JP3866966B2 - 繰り返し構造を有する物体の位置測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像検索を用いて繰り返し構造を有する物体の位置を測定する方法に関し、特に半導体検査装置に用いて好適な繰り返し構造を有する物体の位置を測定する方法に関するものである。ここでいう繰り返し構造は、同形状のボール、パッド等の端子が一定方向に配列されている構造である。
【0002】
【従来の技術】
ウエハレベルCSP(Chip Size Package)や一括モールドパッケージなどの基板に搭載されている半導体の特性を測定するためには、各々の半導体素子の端子であるボールあるいはパッドに電極を接触させなければならず、そのためには半導体素子の位置を正確に測定しなければならない。
【0003】
図5は複数の半導体素子で構成された回路を模式的に表したものである。図5(A)はCSPやモールドパッケージ上に形成されたワークであり、複数のデバイス51が並んで配置されている。
【0004】
同図(B)は1個のデバイスを拡大して表示したものであり、各デバイスには端子である複数のボール511が規則的に形成されている。このボールに電極を押し当てて、当該デバイスの特性を測定する。
【0005】
電極をボール511に正確に押し当てるためには、ボール511の位置、すなわちデバイスの位置が正確にわかっていなければならない。そのために、ティーチング時に1個のデバイス51、あるいはデバイス51内の特徴的なボール511の配列をリファレンス画像として登録しておく。
【0006】
リファレンス画像は基準になるデバイスを撮影した画像である。また、デバイスの基準位置を計算するために、ティーチング時にこのリファレンス画像とデバイス上の基準点とのオフセット関係も同時に登録しておく。
【0007】
次に、測定対象のワーク5を撮影し、この撮影した画像内に登録しておいたリファレンス画像がないかどうかを検索する。リファレンス画像と一致する画像が見つかると、登録してあるリファレンス画像とデバイス上の基準点のオフセット関係から、デバイスの基準位置を計算する。
【0008】
この作業を測定対象のワーク5上のいくつかのデバイス、例えば4隅のデバイスで繰り返すと、ワークの位置を計算することができる。この位置測定方法は、半導体ウエハの位置測定技術を流用したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような半導体素子の位置測定方法には、次のような課題があった。
【0010】
測定対象のワーク5はボール511やパッドなどの特徴のないパターンの繰り返しであり、また半導体ウエハと比較すると各デバイスの位置などで製造上のばらつきが大きい。そのため、何回も測定を繰り返すために処理時間が増大してしまい、また甚だしい場合には位置測定に失敗してしまうという課題があった。
【0011】
また、前述したように、リファレンス画像を登録する際にこのリファレンス画像の基準位置とデバイスの基準位置のオフセットを登録しなければならない。通常はオペレータが画像を見ながらマウスなどのポインティングデバイスを用いて位置を指定するので、正確に指定することができない。そのため、位置測定の誤差が増大してしまうという課題もあった。
【0012】
従って本発明が解決しようとする課題は、確実に測定でき、かつ測定精度が高い繰り返し部分を有する物体の位置測定方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、
繰り返し構造を有する物体の位置を画像検索を用いて測定する方法において、
前記繰り返し構造を有する物体は半導体素子であり、繰り返し部分はこの半導体素子のボールであり、
設計データから前記ボールの画像を生成し、生成したボールの画像を円形のリファレンス画像として並んで配置された前記半導体素子の画像からボールの画像を検索し、見付かったボールの位置情報に基づいて並んで配置されたうちのどの半導体素子のボールであるかを判断し、見付かったボールを設計データに基づいて当該半導体素子内の対応する位置に配置し、1つの半導体素子の全てのボールの検索が終了すると、設計データにおけるボールの配列の位置情報と検索結果から求めたボールの位置情報とを比較し、設計データの位置に対する前記半導体素子の位置を決定する決定するようにしたものである。検索できなかったボールがあっても、半導体素子の位置を決定することができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る半導体素子の位置測定方法の一実施例を示すフローチャートである。なお、デバイスの端子の形状はボールであるとする。
【0021】
図1において、最初に設計データからデバイスの端子であるボール径およびボールの配置を求める。次に、このボール径を検索する画像の大きさに変換して、デバイスのリファレンス画像を作成する。
【0022】
次に、位置を確定するデバイスを決める。ワーク上には数多くのデバイスが配置されているので、全てのデバイスの位置を画像検索で測定すると時間がかかり効率的でない。そのため、少数の特定の位置のデバイスのみ測定して、この測定値からワークの位置を計算で求めるようにする。この位置を測定するデバイスは、例えばワークの四隅のデバイスとする。
【0023】
続いて、先に作成したリファレンス画像により、ワークの画像を検索する。そして、見つかったボールの位置と、設計データから求めたボールの位置との対応関係を取って、そのデバイスの位置を確定する。位置を確定する全てのデバイスについて、この作業を行う。
【0024】
決められたデバイスの位置が全て確定すると、この位置情報の相互関係から正当性を判断して、ワークの位置を計算によって求める。複数のデバイスの位置が確定しているので、ワークの位置は最小自乗法などを用い、設計データのデバイスの位置と画像検索で求めたデバイスの位置の誤差が最小になるようにする。
【0025】
次に、図2に基づいて検索したボールの位置からデバイスの位置を確定する手順を説明する。図1(A)はワークの画像を模式的に表したものである。1はワークの画像、2はワーク1内のデバイスの画像である。
【0026】
黒丸21はモールドパッケージの画像1を、ボールの形状である円をリファレンス画像として検索した結果、見つかったボールを表す。また、白丸22は存在するが画像検索では見つからなかったボールを表す。
【0027】
検索したボールの位置情報に基づいてどのデバイスのボールであるかを判断して、検索したボールを設計データに基づいて配置する。同図(B)はこのようにしてボールを配置した図である。
【0028】
1つのデバイスの全てのボールの検索が終了すると、設計データの位置情報とリファレンス画像を用いた検索結果の位置情報を比較して、最小自乗法等を用いて誤差が最小になるようにデバイスの位置を決定する。1つのデバイスには多数のボールがあるので、検索できなかったボール22があっても、デバイスの位置を決定することができる。
【0029】
ワーク3の四隅のデバイスの位置を上記の方法によって確定した後、これらのデバイスが含まれているワークの位置を計算によって決定する。四隅のデバイスの位置が正確にわかっているので、ワークの位置を正確に求めることができる。
【0030】
モールドパッケージによっては、1つのワークが複数のブロックによって構成されている場合がある。各々のブロックには複数のデバイスが含まれている。このような場合の位置測定方法を図3フローチャートに基づいて説明する。
【0031】
図3において、最初にワークの四隅のデバイスの位置を求めてワークの位置を確定する。次にワークに含まれている個々のブロックについて、順番に四隅のデバイスを位置を求めてそのブロックの位置を確定する。ワークおよびブロックの位置の確定方法は、図1に示した方法によって行う。
【0032】
図4は図3フローチャートに示した位置測定方法を具体的に示したものである。図4において、3はワークであり、このワーク3には41,42,43の3つのブロックがこの順に含まれている。411〜414,421〜424、431〜434はそれぞれブロック41,42、43およびワーク3の四隅のデバイスを表す。
【0033】
最初にワーク3の位置を確定する。そのために、ワーク3の四隅のデバイス、すなわち411、412,433、434のデバイスの位置を測定し、その位置情報からワーク3の位置を確定する。
【0034】
次に、個々のブロックの位置を確定する。最初にデバイス411〜414の位置を測定して、ブロック41の位置を確定する。次に、デバイス421〜424の位置を測定して、ブロック42の位置を確定する。そして、デバイス431〜434のデバイスの位置を測定して、ブロック43の位置を確定する。
【0035】
このようにワークを複数のブロックに分けることにより、多数のデバイスが含まれた複雑なワークであっても、高精度で位置を確定することができる。
【0036】
なお、この実施例では端子はボールであるとして説明したが、パッドなど他の形状の端子であってもよい。その場合は、その端子の形状をリファレンス画像として、端子を検索するようにすればよい。また、端子の配置も、図2に示したグリッド状の配置だけでなく、任意の配置に対して適用することができる。
【0037】
また、一括モールドパッケージやウエハレベルのCSP等の円形基板上に取り付けられた半導体素子の位置測定だけでなく、ダイシングリングに貼り付けられた、半導体素子を個片化した後の位置測定にも応用することができる。
【0038】
また、半導体素子だけでなく、幾何学的な特徴を有するプリント基板などの位置測定に応用することもできる。また、端子毎に位置測定を行うこともできるので、端子の検査を同時に行うこともできる。例えば、端子があるべき位置に端子がないなどの判定を行うようにしてもよい。
【0039】
さらに、複数の端子やデバイスの位置を測定してワークの位置を決定する方法であるので、統計的な手法を組み込むことによって、ワークの移載ずれを補正することも可能であり、動作の最適化を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次の効果が期待できる。
本発明では、設計データからボールの画像を生成し、生成したボールの画像を円形のリファレンス画像として並んで配置された半導体素子の画像からボールの画像を検索する。見付かったボールの位置情報に基づいて並んで配置されたうちのどの半導体素子のボールであるかを判断する。見付かったボールを設計データに基づいて当該半導体素子内の対応する位置に配置する。1つの半導体素子の全てのボールの検索が終了すると、設計データにおけるボールの配列の位置情報と検索結果から求めたボールの位置情報とを比較し、設計データの位置に対する半導体素子の位置を決定する。このようにして位置決定することによって、検索できなかったボールがあっても、半導体素子の位置を決定することができる。
【0041】
【0042】
また、実画像ではなくて設計データから幾何学的にモデル化して生成した画像をリファレンス画像として画像検索するので、実画像をリファレンス画像とする方法に比べて、検索時に製造上のばらつきの影響を直接受けることがないという効果がある。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
従来の方法ではリファレンス画像として実画像を使用するので、繰り返し部分に脱落があっても検出することはできなかったが、本発明では繰り返し部分の各々を検索するので、1つが脱落しても検出することができる。そのため、測定と繰り返し部分の検査を同時に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施例を説明するための図である。
【図5】従来の位置測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1、3 ワーク
2、411〜414,421〜424、431〜434 デバイス
21、22 端子
41,42,43 ブロック
Claims (1)
- 繰り返し構造を有する物体の位置を画像検索を用いて測定する方法において、
前記繰り返し構造を有する物体は半導体素子であり、繰り返し部分はこの半導体素子のボールであり、
設計データから前記ボールの画像を生成し、生成したボールの画像を円形のリファレンス画像として並んで配置された前記半導体素子の画像からボールの画像を検索し、見付かったボールの位置情報に基づいて並んで配置されたうちのどの半導体素子のボールであるかを判断し、見付かったボールを設計データに基づいて当該半導体素子内の対応する位置に配置し、1つの半導体素子の全てのボールの検索が終了すると、設計データにおけるボールの配列の位置情報と検索結果から求めたボールの位置情報とを比較し、設計データの位置に対する前記半導体素子の位置を決定することを特徴とする繰り返し構造を有する物体の位置測定方法。
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