JP3870881B2 - 触媒反応式加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒反応により得られる熱を利用して熱媒体を加熱する触媒反応式加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料と空気の混合気を触媒反応させ、この触媒反応により得られる高温ガスを利用して冷却媒体を加熱する触媒反応式加熱装置が知られている。例えば、特開平4−314613号公報に記載の触媒反応式冷媒加熱システムでは、上流側の触媒反応部にて高温ガスを得て、下流側の熱交換部で高温ガスと冷却媒体との熱交換を行って温水を得る構成をとっている。
【0003】
ところが、触媒反応式加熱装置では、一般的に常温以下の温度では触媒の活性が低く、触媒反応が緩慢である。このため、起動時に未反応ガスを多量に放出するおそれがあり、環境保全上好ましくない。このような問題に対し、上記公報記載の触媒反応式冷媒加熱システムでは、電気エネルギにより発熱する発熱体を設け、この発熱体により燃焼用の空気を加熱し、間接的に触媒を加熱するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、触媒の加熱に大きな電気エネルギを消費してしまうとともに、構成が複雑になるという問題がある。このため、コスト面やシステムの効率上好ましくない。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、起動時に触媒を速やかに昇温させ、未反応ガスが放出されることを抑制できる触媒反応式加熱装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、触媒反応を利用して熱媒体を加熱する触媒反応式加熱装置であって、高温ガスが通過する加熱用ガス経路(2)と、加熱用ガス経路(2)に設けられているとともに触媒を有し、燃料供給部(11)から供給される燃料と空気供給部(12)から供給される空気との混合ガスを触媒反応させて高温ガスを生成する触媒反応部(20)と、熱媒体が通過する熱媒体経路(40)と、加熱用ガス経路(2)における触媒反応部(20)の下流側に配置され、高温ガスの熱を熱媒体に伝える熱交換部(30)と、混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させる滞留手段(50)とを備え、滞留手段として、加熱用ガス経路(2)における熱交換部(30)に下流側に設けられた、加熱用ガス経路(2)を開閉可能な開閉弁(50)を用い、開閉弁(50)により加熱用ガス経路(2)を閉じることで混合ガスを触媒反応部に滞留させることを特徴としている。
【0007】
このように混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させることで、加熱用ガス経路(2)内での空間速度を見かけ上ゼロにすることができ、供給された混合ガスを有効に触媒反応させることができる。この反応熱により、触媒加熱用に専用の熱源を設けることなく、触媒を加熱昇温できるとともに未反応ガスの排出を防止できる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、滞留手段は、燃料供給手段(11)から触媒反応部(20)に燃料を所定燃料量供給するとともに、空気供給手段(12)から触媒反応部(20)に空気を所定空気量供給した後、所定時間経過するまで混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させることを特徴としている。このように、混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させる最適な時間を予め設定しておくことができる。所定時間経過後には、混合ガスが充分に触媒反応し、触媒温度が活性温度以上に上昇している。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、熱媒体経路(40)に設けられ、熱交換部(30)に熱媒体を供給する熱媒体供給手段(42)を備え、熱媒体供給手段(42)は、滞留手段により混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させている間、熱媒体を熱交換部(30)に供給しないことを特徴としている。
【0011】
このように、混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させている間、熱媒体の供給を停止しておくことで、混合ガスの反応熱が装置外部に放出するのを防止でき、早期に触媒温度を上昇させることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、加熱用ガス経路(2)における触媒反応部(20)の下流側に配置され、加熱用ガス経路(2)内の燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段(61)と、燃料濃度検出手段(61)により検出した燃料濃度が所定濃度以下になるまで、混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させるように滞留手段(50)を制御する制御手段(60)とを備えることを特徴としている。
【0013】
このように、燃料濃度に基づいて滞留手段を制御することで、暖機モードから通常運転モードまでの過程を的確かつ速やかに制御することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、触媒反応部(20)の触媒温度を検出する触媒温度検出手段(62)と、触媒温度検出手段(62)により検出した触媒温度が所定温度以下になるまで、混合ガスを触媒反応部(20)に滞留させるように滞留手段(50)を制御する制御部(60)とを備えることを特徴としている。
【0015】
このように、触媒温度に基づいて滞留手段を制御することで、暖機モードから通常運転モードまでの過程を的確かつ速やかに制御することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、加熱用ガス経路(2)における触媒反応部(20)の上流側と下流側とを連通する混合ガス循環経路(51)と、混合ガス経路(51)に設けられ、加熱用ガス経路(2)内に存在する混合ガスを混合ガス循環経路(51)を介して触媒反応部(20)に循環させる混合ガス循環手段(52、53)とを備えることを特徴としている。
【0017】
このように混合ガスを触媒燃焼部(20)に循環させることで、混合ガスの拡散性を向上させることができ、混合ガスが触媒に接触する頻度を増加することができる。また、混合ガスに与えられた熱エネルギを触媒に回収させることができ、触媒の早期活性を図ることができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明では、混合ガス循環手段は、燃料供給手段(11)から供給される燃料、空気供給手段(12)から供給される空気、またはこれらの混合ガスの少なくとも1つの流体エネルギを利用して混合ガス経路(51)に混合ガスを循環させるエジェクタ(53)であることを特徴としている。
【0019】
このような構成により、混合ガス循環経路(51)に混合ガスを循環させるために専用の動力を用いる必要がなく、装置の簡素化および省動力化を図ることができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明では、熱交換部(30)に、触媒反応部(20)が形成されていることを特徴としている。
【0021】
このような構成により、暖機中に触媒反応が急激に進行し、触媒反応熱が過昇温した場合にも、熱交換部(30)内の熱媒体の存在により、触媒の熱暴走を回避することが可能となる。さらに、触媒反応部と熱交換部とを一体化することにより、装置全体の小型化を図ることができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明では、燃料は水素であることを特徴としている。水素は反応性が高いため、より低温で自立反応による暖機が行うことができる。また、触媒反応式加熱装置を、水素を燃料とする例えば燃料電池システムの暖機用熱源等として好適に用いることができる。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。本第1実施形態の触媒反応式加熱装置は、触媒反応により得られる熱を利用して熱媒体を加熱し、熱媒体を介して被加熱体を加熱するものである。
【0025】
図1は、本第1実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。図1に示すように、触媒反応式加熱装置では、ケーシング1により加熱用ガスが通過する加熱用ガス経路2が形成されている。加熱用ガス経路2の最上流側には、燃料と空気との混合ガスを供給する混合ガス供給部10が設けられている。混合ガス供給部10は、燃料を供給する燃料供給部11、空気を供給する空気供給部12、燃料および空気を混合する混合部13を有している。なお、本第1実施形態では、燃料として反応性に優れた水素を用いている。
【0026】
加熱用ガス経路2における混合ガス供給部10の下流側には、触媒反応部20が設けられている。触媒反応部20では、混合ガス供給部10から供給される混合ガスを触媒反応させ、高温の燃焼ガスを発生させる。
【0027】
図2は触媒反応部20の斜視図である。触媒反応部20には例えば図2(a)に示すモノリス触媒を用いることができる。モノリス触媒には、セラミックのモノリスを担体として、低温においても反応活性に優れる白金(Pt)やパラジウム(Pd)に代表される貴金属類や金属酸化物が酸化触媒として担持されている。触媒反応部20として、図2(a)に示すモノリス触媒に代えて、図2(b)に示すペレット触媒を用いることもできる。
【0028】
加熱用ガス経路2における触媒反応部20の下流側には、熱交換部30が設けられている。熱交換部30では、触媒反応部20にて発生した高温ガスの熱を熱媒体に伝えるものである。本第1実施形態では、熱媒体として冷却水を用いている。
【0029】
図3は熱交換部30の斜視図である。熱交換部30には任意の熱交換器を用いることができ、例えば図3(a)に示すフィン31と扁平チューブ32とからなるフィンチューブ型熱交換器を用いることができる。フィン31やチューブ32といった熱伝導部材は、アルミニウムを用いている。フィン31により高温ガスが通過する加熱用ガス経路2が構成され、チューブ32により冷却水が通過する熱媒体経路3が構成される。高温ガスは、隣り合うフィン31の隙間を通過し、冷却水はチューブ32内部を通過する。
【0030】
熱交換部30として、図3(a)に示す熱交換器に代えて、図3(b)に示すプレート状のフィン31と円管状のチューブ32からなる熱交換器を用いることもできる。
【0031】
熱交換部30の熱媒体経路3にて加熱された冷却水(熱媒体)は、熱媒体循環経路(熱媒体経路)40を介して被加熱体41に循環し、被加熱体41を加熱する。熱媒体循環経路40には、冷却水を循環させるための循環ポンプ(熱媒体供給手段)42が設けられている。本第1実施形態のように、触媒反応させる燃料として水素を用いる場合には、被加熱体41として水素を燃料とする燃料電池を好適に用いることができる。
【0032】
加熱用ガス経路2における熱交換部30の下流側には、加熱用ガス経路2を開閉可能なシャットバルブ(滞留手段)50が設けられている。このシャットバルブ50は、加熱用ガス経路2を必ずしも遮断できるものである必要はなく、シャットバルブ50を閉じたときに混合ガスの抵抗となって、混合ガスを加熱用ガス経路2内に封入できるものであればよい。
【0033】
また、触媒反応式加熱装置には、各種制御を行う制御部60が設けられている。制御部60は、燃料供給装置11、空気供給装置12、熱媒体循環ポンプ42、シャットバルブ50に制御信号を出力するように構成されている。
【0034】
次に、上記構成の触媒反応式加熱装置の作動について図4のフローチャートに基づいて説明する。図4は、触媒反応式加熱装置の低温起動時における暖機モードの作動を示している。
【0035】
まず、燃料供給装置11から所定量の燃料を供給し、空気供給装置12から所定量の空気を供給する(S10)。このとき、シャットバルブ50は開放状態とし、熱媒体循環ポンプ42は停止しておく。燃料と空気は混合部13にて混合され混合ガスが生成され、混合ガスが触媒反応部20に供給される。低温状態では、触媒反応部20の触媒は活性温度に達していないので、混合ガスの多くは触媒反応部20にて反応しないまま、熱交換部30側に流れる。
【0036】
次に、シャットバルブ50を閉じる(S11)。これにより、混合ガスは、加熱用ガス経路2内に封入されることになる。これにより、触媒反応部20に混合ガスを滞留させることができ、触媒反応部20で混合ガスの触媒反応が進行する。触媒反応部20にて酸化されたガスは、加熱用ガス経路2内の濃度勾配により拡散する。一方、触媒反応部20では混合ガス濃度が低くなっているので、他の部位に存在している未反応の混合ガスが新たに拡散により触媒反応部20にもたらされる。触媒反応部20では、混合ガスの酸化により発熱することで触媒温度が上昇する。この結果、触媒の活性が上昇するため、連鎖的に未反応の混合ガスの酸化が促進される。
【0037】
このとき、熱媒体循環ポンプ42が停止しているので冷却水が循環せず、触媒反応によって発生した熱が冷却水により装置外部に運び出されるのを防止できる。
【0038】
シャットバルブ50の閉鎖により混合ガスの封入は、所定時間が経過するまで行う(S12)。この所定時間は、供給した混合ガスの量、触媒の量、反応速度に基づいて予め決定されている。すなわち、混合ガス量が多いほど反応時間が長くなり、触媒の量が多い場合には反応時間が短くなる。また、反応速度は、触媒温度によって変化し、温度が高いほど反応速度が速くなる。
【0039】
上記所定時間経過後、シャットバルブ50を開放する(S13)。これにより、加熱用ガス経路2内で充分に酸化されたガスが装置外に排出される。そして、燃料および空気の供給を開始し(S14)、冷却水の循環を開始する(S15)。これにより、暖機モードから通常運転モードに入る。このとき、触媒反応部20の触媒は、反応熱により活性温度以上に上昇していると考えられるので、通常運転モードで連続的に燃料および空気を供給しても、触媒反応部20で充分に触媒反応させることができ、未反応ガスの排出を抑制することができる。
【0040】
以上のように、触媒温度が低い起動時にシャットバルブ50により、混合ガスを触媒反応部20に滞留させることで、加熱用ガス経路2内の空間速度を見かけ上ゼロにすることができ、未反応ガスの排出を抑制しつつ、混合ガスを触媒反応させ、触媒温度を上昇させることができる。これにより、触媒加熱用の熱源を設けることなく、速やかに触媒を加熱昇温させることができるとともに、未反応ガスの排出を抑制することができる。
【0041】
また、混合ガスを触媒反応部20に滞留させている間、冷却水の循環を停止しておくことで、混合ガスの反応熱が装置外部に放出するのを防止でき、早期に触媒温度を上昇させることができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態に比較して、燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段を設けた点が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0043】
図5は、本第2実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。図5に示すように、加熱用ガス経路2に燃料(水素)の濃度を検出する水素センサ61(燃料濃度検出手段)が設けられている。本第2実施形態では、水素センサ61を、加熱用ガス経路2における熱交換部30の下流側に設けている。水素センサ61のセンサ信号は、制御部60に入力される。
【0044】
本第2実施形態では、上記図4のフローチャートのS11〜S13において、水素センサ61にて検出した水素濃度が、所定濃度以下となるまで、シャットバルブ50を閉じておき、触媒反応の進行により水素濃度が所定濃度以下となったときにシャットバルブ50を開放する。
【0045】
このように、未反応ガス濃度である水素濃度に基づいてシャットバルブ50の開閉制御を行うことで、暖機モードから通常運転モードまでの過程を的確かつ速やかに制御することができる。
【0046】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態に比較して、触媒温度を検出する触媒温度検出手段を設けた点が異なるものである。上記各実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0047】
図6は、本第3実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。図6に示すように、触媒反応部20には、触媒の温度を検出する温度センサ(触媒温度検出手段)62が設けられている。温度センサ62のセンサ信号は、制御部60に入力される。
【0048】
本第3実施形態では、上記図4のフローチャートのS11〜S13において、温度センサ62にて検出した触媒温度が、所定温度以上となるまで、シャットバルブ50を閉じておき、触媒反応の進行により触媒温度が所定温度以上となったときにシャットバルブ50を開放する。
【0049】
以上の構成によっても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態に比較して、未反応の混合ガスを循環させる混合ガス循環経路を設けた点が異なるものである。上記各実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0051】
図7は、本第4実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。図7に示すように、加熱用ガス経路2における触媒反応部20の上流側と下流側とを連通する混合ガス循環経路51が設けられている。混合ガス循環経路51には、混合ガスを循環させる混合ガス循環ポンプ(混合ガス循環手段)52が設けられている。本第4実施形態では、加熱用ガス経路2における触媒反応部20の下流側から上流側に混合ガスを循環させるように構成されている。
【0052】
このような構成により、シャットバルブ50を閉じる暖機モード時に混合ガスを触媒燃焼部20に循環させることで、混合ガスの拡散性を向上させることができ、混合ガスが触媒に接触する頻度を増加することができる。また、混合ガスに与えられた熱エネルギを触媒や熱交換部30に回収させることができ、触媒の早期活性に結びつけることができる。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第4実施形態に比較して、混合ガス循環手段の構成が異なるものである。上記各実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図8は、本第5実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。図8に示すように、混合ガス循環経路51は混合ガス供給部10の下流側に合流している。この合流部にはエジェクタ効果により混合ガス循環経路51の混合ガスを循環させるエジェクタ部(混合ガス循環手段)53が設けられている。エジェクタ部53は、混合ガス供給部10から供給される混合ガスの流体エネルギを利用し、混合ガス循環経路51の混合ガスを吸引して循環させるものである。本第5実施形態では、混合ガスが噴出するノズルを複数設けている。
【0055】
このような構成により、混合ガス循環経路51に混合ガスを循環させるために専用の動力を用いる必要がなく、装置の簡素化および省動力化を図ることができる。
【0056】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図9、図10に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第2実施形態に比較して、触媒反応部と熱交換部を一体化した点が異なるものである。上記各実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0057】
図9は本第6実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図であり、図10は本第6実施形態の触媒反応部20および熱交換部30の斜視図である。図9に示すように、触媒反応部20と熱交換部30は一体化されている。図10に示すように、熱交換部30におけるフィン31表面に酸化触媒が担持されている。さらに、チューブ32表面に酸化触媒を担持してもよい。このように熱交換部30における混合ガスが通過する部位に酸化触媒を担持することにより、触媒反応部20を形成することができ、触媒反応部20と熱交換部30を一体化することができる。
【0058】
このような構成により、暖機モード中に反応熱のコントロールが容易になる。すなわち、暖機中に触媒反応が急激に進行し、触媒反応熱が過昇温した場合にも、熱交換部30内の冷却水(熱媒体)の存在により、触媒の熱暴走を回避することが可能となる。さらに、触媒反応部と熱交換部とを一体化することにより、装置全体の小型化を図ることができる。
【0059】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態の構成は、適宜組み合わせて実施することができる。
【0060】
また、上記各実施形態の構成において、シャットバルブ50を設けず、滞留手段として、燃料供給装置11から所定燃料量の燃料を供給し、空気供給装置12から所定空気量の空気を供給することで、触媒反応部20に混合ガスを滞留させてもよい。これにより、新たに供給される燃料、空気によって圧送されることがないので、燃料、空気の供給を停止するだけでも、ある程度の混合ガスを触媒反応部20に滞留させることができる。
【0061】
また、上記第2実施形態では、燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段として水素センサ61を用いたが、これに限らず、例えば酸素濃度を検出する酸素センサ(O2センサ)を用いることもできる。燃料の触媒燃焼と同時に酸素も消費されるため、酸素センサにて酸素濃度を検出することで、間接的に燃料濃度を検出することができる。
【0062】
また、上記第5実施形態のエジェクタ部53は、混合ガスの流体エネルギを利用して加熱用ガス経路2内の混合ガスを循環させたが、これに限らず、燃料供給装置11から供給される燃料、空気供給装置12から供給される空気、またはこれらの混合ガスの少なくとも1つの流体エネルギを利用するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図2】第1実施形態の触媒反応部の斜視図である。
【図3】第1実施形態の熱交換部の斜視図である。
【図4】第1実施形態の触媒反応式加熱装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図6】第3実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図7】第4実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図8】第5実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図9】第6実施形態の触媒反応式加熱装置の全体構成を示す概念図である。
【図10】第6実施形態の触媒反応部および熱交換部の斜視図である。
【符号の説明】
10…混合ガス供給部、11…燃料供給部、12…空気供給部、20…触媒反応部、30…熱交換部、40…熱媒体循環経路、41…被加熱体、42…熱媒体循環ポンプ、50…シャットバルブ、60…制御部。
Claims (9)
- 触媒反応を利用して熱媒体を加熱する触媒反応式加熱装置であって、
高温ガスが通過する加熱用ガス経路(2)と、
前記加熱用ガス経路(2)に設けられているとともに触媒を有し、燃料供給部(11)から供給される燃料と空気供給部(12)から供給される空気との混合ガスを触媒反応させて前記高温ガスを生成する触媒反応部(20)と、
熱媒体が通過する熱媒体経路(40)と、
前記加熱用ガス経路(2)における前記触媒反応部(20)の下流側に配置され、前記高温ガスの熱を前記熱媒体に伝える熱交換部(30)と、
前記混合ガスを前記触媒反応部(20)に滞留させる滞留手段(50)とを備え、
前記滞留手段は、前記加熱用ガス経路(2)における前記熱交換部(30)に下流側に設けられた、前記加熱用ガス経路(2)を開閉可能な開閉弁(50)であり、
前記開閉弁(50)により前記加熱用ガス経路(2)を閉じることで前記混合ガスを前記触媒反応部に滞留させることを特徴とする触媒反応式加熱装置。 - 前記滞留手段は、前記燃料供給手段(11)から前記触媒反応部(20)に燃料を所定燃料量供給するとともに、前記空気供給手段(12)から前記触媒反応部(20)に空気を所定空気量供給した後、所定時間経過するまで前記混合ガスを前記触媒反応部(20)に滞留させることを特徴とする請求項1に記載の触媒反応式加熱装置。
- 前記熱媒体経路(40)に設けられ、前記熱交換部(30)に前記熱媒体を供給する熱媒体供給手段(42)を備え、
前記熱媒体供給手段(42)は、前記滞留手段により前記混合ガスを前記触媒反応部(20)に滞留させている間、前記熱媒体を前記熱交換部(30)に供給しないことを特徴とする請求項1または2に記載の触媒反応式加熱装置。 - 前記加熱用ガス経路(2)における前記触媒反応部(20)の下流側に配置され、前記加熱用ガス経路(2)内の燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段(61)と、
前記燃料濃度検出手段(61)により検出した燃料濃度が所定濃度以下になるまで、前記混合ガスを前記触媒反応部(20)に滞留させるように前記滞留手段(50)を制御する制御手段(60)とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の触媒反応式加熱装置。 - 前記触媒反応部(20)の触媒温度を検出する触媒温度検出手段(62)と、
前記触媒温度検出手段(62)により検出した触媒温度が所定温度以下になるまで、前記混合ガスを前記触媒反応部(20)に滞留させるように前記滞留手段(50)を制御する制御部(60)とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の触媒反応式加熱装置。 - 前記加熱用ガス経路(2)における前記触媒反応部(20)の上流側と下流側とを連通する混合ガス循環経路(51)と、
前記混合ガス経路(51)に設けられ、前記加熱用ガス経路(2)内に存在する前記混合ガスを前記混合ガス循環経路(51)を介して前記触媒反応部(20)に循環させる混合ガス循環手段(52、53)とを備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の触媒反応式加熱装置。 - 前記混合ガス循環手段は、前記燃料供給手段(11)から供給される燃料、前記空気供給手段(12)から供給される空気、またはこれらの混合ガスの少なくとも1つの流体エネルギを利用して前記混合ガス経路(51)に前記混合ガスを循環させるエジェクタ部(53)であることを特徴とする請求項6に記載の触媒反応式加熱装置。
- 前記熱交換部(30)に、前記触媒反応部(20)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の触媒反応式加熱装置。
- 前記燃料は水素であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の触媒反応式加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002262965A JP3870881B2 (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 触媒反応式加熱装置 |
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