JP3871332B2 - 積層シートの切削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、矩形に切断された積層シートの切断面を切削仕上げする積層シートの切削加工方法に関するものである。
積層シート(例えば、光学フィルム層と粘着層とで形成され、積層フィルムと呼ばれることもある。) を所定の矩形サイズに切断するに際し、長尺状の積層シートの原反に対して、打ち抜き用刃型等を用いて切断する。この積層シートは、偏光板として使用される場合は、一軸又は二軸方向に延伸加工しており、矩形サイズに切断するときに延伸方向に平行又は略平行に切断する。この場合に、切断面に繊維状(ヒゲ状) 破断片が生じることがある。また、粘着層が含まれる場合は、切断時の圧力により粘着剤がはみ出てくることがある。かかる破断片の発生や粘着剤のはみ出しは、後工程において品質を低下させる原因となるため、除去する必要がある。
そこで、特開昭61−136746号公報(特許文献1)に開示される異方性フィルムの切断加工法が知られている。この加工方法では、異方性を有するフィルムの延伸軸に沿って切断加工を施した後、切断加工口を切削加工するものである。これにより、繊維状破断片等の除去を行うことができる。
特開昭61−136746号公報(特許請求の範囲、第1ページ等)
しかしながら、上記先行技術においては、再現性を含めた良好な精度で切削加工を行うことについては言及されていない。すなわち、 積層シートを矩形に切断した後に、切断面を切削することで仕上げを行うものであるが、この仕上がりの寸法精度を再現性も含めて精度良く加工しなければならない。すなわち、 切削加工後に、所定の寸法の矩形に仕上がっている必要がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、積層シートの切断面を切削仕上げするに際して、再現性を含めて良好な精度で加工を行うことのできる積層シートの切削加工方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る積層シートの切削加工方法は、
矩形に切断された積層シートの切断面を切削仕上げする積層シートの切削加工方法であって、
積層シートを厚み方向に複数枚重ねた状態で、複数枚の積層シートを上下両面方向からクランプ手段によりクランプする工程と、
複数枚の積層シートをクランプした状態で、切削手段により積層シートの切断面を切削する工程とを備えており、
前記クランプ手段による前記上下両面の総クランプ面積は、積層シートの前記矩形の面積の2倍に対して5〜40%とし、クランプ領域には、前記矩形の四隅が含まれており、前記矩形を構成する一対の長辺又は一対の短辺のうち少なくとも一方に、前記クランプ手段によりクランプされない非クランプ領域が設定され、この非クランプ領域が上面側にのみ設定されることを特徴とするものである。
この構成によると、積層シートは厚み方向に複数枚重ねた状態で、クランプ手段によりクランプする。各積層シートは、所定の大きさに予めカッターにより切断されている。クランプするときは、最上面にある積層シートの上面と、最下面にある積層シートの下面とがクランプされるが、上下両面の総クランプ面積を次のように設定することで良好な精度で切削ができることを本願発明者らは見出したものである。
すなわち、 積層シートの上面(下面も同じ) の面積をSとすると、総クランプ面積を2×Sに対して5〜40%とする。また、クランプをする場合は、矩形の積層シートの四隅が含まれるようにする。また、矩形の全周をクランプするのではなく、矩形を構成する一対の長辺、又は、一対の短辺のうち少なくとも一方については、非クランプ領域が設定される。かかるクランプ形態を採用することで、積層シートの切断面を切削仕上げするに際して、再現性を含めて良好な精度で加工を行うことのできる積層シートの切削加工方法を提供することができる。
本発明の好適な実施形態として、下面側のクランプ面積が、上面側のクランプ面積よりも大きくなるように設定されているものがあげられる。
下面側のクランプ面積を上面側よりも大きくすることで、安定した状態でクランプを行うことができる。
本発明の別の好適な実施形態として、クランプ領域におけるクランプ手段には軟質材料が使用されるものがあげられる。
軟質材料とすることで、積層シートに対して傷をつけることなくクランプをすることができる。
本発明に係る積層シートの切削加工方法の好適な実施形態を図面を用いて説明する。まず、切削方法の具体的な方法を図1,2により説明する。
<切削方法>
図1は、積層シート1の切断面 (端面) を切削するにあたり、回転刃物2(切削手段に相当)を1つ備えた例である。回転刃物2は、回転駆動されるが回転中心は移動しない。その代わり、積層シート1は、X(横) ・Y (縦) ・θ (回転) 方向に移動できるように駆動制御される。積層シート1をこれら各方向に移動させることで、切断面の全周を切削することができる。積層シート1は、矩形であり長方形又は正方形である。
図2は、別実施形態を示し、回転刃物2A,2Bが2つ設けられている。回転刃物2A,2Bは、Y方向にのみ移動できるように駆動制御される。また、積層シート1はX・θ方向に駆動制御される。この構成によると、まず、矩形の積層シート1の向かい合う長辺1aを同時に切削し、その次に向かい合う短辺1bを同時に切削できる。長辺切削時と短辺切削時とで、2つの回転刃物2A,2Bの間隔を変えればよい。また、積層シート1の切断面切削を行うときは、積層シート1を複数枚積み重ねた状態で行う。積層シート1を積み重ねる場合は、切断面を揃えた状態にする。これにより、同時に複数枚の積層シート1を加工できるので、加工効率がよくなる。なお、切削加工を行うに際して、積層シート1は前工程において予め切断装置により矩形に切断される。もちろん、切削方法として図1、図2に示す方法に限定されるものではない。
次にクランプ手段によるクランプについて説明する。切削加工を安定して行うためには、積み重ねた積層シート1を上下方向からクランプする必要がある。この場合、直接クランプ手段によるクランプ力が作用するのは、最上面にある積層シート1の上面と、最下面にある積層シート1の下面である。積層シート1を積み重ねる場合は、複数枚、特に10枚以上とするのが好ましい。
また、積層シート1の矩形の面積をSとすると、矩形面積の2倍(2×S)に対して、積層シート1をクランプする際の上下両面のクランプ面積Kが、
K=2×S×(5〜40%)
とすることで、切削加工の精度及び再現性に寄与することができる。なお、下面側のクランプ面積をK1、上面側のクランプ面積をK2とした場合、
K=K1+K2
である。また、K1>K2とすることで、安定したクランプ状態とすることができる。また、クランプする場合に、矩形の四隅(図2に1cで示す)は必ずクランプするようにする。これにより、更に安定してクランプすることができる。ここでいう四隅とは、切削加工後の矩形(正方形、長方形)の積層シートにおいて端辺より内側の角部分を意味する。また、向かい合う一対の長辺1a、一対の短辺1bのうち少なくとも一方はクランプ手段との非クランプ領域を形成する。少なくとも一方であるので、一対の長辺1aについてのみ、一対の短辺1bについてのみ、一対の長辺1aと短辺1bの両方について、のいずれかが採用される。これらのクランプ方法を採用することで、切削精度を高め、再現性を良くすることができる。
クランプ手段によりクランプする場合、クランプする治具材料は、軟質材料が好ましく、この軟質材料としては、NBR、SBR,Si等からなるゴム系材料や高分子樹脂のようなプラスチック材料が挙げられる。また、これら軟質材料の硬度(JIS A)は60〜80゜とすることが好ましい。これ以上硬くすると、クランプ手段による押し跡が積層シートに形成され、これ以上軟らかくすると、軟質材料の変形により位置ずれが生じ、切削精度が低下するからである。この場合の押さえ圧力は、2kg/cm2 〜10kg/cm2 となるように設定する。
<積層シートの具体例>
積層シートとしては、粘着剤により各種部材を積層したものを特に制限なく使用できるが、本発明では光学部材への適用が好適である。
光学部材としては、たとえば、偏光子の片面または両面に粘着剤層を介して透明保護フィルムを積層した偏光板があげられる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片側または両側に設けられている透明保護フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。透明保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化したものなどがあげられる。
透明保護フィルムの厚さは、一般には500μm以下であり、1〜300μmが好ましい。特に5〜200μmとするのが好ましい。
透明保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
また、透明保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、各種の水系接着剤を使用することができる。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられる。
前記接着剤には水溶性架橋剤を含有することによりゲル強度が増し、接着性を向上させることができる。ポリビニルアルコール系接着剤には、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸などの水溶性架橋剤を含有することができる。水溶性架橋剤の添加量は特に制限されないが、通常、ポリビニルアルコール等の主材の固形分100重量部に対して、40重量部以下である。好ましくは0.5〜30重量部である。また、前記接着剤は架橋を進行させるためにpHを変化させることもできる。さらには前記接着剤にはその水溶液の調製に際して必要に応じて、ギ酸、フェノール、サリチル酸、ベンズアルデヒド等の防腐剤等の添加剤を配合することができる。
偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。接着層の厚さは、特に制限されないが、通常0.05〜5μm程度である。
前記偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2 や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の透明保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4 波長板(λ/4 板とも言う)が用いられる。1/2 波長板(λ/2 板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。上記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いうる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
前記積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
前記光学部材(偏光板、光学フィルム等)は、液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4 波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
次に、実施例及び比較例について説明する。積層シートとして、加工精度や仕上がり精度が要求される液晶表示装置に使用される偏光フィルムを50枚用意し、厚み方向に積層した。積層シートの矩形サイズは255mm×195mmであり、打ち抜き用刃型で切断加工した。切削加工は図1に示す方法で行った。切断面を切削した後の仕上げサイズは、250mm×190mmである。
まず、実施例によるクランプ領域(押さえ治具の形状)を図3により説明する。図3(a)は、上面側のクランプ領域を示し、(b)は、下面側のクランプ領域を示す。上下面とも、四隅がクランプ領域に含まれている。上面側は、向かい合う一対の長辺3aと短辺3bについて、非クランプ領域が形成されている。下面側は、矩形の全周と対角線に沿ってクランプ領域が形成される。ここでいうクランプ位置を示す四隅および全周とは、 切削加工後の積層シートにおける位置であり、 この位置で積層シートをクランプしたときには、積層シートの切削予定部分がクランプ領域からはみ出した状態になっている。ただし、クランプの材料として軟質材料を用いている場合には、このクランプごと積層シートと同時に切削しても良い。矩形の面積をSとすると、上面側のクランプ面積はS×0.12(12%)、下面側のクランプ面積はS×0.48(48%)であり、トータルで30%となる。
図4は、比較例1のクランプ領域を示す。(a)に示すように、上面側は矩形の全周がクランプされており、(b)も同様である。(b)は、実施例の構成と同じである。上面側のクランプ面積は40%、下面側のクランプ面積は48%であり、トータルで44%となる。
図5は、比較例2のクランプ領域を示す。(a)に示すように、上面側は矩形の全周のみがクランプされており、(b)は、第1比較例と同じである。上面側のクランプ面積は26%、下面側のクランプ面積は48%であり、トータルで37%となる。
次に、切削加工を行った場合の評価結果を下記に示す。上述した250mm×190mmを目標サイズとした場合の標準偏差をMD方向(延伸方向)、TD方向(延伸方向と直交する方向)について求めた。なお、サンプル数n=15とした。
Figure 0003871332
この表からも分かるように、実施例はばらつきの値が小さい。比較例1は、クランプ面積が大きすぎるためばらつきが大きくなった。比較例2は、クランプ面積は適切であるが、上面側の矩形全周をクランプ領域としているため、ばらつきが大きくなった。従って、本発明による切削方法が優れていることは明らかである。
<別実施形態>
図3に示すクランプ領域は1例を示すものであり、これに限定されるものではない。
切削方法の具体的方法を示す図 切削方法の具体的方法を示す図 (別実施形態) 実施例によるクランプ領域を示す図 比較例1によるクランプ領域を示す図 比較例2によるクランプ領域を示す図
符号の説明
1 積層シート
1a 長辺
1b 短辺
1c 四隅
2,2A,2B 回転刃物

Claims (4)

  1. 矩形に切断された積層シートの切断面を切削仕上げする積層シートの切削加工方法であって、
    積層シートを厚み方向に複数枚重ねた状態で、複数枚の積層シートを上下両面方向からクランプ手段によりクランプする工程と、
    複数枚の積層シートをクランプした状態で、切削手段により積層シートの切断面を切削する工程とを備えており、
    前記クランプ手段による前記上下両面の総クランプ面積は、積層シートの前記矩形の面積の2倍に対して5〜40%とし、クランプ領域には、前記矩形の四隅が含まれており、前記矩形を構成する一対の長辺又は一対の短辺のうち少なくとも一方に、前記クランプ手段によりクランプされない非クランプ領域が設定され、この非クランプ領域が上面側にのみ設定されることを特徴とする積層シートの切削加工方法。
  2. 下面側のクランプ面積が、上面側のクランプ面積よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の積層シートの切削加工方法。
  3. クランプ領域におけるクランプ手段には軟質材料が使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層シートの切削加工方法。
  4. 前記積層シートは光学部材である請求項1〜のいずれか1項に記載の積層シートの切削加工方法。
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