JP3867756B2 - 非水電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池、一次電池、あるいは電気二重層コンデンサ等の電気化学素子に用いる新規な非水電解液に関し、特に二次電池に適した非水電解液に関する。さらに、この電解液を用いた、例えば携帯機器等に必用なコードレス電源、電気自動車等の電源に用いられる、充電により再利用可能な非水電解液二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用いた電池は、高耐電圧、高エネルギー密度を有し、かつ貯蔵性に優れているため、広く民生用電子機器の電源に用いられている。しかし負極に金属リチウムを用いたリチウム二次電池は、その優れた特性にも関わらず、デンドライト状のリチウムの析出のために十分な充放電サイクル寿命が得られず、未だ実用化されていない。そこで金属リチウムをそのまま用いるのではなく、リチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料が注目され、活発に開発が行われている。また、それに適した電解液を構成する非水溶媒についても種々検討されている。この非水溶媒には、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の高誘電率溶媒にジエチルカーボネートやジメトキシエタン等の低粘度溶媒を混合したものが代表的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、さらなる高エネルギー密度化および高出力密度化が強く要望されており、これらの要望に対しては、より一層の難燃化、不燃化等の安全性向上は必須である。現在使用されている非水溶剤は、比較的低い引火点を有しており、可燃性である。
【0004】
このため、難燃性のリン酸エステル類を電解液に添加することが提案されている(特開平−184870号公報、特開平8−88023号公報)。しかし、この種の化合物を添加すると、難燃性は付与できるが、電気伝導度が低下し、電解液特性が大幅に劣る。また、充放電効率、エネルギー密度、出力密度、寿命等の電池特性も添加前と比べ大幅に劣ってしまう。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、充放電効率、エネルギー密度、出力密度、寿命等の電池特性を損なうことなく難燃性を有する、非水電解液を提供することを目的とする。さらに、耐電圧、電気伝導度特性に優れ、負荷特性、低温特性に優れた非水電解液を提供することを目的とする。さらに、充放電サイクル特性が優れ、長寿命の非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記式で表される分子内にカーボネート構造を2つ有する化合物を含有する非水電解液;
【化1】
下記式で表される分子内にカーボネート構造を2つ有する化合物を含有する非水電解液;
【化2】
;および正極、負極および該非水電解液からなる非水電解液二次電池である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を詳細に記載する。
【0008】
分子内にカーボネート構造を2つ以上有する非水電解液は、難燃性に優れるとともに、イオン解離度が非常に大きく、優れたリチウムイオン伝導性を持つ。
分子内にカーボネート構造を2つ以上有する参考例の非水電解液としては、例えば下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0009】
【化3】
【0010】
式中、R1およびR2は、それぞれアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基もしくはエーテル基を含有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を示し、XおよびYは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。Qは−OCO−、−CO2−、−CONR3−、−NR4CO−、−O−またはフェニレン基を示し、R3およびR4は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。m、n、k、jは0または1〜10の整数である。また、R1、R2、X、Yのいずれか2個の基が環を形成していてもよい。
【0011】
分子内にカーボネート構造を2つ以上有する参考例の非水電解液の具体例としては、例えば下記の化合物等が挙げられる。
1. CH3ーOCO2-CH2CH2-OCO2ーCH3
2. C2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5
3. C3H7-OCO2-CH2CH2-OCO2-C3H7
4. C4H9-OCO2-CH2CH2-OCO2-C4H9
5. C6H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C6H5
6. C6H5CH2-OCO2-CH2CH2-OCO2-CH2C6H5
7. CH3ーOCO2-CH2CH2CH2-OCO2ーCH3
8. C2H5-OCO2-CH2CH2CH2-OCO2-C2H5
9. C3H7-OCO2-CH2CH2CH2-OCO2-C3H7
10. C4H9-OCO2-CH2CH2CH2-OCO2-C4H9
11. C6H5-OCO2-CH2CH2CH2-OCO2-C6H5
12. C6H5CH2-OCO2-CH2CH2CH2-OCO2-CH2C6H5
13. CH3ーOCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2ーCH3
14. C2H5-OCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2-C2H5
15. C3H7-OCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2-C3H7
16. C4H9-OCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2-C4H9
17. C6H5-OCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2-C6H5
18. C6H5CH2-OCO2-CH2OCH2CH2CH2-OCO2-CH2C6H5
【0012】
本発明の分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液としては、下記の化合物が挙げられる。
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
本発明の分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液は、単独でも2種以上を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられている非水溶剤を添加することができる。例えば、環状または鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状または鎖状エーテル、リン酸エステル、ラクトン化合物、ニトリル化合物、アミド化合物などの化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。
【0015】
環状炭酸エステルとしては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートがあげられ、鎖状炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートがあげられる。鎖状カルボン酸エステルとしては、例えば酢酸メチルおよびプロピオン酸メチルがあげられ、また、環状もしくは鎖状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンがあげられる。
リン酸エステルとしては、例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等があげられる。ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトンがあげられ、ニトリル化合物としては、例えばアセトニトリルがあげられ、アミド化合物としては、例えばジメチルフォルムアミドがあげられる。
これらのうち、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステルおよびこれらの混合物を用いた場合、高い充放電特性および出力特性等の電池性能を示すため好ましい。
【0016】
上記の分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液の電解液に占める割合は、通常は10〜99重量%であるが充放電特性等の電池性能を考慮すると30〜99重量%が好ましい。10重量%未満では十分な難燃性を付与できない。99重量%より多いと電解質が少なくなり十分なイオン伝導性が得られない。
また、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステルおよびこれらの混合物を分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液と混合して用いた場合、分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液の占める割合は、10〜100重量%が好ましい。10重量%未満では十分な難燃性を付与できない。
【0017】
本発明に用いる電解質としては、通常の非水電解液に使用されるものであれば従来用いられているものと同様でよく、例えば、アルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩等があげられる。
アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩があげられ、例えば(1)4フッ化硼酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、下記一般式(2)で示されるスルホニルイミドのリチウム塩、下記一般式(3)で示されるスルホニルメチドのリチウム塩、酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、安息香酸リチウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、硝酸リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、4フェニル硼酸リチウム等のリチウム塩;(2)過塩素酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、4フッ化硼酸ナトリウム、6フッ化燐酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、臭化ナトリウム等のナトリウム塩;(3)ヨウ化カリウム、4フッ化硼酸カリウム、6フッ化燐酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム等のカリウム塩があげられる。
一般式
(R17SO2)(R18SO2)NLi (2)
式中、R17およびR18は、それぞれエーテル基を1または2個含有していてもよい炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。
一般式
(R19SO2)(R20SO2)(R21SO2)CLi (3)
式中、R19、R20およびR21は、それぞれエーテル基を1または2個含有していてもよい炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。
上記一般式(2)で示されるスルホニルイミドのリチウム塩の具体例としては、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、(C3F7SO2)2NLi、(C4F9SO2)2NLi、(CF3SO2)(C2F5SO2)NLi、(CF3SO2)(C3F7SO2)NLi、(CF3SO2)(C4F9SO2)NLi、(C2F5SO2)(C3F7SO2)NLi、(C2F5SO2)(C4F9SO2)NLi、(CF3OCF2SO2)2NLi等があげられる。
上記一般式(3)で示されるスルホニルメチドのリチウム塩の具体例としては(CF3SO2)3CLi、(C2F5SO2)3CLi、(C3F7SO2)3CLi、(C4F9SO2)3CLi、(CF3SO2)2(C2F5SO2)CLi、(CF3SO2)2(C3F7SO2)CLi、(CF3SO2)2(C4F9SO2)CLi、(CF3SO2)(C2F5SO2)2CLi、(CF3SO2)(C3F7SO2)2CLi、(CF3SO2)(C4F9SO2)2CLi、(C2F5SO2)2(C3F7SO2)CLi、(C2F5SO2)2(C4F9SO2)CLi、(CF3OCF2SO2)3CLi等があげられる。
【0018】
また、第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム/6フッ化燐酸塩、テトラエチルアンモニウム/6フッ化燐酸塩、テトラプロピルアンモニウム/6フッ化燐酸塩、メチルトリエチルアンモニウム/6フッ化燐酸塩、テトラエチルアンモニウム/4フッ化硼酸塩、テトラエチルアンモニウム/過塩素酸塩等、もしくは、鎖状アミジン類、環状アミジン類(イミダゾール類、イミダゾリン類、ピリミジン類、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)等)、ピロール類、ピラゾール類、オキサゾール類、チアゾール類、オキサジアゾール類、チアジアゾール類、トリアゾール類、ピリジン類、ピラジン類およびトリアジン類、ピロリジン類、モルフォリン類、ピペリジン類、ピペラジン類等の4級塩等があげられる。
これらの中で、4フッ化硼酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、上記一般式(2)で示されるスルホニルイミドのリチウム塩および上記一般式(3)で示されるスルホニルメチドのリチウム塩が特に高いイオン伝導度を示し、かつ熱安定性にも優れた電解質であるため好ましい。また、これらは、1種でも2種以上を併用してもよい。
上記電解質の濃度は通常、0.05〜3mol/Lで用いることができ、好ましくは0.1〜2mol/Lで用いることができる。0.05mol/L以下では電解質濃度が薄すぎて十分なイオン伝導性を得ることができない。また、3mol/L以上では電解質濃度が濃すぎて溶剤に完全に溶けることができない。本発明の非水電解液は必要に応じて活性剤等の添加剤を添加することもできる。
【0019】
本発明の非水電解液は、二次電池、一次電池、電気二重層コンデンサ等の電気化学素子に用いることができる。
本発明の非水電解液二次電池は、正極、負極と共に、上記組成の非水電解液を使用するものである。
正極は、その活物質として、(1)LiCoO2、LiNiO2、LixNiyCo1-yO2(式中、x、yは電池の充放電状態によって異なり、通常0<x<1、0.7<y<1.02である)、LiMnO2、LiMn2O4等のリチウムと1種または2種以上の遷移金属との複合酸化物;(2)MnO2、V2O5等の遷移金属酸化物;(3)MoS2、TiS2等の遷移金属硫化物;(4)ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリカルバゾール等の導電性高分子;(5)ジスルフィド化合物のように可逆的に電解重合、解重合する化合物を使用することができる。これらの中で、リチウムと遷移金属との複合酸化物が、電池容量を向上させ、エネルギー密度に優れている点で好ましい。
【0020】
このような正極活物質を使用して正極を形成するに際しては、公知の導電剤や結着剤を添加、併用することができる。
【0021】
負極は、その活物質として、軽金属または軽金属イオンを使用する。このような軽金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アルミニウム等があげられ、同様に軽金属イオンとしてリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンセシウムイオン、アルミニウムイオン等があげられる。この中で特に電池出力やエネルギー密度の点からリチウムおよびリチウムイオンが好ましい。
負極は、前述の、活物質そのものあるいは活物質を吸蔵、放出できる材料から構成される。このような負極の構成材料としては、[1]軽金属そのもの;[2]軽金属イオンを有する化合物そのもの;[3]これらの軽金属を含有する合金そのものを用いてもよいし、あるいは[4]このような軽金属またはそのイオンを吸蔵、放出できる材料を用いてもよい。
【0022】
このような負極の構成材料のうち、[4]の例えばリチウムまたはそのイオンを吸蔵、放出できる材料としては、例えば、(1)グラファイト類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、炭素繊維、ガラス状炭素類、熱分解炭素類、活性炭等の炭素質材料;(2)リチウムイオンを吸蔵することにより導電性を示すポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー等を使用することができる。
また、[3]の軽金属合金としては、例えばリチウム−アルミニウム合金等を使用することができる。
【0023】
負極の構成材料としては、これら[1]〜[4]の中で、充放電特性および自己放電特性
を向上させる点から、[4]の(1)の炭素質材料を使用するのが好ましい。
【0024】
このような材料から負極を形成するに際しては、公知の結着剤等を添加することができる。
【0025】
本発明の非水電解液二次電池は、電解液として以上説明した非水電解液を含み、また、例えば、特開昭63−121260号公報、特開昭62−90863号公報、特開平8−306364号公報、特開昭63−32870号公報、特開平6−60906号公報および「電池技術」[第6巻、129頁(1994発行)]等記載の正、負極の組み合わせを用いることにより、充放電効率、エネルギー密度、出力密度等の電池特性を損なうことなく難燃性を有し、しかも長寿命である実用性に優れた非水電解液二次電池とすることができる。なお、本発明の非水電解液二次電池の形状、形態等は特に限定されるものでなく、円筒形、角形、コイン型、カード型、さらには大型など本発明の範囲内で任意に選択することができる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
<参考例1>
C2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5に、6フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を0.65mol/L溶解し、電解液を調整した。
電解液の入ったビーカーに、幅1.5cm、長さ30cm、厚さ0.04mmに作製したセパレータ用マニラ紙を5分間浸す。マニラ紙から滴る液を拭った後、5cm間隔においた支持針の上にマニラ紙を刺して水平に固定する。無風状態の中でマニラ紙の一端をライターで着火し自然消火するのを待つ。その燃焼長(cm)および燃焼速度(cm/sec)を各々3回測定し平均値を求めた。
また、交流インピーダンスメータを用い、10kHzで25℃と−20℃の2カ所の電気伝導度を測定した。
【0028】
<参考例2、及び参考例3>
参考例1において、C2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5のかわりにC2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5/ジエチルカーボネート=1/1(容量比)、C2H5-OCO2-CH2CH2OCH2CH2-OCO2-C2H5を用いる以外は参考例1と同様にして参考例2、及び参考例3の電解液を調整し、同様の評価および測定を行った。
【0029】
<実施例4>
参考例1において、C2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5のかわりに
【化2】
【0030】
を用いる以外は参考例1と同様にして実施例4の電解液を調整し、同様の評価および測定を行った。
【0031】
<参考例5〜7>
参考例1において6フッ化燐酸リチウムのかわりに4フッ化硼酸リチウム、(C2F5SO2)2NLiおよび(C2F5SO2)3CLiを用いる以外は参考例1と同様にして参考例5〜参考例7の電解液を調整し、同様の評価および測定を行った。
【0032】
<比較例1>
参考例1において、C2H5-OCO2-CH2CH2-OCO2-C2H5のかわりにエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=50/50(容量比)溶媒を用いる以外は参考例1と同様にして電解液を調整し、同様の評価および測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1からも明らかなように、本発明の実施例4の電解液は優れた難燃性および高い電気伝導性を示した。
【0035】<二次電池の作成>
図1に示すようなコイン型非水電解液リチウム二次電池を作成した。
図1において、1はグラファイト、2は正極活物質成型体、3は多孔質セパレータ、4は負極缶、5は正極缶、6はガスケットである。
図1に示す非水電解液リチウム二次電池を以下の手順で作成した。
LiCoO2に導電剤としてアセチレンブラックおよび結着剤としてポリフッ化ビニリデン粉末を混合して加圧成型して作製した正極活物質成型体2をステンレス製正極缶5の底面に置いたニッケル製ネット上に圧着した。次に前記成型体上にポリプロピレン製多孔質セパレーター3を載置した後、参考例1の組成の非水電解液を注入し、ガスケット6を挿入した。その後グラファイト1を密着させたステンレス製負極缶4をポリプロピレン製多孔質セパレーター3上に載置し、正極缶5の開口端部分をを内方へ折曲し封口部分をガラスハーメチックシールして図1に示す参考例8の非水電解液リチウム二次電池を作成した。
【0036】
参考例2および参考例6の組成の非水電解液を用いる以外は参考例8と同様に操作して、図1と同じ構成の参考例9および参考例10の非水電解液リチウム二次電池を作成した。
【0037】
比較例として上記難燃性非水電解液の代わりに、比較例1で用いた電解液を用いる以外は参考例8と同様に操作して、図1と同じ構成の比較例2の非水電解液リチウム二次電池を作成した。
【0038】
<電池特性評価>
以上のようにして作成した非水電解液リチウム二次電池に対し、以下のように充放電特性を比較した。上限電圧を4.2Vに設定して1mAで10時間定電流、定電圧充電し、続いて1mAの低電流で終止電圧3.0Vまで放電し、これを充放電の1サイクルとしてこのような充放電を所定サイクル数繰り返した。図2は、そのときの充放電効率をサイクル数に対してプロットしたものである。図2に示す通り、参考例8〜参考例10は比較例2に対し良好な充放電を示し、優れた充放電特性を示すことがわかる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、分子内にカーボネート構造を2つ有する非水電解液を含有することで、優れた難燃性を有し、高い電気伝導度特性にも優れた非水電解液を提供することができる。また、本発明によれば、このような非水電解液を用いることにより、充放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができ、その工業価値の大なるものである。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で作成したリチウム二次電池の半断面図である。
【図2】各種非水電解液をもちいて作成したリチウム二次電池の充放電特性の比較を示す図である。
【0041】
【符号の説明】
1グラファイト
2正極活物質成型体
3多孔質セパレータ
4負極缶
5正極缶
6ガスケット
○参考例8のサイクル数と充放電効率測定値
△参考例9のサイクル数と充放電効率測定値
□参考例10のサイクル数と充放電効率測定値
×比較例2のサイクル数と充放電効率測定値
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