JP3870272B2 - 三値論理関数回路及び多値論理関数回路 - Google Patents

三値論理関数回路及び多値論理関数回路 Download PDF

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Description

本発明は、二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路、及び二変数多値論理演算を行う多値論理関数回路に関する。
近年、コンピュータをはじめとする情報処理装置の高性能化にともない、公開鍵暗号基盤(Public Key Infrastructure;PKI)等の複雑な論理演算を行う必要があるアプリケーションも多種開発されるに至っている。従来からMOS(Metal Oxide Semiconductor)素子を用いた多値論理関数回路の提案が各種なされているが、中でも三値論理関数回路は、必要な素子数と性能との関係等から優れた特性を有するものとして着目されつつある。
従来のMOS素子による三値論理関数回路の実現法としては、MOSトランジスタのチャンネルドープ量を調節することにより、閾値電圧を変化させたトランジスタを用いる方法が知られている。しかしながら、かかる方法は、p型MOSトランジスタ又はn型MOSトランジスタを用いるものである。すなわち、従来の三値論理関数回路としては、CMOS(Comlementary MOS)回路を用いた効率のよいものが存在していないのが現状であり、CMOSの特徴であるスイッチング時以外は電流が流れないという動作特性のものではなく、常時電流が流れる電流モードCMOS多値論理関数回路しか提案されていなかった(例えば、特許文献1及び非特許文献1乃至非特許文献3等参照。)。
特開平7−212220号公報 WU X W, PROSSER F P, "CMOS ternary logic circuits", IEE Proc PartG JN: A0160B; ISSN: 0143-7089; CODEN: IPGSEB VOL. 137 NO. 1; PAGE. 21-27;(1990/02) CHANG Y-J, LEE C L, "Synthesis of Multi-Variable MVL Functions Using Hybrid Mode CMOSLogic", Proc IEEE Int Symp Multiple-Valued LogicJN: B0822B; ISSN: 0195-623XVOL. 24th; PAGE. 35-41;(1994) TEMEL T, MORGUL A, "Multi-valued logic function implementation with novel current-modelogic gates", IEEE Int Symp Circuits Syst JN:A0757AVOL. 2002 NO. Vol.1; PAGE. I.881-I.884; (2002)
このような状況の中、オルソン・エドガー・ダニー氏によって特許文献2に開示された発明がなされた。この発明によれば、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタのチャンネルドープ量を調節することにより、閾値電圧を変化させた複数種類のp型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタを用いることにより、CMOSの特徴である動作時以外は電流が流れないという動作特性の多値論理関数回路構成が可能となった。
特表2002−517937号公報
ここで、この特許文献2に開示された技術を三値論理関数回路に適用した場合について説明する。すなわち、この三値論理関数回路は、3つの論理値を、−1,0,1と表すものとし、それぞれ、負電圧、接地電圧(0ボルト)、正電圧に対応させるものとすると、図52に示すように、正電圧を給電する電源と出力端子との間、接地と出力端子との間、負電圧を給電する電源と出力端子との間に、それぞれ、単一又は複数のMOSトランジスタから構成されたスイッチ回路SW1,SW2,SW3を挿入したものである。これらスイッチ回路SW1,SW2,SW3は、それぞれ、入力される論理値−1,0,1に対応する入力電圧に応じて排他的に導通状態となるように、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタ配列、並びに閾値電圧を適切に設定したMOSトランジスタ回路から構成されるものである。また、この特許文献2に開示された技術においては、かかる構成のみでは、全ての二変数三値論理関数に限ったとしても33^2=3=19683種類存在し、全てを実現することは不可能であることから、入力に特殊な2種類のインバータ(1,−1,1),(1,1,−1)を適用することにより、全ての三値論理演算を実現できるとしている。
しかしながら、特許文献2に開示された技術においては、全ての三値論理演算を実現するために、数千種類もの個別の論理関数回路を用意する必要がある。これは、三値論理演算を集積回路で実現する場合には、ライブラリとして用意しなければならない基本パターンが数千種類も必要であることを意味している。したがって、この方法では、事実上、三値論理集積回路を設計することが不可能である。
また、この技術においては、負電圧を給電する電源、接地、及び正電圧を給電する電源のそれぞれと出力端子との間に挿入されるスイッチ回路として、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタが並列及び/又は直列に複雑に接続されたものを用いていることから、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタの特性の非対称性により、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間特性が非対称になるという問題もある。すなわち、この技術においては、論理値−1から論理値1への変化時間と、論理値1から論理値−1への変化時間が大きく異なる結果となる。同期式ディジタル論理関数回路においては、タイミング設計を容易にするために、このスイッチング時間の非対称性はできる限り小さいことが望ましい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、33^2=19683種類存在する全ての二変数三値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減するとともに、スイッチング時間の非対称性も著しく小さくすることができる三値論理関数回路、及びこの三値論理関数回路を拡張した多値論理関数回路を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる三値論理関数回路は、二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路であって、第1の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて導通状態になる第1のトランスファーゲートと、前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて導通状態になる第2のトランスファーゲートと、前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて導通状態になる第3のトランスファーゲートと、前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第1の出力を得る第1の一変数三値論理関数回路と、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第1の出力と相補対称な第2の出力を得る第2の一変数三値論理関数回路と、前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第3の出力を得る第3の一変数三値論理関数回路と、前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第3の出力と相補対称な第4の出力を得る第4の一変数三値論理関数回路と、前記第3のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第5の出力を得る第5の一変数三値論理関数回路と、前記第3のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第5の出力と相補対称な第6の出力を得る第6の一変数三値論理関数回路と、前記第1のトランスファーゲートの入力端子に接続され、第2の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて第7の出力を得る第7の一変数三値論理関数回路と、前記第2のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて第8の出力を得る第8の一変数三値論理関数回路と、前記第3のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて第9の出力を得る第9の一変数三値論理関数回路とを備え、前記第1乃至第3のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていることを特徴としている。
このような本発明にかかる三値論理関数回路は、第1の入力を構成する3つの論理値に応じて、第1乃至第6の一変数三値論理関数回路によって第1乃至第3のトランスファーゲートを導通又は遮断し、第2の入力に接続される第7乃至第9の一変数三値論理関数回路の出力を選択する。したがって、本発明にかかる三値論理関数回路においては、全ての二変数三値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減することができるとともに、全ての三値論理素子を一変数三値論理関数回路のみを用いて構成することから、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
具体的には、前記第1のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値−1に応じて導通状態になるものであり、前記第2のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値0に応じて導通状態になるものであり、前記第3のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値1に応じて導通状態になるものである。そして、前記第1の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,−1)を得るものであり、前記第2の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,1,1)を得るものであり、前記第3の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,1,−1)を得るものであり、前記第4の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,1)を得るものであり、前記第5の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,−1,1)を得るものであり、前記第6の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,−1)を得るものとして構成することができる。
ここで、本発明にかかる三値論理関数回路は、前記第2の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続されて前記第1の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えてもよい。
また、本発明にかかる三値論理関数回路は、前記第5の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第3のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第6の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えてもよい。
さらに、本発明にかかる三値論理関数回路は、前記第3の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第4の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えてもよい。
これにより、本発明にかかる三値論理関数回路においては、必要な素子数を減らすことができる。
なお、本発明にかかる三値論理関数回路において、前記第7乃至第9の一変数三値論理関数回路は、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,−1)を得る第1の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,0,−1)を得る第2の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,−1)を得る第3の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,−1)を得る第4の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,0)を得る第5の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,−1)を得る第6の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,0)を得る第7の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,0)を得る第1の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,1)を得る第2の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,0)を得る第3の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,1)を得る第4の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,1)を得る第5の非反転回路、前記第1の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第1の相補対称回路、前記第2の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第2の相補対称回路、前記第3の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第3の相補対称回路、前記第4の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第4の相補対称回路、及び前記第5の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第5の相補対称回路のうち、いずれかであればよい。
すなわち、本発明にかかる三値論理関数回路は、27種類の二変数三値論理関数回路のうち、17種類の二変数三値論理関数回路のみを用いて、組織的に実現することができる。これら17種類の一変数三値論理関数回路は、スイッチング動作時以外は、全てのトランジスタがオフ状態となり、電流が流れない。したがって、本発明にかかる三値論理関数回路においては、通常のCMOS二値論理関数回路と同様に、消費電力を極めて小さくすることができる。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる三値論理関数回路は、二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路であって、第1の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値及び第2の論理値のいずれかに応じて導通状態になる第1のトランスファーゲートと、前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて導通状態になる第2のトランスファーゲートと、前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第1の出力を得る第1の一変数三値論理関数回路と前記第1の入力に対して第2の出力を得る第2の一変数三値論理関数回路との論理和をとった第3の一変数三値論理関数回路と、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第1の出力と相補対称な第3の出力を得る第4の一変数三値論理関数回路と前記第1の入力に対して前記第2の出力と相補対称な第4の出力を得る第5の一変数三値論理関数回路との論理積をとった第6の一変数三値論理関数回路と、前記第1のトランスファーゲートの入力端子に接続され、第2の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて第5の出力を得る第7の一変数三値論理関数回路と前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて第6の出力を得る第8の一変数三値論理関数回路とを統合した第9の一変数三値論理関数回路と、前記第2のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて第7の出力を得る第10の一変数三値論理関数回路とを備え、前記第1及び第2のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていることを特徴としている。
このような本発明にかかる三値論理関数回路においては、第2の入力の論理値に応じて出力を得る3つの一変数三値論理関数回路のいずれか2つが同一である場合には、これら同一の一変数三値論理関数回路を1つに統合して第9の一変数三値論理関数回路とする。そして、本発明にかかる三値論理関数回路は、第1の入力を構成する3つの論理値に応じて、第3及び第6の一変数三値論理関数回路によって第1及び第2のトランスファーゲートを導通又は遮断し、第2の入力に接続される第9及び第10の一変数三値論理関数回路の出力を選択する。したがって、本発明にかかる三値論理関数回路においては、全ての二変数三値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減することができるとともに、全ての三値論理素子を一変数三値論理関数回路のみを用いて構成することから、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
ここで、本発明にかかる三値論理関数回路は、前記第6の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第3の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えてもよい。
また、本発明にかかる三値論理関数回路は、前記第3の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続されて前記第6の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えてもよい。
これにより、本発明にかかる三値論理関数回路においては、必要な素子数を減らすことができる。
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる多値論理関数回路は、二変数多値論理演算を行う多値論理関数回路であって、第1の入力を構成するN個の論理値のいずれかに応じて導通状態になるN個のトランスファーゲートと、Nが奇数の場合にはm=(N−1)/2とする一方で、Nが偶数の場合にはm=N/2としたとき、前記N個のトランスファーゲートのそれぞれにおける一方の制御端子に接続され、前記第1の入力(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、1≦i≦Nなるiについて、i番目の論理値に対してのみmを出力し、他の論理値に対しては−mを出力するN個の一変数N値論理関数回路からなる第1の回路群と、前記N個のトランスファーゲートのそれぞれにおける他方の制御端子に接続され、前記第1の入力(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、前記第1の回路群を構成するN個の一変数N値論理関数回路のそれぞれの出力と相補対称な出力を得るN個の一変数N値論理関数回路からなる第2の回路群と、前記N個のトランスファーゲートのそれぞれの入力端子に接続され、第2の入力を構成するN個の論理値のそれぞれに応じて出力を得るN個の一変数三値論理関数回路からなる第3の回路群とを備え、前記N個のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていることを特徴としている。
このような本発明にかかる多値論理関数回路は、第1の入力を構成するN個の論理値に応じて、第1及び第2の回路群を構成する2N個の一変数三値論理関数回路によってN個のトランスファーゲートを導通又は遮断し、第2の入力に接続される第3の回路群を構成するN個の一変数三値論理関数回路の出力を選択する。したがって、本発明にかかる多値論理関数回路においては、全ての二変数多値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減することができるとともに、全ての多値論理素子を一変数多値論理関数回路のみを用いて構成することから、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
本発明によれば、33^2=19683種類存在する全ての二変数三値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減することができるとともに、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路である。特に、この三値論理関数回路は、33^2=19683種類存在する全ての二変数三値論理関数回路を実現するために必要となる基本回路の種類を著しく削減し、17種類の一変数三値論理関数回路のみを用いて、組織的に実現することができる指針を与えるものである。また、この三値論理関数回路は、全ての三値論理素子を一変数三値論理関数回路のみを用いて構成することにより、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができるものである。
三値論理関数回路は、図1に示すように、p型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタとn型MOSトランジスタとから構成された3つのトランスファーゲートT1,T2,T3を備える。すなわち、この三値論理関数回路は、入力に応じて導通又は遮断する3つのトランスファーゲートT1,T2,T3を備え、これら3つのトランスファーゲートT1,T2,T3を導通又は遮断することにより、出力端子Yから出力される値が決定される。具体的には、三値論理関数回路は、トランスファーゲートT1によって入力a=−1に対する出力を選択し、トランスファーゲートT2によって入力a=0に対する出力を選択し、トランスファーゲートT3によって入力a=1に対する出力を選択するように構成される。
トランスファーゲートT1の2つの制御端子C−T1,D−T1には、それぞれ、入力a=(−1,0,1)に対して出力(1,−1,−1)を得る一変数三値論理関数回路C1と、これと相補対称な一変数三値論理関数回路D1とが接続される。また、トランスファーゲートT2の2つの制御端子C−T2,D−T2には、それぞれ、入力a=(−1,0,1)に対して出力(−1,1,−1)を得る一変数三値論理関数回路C2と、これと相補対称な一変数三値論理関数回路D2とが接続される。さらに、トランスファーゲートT3の2つの制御端子C−T3,D−T3には、それぞれ、入力a=(−1,0,1)に対して出力(−1,−1,1)を得る一変数三値論理関数回路C3と、これと相補対称な一変数三値論理関数回路D3とが接続される。
また、トランスファーゲートT1,T2,T3の入力端子X−T1,X−T2,X−T3には、それぞれ、入力bに対して出力を得る一変数三値論理関数回路B1,B2,B3が接続され、これらトランスファーゲートT1,T2,T3の出力端子Y−T1,Y−T2,Y−T3は、当該三値論理関数回路の出力端子Yとしてワイヤードオア接続される。
このようなトランスファーゲートT1,T2,T3は、それぞれ、図2に示すように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタと、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタとを並列に接続して構成される。n型MOSトランジスタの制御端子C−Tは、制御入力1でオン状態となるとともに、制御入力−1でオフ状態となり、p型MOSトランジスタの制御端子D−Tは、制御端子C−Tと相補対称であり、制御入力−1でオン状態となるとともに、制御入力1でオフ状態となる。
ここで、一変数三値論理関数回路B1,B2,B3は、それぞれ、入力b=(−1,0,1)に対して、(p,q,r)、(s,t,u)、(x,y,z)を与えるのものとする。ただし、p,q,r,s,t,u,x,y,zは、それぞれ、−1,0,1のいずれかの値をとるものである。このような三値論理関数回路によって実現することができる二変数三値論理関数は、次表1に示すように与えられる。
一変数三値論理関数回路は、次表2に示す27種類の一変数三値論理関数のいずれかを実現するものである。先に図1に示した制御端子C−T1,D−T1,C−T2,D−T2,C−T3,D−T3のそれぞれに接続される三値論理関数回路C1,D1,C2,D2,C3,D3は、それぞれ、関数f19,f09,f07,f21,f03,f25を実現するものである。
これら一変数三値論理関数のうち、関数f01は、恒等的に−1であり、関数f14は、恒等的に0であり、関数f27は、恒等的に1であることから、特別な回路は不要である。
また、関数f02とf26、関数f03とf25、関数f04とf24、関数f05とf23、関数f06とf22、関数f07とf21、関数f08とf20、関数f09とf19、関数f10とf18、関数f11とf17、関数f12とf16、関数f13とf15は、それぞれ、互いに相補対称な関係にある。このうち、関数f06は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,0,1)を出力とする。すなわち、関数f06は、出力=入力であり、通過(Through)である。また、関数f22は、(−1,0,1)を入力とし、(1,0,−1)を出力とする。すなわち、関数f22は、出力=入力の否定であることから、二値論理のインバータに相当する。したがって、MOSトランジスタによって実現すべき一変数三論理関数回路は、関数f15〜f26の12種類ということになる。関数f02〜f04、関数f06〜f13は、それぞれ、これらと相補対称な関数f26〜f24、関数f22〜f15の後段にインバータを設けることによって実現することができる。なお、論理関数によっては、出力が−1,0,1の三値のうち二値しかとならい場合には、インバータf22ではなく、簡易な回路で実現することができる。これについては、後述するものとする。
つぎに、これら12種類の一変数三論理関数回路の具体的な実現法について説明する。
三値を、(−1,0,1)とする。3種類のソース論理値−1,0,1があり、それぞれの入力端子と出力端子との間に、図3(a)乃至図3(c)に示すように、スイッチを設ける構成を考える。なお、論理値−1には、−1ボルトを仮定し、論理値0には、0ボルトを仮定し、論理値1には、+1ボルトを仮定する。
まず、ソース論理値が−1の場合を考える。
MOSトランジスタのソース電極を−1ボルトに接続したとき、ゲート電圧を+1ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、2ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図4(a)に示すように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を1.5ボルトとすればよい。このエンハンスメント型のn型MOSトランジスタを、NEと略記するものとする。
また、MOSトランジスタのソース電極を−1ボルトに接続したとき、ゲート電圧を0ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、1ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図4(b)に示すように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を0.5ボルトとすればよい。このスイッチは、閾値電圧が0.5ボルトであることから、入力0(Vgs=1.0)と入力1(Vgs=2.0)との両方の場合にオン状態となる。このエンハンスメント型のn型MOSトランジスタを、neと略記するものとする。
なお、これらをまとめると、次表3に示すようになる。
つぎに、ソース論理値が1の場合を考える。
MOSトランジスタのソース電極を+1ボルトに接続したとき、ゲート電圧を−1ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、−2ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図5(a)に示すように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を−1.5ボルトとすればよい。このエンハンスメント型のp型MOSトランジスタを、PEと略記するものとする。
また、MOSトランジスタのソース電極を+1ボルトに接続したとき、ゲート電圧を0ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、−1ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図5(b)に示すように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を−0.5ボルトとすればよい。このスイッチは、閾値電圧が−0.5ボルトであることから、入力0(Vgs=−1.0)と入力1(Vgs=−2.0)との両方の場合にオン状態となる。このエンハンスメント型のp型MOSトランジスタを、peと略記するものとする。
なお、これらをまとめると、次表4に示すようになる。
つぎに、ソース論理値が0の場合を考える。
MOSトランジスタのソース電極を0ボルトに接続したとき、ゲート電圧を+1ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、1ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図6(a)に示すように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を0.5ボルトとすればよい。このエンハンスメント型のn型MOSトランジスタは、図4(b)を用いて定義したエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneである。このエンハンスメント型のn型MOSトランジスタを、ne0と略記するものとする。
また、MOSトランジスタのソース電極を0ボルトに接続したとき、ゲート電圧を−1ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、−1ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図6(b)に示すように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタを用い、閾値電圧を−0.5ボルトとすればよい。このエンハンスメント型のp型MOSトランジスタは、図5(b)を用いて定義したエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeである。このエンハンスメント型のp型MOSトランジスタを、pe0と略記するものとする。
さらに、MOSトランジスタのソース電極を0ボルトに接続したとき、ゲート電圧を0ボルトとすると、ゲート・ソース間電圧Vgsは、0ボルトとなる。このとき、MOSトランジスタがオン状態となるためには、図6(c)に示すように、ディプリーション型のn型MOSトランジスタ(又はp型MOSトランジスタ)を用い、閾値電圧を−0.5ボルト(又は+0.5ボルト)とすればよい。このディプリーション型のn型MOSトランジスタ(又はp型MOSトランジスタ)を、nd(pd)と略記するものとする。
ディプリーション型のn型MOSトランジスタndを用いた場合には、スイッチは、入力0(Vgs=0.0)と入力1(Vgs=1.0)との両方の場合にオン状態となる。また、スイッチは、ディプリーション型のp型MOSトランジスタpdを用いた場合には、入力0(Vgs=0.0)と入力−1(Vgs=−1.0)との両方の場合にオン状態となる。
なお、これらをまとめると、次表5に示すようになる。
上表5から、ソース論理値が0である場合には、入力0である場合にのみ出力0を出力する回路として、次表6及び図7に示すように、ソース論理値0の入力端子と出力端子との間に、ディプリーション型のn型MOSトランジスタndと、ディプリーション型のp型MOSトランジスタpdとを直列に接続して挿入すればよいことがわかる。
また、上表5から、ソース論理値が0である場合には、入力−1,1のいずれの場合にも出力0を出力する回路として、次表7及び図8に示すように、ソース論理値0の入力端子と出力端子との間に、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタne0と、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpe0とを並列に接続して挿入すればよいことがわかる。
ここで、このような回路において、MOSトランジスタのバックゲート電極(基盤バイアス)の接続について説明する。
バックゲート電極は、通常、電源に接続される。負電圧を給電する電源に接続されるn型MOSトランジスタNE,ne、及び正電圧を給電する電源に接続されるp型MOSトランジスタPE,peについては、この方法でよい。しかしながら、0ボルトを電源とするMOSトランジスタnd,pd,ne0,pe0のバックゲート電極を、0ボルトの電源に接続した場合には、出力端子の電圧が正又は負となっている場合には、バックゲート電極とドレイン電極との間に形成される接合ダイオードを通じて大電流が流れてしまう。例えば、n型MOSトランジスタnd,neについては、出力端子電圧が負の場合には、ソース電圧とドレイン電圧との逆転が生じ、バックゲート電極とドレイン電極との間に形成されるPN接合を通じて順方向電流が流れてしまう。また、p型MOSトランジスタpd,peについては、出力端子電圧が正の場合には、ソース電圧とドレイン電圧との逆転が生じ、ソース電極とバックゲート電極とドレイン電極との間に形成されるPN接合を通じて順方向電流が流れてしまう。
このような現象の発生を防止するために、0ボルトの電源に接続されるMOSトランジスタであっても、n型MOSトランジスタは、負電圧を給電する電源に接続するとともに、p型MOSトランジスタは、正電圧を給電する電源に接続する。これにより、出力端子の電圧が正又は負になった場合であっても、バックゲート電極とドレイン電極との間にPN接合を通じた順方向電流が流れる事態を回避することができる。
さて、上表2に示した27種類の一変数三値論理関数は、以下のように分類することができる。
上表2のうち、1段のCMOS(Comlementary MOS)回路によって実現することができるものは、入力xに対して、論理関数f(x)が、f(−1)≧f(0)≧f(1)となる関係にある場合のみである。以下、このような関数を、反転関数(reverse function)と称するものとする。すなわち、反転関数とは、入力xの大小関係と論理関数f(x)の大小関係が逆転したものである。反転関数は、上表2に示した27種類の一変数三値論理関数のうち、関数f10,f13,f19,f22,f23,f25,f26である。これを分類1とする。
上表2に示した27種類の一変数三値論理関数のうち、関数f02〜f05、関数f07〜f09、関数f15〜f18、関数f20,f21,f24は、反転関数でないことから、1段のCMOS回路によっては実現することができない。これら一変数三値論理関数のうち、関数f02〜f05、関数f07〜f09は、それぞれ、関数f26〜f23、関数f21〜f19と相補対称な関係にあることから、原理的には、関数f26〜f19を実現し、その後段にインバータf22を設ければよい。これを分類2とする。
また、関数f15は、反転関数f13と相補対称であり、さらに、関数f18は、反転関数f10と相補対称であることから、反転関数f13,f10のそれぞれの後段にインバータf23を設ければよい。これも分類2とする。
さらに、上表2に示した27種類の一変数三値論理関数のうち、関数f11とf17、関数f12とf16は、それぞれ、相補対称な関係にあるが、反転関数ではないことから、1段のCMOS回路によっては実現することができない。ここでは、関数f11,f12は、それぞれ、2段のCMOS回路によって実現するものとする。これを分類3とする。
さらにまた、関数f17,f16は、それぞれ、関数f11,f12の後段にインバータを設けることによって実現することもできるが、3段のCMOS回路となってしまう。そこで、関数f11とf17、関数f12とf16の相補対称性に着目すると、直接2段のCMOS回路によって実現することができる。これを分類3’とする。
また、残りの関数f20,f21,f24は、反転関数でないことから、2段のCMOS回路によって実現する。これも分類3とする。さらに、関数f08,f07,f04は、それぞれ、関数f20,f21,f24との相補対称性から、直接2段のCMOS回路によっても実現することができる。これも分類3’とする。
以上より、実現すべき回路は、反転回路であるf10,f13,f19,f22,f23,f25,f26の7種類、及び反転回路ではないf11,f12,f20,f21,f24の5種類の合計12種類である。さらに、これら12種類の回路の他に、相補対称性から直接2段のCMOS回路によって実現できる関数f04,f07,f08,f16,f17の5種類を加えた合計17種類を実現すればよい。
分類2とした関数f02〜f09のうち、残りは、関数f02,f03,f05,f09である。このうち、関数f02=(−1,−1,0)は、関数f26=(1,1,0)の後段にインバータf13=(0,0,−1)を設けることによって実現することができる。また、関数f03=(−1,−1,1)は、関数f25=(1,1,−1)の後段にインバータf19=(1,−1,−1)を設けることによって実現することができる。さらに、関数f05=(−1,0,0)は、関数f23=(1,0,0)の後段にインバータf13=(0,0,−1)を設けることによって実現することができる。さらにまた、関数f09=(−1,1,1)は、関数f19=(1,−1,−1)の後段にインバータf25=(1,1,−1)を設けることによって実現することができる。
なお、これら関数f02,f03,f05,f09には、それぞれ、6通りの実現法がある。このうち、最も一般的なインバータf22=(1,0,−1)を用いるものを除くと、4通りの実現法がある。例えば、関数f03は、後段のインバータをf25=(1,1,−1)としてもよい。また、特表2002−517937号公報に記載された回路においては、前段の素子を関数f25=(1,1,−1)又は関数f19=(1,−1,−1)のいずれかに統一している。
以上をまとめると、次表8が得られる。
このように分類される各関数は、以下のようにして実現することができる。
まず、分類1に分類された1段のCMOS回路によって実現することができる7種類の反転関数f10,f13,f19,f22,f23,f25,f26の実現法について説明する。
関数f10は、(−1,0,1)を入力とし、(0,−1,−1)を出力とする。したがって、関数f10は、図9に示すように、ソース論理値0について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpe0を入力bで駆動するとともに、ソース論理値−1について、入力0,1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタneを入力bで駆動することにより、実現することができる。
また、関数f13は、(−1,0,1)を入力とし、(0,0,−1)を出力とする。したがって、関数f13は、図10に示すように、ソース論理値0について、入力−1,0である場合にオン状態となるように、ディプリーション型のp型MOSトランジスタpdを入力bで駆動するとともに、ソース論理値−1について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEを入力bで駆動することにより、実現することができる。
さらに、関数f19は、(−1,0,1)を入力とし、(1,−1,−1)を出力とする。したがって、関数f19は、図11に示すように、ソース論理値1について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEを入力bで駆動するとともに、ソース論理値−1について、入力0,1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタneを入力bで駆動することにより、実現することができる。
さらにまた、関数f22は、(−1,0,1)を入力とし、(1,0,−1)を出力とする。したがって、関数f22は、図12に示すように、ソース論理値1について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEを入力bで駆動するとともに、ソース論理値0について、入力0である場合にオン状態となるように、ディプリーション型のn型MOSトランジスタndとディプリーション型のp型MOSトランジスタpdとの直列回路を入力bで駆動し、さらに、ソース論理値−1について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEを入力bで駆動することにより、実現することができる。
また、関数f23は、(−1,0,1)を入力とし、(1,0,0)を出力とする。したがって、関数f23は、図13に示すように、ソース論理値1について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEを入力bで駆動するとともに、ソース論理値0について、入力0,1である場合にオン状態となるように、ディプリーション型のn型MOSトランジスタndを入力bで駆動することにより、実現することができる。
さらに、関数f25は、(−1,0,1)を入力とし、(1,1,−1)を出力とする。したがって、関数f25は、図14に示すように、ソース論理値1について、入力−1,0である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeを入力bで駆動するとともに、ソース論理値−1について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEを入力bで駆動することにより、実現することができる。
さらにまた、関数f26は、(−1,0,1)を入力とし、(1,1,0)を出力とする。したがって、関数f26は、図15に示すように、ソース論理値1について、入力−1,0である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeを入力bで駆動するとともに、ソース論理値0について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタne0を入力bで駆動することにより、実現することができる。
このように、分類1に分類された7種類の反転関数f10,f13,f19,f22,f23,f25,f26は、1段のCMOS回路によって実現することができる。
つぎに、分類3に分類された1段のCMOS回路によっては実現することができない5種類の関数f11,f12,f20,f21,f24の実現法について説明する。これらの関数f11,f12,f20,f21,f24は、入力側に付加回路が必要であり、2段のCMOS回路となる。
関数f11は、(−1,0,1)を入力とし、(0,−1,0)を出力とする。したがって、関数f11は、図16に示すように、入力bを反転関数f25=(1,1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値0について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeの並列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpe1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpe2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。そして、関数f11は、ソース論理値−1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneの直列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタne1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタne2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、この関数f11の動作は、次表9に示すとおりである。
また、関数f12は、(−1,0,1)を入力とし、(0,−1,1)を出力とする。したがって、関数f12は、図17に示すように、入力bを反転関数f25=(1,1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値0について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeを入力bで駆動するように構成される。また、関数f12は、ソース論理値−1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneの直列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタne1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタne2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。そして、関数f12は、ソース論理値1について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタPE,peのいずれかを入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、この関数f12の動作は、次表10に示すとおりである。
さらに、関数f20は、(−1,0,1)を入力とし、(1,−1,0)を出力とする。したがって、関数f20は、図18に示すように、入力bを反転関数f25=(1,1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値1について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEを入力bで駆動するように構成される。また、関数f20は、ソース論理値−1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneの直列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタne1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタne2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、NEであってもよい。そして、関数f20は、ソース論理値0について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpe又はディプリーション型のp型MOSトランジスタpdのいずれかを入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、この関数f20の動作は、次表11に示すとおりである。
さらにまた、関数f21は、(−1,0,1)を入力とし、(1,−1,1)を出力とする。したがって、関数f21は、図19に示すように、入力bを反転関数f25=(1,1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値1について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEの並列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタPE1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタPE2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、peであってもよい。そして、関数f21は、ソース論理値−1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneの直列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタne1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタne2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、NEであってもよい。この関数f21の動作は、次表12に示すとおりである。
また、関数f24は、(−1,0,1)を入力とし、(1,0,1)を出力とする。したがって、関数f24は、図20に示すように、入力bを反転関数f25=(1,1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値1について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタPEの並列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタPE1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタPE2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、peであってもよい。そして、関数f24は、ソース論理値0について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのディプリーション型のn型MOSトランジスタndの直列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタnd1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタnd2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、neであってもよい。この関数f24の動作は、次表13に示すとおりである。
このように、分類3に分類された5種類の関数f11,f12,f20,f21,f24は、2段のCMOS回路によって実現することができる。
つぎに、分類3に分類された反転関数でない5種類の関数f11,f12,f20,f21,f24の相補対称回路として、分類3’に分類された5種類の関数f17,f16,f08,f07,f04の実現法について説明する。これらの関数f17,f16,f08,f07,f04は、反転関数でない関数と同様に、入力側に付加回路が必要であり、2段のCMOS回路となる。
関数f17は、(−1,0,1)を入力とし、(0,1,0)を出力とする。したがって、関数f17は、図21に示すように、入力bを反転関数f19=(1,−1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値0について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタneの並列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタne1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタne2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、ndであってもよい。そして、関数f17は、ソース論理値1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeの直列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpe1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpe2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、PEであってもよい。この関数f17の動作は、次表14に示すとおりである。
また、関数f16は、(−1,0,1)を入力とし、(0,1,−1)を出力とする。したがって、関数f16は、図22に示すように、入力bを反転関数f19=(1,−1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値0について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタne又はディプリーション型のn型MOSトランジスタndのいずれかを入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。また、関数f16は、ソース論理値1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeの直列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpe1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpe2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、PEであってもよい。そして、関数f16は、ソース論理値−1について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEを入力bで駆動することにより、実現することができる。なお、この関数f16の動作は、次表15に示すとおりである。
さらに、関数f08は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,1,0)を出力とする。したがって、関数f08は、図23に示すように、入力bを反転関数f19=(1,−1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値−1について、入力−1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEを入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。また、関数f08は、ソース論理値1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeの直列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpe1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpe2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、PEであってもよい。そして、関数f08は、ソース論理値0について、入力1である場合にオン状態となるように、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタneを入力bで駆動することにより、実現することができる。なお、この関数f08の動作は、次表16に示すとおりである。
さらにまた、関数f07は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,1,−1)を出力とする。したがって、関数f07は、図24に示すように、入力bを反転関数f19=(1,−1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値−1について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEの並列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタNE1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタNE2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、neであってもよい。そして、関数f07は、ソース論理値1について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeの直列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpe1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpe2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、PEであってもよい。この関数f07の動作は、次表17に示すとおりである。
また、関数f04は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,0,−1)を出力とする。したがって、関数f04は、図25に示すように、入力bを反転関数f19=(1,−1,−1)に通してその出力を¬bとし、ソース論理値−1について、入力−1,1である場合にオン状態となるように、2つのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタNEの並列回路を挿入し、一方のn型MOSトランジスタNE1を入力bで駆動するとともに、他方のn型MOSトランジスタNE2を入力bの反転出力¬bで駆動するように構成される。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるn型MOSトランジスタは、neであってもよい。そして、関数f04は、ソース論理値0について、入力0である場合にオン状態となるように、2つのディプリーション型のp型MOSトランジスタpdの直列回路を挿入し、一方のp型MOSトランジスタpd1を入力bで駆動するとともに、他方のp型MOSトランジスタpd2を入力bの反転出力¬bで駆動することにより、実現することができる。なお、入力bの反転出力¬bで駆動されるp型MOSトランジスタは、peであってもよい。この関数f04の動作は、次表18に示すとおりである。
このように、分類3’に分類された5種類の関数f17,f16,f08,f07,f04は、2段のCMOS回路によって実現することができる。
つぎに、分類2に分類された6種類の関数f02,f03,f05,f09,f15,f18の実現法について説明する。これらの関数f02,f03,f05,f09,f15,f18は、それぞれ、上述したように、関数f26,f25,f23,f19,f13,f10の後段にインバータを設けることによって実現することができる。
すなわち、関数f02は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,−1,0)を出力とする。したがって、関数f02は、図26に示すように、関数f26=(1,1,0)の後段にインバータf13=(0,0,−1)を設けることによって実現することができる。
また、関数f03は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,−1,1)を出力とする。したがって、関数f03は、図27に示すように、関数f25=(1,1,−1)の後段にインバータf19=(1,−1,−1)を設けることによって実現することができる。
さらに、関数f05は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,0,0)を出力とする。したがって、関数f05は、図28に示すように、関数f23=(1,0,0)の後段にインバータf13=(0,0,−1)を設けることによって実現することができる。
さらにまた、関数f09は、(−1,0,1)を入力とし、(−1,1,1)を出力とする。したがって、関数f09は、図29に示すように、関数f19=(1,−1,−1)の後段にインバータf25=(1,1,−1)を設けることによって実現することができる。
また、関数f15は、(−1,0,1)を入力とし、(0,0,1)を出力とする。したがって、関数f15は、図30に示すように、関数f13=(0,0,−1)の後段にインバータf23=(1,0,0)を設けることによって実現することができる。
さらに、関数f18は、(−1,0,1)を入力とし、(0,1,1)を出力とする。したがって、関数f18は、図31に示すように、関数f10=(0,−1,−1)の後段にインバータf23=(1,0,0)を設けることによって実現することができる。
このように、分類2に分類された6種類の関数f02,f03,f05,f09,f15,f18は、相補対称回路とインバータとによって実現することができる。
さて、以下では、このような一変数三値論理関数を用いた二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路の具体的構成について説明する。先に図1に示した三値論理関数回路としては、具体的には図32に示すようなものを構成することができる。
すなわち、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT1の制御端子C−T1に接続される一変数三値論理関数回路C1として、先に図11に示した関数f19を用いるとともに、トランスファーゲートT1の制御端子D−T1に接続される一変数三値論理関数回路D1として、先に図29に示した関数f09を用いればよい。また、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT2の制御端子C−T2に接続される一変数三値論理関数回路C2として、先に図24に示した関数f07を用いるとともに、トランスファーゲートT2の制御端子D−T2に接続される一変数三値論理関数回路D2として、先に図19に示した関数f21を用いればよい。さらに、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT3の制御端子C−T3に接続される一変数三値論理関数回路C3として、先に図27に示した関数f03を用いるとともに、トランスファーゲートT3の制御端子D−T3に接続される一変数三値論理関数回路D3として、先に図14に示した関数f25を用いればよい。
ここで、この三値論理関数回路において、関数f09として構成される一変数三値論理関数回路D1は、上述したように、関数f19の後段にインバータf25を設けたものであることから、一変数三値論理関数回路C1の出力をインバータf25に接続すれば実現することができる。同様に、この三値論理関数回路において、関数f03として構成される一変数三値論理関数回路C3は、上述したように、関数f25の後段にインバータf19を設けたものであることから、一変数三値論理関数回路D3の出力をインバータf19に接続すれば実現することができる。したがって、三値論理関数回路は、図33に示すように簡略化することができる。
すなわち、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT1の制御端子C−T1に接続される一変数三値論理関数回路C1として、先に図11に示した関数f19を用いるとともに、この一変数三値論理関数回路C1の後段に一変数三値論理関数回路D1’としての先に図14に示した関数f25を接続し、これをトランスファーゲートT1の制御端子D−T1に接続する。また、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT3の制御端子D−T3に接続される一変数三値論理関数回路D3として、先に図14に示した関数f25を用いるとともに、この一変数三値論理関数回路D3の後段に一変数三値論理関数回路C3’としての先に図11に示した関数f19を接続し、これをトランスファーゲートT3の制御端子C−T3に接続する。
このような三値論理関数回路においては、図32に示した構成に比べ、必要な素子数を4つ減らすことができる。また、この三値論理関数回路においては、後述するように、任意の入力パターンに対して遅延時間を等しくすることができる。
また、図33に示す三値論理関数回路は、さらに簡略化することもできる。図33に示す三値論理関数回路において、関数f07として構成される一変数三値論理関数回路C2は、関数f21の後段にインバータf25を設けたものであることから、一変数三値論理関数回路D2の出力をインバータf25,f19のいずれかを接続すれば実現することができる。
したがって、この三値論理関数回路においては、図34に示すように、トランスファーゲートT2の制御端子D−T2に接続される一変数三値論理関数回路D2として、先に図19に示した関数f21を用いるとともに、この一変数三値論理関数回路D2の後段に一変数三値論理関数回路C2’としての先に図14に示した関数f25を接続し、これをトランスファーゲートT2の制御端子C−T2に接続する。なお、三値論理関数回路においては、一変数三値論理関数回路C2’としての関数f25の代わりに、一変数三値論理関数回路C2’’としての先に図11に示した関数f19を接続してもよい。
このような三値論理関数回路においては、図33に示した構成に比べ、必要な素子数をさらに4つ減らすことができる。
このように、三値論理関数回路においては、使用する関数の相補対称性を利用して、回路の簡略化を図ることができる。
また、論理演算を行うにあたっては、入力に対する出力が同一となる一変数三値論理関数を用い、縮退した演算を行う場合が多々ある。すなわち、上表1に示した二変数三値論理関数において、同一の要素からなる行又は列が存在するような関数に基づいた演算を行う場合がある。三値論理関数回路においては、このような縮退した二変数三値論理演算についても対応することができる。
まず、上表1に示した二変数三値論理関数において、入力a=−1に対する出力(p,q,r)と、入力a=0に対する出力(s,t,u)とが等しいとき、すなわち、(p,q,r)=(s,t,u)であるとき、上表1は、次表19に示すようになる。
このような縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路は、図32に示した構成を変形し、図35に示すように構成することができる。
すなわち、この三値論理関数回路においては、図32に示した3つのトランスファーゲートT1,T2,T3のうち、入力a=−1に対して一変数三値論理関数回路B1=(p,q,r)を出力するトランスファーゲートT1と、入力a=0に対して一変数三値論理関数回路B2=(s,t,u)を出力するトランスファーゲートT2とのそれぞれの役割を統合して1つのトランスファーゲートT12とする。そして、この三値論理関数回路においては、一変数三値論理関数回路C1,C2の論理和をとった一変数三値論理関数回路C12をトランスファーゲートT12の一方の制御端子C−T12に接続するとともに、一変数三値論理関数回路D1,D2の論理積をとった一変数三値論理関数回路D12を当該トランスファーゲートT12の他方の制御端子D−T12に接続する。ここで、一変数三値論理関数回路C12は、関数f25=(1,1,−1)として構成され、一変数三値論理関数回路D12は、関数f25と相補対称な関数f03=(−1,−1,1)として構成される。
また、この三値論理関数回路において、残りの一変数三値論理関数回路B3が接続されるトランスファーゲートT3の制御端子C−T3,D−T3に供給される制御信号は、それぞれ、(−1,−1,1)及び(1,1,−1)であるが、これらは、関数f03,f25に他ならない。そのため、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT12の制御端子D−T12に入力される制御信号をトランスファーゲートT3の制御端子C−T3に入力するとともに、トランスファーゲートT12の制御端子C−T12に入力される制御信号をトランスファーゲートT3の制御端子D−T3に入力する。
このように、(p,q,r)=(s,t,u)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路を構成することができる。
つぎに、上表1に示した二変数三値論理関数において、入力a=0に対する出力(s,t,u)と、入力a=1に対する出力(x,y,z)とが等しいとき、すなわち、(s,t,u)=(x,y,z)であるとき、上表1は、次表20に示すようになる。
このような縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路は、図32に示した構成を変形し、図36に示すように構成することができる。
すなわち、この三値論理関数回路においては、図32に示した3つのトランスファーゲートT1,T2,T3のうち、入力a=0に対して一変数三値論理関数回路B2=(s,t,u)を出力するトランスファーゲートT2と、入力a=1に対して一変数三値論理関数回路B3=(x,y,z)を出力するトランスファーゲートT3とのそれぞれの役割を統合して1つのトランスファーゲートT23とする。そして、この三値論理関数回路においては、一変数三値論理関数回路C2,C3の論理和をとった一変数三値論理関数回路C23をトランスファーゲートT23の一方の制御端子C−T23に接続するとともに、一変数三値論理関数回路D2,D3の論理積をとった一変数三値論理関数回路D23を当該トランスファーゲートT23の他方の制御端子D−T23に接続する。ここで、一変数三値論理関数回路C23は、関数f09=(−1,1,1)として構成され、一変数三値論理関数回路D23は、関数f09と相補対称な関数f19=(1,−1,−1)として構成される。
また、この三値論理関数回路において、残りの一変数三値論理関数回路B1が接続されるトランスファーゲートT1の制御端子C−T1,D−T1に供給される制御信号は、それぞれ、(1,−1,−1)及び(−1,1,1)であるが、これらは、関数f19,f09に他ならない。そのため、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT23の制御端子D−T23に入力される制御信号をトランスファーゲートT1の制御端子C−T1に入力するとともに、トランスファーゲートT23の制御端子C−T23に入力される制御信号をトランスファーゲートT1の制御端子D−T1に入力する。
このように、(s,t,u)=(x,y,z)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路を構成することができる。
つぎに、上表1に示した二変数三値論理関数において、入力a=1に対する出力(x,y,z)と、入力a=−1に対する出力(p,q,r)とが等しいとき、すなわち、(x,y,z)=(p,q,r)であるとき、上表1は、次表21に示すようになる。
このような縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路は、図32に示した構成を変形し、図37に示すように構成することができる。
すなわち、この三値論理関数回路においては、図32に示した3つのトランスファーゲートT1,T2,T3のうち、入力a=1に対して一変数三値論理関数回路B3=(x,y,z)を出力するトランスファーゲートT3と、入力a=−1に対して一変数三値論理関数回路B1=(p,q,r)を出力するトランスファーゲートT1とのそれぞれの役割を統合して1つのトランスファーゲートT31とする。そして、この三値論理関数回路においては、一変数三値論理関数回路C3,C1の論理和をとった一変数三値論理関数回路C31をトランスファーゲートT31の一方の制御端子C−T31に接続するとともに、一変数三値論理関数回路D3,D1の論理積をとった一変数三値論理関数回路D31を当該トランスファーゲートT31の他方の制御端子D−T31に接続する。ここで、一変数三値論理関数回路C31は、関数f21=(1,−1,1)として構成され、一変数三値論理関数回路D31は、関数f21と相補対称な関数f07=(−1,1,−1)として構成される。
また、この三値論理関数回路において、残りの一変数三値論理関数回路B2が接続されるトランスファーゲートT2の制御端子C−T2,D−T2に供給される制御信号は、それぞれ、(−1,1,−1)及び(1,−1,1)であるが、これらは、関数f07,f21に他ならない。そのため、この三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT31の制御端子D−T31に入力される制御信号をトランスファーゲートT2の制御端子C−T2に入力するとともに、トランスファーゲートT31の制御端子C−T31に入力される制御信号をトランスファーゲートT2の制御端子D−T2に入力する。
このように、(x,y,z)=(p,q,r)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路を構成することができる。
以上のような縮退した三値論理関数回路は、図38に示すように一般化して表現することができる。
まず、一方の入力bの論理値−1,0,1に応じて出力を得る3つの一変数三値論理関数回路B1,B2,B3のいずれか2つが同一である場合には、これら同一の一変数三値論理関数回路Bi,Bjを1つに統合して一変数三値論理関数回路Bijとし、残りの一変数三値論理関数回路をBkとする。
続いて、他方の入力aの論理値−1,0,1に応じて、導通状態になる3つのトランスファーゲートT1,T2,T3のうち、一変数三値論理関数回路Bi,Bjに接続するトランスファーゲートTi,Tjを1つに統合してトランスファーゲートTijとし、このトランスファーゲートTijを統合した一変数三値論理関数回路Bijと接続する。また、残りの一変数三値論理関数回路Bkに接続するトランスファーゲートをTkとし、トランスファーゲートTijの2つの制御端子をC−Tij,D−Tijとするとともに、トランスファーゲートTkの2つの制御端子をC−Tk,D−Tkとする。
さらに、統合したトランスファーゲートTijの制御端子C−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Ci,Cjの論理和をとったCijとするとともに、制御端子D−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Di,Djの論理積をとったDijとする。
そして、残りのトランスファーゲートTkの一方の制御端子C−Tkを、一変数三値論理関数回路Dijの出力に接続するとともに、他方の制御端子D−Tkを、一変数三値論理関数回路Cijの出力に接続する。
このようにすることにより、図38に示すような一般化した縮退した三値論理関数回路を構成することができる。
なお、このような縮退した三値論理関数回路についても簡略化することができる。
すなわち、図38に示した構成において、入力bに接続される一変数三値論理関数回路Bij,Bkが相補対称な関係にあり、トランスファーゲートTijの制御端子T−Cij,T−Dijに接続される一変数三値論理関数回路Cij,Dijの出力が相補対称な関係にあることに着目すると、一変数三値論理関数回路Dij,Cijのいずれかの代わりに、一変数三値論理関数回路Cij,Dijのいずれかの反転回路を用いればよいことがわかる。したがって、縮退した三値論理関数回路は、図39又は図40に示すように簡略化することができる。
まず、一変数三値論理関数回路Cijを残す構成の場合には、図39に示すように、統合したトランスファーゲートTijの制御端子C−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Ci,Cjの論理和をとったCijとするとともに、制御端子D−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Cijの出力を反転するインバータD’ij(=f25)とする。
そして、残りのトランスファーゲートTkの一方の制御端子C−Tkを、インバータD’ijの出力に接続するとともに、他方の制御端子D−Tkを、一変数三値論理関数回路Cijの出力に接続する。
一方、一変数三値論理関数回路Dijを残す構成の場合には、図40に示すように、統合したトランスファーゲートTijの制御端子D−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Di,Djの論理積をとったDijとするとともに、制御端子C−Tijに接続される一変数三値論理関数回路を、一変数三値論理関数回路Dijの出力を反転するインバータC’’ij(=f25)とする。
そして、残りのトランスファーゲートTkの一方の制御端子C−Tkを、一変数三値論理関数回路Dijの出力に接続するとともに、他方の制御端子D−Tkを、インバータC’’ijの出力に接続する。
このように、縮退した三値論理関数回路を簡略化して構成することができる。
さて、以上のように、複数の一変数三値論理関数回路と3つのトランスファーゲートとを用いた全ての二変数三値論理関数を実現する三値論理関数回路の構成について説明したが、かかる三値論理関数回路は、n型MOSトランジスタ及びp型MOSトランジスタを双方とも用いながらも、立ち上がりスイッチング時間と立ち下がりスイッチング時間とを対称とする構成が可能である。以下、これについて説明する。
まず、実現しなければならない上述した17種類の一変数三値論理関数回路のうち、7種類の反転回路f10,f13,f19,f22,f23,f25,f26について説明する。
これらの反転回路は、三値インバータである関数f22を除き、いずれもn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのソース端子が、それぞれ、異なる2つのソース論理、すなわち、異なる2つの電源に接続されるとともに、ドレイン端子が結合されて出力端子となっており、二値のCMOSインバータと同様の構造をしている。
ここで、スイッチング時間の非対称性は、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのキャリア移動度の差に起因することが知られている。二値のCMOSインバータにおいては、これらn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのキャリア移動度の差によるスイッチング時間の非対称性を補償するように、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのそれぞれのチャンネルを形成するゲートの幅を調整し、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとの導通時の抵抗(オン抵抗)を等しくすることにより、立ち上がりのスイッチング時間と立ち下がりのスイッチング時間とを等しくすることが可能である。
そこで、三値論理関数回路においても、二値の場合と同様に、関数f22の三値インバータを除く反転回路について、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのゲート幅を調整することにより、立ち上がりのスイッチング時間と立ち下がりのスイッチング時間とを等しくすることができる。
一方、関数f22の三値インバータにおいては、−1,+1の2つのソース論理値に加え、ソース論理値0に対して直列に接続されたディプリーション型のn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとが存在する。このトランジスタは、出力端子が−1又は+1であるとき、0に引き込む作用を奏する。この立ち上がり又は立ち下がり時間は、直列に接続されたディプリーション型のn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのオン抵抗に依存するが、このオン抵抗は、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとのそれぞれのゲート幅を調整することにより、設計目標値にすることが可能である。したがって、三値論理関数回路においては、反転回路f22についても、ソース論理値1,−1に接続されたn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタとの立ち上がりのスイッチング時間と立ち下がりのスイッチング時間とを等しくすることができる。
つぎに、5種類の非反転回路f11,f12,f20,f21,f24、及びその相補対称回路f17,f16,f08,f07,f04の場合に関するスイッチング時間の非対称性の除去方法について説明する。
まず、非反転回路f11,f12,f20,f21,f24は、その構成により、非反転回路f11,f21,f24と、非反転回路f12,f20とに大別される。前者は、図41に示すように、ソース論理値Aに並列に接続された2つのp型MOSトランジスタP1,P2と、ソース論理値Bに直列に接続された2つのn型MOSトランジスタN1,N2とから構成される。一方、後者は、図42に示すように、ソース論理値Aに接続されたp型MOSトランジスタP1と、ソース論理値Cに接続されたp型MOSトランジスタP2と、ソース論理値Bに直列に接続された2つのn型MOSトランジスタN1,N2とから構成される。
図41に示す前者の構成からなる非反転回路f11,f21,f24において、並列に接続されたp型MOSトランジスタのうち一方のp型MOSトランジスタP2と、直列に接続されたn型MOSトランジスタのうち一方のn型MOSトランジスタN2は、それぞれ、入力bを反転する反転回路を介して得られた反転出力¬bによって駆動されるのに対して、他方のp型MOSトランジスタP1及びn型MOSトランジスタN1は、入力bによって直接駆動される。
ここで、直列に接続されたn型MOSトランジスタN1,N2においては、n型MOSトランジスタN1が入力bによって直接駆動されたとしても、反転出力¬bによって駆動されるn型MOSトランジスタN2が遅延してオン状態とされることから、オン状態となるタイミングは、n型MOSトランジスタN2によって決定されることになる。
一方、並列に接続されたp型MOSトランジスタP1,P2においては、p型MOSトランジスタP1が入力bによって直接駆動されることから、オン状態となるタイミングは、反転回路による遅延時間だけ早くなることになる。
したがって、非反転回路f11,f21,f24においては、入力(−1,0,1)に対する出力(X,Y,X)のうち、入力−1に対する出力Xが、他の入力0,1に対する出力Y,Xよりも、反転回路による遅延時間分だけ早くなる。
そこで、これら非反転回路f11,f21,f24においては、かかる出力の非対称性を除去するために、入力bによって直接駆動されるp型MOSトランジスタP1の応答速度を遅くする。具体的には、非反転回路f11,f21,f24においては、オン抵抗を大きくすればよい。ただし、非反転回路f11,f21,f24においては、他の回路に影響を与えないために、ゲート容量を一定に保つ必要がある。
ここで、オン抵抗は、ゲート長に比例し、且つゲート幅に反比例する。一方、ゲート容量は、ゲート面積、すなわち、ゲート長とゲート幅との積に比例する。
したがって、非反転回路f11,f21,f24においては、p型MOSトランジスタP1について、ゲート面積を一定に保つことを条件として、ゲート長を長くするとともに、ゲート幅を狭くするように構成する。
これにより、非反転回路f11,f21,f24においては、スイッチング時間の非対称性を解消することができる。なお、MOSトランジスタにおける消費電力は、ゲート容量に比例する。この点、非反転回路f11,f21,f24においては、p型MOSトランジスタP1のゲート長及びゲート幅を変化させた場合であっても、ゲート容量を一定に保つことから、消費電力に変化はない。
一方、図42に示す後者の構成からなる非反転回路f12,f20において、入力bによって直接駆動されるトランジスタは、ソース論理値Aに接続されたp型MOSトラジスタP1である。非反転回路f12,f20においては、このp型MOSトラジスタP1がオン状態となるタイミングが、入力bを反転する反転回路を介して得られた反転出力¬bによって駆動されるn型MOSトラジスタN2やp型MOSトラジスタP2に比べて、当該反転回路による遅延時間分だけ早くなる。
そこで、これら非反転回路f12,f20においては、かかる出力の非対称性を除去するために、上述したように、入力bによって直接駆動されるp型MOSトランジスタP1について、ゲート面積を一定に保つことを条件として、ゲート長を長くするとともに、ゲート幅を狭くするように構成し、その応答速度を遅くする。
これにより、非反転回路f12,f20においては、スイッチング時間の非対称性を解消することができる。なお、この非反転回路f12,f20においても、p型MOSトランジスタP1のゲート容量を一定に保つことから、消費電力に変化はない。
つぎに、非反転回路f11,f12,f20,f21,f24の相補対称回路f17,f16,f08,f07,f04の場合に関するスイッチング時間の非対称性の除去方法について説明する。
相補対称回路f17,f16,f08,f07,f04は、非反転回路f11,f12,f20,f21,f24と同様に、その構成により、相補対称回路f17,f07,f04と、相補対称回路f16,f08とに大別される。前者は、先に図41に示した非反転回路f11,f21,f24と同様であり、後者は、先に図42に示した非反転回路f12,f20と同様である。したがって、これら相補対称回路f17,f16,f08,f07,f04においては、非反転回路f11,f12,f20,f21,f24と同様の方法により、立ち上がりのスイッチング時間と立ち下がりのスイッチング時間との非対称性を除去することができる。なお、これら相補対称回路f17,f16,f08,f07,f04においても、p型MOSトランジスタP1のゲート容量を一定に保つことから、消費電力に変化はない。
以上のように、三値論理関数回路においては、n型MOSトランジスタ及びp型MOSトランジスタを双方とも用いながらも、立ち上がりスイッチング時間と立ち下がりスイッチング時間とを対称とすることができる。
ところで、三値論理関数回路においては、このようにして立ち上がりのスイッチング時間と立ち下がりスイッチング時間との非称性を除去することができるが、これら立ち上がりスイッチング時間と立ち下がりスイッチング時間とが等しくなった場合であっても、入力パターンの変化によって遅延時間の差異が生じる可能性がある。
しかしながら、三値論理関数回路においては、任意の入力パターンに対して、遅延時間を等しくすることが保証することができる。以下、その理由について説明する。
まず、先に図32に示した構成からなる三値論理関数回路について説明する。
この三値論理関数回路において、トランスファーゲートT1の制御端子C−T1を駆動する一変数三値論理関数回路C1、及びトランスファーゲートT3の制御端子D−T3を駆動する一変数三値論理関数回路D3は、それぞれ、反転回路f19,f25である。これら反転回路f19,f25は、それぞれ、先に図11及び図14に示したように、1段のトランジスタの回路によって実現することができる。したがって、2段のトランジスタの回路を必要とする非反転回路やその相補対称回路よりも遅延時間が短い。
しかしながら、トランスファーゲートT2の制御端子C−T2,D−T2を駆動する一変数三値論理関数回路C2,D2は、非反転回路f21や、その相補対称回路f07であり、2段のトランジスタによって構成されることから、反転回路よりも遅延時間が大きくなる。また、トランスファーゲートT1,T3を駆動する一変数三値論理関数回路D1(=f09),C3(=f03)は、2段の反転回路、すなわち、2段のトランジスタの回路によって構成される。
結局、3つのトランスファーゲートT1,T2,T3が導通又は遮断されるタイミングは、遅延時間が大きな制御信号によって決定される。したがって、三値論理関数回路においては、これらトランスファーゲートT1,T2,T3を通過する信号の遅延時間が、入力パターンにかかわらず2段のトランジスタによって構成される回路から決定され、一定となる。
つぎに、先に図33に示した簡略化した構成からなる三値論理関数回路について説明する。
図33に示した三値論理関数回路は、図32に示した三値論理関数回路における一変数三値論理関数回路D1の代わりに、一変数三値論理関数回路C1に反転回路f25を直列接続するとともに、一変数三値論理関数回路C3の代わりに、一変数三値論理関数回路D3に反転回路f25を直列接続したものであることから、一変数三値論理関数回路D1,C3から、その共通部分である一変数三値論理関数回路C1,D3の構成を括り出したものである。
このような三値論理関数回路における動作タイミングは、図32に示した三値論理関数回路と全く同様であり、3つのトランスファーゲートT1,T2,T3を通過する信号の遅延時間が、入力パターンにかかわらず2段のトランジスタによって構成される回路から決定され、一定となる。
なお、図34に示したさらに簡略化した構成からなる三値論理関数回路においては、トランスファーゲートT2の一方の制御端子T−C2が、反転回路f21である一変数三値論理関数回路D2に反転回路f25を直列接続した回路を通過した信号によって駆動している。この構成は、3段のトランジスタの構成となり、トランスファーゲートT2を通過する信号が他のトランスファーゲートT1,T3を通過する信号よりも遅くなり、遅延時間を一定にすることは保証することができない。
ただし、この構成は、上述したように、図33に示した構成に比べ、必要なトランジスタ数を12個から8個へと4つ減らすことができ、小型化を図る目的を重視する場合には有効である。
以上説明したように、本発明の実施の形態として示す三値論理関数回路は、3つのトランスファーゲートT1,T2,T3と、これらトランスファーゲートT1,T2,T3を導通又は遮断する複数の一変数三値論理関数回路とを用いて構成される。このような三値論理関数回路における動作について、先に図33に示した構成を用いて説明すると、以下のようになる。
まず、三値論理関数回路においては、入力aが−1である場合には、一変数三値論理関数回路C1によって1を出力し、その出力を反転する一変数三値論理関数回路D1’によって出力−1を得る。また、この三値論理関数回路においては、一変数三値論理関数回路C2,D3によって−1を出力し、その出力を反転する一変数三値論理関数回路D2,C3’によって出力−1を得る。一変数三値論理関数回路C1の出力と一変数三値論理関数回路D1’の出力は、トランスファーゲートT1を導通状態にする一方で、一変数三値論理関数回路C2,D3の出力と一変数三値論理関数回路D2,C3’の出力は、トランスファーゲートT2,T3を遮断状態にし、入力bに接続される一変数三値論理関数回路B1=(p,q,r)の出力を選択する。
したがって、この三値論理関数回路の出力Yは、入力bの値−1,0,1に応じて、p,q,rとなる。
また、三値論理関数回路においては、入力aが0である場合には、一変数三値論理関数回路C2によって1を出力し、その信号と相補対称な出力を得る一変数三値論理関数回路D2によって−1を出力する。これら一変数三値論理関数回路C2の出力と一変数三値論理関数回路D2の出力は、トランスファーゲートT2を導通状態にし、入力bに接続される一変数三値論理関数回路B2=(s,t,u)の出力を選択する。
したがって、この三値論理関数回路の出力Yは、入力bの値−1,0,1に応じて、s,t,uとなる。
さらに、三値論理関数回路においては、入力aが1である場合には、一変数三値論理関数回路D3によって−1を出力し、その信号を反転する一変数三値論理関数回路C3’によって1を出力する。これら一変数三値論理関数回路D3の出力と一変数三値論理関数回路C3’の出力は、トランスファーゲートT3を導通状態にし、入力bに接続される一変数三値論理関数回路B3=(x,y,z)の出力を選択する。
したがって、この三値論理関数回路の出力Yは、入力bの値−1,0,1に応じて、x,y,zとなる。
これにより、三値論理関数回路においては、上表1に示した全ての二変数三値論理関数を実現可能であることが示された。
このように、三値論理関数回路においては、33^2=19683種類存在する全ての二変数三値論理関数回路を個別に実現する必要がなく、3つのトランスファーゲートT1,T2,T3と、その制御端子に接続される4種類の一変数三値論理関数回路f19,f25,f07,f21と、3つの任意の一変数三値論理関数B1,B2,B3とによって構成することができる。
ここで、任意の一変数三値論理関数回路は、上表8に示したように、27種類のうち、7種類の反転回路f10,f13,f19,f22,f23,f25,f26、5種類の非反転回路f11,f12,f20,f21,f24、及びこれらの相補対称回路f04,f07,f08,f16,f17の合計17種類のみを実現すればよい。
また、関数f02,f03,f05,f09,f15,f18は、それぞれ、関数f26,f13の直列接続、関数f25,f19の直列接続、関数f23,f13の直列接続、関数f19,f25の直列接続、関数f13,f23の直列接続、関数f10,f23の直列接続によって実現することができる。
なお、27種類の一変数三値論理関数回路のうち、関数f01は、恒等的に−1であり、関数f14は、恒等的に0であり、関数f27は、恒等的に1であり、関数f06は、入力がそのまま出力となることから、これら4種類については特に実現する必要がない。
以上のように、三値論理関数回路においては、全ての二変数三値論理関数を、3つのトランスファーゲートT1,T2,T3と、17種類の一変数三値論理関数回路とによって組織的に実現することができる。
これら17種類の一変数三値論理関数回路は、スイッチング動作時以外は、全てのトランジスタがオフ状態となり、電流が流れないことから、通常のCMOS二値論理関数回路と同様に、消費電力を極めて小さくすることができる。
なお、0.1μmCMOSテクノロジによる実現を仮定し、論理値1には0.3ボルトを対応させ、論理値0には0ボルトを対応させ、論理値−1には−0.3ボルトを対応させた場合におけるエンハンスメント型及びディプリーション型の各MOSトランジスタのチャンネルドープ量を求めると、次表22に示すようになった。
このように、上述した各MOSトランジスタは、現実に実現可能であり、三値論理関数回路を十分に実現することが可能である。
また、三値論理関数回路においては、全ての三値論理素子を一変数三値論理関数回路とトランスファーゲートとのみを用いて構成することができることから、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
実際に、このスイッチング時間の非対称性の除去効果について、次表23に示す対称三値加算回路(キャリーなし)によって示す。
まず、図43に、比較対象として、特表2002−517937号公報に記載された発明を用いて構成した加算回路を示す。すなわち、この加算回路は、ソース論理値−1,0,1のそれぞれが入力される3つの回路P,Q,Rを直列に接続し、この回路に対して、入力a,b、入力a,bを関数f19=(1,−1,−1)によって反転した出力、及び入力a,bを関数f25=(1,1,−1)によって反転した出力を与え、3つの回路P,Q,Rの出力をワイヤードオアすることによって出力a+bを得るものである。
この加算回路において、回路Pは、図44に示すように、エンハンスメント型の2つのn型MOSトランジスタneと1つのn型MOSトランジスタNEとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型の1つのn型MOSトランジスタNEと2つのn型MOSトランジスタneとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型の2つのn型MOSトランジスタNEを直列に接続した回路とを、並列に接続して構成される。また、回路Qは、図45に示すように、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeとn型MOSトランジスタneとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型のp型MOSトランジスタpeと2つのn型MOSトランジスタneとp型MOSトランジスタpeとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型のn型MOSトランジスタneとp型MOSトランジスタpeとを直列に接続した回路とを、並列に接続して構成される。さらに、回路Rは、図46に示すように、エンハンスメント型の2つのp型MOSトランジスタpeと1つのp型MOSトランジスタPEとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型の1つのp型MOSトランジスタPEと2つのp型MOSトランジスタpeとを直列に接続した回路と、エンハンスメント型の2つのp型MOSトランジスタPEを直列に接続した回路とを、並列に接続して構成される。
これに対して、本発明の実施の形態として示す三値論理関数回路による加算回路は、図43に示す加算回路と同様に32個のトランジスタを用いて構成すると、図47に示すようになる。すなわち、この加算回路は、先に図34に示した回路における一変数三値論理関数回路C1として関数f19=(1,−1,−1)を用い、一変数三値論理関数回路D1’として関数f25=(1,1,−1)を用い、一変数三値論理関数回路C2’として関数f25=(1,1,−1)を用い、一変数三値論理関数回路D2として関数f21=(1,−1,1)を用い、一変数三値論理関数回路C3’として関数f19=(1,−1,−1)を用い、一変数三値論理関数回路D3として関数f25=(1,1,−1)を用い、さらに、一変数三値論理関数回路B1=(1,−1,0)を設けるとともに、一変数三値論理関数回路B3=(0,1,−1)を設け、一変数三値論理関数回路B2は設けない構成とされる。
このような2つの加算回路に対して、回路シミュレータによって図48に示すようなパターンからなる入力a,bを与えたときの出力波形を求めた。この結果、図43に示す加算回路の出力波形は、図49に示すようになり、図47に示す加算回路の出力波形は、図50に示すようになった。なお、図48に示す波形において、実線は、1,1,−1,−1,0,0のパターンからなる入力aを示し、破線は、1,−1,0,−1,0,1のパターンからなる入力bを示している。
この結果から明らかなように、従来の加算回路は、図49に示すように、立ち上がり及び立ち下がり双方とも、スイッチング時間が大きく非対称となるのに対して、本発明の実施の形態として示す三値論理関数回路による加算回路は、図50に示すように、立ち上がり及び立ち下がり双方とも、スイッチング時間が略対称となることがわかる。
このように、本発明の実施の形態として示す三値論理関数回路においては、立ち上がり及び立ち下がりのスイッチング時間の非対称性を著しく小さくすることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、二変数三値論理演算を行うものとして説明したが、本発明は、二変数多値論理演算を行う場合にも容易に適用することができる。
一例として、次表24に示す二変数五値論理関数を実現する五値論理関数回路について、図51を用いて説明する。
この五値論理関数回路は、図51に示すように、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとから構成された5つのトランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5を備える。すなわち、この五値論理関数回路は、入力に応じて導通又は遮断する5つのトランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5を導通又は遮断することにより、出力端子Yから出力される値が決定される。具体的には、五値論理関数回路は、トランスファーゲートT1によって入力a=−2に対する出力を選択し、トランスファーゲートT2によって入力a=−1に対する出力を選択し、トランスファーゲートT3によって入力a=0に対する出力を選択し、トランスファーゲートT4によって入力a=1に対する出力を選択し、トランスファーゲートT5によって入力a=2に対する出力を選択するように構成される。
トランスファーゲートT1の2つの制御端子C−T1,D−T1には、それぞれ、入力a=(−2,−1,0,1,2)に対して出力(2,−2,−2,−2,−2)を得る一変数五値論理関数回路C1と、これと相補対称な一変数五値論理関数回路D1とが接続される。また、トランスファーゲートT2の2つの制御端子C−T2,D−T2には、それぞれ、入力a=(−2,−1,0,1,2)に対して出力(−2,2,−2,−2,−2)を得る一変数五値論理関数回路C2と、これと相補対称な一変数五値論理関数回路D2とが接続される。さらに、トランスファーゲートT3の2つの制御端子C−T3,D−T3には、それぞれ、入力a=(−2,−1,0,1,2)に対して出力(−2,−2,2,−2,−2)を得る一変数五値論理関数回路C3と、これと相補対称な一変数五値論理関数回路D3とが接続される。さらにまた、トランスファーゲートT4の2つの制御端子C−T4,D−T4には、それぞれ、入力a=(−2,−1,0,1,2)に対して出力(−2,−2,−2,2,−2)を得る一変数五値論理関数回路C4と、これと相補対称な一変数五値論理関数回路D4とが接続される。また、トランスファーゲートT5の2つの制御端子C−T5,D−T5には、それぞれ、入力a=(−2,−1,0,1,2)に対して出力(−2,−2,−2,−2,2)を得る一変数五値論理関数回路C5と、これと相補対称な一変数五値論理関数回路D5とが接続される。
また、トランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5の入力端子X−T1,X−T2,X−T3,X−T4,X−T5には、それぞれ、入力bに対して出力を得る一変数五値論理関数回路B1,B2,B3,B4,B5が接続され、これらトランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5の出力端子Y−T1,Y−T2,Y−T3,Y−T4,Y−T5は、当該五値論理関数回路の出力端子Yとしてワイヤードオア接続される。
ここで、一変数五値論理関数回路B1,B2,B3,B4,B5は、それぞれ、入力b=(−2,−1,0,1,2)に対して、(p1,q1,r1,s1,t1)、(p2,q2,r2,s2,t2)、(p3,q3,r3,s3,t3)、(p4,q4,r4,s4,t4)、(p5,q5,r5,s5,t5)を与えるのものとする。ただし、pi,qi,ri,si,ti(1≦i≦5)は、それぞれ、−2,−1,0,1,2のいずれかの値をとるものである。
このように、五値論理関数回路は、入力に応じて導通又は遮断する5つのトランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5と、これらトランスファーゲートT1,T2,T3,T4,T5の導通又は遮断を制御する10個の一変数五値論理関数回路C1,D1,C2,D2,C3,D3,C4,D4,C5,D5とを用いることにより、二変数五値論理関数を実現することができる。
勿論、このような多値論理関数回路の構成法は、一般の二変数N値論理関数への拡張も容易に行うことが可能である。
まず、Nが奇数の場合について説明する。ここで、m=(N−1)/2とおく。この多値論理関数回路は、p型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとから構成されたN個のトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNを備える。これらトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNの制御端子C−T1,D−T1,C−T2,D−T2,C−T3,D−T3,・・・,C−TN,D−TNには、それぞれ、入力a=(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、1≦i≦Nなるiについて、i番目の論理値に対してのみmを出力し、他の論理値に対しては−mを出力する一変数N値論理関数回路Ciと、これと相補対称な一変数N値論理関数回路Diとが接続される。
また、トランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNの入力端子X−T1,X−T2,X−T3,・・・,X−TNには、それぞれ、入力bに対して出力を得る一変数N値論理関数回路B1,B2,B3,・・・,BNが接続され、これらトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNの出力端子Y−T1,Y−T2,Y−T3,・・・,Y−TNは、当該多値論理関数回路の出力端子Yとしてワイヤードオア接続される。
一方、Nが偶数の場合には、m=N/2とおく。そして、この多値論理関数回路においては、N個のトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNの制御端子C−T1,D−T1,C−T2,D−T2,C−T3,D−T3,・・・,C−TN,D−TNのそれぞれに接続される一変数N値論理関数回路Ciとして、入力a=(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、1≦i≦Nなるiについて、i番目の論理値に対してのみmを出力し、他の論理値に対しては−mを出力するものを用いるとともに、これと相補対称な一変数N値論理関数回路Diを用いればよい。
このように、本発明は、入力に応じて導通又は遮断するN個のトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNと、これらトランスファーゲートT1,T2,T3,・・・,TNの導通又は遮断を制御する2N個の一変数N値論理関数回路C1,D1,C2,D2,C3,D3,・・・,CN,DNとを用いることにより、任意の二変数N値論理関数を実現することができる。
また、上述した実施の形態では、加算回路に適用した例について説明したが、本発明は、これ以外の回路にも適用可能であることは勿論であり、いわゆる公開鍵暗号化を行うためのハードウェアや大規模乗算器等に適用して好適である。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の形態として示す三値論理関数回路の構成を説明する図である。 同三値論理関数回路におけるトランスファーゲートの構成を説明する図である。 ソース論理値1である場合におけるスイッチの構成を説明する図である。 ソース論理値0である場合におけるスイッチの構成を説明する図である。 ソース論理値−1である場合におけるスイッチの構成を説明する図である。 ソース論理値−1である場合にオン状態となる閾値電圧が1.5ボルトのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値−1である場合にオン状態となる閾値電圧が0.5ボルトのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値1である場合にオン状態となる閾値電圧が−1.5ボルトのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値1である場合にオン状態となる閾値電圧が−0.5ボルトのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値0である場合にオン状態となる閾値電圧が0.5ボルトのエンハンスメント型のn型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値0である場合にオン状態となる閾値電圧が−0.5ボルトのエンハンスメント型のp型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 ソース論理値0である場合にオン状態となる閾値電圧が−0.5ボルト又は0.5ボルトのディプリーション型のn型MOSトランジスタ又はp型MOSトランジスタの構成を説明する図である。 入力0である場合にのみ出力0を出力する構成を説明する図である。 入力−1,1のいずれの場合にも出力0を出力する構成を説明する図である。 関数f10を実現する回路構成を説明する図である。 関数f13を実現する回路構成を説明する図である。 関数f19を実現する回路構成を説明する図である。 関数f22を実現する回路構成を説明する図である。 関数f23を実現する回路構成を説明する図である。 関数f25を実現する回路構成を説明する図である。 関数f26を実現する回路構成を説明する図である。 関数f11を実現する回路構成を説明する図である。 関数f12を実現する回路構成を説明する図である。 関数f20を実現する回路構成を説明する図である。 関数f21を実現する回路構成を説明する図である。 関数f24を実現する回路構成を説明する図である。 関数f17を実現する回路構成を説明する図である。 関数f16を実現する回路構成を説明する図である。 関数f08を実現する回路構成を説明する図である。 関数f07を実現する回路構成を説明する図である。 関数f04を実現する回路構成を説明する図である。 関数f02を実現する回路構成を説明する図である。 関数f03を実現する回路構成を説明する図である。 関数f05を実現する回路構成を説明する図である。 関数f09を実現する回路構成を説明する図である。 関数f15を実現する回路構成を説明する図である。 関数f18を実現する回路構成を説明する図である。 図1に示す三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 図32に示す構成を簡略化した三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 図33に示す構成を簡略化した三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 (p,q,r)=(s,t,u)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 (s,t,u)=(x,y,z)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 (x,y,z)=(p,q,r)である縮退した二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路の具体的構成を説明する図である。 縮退した三値論理関数回路の一般化した構成を説明する図である。 図38に示す構成を簡略化した三値論理関数回路の構成を説明する図である。 図38に示す構成を簡略化した三値論理関数回路の構成を説明する図であって、図39に示す構成とは異なる構成について説明する図である。 非反転回路の構成を説明する図である。 非反転回路の構成を説明する図であって、図41に示す構成とは異なる構成について説明する図である。 従来の三値論理関数回路を用いて構成した加算回路の構成を説明する図である。 図43に示す回路Pの構成を説明する図である。 図43に示す回路Qの構成を説明する図である。 図43に示す回路Rの構成を説明する図である。 図34に示す三値論理関数回路を用いて構成した加算回路の構成を説明する図である。 図43及び図47に示す加算回路に対して実験的に与えた入力a,bの波形を説明する図である。 図43に示す加算回路に対して図48に示す入力を与えたときの出力波形を説明する図である。 図47に示す加算回路に対して図48に示す入力を与えたときの出力波形を説明する図である。 本発明の実施の形態として示す五値論理関数回路の構成を説明する図である。 従来の三値論理関数回路の構成を説明する図である。
符号の説明
B1,B2,B3,C1,C2,C3,D1,D2,D3 一変数三値論理関数回路
C−T1,C−T2,C−T3,D−T1,D−T2,D−T3 制御端子
T1,T2,T3 トランスファーゲート
X−T1,X−T2,X−T3 入力端子
Y,Y−T1,Y−T2,Y−T3 出力端子
nd,ne,ne0,NE n型MOSトランジスタ
pd,pe,pe0,PE p型MOSトランジスタ

Claims (10)

  1. 二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路であって、
    第1の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて導通状態になる第1のトランスファーゲートと、
    前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて導通状態になる第2のトランスファーゲートと、
    前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて導通状態になる第3のトランスファーゲートと、
    前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第1の出力を得る第1の一変数三値論理関数回路と、
    前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第1の出力と相補対称な第2の出力を得る第2の一変数三値論理関数回路と、
    前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第3の出力を得る第3の一変数三値論理関数回路と、
    前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第3の出力と相補対称な第4の出力を得る第4の一変数三値論理関数回路と、
    前記第3のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第5の出力を得る第5の一変数三値論理関数回路と、
    前記第3のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第5の出力と相補対称な第6の出力を得る第6の一変数三値論理関数回路と、
    前記第1のトランスファーゲートの入力端子に接続され、第2の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて第7の出力を得る第7の一変数三値論理関数回路と、
    前記第2のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて第8の出力を得る第8の一変数三値論理関数回路と、
    前記第3のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて第9の出力を得る第9の一変数三値論理関数回路とを備え、
    前記第1乃至第3のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていること
    を特徴とする三値論理関数回路。
  2. 前記第1のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値−1に応じて導通状態になるものであり、
    前記第2のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値0に応じて導通状態になるものであり、
    前記第3のトランスファーゲートは、前記第1の入力を構成する3つの論理値−1,0,1のうち論理値1に応じて導通状態になるものであり、
    前記第1の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,−1)を得るものであり、
    前記第2の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,1,1)を得るものであり、
    前記第3の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,1,−1)を得るものであり、
    前記第4の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,1)を得るものであり、
    前記第5の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(−1,−1,1)を得るものであり、
    前記第6の一変数三値論理関数回路は、前記第1の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,−1)を得るものであること
    を特徴とする請求項1記載の三値論理関数回路。
  3. 前記第2の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続されて前記第1の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えること
    を特徴とする請求項1記載の三値論理関数回路。
  4. 前記第5の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第3のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第6の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項3記載の三値論理関数回路。
  5. 前記第3の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第4の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えること
    を特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4記載の三値論理関数回路。
  6. 前記第7乃至第9の一変数三値論理関数回路は、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,−1)を得る第1の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,0,−1)を得る第2の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,−1)を得る第3の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,−1)を得る第4の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,0)を得る第5の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,−1)を得る第6の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,1,0)を得る第7の反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,0)を得る第1の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(0,−1,1)を得る第2の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,0)を得る第3の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,−1,1)を得る第4の非反転回路、前記第2の入力(−1,0,1)に対して出力(1,0,1)を得る第5の非反転回路、前記第1の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第1の相補対称回路、前記第2の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第2の相補対称回路、前記第3の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第3の相補対称回路、前記第4の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第4の相補対称回路、及び前記第5の非反転回路の出力と相補対称な出力を得る第5の相補対称回路のうち、いずれかであること
    を特徴とする請求項2乃至請求項5のうちいずれか1項記載の三値論理関数回路。
  7. 二変数三値論理演算を行う三値論理関数回路であって、
    第1の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値及び第2の論理値のいずれかに応じて導通状態になる第1のトランスファーゲートと、
    前記第1の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて導通状態になる第2のトランスファーゲートと、
    前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して第1の出力を得る第1の一変数三値論理関数回路と前記第1の入力に対して第2の出力を得る第2の一変数三値論理関数回路との論理和をとった第3の一変数三値論理関数回路と、
    前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続され、前記第1の入力に対して前記第1の出力と相補対称な第3の出力を得る第4の一変数三値論理関数回路と前記第1の入力に対して前記第2の出力と相補対称な第4の出力を得る第5の一変数三値論理関数回路との論理積をとった第6の一変数三値論理関数回路と、
    前記第1のトランスファーゲートの入力端子に接続され、第2の入力を構成する3つの論理値のうち第1の論理値に応じて第5の出力を得る第7の一変数三値論理関数回路と前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第2の論理値に応じて第6の出力を得る第8の一変数三値論理関数回路とを統合した第9の一変数三値論理関数回路と、
    前記第2のトランスファーゲートの入力端子に接続され、前記第2の入力を構成する3つの論理値のうち第3の論理値に応じて第7の出力を得る第10の一変数三値論理関数回路とを備え、
    前記第1及び第2のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていること
    を特徴とする三値論理関数回路。
  8. 前記第6の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの他方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの一方の制御端子に接続されて前記第3の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えること
    を特徴とする請求項7記載の三値論理関数回路。
  9. 前記第3の一変数三値論理関数回路の代わりに、前記第1のトランスファーゲートの一方の制御端子及び前記第2のトランスファーゲートの他方の制御端子に接続されて前記第6の一変数三値論理関数回路の出力を反転するインバータを備えること
    を特徴とする請求項7記載の三値論理関数回路。
  10. 二変数多値論理演算を行う多値論理関数回路であって、
    第1の入力を構成するN個の論理値のいずれかに応じて導通状態になるN個のトランスファーゲートと、
    Nが奇数の場合にはm=(N−1)/2とする一方で、Nが偶数の場合にはm=N/2としたとき、前記N個のトランスファーゲートのそれぞれにおける一方の制御端子に接続され、前記第1の入力(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、1≦i≦Nなるiについて、i番目の論理値に対してのみmを出力し、他の論理値に対しては−mを出力するN個の一変数N値論理関数回路からなる第1の回路群と、
    前記N個のトランスファーゲートのそれぞれにおける他方の制御端子に接続され、前記第1の入力(−m,−m+1,・・・,−1,0,1,・・・,m−1,m)に対して、前記第1の回路群を構成するN個の一変数N値論理関数回路のそれぞれの出力と相補対称な出力を得るN個の一変数N値論理関数回路からなる第2の回路群と、
    前記N個のトランスファーゲートのそれぞれの入力端子に接続され、第2の入力を構成するN個の論理値のそれぞれに応じて出力を得るN個の一変数三値論理関数回路からなる第3の回路群とを備え、
    前記N個のトランスファーゲートのそれぞれの出力端子は、ワイヤードオア接続されていること
    を特徴とする多値論理関数回路。
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