JP3867944B2 - 酸化性物質を低減した純水の製造方法及び超純水製造装置 - Google Patents

酸化性物質を低減した純水の製造方法及び超純水製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエハ等の洗浄に使用される超純水のような純水の製造方法に関し、特に過酸化水素のような酸化性物質の濃度を低減した純水の製造方法に関する。さらに本発明は、過酸化水素のような酸化性物質の濃度を低減した超純水の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造産業において、不純物を高度に除去した超純水は必須のアイテムである。超純水は、一般に、前処理工程で大きなゴミを除去した原水(例えば、河川水、地下水、工業用水)を、1次系純水製造装置及び2次系純水製造装置(サブシステム)で順次処理することによって製造され、ウエハ洗浄を行うユースポイントに供給される。このような超純水は、不純物の定量も困難である程の純度を有するが、全く不純分を含有しない訳ではない。
【0003】
例えば、超純水に含まれる溶存酸素(DO)は、シリコンウエハの表面に自然酸化膜を形成する。自然酸化膜がシリコンウエハ表面に形成されると、低温でのエピタキシャルSi薄膜の成長を妨げたり、非常に薄いゲート酸化膜の膜厚及び膜質の精密制御の妨げとなる。あるいは、微小断面積のコンタクトホールのコンタクト抵抗の増加原因となる。そのため、自然酸化膜の形成は極力抑制する必要がある。
そこで、超純水製造装置においては、特に、1次系純水製造装置において脱気装置を設け溶存酸素値(DO値)を低減している。この脱気装置により、2次系純水製造装置(サブシステム)入り口における溶存酸素値は、通常1ppbDO(μg/リットル)程度にまで低減されている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
ところが、2次系純水製造装置における紫外線酸化装置において、水中に生成または添加される過酸化水素のような酸化性物質が、2次系純水製造装置中のその後の工程(ポリッシャ工程)で分解されて、酸素を生成し、超純水中の溶存酸素値を押し上げることが分かっている。
【0005】
そして、超純水中の溶存酸素値を押し上げる原因となっている紫外線酸化装置において生成または添加される過酸化水素に起因する溶存酸素を膜式脱気装置を用いて除去する方法が提案されている(特開平9−29251号公報)。しかし、この方法で溶存酸素を除去した超純水でも相変わらず、自然酸化膜の形成が抑制できないという問題があった。
【0006】
これとは別に、超純水中に残存する過酸化水素を、合成炭素系粒状吸着剤を用いて吸着除去する方法も提案されている(特開平9−29233号公報)。この方法によれば、超純水中に残存する過酸化水素自体を除去することから、自然酸化膜の形成を抑制することができる。
しかるに、上記合成炭素系粒状吸着剤を用いる方法は、所定の除去率を得るためには、多量の吸着剤を充填した大型の吸着塔が必要であり、多量の吸着剤を使用すると、吸着剤から超純水中に溶出物が溶け込むという問題があること、及び吸着剤の寿命も数カ月と短く、吸着剤を高い頻度で交換する必要があること、等の問題があった。
【0007】
また、超純水中に残存する過酸化水素を、パラジウムを担持した触媒樹脂を用いることで分解する方法も提案されている(特開平9−192658号)。しかるに上記パラジウム担持触媒樹脂では、パラジウムは樹脂に物理的に担持されており、純水中にコロイドや酸化物として溶出する恐れがあるという問題がある。また、樹脂に担持されたパラジウムの表面が有機物等で汚染され、能力が低下するという問題もある。
【0008】
そこで本発明の目的は、純水中に生成または添加されて自然酸化膜の原因となる過酸化水素のような酸化性物質を除去した純水の製造方法であって、純水中に溶出物が混入するという問題がないか、または少ない方法であって、かつ交換が必要な場合であってもその頻度が低い方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、超純水製造装置であって、自然酸化膜の原因となる過酸化水素のような酸化性物質を除去でき、酸化性物質除去装置から純水中に溶出物が混入するという問題がないか、または少なく、かつ酸化性物質除去装置の寿命が長い超純水製造装置を提供することにある。
【0009】
本発明者らは、上記本発明の目的を達成すべく、純水中に含まれる過酸化水素のような酸化性物質を除去する方法について種々検討した。その結果、酸化性物質を含有する純水に金属イオン形陽イオン交換樹脂を接触させることで、酸化性物質含有量を低減することができ、さらに上記効果は、比較的少量の金属イオン形陽イオン交換樹脂で達成でき、かつ金属イオン形陽イオン交換樹脂の寿命が長いことを見出して本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸化性物質を含有する純水に金属イオン形陽イオン交換樹脂を接触させること、および前記酸化性物質が過酸化水素であることを特徴とする酸化性物質含有量を低減した純水の製造方法に関する。さらに本発明は、紫外線酸化装置、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置、及び脱塩装置からなり、一次純水をこの順に通水するように設置したこと、および一次純水に紫外線を照射して酸化処理した過酸化水素を含む水に金属イオン形陽イオン交換樹脂を接触させることを特徴とする過酸化水素含有量を低減した純水の製造に用いられる超純水製造装置に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の純水の製造方法において、除去対象となる酸化性物質は、過酸化水素であるが、それ以外の酸化性物質、例えば、オゾン等も除去することはできる。酸化性物質を含有する純水は、超純水製造装置において、一次純水に紫外線を照射し、酸化処理した水であることができる。この水は、紫外線照射により比較的多くの過酸化水素を含有する。但し、酸化性物質を含有する純水は、これに限定されることはなく、例えば、配管系の殺菌や、非イオン状シリカをイオン状シリカに変換することを目的として、純水装置内の一部で、オゾンを添加する構造を有する純水装置において、添加したオゾンの分解により生成する過酸化水素等も挙げることができる。
【0012】
本発明に使用する金属イオン形陽イオン交換樹脂に用いられる金属イオンとして、例えば、2価以上の原子価を有する金属のイオンを挙げることができる。そのような金属イオンとしては、例えば、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、コバルトイオン等を挙げることができる。基材となる陽イオン交換樹脂には特に制限はないが、金属イオンの保持力が高いという観点からは、強酸性の陽イオン交換樹脂であることが適当である。また、金属イオンによる分解を受けにくいという観点からは、高架橋陽イオン交換樹脂であることが適当である。陽イオン交換樹脂に対する金属イオンの保持量は、金属イオン形陽イオン交換樹脂に要求される酸化性物質の分解能力や陽イオン交換樹脂の安定性を考慮して適宜決定される。
金属イオン形陽イオン交換樹脂は、金属イオンを含有する水溶液に水素イオン形陽イオン交換樹脂を接触させることで調製することができる。陽イオン交換樹脂に対する金属イオンの保持量は、金属イオンを含有する水溶液の濃度や接触時間を調整することで、変化させることができる。
【0013】
酸化性物質を含有する純水と金属イオン形陽イオン交換樹脂との接触は、例えば、金属イオン形陽イオン交換樹脂を充填した塔に純水を通すことで行うことができる。また、純水と金属イオン形陽イオン交換樹脂との接触時間は、純水に含有される酸化性物質の濃度や金属イオン形陽イオン交換樹脂の能力等を考慮して適宜決定できる。
金属イオン形陽イオン交換樹脂と接触した酸化性物質は、分解されて最終的に酸素と水になる。分解により発生した酸素は、真空脱気装置、膜脱気装置、パラジウム樹脂装置あるいは窒素曝気装置等の脱気手段を後置することにより、容易に除去することができる。
【0014】
本発明の方法においては、金属イオン形陽イオン交換樹脂に接触させた純水を、次いで水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂単独、水酸化物イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂単独、あるいは水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂と水酸化物イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂との混床、もしくは水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂と水酸化物イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂を積層させた樹脂層と接触させることが有効である。水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂と接触させることで、金属イオン形陽イオン交換樹脂から微量溶出してくる金属イオンを除去することができる。水酸化物イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることで、金属イオン形陽イオン交換樹脂が過酸化水素との接触により酸化分解され陰イオン性の有機物が微量放出されたとしても除去できる。また、金属イオン形陽イオン交換樹脂に水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂及び/又は水酸化物イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂を混合することによっても同様の効果が得られる。
【0015】
本発明の超純水製造装置は、紫外線酸化装置、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置、及び脱塩装置からなり、一次純水をこの順に通水するように設置したことを特徴とする。
紫外線酸化装置で生成した過酸化水素は後段のカートリッジポリッシャで十分に分解されず、また、時間の経過と共に殆ど分解されずに該カートリッジポリッシャの出口水に残存する。しかし、本発明の装置では、カートリッジポリッシャの前段に設置した酸化性物質分解装置である金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置で過酸化水素を分解して、過酸化水素濃度が極めて低い超純水を得ることができる。さらに、過酸化水素の分解により生成する溶存酸素は脱気装置で除去される。そのため、本発明の装置では、過酸化水素濃度及び溶存酸素濃度が共に極めて低い超純水を得ることができ、シリコンウエハ上の自然酸化膜の形成を抑制できる。
【0016】
本発明において、一次純水とは、原水を通常使用されている一次純水システムで処理した純水である。一次純水を得るには、例えば、図3に示す装置において、まず、工業用水等の原水を前処理システム4に通水して、原水中の懸濁物質及び有機物の一部を除去した後、濾過水槽6を経て、一次純水システム8に供給し、該供給水を水中の不純物イオンの除去を行なう脱塩装置12、水中の無機イオン、有機物、微粒子等の除去を行なう逆浸透膜装置16、水中の溶存酸素等の溶存ガス除去を行なう真空脱気装置20、残存するイオン等を除去して高純度の純水を製造する再生型混床式脱塩装置22に順次通水させれば一次純水を得ることができる。
【0017】
本発明において、紫外線酸化装置としては、被処理水に紫外線を照射可能な紫外線ランプを備え、被処理水中の有機物を分解可能なものであればよい。紫外線としては、例えば、185nm付近の波長の紫外線を挙げることができる。また、185nm付近の波長の紫外線以外に、254nm付近の波長の紫外線であってもよい。但し、254nm付近の波長の紫外線は、185nm付近の波長の紫外線より有機物分解能力が低いので、この点を考慮して使用すればよい。254nm付近の波長は照射するが、185nm付近の波長はほとんど照射しない紫外線照射装置もある。本発明においては、185nm付近の波長の紫外線及び254nm付近の波長の紫外線を共に強く照射可能な紫外線酸化装置を用いることが、有機物を良好に分解できる点で好ましい。また、用いる紫外線ランプとしては、特に制限されないが、低圧水銀ランプが好ましい。また、紫外線酸化装置としては、流通型及び浸漬型等が挙げられ、このうち、流通型が処理効率の点からも好ましい。
【0018】
本発明において、酸化性物質分解装置は、酸化性物質を分解させる物質として金属イオン形陽イオン交換樹脂を充填した装置である。金属イオン形陽イオン交換樹脂は、上記で説明したものと同様である。
【0019】
本発明において、脱気装置は、過酸化水素が分解生成した酸素を除去できる装置であれば、特に制限はない。例えば、気体分離膜で仕切られた一方の室に被処理水を流すとともに、他方の室を減圧することにより、被処理水中に含まれるガスを気体分離膜を通して他方の室に移行させて除去する膜式脱気装置を挙げることができる。気体分離膜としては、通常、テトラフルオロエチレン系、シリコーンゴム系等の疎水性の高分子膜を中空糸膜状等の適宜形状に形成したものが使用される。膜式脱気装置以外に真空脱気塔や加熱脱気装置等の脱気ガス装置を用いることもできる。しかし、脱ガス装置として膜式脱気装置は、装置から水中に不純物が混入したり、装置の充填物から水中に不純物が溶出したりすることがなく、かつ装置が小型であるという利点がある。
【0020】
本発明において、脱塩装置として、例えば、イオン交換装置を用いることができる。イオン交換装置は、好ましくは非再生型イオン交換装置である。非再生型イオン交換装置としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置(混床1塔式)、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床によるイオン交換装置(単床1塔式)、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置(複層1塔式)、及び強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置(2塔式)が挙げられる。このうち、混床1塔式イオン交換装置を用いた場合には、混床層内のいずれの位置においても水のpHの変化がないため、効率の良いイオン交換ができるという利点がある。
【0021】
次に、本発明の超純水製造装置を用いて超純水を製造する手順を図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態における超純水製造装置を示す系統図である。各種前処理工程により得られた、例えば、TOC濃度2ppb以下の一次純水は、二次系システム10の純水貯槽24に供給される。純水貯槽24に蓄えられる一次純水の抵抗率は、通常、10MΩ・cm以上である。純水貯槽24を出た純水は、紫外線酸化装置26で処理される。紫外線酸化装置26は、高い有機物分離能力がある185nm付近の紫外線も強く照射可能な低圧水銀ランプを備えた紫外線酸化装置であり、水中の有機物を炭酸や有機酸に分解するために設置されている。紫外線酸化装置26の前後の溶存酸素濃度を測定したところ、該溶存酸素濃度が22ppbから6ppbへと激変する現象が認められる。この現象は、紫外線酸化装置26の被処理水中の溶存酸素が有機物の酸化のための酸素源として消費されたり、紫外線と水との相互作用によるラジカル、オゾン及び過酸化水素等の生成によって消費されたりするためと考えられる。従って、紫外線酸化装置26の前後の過酸化水素濃度は数ppbから50ppbへと増加する。
【0022】
次に、紫外線酸化装置26で処理された水を、酸化性物質分解装置である金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27に通水し、該装置に充填されたイオン交換樹脂に接触させることにより、処理水中の過酸化水素を分解する。この場合、金属イオン形陽イオン交換樹脂への被処理水の接触は固定層方式で行なうことが過酸化水素の除去効率の点で好ましい。このような固定層方式で被処理水をイオン交換樹脂に接触させる場合、通水条件は線流速50m/h〜600m/h、特に100〜300m/hとすることが好ましい。線流速が600m/hを超えると過酸化水素が十分に除去されないことがある。
【0023】
次に、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27で処理された水を膜式脱気装置50に通水して、処理水中の溶存酸素を好ましくは1ppb以下、全溶存ガス濃度を好ましくは3000ppb以下に低減する。
【0024】
次に、この処理水を非再生型イオン交換装置であるカートリッジポリッシャ28に通水して、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27及び前記膜式脱気装置50から発生する溶出イオンを含む一次純水中のイオンを更に除去する。このように、処理水を金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27→膜式脱気装置50→カートリッジポリッシャ28の順に通水することにより、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27及び膜式脱気装置50からの溶出イオンを有効に除去できる。
【0025】
また、限外濾過膜分離装置30は、水中の残存微粒子等を除去して超純水を製造し、この超純水は使用場所32に供給される。該超純水は使用している時及び使用していないときのいずれの場合でも二次純水循環配管34を通って純水貯槽24に戻り、純水貯槽24→紫外線酸化装置26→金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27→膜式脱気装置50→カートリッジポリッシャ28→限外濾過膜分離装置30→純水貯槽24からなる閉ループを常時循環している。
【0026】
また、本発明においては、図2に示すように、前記紫外線酸化装置26の出口水を、前記金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置27に通水する前に、254nm付近の波長は照射するが185nm付近の波長はほとんど照射しない紫外線殺菌装置25に通水することが好ましい。図2において、図1と同一構成要素には同一の記号を付してその説明を省略する。この紫外線殺菌装置25により、過酸化水素の分解が期待できるため、後段の金属イオン形陽イオン交換樹脂の負荷を低減し、使用期間の延長又は充填量の低減が図れる。
【0027】
また、本発明の超純水製造装置は、超純水製造供給システムの循環ラインの適切な箇所にオゾンを連続的に注入し、超純水中のバクテリア数を最低レベルに制御する方法にも適用できる。すなわち、オゾンの注入と紫外線酸化装置の分解作用により生じた過酸化水素の除去を後段の金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置及び脱気装置により行えば、超純水製造装置の機能を高めることができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂
水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂100mlに1(W/W)%のFeSO4・7H2O水溶液(Feとして0.2(W/W)%)を100ml加え、一時間攪拌した。次いで、デカンテーションにより、イオン交換樹脂を水洗して、鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂を得た。
これらの鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂(5gFe/リットル−CER)を充填したカラムに過酸化水素100ppbを含有する純水をSV50の条件で通水し、流出水中の過酸化水素の分解率をフェノールフタリン法により測定した。結果を図4に示す。
鉄イオンの保持量が増えると過酸化水素の分解率は高くなり、鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂により、過酸化水素が分解されることが分かる。
FeSO4・7H2O水溶液をCuCl2・5H2O水溶液に代えて調製した銅イオン形強酸性陽イオン交換樹脂についても、同様の結果を得た。
【0029】
実施例2
100ppbの過酸化水素を含有する純水を鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂(10gFe/リットル−CER)を充填したカラムにSV50の条件で通水し、経時的に流出水中の過酸化水素の分解率をフェノールフタリン法により測定した。結果を図5に示す。図5の結果から、測定期間内には、使用した鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の性能に変化がなかったことが分かる。
比較のため、アンバーソーブを用いて、同様の実験を行った。その結果、過酸化水素通水量が700mgH22/リットル−CERを過ぎたころから、流出水中の過酸化水素濃度が上昇し、寿命に問題があることが分かる。また、過酸化水素除去効率についてもアンバーソーブを用いた比較よりも優れており、ほとんど除去できていることが分かる。
【0030】
実施例3
一次純水(溶存酸素40ppb、抵抗率17.5MΩ・cm)を図1の装置及び下記装置仕様によって処理して6ヶ月に亘り超純水を製造すると共に、超純水中の過酸化水素量及び溶存酸素量の経時的変化を調べた。検液水の測定点は紫外線酸化装置の出口及び超純水の使用場所(ユースポイント)である。また、過酸化水素の定量は前述の方法で行った。超純水の使用場所(ユースポイント)における測定結果は、過酸化水素量1ppb以下及び溶存酸素量1ppb以下と6ヶ月に亘り殆ど変化はなかった。また、紫外線酸化装置の出口での測定値も過酸化水素量50ppb及び溶存酸素量10ppbと6ヶ月に亘り殆ど変化はなかった。
【0031】
(各装置の仕様等)
紫外線酸化装置;低圧型TDFL−4(千代田工販社製)紫外線照射量0.3kW・h/m3
酸化性物質分解装置;実施例1と同様の方法で調製した銅イオン形強酸性陽イオン交換樹脂を充填した円筒状の充填塔(高さ90cm、内径30cm)、SV150h-1
膜式脱気装置;MJ−520p(大日本インキ化学工業社製)真空度18Torr
カートリッジポリッシャ;カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合充填した混床式イオン交換装置、SV70〜80h-1
限外濾過膜分離装置;FIT−3016型(旭化成工業社製)
【0032】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、純水中に生成または添加されて自然酸化膜の原因となる過酸化水素のような酸化性物質を除去した純水を、純水中への溶出物の混入を抑制しながら製造できる。さらに、使用する金属イオン形強酸性陽イオン交換樹脂は寿命が長く、除去率も高く実用上非常に有利であるという利点もある。
さらに本発明の超純水製造装置を用いると、過酸化水素濃度及び溶存酸素濃度が共に極めて低い超純水を得ることができ、シリコンウエハ上の自然酸化膜の形成を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超純水製造装置の実施の形態例を示すフロー図である。
【図2】 本発明の超純水製造装置の他の実施の形態例を示すフロー図である。
【図3】 従来の超純水製造装置の一例を示すフロー図である。
【図4】 鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の鉄イオン保持量と流出水中の過酸化水素の分解率との関係を示す。
【図5】 鉄イオン形強酸性陽イオン交換樹脂とアンバーソーブの性能比較試験結果。
【符号の説明】
2 原水貯槽
4 前処理システム
6 濾過水槽
8 一次純水システム
10 二次純水システム
12 脱塩装置
16 逆浸透膜装置
20 真空脱気装置
22 再生型混床脱塩装置
24 純水貯槽
25 紫外線殺菌装置
26 紫外線酸化装置
27 金属イオン形強酸性陽イオン交換樹脂充填装置
28 カートリッジポリッシャ
30 限外濾過膜分離装置
32 使用場所(ユースポイント)
34 二次純水循環配管
50 膜式脱気装置

Claims (6)

  1. 酸化性物質を含有する純水に金属イオン形陽イオン交換樹脂を接触させること、および前記酸化性物質が過酸化水素であることを特徴とする酸化性物質含有量を低減した純水の製造方法。
  2. 酸化性物質を含有する純水が、一次純水に紫外線を照射して酸化処理した水である請求項1記載の製造方法。
  3. 金属イオン形陽イオン交換樹脂の金属イオンが2価以上の原子価を有する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 金属イオン形陽イオン交換樹脂に接触させた純水を脱気処理する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 紫外線酸化装置、金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置、及び脱塩装置からなり、一次純水をこの順に通水するように設置したこと、および一次純水に紫外線を照射して酸化処理した過酸化水素を含む水に金属イオン形陽イオン交換樹脂を接触させることを特徴とする過酸化水素含有量を低減した純水の製造に用いられる超純水製造装置。
  6. 金属イオン形陽イオン交換樹脂充填装置と脱塩装置との間に脱気装置を設けた、請求項に記載の装置。
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