JP3865157B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を備える車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用発電機の界磁電流制御方式として、所定の運転条件下における発電機出力を低減するために界磁電流を制限する界磁電流制限技術が知られており、特開昭58ー66538号公報は、エンジンが始動して発電電圧が確立した後、所定時間だけ界磁電流を抑制してエンジン負荷の軽減を図ることを提案し、特公平6ー38720号公報は、車両用発電機の冷時に界磁電流を所定の制限値未満に制限してエンジン負荷の軽減を図ることを提案している。
【0003】
車両用発電機の構成として、永久磁石及び界磁コイルの両方を備える車両用発電機(磁石併用型発電機ともいう)が知られており、例えば爪状磁極を有する界磁鉄心の極間隙間に永久磁石を介設させて出力コイルと鎖交する界磁束を増大させた磁石併用型発電機や、互いに軸方向へ隣接配置された界磁コイル型回転子と永久磁石型回転子とをもつタンデム型の磁石併用型発電機や、エンジン始動時にのみ永久磁石が形成する磁束を減少させる向きに界磁コイルへ通電してその鉄損を低減することによりエンジン負荷を減少させる磁石併用型発電機(特開平6ー217411号公報)が提案されている。
【0004】
車両用発電機の他の構成として、永久磁石のみを界磁束発生手段とする車両用発電機(磁石式発電機ともいう)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した磁石式発電機や磁石併用型発電機では、出力コイルや界磁コイルの起磁力により形成される磁界(外部磁界ともいう)が永久磁石残留磁束減少方向に作用する場合があり、出力電流又は界磁電流が増大すると永久磁石各部におけるこの外部磁界が永久磁石のB−H曲線の第2象限の肩部を磁束密度減少側に超えて作用して永久磁石の残留磁束密度を減少させてしまう不可逆減磁状態が生じ、このため、出力電流の減少が生じてしまうという不具合があった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、磁石発電機や磁石併用型発電機における不可逆減磁を防止可能な発電装置を提供することを、その目的としている。
また、本発明は、磁石式発電機や磁石併用型発電機の出力を確保しつつ、それに使用される永久磁石の不可逆減磁を防止可能な発電装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の車両用交流発電機は、電機子コイルと、この電機子コイルに出力電流を生じさせる磁束を発生する界磁コイルおよび永久磁石を有する発電機と、前記永久磁石の温度を直接的又は間接的に検出乃至推定する検出手段と、検出乃至推定した前記永久磁石の温度の変動に基づいて前記界磁コイルに通電する励磁電流を変化させることにより前記出力電流を前記永久磁石の不可逆減磁の発生を防止するレベルに制限する電流制限手段とを備えることを特徴としている。
請求項1記載の構成によると、コイルが発生する磁界中に置かれた永久磁石が不可逆減磁を発生する磁気的な特性を有する場合であっても、電流制限手段によって永久磁石温度に応じてコイルへの通電電流が制限されるため、永久磁石の不可逆減磁が防止される。しかもコイル電流を制限することで不可逆減磁が防止できるので、不可逆減磁が生じにくいように永久磁石の磁気的な特性を設計する場合に比べ、簡単に不可逆減磁を防止して永久磁石による磁束を長期間にわたって維持することができる。また、コイルの電流を制限することで、永久磁石の体格の大型化や高価な永久磁石の使用を抑えることができる。
【0008】
なお、不可逆減磁の防止とは、僅かな減磁をも許容することなく防止する場合はもちろん、ある程度の減磁は許容しながら大幅な減磁を防止する場合をも包含するものである。また、減磁は永久磁石全体の起磁力の低下に限らず、永久磁石の局部的な起磁力の低下として生じる場合も包含する。なお、許容しうる減磁としては、発電機の出力低下あるいは効率低下などの性能低下をきたさない程度の減磁、あるいは発電機性能を大幅に低下させない程度の減磁とすることができる。このような許容範囲は発電機の設計思想、発電機の体格などに応じて適宜設定することができる。なお、減磁状態の防止効果の検証は、例えば出力電流の減少分を検討することにより可能である。
【0009】
例えば後述する磁石併用型発電機では、所定の使用想定範囲における任意の界磁電流値及び任意の回転数においてこの発電機から永久磁石を取り外した状態と取り付けた状態における出力電流の差の5%以上、出力電流が減少する場合に不可逆減磁状態が生じたものとし、磁石型発電機では、この発電機の所定の使用想定範囲における任意の回転域における出力電流の差の5%以上、出力電流が減少する場合に不可逆減磁状態が生じたものとすることができる。なお、界磁電流及び回転数の上記使用想定範囲は、通常予め規定されている。
【0010】
また、上記のような不可逆減磁を防止しうる制限された電流値は、永久磁石の材質、磁化量などの磁気的な特性、形状、さらには永久磁石の温度など永久磁石が置かれた環境条件に応じて規定される。ただし、コイルの電流値は、突発的な発電機の運転条件の変動や永久磁石の特性ばらつきによる不可逆減磁の発生を回避するために、不可逆減磁が発生する電流値の80%〜90%以下に制限されることが望ましい。
【0011】
なお、永久磁石の不可逆減磁の防止は、あらゆる使用環境条件下で達成されることが望ましい。ただし、設計時に想定した設計環境条件を外れる使用があった場合には不可逆減磁の発生を許容し、発電機の設計時に想定した所定の設計環境条件下においてのみ、不可逆減磁の防止が達成されてもよい。また、設計条件下では許容しうる不可逆減磁しか発生せず、設計条件外で大幅な不可逆減磁を発生する場合には、設計環境条件外においてのみ不可逆減磁を防止するために電流制限が行われてもよい。
【0012】
例えば永久磁石の不可逆減磁の発生には温度条件が影響する場合がある。この場合、不可逆減磁の防止は、あらゆる温度条件下で達成されることが望ましい。ただし、設計時に想定した使用温度範囲内においてのみ不可逆減磁の発生が防止されてもよい。さらには、使用温度範囲外においてのみ不可逆減磁の発生が防止されてもよい。
【0013】
このような不可逆減磁の発生条件を検出して、電流制限を行うために、永久磁石の不可逆減磁に関連する状態量が検出され、電流制限手段は、この検出された状態量に応じて電流制限を制御する。このため、不可逆減磁を生じるおそれのある特定条件下においてのみコイル電流を制限する構成や、不可逆減磁の発生限界に追従してコイル電流を制限するといった構成を採用でき、コイル電流の制限に伴うコイル本来の機能低下を最小限に抑えることができる。
【0014】
なお、永久磁石の不可逆減磁に関連する状態量としては、永久磁石の温度に関連する状態量が採用される。これにより、永久磁石のBーHカーブの温度による変動に対応してコイル電流を制限し、不可逆減磁の発生しやすい温度条件において不可逆減磁を確実に防止することができる。また、永久磁石の温度は、永久磁石の温度を直接的に検出する他に、永久磁石の温度を間接的に検出することで簡単な構成で所要の精度を満足することができる。また、永久磁石の温度を、温度と関連する状態量から推定することもできる。例えば、発電機に装着されるレギュレータの温度、あるいは発電機の発電開始、すなわち起動後の経過時間によって代用することができる。
【0015】
本発明によると不可逆減磁が生じるおそれのある永久磁石を用いることができるが、永久磁石は発電機が頻繁に使用される温度範囲においては不可逆減磁を発生しにくい磁気的な特性を有することが望ましい。
ただし、低温状態において不可逆減磁を生じやすい永久磁石を用いる場合には、低温時には高温時よりも電流制限を強化して、低温時における不可逆減磁防止効果を強化することが好ましい。この場合、電流制限が必要となる低温状態は、永久磁石の磁気的特性や、永久磁石に加わる逆方向の外部磁界の強度に応じて設定される。また永久磁石としては、発電機の使用頻度の高い温度領域以下の低温状態において不可逆減磁を生じる可能性がある永久磁石を選定することができる。例えば車両用発電機においては使用中の温度が外気温度以上の比較的高温になることから外気温度以下、たとえば60℃以下において電流制限を行う構成とすることができる。また、常温以下、たとえば0℃以下としてもよい。さらには使用頻度の低い氷点下以下、あるいは稀な領域であるー20℃以下において電流制限を行ってもよい。このような低温状態において電流制限を行うように永久磁石を選定し、電流制限手段を設けることで、使用頻度が高い温度領域においては電流を制限することなく発電機を動作させることができる。なお、このような低温状態での電流制限は、低温状態において不可逆減磁を生じやすくなる安価なフェライト磁石の選定を可能とするので好適である。
【0016】
また、高温状態において、不可逆減磁が生じやすい永久磁石を用いる場合には、高温状態が検出されるときに発電機のコイル電流を制限することが望ましい。このような高温状態において電流制限を行うよう永久磁石を選定し、電流制限手段を設けることで、使用頻度の高い温度領域においては電流を制限することなく発電機を動作させることができる。
【0017】
なお、低温状態と高温状態との両方で電流制限を行うよう構成してもよい。
【0018】
例えば、界磁電流を制限して界磁コイルの起磁力により生じて永久磁石に作用する磁界を不可逆減磁が生じる値未満に抑圧してもよく、出力電流を制限して出力コイルの起磁力により生じて永久磁石に作用する磁界を不可逆減磁が生じる値未満に抑圧してもよく、あるいは両方の電流を制限して出力コイル及び界磁コイルの両方の起磁力により生じて永久磁石に作用する磁界を不可逆減磁が生じる値未満に抑圧してもよい。また、界磁電流を制限して、出力コイルの起磁力により生じて永久磁石に作用する磁界を間接的に抑圧してもよい。
【0019】
永久磁石は界磁鉄心の複数の界磁極の極間隙間に発電に寄与する有効磁束を増大させる姿勢で配設される。このような構成は、例えば、極間隙間の漏れ磁束を低減することで達成でき、発電に寄与する有効磁束を増加するので不可逆減磁状態を阻止しつつ出力向上を図ることができる。なお、永久磁石は、複数の極間隙間にそれぞれ配設してもよい。特にこのような極間隙間には磁界方向に大寸法の永久磁石を採用するのが困難であるので充分なスペースの部分に磁界方向に大寸法の永久磁石を採用する場合に比べて永久磁石の不可逆減磁が生じ易いので、本構成の電流制限効果は一層顕著となる。
【0020】
界磁電流に関連する状態量を検出することで、永久磁石が界磁コイルの磁界中に置かれる場合、あるいは永久磁石が出力コイル(電機子コイル)の磁界中に置かれる場合、さらには永久磁石が両コイルの磁界中に置かれる場合に永久磁石にかかる外部磁界の大きさを推定し、電流制限の要否、あるいは電流制限の度合いを評価し、電流制限手段が電流制限を行うことができる。このような界磁電流に相関を有する状態量としては、界磁電流そのもの、あるいは界磁電流を制御するスイッチング素子の駆動信号、そのデューティ比などを用いることができる。
【0021】
コイルとして出力コイル(電機子コイル)が設けられ、界磁束が永久磁石によって供給され、結果として永久磁石は出力コイル(電機子コイル)の磁界中に置かれることとなる。このような磁石式発電機においては、出力コイル(電機子コイル)の電流が制限される。
出力電流に関連する状態量を検出することで、永久磁石が出力コイルの磁界中に置かれる場合に永久磁石にかかる外部磁界の大きさを推定し、電流制限の要否、あるいは電流制限の度合いを評価し、電流制限手段が電流制限を行うことができる。このような出力電流に相関を有する状態量としては、出力電流そのもの、あるいは発電機の回転数を用いることができる。さらには発電機回転数と界磁磁界の強さから、出力電流を推定してもよく、界磁磁界の強さを界磁電流で代用してもよい。
【0022】
本発明は車両用発電機に用いて好適である。車両用発電機はその使用温度範囲が広く、永久磁石の設置スペースも狭隘であるにも係わらず高出力化のために永久磁石に印加される外部磁界が大きいので、不可逆減磁が生じ易くそれによる出力低下が生じ易い。本発明によれば、多種類の発電機の不可逆減磁を簡単な手段により確実、容易に防止することができる。特に、小型高出力が求められ、しかも過酷な使用環境下に置かれやすい車両用発電機において本発明を適用することで、永久磁石によって得られる高出力、高効率を、永久磁石の不可逆減磁を防止することで長期間にわたって持続することができる。
【0023】
一般に、発電機のコイル、特に界磁コイルや出力コイル(電機子コイル)にあってはその電流値を多くの要求に応じて制御することが一般的に行われる。特に車両用発電機においてはその使用温度範囲が広いことから、所定の運転条件下において発電機の出力や駆動トルクに制限を与えるために界磁電流に制限を与える場合がある。例えば、発電機の冷時の界磁コイル抵抗の減少に起因して界磁電流が増大し、このため、冷時の駆動トルクが過大となるのを防止するために界磁電流を予めその熱時の最大値程度に制限するなどのことが行われている。本発明の不可逆減磁状態防止のための電流制限は、これらの出力やトルクの制限のための電流制限に比較して更に低値にまで制限を行う場合がある。これにより磁石の小型化が可能となったり、熱時のIFの最大値をより大きく設定できるので、熱時の出力の増大が可能となる。
【0024】
本発明は特に、低温時に不可逆減磁が生じ易くなるフェライト系の永久磁石において特に重要である。フェライト系の永久磁石における低温時の不可逆減磁を防止するためには、界磁電流は、熱時の界磁コイルの抵抗値により規定される熱時最大界磁電流値未満、更に好ましくはその90%未満に制限することが好ましい。
【0025】
なお、これらのコイル電流は発電機負荷の要求に応じて調節されるのが通常である。本発明における不可逆減磁防止のための電流制限は、これら発電機負荷の要求に応じた電流調節よりも優先されるべきである。例えば、車両用発電装置においてはバッテリ電圧を所定レベルに維持するように界磁電流を制御し得る電圧調整装置が一般に用いられるが、本発明の電流制限手段はこの電圧調整装置と一体に形成され、界磁電流を強制的に所定の最大値に制限して不可逆減磁を防止するように構成することができる。
【0026】
本発明によれば、簡素な構成で電流値を所望値に制御でき、また断続制御による界磁電流の脈動によりロ−タ磁極を素早く昇温することができる。これによりロ−タ磁極近傍に配置されてそれと熱的に結合されている永久磁石を早期に昇温することができるので、たとえばフエライト系磁石のように減磁し易い永久磁石を用いる場合には減磁防止のために発電機出力を抑制せねばならない期間を短縮することができるという効果を生ずる。
【0027】
界磁電流のデューティ比に関連する状態量に応じて界磁電流制限値を不可逆減磁防止可能な値に設定し、界磁電流を間この界磁電流制限値未満に規制すると、界磁電流による永久磁石の不可逆減磁を防止することができる。
更に詳しく説明すると、ロータに永久磁石を併設した場合、界磁コイルの磁界(永久磁石からみてその残留磁界と反対の磁界(逆磁界))により永久磁石が不可逆減磁を起こし、出力が低下してしまう場合が生じる。
【0028】
この界磁コイルの上記逆磁界による不可逆減磁を防止するには、最も不可逆減磁を生じやすい条件でも不可逆減磁が生じることがないレベルにたとえば界磁電流を制限すればよい。しかし、このようにすると十分な出力が得られないという問題が生じる。
そこで、本構成では、永久磁石の不可逆減磁が生じる磁界強度がその温度により変動する点に着目し、永久磁石の温度に関連する状態量と、不可逆減磁を防止可能な界磁電流の値(界磁電流制限値)との間の関係をあらかじめ記憶しておき、この関係に基づいて、界磁電流がこの界磁電流制限値以上とならないように制御する。これにより、界磁電流による永久磁石の不可逆減磁を防止可能な範囲内で界磁コイルに通電可能な界磁電流を増大して出力アップを実現する事ができる。
【0029】
また、本構成では、上述した永久磁石の温度に関連する状態量として、界磁電流断続用のスイッチ手段のデューティ比を採用する。すなわち、永久磁石の温度は永久磁石および界磁コイルが装着されたロータの温度に強い相関をもち、ロータの温度は上記デューティ比に相関を有するので、ロータ温度を検出するセンサを新設することなく、簡素な構成で不可逆減磁を実現する事ができる。
【0030】
好適な態様において、界磁コイルのインピ−ダンスにより決定される界磁電流の増加率未満にデューティ比の増加率を規制する。
このようにすれば、デューティ比に基づいて永久磁石温度を推定する場合に、デューティ比の増加が速くて実際の界磁電流の追従増加が遅れる場合においても、デューティ比と永久磁石温度(界磁電流により加熱される)との相関関係の時間的な遅延を抑止して、界磁電流制限値の決定を正確に実施することができ、これにより、出力低下を抑止しつつ高精度の不可逆減磁が実現する。
【0031】
好適な態様において、温度低下により不可逆減磁し易くなる安価なフェライト系磁石を永久磁石として用いる場合でも、デューティ比が減少するほど界磁電流制限値を減少するので、出力低下を抑止しつつ良好に不可逆減磁防止を実現することができる。
更に詳しく説明すると、デューティ比が小さく、界磁電流が小さく、したがって永久磁石温度が低い場合にはそれ以外の場合よりも界磁電流制限値を小さく設定することにより、不可逆減磁を防止するわけである。
【0032】
好適な態様において、界磁電流制限値をデューティ比および界磁電流の両方に応じて調整する。このようにすれば、出力低下を抑止しつつ一層良好に不可逆減磁防止を実現することができる。
更に詳しく説明すると、たとえばデューティ比と界磁電流値とを用いると、ローターコイルの抵抗値の検出により、ロータ温度すなわち永久磁石温度を推定することができるので、精度良くかつ出力低下を抑止しつつ界磁電流を界磁電流制限値以下に制御可能となる。
【0033】
好適な態様において、デューティ比と界磁電流と界磁コイルの電圧降下とに基づいて(またはそれらに関連する各状態量に基づいて)推定した界磁コイルの推定温度に応じて界磁電流制限値を調整する。このようにすれば、出力低下を抑止しつつ一層良好に不可逆減磁防止を実現することができる。
【0034】
更に詳しく説明すると、これらの状態量を検出すれば、一層正確にロータ温度すなわち永久磁石温度を推定することができるので、より精度良く不可逆減磁防止可能な界磁電流制限値を推定することができる。
好適な態様において、温度低下により不可逆減磁し易くなる安価なフェライト系磁石を永久磁石として用いる場合でも推定温度が低下するほど界磁電流制限値を低下させるので、出力低下を抑止しつつ良好に不可逆減磁防止を実現することができる。
【0035】
好適な態様において、制御手段の作動開始時点における界磁電流制限値(初期値)は、発電機の最低使用温度において永久磁石の不可逆減磁が生じることがなく、かつ、所定回転数において発電電流が出力可能な値に設定される。
このようにすれば、上記した安価なフェライト系磁石において制御開始時点の永久磁石温度が極めて低温であっても、不可逆減磁を確保しつつ外部への発電出力が可能となる。
【0036】
好適な態様において、アイドル回転数以上の回転数で外部への発電出力可能な範囲で界磁電流制限値が設定される。
このようにすれば、低温始動直後などでも発電出力の確保と永久磁石の不可逆減磁防止とを両立させることができる。
【0037】
好適な態様において、界磁電流制限値の最小値を熱時の最大界磁電流値以下に設定する。
更に具体的に説明すると、フェライト系磁石では低温状態で不可逆減磁しやすくなるので低温時の界磁電流制限値は最小値となる。本構成では、この界磁電流制限値の最小値を熱時の最大界磁電流値未満とするので、永久磁石が不可逆減磁しにくくなる熱時における界磁電流制限値を増大して、熱時における発電出力の増大を図ることができる。
【0038】
好適な態様において、界磁コイルから永久磁石への熱伝達遅延に基づく永久磁石の温度上昇遅れによる不可逆減磁の発生を抑止可能な範囲内に、デューティ比の増加を制限する。
更に詳しく説明すると、フェライト系磁石では低温状態で不可逆減磁しやすくなるので低温時のデューティ比は小さくなり、永久磁石温度の増大とともにデューティ比の増大が可能となる。永久磁石は主として界磁コイルの抵抗発熱によるその温度上昇に基づく熱伝達により加温されるので、界磁コイルの温度上昇よりも永久磁石の温度上昇は遅延する。
【0039】
そこで、本構成では、少なくともデューティ比に基づいて推定される界磁コイルの温度上昇から上記永久磁石の温度遅延を勘案した永久磁石の推定温度上昇に対応する界磁電流制限値未満にデューティ比の増加を抑制する。
このようにすれば、発電出力低下を抑止しつつ不可逆減磁防止の一層の向上を図ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
参考例及び本発明の好適な態様を以下の実施例により説明する。
(参考例1)
本発明の発電装置を用いた車両用充電装置の基礎技術を説明する参考例を図1〜図3を参照しつつ説明する。まず、車載のエンジンによって駆動される車両用発電機1について、図1及び図2を参照して説明する。
【0041】
車両用発電機1は三相交流同期発電機であって、電機子コイルとしてのステータコイル(出力コイル)6が巻装されたステータコア200の内周側にランデル型回転子201が回転自在に収容されている。このランデル型回転子201は、軸方向に隣接して回転軸202に嵌着されたフロントコア203及びリアコア204からなるフィールドコア(ロータコア)を有し、コア203、204には界磁コイル7が巻装されている。複数の爪状磁極(界磁極)205が、フロントコア203の前端部から互いに周方向所定間隔を隔てて界磁コイル7の外周側をリア方向へ突設されており、同様に、複数の爪状磁極(界磁極)206が、リアコア204の後端部から互いに周方向所定間隔を隔てて界磁コイル7の外周側をフロント方向へ突設されている。界磁コイル7に通電すると、爪状磁極205はN極に、爪状磁極206はS極に磁化される。
【0042】
両爪状磁極205、206は図2に示すように周方向に1/2ピッチずれて配置されており、更に互いに隣接する両爪状磁極205、206の間の極間間隙には永久磁石8がリング状のホルダプレート207に径外方向への離脱を抑止されつつ介設されている。爪状磁極205に近接する永久磁石8の表面はN極に磁化されており、爪状磁極206に近接する永久磁石8の表面はS極に磁化されている。なお、この実施例では、永久磁石8はフェライト磁石で構成されている。界磁コイル7にはMOSトランジスタ15で制御される界磁電流が給電され、ステータコイル6の発電電圧は整流器9で整流されてバッテリ4及び電気負荷5へ給電される。
【0043】
2は界磁電流を断続制御してバッテリ電圧を所定レベルに制御するための制御装置(レギュレータ)であって、励磁コイル駆動回路2a、電圧制御回路2b、不可逆減磁防止回路2c、基準電圧発生回路2dからなる。
励磁コイル駆動回路2aにおいて、15は界磁電流駆動用NチャンネルパワーMOSトランジスタ、16は界磁電流検出用抵抗、23はフライホイルダイオードであって、ハイサイドスイッチをなすMOSトランジスタ15のドレインは整流器9の出力端に接続され、そのソースは抵抗16及び界磁コイル7を通じて接地されている。
【0044】
電圧制御回路2bは、互いに直列に接続されてバッテリ電圧を分圧する抵抗11、12と、それらの接続点から出力されるバッテリ電圧の分圧(以下、バッテリ電圧ともいう)を基準電圧Vref1と比較してその結果を後述するアンドゲート14を通じてMOSトランジスタ15のゲートに出力するコンパレータ13とからなる。アンドゲート14のもう一方の入力電圧がHiであれば、このコンパレータ13の動作によりバッテリ電圧の分圧が基準電圧Vref1に一致するようにMOSトランジスタ15が断続され、界磁電流が調節される。
【0045】
基準電圧発生回路2dは、キースイッチ3を通じて印加されたバッテリ電圧から基準電圧Vref1、Vref2、Vref3を形成する定電圧回路である。
以下、本実施例の特徴をなす不可逆減磁防止回路2cについて図3を参照して詳細に説明する。この不可逆減磁防止回路2cは、後述するように界磁電流制限回路部、高回転検出回路部、オアゲート22及びアンドゲート14からなる。
【0046】
上記界磁電流制限回路部は、差動アンプ17、ダイオード18、互いに並列接続されたコンデンサ19及び抵抗20、コンパレータ21からなる。差動アンプ17で増幅された界磁電流検出用抵抗16の電圧降下すなわち界磁電流比例電圧のピーク値がダイオード18を通じてコンデンサ19に印加され、この界磁電流比例電圧が減少した後、コンデンサ19にチャージされた電荷は抵抗20を通じてそれらの時定数で放電する。すなわち、ダイオード18、コンデンサ19及び抵抗20は入力電圧を一時的に保持する一時ホールド回路を構成している。
【0047】
コンデンサ19の電位(界磁電流比例電圧)はコンパレータ21により基準電圧Vref3と比較され、上記界磁電流比例電圧が基準電圧Vref3より大きい(界磁電流が所定値より大きい)場合には、コンパレータ21はオアゲート22を通じてアンドゲート14にLoを出力する。
上記高回転検出回路部は、波形整形用のインバータ24、コンデンサ25、ダイオード26、コンデンサ27、抵抗28からなるf−V変換回路とコンパレータ29とを有する。ステータコイル6の所定の相出力端から出力される発電電圧は所定しきい値を有するインバータ24で略2値パルス信号に波形整形され、コンデンサ25でその立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが正、負パルス形状の微分信号に変換され、ダイオード26で正パルス形状の微分信号だけが抽出され、コンデンサ27と抵抗28とからなる平滑回路でこの正パルス形状の微分信号の整流直流成分が抽出されてコンパレータ29に印加される。
【0048】
発電機回転数に相当するコンデンサ27の電位はコンパレータ29により基準電圧Vref2と比較され、コンパレータ29は、コンデンサ27の電位が基準電圧Vref2より低い場合にオアゲート22にLoを出力し、コンデンサ27の電位が基準電圧Vref2より高い場合にオアゲート22にHiを出力する。コンデンサ27の電位すなわち発電機回転数は界磁電流が一定の時、ステータコイル6の出力電流に正の相関を有している。
【0049】
オアゲート22は、発電機回転数及び界磁電流がそれぞれ上記所定値を上回る場合にアンドゲート14にLoを出力する。すなわち、界磁電流及び出力電流がそれぞれ所定値以上となる場合に、MOSトランジスタ15をオフして界磁電流を制限し、出力電流及び界磁電流の少なくとも一方が上記所定値を下回る場合にアンドゲート14にHiを出力して、MOSトランジスタ15をコンパレータ13の出力により開閉してバッテリ電圧が所定値となるように界磁電流を0〜100%の範囲で自由に調節する。
【0050】
上記説明したように、本実施例では、界磁電流が基準電圧Vref2により規定される所定値を超える場合で、かつ、回転数により規定される出力電流の最大値が基準電圧Vref3により規定される所定値を超える場合に、界磁電流を遮断して界磁電流が上記所定値を超えないようにする構成を採用している。本実施例における基準電圧Vref2、基準電圧Vref3の設定方式について以下に説明する。
【0051】
永久磁石8の不可逆減磁は、その永久磁石8に加わる逆方向の電磁界の強さ、すなわちこの電磁界を生じる所定の使用温度範囲における出力電流値及び界磁電流値に依存し、出力電流は、界磁電流値及び回転数に依存する。したがって、全使用領域で不可逆減磁が生じない界磁電流の最大値に基準電圧Vref3を設定し、基準電圧Vref2は、界磁電流がこの最大値である場合において不可逆減磁を生じない範囲で最大の出力電流を発生する回転数に対応する値に設定される。
【0052】
このようにすれば、発電機回転数が低く、出力電流が小さい場合には、出力電流による交差磁界により永久磁石8に不可逆減磁が生じることがないので、界磁電流を制限することなく、最大限出力可能な出力電流でバッテリ4を充電し、車両用電気負荷5に給電することができる。これに対して、発電機回転数が所定レベルを超え、出力可能な出力電流が大きくなり、この出力電流による交差磁界により永久磁石8に不可逆減磁が生じ易くなると予測される場合には界磁電流をこの最大出力電流値及び使用温度範囲という条件下でも不可逆減磁が生じないレベルに制限して界磁電流による磁界を減少させるとともに、出力電流を減少させて出力電流による磁界を減少させて永久磁石8の不可逆減磁を確実に防止することができる。
【0053】
なお、永久磁石8は、本実施例では、もしこの電流制限を行わない場合には、上記使用温度範囲、界磁電流及び出力電流がそれぞれ所定レベル以上となる場合に不可逆減磁を発生するように作製されているものとする。この実施例の電流制限によれば、永久磁石8の設計自由度が格段に増大する効果も奏することができる。
【0054】
永久磁石8としてフェライト系磁石が採用されることが好ましい。フェライト系磁石はたとえば室温以下、もしくは氷点下以下、更に氷点下20℃以下というような低温下において不可逆減磁が生じ易くなるが、冬季や寒冷時での使用を考慮すると上記使用温度範囲は少なくとも−40℃〜200℃の温度範囲を含むべきである。本実施例によれば回路定数(ここでは基準電圧Vref2や基準電圧Vref3)の調節だけで不可逆減磁の電流制限量を容易に調節することもできる。
(実施例1)
好適実施例を図4を参照して説明する。
【0055】
この実施例の回路は、上記参考例1の不可逆減磁防止回路2cを不可逆減磁防止回路2eに置換したものである。なお、基準電圧発生回路2dは、基準電圧Vref1、Vref3、Vref4、Vref5と定電源電圧Vccとを発生している。
不可逆減磁防止回路2eは、後述するように温度検出回路部、高回転検出回路部、発電開始後経過時間検出回路部、発振回路104、オアゲート105及びアンドゲート14からなる。
【0056】
上記温度検出回路部は、カソードが接地され、定電源電圧Vccがアノードに抵抗101を通じて印加される接合ダイオード102からなる。温度に負の相関をもつそのアノード電位はコンパレータ103にて基準電圧Vref4と比較される。ダイオード102の温度が所定温度まで上昇し、そのアノード電位が基準電圧Vref4より小さくなればコンパレータ103はHiをオアゲート105に出力する。ダイオード102をもつレギュレータ2は車両用発電機1のハウジングに固定されており、車両用発電機1の発電開始により生じる鉄損や銅損により永久磁石8が高温となる状態がある程度続くと、レギュレータ2内のダイオード102の温度も高温となり、コンパレータ103の出力電圧がLoからHiに変化する。すなわち、ダイオード102は永久磁石8の温度をやや時間遅れを伴って検出する。
【0057】
上記高回転検出回路部の構成及び動作は参考例1と同じであるので説明を省略する。
上記発電開始後経過時間検出回路部は、上記高回転検出回路部のコンデンサ27の電位を基準電圧Vref5と比較するコンパレータ106を有し、コンパレータ106の出力端は互いに直列接続された抵抗107とコンデンサ108とを通じて接地されている。これら抵抗107及びコンデンサ108は積分回路を構成しており、コンデンサ108の高位端はコンパレータ106の出力電圧の積分電圧をオアゲート105へ出力している。この積分回路は遅延回路であって、コンデンサ27の電位がコンパレータ106の基準電圧Vref5よりも高くなれば、コンパレータ106は発電が開始されたと判定してコンデンサ108を充電し、コンデンサ108の電位はそれから所定の遅延時間が経過するまでオアゲート105にLoを出力し、その後、オアゲート105にHiを出力する。
【0058】
発振回路104は所定の周期の矩形波パルス電圧をオアゲート105に出力する。したがって、オアゲート105はコンパレータ103、29がLoを出力し、コンデンサ108の電位がオアゲート105の入力端におけるLoレベルである状態においてのみ、アンドゲート14に上記矩形波パルス電圧を出力し、その結果、たとえコンパレータ13の出力がHiであっても、MOSトランジスタ15のデューティ比はこの矩形波パルス電圧のデューティ比に制限されることになる。
【0059】
結局、コンパレータ103はダイオード102で検出する永久磁石8の温度が所定温度未満のときにLo(界磁電流制限信号)を出力してオアゲート105に界磁電流の制限を許可し、コンパレータ29は高回転時すなわち出力電流が所定値以上大きくなる可能性が生じる場合にLo(界磁電流制限信号)を出力してオアゲート105に界磁電流の制限を許可し、コンデンサ108は発電開始から所定の遅延時間だけオアゲート105の入力論理レベルとしてのLo(界磁電流制限信号)を出力してオアゲート105に界磁電流の制限を許可する。
【0060】
すなわち、この実施例では、ダイオード102で検出した永久磁石8の温度(特に変化が遅い発電開始前の温度)が所定温度未満となっており(発電開始前に低温であり)、回転数が所定値以上で出力電流が所定値以上大きくなる可能性があり、更に、発電開始から所定時間経過するまでの間であるという条件が全て満足される場合にのみ界磁電流の制限を行っている。発電開始から所定時間経過後は界磁電流制限を行わないのは、発電開始から所定時間経過後はフェライト系磁石である永久磁石8の温度は充分に上昇し、その磁気特性が不可逆減磁しにくい状態となるので界磁電流制限が不要となるためである。
【0061】
したがって、本実施例では、ダイオード102の電圧及びコンデンサ108の電圧が永久磁石8の温度に関連する状態量を構成し、オアゲート105の入力電圧の出力反転しきい値電圧値が上記所定時間時間経過を判別するためのコンデンサ8の電圧を判別するためのしきい値(出力電流、界磁電流が最大である場合に不可逆減磁発生が生じる値より不可逆減磁が発生しにくい方向へ所定値だけ大きい値)となる。
【0062】
本実施例によれば、発電開始後の所定遅延時間内であって、しかも、ダイオード102が低温であり(前回の発電による温度上昇から時間が経過しており)、更に、回転数が所定値以上となる(出力電流が所定値以上大きくなる可能性が生じる)場合においてのみ上記界磁電流制限を実施するので、現実に永久磁石8の不可逆減磁が発生する可能性がある限られた条件にだけ界磁電流制限を行うことができ、大出力運転が可能な発電機運転条件範囲を拡大することができる。又は、寒冷値での始動時などを想定して不可逆減磁が発生しないように永久磁石8を特別に設計する必要がない。
【0063】
なお、上記した抵抗107及びコンデンサ108による遅延回路の遅延時間は1〜2分程度に設定される。これは通常のフェライト磁石を用いた発電機において発電開始からこの程度の時間が経過すると、フェライト磁石の温度は銅損や鉄損などにより充分高くなり、界磁電流制限の必要性が減少するからである。
本実施例において、基準電圧Vref4は、ダイオード102の温度が20℃に相当するように設定される。このようにすれば、発電開始前に永久磁石8の温度がこの温度に近い温度にある場合に上記遅延回路の出力を待たずに界磁電流制限を抑止できる。
【0064】
基準電圧Vref4は単に回転数があるレベル(ここでは基準電圧Vref2に相当する回転数より小さいレベル)に達したかどうか、すなわち、発電が開始されたかどうかを判定できるレベルであればよい。
(実施例2)
他の実施例を図5の回路図及び図6のフローチャートを参照して説明する。この実施例では、レギュレータ2の主要部をマイコン300、マルチプレクサ301、A/Dコンバータ302、CMOSインバータ303で構成するとともに、永久磁石8をネオジウム系磁石とした点が異なっている。
【0065】
抵抗101とダイオード102とを直列接続した温度検出回路(温度センサ)は実施例1で述べたのと同じである。この温度検出回路の出力電圧からなる温度Tは、抵抗11、12からなるバッテリ電圧分圧回路の出力電圧(バッテリ電圧ともいう)Vb、出力コイル6から出力される1相の発電電圧Vとともにマルチプレクサ301、A/Dコンバータ302を介してマイコン300に入力される。
【0066】
上記マイコン300の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
ステップ100では、発電電圧V、バッテリ電圧Vb、温度T、を読み込む。この実施例では、マルチプレクサ301を用いてマイコン300からの選択信号により発電電圧V、バッテリ電圧Vb、温度Tを短期間にデジタル信号として順番にマイコン300に読み込んでいる。なお、ステップ100を短い周期で定期的に実行される割り込みルーチンとし、順次得た信号によりこれら発電電圧V、バッテリ電圧Vb、温度Tの平均値を求めて高周波ノイズを低減することも可能である。
【0067】
次のステップ102では、求めた発電電圧V、バッテリ電圧Vbから出力電流を求める。
詳しく説明すると、発電電圧を抵抗11、12の抵抗比率で分圧した電圧(以下、発電電圧Vという)とバッテリ電圧Vbとの差(V−Vb)は、発電電圧Vがバッテリ電圧Vbよりも所定値(例えば0.65V)以上大きい場合には、整流器9のハイサイド側(上アーム)のダイオードの電圧降下とライン310の電圧降下の和に等しく、差(V−Vb)は発電機1の出力電流Iに大きな相関を有する。したがって、予めこの関係をメモリにテーブルとして記憶しておけば、検出した差(V−Vb)から出力電流Iをサーチすることができる。
【0068】
次のステップ104では、求めた温度Tと出力電流Iとからこの時の不可逆減磁発生電流値に相当するMOSトランジスタ15のデューティ比を求める。
詳しく説明すると、不可逆減磁は、出力電流Iによる磁界と界磁電流IFによる磁界とのベクトル合成磁界が温度Tの関数である永久磁石8の不可逆減磁発生磁界値を超える場合に発生するので、出力電流Iと、温度Tと、界磁電流の不可逆減磁発生電流値に相当するMOSトランジスタ15のデューティ比Dmaxとの関係を予めメモリにテーブルとして記憶しておき、このテーブルに出力電流Iと温度Tとを入力してデューティ比Dmaxをサーチすればよい。
【0069】
次のステップ106では、バッテリ電圧Vbがその調整電圧である基準電圧Vref1より小さいかどうかを調べ、小さければデューティ比DをDmax’=Dmax−ΔDにセットし、小さくなければデューティ比Dを0にセットして、ステップ112にてデューティ比Dを所定のレジスタに出力する。ΔDは適宜設定される。なお、このマイコンは、上記レジスタにセットされたデューティ比Dで所定のキャリヤ周波数のPWM信号をMOSトランジスタ15のゲートに出力している。
【0070】
このようにすれば、不可逆減磁が発生する電流値より常に少しだけ小さい範囲で界磁電流制御を行うことが可能となる。
(変形態様)
上記実施例では、ランデル型界磁の爪状磁極間の極間隙間に永久磁石8を介設した磁石併用型発電機を用いたが、本発明はその他、各種構造の磁石併用型発電機に適用することができる。
【0071】
例えば、本発明は、永久磁石型の界磁と界磁コイル型の界磁とを回転軸に軸方向へ隣接して固定し、これら両方の界磁が作る界磁束と共通の出力コイルとがほぼ独立に鎖交する界磁タンデム配置構造の発電機にも適用することができる。
この界磁タンデム配置構造の発電機においても、界磁電流を変化させれば出力電流が変化してこの出力電流により永久磁石に作用する外部磁界を制御できるので、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0072】
上記各実施例の他、界磁電流だけを検出してこの界磁電流を不可逆減磁状態を生じない所定のしきい値以下に制限したり、出力電流だけを検出してこの出力電流を不可逆減磁状態を生じない所定のしきい値以下に制限したり、永久磁石8の温度を検出又は推定してその温度が所定レベル以下の場合にのみ電流制限を行うといった種々の電流制限方式を採用できることは当然である。
【0073】
また、上記実施例では、不可逆減磁を防止するための電流制限について説明したが、他の界磁電流制限技術などと組み合わせて用いることができる。例えば界磁電流を熱的の最大の通電可能電流以下に制限する技術や、起動的の界磁電流を制限する技術と組み合わせて用いることができる。
(参考例2)
他の参考例を図7を参照して説明する。
【0074】
この参考例は、磁石式発電機の出力電流の制限によりこの磁石式発電機の界磁をなす永久磁石(図示せず)の不可逆減磁を防止するものであって、300はその不可逆減磁防止回路である。
磁石式発電機の出力コイル6から出力された出力電流は三相全波整流器9で全波整流された後、npnエミッタホロワトランジスタ301及び逆電圧保護ダイオード302を通じてバッテリ4及び車両負荷5に給電される。
【0075】
303〜306はダイオード302の電圧降下を分圧して検出するものであり、この電圧降下の分圧は差動アンプ307で増幅されてコンパレータ308にて所定の基準電圧Vref6と比較され、その比較結果は出力を安定させるRCローパスフィルタ309を経てエミッタ接地のnpnトランジスタ310のベースに入力され、その結果、トランジスタ310はトランジスタ301のベース電位を制御してそれを断続する。311はトランジスタ301へベース電流を給電するための抵抗であり、312、313は動作条件を設定するための抵抗であり、2dは差動アンプ307及びコンパレータ308に電源電圧を給電するための定電圧回路である。
【0076】
ダイオード302の電圧降下は出力電流Iaに正の相関をもつので、出力電流Iaが基準電圧Vref6で規定される所定レベルを超えればコンパレータ308はローレベルを出力し、トランジスタ310をオンし、その結果、トランジスタ301はオフし、出力電流Iaはローパスフィルタ309により規定されるある期間、遮断される。
【0077】
このようにすれば、界磁極を構成する永久磁石の保持力に比較して出力コイル6の起磁力が大きい場合において、又はなんかのトラブル(例えば短絡)により大出力電流が流れようとし、それにより大きな交差磁界が生じて不可逆減磁が生じようとしても、それを防止することができる。
なお、上記回路において、RCローパスフィルタ309を省略することは可能であり、更にはトランジスタ301、ダイオード302を省略し、トランジスタ301を断続する代わりに、三相全波整流器9のダイオードの一部又は全部をトランジスタに置換してそれらを断続するようにしてもよい。
【0078】
更に、永久磁石8の温度を検出し、この温度と出力電流Iaとにより出力電流Iaの制御を行うことも可能である。
(実施例3)
他の実施例を図8〜図12を参照して説明する。
この実施例は、図5の構成の一部を変更したものであり、図3または図4で説明した回路を用いて、コンパレ−タ17で検出された界磁電流に相当する電圧、コンデンサ27の端子間に現れる回転数に相当する電圧、ダイオ−ド102の端子間に現れる温度に相当する電圧を検出し、これらの電圧を、アナログマルチプレクサ301a、A/Dコンバ−タ302を通じてマイクロコンピュータ300に一定期間ごとに順次入力し、マイクロコンピュータ300が電流増幅用のインバ−タ303を通じてMOSトランジスタ15を断続して界磁電流を制御する構成となっている。
【0079】
マイクロコンピュータ300の具体的な制御動作を図9のフロ−チャ−トを参照して説明する。
まず、ステップ200では、バッテリ電圧Vb、温度T、発電機の回転数Na、界磁電流IFを読み込む。
次のステップ202では、読み込んだ温度Tおよび回転数Naをあらかじめ記憶するテ−ブルに入力して許容最大界磁電流IFmaxを求める。ここで、許容最大界磁電流IFmaxは、この温度T、回転数Naの条件下において不可逆減磁が生じない界磁電流IFの限界値すなわち制限IFより小さく設定された界磁電流値を意味する。
【0080】
次のステップ204では、界磁電流IFと許容最大界磁電流IFmaxとを比較し、界磁電流IFが許容最大界磁電流IFmaxより大きければ、界磁電流IFをPWM制御するトランジスタ15のデューティ比をバッテリ電圧Vbの値にかかわらず所定量だけ低下させ(S210)、それ以外の場合には、バッテリ電圧Vbと所定の基準電圧Vrefとを比較し(S206)、バッテリ電圧Vbが基準電圧Vrefより大きい場合に上記デューティ比を低下させ(S210)、それ以外の場合にはトランジスタ15のデューティ比を増加させる(S208)。
【0081】
以下、上記ル−チンを繰り返し実行して、繰り返し観測される永久磁石温度とほぼみなせる温度Tおよび回転数Naの条件下において不可逆減磁が生じない界磁電流IFの値(すなわち許容最大界磁電流IFmax)以下に、界磁電流IFを維持するので、時間と共に変動する許容最大界磁電流IFmaxの値に追従して界磁電流IFの制限量を変更することができ、必要最小限の界磁電流IFの制限により不可逆減磁防止を実現することができる。
【0082】
上記制御の一例として、回転数Naが3000rpm一定で、周温度が25℃、−20℃、−40℃とした場合における発電機始動(キ−オン)後の経過時間tと、許容最大界磁電流IFmaxおよび制限IFとの関係の推移を示すタイミングチャ−トを図10に示す。永久磁石8の素材はフェライトである。許容最大界磁電流IFmaxの破線および一点鎖線は界磁電流IFの制限を行っている状態を示す。
【0083】
上記制御の他例として、周温が−40℃一定で、回転数Naが1500、3000rpmとした場合における発電機始動(キ−オン)後の経過時間tと、許容最大界磁電流IFmaxおよび制限IFとの関係の推移を示すタイミングチャ−トを図11に示す。永久磁石8の素材はフェライトである。許容最大界磁電流IFmaxの破線および一点鎖線は界磁電流IFの制限を行っている状態を示す。
【0084】
なお、永久磁石8は、キ−オン後の時間経過と共に発電機1の発熱により加温されるので、周温が低くてもキ−オンから所定時間経過後は界磁電流IFの制限は不要となる。
また、低温時の界磁電流IFの制限量を大きく設定すれば、熱時の界磁電流IFを大きく設定できるので、永久磁石8を小型化したり熱時の出力を増大したりすることができる。ただし、この場合においても、アイドル回転数で発電機がバッテリ5へ発電電流を出力できる値以上に界磁電流IFを設定する必要がある。
【0085】
この点について、発電機の回転数Naとその最大出力電流Imaxとの関係を示す図12を参照して更に詳細に説明する。
L1は上記不可逆減磁防止制御を行った場合の熱時ここでは25℃における回転数Naと最大出力電流Imaxとの関係を示し、L2は上記不可逆減磁防止制御を行った場合の冷時ここでは−20℃における回転数Naと最大出力電流Imaxとの関係を示し、L3は上記不可逆減磁防止制御を行わない場合の熱時における回転数Naと最大出力電流Imaxとの関係を示し、L4は上記不可逆減磁防止制御を行わない場合の冷時における回転数Naと最大出力電流Imaxとの関係を示す。
【0086】
図12から以下のことがわかる。
すなわち、上記不可逆減磁防止制御を行わない場合には、減磁し易い高回転かつ冷時の減磁を防止するために、この時のL4の値がL2を超えない必要がある。その結果、低回転かつ冷時の出力は制御を行う場合より低下することになる。更に、熱時には、温度上昇によるコイル抵抗損失の増大により一層、出力が低下する。上記不可逆減磁防止制御の実施によりこれらの問題を解消できることが理解される。
(実施例4)
本発明の発電装置の他の実施例を図13に示す回路図を参照して説明する。
【0087】
この実施例は、図8に示す回路構成から、温度検出用のダイオード102および抵抗101と、回転数検出用のインバータ24、コンデンサ25、27、ダイオード26および抵抗28を省略したものである。なお、永久磁石8としてはフェライト系磁石が用いられる。
この回路の動作を図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0088】
まずステップ301で初期設定し、トランジスタ15のデューティ比(Fduty)を25%に設定した後、次のステップ302でバッテリ電圧Vbを読み込む。なお、トランジスタ15のPWM制御のキャリヤ周波数は十分に高い値に設定されており、図15に示すように、トランジスタ15のゲ−ト制御電圧Vcおよび界磁コイル電圧Vrは界磁電流IFの変化に対して十分高く設定されている。また、このデューティ比は、所定の低温始動時たとえばー40℃でも不可逆減磁を生じない値に設定されている。
【0089】
次のステップ303では、所定の調整電圧Vregとの差に比例定数k1を掛けてデューティ比の第一補正量ΔFduty1を算出する。次に、現在のデューティ比Fdutyに対応する界磁電流制限値(制限IF)をあらかじめ記憶する変換テ−ブルから求める(S304)。
上記した変換テ−ブルにおけるデューティ比Fdutyと制限IFとの関係について以下に説明する。
【0090】
界磁電流の平均値をIF、その最大値をIFmax、Vrを界磁コイルの電圧降下、rを界磁コイルの抵抗値、roを20℃のときの界磁コイルの抵抗値、tを温度とする時、下記の2式が成立する。
IF/Fduty=IFmax=Vr/r
r=ro・(234.5+t)/(234.5+20)
一方、フェライト系磁石の温度と制限IFとの関係は、下記の式で表される。
【0091】
制限IF=0.06・t+4.8
これらの式から、制限IFは、
制限IF=(15.27/ro・Vr・Fduty+(9.27/2)2
−9.27/2
となり、制限IFはデューティ比Fdutyの関数となることがわかる。
【0092】
次に、現在の界磁電流値IFをコンパレータ17から検出し(S305)、現在の界磁電流値IFと制限IFとを比較し(S306)、界磁電流値IFが大きければ、ステップ307にて両者の差に比例定数k2を掛けてデューティ比の第二補正量ΔFduty2を算出した後、ステップ309へ進む。そうでなければデューティ比から第一補正量ΔFduty1を減算して界磁電流値IFの低下を図る(S308)。
【0093】
ステップ309では、上記第一補正量ΔFduty1と第二補正量ΔFduty2とを比較し、その大きい方を選択してデューティ比Fdutyから減算して次回のデューティ比Fdutyを算出し、この新しいデューティ比Fdutyでトランジスタ15を駆動する(S310)。
この制御動作の特徴を以下に説明する。
【0094】
この制御では、制限IF(不可逆減磁防止可能な界磁電流値)を、現在のデュ−ティ比Fdutyから推定する構成を採用しているので(S304)、温度変化に応じて変動する制限IFを正確かつ簡素な方法で求めることができる。
また、現在の界磁電流値IFが制限IFより大きい場合に、第一補正量ΔFduty1、第二補正量ΔFduty2のうち大きい方の値だけ現在のデューティ比Fdutyから減算して、界磁電流IFの低下を図る。ここで、第一補正量ΔFduty1はバッテリ電圧と調整電圧との差に基づく補正量であり、バッテリ電圧を調整電圧に一致させるための補正量である。また、第二補正量ΔFduty2は界磁電流IFと制限IFとの差に基づく補正量であり、界磁電流IFを制限IF未満にするための補正量である。
【0095】
したがって、この実施例によれば、バッテリ電圧を調整電圧に一致させるための補正量が、界磁電流IFを制限IF未満とするのに十分であれば、バッテリ電圧を調整電圧に一致させる制御をそのまま行うとともに、バッテリ電圧を調整電圧に一致させるための補正量が、界磁電流IFを制限IF未満とするのに不十分であれば、バッテリ電圧を調整電圧に一致させるための補正制御を優先して実施することができるので、不可逆減磁の防止可能な範囲内でバッテリ電圧を調整電圧になるべく一致させることができる。
【0096】
図16は、デューティ比Fdutyと界磁電流IFと制限IFと温度との関係を示す特性図である。ただし、界磁コイルの電圧降下Vrを12V、界磁コイルの20℃の抵抗roを2.3オ−ムとする。
図16に示すように、デュ−ティ比Fdutyが小さくなるほど、すなわち、低音となるほど、制限IFが低く設定されていることがわかる。
【0097】
図17は、本実施例の制限IF調整を実施する場合(a)と実施しない場合(b)とにおける発電機始動後の経過時間と発電機の最大出力電流との関係を示すタイミングチャ−トを示す。ただし、周温を−40℃、発電機回転数を5000rpmとする。
図17から、この実施例の制限IF調整を実施しない場合には、発電機始動時における不可逆減磁を防止するために、この時の制限IF未満に界磁電流値IFの最大値が制限され、その結果として発電機出力(A)はそれに対応した値以下に制限されてしまう。
【0098】
一方、この実施例の制限IF調整を実施する場合には、制限IFは界磁コイルの発熱によるロ−タ温度の上昇につれて増大するので、制限IFの時間的な増大に応じて制限IF未満の範囲内で界磁電流IFを増大することができ、その分だけ発電機出力を増大することができることがわかる。
この利点は、発電機が始動してから数分後には得られる定格出力を大幅に増大できることである。ちなみに、図17における発電機出力の時間的な低下傾向は、界磁コイルの温度上昇に起因するものである。
(実施例5)
本発明の発電装置の他の実施例を図18に示すフロ−チャ−トを参照して説明する。
【0099】
この実施例は、図13に示す実施例6の回路構成において、制御方式を図14に示す方式から一部変更したものであり、以下、変更点を主に説明する。
更に詳しく説明すると、図14のステップ304におけるデューティ比Fdutyだけに基づいて制限IFを求める代わりに、ステップ401〜403に置換したものである。
【0100】
まず界磁コイルの抵抗値rを算出する(S401)。算出式は以下の通りである。
r=Vr/IF/Fduty
次に、算出した界磁コイルの抵抗値rとあらかじめ記憶するその20℃における抵抗値roから、界磁コイルの温度tを算出する(S402)。算出式は以下の通りである。
【0101】
r=ro・(234.5+t)/(234.5+20)
次に、ステップ402で求めた界磁コイルの温度(すなわちロ−タ温度)tから、フェライト系磁石における温度と制限IFとの関係をあらかじめ記憶する変換テ−ブルを用いて、制限IFを決定する。
この制御動作の特徴を以下に説明する。
【0102】
この制御では、制限IF(不可逆減磁防止可能な界磁電流値すなわち界磁電流制限値)を、界磁コイルの抵抗値から推定したその温度に基づいて決定する構成を採用しているので、温度変化に応じて変動する制限IFを一層正確かつ簡素な方法で求めることができる。
図19は、デューティ比Fdutyと界磁電流IFと温度との関係を示す特性図である。ただし、界磁コイルの電圧降下Vrを12V、界磁コイルの20℃の抵抗roを2.3オ−ムとする。
【0103】
図20は、この実施例で用いたフェライト系磁石における磁石温度と制限IFとの関係を示す特性図である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の発電装置に用いた車両用発電機の軸方向断面図である。
【図2】図1の発電機の要部斜視図である。
【図3】参考例1の発電装置の回路図である。
【図4】実施例1の発電装置の回路図である。
【図5】実施例2の発電装置の回路図である。
【図6】図5のマイコン300の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】参考例2の発電装置の回路図である。
【図8】実施例3の発電装置の回路図である。
【図9】実施例3のマイコン300の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】実施例3の制御における発電機始動(キ−オン)後の経過時間tと、許容最大界磁電流IFmaxおよび制限IFとの関係の推移を示すタイミングチャ−トである。
【図11】実施例3の制御における発電機始動(キ−オン)後の経過時間tと、許容最大界磁電流IFmaxおよび制限IFとの関係の推移を示すタイミングチャ−トである。
【図12】実施例3の制御における回転数と最大出力との関係を示す特性図である。
【図13】実施例4の発電装置の回路図である。
【図14】実施例4のマイコン300の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】実施例4の制御におけるトランジスタ15のゲ−ト制御電圧と界磁電流IFと界磁コイルの電圧降下Vrとの関係を示すタイミングチャ−トである。
【図16】実施例4の制御におけるIFと制限IFとデューティ比Fdutyとの関係を示す特性図である。
【図17】実施例4の制御における制限IF調整を実施する場合(a)と実施しない場合(b)とにおける発電機始動後の経過時間と発電機の最大出力電流との関係を示すタイミングチャ−トである。
【図18】実施例5のマイコン300の制御動作を示すフローチャートである。
【図19】実施例5の制御におけるデューティ比Fdutyと界磁電流IFと温度との関係を示す特性図である。
【図20】実施例5の制御におけるフェライト系磁石における磁石温度と制限IFとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1は車両用発電機、2はレギュレータ、 2aは励磁コイル駆動回路、2bは電圧制御回路、2c、2eは不可逆減磁防止回路(検出手段及び電流制限手段)、8は永久磁石である。
Claims (6)
- 電機子コイルと、この電機子コイルに出力電流を生じさせる磁束を発生する界磁コイルおよび永久磁石を有する発電機と、
前記永久磁石の温度を直接的又は間接的に検出乃至推定する検出手段と、
検出乃至推定した前記永久磁石の温度の変動に基づいて前記界磁コイルに通電する励磁電流を変化させることにより前記出力電流を前記永久磁石の不可逆減磁の発生防止可能なレベルに制限する電流制限手段と
を備えることを特徴とする車両用交流発電機。 - 前記永久磁石は、温度低下により不可逆減磁し易くなる材料からなり、前記電流制限手段は、不可逆減磁防止可能な所定の制限値未満に前記励磁電流を制限し、かつ、前記界磁コイルの温度が低下するほど前記制限値を低下させることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用交流発電機。
- 作動開始時点における前記制限値は、前記発電機の最低使用温度において前記永久磁石の不可逆減磁が生じることがなく、かつ、所定回転数において発電電流が出力可能な値に設定されることを特徴とする請求項2記載の車両用交流発電機。
- 前記所定回転数は、アイドル回転数に設定されていることを特徴とする請求項3記載の車両用交流発電機。
- 前記電流制限手段は、前記界磁コイルから前記永久磁石への熱伝達遅延に基づく前記永久磁石の温度上昇遅れによる前記不可逆減磁の発生を抑止可能とするために前記デューティ比の増加率を抑止することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載の車両用交流発電機。
- 前記発電機は、前記界磁コイルにより磁化されるとともに互いに隣接しつつ極***互に配設された複数の界磁極を有し、前記永久磁石は前記界磁極から出て前記出力コイルに出力電流を発生させる有効磁束を増大させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の車両用交流発電機。
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