JP3871376B2 - Mis半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲート電極とソース・ドレイン領域とに同時に不純物を導入して構成されるMIS型トランジスタを搭載したMIS半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータを始めとする電子機器の高性能化により、半導体集積回路の高集積化、高速化、低消費電力化が要望されている。これらの半導体集積回路の大部分は、MOS型トランジスタと呼ばれる半導体素子で構成されているので、上記の要望を実現するためには、MOS型トランジスタの微細化が最も重要であり、MOS型トランジスタの微細化を進めながらその動作の高速化や動作電圧の低下を実現していく必要がある。
【0003】
以下、図面を参照しながら、従来のMOS型半導体装置の一例について説明する。
【0004】
図7(a)〜(c)は、従来の相補型MOS(CMOS型)半導体装置(FET)の製造工程を示す断面図である。
【0005】
まず、図7(a)に示すように、p型半導体基板1に、nチャネル型MOSトランジスタ形成領域となるp型半導体領域2aと、pチャネル型MOSトランジスタ形成領域となるn型半導体領域2b(nウエル)と、n型半導体領域2aとp型半導体領域2bとの間を分離する素子分離領域3とを形成する。そして、n型半導体領域2aの上とp型半導体領域2bの上とに、MOS型トランジスタのゲート酸化膜4とゲート電極15とをそれぞれ形成する。
【0006】
次に、図7(b)に示すように、p型半導体領域2aとp型半導体領域2bとで個別のフォトレジストマスクを形成して(図示せず)、各MOSトランジスタ個別に不純物のイオン注入を行なう。すなわち、n型半導体領域2bを覆うフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとして、ゲート電極15とp型半導体領域2a内のゲート電極15の両側方に位置する領域18に砒素イオン(As+ )を注入する。注入条件は、例えば加速エネルギーが30〜60KeVで注入量が6〜8×1015cm-2程度である。また、p型半導体領域2aを覆うフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとして、ゲート電極15とn型半導体領域2b内のゲート電極15の両側方に位置する領域19にフッ化ホウ素イオン(BF2+)を注入する。注入条件は例えば加速エネルギーが10〜40KeVで、注入量が3〜8×1015cm-2である。
【0007】
次に、図7(c)に示す工程で、1000℃,10秒間の熱処理を行なって、注入された不純物イオンを活性化し、n型半導体領域2a中にn型ソース・ドレイン領域18aを形成し、n型半導体領域2b中にp型ソース・ドレイン領域19aを形成するととともに、各半導体領域2a,2b内のゲート電極15を低抵抗化して、低抵抗のn型ゲート電極15aとp型ゲート電極15bとを形成する。
【0008】
すなわち、p型半導体領域2aには、ゲート酸化膜4と、n型のゲート電極15aと、n型のソース・ドレイン領域18aとにより構成されるpチャネル型MOSトランジスタ20aが形成される。n型半導体領域2bには、ゲート酸化膜4と、p型のゲート電極15bと、p型のソース・ドレイン領域19aとにより構成されるpチャネル型MOSトランジスタ20bが形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のMOS型半導体装置において、以下のような問題があった。
【0010】
問題点(1)
nチャネル型MOSトランジスタのドレイン領域18aに注入するn型不純物としては砒素イオンと燐イオンとがあるが、燐イオンを注入するとソース・ドレイン拡散層が深くなってショートチャネル効果が大きくなるので、上述のように砒素イオンを注入している。しかし、砒素イオンの注入により不純物濃度のプロファイルが急峻になるので、ドレイン電圧を印加すると電界が大きくなり、インパクトイオン化が起きてトランジスタの特性の劣化が激しくなる虞れがある。
【0011】
問題点(2)
また、nチャネル型MOSトランジスタのドレイン領域18aにおける不純物濃度のプロファイルが急峻なことから、寄生容量、リーク電流が増大する虞れがある。
【0012】
問題点(3)
CMOS型半導体装置では、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極15aの空乏層の広がりが過大になるのと、pチャネル型MOSトランジスタのゲート電極15bのホウ素が半導体基板に突き抜けるのとを同時に抑制できないという問題があった。つまり、ホウ素の突き抜けを防止するために短時間の熱処理を行なうと、nチャネル型トランジスタのゲート電極15a中の砒素イオンの活性化が不十分で空乏層の広がりが大きくなり、ゲート電極の抵抗値が大きくなるので駆動力が低下する。一方、砒素イオンを十分活性化すべく長時間の熱処理を行なうと、pチャネル型トランジスタの電極中15b中のホウ素イオンがゲート酸化膜を突き抜けてチャネル領域に拡散しデバイスの特性を劣化させる虞れがある。
【0013】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、nチャネルトランジスタのソース・ドレイン領域を形成するための不純物イオンとして燐イオンを使用しながら、燐イオンの注入時におけるチャネリングを抑制しうる手段を講ずることにより、駆動力の高い,かつ微細化に適したMIS半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は、ゲート電極とソース・ドレイン領域に、燐イオンを注入する前に燐イオンの注入時におけるチャネリング防止機能を有する不純物イオンを注入しておくことにある。
【0015】
具体的には、請求項1〜3に記載されるMIS半導体装置の製造方法に関する手段を講じている。
【0016】
請求項1に係るMIS半導体装置の製造方法は、半導体基板のnチャネル型MISトランジスタ形成領域の上にゲート絶縁膜を形成する第1の工程と、上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する第2の工程と、上記nチャネル型MISトランジスタ形成領域において、上記ゲート電極をマスクとして、砒素イオンの注入を行って上記ゲート電極及び上記半導体基板をアモルファス化させた後、さらに上記ゲート電極をマスクとして燐イオンの注入を行なう第3の工程と、熱処理により上記燐イオンを拡散,活性化させて、上記nチャネルMISトランジスタ形成領域内の上記ゲート電極の両側方に位置する領域にn型ソース・ドレイン領域を形成するとともに、上記ゲート電極を低抵抗化する第4の工程とを備え、上記砒素イオンの注入条件は、加速エネルギーが40〜80KeVで注入量が2〜8×1014cm−2であり、上記燐イオンの注入条件は、加速エネルギーが5〜30KeVで注入量が2〜8×1015cm−2である。
【0017】
この方法により、従来の砒素イオンのみの注入によってソース・ドレイン領域を形成する方法に比べ、以下の作用効果が得られる。まず、nチャネルMOSトランジスタのソース・ドレイン領域が砒素イオンよりもイオン半径が小さい燐イオンを導入されて形成されているためにプロファイルがなだらかになりリーク電流、寄生容量が低減される。また、ドレイン領域における電界が緩和されるためにキャリアのインパクトイオン化に起因するトランジスタの特性劣化が抑制される。さらに、不純物イオンの活性のための熱処理条件を強くしなくても、ゲート電極の空乏化が抑制されるので、トランジスタの駆動力も高くなる。一方、燐注入前の砒素イオン注入により燐イオンのチャネリングが防止されるので、n型ソース・ドレイン拡散層を浅く形成でき、燐イオンによるソース・ドレイン領域を有していながらショートチャネル効果を抑制できる。したがって、駆動力の高い,かつ微細化に適したトランジスタを搭載した半導体装置を形成することができる。
【0018】
尚、砒素イオンを注入することによって、上記ゲート電極及び半導体基板をアモルファス化させることにより燐イオンのチャネリングを防止する。
【0019】
また、砒素イオン及び燐イオンの注入条件を上記のようにすることにより、ソース・ドレイン領域の機能に関し、不純物濃度分布については、燐イオンの濃度のみを考慮してさしつかえない。
【0020】
請求項2に係るMIS半導体装置の製造方法は、請求項1において、上記第1及び第2の工程では、上記半導体基板のpチャネル型MISトランジスタ形成領域の上にもゲート絶縁膜とゲート電極とを形成し、上記第3の工程の後に、上記pチャネル型MISトランジスタ形成領域において上記nチャネル型MISトランジスタ形成領域を覆うマスク部材を用いて上記ゲート電極及び上記半導体基板の内部にp型不純物イオンを注入する工程をさらに備え、上記第4の工程では、上記p型不純物イオンをも拡散,活性化させて、上記pチャネル型MISトランジスタ形成領域の上記ゲート電極の両側方位置する領域にp型ソース・ドレイン領域を形成するとともに上記pチャネル型MISトランジスタ形成領域におけるゲート電極を低抵抗化する方法である。
【0021】
この方法により、MIS型半導体装置中のn型ゲート電極に燐イオンを注入しているので、pチャネル型MOSトランジスタのゲート電極からチャネル側にp型不純物イオンが突き抜けを起こさない程度の短時間あるいは低温条件下の熱処理でもnチャネル型MOSトランジスタのゲート電極の空乏化を抑制することができる。すなわち、駆動力の高いMOSトランジスタを搭載した半導体装置を形成することができる。
【0022】
請求項3に係るMIS半導体装置の製造方法は、請求項1において、上記第2の工程と第3の工程との間に、上記ゲート電極をマスクとして上記半導体基板内に低濃度のn型不純物イオンを注入する工程と、上記ゲート電極の両側面上にサイドウォールを形成する工程とをさらに備え、上記第3の工程では、上記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、上記砒素イオンの注入及び上記燐イオンの注入を行なう方法である。
【0023】
この方法により、特に微細化に適したLDD構造を有するトランジスタを搭載した半導体装置を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(d)は、第1の実施形態におけるnチャネルMOS型半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0025】
まず、図1(a)に示すように、p型の半導体基板1(本実施形態では、p型半導体領域として機能する)の上に厚みが4〜10nmのシリコン酸化膜からなるゲート酸化膜4と、厚みが100〜300nmのポリシリコン膜からなるゲート電極5とを形成する。
【0026】
次に、図1(b)に示すように、CVD法によりゲート電極5及びp型半導体基板1の上に厚みが100〜200nmのシリコン酸化膜7を堆積する。
【0027】
次に、図1(c)に示すように、異方性ドライエッチングを行なって、シリコン酸化膜をエッチバックし、ゲート電極5の両側面上にサイドウォール6を形成する。
【0028】
次に、図1(d)に示すように、ゲート電極10及びサイドウォール6をマスクとして、ゲート電極5内と、半導体基板1内のゲート電極5の両側方に位置する領域8とに砒素イオン(As+ )の注入を行なう。この時の注入条件は、例えば加速エネルギーが40〜80KeVで、注入量が2〜8×1014cm-2である。
【0029】
続いて、図1(e)に示すように、ゲート電極5及びサイドウォール6をマスクとして、ゲート電極5内と、半導体基板1内のゲート電極5の両側方に位置する領域8とにさらに燐イオン(P+ )の注入を行なう。この時の注入条件は、例えば加速エネルギーが5〜30KeVで、注入量が2〜8×1015cm-2である。このとき、ソース・ドレイン領域となるべき不純物導入層が形成されるが、この状態ではまだキャリアの移動作用を生ぜしめるソース・ドレインとして機能するわけではない。さらに、図1(e)に示す状態で、温度が1000〜1050℃で時間が1〜15秒間の条件、あるいは温度が850℃で時間が10〜30分間の条件による熱処理を行ない、注入された不純物イオンつまり砒素イオン(As+ )と燐イオン(P+ )とを活性化する。その結果、低抵抗化されたn型のゲート電極5aと、キャリアの移動作用を生ぜしめる機能を有するn型のソース・ドレイン領域8aとが形成される。このとき、全体としてのソース・ドレイン領域8aの深さは例えば0.1〜0.15μmである。ただし、砒素イオン(As+ )の濃度は極めて薄いので、ソース・ドレイン領域8aにおけるキャリアの移動作用に起用する役割は極めて僅かでほとんど無視しうる。つまり、ソース・ドレイン領域8aの機能に関し、不純物濃度分布については、燐イオン(P+ )の濃度のみを考慮してさしつかえない。
【0030】
以下の工程は省略するが、層間絶縁膜を介して何層かの金属配線を形成することで、半導体装置が形成される。
【0031】
このような一連の工程を経て形成されたMOSトランジスタは、従来のMOSトランジスタと比較して、以下の利点を有する。以下、その点について、データを参照しながら説明する。
【0032】
図2は、燐イオンのみの注入によって形成されたソース・ドレイン領域と、本実施形態の砒素イオン及び燐イオンの注入によって形成されたソース・ドレイン領域8aとにおける燐イオンのみの濃度の分布を示すSIMSデータである。同図に示すように、燐イオンのみを注入して形成されたソース・ドレイン領域(変化曲線A1参照)の深さに比べ、本実施形態のソース・ドレイン領域(変化曲線A2参照)の深さはかなり浅いことが分かる。そして、本実施形態に係る上記n型ソース・ドレイン領域内の深さ80nmの位置における上記燐イオンの濃度は3×1017〜3×1018cm-3である。また、n型ソース・ドレイン領域8a内の深さ80nmの位置における上記砒素イオンの濃度は3×1016〜3×1017cm-3である。
【0033】
図3は、一般的な燐イオンのみの注入によって形成されるソース・ドレイン領域の接合容量(曲線B1)と、砒素イオンのみの注入によって形成されるソース・ドレイン領域の接合容量(曲線B2)とを比較した特性図である。図3を参照すると分かるように、燐イオンの注入によって得られたソース・ドレイン領域の接合容量は小さく、不純物濃度分布がなだらかである。
【0034】
図4は、砒素イオンのみの注入によって形成された従来のソース・ドレイン領域を有するMOSトランジスタの飽和電流(曲線C1)と、砒素イオン及び燐イオンの注入によって形成された本実施形態のソース・ドレイン領域を有するMOSトランジスタの飽和電流(曲線C2)とを比較する特性図である。図4を参照するとわかるように、本実施形態のMOSトランジスタでは、飽和電流値が向上している。
【0035】
図5は、砒素イオンのみの注入によって形成された従来のゲート電極の空乏化率(曲線D1)と、砒素イオン及び燐イオンの注入によって形成された本実施形態のゲート電極の空乏化率(曲線D2)とを比較する特性図である。ただし、Cinv /Coxが高い方が空乏化率が低いことを示す。図5を参照するとわかるように、本実施形態のMOSトランジスタにおけるゲート電極の方が、空乏化率が低い。
【0036】
以上の一連のデータから、以下のことがわかる。
【0037】
第1に、ソース・ドレイン領域8aにおいて、燐イオンの導入によってソース・ドレイン領域8aを形成しながら、燐イオンの注入前にソース・ドレイン領域となる領域に砒素イオンを注入しておくことで、ソース・ドレイン領域が砒素のみを導入して形成されている場合に比べ、ソース・ドレイン領域8aの不純物濃度プロファイルが緩やかとなる(図3参照)。したがって、キャリアのインパクトイオン化作用によるトランジスタの特性の劣化や、寄生容量及びリーク電流の増大を抑制することができる。すなわち、上述の問題点(1),(2)を解消することができる。
【0038】
第2に,図1(d)に示す工程で、砒素イオン(As+ )のイオン注入が行なわれると、半導体基板1内のシリコン単結晶が部分的にアモルファス化される。そして、主としてこのアモルファス化された部分により、次の図1(e)に示す工程で、燐イオン(P+ )の注入の際におけるチャネリングが抑制される。したがって、燐イオンのみの注入によってソース・ドレイン領域を形成した場合に比べると、ソース・ドレイン領域8aの拡散層深さを抑制することができる(図2参照)。したがって、ショートチャネル効果を抑制することができる。
【0039】
第3に、砒素イオン及び燐イオンの注入によって形成されたn型のゲート電極5aを有するため、高温,長時間の熱処理を行なわなくても燐イオンが十分活性化される。したがって、砒素イオンの不活性化に起因するゲート電極5aの空乏化を抑制することができ(図5参照)、nチャネルMOS型トランジスタの駆動力が高くなる(図4参照)。すなわち、上述の問題点(3)を解消することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、燐イオンを注入する前に半導体基板1中に半導体基板を構成する単結晶(本実施形態ではシリコン単結晶)をアモルファス化する機能を有する不純物イオンとして砒素イオンを注入したが、同様の機能を有する材料(例えばシリコンイオン,ゲルマニウムイオンなど)であれば、その物質のイオンを注入してから燐イオンを注入しても、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0041】
また、上記第1の実施形態において、上記サイドウォール6は必ずしも形成する必要はない。ただし、サイドウォールを形成することで、上記図1(a)に示す工程で、低濃度のn型不純物イオン(例えば燐イオン)を注入しておくことにより、ソース・ドレイン領域8aとチャネル領域との間に低濃度ソース・ドレイン領域をも有するいわゆるLDD領域を形成することができ、微細化に適したMOSトランジスタを形成することができるという著効を発揮することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、図6(a)〜(d)を参照しながら第2の実施形態について説明する。図6(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態におけるCMOS型半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0043】
図6(a)に示す状態では、p型の半導体基板1上にはnチャネル型MOSトランジスタ形成領域であるp型半導体領域2a(本実施形態では、p型半導体基板1と同じ不純物濃度の領域)と、pチャネル型MOSトランジスタ形成領域であるn型半導体領域2bと、p型半導体領域2aとn型半導体領域2bを分離する素子分離領域3とが形成されている。この状態から、上記p型半導体領域2a及びn型半導体領域2bの上に厚みが4〜10nmのシリコン酸化膜からなるゲート酸化膜4と、厚みが100〜300nmのポリシリコン膜からなるゲート電極5とを形成する。
【0044】
次に、図6(b)に示すように、CVD法によりゲート電極5及びp型半導体基板1の上に厚みが100〜200nmのシリコン酸化膜を堆積した後、異方性ドライエッチングを行なって、シリコン酸化膜をエッチバックし、ゲート電極5の両側面上にサイドウォール6を形成する。
【0045】
次に、図6(c)に示すように、p型半導体領域2aにおいては、n型半導体領域2bを覆うフォトレジスト膜(図示せず),ゲート電極5及びサイドウォール6をマスクとして、上記図1(d)に示す工程と同様の砒素イオンの注入を行ない、その後、上記図1(e)に示す工程と同様の燐イオンの注入を行なって、ゲート電極5内とp型半導体領域2a内のゲート電極5の両側方に位置する領域8とに砒素イオン及び燐イオンを導入する。この時の注入条件は、上記第1の実施形態に述べた通りでよい。
【0046】
また、n型半導体領域2bにおいては、p型半導体領域2aを覆うフォトレジスト膜(図示せず),ゲート電極5及びサイドウォール6をマスクとしてフッ化ホウ素イオン(BF2+)の注入を行ない、ゲート電極5内とn型半導体領域2b内のゲート電極5の両側方に位置する領域9内とにフッ化ホウ素イオンを導入する。このとき、フッ化ホウ素イオンの注入条件は、加速エネルギーが10〜60KeVで、注入量が2〜8×1015cm-2である。
【0047】
さらに、図6(d)に示す状態で、温度が1000〜1050℃で時間が1〜15秒間の条件、あるいは温度が850℃で時間が10〜30分間の条件による熱処理を行ない、不純物イオンを活性化する。その結果、p型半導体領域2aには、低抵抗化されたn型ゲート電極5aと、n型のソース・ドレイン領域8aとが形成され、n型半導体領域2bには、低抵抗化されたp型ゲート電極5bと、p型のソース・ドレイン領域9aとが形成される。なお、いずれの半導体領域2a,2bにおいても、ソース・ドレイン領域8a,9aの深さは0.1〜0.15μmである。
【0048】
すなわち、p型半導体領域2aには、ゲート酸化膜4と、n型のゲート電極5aと、n型のソース・ドレイン領域8aとにより構成されるpチャネル型MOSトランジスタ10aが形成される。n型半導体領域2bには、ゲート酸化膜4と、p型のゲート電極5bと、p型のソース・ドレイン領域9aとにより構成されるpチャネル型MOSトランジスタ10bが形成される。
【0049】
以下の工程は省略するが、層間絶縁膜を介して何層かの金属配線を形成することで、半導体装置が形成される。
【0050】
本実施形態は、基本的には第1の実施形態の製造工程をCMOS型半導体装置に応用したものであり、nチャネル型トランジスタ10aは、上記第1の実施形態に述べたとおりの特徴を有する。
【0051】
加えて、本実施形態により形成されるCMOS型半導体装置は、上記従来の砒素イオンの注入を用いたnチャネル型MOSトランジスタとフッ化ホウ素イオンの注入を用いたpチャネル型MOSトランジスタを組み合わせたものに比べ、下記の利点を有する。
【0052】
nチャネル型MOSトランジスタ10aのn型ゲート電極5aに燐イオンを注入しているので、図6R>6(d)に示す状態で熱処理を行なう際、pチャネル型MOSトランジスタ10bのp型ゲート電極5bからチャネル領域へのホウ素の突き抜けを起こさない程度の短時間あるいは低温条件下の熱処理を行なっても、nチャネル型MOSトランジスタ10aのゲート電極5a中の燐イオンは十分活性化される。したがって、nチャネル型MOSトランジスタ10aにおいて、n型のゲート電極5aの空乏化を抑制することができるので、十分高い駆動力が得られる。
【0053】
なお、本実施形態では、p型半導体領域2aにおいて、燐イオンを注入する前に半導体基板1中に半導体基板を構成する半導体の単結晶(本実施形態ではシリコン単結晶)をアモルファス化する機能を有する不純物イオンとして砒素イオンを注入したが、同様の機能を有する材料(例えばシリコンイオン,ゲルマニウムイオンなど)であれば、その物質のイオンを注入してから燐イオンを注入しても、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0054】
また、上記第2実施形態において、上記サイドウォール6は必ずしも形成する必要はない。ただし、サイドウォールを形成することで、ソース・ドレイン領域8aとチャネル領域との間に低濃度ソース・ドレイン領域をも有するいわゆるLDD領域を形成することができ、微細化に適したMOSトランジスタを形成することができるという著効を発揮することができる。
【0055】
なお、上記第1,第2の実施形態においては、ゲート絶縁膜をシリコン酸化膜で構成したが、シリコン酸化膜の代りにシリコン窒化膜でゲート絶縁膜を構成しても、上記各実施形態と同様の効果を発揮し得ることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜3によれば、MIS半導体装置の製造方法として、nチャネル型MOSトランジスタ形成領域において、少なくともゲート電極をマスクとして、砒素イオン注入してから燐イオンを注入し、熱処理により燐イオンを活性化させてソース・ドレイン領域を形成するとともに、ゲート電極を低抵抗化するようにしたので、短チャネル効果を抑制しながら、寄生容量の増大,リーク電流の増大,ゲート電極の空乏化等を抑制することができ、よって、駆動力の高いかつ微細かに適した半導体装置の形成を図ることができる。
【0057】
ここで、上記砒素イオンの注入条件は、加速エネルギーが40〜80KeVで注入量が2〜8×1014cm−2であり、上記燐イオンの注入条件は、加速エネルギーが5〜30KeVで注入量が2〜8×1015cm−2であることにより、ソース・ドレイン領域の機能に関し、不純物濃度分布については、燐イオンの濃度のみを考慮してさしつかえないようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるnチャネル型MOSトランジスタの製造工程を示す断面図である。
【図2】 第1の実施形態のソース・ドレイン領域と燐イオンのみを導入して形成されるソース・ドレイン領域との燐イオンの濃度分布図である。
【図3】 燐イオンを導入して形成されるソース・ドレイン領域と砒素イオンを導入して形成されるソース・ドレイン領域との接合容量を比較した特性図である。
【図4】 第1の実施形態のMOSトランジスタの飽和電流値と砒素イオンの導入によるゲート電極を有する従来のMOSトランジスタの飽和電流値とを比較した特性図である。
【図5】 第1の実施形態のMOSトランジスタの空乏化率と砒素イオンの導入によるゲート電極を有する従来のMOSトランジスタの空乏化率とを比較した特性図である。
【図6】 第2の実施形態のCMOSトランジスタの製造工程を示す断面図である。
【図7】 従来のCMOSトランジスタの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2a p型半導体領域
2b n型半導体領域
3 素子分離領域
4 ゲート酸化膜
5 ゲート電極
6 サイドウォール
7 シリコン酸化膜
8a n型ソース・ドレイン領域
9a p型ソース・ドレイン領域
10a nチャネル型MOSDトランジスタ
10b pチャネル型MOSトランジスタ
Claims (3)
- 半導体基板のnチャネル型MISトランジスタ形成領域の上にゲート絶縁膜を形成する第1の工程と、
上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する第2の工程と、
上記nチャネル型MISトランジスタ形成領域において、上記ゲート電極をマスクとして、砒素イオンの注入を行って上記ゲート電極及び上記半導体基板をアモルファス化させた後、さらに上記ゲート電極をマスクとして燐イオンの注入を行なう第3の工程と、
熱処理により上記燐イオンを拡散,活性化させて、上記nチャネルMISトランジスタ形成領域内の上記ゲート電極の両側方に位置する領域にn型ソース・ドレイン領域を形成するとともに、上記ゲート電極を低抵抗化する第4の工程とを備え、
上記砒素イオンの注入条件は、加速エネルギーが40〜80KeVで注入量が2〜8×1014cm−2であり、
上記燐イオンの注入条件は、加速エネルギーが5〜30KeVで注入量が2〜8×1015cm−2であることを特徴とするMIS半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1及び第2の工程では、上記半導体基板のpチャネル型MISトランジスタ形成領域の上にもゲート絶縁膜とゲート電極とを形成し、
上記第3の工程の後に、上記pチャネル型MISトランジスタ形成領域において、上記ゲート電極をマスクとして、p型不純物イオンの注入を行なう工程をさらに備え、
上記第4の工程では、上記p型不純物イオンをも拡散,活性化させて、上記pチャネル型MISトランジスタ形成領域の上記ゲート電極の両側方に位置する領域にp型ソース・ドレイン領域を形成するとともに、上記pMISトランジスタ形成領域におけるゲート電極を低抵抗化することを特徴とするMIS半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載のMIS半導体装置の製造方法において、
上記第2の工程と第3の工程との間に、
上記ゲート電極をマスクとして上記半導体基板内に低濃度のn型不純物イオンを注入する工程と、
上記ゲート電極の両側面上にサイドウォールを形成する工程とをさらに備え、
上記第3の工程では、上記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、上記砒素イオンの注入及び上記燐イオンの注入を行なうことを特徴とするMIS半導体装置の製造方法。
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