき、オペレートチェック弁77の逆止機能は、ポンプ吐出圧の作用によって解除されているため、第3ポート62に連通する第1縮み側室35と位置検出モータMとが連通する。
このように第1縮側室35と位置検出モータMとが連通すれば、第2ピストンロッド32の下降に応じて第2伸び側室40からチェック弁49を介して第1縮み側室35に導かれた圧油は、位置検出モータM側に排出される。そのため、この第1縮み側室35の圧力が、第1ピストンロッド31にほとんど作用しない。したがって、この第1ピストンロッド31は、他のピストンロッド32〜34が下降していても、その位置を保つことになる。
【0037】
第1ピストンロッド31が下降せずにその位置を保っていれば、この第1ピストンロッド31が下降するときに生じるシール部材50,54の摺動抵抗が生じない。つまり、外側に位置する直径の大きいシール部材50、54の大きな摺動抵抗を軽減することができる。
このようにシール部材50,54の大きな摺動抵抗を軽減できるので、ピストンロッドの段数を増やした場合でも、低負荷状態においてピストンロッドを下降させるために必要とする供給圧を低く抑えることができる。
したがって、ピストンロッドを下降させるために、大出力のポンプを選定しなければならないといった無駄を防止することができる。
【0038】
上記のようにして第2〜第4ピストンシリンダ32〜34を最下点まで下降させたら、低負荷下降用切換弁73をc1ポジションに切り換える。低負荷下降用切換弁73をc1ポジションに切り換えると、この低負荷下降用切換弁73を介してポンプPの吐出油が第1縮み側室35に供給されるので、その圧力作用によって第1ピストンロッド31が下降することになる。
なお、第1縮み側室35に供給される圧力よりも、リリーフ弁48の設定圧を高くしている。そのため、上記のように低負荷下降用切換弁73から第1縮み側室35に圧油を供給したとしても、その圧油が第2伸び側室40に供給されることはない。
【0039】
また、この実施形態では、第2〜第4ピストンロッド32〜34が最下点まで下降したか否かを、位置検出モータMの回転数によって検出するようにしている。すなわち、第2〜第4ピストンロッド32〜34が下降する際、第3ポート62から圧油が排出されるが、この排出量は決まっている。そこで、この第3ポート62から排出される流量を、位置検出モータMの回転数によって測定し、第2〜第4ピストンロッド32〜34の位置を推定するようにしている。そして、第2〜第4ピストンロッド32〜34が最下点まで下降したと推定した時点で、図示していないコントローラが低負荷下降用切換弁73をc2ポジションからc1ポジションに切り換えるようにしている。
以上のようにすれば、第1〜第4ピストンロッド31〜34を連続的に下降させることができる。
【0040】
なお、この実施形態では、第2〜第4ピストンロッド32〜34の位置を、位置検出モータMの回転数によって検出しているが、シリンダ本体Sにストロークセンサを取り付けて、このストロークセンサによって第2〜第4ピストンロッド32〜34の位置を直接検出するようにしてもよい。
ただし、この実施形態のように第3ポート62からの排出流量によってピストンロッドの位置を特定するようにすれば、通路65の途中であれば、どこにでもセンサを取り付けることができる。つまり、位置検出モータMを用いると、その取り付け位置の自由度が高いという利点がある。
【0041】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ピストンロッドを下降させるときに、最も外側に位置する縮み側室をタンクに連通させることによって、最も外側に位置するピストンロッドの下降だけを止めておくことができる。このようにすれば、最も外側に位置するピストンロッドに作用するシール部材の摺動抵抗が生じないので、その分、ピストンロッドを下降させるときに生じるシール部材の摺動抵抗を低減することができる。
したがって、下降時に必要とする圧力を低く抑えることができ、圧力源の大型化を防止することができる。
【0042】
第2の発明によれば、外側から2番目に位置するピストンロッドの位置を特定する位置検出センサからの信号に応じて、低負荷下降用切換弁が切り換わる構成にしたので、外側から2番目に位置するピストンロッドが最下点に達した時点で、最も外側のピストンロッドをロッド連続的に下降させることができる。
【0043】
第3の発明によれば、位置検出センサを油圧モータにすることで、ピストンロッドの下降位置を、その移動にともなって排出される流量から特定することができる。この油圧モータは、排出通路であればどこにでも取り付けることができる。したがって、油圧モータを用いると、その取り付け位置の自由度が高いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の全体説明図である。
【図2】ピストンロッドが上昇した状態を示すシリンダ本体Sの断面図である。
【図3】ピストンロッドが下降した状態を示すシリンダ本体Sの断面図である。
【図4】従来の装置の全体説明図である。
【符号の説明】
S シリンダ本体
K 圧力制御機構
B ベース部材
T タンク
M この発明の油圧モータに相当する位置検出モータ
31〜34 第1〜第4ピストンロッド
50〜57 シール部材
39〜42 第1〜第4伸び側室
35〜38 第1〜第4縮み側室
48 リリーフ弁
70 通路
73 低負荷切換弁

Claims (3)

  1. シリンダ本体と、このシリンダ本体の伸縮動作を制御する圧力制御機構とからなり、上記シリンダ本体は、ベース部材と、このベース部材に組み込んだ直径の異なる複数のピストンロッドとを備え、上記複数のピストンロッドは、直径の大きいものから順番に内側に向かって多段に摺動自在に組み込むとともに、各摺動面間にシール部材を設けることで、各ピストンロッドの外周に縮み側室を形成し、各ピストンロッドの下側に伸び側室を形成し、しかも、各ピストンロッドの外側の縮み側室と内側の伸び側室とを通路で連通してなり、最も内側に位置する伸び側室に、上記圧力制御機構から圧油を供給すると、最も内側に位置するピストンロッドが下降するとともに、その移動量に応じて伸び側室の圧油が1つ外側に位置する縮み側室に供給されて、この1つ外側に位置するピストンロッドを下降させる多段シリンダ装置において、最も外側に位置する縮み側室に低負荷下降用切換弁を接続するとともに、この低負荷下降用切換弁は、その切り換え位置に応じて上記縮み側室をタンクに連通したり圧力源に連通したりする一方、最も外側に位置する縮み側室と内側の伸び室側とを連通する通路に、リリーフ弁を設けたことを特徴とする多段シリンダ装置。
  2. 外側から2番目に位置するピストンロッドの位置を特定する位置検出センサを設けるとともに、この位置検出センサからの信号に応じて、低負荷下降用切換弁が切り換わる構成にしたことを特徴とする請求項1記載の多段シリンダ装置。
  3. 位置検出センサを油圧モータとしたことを特徴とする請求項2記載の多段シリンダ装置。
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