JP3868073B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、ステリングホイールWに連係する入力軸1の先端に、ピニオン2を設けている。また、両端に車輪3R、3Lが連係するロッド4に、ラック5を形成している。そして、上記入力軸1のピニオン2を、このロッド4のラック5にかみ合せている。
また、減速機7に連係する電動モータ6を設けるとともに、減速機7の出力軸に設けたピニオンも上記ロッド4のラック5にかみ合せている。
さらに、入力軸1に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ8と、車速を検出する車速センサ9とを設け、コントローラーCに接続している。
【0003】
このコントローラーCは、図7に示すように、上記センサ8、9からの操舵トルク信号及び車速信号に応じて基本アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定回路10と、その基本アシスト指令値に応じて、電動モータ6にモータ電流を出力するモータ電流制御回路11とを備えている。
したがって、電動モータ6には、操舵トルク及び車速に応じたモータ電流が流れ、それに応じたモータトルクがアシスト力として発生することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような電動パワーステアリング制御装置では、電動モータ6が回転すると、その磁気抵抗の変化によりコギングトルクが発生してしまう。そして、このコギングトルクの影響でドライバーの手に振動が伝わり、操舵フィーリングが悪くなってしまうことがあった。
また、車両の走行中においてステアリングホイールWを切り込むとき、低速走行域では、ステアリングの応答性が要求される一方、中・高速走行域では、逆にステアリングにある程度の剛性感を残しておいたほうが、その走行を安定させることができる。
【0005】
一方、車両の走行中において車輪3R、3Lが転舵された状態にあるとき、これら車輪3R、3Lには中立位置に復帰しようとするセルフアライニングトルクが発生するが、このセルフアライニングトルクは、車両の低速域は小さく、高速域になるほど大きくなる性質を有する。そのため、車両の低速走行域では、ステアリングホイールWの戻り性が悪くなる一方、高速走行域では、逆にセルフアライニングトルクが大きくなり過ぎて、収れん性が悪くなってしまう。
この発明の目的は、ステアリングホイールの切り込み時あるいは戻り時に、操舵トルク微分指令値に応じて電動モータの出力を制御することで、操舵フィーリングを向上させることのできる電動パワーステアリング制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、アシスト力を発生する電動モータと、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵トルク信号及び車速信号に応じて基本アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定手段と、基本アシスト指令値に応じて、電動モータにモータ電流を出力するモータ電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置を前提とする。
そして、第1の発明は、ステアリングホイールの切り込み・戻り判別手段と、操舵トルク信号を微分するとともに、ステアリングホイールの切り込み時に、切り込み時用の操舵トルク微分指令値を出力する切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段と、操舵トルク信号を微分するとともに、ステアリングホイールの戻り時に、戻り時用の操舵トルク微分指令値を出力する戻り時用の操舵トルク微分指令値決定手段とを備え、上記モータ電流制御手段は、基本アシスト指令値と操舵トルク微分指令値とからなるモータ電流指令値に応じて、電動モータにモータ電流を出力する構成にするとともに、上記切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段および戻り時用操舵トルク微分指令値決定手段は、それぞれ、上記操舵トルク信号の脈動に対するモータ電流指令値の脈動の位相を、モータトルクの脈動を反転させた信号に対する操舵トルク信号の脈動の遅れ分だけ進めるように、操舵トルク微分指令値の大きさを決定し、モータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動に対して反転させ、上記決定した操舵トルク微分指令値に、車速に応じたゲインを乗じた値を出力する構成にした点に特徴を有する。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、切り込み・戻り判別手段は、上記操舵トルク検出手段と、モータ回転方向検出手段とからなり、操舵トルク方向とモータ回転方向とが同方向であれば、切り込み時と判別し、逆方向であれば、戻り時と判別する構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、第1、2の発明において、切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段は、低車速域では、その操舵トルク微分指令値をほぼそのまま出力し、また、中・高車速域にかけては、その操舵トルク微分指令値のゲインを徐々に小さくして出力する構成にした点に特徴を有する。
第4の発明は、第1〜3の発明において、戻り時用の操舵トルク微分指令値決定手段は、低車速域では、その操舵トルク微分指令値をほとんどゼロに近い大きさで出力し、また、中・高車速域にかけては、その操舵トルク微分指令値のゲインを徐々に大きくして出力する構成にした点に特徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1〜5に、この発明の電動パワーステアリング制御装置の一実施例を示す。ただし、上記従来例と同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図1に示すように、コントローラーCには、切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定回路13と、戻り時用の操舵トルク微分指令値決定回路17とを設けている。
そして、切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定回路13が決定した操舵トルク微分指令値を、スイッチ14を介して基本アシスト指令値に加算し、モータ電流制御回路11に出力するようにしている。同じく、戻り時用の操舵トルク微分指令値決定回路17が決定した操舵トルク微分指令値も、スイッチ18を介して基本アシスト指令値に加算し、モータ電流制御回路11に出力するようにしている。
【0009】
上記切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定回路13は、操舵トルク微分指令値演算部15と車速テーブル部16とからなる。
このうち、操舵トルク微分指令値演算部15では、操舵トルク微分指令値を演算するのであるが、その説明の前に、コギングトルクについて説明しておく。
電動モータ6が回転すると、その磁気抵抗の変化によりコギングトルクが発生してしまう。つまり、その内部のロータが周囲の磁石に吸引されたり、反発されたりするため、モータトルクに脈動が発生してしまう。
いま、説明を簡単にするため、図2(b)の一点鎖線に示すように、一定の操舵トルクがステアリングホイールWに入力されているとする。このとき、電動モータ6には一定のモータ電流が流れ、図2(a)の一点鎖線に示すように、一定のモータトルクが発生するはずである。ところが、上記コギングトルクが発生して、図2(a)の実線に示すように、モータトルクに脈動が発生してしまう。
【0010】
コギングトルクによってモータトルクが増大するときは、その分ステアリングが軽くなるので、操舵トルクは小さく検出される。逆に、コギングトルクによってモータトルクが減少するときは、その分ステアリングが重くなるので、操舵トルクが大きく検出される。したがって、図2(b)の二点鎖線に示すように、操舵トルク信号にも脈動が発生し、モータトルクの脈動とは反転して生じることになる。そして、その操舵トルク信号に応じてモータ電流も変化するので、結局は、コギングトルクが打ち消され、その影響はなくなるはずである。
【0011】
ところが、実際には、モータトルクが変化してから、操舵トルクセンサに伝わるまでに、ラックとピニオンとのかみ合等を原因とする時間差が発生してしまう。したがって、図2(b)の実線に示すように、操舵トルク信号の脈動は、モータトルクの脈動に対してやや遅れて発生することになる。そして、その操舵トルク信号に応じてモータ電流が変化すると、モータトルクの脈動がきれいに打ち消されず、それがドライバーの手に振動として伝わり、操舵フィーリングが悪くなってしまう。
【0012】
そこで、上記操舵トルク微分指令値演算部15では、操舵トルク微分指令値を演算して、モータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動と反転させるようにしている。
つまり、操舵トルク信号を微分、例えば、図2(b)の実線に示す操舵トルク信号を微分すると、図2(c)に示すように、操舵トルク信号の脈動部分だけを抽出して、その位相を90度すすませた信号となる。そして、モータ電流制御回路11に伝えられるモータ電流指令値は、基本アシスト指令値と操舵トルク微分指令値とを加算したものである。したがって、このモータ電流指令値を、図2(d)に示すように、モータトルクの脈動と反転させれば、コギングトルクを打ち消すことができる。
【0013】
ここで、上記モータ電流指令値に含まれるコギング成分の大きさa及び位相θは、図3に示す関係で表すことができる。
つまり、操舵トルク信号には、前述したようにやや遅れて発生したコギング成分が含まれるので、この基本アシスト指令値にも、そのコギング成分が含まれることになる。それに対して、操舵トルク微分指令値は、操舵トルク信号に含まれるコギング成分とは90度ずれたコギング成分を有するものである。
そして、図3に示すように、モータ電流指令値に含まれるコギング成分の大きさa及び位相θは、基本アシスト指令値に含まれるコギング成分(図3の横軸)と、それとは90度位相のずれた操舵トルク微分指令値(図3の縦軸)とを合成して決めてやることができる。
この実施例では、上記操舵トルク微分指令値演算部15が、操舵トルク微分指令値の大きさを変えて、モータ電流指令値に含まれるコギング成分の位相θを操舵トルク信号の遅れに一致させるようにしている。したがって、モータ電流指令値をモータトルクの脈動と反転させることができ、電動モータ6に発生するコギングトルクを打ち消してやることができる。
【0014】
なお、図3の横軸、すなわち、基本アシスト指令値に含まれるコギング成分の大きさは、車両の走行状態に応じて決められるものである。そのため、モータ電流指令値に含まれるコギング成分の大きさa及び位相θといった2つのパラメータが、操舵トルク微分指令値の大きさだけで決められることになる。
この実施例では、前述のように、基本アシスト指令値に含まれるコギング成分の位相θを操舵トルク信号の遅れと一致させているので、モータ電流指令値に含まれるコギング成分の大きさaが、コギングトルクを打ち消すだけの電動モータ6に発生させる値と必ずしも一致しない。ただし、その位相θが操舵トルク信号の遅れに一致しているので、完全ではないがコギングトルクをきれいに打ち消すことができる。
【0015】
また、車速テーブル部16には、操舵トルク微分指令値のゲインを車速に応じて変化させたテーブル値としてメモリしている。そして、そのゲインを、上記操舵トルク微分指令値演算部15で演算された操舵トルク微分指令値に乗算している。
図4に示すように、低車速走行域においては、ゲインを1程度とし、上記操舵トルク微分指令値をそのまま出力するようにしている。したがって、この操舵トルク微分指令値がモータ電流制御回路6に伝えられると、前述のように、コギングトルクをきれいに打ち消すことができ、ドライバーにはほとんど振動が伝わらない。
【0016】
それに対して、高車速になるにつれて、そのゲインを徐々に小さくした操舵トルク微分指令値を出力するようにしているが、以下ではその理由について説明する。
一般的に、操舵トルク信号に基づいてモータトルクを発生させる場合、電動モータ6にはロータ慣性が作用するため、操舵トルク信号に対してモータトルクが遅れて発生することがある。そこで、操舵トルク微分指令値を基本アシスト指令値に合成してやれば、電動モータ6に発生するモータトルクの立ち上がりを早くして、ステアリングの応答性を向上させることができる。
しかし、車両の中・高速走行域でステアリングの応答性をよくすると、逆にステアリングが軽くなり過ぎて、走行安定性を悪くしてしまうこともある。
【0017】
また、前述したコギングトルクによる振動が問題となるのは、車両の低速走行域のみであり、中・高速走行域では、その走行自体の振動等によりドライバーはコギングトルクによる振動をほとんど感じない。
そこで、車両の中・高速走行域においては、コギングトルクによる振動をなくすことよりも、ステアリングの応答性を適切にセッティングし、ステアリングが軽くなり過ぎないようにすることに重点をおいている。そして、低車速域と同じく、コギングトルクによる振動を基準として決定した操舵トルク微分指令値をそのまま基本アシスト指令値に加算すると、ステアリングが軽くなり過ぎることもあるので、ゲインを徐々に小さくしている。
【0018】
この場合、モータ電流指令値に含まれるコギング成分の位相θが操舵トルク信号の遅れとずれるので、モータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動と完全に反転させることができず、コギングトルクをきれいに打ち消すことができない。しかし、前述のように、ドライバーはコギングトルクによる振動をほとんど感じないのでなんら問題がなく、それよりも、ステアリングが軽くなり過ぎることがなく、ある程度の剛性感を残して、高速走行を安定させることができる。
【0019】
一方、戻り時用の操舵トルク微分指令値決定回路17も、操舵トルク微分指令値演算部19と車速テーブル部20とからなる。
操舵トルク微分指令値演算部19では、上記操舵トルク微分指令値演算部15と同様に、モータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動と反転させるべく操舵トルク微分指令値を演算している。
また、車速テーブル部20では、図5に示すように、低車速域では、ゲインをほぼゼロにして、上記操舵トルク微分指令値を実質的には出力しないようにしている。
【0020】
つまり、ステアリングホイールWの戻り時には、セルフアライニングトルクによって車輪3L、3Rが中立位置に復帰しようとするが、このとき、ステアリングホイールWの質量のため操舵トルクが発生する。そのため、基本アシスト指令値決定回路10は基本アシスト指令値を出力するが、それによって、電動モータ6には、上記セルフアライニングトルクに抗するモータトルクが発生する。
この場合に、操舵トルク微分指令値までを出力すると、それが基本アシスト指令値に合成されて、電動モータ6に発生するモータトルクの立ち上がりを早くしてしまう。そのため、ステアリングホイールWの戻り性がさらに悪くなってしまいかねない。
そこで、低車速域では、操舵トルク微分指令値を出力しないようにして、ステアリングホイールWの戻り性をできるだけ確保することにしている。
【0021】
それに対して、高車速になるにつれて、そのゲインを徐々に大きくした操舵トルク微分指令値を出力するようにしている。
つまり、前述のように、セルフアライニングトルクによって車輪3L、3Rが中立位置に復帰しようとするとき、操舵トルクが発生して、電動モータ6にはセルフアライニングトルクに抗するモータトルクが発生する。しかし、高車速になるにつれてセルフアライニングトルクは大きくなるので、それに抗するモータトルクが発生したとしても、中立位置に復帰しようとする勢いが強くなり過ぎることもある。
そこで、操舵トルク微分指令値を出力し、基本アシスト指令値に合成させてやれば、電動モータ6に発生するモータトルクの立ち上がりを早くして、セルフアライニングトルクに抗するモータトルクを効果的に発生させることができる。
同様に、車輪3L、3R側からのキックバック等があったときにも、電動モータ6に発生するモータトルクの立ち上がりを早くすることができる。したがって、車輪3L、3R側からの入力に抗するモータトルクを効果的に発生させることができ、車両の高速走行を安定させることができる。
【0022】
上記操舵トルク微分指令値決定回路13、17を選択するスイッチ14、18は、ステアリングホイールWの切り込み・戻りを判別する切り込み・戻り判別回路21によって制御されている。
この切り込み・戻り判別回路21には、操舵トルクセンサ8と、モータ角速度センサ12とを接続している。
そして、これらセンサ8、12で検出した操舵トルクの極性とモータ角速度の極性とが同じであれば、つまり、その方向が同じであれば、切り込み時であると判別する。このように判別できるのは、ステアリングホイールWを切り込んだとき、操舵トルクが発生し、電動モータ6はその方向に回転するからである。
このようにして切り込み時であると判別したときは、スイッチ14をオンにする。したがって、切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定回路13から出力された操舵トルク微分信号が、基本アシストに加算され、モータ電流制御回路11に伝えられることになる。
【0023】
それに対して、操舵トルクの極性とモータ角速度の極性とが異なれば、つまり、その方向が異なれば、戻り時であると判別する。このように判別できるのは、以下の通りである。すなわち、転舵後にステアリングホイールWに入力する力をゼロにしたような場合、セルフアライニングトルクにより電動モータ6も回転させられるが、入力軸1にはステアリングホイールW自体の質量により慣性が働く。そして、その慣性により発生するトルクを、操舵トルクセンサ8が、モータ回転方向とは逆方向の操舵トルクとして検出するからである。
このようにして戻り時であると判別したときは、スイッチ18をオンにする。したがって、戻り時用の操舵トルク微分指令値決定回路17から出力された操舵トルク微分信号が、基本アシストに加算され、モータ電流制御回路11に伝えられることになる。
【0024】
ここでは、上記モータ角速度センサ12が、電動モータ6の回転方向を検出するモータ回転方向検出手段を構成している。もちろん、電動モータ6の回転方向を検出できるものであれば、それ以外のセンサ類を用いてもかまわないが、モータ角速度センサ12は電動パワーステアリング装置に搭載されることが多く、それを利用することで、コストダウンを図ることが可能となる。
なお、図4、5に示す特性はほんの一例にすぎず、これら車速テーブル部のテーブル値を変更すれば、車種に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応じて、操舵フィーリングをきめこまやかにチューニングすることができる。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明によれば、電動モータに操舵トルク微分指令値に基づいたトルクを発生させて、コギングトルクを打ち消したり、ステアリングの応答性をよくしたりでき、操舵フィーリングを向上させることができる。
また、ステアリングホイールの切り込み・戻り時に別々の制御ができ、しかも、その操舵トルク微分指令値決定手段の特性を適宜変更してやれば、車種に応じて、あるいは、ユーザーからの要望に応じて、操舵フィーリングをきめこまやかにチューニングすることができる。
しかも、操舵トルク微分指令値によってモータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動と反転させることができるので、モータのコギングトルクによる振動を抑制することもできる。
第2の発明によれば、第1の発明において、簡単な構成で、ステアリングホイールの切り込み・戻り時を判別することができる。
【0026】
第3の発明によれば、第1、2の発明において、車両の低車速域では、コギングトルクを打ち消して、ドライバーに振動が伝わるのを防止することができる。それに対して、コギングトルクによる振動が問題とならない中・高車速域では、ステアリングの応答性を適切にセッティングし、ステアリングが軽くなり過ぎるのを防止して走行を安定させることができる。
第4の発明によれば、第1〜3の発明において、車両の低車速域では、ステアリングホイールWの戻り性を確保することができる。それに対して、中・高車速域では、収れん性を向上させるとともに、車輪側からのキックバック等に対して抗力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電動パワーステアリング制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】 (a)がモータトルクの変化を示し、(b)が操舵トルクの変化を示し、(c)が操舵トルクを微分した特性の変化を示し、(d)がモータ電流指令値の変化を示す図である。
【図3】モータ電流指令値に含まれるコギング成分の大きさa及び位相θの関係を示した図である。
【図4】ステアリングホイールWの切り込み時におけるゲインと車速との関係の一例を示した図である。
【図5】ステアリングホイールWの戻り時におけるゲインと車速との関係の一例を示した図である。
【図6】電動パワーステアリング制御装置の全体図である。
【図7】実施例の電動パワーステアリング制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
6 電動モータ
8 操舵トルクセンサ
9 車速センサ
10 基本アシスト指令値決定回路
11 モータ電流制御回路
12 モータ角速度センサ
13、17 操舵トルク微分指令値決定回路
14、18 スイッチ
15、19 操舵トルク微分指令値演算部
16、20 車速テーブル部
21 切り込み・戻り判別回路

Claims (4)

  1. アシスト力を発生する電動モータと、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵トルク信号及び車速信号に応じて基本アシスト指令値を決定する基本アシスト指令値決定手段と、基本アシスト指令値に応じて、電動モータにモータ電流を出力するモータ電流制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、ステアリングホイールの切り込み・戻り判別手段と、操舵トルク信号を微分するとともに、ステアリングホイールの切り込み時に、切り込み時用の操舵トルク微分指令値を出力する切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段と、操舵トルク信号を微分するとともに、ステアリングホイールの戻り時に、戻り時用の操舵トルク微分指令値を出力する戻り時用の操舵トルク微分指令値決定手段とを備え、上記モータ電流制御手段は、基本アシスト指令値と上記操舵トルク微分指令値決定手段から出力された操舵トルク微分指令値とからなるモータ電流指令値に応じて、電動モータにモータ電流を出力する構成にするとともに、上記切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段および戻り時用操舵トルク微分指令値決定手段は、それぞれ、上記操舵トルク信号の脈動に対するモータ電流指令値の脈動の位相を、モータトルクの脈動を反転させた信号に対する操舵トルク信号の脈動の遅れ分だけ進めるように、操舵トルク微分指令値の大きさを決定し、モータ電流指令値の脈動をモータトルクの脈動に対して反転させ、上記決定した操舵トルク微分指令値に、車速に応じたゲインを乗じた値を出力する構成にしたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 切り込み・戻り判別手段は、上記操舵トルク検出手段と、モータ回転方向検出手段とからなり、操舵トルク方向とモータ回転方向とが同方向であれば、切り込み時と判別し、逆方向であれば、戻り時と判別する構成にしたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 切り込み時用の操舵トルク微分指令値決定手段は、低車速域では、その操舵トルク微分指令値をほぼそのまま出力し、また、中・高車速域にかけては、その操舵トルク微分指令値のゲインを徐々に小さくして出力する構成にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 戻り時用の操舵トルク微分指令値決定手段は低車速域では、その操舵トルク微分指令値をほとんどゼロに近い大きさで出力し、また、中・高車速域にかけては、その操舵トルク微分指令値のゲインを徐々に大きくして出力する構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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