JP3871047B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生室に供給された液体を圧電素子によって加圧することにより、ノズル開口から液滴を噴射させる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
このような各種アクチュエータを使用したインクジェット式記録ヘッドでは、何れにしても、各圧電素子はヘッドに搭載された半導体集積回路(駆動IC)から駆動信号が供給されることによって駆動されている。そして、半導体集積回路は、例えば、高速印刷のために駆動周波数を高くすると、内部での損失に起因する発熱量が大きくなり、半導体集積回路が破損する等の問題がある。このような問題を解決するために、半導体集積回路の温度を検出しその温度に応じて圧電素子の制御、例えば、駆動信号のレベルや、電圧変化率等を調整することで、半導体集積回路の温度上昇を抑えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第98/57809号パンフレット(第13〜16頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように温度に応じて圧電素子の制御を調整するための制御部を半導体集積回路に設けた場合、半導体集積回路自体が大きくなってしまい、記録ヘッド全体が大型化してしまうという問題がある。このような問題は、特に、薄膜からなる圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッドで問題となる。すなわち、薄膜からなる圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッドでは、圧力発生室が形成される流路形成基板の圧電素子側の一方面に、この圧電素子を封止する圧電素子保持部を有する封止基板が接合され、この封止基板上に半導体集積回路が搭載されている。そして、この封止基板上のスペースが比較的狭いため、封止基板上にこのような半導体集積回路を搭載しようとすると、封止基板を大型化、すなわち、記録ヘッド自体を大型化しなければならないという問題がある。なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、勿論、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に発生する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、ヘッドを大型化することなく駆動ICの破損を防止した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子と、前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で該空間を封止する圧電素子保持部を有する封止基板と、該封止基板上に搭載され前記圧電素子を駆動するための駆動部を有する駆動ICとを具備する液体噴射ヘッドにおいて、前記駆動ICが、1ライン印刷が終了する毎に当該駆動ICの温度を検出する温度検出手段、及び該温度検出手段によって検出された検出温度と予め記憶されている設定温度とを比較して前記検出温度が前記設定温度よりも低い場合に前記駆動部に前記圧電素子への電圧供給を許可するオン信号を出力し前記検出温度が前記設定温度よりも高い場合に前記駆動部に前記圧電素子への電圧供給を遮断するオフ信号を出力する切り替え制御手段のみからなる電圧制御部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0008】
かかる第1の態様では、電圧制御部を設けることで、駆動ICの温度上昇に起因する駆動ICの破損を防止することができる。また、電圧制御部が温度検出手段と切り替え制御手段のみで構成されるため、駆動ICが大型化することがない。したがって、ヘッドを大型化することなく駆動ICを搭載することができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記駆動部が、前記圧電素子への電圧供給のオンオフを切り替えるスイッチ手段と、該スイッチ手段を制御することで所定の圧電素子に電圧を印加する印刷制御手段とを具備し、前記スイッチ手段が前記切り替え制御手段からの信号により前記圧電素子への電圧供給のオンオフを切り替えることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0010】
かかる第2の態様では、スイッチ手段のオンオフを切り替えることのみで、圧電素子への電圧供給を容易に制御することができるため、駆動ICの面積をより小さく抑えることができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記切り替え制御手段が出力する信号が、前記オン信号及び前記オフ信号のみからなるデジタル信号であることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0012】
かかる第3の態様では、切り替え制御手段を構成する回路を簡素化でき、駆動ICの面積をより小さく抑えることができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
【0014】
かかる第4の態様では、耐久性及び信頼性を向上した液体噴射ヘッドを実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の概略平面図及びそのA−A’断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その両面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が設けられている。
【0016】
この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が幅方向に並設され、その長手方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、この連通部13は各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。
【0017】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われる。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われる。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0018】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14の断面積は、圧力発生室12のそれより小さく形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
【0019】
このような流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配列密度に合わせて最適な厚さを選択すればよく、圧力発生室12の配列密度が、例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度であれば、流路形成基板10の厚さは、220μm程度であればよいが、例えば、200dpi以上と比較的高密度に配列する場合には、流路形成基板10の厚さは100μm以下と比較的薄くするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0020】
また、流路形成基板10の開口面側のマスク膜55上には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0021】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
【0022】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜5μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板として作用する。また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなりインク供給路14に対向する領域まで延設されるリード電極90が接続されている。
【0023】
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部31を有する封止基板30が接合され、圧電素子300はこの圧電素子保持部31内に封止されている。また、この封止基板30には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、封止基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、弾性膜50に設けられた連通孔51を介して流路形成基板10の連通部13と連通され、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。さらに、封止基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、封止基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍が、この貫通孔33内で露出されている。このような封止基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0024】
さらに、封止基板30の表面、すなわち、流路形成基板10との接合面とは反対側の面には、二酸化シリコン膜110からなる絶縁膜35が設けられ、この絶縁膜35上には、圧電素子300を駆動するための駆動部を有する駆動IC(半導体集積回路)120が実装されている。具体的には、封止基板30上には、各圧電素子300と駆動IC120とを接続するための接続配線130(第1の接続配線131、第2の接続配線132)が所定パターンで形成され、この接続配線130上に駆動IC120が実装されている。例えば、本実施形態では、この駆動IC120は、フリップチップ実装により接続配線130と電気的に接続されている。なお、各圧電素子300から引き出されたリード電極90は、封止基板30の貫通孔33内に延設される連結配線(図示なし)によって第1の接続配線131と接続される。また、第2の接続配線132には、図示しない外部配線が接続される。
【0025】
また、封止基板30上のリザーバ部32に対応する領域には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0026】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない外部配線を介して入力される印刷信号に伴って、駆動IC120が圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に駆動電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0027】
ここで、封止基板30上に搭載された駆動IC120の構成について詳細に説明する。図3に示すように、駆動IC120は、圧電素子300を駆動して印刷を実行するための駆動部121と、駆動IC120の温度によって圧電素子300への電圧供給のオンオフを制御する電圧制御部122とで構成されている。駆動部121は、外部からの印刷信号の入力に伴い、各圧電素子300に電圧を印加するタイミング等の印刷動作を制御する印刷制御手段123と、例えば、複数のアナログスイッチからなり各圧電素子300への電圧印加のオンオフを切り替えるスイッチ手段124とを有する。すなわち、駆動部121では、印刷信号の入力に伴って、印刷制御手段123が各圧電素子300に接続されたスイッチ手段124のオンオフを制御することで、所定のタイミングで所定の圧電素子300に選択的に電圧を印加して印刷動作を実行する。
【0028】
電圧制御部122は、所定のタイミングで駆動IC120の温度を検出する温度検出手段125と、検出した検出温度と予め記憶されている設定温度とを比較し、その結果に応じて所定の信号をスイッチ手段124に出力する切り替え制御手段126とを有する。すなわち、電圧制御部122では、所定のタイミング、例えば、1ライン印刷が終了する毎に温度検出手段125が駆動IC120の温度を検出し、切り替え制御手段126が、温度検出手段125によって検出された検出温度と設定温度とを比較する。このとき、切り替え制御手段126が、検出温度が設定温度よりも低いと判断した場合には、スイッチ手段124に圧電素子300への電圧供給を許可するオン信号を出力する。この場合には、スイッチ手段124は、印刷制御手段123からの信号に従って作動して、印刷動作が継続される。
【0029】
一方、切り替え制御手段126が、検出温度が設定温度よりも高いと判断した場合には、スイッチ手段124にオフ信号を供給する。この場合には、スイッチ手段124は、切り替え制御手段126からのオフ信号に従って作動し、各圧電素子300への電圧供給を完全に遮断する。また、このような温度検出手段125による駆動IC120の温度検出は、1ライン印刷終了毎に、例えば、数μs程度の間隔で複数回実行される。そして、駆動IC120の温度が低下し、切り替え制御手段126が、スイッチ手段124に圧電素子300への電圧印加を許可するオン信号を出力することで印刷が再開される。
【0030】
ここで、温度検出手段125とは、具体的には、例えば、複数のトランジスタ等で構成される、いわゆるIC化温度センサであり、図4に示すように、駆動IC120の温度変化に伴ってリニアに変化する出力電圧が得られる。そして、切り替え制御手段126は、実際には、温度検出手段125から出力される出力電圧V1と、予め記憶されている設定電圧V0とを比較することで、検出温度t1が設定温度t0を越えたか否かを判断する。すなわち、切り替え制御手段126は、出力電圧V1が設定電圧V0よりも大きい場合には、スイッチ手段124にオン信号を出力し、出力電圧V1が設定電圧V0よりも低くなった場合には、スイッチ手段124にオフ信号を供給する。例えば、本実施形態では、切り替え制御手段126は、出力電圧V1が設定電圧V0よりも大きいとき(検出温度t1が設定温度t0よりも低いとき)には「1」、出力電圧V1が設定電圧V0よりも小さいとき(検出温度t1が設定温度t0よりも高いとき)には「0」となるデジタル信号を出力している。
【0031】
そして、上述したように、スイッチ手段124は、切り替え制御手段126から出力される信号が「1」である場合には印刷制御手段123からの信号に従って作動し、切り替え制御手段126からの信号が「0」である場合には、切り替え制御手段126からの信号に従って圧電素子300への電圧供給を完全に遮断するようになっている。
【0032】
このように本発明では、駆動IC120に電圧制御部122を設けるようにしたので、駆動IC120の温度上昇による破損を確実に防止することができる。例えば、高速印刷のために駆動周波数を比較的高くすると、内部での損失に起因する発熱量が大きくなり駆動ICの温度が上昇する。また、例えば、印刷が進行してインクカートリッジのインクが消費され尽くして圧力発生室内にインクが存在しない状態で圧電素子に電圧が印加されると、圧電素子の付加電流が増大してスイッチ手段の損失が大きくなり、駆動ICの温度が急激に上昇してしまう。しかしながら、何れの場合であっても、駆動IC120が所定温度を越えた場合には、切り替え制御手段126からの信号に従ってスイッチ手段124が各圧電素子300への電圧供給を遮断するため、印刷は一時停止することになるが、駆動IC120の破損を確実に防止することができる。
【0033】
そして、本発明では、このような電圧制御部122を温度検出手段125及び切り替え制御手段126のみで構成し、圧電素子300への電圧供給のオンオフのみを制御するようにしたので、複雑な回路が必要なく駆動IC120の大きさを比較的小さく抑えることができる。したがって、封止基板30を大型化、すなわち、ヘッド自体を大型化することなく駆動IC120を搭載することができる。さらに、本実施形態では、切り替え制御手段126が、オン信号及びオフ信号の2種のみからなるデジタル信号を出力するようにしているため、電圧制御部122の回路を簡素化することができ駆動IC120をさらに小さくすることができる。
【0034】
なお、このようなインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図5に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0036】
また、本実施形態では、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】 一実施形態に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】 駆動ICの概略構成を示す制御ブロック図である。
【図4】 温度検出手段の出力電圧と温度との関係を示すグラフである。
【図5】 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 封止基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 貫通孔、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 100 リザーバ、 120 駆動IC、121 駆動部、 122 電圧制御部、 123 印刷制御手段、 124 スイッチ手段、 125 温度検出手段、 126 切り替え制御手段、 300 圧電素子

Claims (4)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子と、前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で該空間を封止する圧電素子保持部を有する封止基板と、該封止基板上に搭載され前記圧電素子を駆動するための駆動部を有する駆動ICとを具備する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記駆動ICが、1ライン印刷が終了する毎に当該駆動ICの温度を検出する温度検出手段、及び該温度検出手段によって検出された検出温度と予め記憶されている設定温度とを比較して前記検出温度が前記設定温度よりも低い場合に前記駆動部に前記圧電素子への電圧供給を許可するオン信号を出力し前記検出温度が前記設定温度よりも高い場合に前記駆動部に前記圧電素子への電圧供給を遮断するオフ信号を出力する切り替え制御手段のみからなる電圧制御部を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1において、前記駆動部が、前記圧電素子への電圧供給のオンオフを切り替えるスイッチ手段と、該スイッチ手段を制御することで所定の圧電素子に電圧を印加する印刷制御手段とを具備し、前記スイッチ手段が前記切り替え制御手段からの信号により前記圧電素子への電圧供給のオンオフを切り替えることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は2において、前記切り替え制御手段が出力する信号が、前記オン信号及び前記オフ信号のみからなるデジタル信号であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れかの液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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