JP3870494B2 - 表面欠陥検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面欠陥検査装置に係り、特に自動車の生産行程において、ボディ表面の塗装の状態を検査する作業を、光学的に自動で行うことができる表面欠陥検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車ボディ等の表面の検査は、塗装工程の後に人間が目視によって表面の欠陥検査を行っていた。しかし、この塗装表面の検査作業を、光学的に自動で検査する表面欠陥検査装置として、種々の方式が提案されている。たとえば、特開平8−086634号公報(表面欠陥検査装置)に開示されているものがある。当該従来例の表面欠陥検査装置は、光源として直線状に配列された蛍光灯、レーザ、LEDなどを用い、スリット光やスリットパターン光をつくり出して、これを塗装後のボディ表面に照射して、表面に凸凹があったときに生じる明度差や明度変化を受光画像として検出し、表面の欠陥を検査する装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例には以下のような不都合が有った。即ち、自動車のボディはそのほとんど全ての面が凹凸曲面となっている。曲面上の欠陥を如何に検出するかという問題に対し、上記従来例では、取り込んだ画像から欠陥を認識するときに、予め所定の画像処理を施すことによって、曲面の欠陥に対処する方法が提案されている。しかし、直線上(又は平面上)に配列された光源で検査光を照射する手法では、曲面に照明をあてて画像を取り込んだ場合、曲面の傾斜のために各部で均一な光度の反射光を得ることができない、という不都合を生じていた。
【0004】
また、検査光の被検査物上での照明パターンが歪んでしまう、という不都合を生じていた。このため、精度の高い認識が困難である。さらに、従来例に係る表面欠陥検査装置では、複数の光源を有しているために、同時に複数の光源から検査光が照射されてしまい、光軸上の光以外の周囲の光が欠陥にあたり、これを受光手段で受光してしまうので、精度の高い検出ができなくなってしまう、という問題があった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、被検査面に均一な検査光が照射でき、精度の高い表面欠陥の検査が可能な表面欠陥検査装置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明では、曲面状の被検査物の表面に所定パターンの検査光を照射する照明手段と、被検査物からの反射光を受光する受光手段とを備えた表面欠陥検査装置において、この表面欠陥検査装置は、前記照明手段として少なくとも2組の光源ユニットを装備すると共に、前記曲面状の被検査物の曲率を検出する曲率検出手段を装備し、これら各光源ユニットの相互間を当該光源ユニットの光軸の方向を可変設定する所定の曲折部材を介して連結する一方、前記曲率検出手段の検出値に基づいて各光源ユニットの角度を変更して被検査物の表面に対する検査光の角度を調整する、という構成を採っている。以上のように構成されたことにより、各光源ユニットの角度を任意に調整することができる。即ち、検査面の各領域に対して適切な光軸で検査光を照射できる。照射された光は正反射して受光手段に受光されるようになっている。
【0007】
また、請求項2記載の発明では、曲率検出手段の検出値に基づいて各光源ユニットにおいて前記光源ユニットの連結方向と交差して並ぶ各系統毎の発光のオン/オフの調節を可能とすることで周囲の光の影響を除去する。
【0008】
請求項3記載の発明では、主制御部は各光源ユニットの光度を調節する光度調整機能を有するという構成を採っている。以上のように構成されたことにより、光源ユニットから被検査物の表面までの距離や、被検査物の曲率に応じて光源ユニットの光度を調整する。
【0009】
更に、請求項4記載の発明では、曲折部材に所定の駆動モータを装備するという構成を採り、その他の構成は請求項1,2又は3記載の発明と同様である。以上のように構成されたことにより、被検査物の曲率に応じて駆動モータが各光源ユニットの角度を調節する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の表面欠陥検査装置は、図1に示すように、曲面状の被検査物3の表面に所定のパターンの検査光5を照射する照明手段7と、被検査物3からの反射光9を受光する受光手段11とを備え、照明手段7は少なくとも2組の光源ユニット7a,7b…を装備すると共に、これら各光源ユニット7a,7bの相互間に所定の曲折部材15が設けられている。この曲折部材15は各光源ユニット7a,7b…の光軸の方向を可変設定する。また、表面欠陥検査装置1には、被検査物3の曲率を測定する曲率検出手段17が装備されると共に、この曲率検出手段17の検出値に基づいて曲折部材15の曲折動作及び光源ユニット7a,7b…の発光動作を制御する主制御部18も装備されている。以下に詳述する。
【0011】
[照明手段]
先ず、表面欠陥検査装置1に装備される照明手段7は、図2に示すように、各光源ユニット7a,7b…に分割されている。そして、各光源ユニット7a,7b…は曲折部材15で連結されている。また、各光源ユニット7a,7b…の相互間の曲折部材15には所定の駆動モータ19が係合されている。この駆動モータ19は、後述するように隣接する各光源ユニット7a,7b…の角度を変えるためのものである。具体的には、駆動モータ19の回転軸(図示略)は隣接する2つの光源ユニットの一方側(例えば7a)に固定され、駆動モータ19の本体は他方の光源ユニット(例えば7b)に固定されている。
【0012】
各光源ユニット7a,7b…は、図3に示すように、複数のLED21と、このLED21を担持する基板23と、LED21の前面に配設される拡散板25により構成されている。本発明の光源ユニット7a,7b…は、平面形状が長方形となっており、LED21は図3(A)に示すように幅方向に5個配列され、図3(B)に示すように、長さ方向には12個配列されている。従って、一つの光源ユニット7aには全体で60個のLED21が装備されている。尚、基板23に実装するLED21の個数については一例であり、光源ユニット7a,7b…の幅方向及び長さ方向とも、LED21の数を増減することは可能である。
【0013】
また、光源ユニット7a,7b…の各LED21には、光度調整手段33からの電力線31が接続されている。より詳しくは、光源ユニット7a,7b…の長さ方向に配列された12個のLED21は同一系統の電力線31で接続され、幅方向に隣接するLED同士は異なる系統の電力線に接続されている(図2,図3参照)。従って、本発明の表面欠陥検査装置1では、各光源ユニット7a,7b…に5系統の電力線がそれぞれ接続されることになる。このため、各系統毎の発光のオン/オフおよび光度の調節が可能となっている。尚、LED21の数が増えた場合にはこれに合わせて上記電力線31の数をを増やす必要がある。
【0014】
LED21の前面に配設される拡散板25は、所定の脚部材27を介して基板23に取り付けられている。この拡散板25は、LED21が発した光を僅かに拡散させて、被検査物3に均一な検査光5を照射するためのものである。各光源ユニット7a,7b…のLED21の光度は、光度調整手段33によって適切に制御され、各光源ユニット毎に異なる光度の検査光5を被検査物3に照射することができる。尚、図2に示すように、本発明の表面欠陥検査装置1では、光源ユニット7a,7b…の数は全体で5組であるが、これは一例であって任意の個数とすることができる。
【0015】
また、照明手段7の各駆動モータ19にはそれぞれ角度調整回路35からの制御線37が接続されている(図2参照)。この制御線37は、主制御部18から駆動モータ19に対して各光源ユニット7a,7b…の相互の角度を変更するための制御信号を送信するものである。各駆動モータ19は主制御部18からの制御信号に基づいて、それぞれ独立に制御される。従って、相互に連結された各光源ユニット7a,7b…は任意の曲折形状を採ることができる。より詳しくは、後述するように被検査物3の曲率に応じて、各光源ユニット7a,7b…はその曲折角度が決定される。
【0016】
[曲率検出手段]
次に、曲率検出手段17について説明する。この曲率検出手段17は被検査物3の表面の曲率を検出するためのものである。具体的には、図4に示すように、同一ライン上に3個のセンサ41,42,43が配列されている。このセンサ41,42,43は、レーザ光を用いた距離計であり、被検査物3の表面にレーザ光を照射して、戻るレーザ光の遅れ時間を計測することによって、被検査物表面までの距離を計測している。尚、センサ41,42,43の数は3個に限定されるものではなく、4個以上であってもよい。
【0017】
図4(B)は、当該曲率検出手段17を用いた被検査物3の曲率計測の原理図を示す図である。上記したように、3個のセンサ41,42,43によって被検査物3の表面までの各距離L1,L2,L3をそれぞれ計測する。得られた値から曲率計測部44で曲率を計算する。このとき、センサ41とセンサ42の間隔をH1、センサ42とセンサ43の間隔をH2とすると、この領域の曲率半径Rは以下の式より求められる。
【0018】
R=(M1×M2×M3)/{2×H1×(L3-L2)+2×H2×(L1-L2)}
ここで、
M1={H1 2+(L1-L2)2}1/2
M2={H2 2+(L3-L2)2}1/2
M3={(H1+H2)2+(L1-L3)2}1/2
【0019】
[受光手段]
次に、本実施形態にかかる表面欠陥検査装置1に用いられる受光手段11について説明する。受光手段11は被検査物3の表面から反射される反射光9を受光して、画像を形成するものである。具体的に、本実施形態ではCCDカメラが用いられている。受光手段11は、図1に示すように、検査光5の反射光9が反射する方向に位置決めされている。そして、受光手段11によって得られた画像情報が欠陥認識部45に伝達されるようになっている。
【0020】
[欠陥検査の原理]
図5に、円曲面の正反射特性を示す。ここでは、曲面上の2点a,bについて説明する。即ち、照明手段7のうちの1つの光源ユニットから検査光5aが点aに照射されたとする。この検査光5aは入射角と同じ反射角で点aで反射する。
反射光5bは受光手段11側に反射する。また、異なる光源ユニットから点bに照射された検査光5bは、点bで正反射して点aの場合と同様に受光手段11側に反射したとする。この時、図5中の各角度θ1,θ2及びθ3 の間には、下記の式で表される関係がある。
【0021】
θ3=θ1+θ2
【0022】
即ち、上式の条件を満たすように点a用の光源ユニットと点b用の光源ユニットをそれぞれ位置決めすれば、各光源ユニットから照射された検査光5a,5bが正反射して共に受光手段11側に反射する。このため、受光手段11では異なる点(ここではa,b)からの反射光9a,9bは全て正反射光となる。従って、点a及び点bで反射した各反射光9a,9bはいずれも同じ光度の反射光となる。
【0023】
図6は、被検査物3の曲率がR=100mmのときの正反射特性を示す具体例である。受光手段(CCDカメラ)の設置角度θ1 (図5参照)を20度とする。点aから点fは被検査物3表面の反射面を示す。そして、図中の点線は点aから点fまでの各点に対する光源ユニット(図示略)からの光軸を示す。曲面から100mmおよび200mm離れた位置に、光軸に対して直交する直線(以下「照明面」という)47a,47b…を引いた。c点に対する光軸における照明面47cの延長線を一点鎖線で示す。
【0024】
平面状の照明手段で曲面を照明しようとする場合、一点鎖線49上に照明手段を置くとすると、点aまたは点fでは、各光軸と各照明面47a,47fの角度が点cに対する照明面47cの場合と比べて狭くなってしまい、均一な照明が得られないという欠点がある。即ち、即ち、各光源ユニットから出力される最も光度の高い検査光は、一点鎖線と直交する方向となる。ここで、点cに対する光軸と一点鎖線とは略直交しているため、高光度の検査光が点cに照射される。一方、点a用の検査光5aの光軸と一点鎖線とは直交していない。このため、点aに照射される検査光5aの光度は、点cに比較して低下してしまう。
【0025】
一方、図6に示すように、各光源ユニットの照明面47a,47b…を、被検査物への検査光5a,5b…の光軸と直交させると、いずれの光源ユニットからの検査光5a,5b…も高光度のものとなる。即ち、本発明において使用する照明手段7では、各点a,b…への検査光5a,5b…の光軸と各照明面47a,47bとが直交するように、各光源ユニットの角度を調整することによって、常に光度の均一な検査光5a,5b…を照射することができ、同様に光度の均一な反射光9a,9b…を受光手段11で得ることができる。
【0026】
ここで、各光源ユニット間相互の角度の求め方について概説する。図5に示すように、曲面上の各点の光軸の角度は下記の数式で求まる。
【0027】
θ3=θ1+θ2
【0028】
このことから、図6において、点cと点dに対する光軸5c,5dの角度差は、以下の式によって求めることができる。
【0029】
θ3d−θ3c=θ1+θ2d−θ1−θ2c
よって、
θ3d−θ3c=θ2d−θ2c
θ3d−θ3c=(xd-c)/r [r:被検査物の曲率半径]
ここで、xd-c は、曲面上の点cと点dの相互間距離であり、予め所定値に設定されている。具体的には、表面欠陥検査をしたい領域の全長をxf-a とし、使用する光源ユニットの数を5個とすると、以下の式で求められる。
【0030】
xd-c=(xf-a)/5
【0031】
以上のことから、照明手段の各光源ユニット間の角度は、計測したrの値から求めることができ、各光源ユニットの最適な角度を制御することができる。
【0032】
以上の照明装置で検査光を照射して、被検査物3の表面に欠陥が存在すると、欠陥の部分が黒くなる。これは、欠陥の凹凸によって検査光は正反射しないからである。特に、本発明の照明手段7では、各部に照射される検査光5a,5b…の光度が均一であるので、精度良く広い範囲の表面欠陥検査を行うことができる。
【0033】
図7は、具体的に光源ユニット7a,7bを用いて検査光5を照射している状態を説明する図である。尚、図7では説明の便宜上2個の光源ユニット7a,7bを用いた場合を説明する。そして、それぞれの光源ユニット7a,7bの各LED21の系統に、Line1〜Line10と番号を付ける。ここで例えば、Line2のLEDの光によって曲面上の欠陥を検出しようとする場合、他のLineのLEDもすべて点灯していると、Line7やLine8などのLEDの拡散光によって、Line2による検出が妨げられてしまうという欠点がある。即ち、Line7は本来点bを照射するためのものであるが、Line7から照射される検査光の一部が点aにも照射されて、実際に点aに照射される光の光度が高まってしまうからである。これは、従来提案されている平面の照明手段を使用した場合でも同様である。
【0034】
そこで、この問題を解決するために、Line2を点灯している間は他のLineはすべてオフにすることによって、周囲の光の影響を除去しする。これは、光源としてLEDを用いることによる効果である。LEDは他の光源よりも高速にオン/オフの制御ができる、という特性を利用している。尚、実際に表面欠陥の検査を行う場合には、順次隣接するLineを発光させて順に異なる領域の表面欠陥検査を行うが、被検査物3の形状によっては、例えばLine1を発光させた後Line2の発光をせずにLine3を発光させたり、或いはLine2及びLine3を発光させずにLine4を発光させるようにしてもよい。
【0035】
[表面欠陥検査行程]
次に、本発明の表面欠陥検査装置の方法について、図1に基づいて説明する。
先ず、曲率検出手段17で被検査物3の表面の曲率を検出する(図3参照)。そして、検出された曲率に基づいて、照明制御部34で照明手段7の各光源ユニット7a,7b…の被検査物の表面に対する検査光5の光軸角度、光度が調整される。調整された検査光5を被検査物3の表面に照射する。被検査物3の表面で反射された反射光9を受光手段11としてのCCDカメラで撮像して画像を得る。
そして、得られた画像に基づいて、表面欠陥の有無を判定する。
【0036】
図8に画像の取り込み方法を示す。照明手段7の光源ユニット7a,7b…を各Lineごとに順次点灯させ、そのときの画像を上記したようにCCDカメラで撮り、欠陥認識部45のメモリに取り込む。取り込んだ画像は、M×Nドットの二次元画像で、1ドットあたり2N 階調の濃度値で表される。例えば、N=8ならば256階調(0〜255)となる。ここで、一般的に0が黒で255が白である。図9は、被検査物の3箇所の欠陥検査をした場合を示している。
【0037】
1Lineの画像を取り込み欠陥認識を行ったら、次のLineを点灯させ、画像の取り込みと欠陥認識を行う。以下、順次繰り返す。図9は欠陥の判定のフローチャートを示す。即ち、画像を取り込んだ後(ステップS1)に認識ブロックの描出を行う(ステップS2)。この認識ブロックの抽出は、1LineのLEDによって検査光が照射され、白くなっている部分のみを認識対象とし、それ以外は認識対象外とする。そして、以下の処理は認識対象部分だけについて行う。
【0038】
認識ブロックの描出をした後には、ある濃度値を閾値として閾値未満の画素を0(黒)、閾値以上の画素を255(白)とする二値化処理を行う(ステップS3)。閾値の決定は、画像処理の手法で一般的に用いられている、モード法、P−タイル法、判別分析法などを用いる。二値化処理の後には、ラベリング処理を行う(ステップS4)。ラベリング処理では、濃度値が0の画素が連結している部分を一つの固まりとして、その面積(固まりの画素数)を計算する。
【0039】
次に、ラベリング処理の結果得られた黒の画素の固まりのうち、面積がある所定値以上のものを、欠陥として描出する(ステップS5)。これは、通常被検査物3の表面の欠陥は、僅かな凹凸が形成されており、欠陥に照射された検査光5は正反射せず、異なる方向に反射し、受光手段11によって反射光9を捉えることができず、欠陥領域が黒くなるからである。図10は、認識時の原画像(図10(A))と二値化処理後の画像例(図10(B))をそれぞれ示す。尚、図10は、被検査物3の検査範囲内に2個の欠陥が検出された場合を示している。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面欠陥検査装置では、曲面状の被検査物の表面に所定のパターンの検査光を照射する照明手段と、被検査物からの反射光を受光する受光手段とを備え、光源として少なくとも2組の光源ユニットを装備すると共に、これら各光源ユニットの相互間を所定の曲折部材を介して連結した。これにより、被検査物の表面に対して任意の角度で検査光を照射することができ、異なる検査面についても、均一な光度の正反射光を得ることができ、被検査物の曲面部分においても、欠陥の認識が可能となり、またその認識の精度を向上させることができる、という優れた効果を生じる。即ち、各領域の反射光による画像の光度は均一であるので、画像処理する場合にも作業が簡略化される。更には、照明手段を一度位置決めすることにより、広い範囲の欠陥の検査を連続的に行うことができる、という優れた効果を生じる。
【0041】
また、本発明では、表面欠陥検査装置に被検査物の曲率を測定する曲率検出手段を装備すると共に、この曲率検出手段の検出値に基づいて曲折部材の曲折動作及び光源ユニットの発光動作を制御する主制御部を装備した。このため、被検査物の表面の曲率に応じた適切な光源ユニットの光軸方向を求めることができ、欠陥検査の効率化及び迅速化を高めることができる、という優れた効果を生じる。
【0042】
また、本発明の表面欠陥検査装置の主制御部は、各光源ユニットの光度を調節する光度調整機能を有している。このため、照明手段から被検査物の各検査領域までの距離や表面の曲率に対応して、最適な光源ユニットの光度を調整することができる、という優れた効果を生じる。
【0043】
更に、曲折部材に所定の駆動モータを装備したので、自動で各光源ユニットの角度を調整することができ、表面欠陥検査ラインの自動化を促進させることができる、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に開示した表面欠陥検査装置に使用される照明手段を示す斜視図である。
【図3】図2に開示した照明手段の詳細図であり、図3(A)は照明手段の正面図を示し、図3(B)は側面図を示す。
【図4】図1に開示した表面欠陥検査装置に使用される曲率検出手段を示す図であり、図4(A)は斜視図を示し、図4(B)は正面図を示す。
【図5】検査光の正反射特性を示す説明図である。
【図6】検査光の光軸と反射光との関係を説明する図である。
【図7】実際の欠陥検査時の検査光の照射方法を説明する図である。
【図8】図1に開示した受光手段によって取り込まれた画像を示す図であり、図8(A)は被検査物の左方に検査光を照射している場合であり、図8(B)は被検査物の中央に検査光を照射している場合であり、図8(C)は被検査物の右方に検査光を照射している場合を示す。
【図9】欠陥検査のフローチャートを示す。
【図10】欠陥検査の画像を示す図であり、図10(A)は原画像を示し、図10(B)は二値化処理後の画像を示す。
【符号の説明】
1 表面欠陥検査装置
3 被検査物
5 検査光
7 照明手段
7a,7b,7c,7d,7e 光源ユニット
9 反射光
11 受光手段
15 曲折部材
17 曲率検出手段
18 主制御部
Claims (4)
- 曲面状の被検査物の表面に所定パターンの検査光を照射する照明手段と、前記被検査物からの反射光を受光する受光手段とを備えた表面欠陥検査装置において、
この表面欠陥検査装置は、前記照明手段として少なくとも2組の光源ユニットを装備すると共に、前記曲面状の被検査物の曲率を検出する曲率検出手段を装備し、各光源ユニットの相互間を当該光源ユニットの光軸の方向を可変設定する所定の曲折部材を介して連結する一方、前記曲率検出手段の検出値に基づいて各光源ユニットの角度を変更して被検査物の表面に対する検査光の角度を調整することを特徴とする表面欠陥検査装置。 - 曲面状の被検査物の表面に所定パターンの検査光を照射する照明手段と、前記被検査物からの反射光を受光する受光手段とを備えた表面欠陥検査装置において、
この表面欠陥検査装置は、前記照明手段として少なくとも2組の光源ユニットを装備すると共に、前記曲面状の被検査物の曲率を検出する曲率検出手段を装備し、各光源ユニットの相互間を当該光源ユニットの光軸の方向を可変設定する所定の曲折部材を介して連結する一方、前記曲率検出手段の検出値に基づいて各光源ユニットにおいて前記光源ユニットの連結方向と交差して並ぶ各系統毎の発光のオン/オフの調節を可能とすることを特徴とする表面欠陥検査装置。 - 曲面状の被検査物の表面に所定パターンの検査光を照射する照明手段と、前記被検査物からの反射光を受光する受光手段とを備えた表面欠陥検査装置において、
この表面欠陥検査装置は、前記照明手段として少なくとも2組の光源ユニットを装備すると共に、前記曲面状の被検査物の曲率を検出する曲率検出手段を装備し、各光源ユニットの相互間を当該光源ユニットの光軸の方向を可変設定する所定の曲折部材を介して連結する一方、前記曲率検出手段の検出値に基づいて各光源ユニットの光度の調節を可能とすることを特徴とする表面欠陥検査装置。 - 前記曲折部材に所定の駆動モータを装備したことを特徴とする請求項1,2又は3記載の表面欠陥検査装置。
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